ほとんどの停戦違反はイスラエル軍側

まあ、今さら驚かないが、アナン国連事務総長は停戦違反をしているのはほとんどがイスラエル軍によるものだとイスラエルを批判した。ヒズボラがイランから資金や武器調達したことや、停戦数時間後にイスラエル軍に向かってロケット弾を12発もうったこととか、いまだに拉致した兵士を返還していないなんてことは違反には入らないようだ。悪いのはすべてイスラエル、そうでしょうとも。以下朝日新聞の8月30日の記事より、

中東訪問中のアナン国連事務総長は29日、レバノンからイスラエルに移動し、ペレツ国防相と会談した。アナン氏は会談後の共同記者会見で「(14日の停戦発効以来)ほとんどの停戦違反はイスラエル軍によるものだ」と述べた。レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラが独自のウェブサイトで主張しているイスラエル軍の空爆や戦闘機の領空侵犯などについて、国連も同様の見方をしていることを示した。
また、アナン氏はレバノン南部への国連拡充部隊の展開について、フランスやイタリアの増派が順調に進んでいるとし、「すでに配備されている2500人の部隊を比較的速やかに5000人にまで増やし、イスラエル軍が撤退できることを期待している」と述べた。

確か停戦条約では国連軍とレバノン軍の出動は、イスラエル軍撤退と平行に行われるという約束だった。国連軍派遣がどれだけ「順調」に進んでいるか知らないが、(まだフランスはかなりごねてる模様だし)実際にレバノンに出動して警備にあたる状態になっていないのにイスラエル軍が撤退できるわけがない。

これに対し、ペレツ国防相は「それなりの規模の国連部隊がそろえば、撤退できる」と語ったが、具体的にどれだけの人数を想定しているかは明らかにしなかった。AFP通信は、国防相が「まだ数カ月は駐留する」と述べたと報じた。
このほか、アナン氏は30日に予定されているオルメルト首相との会談で、イスラエル軍がレバノンの海陸の封鎖を解除するよう求めることを改めて強調した。イスラエルは、イランからの武器がヒズボラに渡ることを警戒しており、国連拡充部隊が海陸も監視できる態勢が整えられなければ、封鎖を解除できないとの立場を示している。

オルメルト首相の戦争のやり方は失態ばかりだったが、停戦後の彼の強気の姿勢はまことによろしい。歯のない停戦をやってやたらイスラエルの立場を弱くさせてしまったという国内からの批判を避ける必要もあるのかもしれないが、アナン氏や人権擁護市民団体などからの圧力に負けずに安全と思われる時期まで居座って欲しいものだ。
どうせヒズボラが武装解除などするはずはないし、国連軍が国境を守るなどできるはずがない。結果的にはヒズボラの今後の攻撃に備える時間稼ぎのようなものなのだから、イスラエルは国連が何をいおうとそっちの条件が満たされなければこっちも満たさないという強気の姿勢を貫き通すべきである。


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パレスチナ報道官の異例な自己批判

私は常々、どうしてパレスチナの人々はイスラエル撲滅ばかりに夢中になって自分達の主権国家設立のために努力しないのだろうと不思議だった。一年前にガザからイスラエル軍が撤退した時、パレスチナでは民主的な選挙まで行われ、今度こそパレスチナが自治に携わり、イスラエルなど忘れて独立国家建設をする絶好の機会をむかえたはずだった。ところが、パレスチナ市民はハマスのようなテロ軍団を政権にえらびイスラエルに一年で何千発(何千!)というカッサム砲をうち続け、挙げ句の果てに今回の拉致事件をおこし、せっかく出ていってくれたイスラエル軍を呼び戻しすべてを水の泡にしてしまった。いったいパレスチナにはイスラエル憎しの気持ちの前にパレスチナの将来を慮るひとはいないのだろうかと、私は残念でしかたなかった。
しかし本日パレスチナ人とは思えないような自己批判のエッセーをパレスチナ自治政府(PA)のスポークスマンのハマッド氏(Dr.Ghazi Hamad)がPA日刊紙Al-Ayyamで、ガザ回廊の現状に関連して、ハマス政権の行状とパレスチナ人の抵抗を、痛烈に批判した記事を掲載した。MEMRIがその日本語訳を掲載しているので一部紹介したい。(妹之山商店街さん紹介)お時間のあるひとはぜひ全文読まれることをおすすめする。強調はカカシ。
ハマッド氏はこれまでパレスチナ庶民はパレスチナ内部での問題をいつもすべてイスラエルのせいにして、自分らの失政や不能さに目を向けようとしてこなかったと語る。そしてガザの状況を例にとってせっかく取り戻した領地を政府の失態で失おうとしていると批判している。

