WPATHファイル徹底解説その3:WPATHは医学/科学組織ではない

WPATHファイルの第三段を書こうと思ってた矢先、Xでこんな記事が上がってきた。これは23歳のヤーデン・スィルベイラさんという男性が、男性から女性への性適合手術(SRS)を受けたあと合併症が発生し、その治療を元の外科医に求めたが助けてもらえず、他の医者にも色々あたったが誰も助けてくれず、脱トランスしようとしたが取り合ってくれる医者がみつからず、結局合併症で亡くなってしまったというかなしい話だ。この男性は亡くなる2週間前にSRSを行った医師のカスタマーレビューに恨みつらみを残していた。この話はWomen Are RealというグループがWPATHに名前を連ねる医師たちについて色々調べているときに発見したのだそうだ。

以前にも書いたように、私は数年前まで男から女へのSRSは1960年以来60年以上もの歴史があるので、てっきり完璧化されて合併症などの問題も最低限に抑えられるように進歩しているものと思っていた。ところがヤーデンのように合併症で苦しむ患者は非常に多いということを知って、実はSRSは全く医学的な進歩を遂げていないのだと言うことを悟ったのだ。

WPATHファイルでもトランスジェンダー治療は普通の科学的な審査では絶対に通らないような、安全性がまるで証明されていない人体実験なのだとある。WPATHが発表するスタンダードオブケア(SOC)は全く科学に基づいたものではない。同ファイル曰く、SOCは医学書ではなく法文書だという。これは医者が患者から訴えられないようにするための保証であり指南書でしかないのだ。

男性の場合、SRSが失敗して手術中に亡くなる率はなんと2%。ヤードンのように術後の合併症が理由で亡くなる人や、術後の経過が悪すぎて自殺した人たちの数などを合わせたらかなりの率の人がSRSのせいで亡くなっていることになる。

もしこれが普通の手術だったら、こんな高い死亡率の手術はすぐに取りやめになり見直しされるはずである。こんなリスクの高い手術が許されるのは放っておけば確実に亡くなると解っている不治の病の患者の場合だけである。

身体に有毒な薬品を使うことと身体の一部を削除すると言う点で共通しているものに癌治療がある。しかし誰もが知っているように癌は放っておいて治る病気ではない。ところが性違和の場合、特に子供は放っておけば思春期を超すと70~90%の患者が性違和が無くなるというデータもある。これが他の病気で放っておいても命に危険はなく、70~90%の人が自然に治るとなったら、どんな医者が致死率2%以上もある危険な手術をするだろうか?そんなこと誰が許すだろうか?

手術にまで至らなくても思春期ブロッカーや異性ホルモンの危険性や影響についても十分な調査がされていない。にもかかわらずWPATHは年端もいかない子供たちにこの危険な薬品の処方を推進しているのである。

WPATHの掲示板での討論でも異性ホルモンによって性的快感を得ることが出来なくなる可能性についてよく議論されている。

例えば長期にわたって男性ホルモンを摂取している女性が、骨盤内炎症性疾患(PID)を起こし黄色いおりものが持続していると、ある看護婦は書いている。女性はエストロゲンが少なくなると膣が委縮し膣の壁が薄くなり乾燥し炎症を起こすことがある。これは閉経後の女性にもよく起きる症状だ。これは性交が苦痛になるだけなく、苦痛を伴う排尿症状にもつながる。

PIDは非常に深刻な病気で放置しておくと命に係わる。死なないまでも長期にわたり後遺症が残る可能性がある。無論生殖機能にも悪影響を及ぼす。

この掲示板でも何年も男性ホルモンを摂取している女性達から同じような体験談がいくつか寄せられた。

また男性の場合でも別の問題が生じる。女性ホルモンを摂取している男性は勃起時に酷い苦痛を伴うことがある。あるMtFのカウンセラーは勃起すると苦痛なのでなるべく勃起しないようにしていると語った。女性ホルモン接種中の患者を診ているという看護師は患者が勃起のことを割れたガラスのような感じだと表現したと書いている。

掲示板でこのような議論がされているということは、ジェンダー医療関係者はこの副作用を知ったうえで患者にこの危険な薬品を処方しているということになる。そしてWPATHはこのような恐ろしい処方を思春期の子供に勧めているのである。まだ性欲もなく性志向や性的アイデンティティーも確率していない子供達には、これらの薬品が引き起こす悪影響など充分に理解できるはずがない。

異性ホルモンの悪影響について、掲示板上で、とある医師は2021年の12月、16歳の女子患者が生理を阻止するホルモン剤を一年間摂取したところ、肝臓に大きな腫瘍が出来た話をする。

「患者からは11x11cmと7x7cmの2つの肝臓腫瘤(肝腺腫)が見つかった。
腫瘍内科医も外科医も、原因物質がホルモンである可能性が高いと指摘した」

これに関して他の医者が8~10年テスタストロンを摂取している自分の女性同僚も肝臓癌(hepatocarcinomas)になったと証言。「私の知る限り、これは彼のホルモン治療と関係があると思います。」不幸なことにこの女性同僚の癌はかなり進んでおり、彼女は発見の2か月後に亡くなったという。

女性への男性ホルモン投与の危険性は他でも記録されている。2020年ランセットが発表した調査では、17歳のトランス自認女子にhepatocellular
carcinoma (HCC)という肝臓癌が発生した。これはB型及びC型肝炎 Cの炎症によってよく起きる癌である。17歳の少女はテスタストロンを摂取して14か月だった。それで少女の医療チームは癌に影響を与えるとしてテストストロン摂取を中止した。その後彼女がどうなったのか明らかではない。しかし個別調査の結論は「思春期のトランスジェンダー患者への男性ホルモンとHCC進行の関係性は不明」というものだった。

調査団は別のトランス自認女性におきた珍しい肝臓癌について記載している。彼女は診断当時47歳でcholangiocarcinoma胆管癌という珍しい癌になっていた。これは普通もっと高齢の人に起きる病気である。

この二つの患者のケースはそれぞれ若い年齢にそぐわない癌になっていたことが特徴でこれはテストストロン(exogenous testosterone)と肝臓癌との関係を示唆するものである。しかし組織的調査は例が少ないため不可能である。

ちょっとここで私(カカシ)の疑問を述べさせてもらうと、確かにトランス治療としての男性ホルモン接種はまだ歴史が浅いが、スポーツ選手による男性ホルモン接種は今に始まったことではない。1980年代、東欧の女子オリンピック選手など普通に薬物を使っていた。そしてこうした元アスリートたちが随分後遺症に苦しんだという話を聞いたことがある。だから女性の身体と男性ホルモンの関係性についてはもっと色々なデータがありそうなものだ。

テストストロンが女体に与える悪影響は肝臓癌だけではない。2022年、テストストロンを摂取している女性達の間で以上な兆候が子宮癌テストに現れたという調査結果がある。調査団によると男性ホルモンは扁平上皮細胞の変化と膣内細菌叢の変化を引き起こすようだ。 また他の調査ではテストストロンにより心臓麻痺の危険性が高まるというものもある。

また2018年、カイザーパーマネンテ(健康保険会社)の行った調査によると、男性が女性ホルモンのエストロゲンを摂取した場合、血栓が肺や足に出来、心臓麻痺や脳梗塞の危険性が4年で5.2%も上がるという結果が出た。そしてホルモン接種の期間が長くなればなるほどこの危険性は上がることが解っている。

2020年、コカレンライブラリー(Cochrane Library)が、男性への異性ホルモン治療の安全性について書かれた数々の論文を調査したところ、どれも非常に低い基準にすら達していないと結論付けた。「40年以上も男性の性転換にホルモン治療がされてきたにもかかわらず、RCTもなくホルモン治療の倫理性や安全性を示す研究が全くされていない」とし「現在の医学調査と治療には大きな溝がある」と結論づけている。

実は私(カカシ)もずっとこれが疑問だったのだ。MtFのための女性ホルモン治療はすでに40年以上も行われているのだから、女性ホルモン接種の効果とその安全性・危険性についての調査は可能なはずである。にもかかわらずそのような調査は全くされていないのだ。ここに私はWPATHの悪意を感じる。彼等がホルモン治療を促進したいなら、科学的にその効果を裏付けすることは彼等にとっても有益なはずである。あえてそれをしないのは、彼等はこの治療の安全性に興味がないのか、もしくは危険であることを発見したくないからのどちらかなのではないだろうか?

ファイルによると、WPATHは行き当たりばったりの実験を患者に行っているという。男女ともに異性ホルモンによって生殖器の苦痛を訴える患者に対して、医師たちによる診療は憶測でしかない。

例えばPIDになった患者が救急病院へ運ばれた例でも、エストロゲンクリームの効力がなくなったので、エストレース錠剤を使うべきだろうかという看護婦の質問に対して、医師たちの回答はかなりあやふやな実体験によるものだけで、FtMの医師が自分で試して効果のあったものを試してみてはどうかという程度のものだった。しかしこれは科学に基づく治療ではない。

女性へのテストストロン治療は歴史が浅く、あまり色々なことは解っていないとWPATHは言いながらも、すでにテストストロンによって閉経後の女性が体験するような症状が出ることは解っている。

膣の壁が薄くなっているため、性行為をするのが非常に苦痛であると訴える患者は多い。しかも男性ホルモンのために女性は強い性欲を抱くが、性行為が苦痛なため満足のいく性生活を送ることが出来ない。若い女性にとってこれは非常な問題である。

また男性が勃起した時に異常な苦痛を感じることに関して、SRS後もオルガズムに達した時に苦痛を伴うようになるのかという質問に関しても、きちんと答えられる医師はいなかった。

このようにWPATHの掲示板での質疑応答では、医師や看護師らがそれぞれ実体験や想像で話をしており、まるで患者を相手に人体実験をしているとしか思えない会話が繰り広げられている。どの治療方法に関しても確たる科学的な根拠がないのである。前述のメツガー医師などは、ホルモンの量を患者の気分で調整しているという。

にもかかわらずWPATHはSOC8でホルモン治療が身体に与える影響についてきちんとした根拠がないことは認めながらも「実験的な治療」という言葉は故意に避けている。それというのも実験的な治療は健康保険が効かないからである。WPATHの目標は安全な治療をすることではなく、より多くの患者を増やすことにあるので、保険が効くことは必用不可欠なことなのだ。

男性のSRSの失敗率にも私は驚かされている。この去勢したペニスの皮を裏返して故意にあけた穴に挿入して偽膣を作るやり方が一番よくされる手術だが、2021年の調査によるとマウントサイナイ病院でこの手術を受けた15%が再度、再再度の修正手術を必要とした。また73.5%の患者が穴に棒を挿入して穴が塞がらないようにするダイレーションが苦痛で定期的に行うことが出来なかったという。このダイレーションは術直後数週間毎日数回合計2時間以上やらなければならない行為だ。ただでさえ術後で苦痛を持っているときに、こんなことを定期的に出来る人はそう多くないだろう。

事情は全然違うが私も開胸手術の後に肺活量を復活させるために毎日肺活運動を命じられたが、咳もひどかったし苦しかったので誰かに言われないときちんとできない状態が続いた。話を聞く限り、このダイレーションは私の肺活運動なんかよりずっと大変らしいから、気持ちはとってもよく分かる。

この手術の問題点はダイレーションだけではなく、腸汁が偽膣から漏れたり、排尿機能がきちんと働かなくなったりして尿漏れが起きることも知られている。すでに大人の男性の間でこのような問題が起きているにもかかわらず、これを思春期直後の少年に試そうなどと、どんなサイコパスならそんなことが出来るのだろうか?だが、WPATHは男子のSRSを行う理想的な時期は高校三年生の夏だと主張する。

さらにWPATHは患者に精神病がある場合や、他の病気がある場合、または超肥満体の患者などへの規制さえ無視する傾向がある。

2022年Sidhbh Gallagher医師はBMI65もあるような超肥満女性の乳房除去を行ったことをTikTokで自慢したところ、彼女によって手術された数人の肥満女性達から術後の合併症を訴える批判が殺到した。

WPATHはさらにSOC5で推薦していた二人の精神科医の診断証が必要という基準すら撤廃しようとしている。すでにSOC6でこの診断証はひとつでいいことになっているが、今はそれすらも廃止しようとしている。

それでいてWPATHのバワーズ会長は脱トランスを希望する若者に対して、彼等自身が性転換を望んだのだから、彼等もその決断に責任を負うべきだとして取り合わない。いや、子供に理解できないような治療を周りがやいのやいの言って薦めたんだろうが!後悔したら子供の責任?いい加減にしろ!

