やっぱり嘘はついていなかったアメリカ水泳選手たち

アップデート:2017年7月19日現在
この問題については真面目な取材を続けていたUSAトゥデイの記事によると、ロクテはガソリンスタンドで起きた事件についてブラジルの裁判所はロクテの行為は犯罪ではなかったとして起訴を却下した。つまり、ロクテらアメリカの水泳チーム4人が嘘をついていた事実はないという結論だ。
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この間、オリンピック水泳メドレーで金メダルを受賞したライアン・ロクテら四人の選手たちについて、カカシはロクテ選手の供述は嘘ではないと思うと書いた。ブラジル当局の言い分はどうもうさんくさい言いがかりに聞こえたからだが、そう思ったのは私だけではなかったらしい。
アメリカの主流メディアのひとつUSAトゥデイという新聞がロクテ事件について詳細を調べるためリオデジャネイロに取材に行った。その報告というのが非常に興味深い。
先ずリオ警察は、ロクテ選手らが強盗にあったというのはまったくの作り話であり、実際は立ち寄ったガソリンスタンドのトイレのドアや石鹸皿を破損するなどの蛮行のため、ガソリンスタンドの警備員から弁償を迫れたに過ぎない。選手らは被害者どころか加害者であると主張した。
しかしリオ警察の言い分には、それこそおかしな点が多い。
先ず選手らがガソリンスタンドのトイレドアや鏡などを破損したという証拠が無い。
USATodayの取材班が事件現場のガソリンスタンドのトイレを調査したところ、トイレのドアにも鏡にも石鹸皿にも破損された形跡が無い。トイレ自体は故障中で使用禁止になっていたが、それは今も事件当時のまま。
リオ警察が発表した監視カメラのビデオには選手らがトイレ方面から車に戻ってくる映像は写っているが、トイレは視覚外であるため選手らがトイレに入ったかどうかさえ解らない。現に選手らはトイレが故障していて入れなかったので外の潅木の陰で立ちションをしたと証言している。警察に尋問されたベンツ選手はトイレ付近にも監視カメラがあったはずだと証言しているが、そのようなビデオがあったとしても公表されていない。
ただ、壁に張ってあったポスターをロクテがはがしたことは本人も認めている。
ガソリンスタンドの警備員の行為は強盗ではないのか?
選手らがトイレのドアや内部を破損した事実がないとすれば、いったい警備員たちの行動はどう説明されるのだろうか?いや、それを言うなら、前にも書いたように例え選手らがトイレを破損した事実があったとしても銃を向けて弁償しろと迫る行為が合法とは思えない。いくらブラジルでもそんな野蛮な行為は合法ではないだろう。
当初ロクテ選手らは自分らは強盗に合っていると思ったのだという。何しろ警備員はポルトガル語で話しており、選手らには何もわからない。突然銃を向けられて金を要求されれば誰だってそう思うだろう。
ブラジルで25年弁護士をしているという女性は、選手らが強盗にあったと被害届をだしたとしてもそれが虚偽の届けだったと判断するのは難しいといっている。
目撃者の証言がロクテ選手らの証言を裏付けている
選手たちが無事に帰国した後で、ロクテ選手は再びマット・ラウアーのインタビューを受けている。その時ラウアーは、最初は言葉が解らずに強盗にあっていると思ったとしても、途中で英語の解る通行人が通訳をしてくれた時点で、事態は単なる交渉へと変化したのではないかと何度もロクテを問い詰めた。
ラウアーの世界ではどうなっているのか知らないが、銃を突きつけられてありったけの金を置いていけという行為はおよそ「交渉」などとはいえない。それに対してロクテ選手は「強盗」「たかり」「交渉」と色々解釈できるかもしれないと答えた。しかし選手たちはとにかく金を払ってその場から去りたいという一心だったという。
さて、バイリンガルの通行人、フェルナンド・デルーズという人物は警備員が銃を抜いたのを目撃し、事態が悪化するのを恐れて割り込んだのだという。デルーズさんは数日後に警察の取調べで事がエスカレートしないように中に入ったと証言。証言を取った警察官は「あなたが割り込まなかったらどんな悲劇が起こったか知れない」と言ったという。
警察に「証人」として拘束され後の開放された選手のひとりベンツ選手が認めた警察の供述は、ロクテ選手の行為は単にポスターをはがしたこと、このポスターを巡って警備員とロクテが激しい口論になり、その後金を渡したことが含まれている。これはロクテ選手が帰国後のインタビューで訂正した供述と一致する。
目撃者のデルーズも警察も選手らが弁償金として金を請求されたことをきちんと理解できたか疑問だとしている。ベンツ選手は自分は偽りの供述は一度もしていないと主張している。
選手らが虚偽の被害届を出したというのは嘘
実は、虚偽の被害届どころか、選手らは被害届など全く出していないのだ。それについて証言が嘘ではないかという疑惑が出る以前に、何故ロクテ選手らが事件直後に警察に被害届を出さなかったのかメディアからの質問にロクテ選手はトラブルに巻き込まれるのではないかと思ったからだと答えていた。事件直後選手らはまだ酔っ払っていたので被害届など出すような状態ではなかったのだろう。強盗にあったという話がおおっぴらになったので警察が質問に来たが、選手らの証言は詳細がはっきりしていなかったということだった。ベンツ選手は最初から話を変えていないといっているので、四人の証言がまちまちで話にならなかったのだろう。ま、酔っ払って強盗に合った直後ではそれぞれの証言がまちまちなのは当然。これをもってして虚偽の被害届を出したというのはかなり無理のある話だ。
ではブラジル当局はロクテ選手を起訴するのだろうか?法律上ロクテ選手の起訴は取り下げられるべきではあるが、ここまで事を大きくしてしまった以上ブラジル政府はそう簡単には引き下がらないだろう。上記の弁護士はブラジル検察がなんだかんだと手続きを引き伸ばしてロクテに嫌がらせをする可能性は大なので、さっさと謝って罰金を払ってしまうのが得策だと言っている。やっぱり恐喝が目当てだったんだな。
さて、アメリカ国内の世論もロクテ選手が嘘をついたという雰囲気が薄れてきている。大型スポンサー四つから見放されたロクテ選手だが、昨日二つの企業が新しくスポンサーについた。アメリカの人気長寿番組「スターと踊ろう」の出演も決まった。
ロクテ選手らはまだ国際オリンピック協会から制裁を受けるかどうかの公聴会を控えている。その日付はまだ確定していない。
はっきり言って、ロクテ選手らに落ち度があったとしたら外国で羽目を外して酔っ払ったということだけだ。それにしたって自分らで運転せずにタクシーに乗ったのであり、アメリカだったら何の問題も起きなかっただろう。なぜオリンピック協会から制裁されなければならないのか全く理解できない。
こんなの単なるアメリカバッシングに過ぎない。