統計をひとつ見ても判る。イスラエルのガザ撤収以来500人のパレスチナ人が殺され、3,000人を越える人が負傷した。身体障害者になった者が200人、150棟以上の家が破壊された。そのほか橋梁や発電所などのインフラも破壊されたのだ。これに対し(パレスチナ側の)ロケット攻撃によるイスラエル人の死亡は、たかだか3〜4名である。我々がもっと智恵を働かせていれば、損害を局限し、さまざまな業績を大いにあげることが、可能だったのではなかろうか…。
ガザのまわりを歩くと、その現実に思わず目をそむけたくなる。そこは言語に絶するアナーキー状態にある。警官がいても、完全に無視されている。年端もいかぬ子供達が自慢気に武器を携帯し、メインストリートのど真中に弔問用のテントが張られ、誰それが真夜中に殺され、翌朝すぐに報復があったと、よく耳にする。部族間抗争のため大家族の者が武器を持って徘徊する。今やガザはゴミ溜めと化している。至るところ悪臭が漂い、下水が町の中を小川の如くに流れる。
政府は何もできない。反対派(ファタハ)は、我不関と傍観するばかり。どこもかしこも内部抗争だらけ。大統領は力がない…我々は目的もなく通りを歩くのみ。我々が居住するガザの現実は悲惨、失政の一語に尽きる。我々は選挙とユニークな民主的体験を自画自讃した。しかし現実は後退につぐ後退である。我々はナショナルコンセンサスについて大いに語ったが、結局それは強風にあおられる一片の葉にすぎなかった…。
住民の生活を改善するため、ラファの検問所再開に多大の努力が払われた。すると誰かがそこへミサイルをぶちこむのである。タフディアフ(平穏)の必要性について話合いがあると、また誰かがミサイルを発射する。実情はこのように奇妙である…。
この地が腐敗、汚職、犯罪、殺し合いにまみれ、混沌の極致にある時、抵抗で何が得られるのだろう。私はいつも自問している。郷土建設は抵抗の一部ではなかったのか。清潔、秩序、法の遵守は、抵抗がめざしたものではなかったのか。社会的関係の改善強化は、占領体制の終焉加速策の一環ではなかったのか。我々は、抵抗とその目的の結びつきを失ってしまった。統一とか組織化はまるで無く、ばらばらで右往左往するばかりである…。
ガザに語慈悲を。通りのギャング支配から、この混沌から、武器の不法所持から、そしてギャング共から、我々をお救い下さい。血みどろの抗争と過激な言葉をなくして下さい。党派より郷土を優先するように…。

私が書いたことは、占領に対する発言に反駁するものではない…しかし今回は、人民の良識と関心をもとに自分自身を公正に判断して貰いたい。総決算或いは自己責任を回避すれば、痛みは益々強く、傷口を開げるだけになる。少し勇気をもとうではないか。そしてここは正しい、ここは間違っていると正直に言おうではないか。ガザと郷土の容貌を変えるには、これしかない。

私もハマッド氏と共に神に祈りたい。パレスチナの人々が早く自分達のやっていること不毛さに気付き、イスラエル打倒よりも、パレスチナの将来を考えて努力する日が来ることを、そしてイスラエルと隣同士で平和共存できるようになることを、心から願うものである。


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イスラエル国民の63%がオルメルト首相の辞任を要求

イスラエル国民の63%がオルメルト首相の辞任を要求=世論調査
 

 [エルサレム 25日 ロイター] イスラエル紙のイディオト・アハロノトが行った世論調査では、国民の63%がオルメルト首相の辞任を求めていることがわかった。レバノン紛争での対応をめぐり、国民の間で首相を非難する声が強まっている
 同調査で首相辞任を求める声が過半数を超えたのは今回が初めて。一方、野党右派リクードのネタニヤフ党首を支持する声が大幅に増加した。
 また、マーリブ紙が行った調査では、選挙が今実施された場合、オルメルト首相を支持すると答えた国民はわずか14%。元首相ネタニヤフ氏への支持は26%だった。
(ロイター) – 8月25日18時51分更新

やっぱりねえ。オルメルト政権が解散するのも時間の問題だろうけど、早い方がいいだろう。しかしネタニヤフが首相でも防衛庁の長官を誰にするかが決めてになるだろうね。


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やらせねつ造写真クイズ解説と感想

この間やらせねつ造写真クイズを紹介してくれたkokunanさんがそれぞれの写真の出所や状況を説明してくれているので、ここで一部引用させてもらう。


************以下引用**********
問題1. この写真に一番適する説明はどれでしょう。
a. イスラエル警察官とパレスチナ人、テンプルマウントにて、、
b. 怒った集団の暴力から救出されるユダヤ人生徒。
c. ユダヤ人生徒を殴るイスラエル警察官。

1番の問題の写真にはイスラエル警察とおぼしき男性と血まみれになった青年が映っており、かつ写真が撮られた時期は調度第2次インティファーダと重なる(2000年)。よって、何も考えていないと(1)が正解であると思うかもしれない。おそらく、大部分の人が(1)を選ぶであろうし、確かに写真の説明としても一見最もふさわしいものである。そうだ、「横暴なイスラエル警官がパレスチナ人をぶん殴っているんだ」と。実際、ニューヨーク・タイムズは(1)の見出しを使い、「強いイスラエル、弱いパレスチナ」というマスコミよく好むキャッチフレーズで報道した。しかし、事実は違う。