バワーズはすべての医学治療には後悔がつきものだと言う。それに比べたら性転換治療を後悔する人の率は非常に低いというのである。彼等が良く使う後悔率は乳房除去及び偽ペニス手術をした女子の1%、去勢+偽膣手術をした男子の2%というのがそれだ。

しかしながらこれらの調査は術後短期間であったり、長期の場合連絡不可能になる患者が多いことから信ぴょう性に欠ける。

早期に思春期ブロッカーを使い始めたオランダの例が解りやすい。この調査では現在35歳の生得的女子の満足度を調べたもので、彼女たちはホルモン治療を後悔してはいないものの、性器の外見に非常な羞恥心を持っており、深刻な鬱病に悩み、パートナーとの長期の交際が難しいと答えた。しかし同じグループの手術2年後に行われた調査で平均年齢が20歳の頃は、テストストロンによって肥大したクリトリスに関する満足度も高かった。

このようなアンケート調査の問題点は、答える側にもアジェンダがあるということだ。何年も心身共に犠牲を払い副作用にも耐えて多額のお金も使った後、結局これは間違っていたなどと認められる人がどれだけ居るだろうか?それに本当に後悔してる人たちはこんなアンケートに参加すらしないだろう。

性転換を希望する若者は子供の頃に性暴力の被害にあっていることが多い。そのトラウマから自分の性器や自分の性を毛嫌いする人も多いのだ。だがそういうことは一回や二回の短い問診で解ることではない。子供の頃のトラウマで自分はトランスジェンダーだと思い込んでいる人たちの治療は急いでホルモン接種したり手術したりすることではないはずである。

WPATHは信頼の鎖を絶ったと同ファイルは言う。医師は自分が受けた教育が患者を治療することに役立つと信じている。そして医師が教えを仰ぐ専門家組織は医師たちに適切なアドバイスをくれるものと信頼されている。

にも拘わらず、WPATHは何の科学的医学的根拠もないままに医療基準を適当に作り上げ、完全に実験の段階で確たる検証もされないまま危険な医療を医療関係者たちに教授してきたのである。そしてそのツケを払わされているのが、年端もいかない子供たちなのだ。


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WPATHファイル徹底解説その2:WPATHの子供騙し、理解ある同意という欺瞞

さて前回に続いてWPATHファイルを読んでいこう。本日は10ページから15ページまでの”WPATH HAS MISLED THE PUBLIC”「WPATHは人々を欺いた」という章で、主にWPATHが如何に子供たちのことを考えていないかが語られている。

WPATHは性違和を持った子供達に思春期ブロッカーや異性ホルモン投与による性肯定治療をすることを促進している。しかしWPATH自身、こどもたちが治療に関する情報をきちんと理解したうえで同意する(Informed Consent インフォームドコンセント)をすることが不可能であることを十分に知っている。(カカシ注:この先Informed Consentは「理解ある同意」と省略させてもらう。)

WPATHは医療機関に、DSM-5の「性同一性疾患」よりも、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD-11)が使う「性違和 gender incongruence」という用語を使うように薦めた。何故かというとICD-11の診断は「性的健康状態」を示すものであり、性同一性疾患の精神疾患よりスティグマがないからという理由だが、実は性違和の診断は性同一性疾患よりも容易に取得することが出来るというのが本当の理由。これなら患者が精神的苦痛を持っている必要はなく、単に異性になりたいと言う欲求さえあれば診断が降りるからである。

いくらWPATHが表向きは未成年やその保護者の同意が必要だと言ってみても、実際には子供からも保護者からも理解の上での同意などえられないことは、うちうちでは周知の事実だった。WPATHは子供の治療をするにあたっては理解ある同意を得なければ治療はしないと嘘をついてきたのである。

WPATHの医療基準(SOC8)では、性違和を持った子供には思春期ブロッカー及び異性ホルモン投与、そして患者から理解ある同意を得られた場合には整形手術を施すことを勧めているが、2022年㋄6日に行われたオンライン会議において、カナダの内分泌病専門医ダニエル・メツガー医師は思春期の患者から理解ある同意を得ることの難しさを語った。同医師は若い患者はホルモン治療で得られる気に入った部分だけに注目し、他の部分を無視する傾向があると語った。「好き勝手に結果を選べないということを子供たちは理解できないのです。なにしろ高校の生物学すら学んでない訳ですから。でも思うに大人でもXを得るためにはYも得なければ不可能なのだということが理解できてない。」

これはメツガー医師だけでなく参加した専門家たちの間でも子供たちが人生を変えてしまうホルモンの影響について理解する能力がないということで意見が一致している。WPATHメンバーで小児精神科医のダイアン・バーグ医師は思春期の若者が治療の効果を十分理解出来ないのは、彼等が十分に成熟していないからだと語る。患者の未熟さを表わす例として「彼等は解ったと言うのですが、髭のことなどちゃんと解っていないのです」と話す。

治療の内容や悪影響について理解できていないのは子供だけではない。保護者である大人たちも理解していないことが多いと言う。バーグ医師は親たちが自分らの子供への措置を全く理解できないまま同意の署名をしてしまっていると語る。そしてきちんとした理解のないうえでの同意を得ることは倫理的ではないとバーグ医師は認めている。

もうひとつ理解ある同意のプロセスのおいて生殖機能の喪失に関するものがある。SOC8では早期のホルモン治療が引き起こす生殖機能の喪失について説明すべきとしているが、このようなことは未成年の理解力では将来について決断することなどできない。WPATHのメンバー達もそのことを認めている。

精神科医でSOC8の子供に関する章を共著したレン・マセイ医師はSOC8のなかで「生殖機能保存の選択肢について語ることは倫理的であり奨励される」としている。しかしメツガー医師は患者と生殖機能について話しても子供たちは理解できないという。患者たちは「子供?赤ん坊?キモイ」と言った態度で、もし子供が欲しくなったら養子をもらえばいいというのもよく聞く答えだという。

このような内部での話はWPATHの公式発表とは全く逆だ。WPATHは、医師団は協力しあって、将来後悔のないように若い患者が自分の性自認やホルモン治療による影響についてきちんと理解しているかを確かめてから処方していると述べている。

しかしWPATHメンバー達は、オランダの調査団が早期のホルモン治療で生殖機能を喪失した人たちの多くが後悔しているという調査結果について良く知っている。メツガーは会議でその話をしているのだ。そしてその結果は驚きではないとさえ言っている。それというのも、彼が治療した若い患者が20代になって、パートナーを見つけたので子供が欲しくなったと言ってるのをよく聞くからだと言う。

このオランダの調査結果は数か月後モントリオールで行われた2022年9月のWPATH国際シンポジウムでも紹介されている。これは初の長期にわたる思春期ブロッカー接種者の若者を追った調査である。そしてその結果はお世辞にも良いとは言えない。

この調査では若い頃に思春期ブロッカー及び異性ホルモン投与に進み、整形手術で睾丸や子宮を摘出した、平均年齢32歳を対象にしたもの。回答者の27%が生殖機能を喪失したことを後悔していると答え、11%は解らないと答えた。そして精子や卵子を冷凍して保存しておくという選択肢を選ぶべきだったと答えたのは、生得的女子で44%、生得的男子では35%だった。

しかしこの27%という数字も少なすぎると思われる。それというのも、こういう調査ではよくあることなのだが、連絡を受けた50.7%のトランスが調査に参加しなかったのだ。

メツガー医師やバーグ医師のように9歳の子供に生殖機能について理解できると考える方がおかしいという意見に対して、子供達がその時により幸せならいいのだと言うメンバーもいた。しかしメツガー医師は性的な自己確立の出来ていない9歳の子供に思春期ブロッカーを与えることが良いはずはないと語る。

WPATH内部の掲示板に寄せられた相談には、エール大学病院の医師助手が知能の遅れている13歳の子供がもうすでにブロッカーを摂取しているが、理解度がSOC8の基準に達しない可能性がある、この場合どの段階で異性ホルモンを与えることが倫理的にゆるされるのかというものがあった。ノバスコ―シャの医師はブロッカーを永久に続けることは出来ないので、ホルモン治療をするのとしないのとどちらがより危険であるかを考えるべきと答えている。医師ではないとある活動家は性違和のある子は発達障害があっても自分のアイデンティティーを持っているのでそれを尊重すべきであり、トランスではない保護者の意見は問題ではないと答えていた。

WPATHの掲示板ではこういう医師でもなんでもない活動家がよく口を出す。しかしこの活動家の答えはWPATHの公式な発達障害があるからといって思春期ブロッカーや異性ホルモン治療を遅らせるのは不公平で差別的で間違っているという姿勢と一致する。

WPATHの元会長のジャミソン・グリーン氏は患者の中には癌専門医ではなく普通の内科でホルモン処方を受ける人がおり、大人でもその弊害に関して全く読まずに同意書に署名してしまう人が結構いると語る。これはWPATHが公式に言っている精神科と専門医との充分な診断の元にという姿勢とは真っ向から矛盾するものだ。グリーン氏はまた多くの人が手術は怖いのできちんとした説明を読まず、他の人から聞いた中途半端な情報を信じてしまい大事な部分を見失っている場合があるという。

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こうして読んでいるとWPATHのいう「Informed Consent/理解ある同意」がどれほどいい加減なものかがわかる。

ところで生殖機能を喪失する前に精子や卵子を保管しておくという選択肢も思春期前の子供は精子も卵子も生産できないわけだから、そんな選択肢は意味がない。


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マット・ウォルシ、WPATHの知られざる暗い過去を暴露

この間もちょっとお話したこのThe WPATH Filesというリポートは凄まじいスキャンダルだ。WPATHとはthe World Professional Association for Transgender Health の頭文字。これはトランスジェンダー医療に関するガイドラインを決めている国際組織で、会長は自らも男から女へのトランスジェンダーである外科医、マーシー・バワーズ医師。このリポートはWPATHから流出した情報を元に、WPATHがどれほど悪質な組織であるかを暴くものだ。

WPATHから流出したファイルにより、世界的なトランスジェンダー医療機関において、子どもや社会的弱者に対する医療過誤が蔓延していることが明らかになった。世界トランスジェンダー医療専門家協会(WPATH)のメンバーは、異性間ホルモンやその他の治療が衰弱させ、致命的な副作用をもたらす可能性があることを認識しているにもかかわらず、患者の長期的な転帰を考慮していないことを示している。

このリポートは242ページもあり、月曜日に発表されたばかりなので、とてもとても一度にすべてをご紹介することはできない。それで本日はマット・ウォルシのポッドキャスト(The Secret History Of WPATH, The Perverse Cult That Pushed Gender Madness Into The Mainstream | The Daily Wire)で紹介されたWPATHという組織の知られざる暗い過去についてお話ししたいと思う。

WPATHといえば、性転換治療のにおいて世界各地のジェンダークリニックが指導を仰ぐガイドラインを制作していることで知られている。しかしながら彼等のいわゆる「ガイドライン」は医学に基づいたものではない。テネシー州による子どもの性転換治療禁止法は違憲であるとACLUが訴えた際、州の医療機関が元にしていたWPATHのガイドラインについて第6巡回控訴裁は、WPATHが自らも認めているように、思春期ブロッカー剤や異性ホルモンを子どもに投与した結果生じる『長期的な身体的、心理的、神経発達的転帰』に関する『限られたデータ』しか提示していないことを指摘し、禁止の法律を合憲と認めた。しかしこのWPATHファイルによれば、WPATHのデータは「限られた」などというレベルではないことが解る。