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肥満受け入れ派によるフィットネス派への猛烈な攻撃

アメリカでは最近肥満体を受け入れようという動きが活発だ。それについて書こうと思っていたのだが、「苺畑より」ではかなりのトピずれ(懐かしい言葉)かなと思ってダイエットブログ専門のルナおばさんのところで掲載してもらった。しかしルナおばさんのブログは零細すぎて読者がほぼゼロというだけでなく、何故かダイエットの話に政治がからんできたことでもあるので、せっかくだからこちらに転載させてもらう。
以下ルナおばさんのサイトより。
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最近肥満大国のアメリカでは「太っていてもいいじゃないか」という肥満体型を受け入れようという運動が流行っています。もうここ2~3年そういう運動がおきていて、プラスサイズのモデルとかネットでも人気者がいるし、ファッション雑誌やスポーツ雑誌ですらプラスサイズのモデルがフィーチャーされています。モデ痩せだけが美ではないという風潮が受け入れ始めたのはよいことだとは思いますが、どんなサイズでも健康でいられると言って、それが健康美を目指すことへの妨げとなってしまうとこれはかなり問題があると思います。
アメリカでいう肥満というのは日本でちょっとぐらい太っているといった程度ではないのです。特に肥満受け入れ運動に積極的な人というのは100%以上の超肥満、つまり標準体型の二倍の体重といった人が圧倒的に多いのです。日本人の女性で身長160センチの標準が60キロとしたら超肥満は120キロですよ!こんな体型で健康体を保てるはずがありません。
それでもアメリカは自由な国なので個人が自分の体重が多いことに満足しているというなら、それはそれで本人の勝手で済みます。でも実際はそうではないのです。「肥満受け入れ運動」は自分が太っていることを容認するという意味ではなく、自分が太っていることを社会に無理やり認めさせるという運動なのです。これが問題になる理由はおのずと明確になります。
もっとプラスサイズの洋品店を増やせとか就職の際に太っているからといって差別するなとかいう程度ならまだしもですが、もっと現実的に理不尽な要求につながります。たとえば
健康保険及び生命保険の掛け金
就職先で入れる団体保険ではなく個人的に入る健康保険の場合は、本人の健康度によって掛け金が変ります。病気になりやすいと判断される人の掛け金は割り高になるのは当然。タバコを吸う人や危険な仕事をしている人や肥満な人は掛け金が高めになります。同じ理屈で早死にする可能性の高い人の生命保険の掛け金も割高になります。肥満受け入れ運動家たちは肥満者の保険料が高いのは肥満差別だから止めるべきだと訴えるのです。
飛行機の座席料
飛行機のエコノミークラスで一つの座席に納まらないほど太っている人は二席分の座席を購入することが勧められています。空席が多い機なら別ですが、満席の機に乗りたいなら二席分購入は義務です。しかしこれは肥満者への差別であるとてして、航空会社はもっと大きな座席を作り、料金は普通のエコノミーと同じにしろという要求です。
洋品店などがプラスサイズ専門のコーナーを設けるのは商業的に有益な作戦かもしれません。ファッション雑誌やスポーツ雑誌がプラスサイズモデルを起用するのも雑誌の売り上げ増加につながるかもしれません。でも保険会社や航空会社のような一般企業に利益の見合わない要求をするのは理不尽というものです。割高料金を払いたくないなら本人が痩せればいいだけの話なので、その自己責任を棚に上げて企業や社会にその責任を負わせるというのはどんなものでしょうか?
肥満受け入れ運動家たちの要求はこうした社会機構だけでなく人々の言動にまで広がっており、それが非常な言論弾圧にもつながっています。 次ページに続く。


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クリントン基金を通してクリントンの国務庁に流れた莫大な賄賂

国務長官時代のヒラリー・クリントンと会見した政府関係者以外の半分以上の人々がヒラリーの夫、ビル・クリントンが設立した表向きは慈善事業のクリントン基金に寄付していたとアソシエイテッドプレス(AP)が報道している。
APの調査によれば、ヒラリー国務長官に面会した半数以上の人々が個人的にもしくは企業や団体として、一応表向きは慈善事業ということになっているクリントン基金に寄付していたという。公式業務上での会見ならクリントンに会うために基金に寄付をする必要などない。普段クリントンと面会不可能な人々が寄付した途端面会が許可されるというならこれは完全な政治献金であり賄賂である。まさしく職権乱用だ。このようなことを次期大統領を目指す人間がやっていたとなればこれは大問題である。
APはクリントンの面会者名簿とクリントン基金への寄付者名簿を照らし合わせ、どれだけの重複があるかを調べた。それによるとヒラリーが国務長官時代に電話や直接会って会話をした154人のうち85人までもがクリントン基金に寄付をしており、その金額もそれぞれ10万ドルから百万ドルで合計すると1億5千6百万ドルになる計算だ。
ヒラリーとの会見を授けられた中にはバングラディッシュ政府から自分が経営する非営利銀行からの辞任を迫られていた世界的に有名な経済学や、ビサ問題で困っていたウォールストリートの重役や大手化粧品メーカーのエステーローダーの重役など。基金への寄付自体は違法ではないが、もし寄付とヒラリー国務長官との会見が直接関係あったとすれば政治献金と疑われても仕方ない。
APの調査には外国政府の外交官や高官は含まれて居ない。外国政府高官と会見するのは国務長の職務のうちだからであるが、それでも少なくとも16人の外国政府高官が合計で同基金に1億7千万ドルの寄付をしている。何故彼らがクリントン基金に多額な寄付をしたのかは不明。もしクリントンがアメリカ政府の政策を賄賂を払った諸外国に都合のいいように変えていたとしたらこれは大問題である。もっともヒラリーの夫ビル・クリントンの時代にもクリントン前大統領が中国への方針を変えた過去があるので、ヒラリーがそうしたとしても不思議でもなんでもない。外国政府から多額の献金を受け取ったことが政策に何の影響も及ぼさないと考えるほうがおかしい。
これについて共和党の大統領候補ドナルド・トランプは「クリントンは公僕として全く適さない」ちと批判。「どこまでがクリントン基金でどこからが国務庁なのかの区別をつけるのは不可能だ。クリントンが公式な地位を悪用して私服を肥やすために基金を設立したことは間違いない。」とテキサスの演説で語った。
基金の会長であるビル・クリントン前大統領は、ヒラリーが大統領になった際は自分は基金からは辞任するといっている。あたりまえだ。大統領の夫が経営する基金なんぞが存在すれば企業にしろ市民団体にしろ外国政府にしろ、ヒラリーとの交渉は常に賄賂が必要と言っているのと同じだ。
しかし今更ビルが辞任してみても創設の2000年からすでに6000を超える寄付者による2兆ドルを超える寄付金がなくなるわけではない。一体彼らは何の目的で献金し、どのような見返りを得たのであろうか?いや、ヒラリーが大統領になることを見越して献金した人々へのお礼はこれからなのかもしれない。だとしたらヒラリー政権の方針はこれら献金者への方針ということになってしまう。


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裁判官、オバマ王のトランスジェンダートイレ使用命令を阻止

オバマ王が全国の学校区においてトランスジェンダー自称の生物学的な男子に女子施設の使用を許可せねばならないとした命令について、連邦法のタイトル9に触れる違憲であるとしてテキサス州並びに他の州が訴えていた訴訟で、先日月曜日(8・22・2016)連邦裁判所はオバマ命令を一時的に差し止める判決を下した
連邦地方裁判所のリード・オコーナー裁判官はタイトル9と呼ばれる連邦教育法の性別定義はあいまいではなく、生物学的及び体質的に男子と女子の性区別を生まれた時点におけるものと明確にしているとと判決を下した。
タイトル9というのはアメリカの教育界における男女差別を禁止する法律である。トランスジェンダー運動家はよくタイトル9を口実にしてトランスジェンダー差別をするなと称えるが、この裁判官の判決によればタイトル9において男女の区別は生まれつきの性別ときちんと定義付けられているというのものだ。
この判決は全国の学校区に当てはまるものであり、トランスジェンダー生徒の権利や方針とは無関係で、連邦政府は学校区にトランスジェンダートイレ法を強制する権限がないことを意味する。
女子生徒のプライバシーを守ろうという運動にとって、この判決は最近二度目の勝利である。今月最初、バージニア州の学校で自称男子のトランスジェンダー生徒による男子施設使用について学校側が禁止する権限があるという判決が連邦地方裁判所で出たばかり。
オコーナー裁判官は共和党の州政権の、オバマ政権が5月に出した命令について学校側の意見を尊重すべきだという主張にも同意した。
この判決が新学期の始まる9月前に出すことは非常に重要だった。なぜならば、オバマ政権はオバマ命令に従わない学校区から連邦資金の配布を差し止めると脅迫していたからである。テキサス州の政治家らはオバマ王は法律を自分勝手に書き換えようとしていると怒っていたが、一応今のところ裁判官はそれに同意した形になる。
しかしこの法律は個別の学校がトランスジェンダー生徒の異性施設使用を禁止するものではない。ただ、連邦政府にはその命令権がないというだけ。しかも一時的な差し止めというだけなので、この先どういうことになるかは解らない。だが、トランスジェンダートイレ法という狂気的で邪悪な法律を完全に永久的に廃止する第一歩として歓迎したい。
ところで関連するニュースで、今年の4月に自称トランスジェンダーが好き勝手にトイレや試着室を選べる方針を実施した大型小売店チェーンのターゲットで異変が起きている。同チェーンは最近2千万ドルをかけて全店に男女共用個室トイレを設置すると発表した。あきらかに異性と一緒にトイレなど使いたくないというバックラッシュへの対応である。ターゲットの4月の発表から、不買運動には1400万人を超える署名が集まったが、実際に不買を決め込んだ客の数ははるかに多いと見え、売り上げ自体ががた落ちという大打撃を受けているのだ。
それでもターゲット側はトランスジェンダー方針を変える気はないと強気。ただ、この方針に賛成な人も反対な人もいることは確かであり、双方の意見に耳を傾けているとターゲットのスポークスマンはいう。個室トイレはすでに1800あるうちの1400の店に存在するとのことで、2017年までにそれをすべての店に設置する計画だという。
ターゲットの三ヶ月ごとの売り上げは7.2%減、顧客の数も最近二年間で始めての減少という悪影響が出ている。
トランスジェンダー方針を実施しているのはターゲットだけではない。4~5年前からトランス方針を実施しているメイシーズ百貨店では女子トイレを使用している女装男性を追い出した警備員や、女子試着室を使おうとした男性を拒否した店員が解雇されるという事件が起きたりしていた。メイシーズは最近経営不振で多数の店を閉める発表をしたばかり。トランス方針とは無関係かもしれないが方針が店のイメージを上げなかったのも事実。