それどころか、WPATHのこの内部文書は、いわゆる「ジェンダーを肯定するケア」が、子どもたちの人生を台無しにし、彼らの身体に永久的なダメージを与える非科学的な詐欺であることを示す包括的な証拠である。そして決定的に重要なのは、この文書がWPATHがそれを知っていることを証明していることである。

ではここでWPATHの歴史を振り返ってみよう。

WPAHの前衛はErickson Educational Foundation (EEF)という名前で、創設者は性違和を持つレズビアン女性リタ・エリクソンとその友人ゼルダ・スプリー。エリクソンは1917年にテキサスの大富豪の娘として生まれた。リタは名門お嬢様学校を卒業後エンジニアとなり、両親亡きあと稼業を継いだが、そののちビジネスを売却しさらに大金持ちとなった。

1963年、父の死後リタは女性から男性へのトランスを試み、ハリー・ベンジャミンという医師の元でFtMとなり名前もリード・エリクソンと改名した。その後エリクソンはトランスジェンダリズムを主流化するために大金を注ぎ込む力となったのだ。

1964,「……身体的、精神的、社会的に不利な条件によって人間の可能性が制限されている分野や、研究の範囲が新しすぎたり、論争的であったり、想像力に富んでいたりして、従来型の支援を受けられないような分野に援助と支援を提供する。」という目的でエリクソンはEEFを設立。

しかし彼女自身は麻薬中毒になり年と共に精神的にも身体的にも劣化し、娘が後見人を務めるに至った。しかしその間にもエリクソンのパートナー、ゼルダ・スプリー(女性)はEEFの運営者として整形手術中心のトランスジェンダー治療を続けた。

スプリーはヌーディストであることで有名でプレイボーイで初めての全裸写真のモデルとなった人だ。彼女は全国から過激派の医者を集め、旅費や支援金を払って、整形手術中心のトランスジェンダリズムを国中にひろめさせたのだ。EEFはあの悪名高きジョン・マネー博士のことを崇拝していた。

EEFは1977年ジョナスインフォーメーションファシリティー(JIF)と名前を変え、EEFとしての活動は停止した。しかしJIFがその活動を引き継ぎ、ゼルダ・スプリーはそのままJIFで活動をつづけた。JIFは性違和を持った患者に整形手術をする医者を紹介する施設となった。スプリーと共に、ジョン・マネー博士の元同僚のテキサス大学ポール・ウォーカー医師が性転換手術の主流化のために働いた。

しかしこの極端な手術の結果は全く良好とは言えなかった。手術による合併症があまりにもひどかったため、多くの患者が手術を後悔した。1982年、エールとケンタッキー大学が行った調査によると、術後合併症は、

ホルモン治療を受けた男性の乳がん、ホルモンの影響で肥大した手足の縮小手術の必要性、膣の開口部の度重なる造設、泌尿器系と直腸の感染症、出血、皮膚移植片の喪失、術後の自殺と自殺未遂」、「手術を元に戻せという患者の要求」。

この余りの酷さに、ある患者は外科医の男性器を撃ってやると脅迫したという。

私(カカシ)はこれを読んでいて非常に驚いた。この手術による合併症は、私が最近聞いた性転換手術体験者の話とあまり変わらない。しかしこの話は40年以上も前の手術結果なのである。

実は私はつい最近まで男性から女性への所謂性適合手術(SRS)というものを非常に簡単に考えていた。日本で最初に性転換手術をしたことで有名なのはカルーセル真紀さんだが、真紀さんがモロッコで手術を受けたのは1960年代後半だ。そしてその頃にはすでにモロッコでは男子から女子の性転換手術は行われていた。ということはMtF手術はすでに80年あまりの歴史を持つ手術だということになる。であるから私はてっきりこの手術は完成度がかなり高い手術であり、医学の発展により合併症などの問題点はすでにほぼ解決済みなのだと思っていたのだ。

ところがここ数年、手術体験者による恐ろしい合併症の話しをきくにつれ、SRSは安全でないどころか、完璧とは程遠い野蛮な手術であることを知った。何十年も歴史のあるMtFの手術ですらこれなのである。せいぜい20年くらいの歴史しかないFtMなどもっとひどいのは当然だ。(FtMのSRSにおける合併症発生率は60%と聞いている)

正直完璧な性適合手術など存在するのだろうか?私にはとてもそうは思えない。

1979年、EEFの基金からの支援を受けハリー・ベンジャミン医師がthe Harry Benjamin International Gender Dysphoria Association(国際性違和協会)を設立しJIFの運営を引き継いだ。会長は前出のウォーカー博士。ベンジャミン医師はエリクソンから年収1万8千ドル(今なら17万6千ドル)を得ていた。

そしてハリー・ベンジャミン協会はすぐに「医療基準・スタンダードケア」というガイドラインを発表。数々の失敗例を無視してこの道の専門家を気取ったのである。しかしそれでもその時は、性転換治療は大人だけとしていた。その理由は子供には同意する能力がないからという理由。

2000年、ハリー・ベンジャミン協会の初期のウェブサイトは、同協会の初期メンバーの一人で、同協会のスタンダードケア委員会の委員を務めていたアン・ローレンス博士が運営する「Transexual Women’s Resources」という別のウェブサイトと提携していた。ローレンス博士は自他共に認めるオートガイナフィリア(AGP)であり、現在もその傾向が続いている。ローレンス博士は論文の中で、AGPは「過小評価されている」性嗜好であると述べている。

ローレンスほど自分の性癖に関して正直な人もいない。1999年、ハリー・ベンジャミン協会がリンクしているサイトでローレンス博士はいかに「入れ物」になりたかったかを書いている。その例として、SRSを受けた後に医者がダイアレーターを試した時の体験話があるのだが、小さい順に試してみて最後1-1/4インチのものを試した時の感想はというと、、

「そんなの入らないよ!」 でもなぜか入る。狂気の喜びでほくそ笑みながら、私は手鏡を手に取り、よく見た。押し入れの竿のように太く、私の中に15センチも挿入されている。何年もの間、私は貫通すること、器となること、容れ物となることを切望してきた。

1997年、ローレンスは婦人科の医師が診察室を一時去った後、意識のない女性患者の局部を無断で勝手に「診察」したとして勤めていた病院を辞任している。

いったいどれだけの「トランス女性」が単に自分を女性としてみることで興奮する性癖を持っただけの男なのだろうか、とウォルシは問う。さらにいうなら、どれだけの女性器を単に「容れ物」とみているような男たちが女性や女児のトイレや更衣室への立ち入りを許されているのだろうかと。

ローレンス博士はこのような気持ち悪い体験談を公開したにも関わらずハリー・ベンジャミン国際性違和協会のために「スタンダードケア」とは関わり続けた。彼は2001年に発表された第六版の基準の共同著者である。これは2007年に同組織が現在のWPAHとなる前の最後の改訂版だった。

WPATHと改名後も、同団体は同じ過激なジェンダー概念を促進し続けた。2012年にWPATHの名前で発表され2022年まで使われていたスタンダードケア七番目の改訂版には、かの悪名高いジョン・マネー博士や自他ともに認めるAGP容れ物男のローレンス博士の論文が引用されていた。

ほんの去年までWPATHはEEFとしの起源や1977年に活動停止した後、そのままハリー・ベンジャミン国際性違和協会が生まれ、それが今のWPATHとなった歴史を自慢げに公表していた。

このようなおどろおどろした恐ろしい過去があるにも関わらず、何故かWPATHは今やトランスジェンダーの権威として医療機関から仰がれる存在となってしまったのである。

これは現代医学における唯一最大の詐欺かもしれない。全国の子供たちの人生を破壊している。それだけは明らかだ。しかし、WPATHの起源について真実を知る者が、なぜ彼らの言うことに耳を傾けるのか、その理由はあまり明らかではない。今日のWPATHは、数十年にわたるヤラセと性的実験の誇り高き産物である。公衆衛生、とりわけ子どもたちへの脅威である。

ウォルシも言うように、WPATHが権威ある医学組織であるという詐欺行為にいつまでも我々が騙され続ける必要はない。医者も病院も保険会社もその道の専門家たちはWPATHを詐欺団体として拒絶すればいいのである。これまでにも一時期は医療として受け入れられていた治療法が、後に科学的根拠のない野蛮な治療としてどんどん廃止されていったのと同じように、トランス医療などというインチキ医療もいい加減廃止されるべき時代が来たのだ。

これまでほとんどの人がWPATHの歴史を知らなかった。多くの人は子供たちにこんな野蛮な治療が施されていることすら最近まで知らなかった。しかし、WPATHが如何に科学に基づかない詐欺団体であったかが解った今こそ、この野蛮な行為を全面廃止する時が来たのだ。

過去にも何度か書いているが、私(カカシ)は前々から性同一性障害の治療が性適合手術であるという考えに懸念を抱いてきた。これは子供だけではなく、大人にも言えることだ。性別は変えられるという概念そのものを撲滅すべきである。そして性転換手術は大人でも全面的に禁止すべきである。


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話題の児童トランス医療啓発本、「あの子もトランスジェンダーになった」Irreversible Damageの問題点

先日もちょっとお話したアビゲイル・シュライヤー著の「あの子ももトランスジェンダーになった(仮名)Irreversal Damage」の問題点がハッフィントンポストに掲載されていたので、それをちょっと読んでみよう。なぜトランスジェンダー活動家達がこれほどまでに出版を阻止しようとしているのか、その建前の理由がわかるかもしれない。

この記事の著者はジャック・ターバン医学博士。

本書の中核をなす(そして誤った)前提はこうだ――本当はトランスジェンダーなどではなくただ混乱しているにすぎない「トランスジェンダー」の若者が途方もなく大勢いる。かれらはジェンダー・アファーミングな、すなわち自認する性に近づける医療的介入(ホルモン療法や性別適合手術など)を受けるようみな急き立てられていて、あとでそれを後悔することになるのだ。

誤った情報に満ちた突拍子もない本だ。医師そして研究者として、トランスジェンダーの若者のケアと理解にキャリアを捧げてきた私はそう思った。

といってはじまるので、もうだいたいどんな記事かは想像がつく。ターバン博士はこの本が「無責任なジャーナリストじみた手口と全くの出鱈目に満ち」ているという。にも拘わらずこの本がベストセラーになってしまったことにかなりの怒りを感じているようだ。

ターバン博士は一部の非主流派の医療機関を除けば、若者が自認する性に近づける医療を施すこと自体が論争の的になることはないと断言している。いや、それは違うだろう。もうすでに欧州の医療機関では子供の性転換医療への懸念が大きく取り上げられるようになっている。そしてこの記事が書かれた去年の12月の段階で、アメリカでも20以上の州で子供の性自認肯定医療が禁止されているのだ。だからこの記事はかなり不誠実であることがわかる。

ターバン博士は個人が性自認肯定治療を受けるにあたっては厳しいガイドラインがあり、個人の状況に合わせて慎重に審議されると語っているが、これも嘘だ。私はたった2~30分の問診で、すぐに異性ホルモンを処方されたと証言する当事者の話をいくらも聞いている。ガイドラインがいくらあろうと、ほとんどのジェンダークリニックは金儲け主義であり、問診などいい加減なのである。

さて、では本題に戻ってターバン博士のいうこの本の問題点を吟味してみよう。

1)シュライアー氏は、自身が取り上げたトランスジェンダーの若者のほとんどに取材していない。

シュライアーは本著のなかで思春期になって突然自分はトランスだとカムアウトした少女数人の話を取り上げているが、どれも本人に直接話をきくのではなく、トランスが原因で娘たちと疎遠になってしまった親たちとのインタビューだけを載せている。これでは本人が本当に外部からの影響で混乱してトランスを言い出したのか、本人がもともと性違和を持っていたのか分からないではないか、というわけだ。

この問題についてはシュライアー自身も他のインタビューで語っていたが、当事者は肯定治療に疑問を持つ人とのインタビューに等応じない。それに相手が未成年の場合は患者のプライバシーにも関わることでありそう簡単にはインタビューなど出来ないのである。