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ブッシュのときと大違い! ルイジアナの水害を無視してゴルフするオバマに興味ないメディア

11年前にハリケーンカトリーナで大被害を受けたルイジアナ州がまたひどい洪水に見舞われている。今回の洪水は2012年のハリケーンサンディに次ぐ大被害広がっているが、オバマ王は休暇中でゴルフに忙しく、まるで地元の災害に気を配っていない。民主党候補のヒラリーもまだ地元訪問どころかルイジアナ洪水について何の演説もしていない。ブッシュがカトリーナのときにすばやく対応したブッシュ大統領を不当に何もしていないと責め立て、地元訪問は救済の邪魔になるからとヘリコプターで空上から視察をしたブッシュを市民の気持ちを理解していないとかなんとか散々批判したメディアはオバマやヒラリーのこのそっけない態度にまるで無関心だ。
そんななか共和党候補のトランプは副大統領候補のペンスと一緒に2~3日前から被災地を訪れ救援物資を配るなどのボランティア活動を行ないルイジアナ知事にも感謝されている。トランプはここでかなりの点を稼いだようだ。
トランプに先を越されたオバマはようやく重い腰を上げてルイジアナ訪問を計画中だとか。
まったくメディアのダブルスタンダードには呆れるね。


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アメリカ水泳選手たちの強盗被害はでっちあげではなかったと思う理由

アップデート:2017年7月6日現在。警察に虚偽の被害届を出したとして起訴されていたライアン・ロクテだが、本日ブラジル裁判所において、犯罪は犯していなかったとして起訴が却下された。当初カカシが言っていたように、ロクテらの証言に嘘はなかったことが証明されたのだ!やっぱり無実だったアメリカ水泳チーム。
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先週、リオのオリンピック水泳リレーで金メダルを獲得した「ライアン・ロクテ選手ら4人のアメリカ競泳代表選手は、14日未明にリオ市内でタクシーに乗っていたところ強盗に襲われ、財布と所持品を奪われ」たという話しが世界中で報道された。ところが一昨日になって、ブラジル当局は四人の証言にはつじつまの合わないところがあり、虚偽の被害届を警察に出した恐れがあるとし事情聴取のため四人のパスポートを一時押収し出国を阻止する意図を表明した。チームリーダーのロクテ選手ともう一人はすでに帰国していたが、残った二人は搭乗していた飛行機から下ろされて警察に連行された。
この時点でアメリカのメディアも含め世界中のメディアは選手たちの話は嘘だったと決め付けそのように大々的に報道した。

警察によりますと、4人は14日、パーティからの帰りに、警官を装った強盗に銃を突きつけられ、財布などを奪われたと訴えていました。しかし実際には、4人はその日、立ち寄った市内のガソリンスタンドでトイレのドアや鏡などを壊す騒動を起こしていました。そして、不審に思って駆けつけた警備員2人に銃を突きつけられ、経営者に壊したトイレなどの修理代として100レアル紙幣と20ドル紙幣、あわせて5000円相当を渡したということです。

リオで拘束された二人より一足先に帰っていたロクテ選手は、アメリカで受けたテレビインタビューでもまだ強盗被害にあったことは事実だと主張していた。ただ、リオのガソリンスタンドでの監視カメラのビデオが発表されたこともあってか強盗にあったのはハイウェイではなくガソリンスタンドだったと話しを訂正した。
ロクテ選手の当初の供述では、四人がパーティーの帰りにタクシーに乗って選手村に向かっていた深夜、道端で警察官のような格好をした四人の男らによって車を止められ、銃を頭に突きつけられて金品を奪われたということだった。が、後に受けたアメリカのテレビインタビューにおいて話した内容は少し違っていた。ロクテによると、パーティーの帰りにタクシーに乗り、タクシーがガソリンスタンドに止まった時みんなでトイレに行った。トイレからもどってタクシーの運転手に「行け」と指図したが運転手は行こうとしなかった。突然警察官のような男に銃を突きつけられ金品を奪われたと訂正した。頭に銃を突きつけられたと言ったのは誤りで、実際には自分たちの方向に銃を向けられたというものだった。しかし、細かい事情の食い違いはあるにせよ、強盗にあったことは意実である。強盗にあって気が動転していたので詳細を間違えただけだとし、そしてそんなことをでっち上げたりはしないと主張していた。
ガソリンスタンドの監視カメラのビデオには、四人がトイレに入ってからタクシーに戻る映像が写っているが、トイレのある場所は監視カメラの視覚外であるため四人がトイレを壊した映像はない。四人がタクシーに乗りこむと、警備員が車に近寄り窓から選手らに何かを言っているのが写っている。四人は車から降りると、それぞれ財布からいくらかの現金を出して警備員に渡している姿が写っている。
本日になってアメリカ選手らは1万ドルの罰金を払うことで釈放され出国を許可され無事帰国した。ロクテはソーシャルメディアで公式に謝罪表明をするに至った

ロクテ選手は19日、自身のSNS(=ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でコメントし、「私の説明が慎重さと率直さを欠いていたことを謝ります」、「もっと責任感をもって行動すべきでした」と謝罪した。

どうもこの話はうさんくさい。カカシにはロクテ選手が強盗被害をでっち上げたというのは、それこそブラジル側のいいがかりなのではないかという気がするのだ。だいたいからして今回のリオのオリンピックは開催前からリオの治安の悪さや環境の汚染やズイカビールスの感染などが問題とされており、空港からオリンピック会場までの道で開催事前に訪れた選手団のコーチや委員会の人員や外交官が強盗にあったという話しがたくさん報道されていた。ロシアの外交官が渋滞で車が止まっているところに銃をつきつけられて、柔術を使って強盗の銃を奪い取り射殺したなんて事件もあった。開会式の翌日に警備員が道を間違えて路地に入り込み射殺された事件もあった。開会後も報道陣の携帯やパソコンの窃盗は日常茶飯事で、警察官がきちんと給料を払ってもらっていない状態なので、会場での警備体制もなっておらず、観客の入場に一時間以上も待たされるのはざらだという話だった。報道陣の乗ったバスに流れ弾が飛んできたなどという話もあった。事実この事件の直後にイギリスの選手が強盗に合っている。
そういう状況の中でアメリカ選手たちの被害の話はブラジルにとって非常に面子のつぶれる事件だった。聞いた話では、ロクテ選手らは被害にあったことをオリンピック協会の委員に報告し、地元警察から事情聴取されたとある。だが被害はそれほど大きくなかったことでもあり、そのまま穏便に済まそうという合意がされたという。ところがロクテ選手はその足で外に居た報道陣に強盗に合ったと自慢げに話しをしてしまったため、話はどんどん膨らんで大々的に報道されてしまったらしい。
私はブラジル当局がアメリカ選手を拘留した時点で、これは身代金目当ての脅迫だと感じた。なぜならたとえ四人の行動がブラジル当局のいうような状況で起きたとしても、たかがガソリンスタンドのトイレ扉を壊した程度のことだ。しかも賠償金はその場で払っている。確かに警察に嘘をついたという事実があったとしても1万ドルもの罰金を課すほどの罪か?どうせすぐに帰国してしまう外国人だ、せいぜい1000ドルくらいで勘弁してやってもいいではないか。
だがここでロクテ選手の証言が正しいと仮定しよう。問題になったビデオでロクテ選手の証言と矛盾することは何もない。ガソリンスタンドのトイレのドアや鏡を壊したというのはガソリンスタンドの従業員の証言であり、これらのものが壊れていたのは事実としても選手らが壊したという証拠はない。トイレは監視カメラの視覚外なのである。
警備員が銃を持っていたことも警備員が銃を抜いて選手らに外に出るように命じたことも双方が認めている事実である。警備員やガソリンスタンドの従業員が何を言っているのかビデオではわからないが、もし彼らがポルトガル語で話していたとしたら、選手らには何が起きているのかよく理解できなかっただろう。なにしろパーティーの帰りでちょっと酔っていたことでもあるし、突然銃を突きつけられたら動揺するのは当然のことだ。
仮に警備員が「トイレのドアを壊しただろう、弁償しろ!」と言っていたとしても、それが選手らにちゃんと伝わったかどうか解らない。単に金を出せといわれただけだと解釈しても当然のことだ。
ということは、選手らにとっては当初の話しのように「パーティの帰りにタクシーに乗っていたら突然警察官のような格好をした男に銃を突きつけられて金を奪い取られた。」というのは全くの事実だということになる。被害にあったのが道の真ん中であろうとガソリンスタンドであろうと誤差の範囲である。
ロクテの「謝罪文」を読んでみても、ロクテは「嘘をついて申し訳ない。」とは言っていない。「慎重さと率直さを欠いていた」とか「もっと責任感を持って行動すべきだった。」と言うあいまいな言葉使いで、いったい何を謝っているのか不可解な謝罪だ。チームメイトがブラジルの留置場に拘束されている以上「自分は嘘はついていない、本当に被害にあったのだ」と主張する自由などロクテ選手にはなかったはずである。とにかく他の選手たちが無事にアメリカに帰ってくるまではロクテもやたらなことはいえなかったはずだ。だからこの謝罪は脅迫されたうえでの謝罪であり全く意味がない。
思うにブラジルは度重なる不祥事に非常な屈辱を感じていた。だからアメリカ選手が強盗被害にあったという事件が大々的に報道され恥の上塗りとなり面目丸つぶれになったことに腹を立てていたのだ。ロクテ選手の証言にちょっと穴があったことから、ブラジル当局はトイレのドアの話をそれこそでっち上げて、アメリカ選手たちから身代金を取り立てようとしていたのだ。拘束された二人はとにかく帰りたい一心で大抵のことなら認めるに違いないと踏み、罰金にしては高額すぎるが身代金としてはまあまあな程度の1万ドルの要求をしたものと思われる。
ロクテ選手の過ちは、最初にオリンピック委員会の職員と警察との間で穏便に済まそうと合意したことを無視してべらべらとメディアに話してしまったことにあるのだ。たいした事件ではなかったのだから黙っていればよかったのである。そういう面では確かにもっと責任ある行動をとるべきだっただろう。


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トランプの暴言はトランプの支持率を下げているのだろうか?