2)シュライアー氏は、自分は政治とは無関係だと主張する。ところが本書は、保守派政治思想の推進を使命に掲げるレグネリー出版社から出ている。

これはくだらない言い掛かりだ。彼女自身が政治的でなくても、今回角川書店の例でもわかるように、左翼の出版社がこのような本を出版するわけはないし、中立を保ちたい出版社も嫌がらせや脅迫を受けるような問題ある本に関わり合いになりたくないのは当然。結局出版してくれるのはトランスイデオロギーに反対の立場にある保守派出版社だけしかない。

シュライアー自信が政治的かどうかは関係ない。はっきり言ってこの本を読んでいれば彼女が保守派でないことは明白だ。

3)シュライアー氏は「性別違和はほとんどの事例(70%近く)で解消される」のだから、自認する性に近づけるための医療ケアを若者に提供すべきではない、と主張しているが、この統計は誤っている。

シュライアーの用いた統計は昔の古い基準をもとにしており、その基準は今よりも緩かったので、本物のトランスでないひとまでトランスであると診断されてしまい、後になってそうでないことが解る人が結構いた。しかし現代の厳しい基準でトランスと診断された人の70%近くが解消されるなどということはない。とターバン博士は言う。

しかし私はこれは全く信用できない。今のジェンダークリニックでは患者が自分はトランスかもしれないと言ったら誰も患者を疑ってはいけないことになっている。そんなやり方で気が変わらる子供たちがたったの70%というのだって怪しいものだ。思うにこれは多分90%以上が性違和を解消すると言った方が正しい。

4)シュライアー氏は、トランスジェンダーだと言う子どもの多くは実際にはLGB(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル)なのに怖くてそう言えない、それはトランスジェンダーの方が辛くないスティグマだからだ、と主張する。だが実際のデータはその逆を示している

ターバン博士によると、2019年の調査で学校ではLGBであるよりもトランスの方が強い敵意にさらされているとし、LGBとカムアウトするほうがトランスよりもずっと楽だと言う。

しかしそうだろうか。昨今のトランスジェンダリズムは性別の社会的役割をやたらに押し付ける思想のように思える。例えば3歳の男児がピンクが好きだと言ったり、フリフリのスカートをはきたがったりすると、すぐにこの子はトランスジェンダーなのではと言い出すのはTRA達の方である。

それに同性愛は罪であるという宗教的な家に育った子供は、同性への性愛を感じた場合、同性愛者であることを自分で認めるよりも、自分は間違った性に生まれたのだと思った方が気が楽ということもある。これはどちらが虐められるかという問題ではないように思う。

また、今の世の中LGBだとカムアウトしたところで誰も何とも思わない。皮肉なことにLGBがあまりにも普通に受け入れられるようになったため、すでにLGBであることはマイノリティーでもなければ特別な存在でもないのである。だから若者が目立ちたいならば、トランスジェンダーだとカムアウトする方が色々特別扱いしてもらえるのである。

5)シュライアー氏は、思春期の子どもたちに思春期ブロッカー〔二次性徴抑制ホルモン療法〕を与えると、よりトランスジェンダーと自認し続けやすくなると述べているが、これも間違いだ。

シュライアーは思春期ブロッカーを始めた子供はほぼ全員異性ホルモン治療を始めるというオランダの研究をもとにしているが、それは思春期ブロッカーを摂取したからではなく、真実のトランスであることがはっきりしている子供のみブロッカーが与えられるという証であるとしている。

つまりそれだけ審査は厳しくされているというわけだ。いやいや、これも大嘘だ。

シュライアーが原著を書いたのはすでに4年も前のことだ。それ以後あちこちのジェンダークリニックから内部告発があり、性違和のある子どもたちは一旦ジェンダークリニックの門をくぐると、一回2~30分の問診を数回するだけで、すぐにブロッカーを勧められ、数か月後には自動的に異性ホルモンへと進むのである。ブロッカーを摂取したのに異性ホルモン接種を止めるのは、医者の決断ではなく親か子供が自発的にやめた例だけである。

6)自認する性に近づけるための医療的ケアがトランスジェンダーの若者のメンタルヘルスを改善していることを示すデータを、シュライアー氏はことごとく無視している。

ターバン博士はジェンダー肯定治療が子どもたちの精神状態を良くしたという調査結果がいくらもあるのに、シュライアーがそれを無視していると語る。

だが少女の間でトランスジェンダリズムが蔓延しだしたのはここほんの数年である。そして子供たちに思春期ブロッカーが処方されだして、まだ10年も経っていない。最近になって脱トランスとして声をあげるようになった少女たちの話を聞いていると、大抵が治療を始めて4~5年経って大人の女性の年頃になってから後悔している。ということは、今は未だこのジェンダ―肯定治療が少女たちの精神状態を向上させたかどうかなどというきちんとした資料は存在していないのだ。

すでに子供のトランス治療のガイドラインを作っているWPATHのスキャンダルが明らかになった今、ターバン博士のこの記事は非常に空しいものになった。


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ニューヨークタイムス、脱トランスの現状を紹介

昨日ニューヨークタイムスが脱トランスについてのオピニオン記事を掲載したという話をちょっとしたが、今回はその内容について少し詳しく掘り下げて読んでみようと思う。

記事の著者はパメラ・ポール(Pamela Paul)。Opinion, by Pamela Paul, As Kids, They Thought They Were Trans. They No Longer Do. (nytimes.com) by Pamela Paul

グレース・パウエル(現在23歳)が自分が男の子かもしれないと思い始めたのは12歳か13歳くらいのこと。ミシガン州のグランドラピッズという比較的保守的な土地にで育ち、多くのティーンエージャーがそうであるように自分の身体に居心地がよくなかった。まったく人気はなかったし良くいじめられた。思春期になると鬱に悩まされセラピーを受けたり受けなかったりしていた。

「自分が身体から離れているような気がしてました。身体が育っていくことが自分に敵意を持っているような気がして」とパウエルは言う。自分の身体の成長に違和感を持つのは典型的性違和の症状だとポール記者は書いている。

パウエルはトランスジェンダーに関する情報をオンラインで読むにつれ、自分の違和感は自分が間違った身体に生まれたからだと思い始める。性転換は明確な解決方法に思えた。彼女が繰り返し聞いたのは性転換をしなければ自殺してしまうというものだった。

それで彼女は17歳で両親に自分がトランスだと告白した。両親はジェンダー診療所に彼女を連れて行き、そのままホルモン治療、そして乳房除去へと進んでしまった。この間医療関係者は一度も彼女の性違和の原因や過去のトラウマに関しての診察は無かった。それで医者やカウンセラーは彼女が子どもの頃に性的虐待を受けていたことを知ることもなかった。

その後、身長160センチで非常に女性っぽいゲイ男性に見える彼女は大学へ進むと男子寮で生活をするようになった。

「もっとちゃんとオープンな話し合いがあればよかったのに」と脱トランスした彼女は言う。「でも私は治療法は一つしかないと言われました。これがあなたの問題ならこれしかない、これがあなたを救うと言われたのです」

これは私(カカシ)も何度も聞いている話だが、ジェンダー診療所は妊娠中絶専門のプランドペアレントフッドと同じで、診療所の門をくぐったら性転換への道しか示されない。普通の病院なら「私、心臓がどきどきするんです。心臓病だと思うんです」という患者が来ても、医者が「はい、じゃあすぐ手術しましょう」なんてことにはならない。「じゃあ検査してみましょう」というのが普通の医療だ。ところがジェンダー医療(医療といえるのかどうか、、)となると患者がそういうからそうなのだという肯定そして治療へとまっしぐらに進んでしまう。なぜ患者が性違和を持っているのか、他の精神病が原因なのではないかといった診察が全くなされないのだ。

ポール記者はジェンダー概念に関しては右翼も左翼も同じように極端な議論を交わしているというが、それは正しくないと私は思う。彼女はドナルド・トランプ大統領がトランスジェンダリズムを「左翼のジェンダー狂気」と呼んだことを批判しているが、自分が異性だと思い込むのは明らかに狂気だ。それに今の右翼保守は昔と違って、同性愛を病気と決めつけて野蛮な治療をして同性愛を治そうなどとはしない。それどころか未成年に不可逆的なホルモン治療や手術を施すなと言っているのだ。そして性違和は心の病気なのだから先ず精神の治療を行うべきだと主張しているのだ。少しでも他人の性違和を疑う人を「トランスフォーブ」といって黙らせようとする左翼連中よりもよっぽどまともだと思う。

増える新しいタイプの患者たち

ポール記者は大人のトランスジェンダーの多くは性転換に満足しており救命治療でもあったが、問題なのは最近急激に増えている子供の性違和患者であると指摘する。

アメリカ最初の小児ジェンダー診療所の創設者ローラ・エドワーズ・リーパー精神科医は、2007年に診療所をオープンした頃は長期にわたる性違和に悩み性転換によって他の精神的な問題がなくなる患者がほとんどだったが、最近それが変わってきていると語る。

エドワーズリーパー医師は自分がカウンセリングした患者たちの性転換は後悔しておらず、政府による禁止法にも賛成ではないとしながらも、医療組織によるきちんとした規制がないことに懸念を抱いている。最近の彼女の患者たちのほとんどが幼い頃に全く性違和を示した歴史のない子たちである。それが10代になって突然性違和を言い出すのである。これは俗にRapid Onset Gender Dysphoria(急性性同一性障害)と言われるものだが、この病気の有無については専門家の間でも色々意見が割れている。

幼児や思春期の患者に関してはもっと慎重な治療を行うべきだとWPATH(the World Professional Association for Transgender Health)の幼児思春期部門の委員長だったエドワーズリーパー医師は語る。

とはいえ専門家や科学者や医者たちは、患者の性違和に自動的に同意すべきではないという考えを公言するのには消極的である。今は閉鎖されたイギリスのタビストックジェンダークリニックの職員たちは患者の性違和を肯定するように強く圧力をかけられていたと証言している。

エドワーズリーパー医師が訓練した医師の多くがジェンダー治療から離れてしまったという。それというのも慎重なカウンセリングをしようとするとトランスフォビアだと責められることが多いからだ。

オレゴンの結婚カウセリングセラピストのステファニー・ウィンは、ジェンダー肯定治療の訓練を受け何人ものトランスジェンダー患者を診て来た。しかし2020年、脱トランス者のビデオをみてからジェンダー肯定治療に疑問を抱くようになった。2021年、彼女は性違和治療はもっと色々考慮する必要があり、脱トランス者の意見にも耳を傾けるべきだと発言して以来、トランス活動家から攻撃を受けており、2022年には彼女のセラピストライセンスをの見直しが審議されていると告げられた。彼女の捜査は打ち切られたが、今は未成年の患者は取り扱わず、居場所を確定されるのを恐れて、カウンセリングもオンラインのみでおこなっている。

性違和患者の診察は慎重に行うべきというカウンセラーが命の危険を感じるというのは、いったいトランスジェンダリズムとはどういう概念なのだ?

脱トランス者の話を取り上げてくれるのは保守派メディアだけであり、そのせいもあって彼等は右翼保守のトランス攻撃の道具となってしまう可能性があるとポール記者は語る。しかしトランスジェンダーを名乗り出た時はちやほやしていた左翼連中が、一旦脱トランスした人を助けようともせずに一斉に見捨てておいて、彼等を右翼の道具扱いする方がおかしいのではないか?

右翼保守は脱トランスの人たちに対して「それみたことか、だからトランスなんかすべきじゃないのだ、自業自得だ」と言って責めたりしていない。それどころか親身になって話を聞き、話をとりあげてくれているのだ。ポール記者はそのことにもっと注目すべきではないのか?

ポール記者はさらに、トランス自認の子供を持つ親たちのインタビューについても語る。これは日本で発刊中止に追い込まれたアビゲイル・シュライヤー著書の「あの子もトランスジェンダーになった」でも書かれていた通り、親たちは子供の性違和は子供が自分の同性愛嗜好に悩んでいるのではないかと疑いながらもジェンダー医療関係者からの圧力に負けてしまう。子供の性違和に少しでも疑問を示すと自動相談所から子供を取り上げられてしまう可能性もある。少なからぬ親たちが子どもが性違和を言い出した時に「娘(息子)を失ったような気がした」と語っている。

ある母親は性違和を持つ子供の両親たちのサポートグループに参加した際、ほとんどの子どもたちに自閉症や他の精神病があることを知った。にもかかわらずグループの主催者は「ともかく転換させなさい」と促したという。「強迫性障害やうつ病がどうしたらホルモン治療でなおるというのでしょうか」とその母親は言う。

こうした親たちの一部は最近オンラインでのサポートグループに参加し、子供たちの精神状態などについて色々話をしているが、子供たちに共通していることはユーチューブやTikTokのインフルエンサーたちに文字通りインフルエンス(影響を受ける)されているということだ。そしてコロナでの隔離生活中にこの問題に拍車がかかったことも事実である。

15歳の息子が突然自分は女だと言い出したキャサリンという女性。息子がADHDかどうかの診察をしてもらいたかったのに、なぜかジェンダークリニックを紹介され、医師は息子の精神病の診断をせず突然「死んだ息子と生きてる娘のどちらが欲しいのか」と質問してきたという。

これは今初めて聞いた質問ではない。子供が突然性違和を言い出した時、子供の性違和に疑問を抱く親たちが必ずされる質問だ。医師たちは子供を性転換させないと子供が自殺してしまうと親たちを脅すのである。

しかし性違和患者が性転換しないと自殺するという説の根拠は乏しい。三年前に発表されたThe Journal of the Endocrine Societyの調査では、性転換治療と自殺予防との関連性は証明されなかったとある。さらに他の自殺願望は他の精神病が影響している場合もあり、性違和のみが原因ではない場合、性転換治療は自殺願望緩和には全く意味がないどころか、ホルモンのバランスが崩れて悪化する可能性も考えられる。

政治の道具にされる未成年トランスジェンダー達

ポール記者の記事はまあまあ良い点をついているのだが、彼女の左翼バイアスが記事のあちこちからうかがわれる。彼女は未成年のトランスジェンダー問題は医療問題であるはずなのに、えてして政治問題として扱われることが多いと語る。

保守派の議員たちは、未成年のジェンダーケアへのアクセスを禁止しようとしている。しかしもう一方で、多くの医療従事者や精神科医が、活動家の圧力や組織の取り込みによって手を縛られていると感じている。彼らは、こうした若者たちに対して責任あるメンタルヘルスケアや医療を実践することが難しくなっていると言う。

いや左翼のトランスジェンダリズムが完全に政治活動になってしまった以上、それに異を唱えるためには政治力を使う以外にない。ちゃんとした診療をおこなおうとする医師たちに手かせを嵌めているのはバイデン政権をはじめとする左翼政治家達なのだ。これはどっちもどっちというものではない。

前述のパウエルも左翼から「トランスジェンダーの人々の信用を失墜させるために偽の物語を作っている右翼だと何度も非難された」と語っている。

LGBT当事者の中からも現在のトランス治療に疑問を呈する人たちが増えている。33歳で女性から男性に性転換した50歳のFtMアーロン・キンバリーは性転換によって自分の性違和は消えたという。キンバリーは看護師としてブリティッシュコロンビアの病院で働いていたが、ホルモン治療が必要とされた患者が深刻に精神を病んでいると判断しホルモン治療よりも精神カウンセリングを薦めたところ、性転換の門番をしていると責められ転職を余儀なくされたという。「なにか完全に脱線していると気が付きました」とキンバリーはいう。キンバリーはその後the Gender Dysphoria Alliance (性違和同盟)と L.G.B.T. Courage Coalition (LGBT勇気協定)を設立した。

一般的性別傾向から逸脱している女性っぽいゲイ男性やお転婆なレズビアン女性らもトランスジェンダーだと診断されてしまうことが多いという。これこそ昔のコンバージョンセラピーと何が違うのだろうか?また宗教心が強く保守的な家庭に育った同性愛者は同性愛は不浄だと思い込みトランスすることも多い。

子供の頃に性犯罪の被害に遭った子が性違和をもつことはよくあると言う話も昔聞いた。自分がこんな目にあうのは女(男)だからだと思い込み、異性になりたいとおもってしまうのだ。

ケイシー・エメリックも幼児性虐待の被害者でレズビアン。しかし自分は男だと思い込み性転換し男性として5年間も生きたが、精神状態は良くならず2022年に脱トランスした。彼女がTwitterでそれを発表したところ、すぐに酷い攻撃を受けた。私も当時の彼女のビデオを観たが、彼女のことを禿げだの醜いだのという中傷誹謗が酷かったのはよく覚えている。

「私の人生は終わったと思いました。私は五年間も偽りの生活をしていたのです」

A woman dressed in black with tattoos on one arm looks off to the right.
Kasey Emerick Credit…Tanyth Berkeley for The New York Times

彼女の声は男性っぽく低く、見た目も男性に見えるため、脱トランスだと言うと、何時テスタストロンをやめるのかと聞かれるそうだ。それでもうやめて一年も経っているというと驚かれるという。いちどなどセラピストに脱トランスだと話したところ「トランスジョセーだったなんて信じられないわ」と言われ「え?私をどっちの性だとおもってます?」と聞き返したそう。

何故かは解らないが、トランスした年齢にもよるが、男性から女性へMtFが女性ホルモンをやめると割合普通の男性に戻れるのに対して、女性から男性の場合は声変わりも髭や体毛や脱毛などは永遠で不可逆的である。男性ホルモンは顔立ちまで男性っぽくかえてしまうので、FtMの脱トランスは非常に難しい。

子供、特に思春期は反抗期でもある。昔なら髪の毛を青く染めたり、変な化粧したり、コスプレする程度で済んでいたことが、最近は身体を不可逆的にかえてしまうトランスが流行っているのだ。こどもたちにはこの行為が自分の将来にどんな悪影響を及ぼすのか全く理解できていない。ポールは80%以上の子供が思春期を過ぎれば自然と性違和がなくなると指摘。またホルモン治療を始めた30%が四年以内にやめてしまうという。

最近のThe Archives of Sexual Behaviorという調査(recent study)78人の若い脱トランス者の40%までもがROGDに病んでいたという。トランスジェンダー活動家はそんなものはないと主張しているが、実際に証拠があるのだ。

ポールはここでオランダ、イギリス、スエーデン、ノルウエーなどアメリカに先駆けて子供のトランス治療を始めた国々が次々に方向転換をしていることを指摘する。しかしなぜかカナダやアメリカでは未だに子供の性転換治療が盛んである。

しかし昨日も指摘したように、ニューヨークタイムスでこのような記事が掲載出来たということだけでも、アメリカのトランスジェンダリズムに関する姿勢は変わってきている証拠だと思う。すでに20以上のアメリカの州で子供のトランス治療を規制する法律が色々通っている。男子の女子スポーツ参加に関しても規制法律が通っていることを考えると、アメリカでも明らかに風向きが変わったと私は確信する。

日本も変な方向へ進まないうちに方向転換をしてもらいたい。

関連記事:

Yes, Europe Is Restricting “Gender-Affirming Care” | City Journal (city-journal.org)

studies (fundacionjuntoscontigo.org)

questioned (segm.org)

criticized (tandfonline.com)

riddled (tandfonline.com)

British effort to replicate the study (nih.gov)

When Kids Say They’re Trans: A Guide for Thoughtful Parents (whenkidssaytheyretrans.com)



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911陰謀論の繰り返し、10月7日にハマスの奇襲はなかった、すべてイスラエルによるやらせだった、という嘘色々を吟味してみる

Xでイスラエルとハマスについて書いていると、必ず10月7日の攻撃に関するおかしな陰謀論を書いてくる人がいる。あの奇襲攻撃はハマスによるものではなくイスラエル軍によるやらせだったとか、老若男女が無差別に口に出来ない残虐な方法で拷問の末虐殺されたという話も全て嘘だとか、酷い人になると10月7日は起きていない、すべてイスラエルのプロパガンダだとまでいう人がいる。一体この人たちのおつむはどこを向いているのだろう?

10月7日はハマス自身が「10月7日の洪水」と言って自慢している

10月7日がイスラエルのやらせだの捏造だの言う人は、ハマスのリーダーたちが何を言っているかに一度耳を傾けてはどうだろうか?我々文明人の感覚ではあのような大規模な虐殺は忘れ去られたい汚点かもしれない。ナチスドイツですらユダヤ人の民族浄化は秘密裡に行っていた。なぜなら文明社会には罪のない民間人を大量に殺害するという行為は悪であるという共通の概念が存在するからである。

しかしハマスやハマス支持パレスチナ人にはそういう道徳観念はない。彼等にとって宿敵であるイスラエル(ユダヤ人)を大量に拷問し殺害することは誇らしい行為であり祝福に価する。だから彼等はその事実を隠すどころか誇らしげにひけらかすのである。こちらビジネスインサイダーの記事

ハマスの指導者たちは、10月7日の攻撃後も後悔はしておらず、目的は現状を『転覆』させることだったと語っている。

しかし、ハマスの幹部は、何千人もの子どもを含むと思われる死者の数が増えても、イスラエル当局が1400人を殺害したと発表したイスラエル南部での行動を後悔するような事態にはなっていないと言う。

実際、ハマスの指導者たちは、彼らの目的はまさにこのような反応を引き起こすことであり、今もなおより大きな戦争を望んでいると言う。イスラエルと地域の大国、つまりサウジアラビアとの関係正常化をめぐる話し合いを頓挫させ、パレスチナの大義に世界の注目を集めるための戦略の一環だと彼らは言う。

ハマスの関心は、イスラエルの砲撃下でパレスチナ人が直面している一時的な苦難よりも、イスラエルの破壊にあるという。

私は10月7日当日のX上で何が起きたかを覚えているが、最初に入ってきた情報はノヴァの音楽祭が襲撃されて人々が逃げ惑っているという映像。そして次々にハマスが人々を拉致している動画や、ガザで半裸の女性の遺体がトラックの荷台に積まれて引き回されているのをガザ民が叩いたり唾をかけたりしている動画が公開された。世界中の人びとがハマスの奇襲攻撃をほぼリアルタイムで目撃したのに、あの事件が起きてないとか、自分達が眠っていて何も見ていなかったからといって、よくもそんなバカげたことが言えるもんだと思う。

10月7日の攻撃はイスラエル軍がやったものという嘘

「10月7日の攻撃はハマスではなく、イスラエル軍が行ったと言われてますよ。証拠も出ているし、実際イスラエル兵がニュースで自ら話してます」

昨晩もこんなポストをした人が居た。私がバカバカしいと一笑に付すと、まあ次から次へと「証拠」とされる記事を張り付ける人がいて閉口した。典型的なのが下記のようなポスト。

それで私は今朝色々と調べてみた。上記のポストには二つのクレームがある。1)ノヴァ音楽祭でイスラエルのヘリコプターがテロリストと一緒に逃げ惑うイスラエル人を射殺した。2)キブツにイスラエルの戦車隊が出動しイスラエル人が中にいるにも拘わらず民家を破壊したというもの。言うまでもないがこれら二つは真っ赤な嘘である。

1)イスラエル軍のヘリコプターはノヴァ音楽祭上空に出動していない。下記はその事実を説明するフランセ2の報道である。

Xで引用された左側の動画は本物であるが、これは10月9日にIDFが自らのアカウントで公開したものである(上記のビデオ2:00くらいから始まる)。これはイスラエル軍がガザ内で行った攻撃のビデオでありハマス連中が越境してイスラエル攻撃をするのを阻止した時のものだとIDFは説明している。そしてこの攻撃はノヴァ音楽祭とは北東10キロも離れた場所での攻撃であったこと2:58から3:11あたりで示されている。

アップデート:イスラエル空軍のヘリコプターが誤ってイスラエル人を撃ち殺してしまったとハアレツ紙が報道したとされているが、ハアレツ紙自身がそれは偽情報であると否定している。

ハアレッツは、10月7日の大虐殺のさなか、ハマスのテロリストに発砲したイスラエル国防軍が、殺傷は確認されなかったが、市民にも命中した可能性があると、情報筋が記者団に語った2つの事例を報じている。