ヒラリー・クリントンの腐敗しきった本性が、漏れたメールやFBIの捜査などであかるみに出るにつけ、ネバートランプの勢いは失せ始めている。どうしてもトランプには投票しないと息巻いていた人々も、ヒラリーが政権を握った場合の恐ろしい未来を考えると、鼻をつまんでもトランプを支持しなければならないという気持ちが強くなってきているからだ。だが、そういう人々にとって毎日のようにメディアに取り上げられるトランプの「暴言」は非常な苛立ちを覚える。
保守派評論家で反トランプのベン・シャピーロなどはメディアが反共和党候補なのは当然のことなので、メディアに揚げ足を取られないようにトランプはもっと気をつけるべきだと批判している。同じく保守派だがヒラリーよりはマシという理由でトランプ支持のヒュー・ヒューイットはラジオのインタビューで、もっと一般市民に受け入れらるような言葉使いをすべきなのではないかとトランプに質問(というより教授)したりしていた。
しかしヒューイットの番組に次の日にゲストに来た社会学の大学教授が、「トランプが言葉使いを変える必要はない、トランプはあのままでいいのだ」と発言し、ヒューイットを驚かせていた。そしてその時、カカシもまた、トランプはこれでいいのではないだろうかと思うようになった。
ここ数日、反トランプのメディアが「問題」にしたトランプの発言を三つほどひろってみる。ひとつは民主党大会でアメリカ軍人としてアフガニスタンで戦死したイスラム教徒の両親カーン夫妻が壇上に立ち、父親が「トランプはアメリカ憲法を読んだこともないのではないか」と批判した。翌日トランプは「父親だけが話して、母親はそばに立っているだけで何もいわなかった。言わせてもらえなかったのかもしれないが」というようなことを言った。このことをメディアはトランプがイスラム教徒の女性は男性の前で発言権が無いと示唆したのであり、反イスラムの人種差別だと批判した。
左翼リベラルがトランプの挙げ足を取るのは当然としても、保守派の間からも戦死者の親を侮辱するとは何事かと批判が生まれた。イスラム教徒を無差別にアメリカに移民として受け入れることは危険だ。トランプの姿勢はテロ活動の活発な危険な国からの移民は規制すべきだというもので、それは決してアメリカの憲法違反ではない。だからそういうふうに反論すればよかったのに、奥さんには発言権がないのではないかなどとくだらないことを言うな!といったように。
二つ目は、トランプが演説中にヒラリーが大統領になったら国民の銃法所持権利が迫害されるだろう、だがそれは憲法補整案第二条(国民の銃所持を法律)支持派の人々は黙っていないだろう。そうなったら大変なことになる。という発言をした。これを主流メディアはトランプは銃所持者にヒラリー・クリントン暗殺を煽っていると報道した。トランプがそんな意味で言っていないことなど文脈を見れば容易にわかるのに、メディアはわざとそれを歪曲してトランプがヒラリー暗殺を称えたと何日も言い続けたのである。
三つ目は、オバマ政権のイラク撤退についての演説で、トランプがオバマがイスラム国の創設者であり、ヒラリーはその第二創設者だと語った。ラジオトークショーのヒューイットはトランプとのインタビューでアメリカがイラクから撤退したことで生まれた穴にイスラム国が生まれたという意味だろうとトランプの言葉使いをただそうとしたが、トランプはオバマこそがイスラム国の創設者だ、フットボールなら最も大事な選手だ、と息巻いて前言を撤回する気をみせなかった。
こういうトランプの態度は、もともとトランプに友好的な態度を持っていない右翼保守の批評家たちにとっては非常に苛立ちを覚えるものだが、ベン・シャピーロなどは毎日のように自分のポッドキャストで「良いトランプ、悪いトランプ」と称して、トランプにはいいアイディアもあるのに変なことを言って台無しにしていると批判している。
カカシがトランプを嫌っているのは読者諸氏なら十分にご存知のことではあるが、私は昨日ふと思ったのである。トランプのこうした「暴言」はメディアや反トランプ保守派が言うほどトランプを傷つけているのだろうかと。
トランプが共和党候補として立候補した一年ちょっと前、誰もトランプを真剣に取り扱わなかった。トランプはビジネスマンとしてはアメリカでは有名で歯に衣を着せない毒舌家としてリアリティーショーなどでも人気ものだったが、政治家としてはド素人。普通の政治家なら気をつけて物をいうところを、ポリティカルコレクトネス(PC)なんぞなんのその、人種差別だ男尊女卑だのと言われようがどうしようが、頭にうかんだことをまるで自己規制せずに発言するトランプ。トランプは普通の政治家が言ったら政治生命が終わってしまうようなことでも平気で発言し、それが選挙運に動悪影響を及ぼすどころか彼の人気をどんどん上げてしまった。
だったら今更トランプが気をつけて口を慎む必要があるのだろうか?
共和党予選中はヒラリーに対して最も勝つ可能性がない(と思われる)候補者をメディアが応援したというのは事実だ。フォックスは比較的親共和党で特に親トランプだが、反共和党で反トランプの他局でもトランプの傍若無人ぶりは視聴率を上げるという理由もあっておもしろおかしく取り上げていた。おかげでトランプは普通の候補者が何億ドルという莫大な金額を出しても広告しきれないほどのメディア報道の恩恵を無料で得たのである。
しかし一旦共和党候補になってしまうと、反共和の主流メディアはこれまでのようにトランプを持ち上げなくなる。それどころか最近の反トランプ報道はかなりひどいものがある。CNNやMSNBCの政治討論番組では評論家は親クリントンの左翼リベラルばかりで、たまに保守派のゲストが招かれても、クリントンのEメイルやクリントン基金のスキャンダルについて言及しはじめると中継なら映像を切り替えたり、スタジオゲストの場合はマイクを切ったり、ホストがゲストに何も言わせないように立て続けにしゃべったり(時には怒鳴るつける)やり方で反クリントン意見を徹底的に弾圧している。
アメリカメディアはクリントンに焦点を当てるとスキャンダルばかりなので話題をそらすためにトランプの発言をひとつひとつ取り上げては「問題発言」として何日も否定的な報道を続けている。しかし、私にはこのメディアの反トランプキャンペーンがそれほど効果を挙げているようには思えない。いや、かえって逆効果になっているのではないかとさえ思えるのだ。
トランプは常にメディアは自分に対して不公平な報道をしているといっている。トランプファンでなくても左翼リベラルでなければそれはあまりにも明白だ。それに対してメディアは毎日のようにトランプの揚げ足取りの報道を続けている。もともとメディアに対する信用度など地に落ちている昨今、こういう報道が続けば続くほど、真実を語っているのはトランプだけだという印象を人々に与えるのではないだろうか?
特に左翼リベラルが一般市民に強制しているPCな言論規制には多くの人々がうんざりしている。そんななかで、PCおかまいなしのトランプが『イスラム教徒はアメリカに危険をもたらす、『違法移民の無制限な受け入れはアメリカの経済にとってよくない』などと言えば、よくぞ言ってくれた、という気持ちにはなっても、トランプは言葉使いを気をつけるべきだ、というふうにはならないだろう。それをメディアがトランプはこんなことを言った、あんなことを言った、といちいち問題にしたら、それこそ『何が悪いんだ!、そのとおりじゃないか!』という意見が増えるのではないだろうか?そしてそれがかえってトランプ支持につながるのではないだろうか?
ヒラリー・クリントンの選挙運動は金にものを言わせて何百万ドルのテレビ広告費を使っているという。それにくらべてトランプは一銭も使っていない。まるでテレビ広告を出していないのだ。にもかかわらずトランプは毎日のようにテレビに顔を出して話題になっている。否定的な報道ばかりかもしれないが、それが本当に否定的な結果を及ぼすのかどうかわからない。もしかすると主流メディアは意に反してトランプ応援運動に加担しているのではないだろうか?
今後ヒラリーとトランプの支持率がどう動くか見ものである。


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弱さを武器にする犠牲者中心議論の言論弾圧、肥満は身体障害じゃない!

よくユーチューブに掲載される若者たちによる訴えを聞いていると常に「自分は犠牲者なのに周りがいたわってくれない」というものばかり。はっきり言って「大人になれ!」と言ってやりたいものであふれかえっているが、特に最近目につくようになったものにファットシェイミング(Fat Shaming 肥満を辱める行為)というものがある。要するに太っている人は周りから白い目でみられたり、あざわられたり、ひどい時は、赤の他人から写真やビデオに撮られてユーチューブに挙げられたりして、太っていることを辱められる行為という意味。
確かに他人の容姿を馬鹿にしたりあざ笑ったりする好意は不謹慎であり失礼である。だが、他人の気持ちを傷つける行為は慎むべきだという単なる礼儀の問題が、ビキニモデルの街頭ポスターやフィットネス専門家の「運動しよう」という呼びかけや、医者が肥満は不健康なので痩せる努力をすべきだと忠告する行為まで「ファットシェイミングだ!」と言って弾圧しようとなってくると話は別。
最近は太っていることと不健康とは関係ないと主張して極太りの女たちが何重腹の肢体を丸出しにしてビデオブログで掲載するのが流行っている。こういう女たちは「デブは美しい」と主張し、自分らの身体に自信があるとか誇りに思うとか意って肥満を正当化し世間に受け入れさそうとしている。そしてそういう行動は不健康だと批判する人間を実際に失礼なだけの連中と一緒くたにして「ファットシェイミングだ!」と糾弾するのだ。
スポーツイラストレイテドというアメリカの人気スポーツ月刊誌が、ちょっと前にプラスサイズのビキニモデル、アシュレー・グラハムを表紙に掲載したことで話題になった。全国の肥満女性たちから同雑誌が肥満女性でも美しいということを認めたとして絶賛されたが、その当のモデルが最近公開した写真が「痩せすぎ」だとして元ファンという女性たちの間から非常に憎しみに満ちた(ヘイトメールだあ!!)メールが殺到。左翼リベラルは何かと右翼保守や常識人に対してジャッジメンタル(すぐ善悪で判断をする行為)だと批判するが、自分らこそ何かと他人をすぐ善悪で判断する。
メールの内容は、『プラスサイズの見本として尊敬していたのに、そんなに痩せるなんて裏切りだ、もうファンはやめる、この糞女!』とか『そんなに痩せてプラスサイズの代表とかよく言えるな!』とかいったもの。言葉使いはもっとひどいが、まあこのへんにしておく。
あまりの批判に当の本人は「写真の構図から痩せて見えるだけ。私は1ポンド(0.45kg)も痩せてない、と説明するに至った。
アシュレー自身が実際に痩せたかどうかは別として、他人が太っていることを批判するのはいけないと大騒ぎする連中が他人が痩せたことを批判するというのはどういうことか?どんなサイズでも美しいというのが彼女たちの主張ではなかったのか? これでは肥満を受け入れろというより、肥満以外は受け入れられないという姿勢になってしまう。
太った人は色々な意味で不便なのはわかる。飛行機やローラーコースターの座席など、標準体型の人にはわからない苦労があるだろう。だが、それをいうなら色々な障害のある人たちが苦労することとそう変わらない。ただ、病気や怪我で身体障害になった人たちと違って肥満の人には痩せるという解決策がある。肥満はある意味で個人の選択だ。選択の余地のない身体障害者たちと一緒にすべきではない。
そんなことをいうと、カカシさんは太ってないから太った人の気持ちが解らないのだ、誰も好き好んで太ったわけじゃない、と言う人があるだろう。実は私がこのブログを書き始めた10年前くらいまで私はかなり太っていた。ま、アメリカの超肥満のひとたちから比べたらそれほどでもなかったが、日本の標準体型から行ったら何十キロもオーバーしていた。その後ダイエットと運動でかなり痩せ標準体型に近づき、それを9年くらい保っている。それでも未だに痩せているとはお世辞にも言えないオバサン体型。
私自身、何も好き好んで太っていたわけではない。ダイエットや運動にも自分では励んでいるつもりだった。だから、毒舌家の母から「カカシちゃんは太ってるわねえ、そのお尻なんとかならないの」とか散々言われてものすごく腹が立ったものだ。ファットシェイミングというなら我が母なんぞはファットシェイミングの女王様である。
太っていた過去があるから言わせてもらうが、やり方によって痩せることは可能だ。それは決して簡単ではないし今でも現状維持にはものすごく苦労している。だが、自分が太っていることに満足することは決して健康的なことではない。『私は太っていても美しいのだ、『私は太っている自分を祝福し誇りに思うのだ、『私はありのままの自分を愛するのだ』という考え方は一見、向上的な考えのように見えるが、実はそれは努力をしたくない人々の「あきらめ」でしかない。
それでも、もし肥満が多々の病気を誘発するものでないのであれば、本人が満足ならそれはそれでいいかもしれない。だが、現状では、標準体型でないことで起きる障害を避けることはできないし、いくら「デブは美しい」と言ってみても、標準体型(よって健康体の象徴)を最も美しいと感じる原始時代からの人間の本能を変えることも出来ない。自分は肥満でいいのだと自分で決めた以上、他人から受ける批判も覚悟の上ですることが必要だ。自分の態度を改めずに、痩せようと努力している人を責めたり、フィットネスや医療専門家のアドバイスをファットシェイミングだからを止めろとか、周りに肥満を美しいと認めろとか要求するのは自分勝手な被害者論理だ。
左翼リベラルによる他者弾圧は常に弱さを武器にしたやり方だ。常識人なら普通に持っている弱者への思いやりを悪用し、弱者を特別扱いしないのはお前が冷血人間だからだ、と相手の良心に訴えて相手が黒人差別者だとか同性愛差別者だとか女性差別者だとか言われるのを恐れることを狙って相手の言論を弾圧しようとするのである。
犠牲者をきどった弱者の横暴は大嫌いだ!