悪意ある陰謀論者は、何の脈絡もなく発表されたこの報道を悪用し、意図的に文脈を変え、ハアレツがIDFが自国民の大量殺戮を行ったという誤った説を裏付けたと偽っている。この偽情報はその後、他の人々によって共有され、その中には善意で行動している者もいたかもしれないが、それにもかかわらず誤った情報を作り出していた。Haaretz.com@haaretzcom

2)イスラエルの戦車はイスラエル市民に向けて発砲していない

引用したXポストの右側の動画は、11月26日にインスタグラムで公開されたものだが、キブツと呼ばれる住宅区域のひとつにイスラエルの女性戦車部隊が出動した、このビデオでは現場に居た女性兵士のインタビューが収録されているが、反イスラエルに都合よく切り刻まれて編集されており、あたかもこの女性兵士は自分らがイスラエルの民間人に無差別に発砲したと語っているような印象操作がされている。

しかし英語の字幕をよむ限り、彼女たちの誰も民間人に発砲したなどとは言ってない。いや、それどころか、民間人が居るかもしれないので発砲をやめたとさえ言っている。インスタグラムに付けられた注釈とは真逆のことを彼女は言っているである。

またイスラエル軍の戦車がイスラエル民家を破壊したということに関しては、12月6日に公開されたTikTokが元だが、10月14日に行われたIDFのヴァッファ(Vach)司令官によるホリット・キブツでの記者会見の模様が歪曲して報道されたのが原因だ。TikTokではイスラエル軍が民家にイスラエル民間人が閉じ込められていたにも関わらず民家を戦車で破壊したと認めたと嘘の情報が流された。

だが現実の記者会見の動画を観てみるとヴァッファ司令官は、彼等の部隊が駆け付けた時、その民家の前で四人、家のなかには8人の赤ん坊を含む15人の焼死体が発見されたと語った。どうやらテロリストは人々を集めて火をつけたものと思われる。生存者はあったのかと聞かれると、生存者は居なかったと答えた。(Role of Israeli tanks in deaths of Israeli civilians back in spotlight (aa.com.tr))

夫婦2組、男2人、女2人が手錠をかけられていました。この家の中にはさらに15人が焼かれ、そのうち赤ん坊が8人いました。この隅にね。ハマスは人々を集めて、殺し、燃やしたのです。

ヴァッファ司令官はIDFは遺体を民家から運び出した後で民家を戦車で破壊したと語った。何故民家を破壊したのかと聞かれると、その理由は家々がハマスに乗っ取られていたため家を破壊せずにはハマス退治が出来なかったからだと語った。

つまり、イスラエルの戦車隊がホリット・キブツに出動したことも、イスラエルの民家を破壊したことも事実だが、それによってイスラエル人が殺されたという事実は全く根拠のないデマであり、それをイスラエル兵も認めているというのは全くの嘘である。

すくなくとも陰謀論者が証拠として提示しているビデオにはそのような状況は全く映っていない。

道徳概念がありながらイスラエルへの憎しみを乗り越えられない陰謀論者

陰謀論を唱える人々には文明人としての道徳概念がある。彼等は多分本来は善人なのだろう。なぜなら、もし彼等の道徳感がハマスと同じだったら、10月7日を否定する必要は全くない。ガザ民と一緒になってハマスの功績を讃えればいいだけの話だ。しかしこれらの陰謀論者たちは知っている。ハマスがやったとされることは稀に見る許されない悪事であり、もしそれが事実だったと認めた場合にはハマスは悪逆非道なテロ組織でありイスラエルはその犠牲者なのだと認めなければならない。そして10月7日がハマスの仕業ならイスラエルの国防戦争も正当だと認めなければならない。だがイスラエル(ユダヤ人)を心から憎む彼等にそのようなことは絶対に出来ないのだ。

イスラエルのやっていることは正しい?そんなことがあるはずない!イスラエルは抑圧者だ、彼らのやることに正義はない!

だとしたら答えはただ一つ。10月7日はハマスの仕業ではない、イスラエルが捏造したのだ、すべてイスラエルのプロパガンダなのだあ~!

となるわけだ。感情だけで事実を見つめる目が曇っているひとというのは本当に手に負えないものだ。


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米国第六巡回区控訴裁判所が、子供の性転換治療禁止は合法と判決を下す

デイリーワイヤーのマット・ウォルシなどが中心となり、子供の性転換治療を禁止する動きがテネシー州を中心にあちこちの州で広がっている。今や19の州で同じような法律が通っている。しかしもちろんトランスジェンダー活動家(TRA)たちがそんな動きを指をくわえて見ているわけはない。それで人権市民団体のACLUは(米市民権利組合)この判決は違憲であるとして訴えていた。しかし昨晩、第6巡回区控訴裁判所(テネシー、ミシシッピなど4つの州を担当)は子供の性転換治療禁止は違憲ではないと判決を下した。これはウォルシ曰く「トランス教団に壊滅的な判決」である。これがどれほど壊滅的であるか、ウォルシが説明しているので@tarunynorzoさんの翻訳を読みながら考えてみよう。

第一に、この判決は、不道徳あるいは危険だと考えられる医療行為を禁止する権利が有権者にあることを立証している。これは、大手製薬会社の “専門家 “が何を言おうとかわらない。

そのうえで裁判所は、思春期ブロッカーや異性間ホルモン剤を含む、いわゆる「ジェンダー肯定するケア」が危険であると有権者が考える十分な理由があると説明する。裁判所は、多くの国がこれらを禁止し始めていると指摘する。

さらに裁判所は、「トランス標準医療」の決定団体であるWPATHは、1979年から2000年まで、未成年者にホルモン剤や思春期ブロッカーを使用しないよう勧告していたと述べている。現在でも、WPATHは未成年への使用を支持する「限られたデータ」しか存在しないことを認めている。

我々が子どものトランス肯定派から言われるのは子供の性違和を肯定しないと子供の精神状態が悪化し自殺してしまうということだ。そして思春期ブロッカーはその治療として最適であると彼等は言い続けていた。ところがなんと実はブロッカーにはひどい副作用があることがわかってきた。TRAが根拠にしていた英国のデータには間違って分析されていたというのだ。このデータを新たに分析したところ、なんとTGの若者の1/3がブロッカーの服用後に精神異常をきたし苦しんでいることが判明したのだ。三分の一もである!

ACLUはトランスジェンダーは被差別者であり政治力のない少数派であり疎外された立場にあると主張してきた。しかし裁判所は、トランスジェンダリズムは現政権はもとより大手法律事務所や連邦政府や医療団体が味方味方しており、およそ疎外されているなどという立場ではないことを指摘した。

またトランスジェンダーが生まれつきであるという主張に対しても、法廷は「トランスジェンダー」の定義は日に日に変化しており、毎日のように新しい性別が生まれていることを指摘して退けた。ここでもTRA達が政治力を得るために色々な性嗜好の人たちをトランスに混ぜて来たのが仇となったようだ。

さらにACLUは子供の治療は親に決める権利があると主張したが、これに対しても親だからといって子供に危害を及ぼすような治療を受けさせる権利はないとはねつけた。親の意見を無視して子供のトランス肯定治療を拒否する親から親権を奪おうとまでしているくせに、都合のいい時だけ親の権利とか言い出すんだなTRAは。

マットの言うようにこれはTRAにとって壊滅的な判決だ。彼等の主張はことごとく退けられたのだ。しかしこれですべてが終わったわけではない。この法廷の管轄はテネシーやミシシッピなど四州に限られる。他の州でも同じような法律がどんどん通っているのでACLUを始めTRAたちは諦めないだろう。そしてあちこちの法廷で様々な判決が下り、最終的には連邦最高裁へと進むことは間違いない。無論それがトランス活動家にとってもジェンダー理論批判派であるジェンダークリティカル(GC)の我々にとっても正念場となるのである。

私はこうした裁判がどんどん起きることによって、子供の頃に思春期ブロッカーを投与され多大なる被害を得て後悔している若者など脱トランス者からの訴えも人々の耳に入ることになると期待している。未成年への異性ホルモン投与がどれだけ危険なものであるか人々が知れば、この野蛮な「医療行為」は過去の電気ショックのように連邦レベルで禁止されるようになるであろう。

欲を言えば、私は性転換治療なるものは子供だけでなく大人でも禁止にすべきだと思ってる。このトランスジェンダリズムというカルトは多くの人びとの心と体を蝕んでいるからだ。しかし何事も我慢が大事。一歩一歩辛抱強く進んでいくしかない。

ところで私のツイッター(X)アカウントが新しくなったおかげで、これまで私をブロックしていた人たちのツイートも一時的にみられるようになった。無論私の著名度が上がれば彼等から再びブロックされるだろうとは思うが、いまのうちに勉強のために読んでおこうと思ってる。例えばこの女性。娘が3歳くらいの時からトランスジェンダーとして育てており、話の内容から思春期に差し掛かっている頃ではないかと思われる。この母親の害毒性は半端ないので多分子供にはすでに危険なホルモン投与を始めているのだろう。そんな彼女の今日の投稿。直接返信するとすぐブロックされるだろうからここでちまちま批判しておこう。

えらErrurトランスの子の育児と理解の会@Taklnce1

長い間トランスの人々の存在に気づかず生活してきた人々が突然、危険だなんだとネットで騒ぎ立てトランスの人々を攻撃し始めてから6年近くになりますか これまでに何人ものトランスの人々の命が失われ、居場所が奪われ、強制ディトランジション(特例法の廃止)まで求められ、本当に恐怖の世界です

何故トランスジェンダリズムが批判されるようになったのかと言えば、彼等の要求があまりにもひどくなり、そのおかげで女性や子供たちへの被害が多くの人の目に触れるようになったからだ。拙ブログでも何度も指摘しているが、トランスジェンダーの人たちがトランスだからという理由で殺害されたという事実はほぼない。トランスジェンダーの殺害は大抵が売春や麻薬関連のものであり、トランスでなくてもそれは非常に危険な生き方である。また特例法の廃止がなぜ脱トランスを強制することになるというのだろう?特例法が無くても成人の性転換手術は合法だ。それまでやめさせようと言う動きは少なくとも日本ではない。

「トランスの女性は強くて怖い、犯罪者と見分けがつかない」 「子供をLGBTQ+にするな」 「性自認なんてない、性別はカラダ、でもカラダを変えても性別は変わらない、ディトランジションしろ」 こんな無茶苦茶なことを言いながら、トランスの人々を暴力的に追い詰め排除しようとしているんですよね

これも完全に話が逆。女性や保護者達が集まって行き過ぎたトランスジェンダリズムやLGBTQ+教育に反対する集会を開くと、決まって黒装束で武器まで持ったTRA/ANTIFA達が集まって来て抗議者達に暴力をふるう。暴力を使って反対派を黙らせようとしているのはTRAの方である。

埼玉県の事業で、にじーず代表遠藤まめた氏を講師として「性の多様性を尊重した子供・若者の居場所づくり」講座が開催予定です。 フリースクール、放課後児童クラブ、子ども食堂などが対象となっています。加賀議員@Nanaekagaプラウドボーイズ、KJKに続きLibsOfTIkTokの暴力的手法を用いて、性的マイノリティの子供達を徹底的に傷つけ排除しようとしています 不登校の子供支援をされていたんですよね? 居場所の無いマイノリティの子供達を追い詰める責任は非常に重いですよ

以前に拙ブログでも紹介した通り、にじーずというのは未成年の少年たちを親に内緒で集めてよからぬことを企んでいる団体。彼等は関係者以外の大人の参加を禁止している。子の集会でどのようなことが行われるのか誰も知らないのだ。もし得体の知れない団体が未成年の少女ばかりを親に内緒で一か所に集めてなにやらやろうとしたら人々は黙っているだろうか?

この太字部分のところは全く理解できない。まずGC活動にプラウドボーイズは参加していない。プラウドボーイズは1月6日の件でガタガタに破壊されてしまったし、元リーダーが政治犯として30年の刑期に処されている。いまやGC運動に参加できるような状態ではない。またKJKやLibsOfTikTokは一度も他人に暴力をふるった子とはないし、暴力を先導したこともない。いやそれどころか彼女たちこそTRAの暴力被害に逢っている。まさかえらさんはKJKがニュージーランドの集会でトマトスープをかけられもみくちゃにされて命からがら避難した事件を知らない訳じゃないだろう。

だが彼女がこのようおに被害妄想になってヒステリックになっているというのも、マット・ウォルシなどが先頭となってトランスジェンダリズム解体運動がアメリカ全土及びカナダでも広まっているからだ。えらさんのようなTRAにとっては危機的な状況になっているということだろう。

マット・ウォルシが「女とはなんぞや」という映画を作ってからまだ一年ちょっとだ。しかしこの一年間でGC運動はかなりの成果を遂げたと思う。いったん崩れ出したらトランスジェンダリズムは一気に解体すると私は信じる。

それまでにどれだけの子供達が犠牲になるのかを考えると心が痛むが、ともかく今はこの勝利を祝おう。


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セックスワークがワークなら何故恥じる?民主党議員候補のポルノ女優過去に対する不可解な態度

バージニア州の州議員に民主党から立候補している女性議員が、過去に自分の夫とオンラインでポルノ動画を配信していたことが発覚し話題を呼んでいる。候補者の名前はスーザン・ギブソンで現在は看護婦。今回の初めての出馬である。

彼女がポルノ動画を配信していたのはChaturbateというサイトで、これはパスワードなどが必要なプライベートなサイトではなく、誰もが観ることのできる公共サイトである。このサイトにおいてギブソンは夫と共に、視聴者からの有料リクエストを受けて生配信で様々なセックスアクトをしていた。保存されたのは2022年だが、実際の生配信が何時だったのかは定かではない。

ワシントンポストによれば、この情報を共和党工作員から得たとしており、ギブソンはこの記事を自分のプライバシーを侵害する違法行為であり、自分と家族を辱めようとしている汚いやり口だと強く批判している。(強調はカカシ)

私を脅すことも黙らせることもできません。私の政敵と共和党の同盟者たちは、私と私の家族を攻撃するために性犯罪を犯すこともいとわないことを証明しました。

ギブソンの弁護士ダニエル・P・ワトキンスはこのビデオを公開することはバージニア州の「リベンジポルノ」法に触れる可能性があり、州と連邦政府の警察と相談中であるという。

ちょっと待ってほしい。リベンジポルノとはプライベートに撮影した性的なビデオを本人の承諾なくネット上に公開し個人の社会的信用を落とす行為を指す。だがこのビデオは夫婦間だけでプライベートに撮影されたものではない。このサイトは会員制のプライベートなサイトでもなく誰でも観られるサイトである。そこでギブソン夫婦は視聴者からお金を取って自主的にセックスアクトを行い生配信をおこなっていたのである。つまりこれは夫婦のお金儲けの一つの手段だったのだ。こういうのをセックスワークというのではないのか?

バージニア州はワシントンDCに近いこともあり民主党の強い州である。しかし昨今の教育界での行き過ぎた性教育に不満を抱いた多くの民主党支持者が先の選挙では共和党のヤンキン知事を当選させた。そういう土地柄であるから、州議員候補の過去のセックスワーク経歴が問題視されるのは当然のことである。

しかしここで不可解なのはギブソン候補のこれに対する態度である。彼女のような左翼リベラルは常にセックスワークも仕事だと言って売春もポルノ業も立派な仕事だと主張している。だったら過去にポルノ女優だったことを何故恥じる必要があるのだ?過去にオンラインポルノに出演していたからなんだというのだ?「お金のために夫とオンラインでポルノ配信をしました。恥じていません」とはっきり言えばいいではないか?それをなぜ共和党の汚い手口だの性犯罪だのリベンジポルノだなどと言い訳するのだ?おかしいではないか。

結局なんだかんだきれいごとを言っても、左翼リベラルは自分らですら性産業が立派な仕事だなどとは思っていないのだ。職業に貴賤はないなどと言いながら本当はそんなことは信じていないのである。

だからリベラルな若者は活動家の口車に乗って馬鹿な行為をネットで晒したりしてはいけない。特に今の時代、一旦なにかをネットに上げたら永久に残ってしまう。若気の至りではすまなくなってしまうのだ。

左翼リベラルの偽善は何も今に始まったことではない。昔、イラク戦争の初期、アメリカ軍に従軍して戦地の情報を色々配信していた独立記者が居た。名前は覚えていないが彼は元海兵隊の軍人で、その時は民間人記者として現地に赴き色々と貴重な情報をブログで伝えていた。彼の仕事ぶりは認められ、保守派のCPACで演説をしたりもした。ところがある日、彼が若い頃ゲイポルノの男優だったことが暴露され大騒ぎになった。保守系ブロガーでしかも元軍人の彼がこともあろうにゲイポルノ男優だった、ほれみろ保守派なんて結局はこんなもんだ、と左翼たちは馬の首でもとったかのように大はしゃぎ。彼がその後どんなリポートをしようと、その都度左翼たちは元ゲイポルノ男優と言って蔑んだ。

当時ヤフーの掲示板に入り浸っていた私は彼の批判者に「君らは常にゲイを差別するなとか、性産業を蔑むなとか言っているくせに、一旦誰かがゲイポルノ男優だったと解ったら、それを理由に彼のリポートの信頼度を疑うのはおかしいのではないか?彼がゲイであることもポルノ男優だったことも、今の彼の仕事とは全く無関係だ。」

保守派の反応はというと、彼自身が自分の過去について、ポルノは心を腐らせると気づき改心して軍隊に志願したとはっきり認めたため非常に寛容だった。その後の彼のブログでも彼は保守化から遮断されるどころか、かえってどのように改心したのかという話をあちこちで演説するなど、右翼保守や宗教右翼と呼ばれる人たちから歓迎されたと書いていた。これが右翼と左翼の違いである。

ギブソン候補は自分の立場をはっきりさせるべきだ。過去の自分の行為は若気の至りであった後悔している、過去の過ちを生かして今後の教訓としたいとするのか、ポルノは立派な職業である、私は私と夫のしたことをひとつも悔いてはいない、私の過去を批判する人は性産業差別者だとするのか、どちらかに決めるべきだ。

それをせず、あたかも過去のプライベートな秘密が暴かれた被害者のようにふるまうのは一番卑怯なやり方である。


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王谷晶さんはキャンセルカルチャーの犠牲者だった

アップデート:9月4日現在 本日ツイッターでイン・クィア・タイムスの共同編集者が日本のツイッターで起きた一連の騒動に気付いて、自分らの本にはペドフィリアに関する話はひとつもないと驚きの声明文を上げていた

賢花:翻訳した村上さつきさんは『インクィアタイム』を”私の本”だから責任を持ってぺドフィリア差別に反対すると主張していた。 でも、原作者のイン・イーシェンさんの表明はこの通り真逆なわけで、今回の件は翻訳者の発言権が及ぶ範囲を逸脱した結果の暴走だったということがわかりました

gesheI:今回のペドフィリア擁護/擁護反対の論争に際し、発端となったアンソロジーに関係なく議論が進行していること、またころから社、王谷氏、村上氏それぞれの文責の捉え方の脆弱さに違和感を感じていた旨をツイートしたところ、当該のアンソロジーのco-editor であるイン・イーシェンNg Yi-Sheng氏から応答がありました。

Ng Yi-Sheng: Thanks for bringing this to my attention. My god, what a clusterf*ck. I oppose pedophilia based on the inability of a child to consent & as co-editor of the book I can say we didn’t feature any stories that even mentioned the subject. (お知らせ頂きありがとうございます。なんて馬鹿げた事!私は子供が同意できないと言う立場からペドフィリアには反対です。また本著の共同編集者として言わせてもらいますが、この本にはそのようなことは一言も書かれていません。)

出版社に向けられた苦情投稿(本著とは何の関係もない、ただ紹介の帯を書いただけの人への個人攻撃)で始まったこの一連の出来事は先ず出版社の対抗が優柔不断だったことと、ただの翻訳者があたかも本著の意図を代表するかのようにペドフィリア擁護をして暴走したことが原因だった。しかし私が本著の編集者ならこれだけでは済ませないだろう。何故ならこのことで多くの人たちが原作のインクィアタイムはペドフィリア奨励の本だと勘違いしてしまった可能性があるからだ。編集者たちは断固出版社に抗議をし、自分らの本はペドフィリア奨励本ではないこと、自分らは断固ペドフィリアに反対であることを表明しなければならないだろう。

9月3日:前回のブログエントリーで(LGBTQ+のQ+に小児性愛は含まれるのか含まれないのか? – Scarecrow in the Strawberry Field (biglizards.net)王谷晶さんという作家がペドフィリアを巡ってツイッター上で話題になったという話をちょっとしたが、私の理解が完全に間違っていたことを今日になって知ったので訂正し王谷さんにも勝手な思い込みで失礼なことを書いてしまったことをお詫びしたい。(以後敬称は省く)

事の発端は王谷がイン・クィア・タイムという翻訳本の帯に彼女のメッセージを書いたことで、この本に王谷が関わったことに腹を立てた自称ペドフィリアの男が出版社に苦情の手紙を送ったことから始まる。

私が誤解していたのは、この翻訳本そのものがペドフィリアに関するもので王谷がそれを奨励するような推薦文を帯に書いたことで、読者からペドを奨励するなどけしからんとクレームがついたのだと思ったことだ。だが実は事実はその正反対で、王谷は常日頃からペドフィリアとクィアを同一視すべきではないという立場を取っていた。

「LGBTQのQにはペドフィリアが含まれる」というデマが知らないうちにかなり広まっているみたいで驚いた…… 私もロイターのファクトチェック張りますが日本語でいい記事ないのか

普通に考えたらそんなことあるわけなかんべよ、というとんでもない話でも、差別心や恐怖心を媒介にあっという間に結び付けられて特定の界隈では「事実」になってしまうのは本当に怖い。自分も気をつけたい。

特定の属性や相手を悪魔化して見ていると、どんなトンデモ話でも「あいつらならそれくらいやりかねない」と信じ込んでしまいがち。それはデマになり陰謀論になり社会を損壊する流れを作ってしまう。これは思想の左右やジェンダーそのほか関係なく起こると思うので、ほんと気をつけよ……。」

それで苦情を述べた側は彼女がペド差別をしているのに、クィアに関する本の推薦帯を書くなどけしからんとクレームを付けたのである。出版社の「ころから社」は王谷の帯を外す気はないと声明文を出したものの、ペドフィリアに関しては「ころからは、ペドフィリアを含むあらゆる内心の自由について、いかなる制限もなく保障されるべきだと考えております。」と書き、王谷のペド批判意見には同意しない旨をあきらかにした。そして同社は苦情を述べた坪井里緒という人物に文句があるなら直接ネットで王谷に言えと言ったようだ。

そして翻訳者の村上さつきという人が苦情投稿者ら数人と一緒になって王谷をツイッター上で差別者として批判し始めたのだ。ネット上でペドフィリア擁護者たちから激しく叩かれた王谷は「あらゆる差別に反対する」という立場からあっさり謝罪してしまう。(8月29日)強調はカカシ。

以前単行本「イン・クィア・タイム」の帯を聞こうしたころから社から以下のアナウンスが出ました。他の版元様から軽油で同様のご指摘をいただき、ペドフィリアとチャイルドマレスターを混同しペドフィリア差別を助長していると思われる事故の過去ツイートをいくつか削除いたしました。帯の取り扱いにつきましては各版元・書店さん等にご判断をお任せしたいと思います。私の方としましてはもちろん外していただいてかまいません。改めまして今後も全ての差別に反対していると言う自らの言葉に矛盾しないよう強く気を付けたいと思います。あらゆるセクシュアリティは他者の人権を侵害する行為以外の権利はすべて有しており、内診の自由は保障されるべきという考えです。(略)

自分の認識の間違い、勉強不足によりセクシュアリティの一つであるペドフィリアと現実に加害行為を行うチャイルドマレスターを混合させ、特定のセクシュアリティを犯罪・加害と結び付け周縁化するような発言をしたことを反省します。この二つは混同して語ってはいけないものです。