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押し迫るファシズムの波、ヘイトスピーチという言論弾圧

この間日本で選挙運動中にヘイトスピーチという言葉をよく聞いた。それで日本の諸氏にも政治演説の内容をヘイトスピーチと決め付けることがいかに危険なことであるか、多少なりともお分かりいただけたのではないかと思う。政治言論こそが言論の自由の権利において第一に守られなければならない言論だ。既存の政権に反する意見が守られなければこれは独裁政権としか言いようが無い。しかし一応民主主義とか自由社会とか言っている国々でも純粋な意味での言論の自由が完全に守られている国など存在しない。世界で最も自由と言われるアメリカですら、最近の左翼リベラルによる右翼保守への言論弾圧は日に日に厳しくなるばかりである。その典型的な出来事が最近起きた。
先日アメリカの公正な労働条件を規定する政府機関、EEOCが独立戦争当時にデザインされた伝統的なガッズデン旗(Gadsden Flag)が黒人差別の象徴として規定する可能性があるという記事を読んだ。黄色地にガラガラ蛇がとぐろを巻いた絵の下に「踏みにじるな」(DONT TREAD ON ME)と書かれているこの旗のデザインはアメリカが植民地時代に対イギリスへの抵抗の印として描かれたもの。軍隊、特に海兵隊などが好んで使っているが、その他にも色々な団体が独裁政権に対する抗議の意味で使用することが多く、最近では右翼保守のティーバーティーの会合でもよく見られた。オーランド乱射事件直後には黄色地を虹色にしてゲイコミュニティーでも対テロの銃愛好家らによって使われた。
なぜこの旗が黒人差別ということになるのか。ことのきっかけはとある企業の黒人従業員が同僚の被っていたガッズデン旗絵柄の帽子が黒人差別だと言い、この帽子の着用を禁止しなかった経営者に責任があるとEEOCに苦情を訴え出たことからはじまる。黒人従業員はガッズデン旗のデザイン主は奴隷承認で奴隷所持者だったことから旗は黒人差別の象徴だと述べたのである。EEOCはこの馬鹿げた訴えを却下するどころか白人崇高主義者らによってデザインが使われた過去もあるので、この問題は吟味する必要があると述べたのである。
奴隷所持者によって作られたものが全て黒人差別だということになるなら、アメリカの憲法執筆者の半数が奴隷を持つ地主だったことはどうなるのだ?アメリカ憲法もすべて黒人差別だとでも言い張るのか?ま、左翼リベラルならいいかねない理屈だが。それに一部の人種差別者が勝手に使ったからと言ってデザインそのものが黒人差別の象徴になるという理屈はおかしい。
この旗をデザインした人間がたとえ黒人差別者だったとしても、旗の主旨は黒人差別が目的ではない。旗が象徴するものは政権に対する独裁への批判だ。国民の権利を踏みにじるなという意味だ。もし政府機関のEEOCがガッズデン旗の着用を禁止するなら、それは政府独裁への批判という政治言論を禁止するのと同じである。それこそまさにガッズデン旗がの訴えるところだ。
この訴えの本当の目的は黒人差別廃止などではない。ガッズデン旗の禁止はまさに独裁政権への批判という政治言論を弾圧することにあるのだ。


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