あらゆるセクシュアリティの差別と暴力に反対する者として、ペドフィリア差別にも反対します。(後略)

全く何とも情けない文章である。LGBTQ+活動家は男を女として女性空間に受け入れろというだけでなく、子供を虐待する性癖まで正当化しろというのか?そしてそれを批判したらキャンセルの危機にさらすのか?日本も欧米並みのひどさになってきたようだ。

しかしもう聡明なる読者諸氏はよくご存じのように、ネットのリンチモブに謝罪などしても意味はない。いやそれどころか謝罪をしたことで自分の弱さを暴露してしまった王谷はさらに容赦のない攻撃を受ける。

先に述べた村上さつきや坪井里緒やコバヤシアヤノなる輩が執拗に王谷を攻撃した。この頃から王谷は自分が小児虐待の被害者であることをツイッターで述べ自分の謝罪がサバイバーの人たちを傷つけることになってしまったとしたら申し訳ないとツイートしている。

何度か書いていますが、自分も幼児と言っていい時期に見知らぬ他人から性被害をうけています。そのうえで、その被害はペドフィリアと児童性虐待者を同一に観て排除しても、おそらく防げなかったと思います。その二つはイコールでなく、児童に性愛的に惹かれなくても、支配欲で暴力を振るう人はいるので。35年以上経っていても被害の記憶は苦しいです。(略)

すると、今度はそれを攻撃するツイートが付いた。

あなたがサバイバーに言及した語りは有害です。被害経験やトラウマはケアにあくせすできるようにすべきで、特定の属性の話にもちこむべきではありません。性暴力被害の問題をトランスの問題としてはいけないように。今やるべきことは差別反対とバッシングを諦めることです。ーじゅごん

ペドフィリアの性暴力の被害にあった女性に対してここまで言うとは本当にこいつらには魂がない。だいたいペドフィリアとチャイルドマレスター(児童性虐待者)は違うなどというのは詭弁だ。一歩進めば犯罪者なのに、何がセクシュアルマイノリティーだ!ただの変態ではないか!

王谷さんはなんとかこうした攻撃から身を守ろうと、「混乱していた」「少し時間をください」と一生懸命にツイートした。しかしそれが無駄なことはもう皆さまもご存じの通り。

王谷はこうしたバッシングに耐え切れず、自分は心を病んでしまったとその心の内をふせったーという媒体で語っている

結局彼女は「差別者だ」と叩かれたことで動揺し、あまり考えもなしに安易に謝ってしまったことを深く後悔しているようだ。それにペドフィリアを正当化する人たちから「謝れ」「訂正しろ!」「ペドは悪くないと認めろ」などと言われて過去のトラウマを思い出してしまったようだ。

私個人としては王谷の受けた仕打ちは酷いと思うし同情もする。しかし問題なのは彼女の「あらゆる差別に反対します」という矛盾に満ちた姿勢にある。トランスジェンダリズムを擁護し、女を自認する男たちを女として認めて女性空間に許容すれば、かならずやこういう変態が入ってくる。我々は最初からそう警告してきたではないか?王谷はそれを無視して八方美人でいようとした、性加害者と性被害者の人権を同時に守るなんて出来るはずがない。そんな不可能なことをやろうとするから、こういうことになってしまうのだ。

実は私はこのまとめをこちらのノートから参考にしているが、このノートにはもっとたくさんのペドフィリア擁護者の醜いツイッターが紹介されている。読むのもおぞましいのでこちらでは紹介しないが、本当にこいつらは悪である。ペドフィリアも幼児性虐待者も全く同じだ。混同もなにもない。ペドは単に幼児ポルノを見てるだけで実行に移さないなんてのは屁理屈だ。幼児ポルノにはモデルになって虐待された子供がいないとでもいうのか?モデルのいないイラスとやAIの絵だけを見てるとか誤魔化すのもいい加減にしろ。彼等がどんな幼児ポルノを見ているか、私は知っている。無論私は見たことはないが、映画のサウンドオブフリーダムの元となった男性がその写真やビデオについて細かく描写するのを聞いたことがある。此処では書かないが、犠牲者の居ない幼児ポルノなど存在しない。そしてそんな写真やビデオを持っている男たちは、かならず仲間同士で情報を交換して実行に移すのだ。(サウンドオブフリーダムでもそういう状況が描写されている)

王谷さんにはしばらくネットから離れて心の療養に励んでもらいたい。しかし気を取り直して帰ってくる時までに、自分のなかにある矛盾と向き合ってほしい。

性加害をする人間までLGBTQ+の性自認の中に含んでもいいのかどうか、いったいTQ+に含まれる人たちって誰なのか、あらゆる差別を許さないとはいったいどういう意味なのか、もう一度しっかり考えなおして欲しい。

追記:この一抹は私だけでなく色々なトランスジェンダリズムに批判的なジェンダークリティカルと呼ばれるツイッタラーさんたちの注目を浴びた。そして普段は多分王谷のように無思慮に「反差別者」を気取っている人々には批判的な人々も彼女に同情した。しかしそれ以上にペドフィリアを擁護する人々の悪質さに嫌気がさしたと見え、ペド擁護アカウントを次々にX(ツイッター)社に通報した。私は普段通報と言うのが好きではない。どんな意見でも他人の名誉を汚すようなことでない限り言論の自由は守られるべきだからである。しかしペド擁護の人たちの言い分は酷すぎる。読んでいて胸糞が悪くなる。

ところで王谷さんに同情の念を示したのはペドとクィアを同一視するなと主張している仲岡しゅん弁護士のようなLGBTQ+活動家ではない。彼等はペド差別反対などと言っているLGBTQ+当時者やそのアライ達を批判するのではなく、Q+にはペドが含まれると指摘している我々をデマを拡散している「ヘイター」だと言って責める。そんなことを言っている暇があるのなら、ペド擁護のLGBTQ+活動家達に「お前らのおかげで我々の評判が落ちるから黙れ」と一括するのが筋ではないのか?ツイッターで必死に「ペドはクィアに含まれるなどデマだ」と言い張る仲岡しゅん弁護士などが先頭に立ってペド擁護者たちを糾弾すべきではないのか?それをせずに我々をがデマを拡散しているだのヘイターだのと言ってみても、全く説得力がない。


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想像を絶するマウイ島大火災の惨状

先週起きたマウイ島を襲った大火災は、現地からの映像がどんどん公開されるにつれ、その惨状が明らかになってきている。すでに100人を超す死亡者が確認されており、全体数は1000人に届く可能性があるという。ハワイ史上始まって以来の災害被害である。

こちらのサイトに火事の前と後の劇的な差を示した幾枚にもわたる写真が掲載されているので是非ご参照のこと。

Before and after images showing damage to a section of Front Street

拙ブログを昔からお読みの読者諸氏はご存じだが、私は仕事柄過去20年近くハワイにはしょっちゅう行っていた。主にオアフ島だがマウイ島にも行ったことがある。マウイはオアフに比べてあまり商業的な島ではなく、マウイに来る観光客はどちらかというと野外活動が好きな人が多いきがする。ダイビングとか釣りとかウォータースキーとか。数年前にマウイに行った時はウォーフから毎朝多くの観光客がボートに乗って沖に出かけて行くのを見た。私は仕事なのでボートに行って沖に停泊していた船まで毎朝通勤。観光客が羨ましかったのを覚えている。私は観光ならオアフより断然マウイだなと思ったものである。

うちにはテレビがないのでテレビニュースは観ていないのだが、火事の原因は未だ不明だが、火の手があっという間に広まったこと、警報が鳴らなかったこと、ハリケーンで学校が閉鎖され(ハワイではこの季節でも夏休みではなかった)子供たちは親の居ない自宅に返されていたこと、逃げ道となる道路が閉鎖されていたことなど、何かわけのわからない話を聞いている。

マウイは島ということで津波警報設備がきちんとしており、毎週その警報のテストが行われるのだそうだ。毎週やっているくらいだから警報機が作動しなかったわけではなく、警報が鳴らなかったのは意図的なものだった。本日(8月18日)になって、マウイの非常時統括局のハーマン・アンダヤ局長が責任を取らされて辞任。アンダヤは警報を鳴らしていたとしても人々の命は救えなかった。鳴らさなかったことを後悔していないと語っている。

しかし命からがら逃げおうせた人々の証言を聞いていると、警報が鳴らなかったせいで逃げるのが遅れたと証言している人が非常に多い。ある人は朝自宅付近でボヤがあったのを見たが、すでに消防隊が来ていたので、自分の家に飛び火しないようにと茂ってい木を切り倒して二時間ほど庭掃除をして疲れたので昼寝をしたという。しかし煙の臭いで目を覚まして、外に出ると熱風に見舞われたという。急いで取るものだけとって車で逃げたと言う。もし早めに警報が鳴っていれば、彼は早く逃げられたはずである。「最初のボヤがきちんと鎮火されてなかったに違いない」と男性は言っていた。

マウイは強風のため電柱が倒れるなどして停電していた。インターネットの接続も切れており、電話もつながらなかった。避難警報は携帯電話で行われたようだが、多くのお年寄りは携帯電話を持っていない。ツイッターであがっていた動画の中で、誰からも避難命令は出なかったが火の手が迫っていたので独自の判断で荷物を車に詰め込んで逃げたと言う家族がいる。その間家族は動画を撮り続けており、煙と火の粉のなかをなんとか抜けきって青空が見えた場所まで行けた時は「やった、逃げ切った」と話している声が聞こえる。ところがなぜかフロントストリートの交差点に来た時に、警察が道を塞いでいて、それ以上行かれなかった。これは他の証言者も同じことを言っていたが、なぜそこで交通が遮断されていたのか誰にもわからない。仕方なく車を降りて徒歩で逃げたという男性は、警官に何故道を塞いでいるのかを聞いたが、警官は単に上からの命令だというだけで理由を説明してもらえなかったという。警官が塞いだ道の先には特に何も起きていなかったとその老人は語っており、未だに理由は不明だ。

道を塞がれた人々はすぐ傍まで火が迫ってきたため、車を捨てて海の方へ向かい、火の粉を振り払うように海のなかに入って火を避けた。頭の上から野球のボール並の火の玉が飛んできて、近くにいたひとの髪の毛に火がついたのを見たと言う。それでみんなで髪の毛を濡らして頭を抱えていたそうだ。

こちらが海に逃げたひとたちの動画。https://youtu.be/5Z0beYjT6ko

規模は違うが、この話を聞いていて東京大空襲を体験した人が、東京湾に逃げたという話を思い出してしまった。マウイの火事は人為的なものではない(かどうかは不明)が、まるで戦争でも起きたみたいである。

さて、これだけの被害を受けたマウイなので、連邦政府からFEMAや赤十字や州軍が現地救済にあたっているのかと思いきや、行方不明者の捜索の映像はみたが、救援物資の配給は一般市民が自発的にやっており、政府からの救援物資は全く届いていないという。いったいどうなっているのか?

どっかのビーチで甲羅干しをしていたバイデン大統領は記者からマウイについての質問をされると「ノーコメント」といってまるで興味がないという顔をしていた。もしこれが共和党の大統領だったら、もう今頃はメディアから猛攻撃を受けているところだが、バイデンなので誰も何も言わない。ハリケーンカトリーナの時に迅速な対応をしたにもかかわらず地元知事や市長の不能で多くの犠牲者を出した時も、地元の民主党政治家らではなくブッシュ大統領が批判されたのとは大違い。

ところでハワイ在住の邦人ツイッタラーさんが、マウイの救援には赤十字などを通じての募金に寄付しないでくれと言っていた。それというのもハワイ州の政治家は腐敗しており、寄付金を横領して被害者の手には届かない可能性が高いからだそうだ。なので何かしたいと思っている人は、これからマウイへ出かける人に直接なにか物資を渡して欲しいということだった。

実際に現地で救援活動をしている個人が居るので、そういう人が募っている募金に直接寄付した方が約に立つだろう。こちらが救援物資の配給をおこなってる民間人、サーファーのケリ・レニーのインタビュー。https://youtu.be/udTLQ09-boI 政府機関の人を全く見かけないと語っている。


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