大部分の人やニューヨーク・タイムズは血まみれの青年をパレスチナ人であると解釈した。しかし、彼はパレスチナ人ではなかった。なんとアメリカの学生Tuvia Grossman氏であることが判明した。きっかけは氏の親であるAaron Grossman氏が写真の血まみれの青年は私の息子だと名乗り出たことである。Aaron Grossman氏は息子はパレスチナ人の暴徒からイスラエル警察に保護された、と語り、さらに写真の写っているところは神殿の丘ではない、なぜならヘブライ語の看板があるから、と指摘した↓

IsraeliStudent

イスラエル兵に殴られるパレスチナ人と報道された写真

このGrossman氏の非難に対し、当初、ニューヨーク・タイムズは「エルサレムの旧市街で負傷したGrossman氏」と訂正した。しかし、この訂正は氏がパレスチナ人に袋叩きにあった事は書かれていなかった。また、袋叩きにあった場所は旧市街でもなくアラブ人の町Wadi al Jozであった。つまり、実に不十分だったのである。しかしながら、このふざけた対応は多くの批判を浴びたらしい。よって、ニューヨーク・タイムズはようやく事件の詳細を掲載するに至った。つまり、正解は(2)である。

そして、この写真を写したAP通信といかさま説明の出所と思われるフランスの日刊新聞『解放』(察するところブサヨ系新聞だろう)に対し、パリの地方裁判所はGrossman氏に対し、4500ユーロを支払うように命じた。
なお、あるアラブ人グループはGrossman氏の血まみれの写真をコーラのボイコットポスターに使うという蛮人振りを発揮した↓

Coke

コカコーラのボイコットに利用されたグロスマンさんの写真


問題6。どちらの写真が以下の説明に当てはまるでしょうか?
イスラエル軍は土曜日早朝、ナブルスで15歳の少年を含むパレスチナ人3人を射殺した。医療関係者によると彼らは石を投げてデモをしていたという。
(1)写真A
(2)写真B

写真Aは石のブロックを投げる少年達が写っており、写真Bは戦車から逃げ回る子供たちが写っている(大人も混じっている)。どちらだろうか? 「間違いない、正解は(2)だ。だって、TVによく見る光景じゃん」とやはり思っちゃうだろう。しかし、あまい。正解は(1)である。

この写真Aと B、上記の説明をつけると、同じ説明であっても両者はずいぶんと印象の違ったものとなる。写真Aは巨大な石のブロックを少年達が投げている。これほどでかいと運悪く頭にでも当たれば即死は確実だ。ある意味、イスラエル兵にほいほい投げていたら、銃撃されても半分文句は言えないだろう。なぜなら、これは日本でマンションから消火器を投げて、人を死亡させた糞ガキと同じだからである。写真Bはイスラエルの戦車からたくさんの子供たちが逃げ惑っている。よって、説明する必要なはないだろう。写真Aとは全く逆の印象を抱くはずだ。

しかし、この問題におけるいかさま報道はマスメディアが本来なら写真 Aが正しかったのに、写真Bを採用したというわけではない。写真Bはいつの写真かは知らないが、全く別の事件だと思われ、クイズをつくるために Honest Reportingがあえて掲載したものである。では、マスメディアが何をしたのかというと、写真Aを隠蔽したことである。

Stones

隠蔽された写真

ロイター:イスラエル軍は土曜日早朝、ナブルスで15歳の少年を含むパレスチナ人3人を射殺した。医療関係者によると彼らは石を投げてデモをしていたという。

AP通信:イスラエル軍の報道官は石を投げる多数のパレスチナ人に向かって発砲したとは発表した。
さて、上記はマスメディアの説明であるが写真Aではレンガより巨大なブロックが投げられている。これでは、射殺されても半分自業自得である。にも拘らずマスメディアは単に「石を投げた」としか報道しなかったのである。「巨大な石」を投げていたことは隠蔽された。しかも、我々の想像する石といえば、そこらに転がる小石である。だから、何も知らないと受ける印象はこうなるだろう。「たかが小石ごときでイスラエルは発砲するのか?」「イスラエル兵は残虐だ」と。しかし、現実は当たったら大怪我もしくは頭にでも当たれば即死するような石を投げていたのである。

これにおけるマスメディアの真意は不明である。しかし、こうでもしなければ「絵」にならなかったことだけは確実であろう。

ちなみに、この石であるがインティファーダのときもレンガ大の石がユダヤ人に向かって投げられた。特に第1次のときは「嘆きの壁」で祈るユダヤ人に向かって、壁の上からパレスチナ人がやはりレンガ大の石を投げつけた。しかし、この時もマスコミは「石を投げた」としか報道しなかった。つまり、いつものことなのである。また、付け加えるとすれば、石を投げるのは大体ガキどもで、大人はなぜか後方におり、更にその大人がたまにそこからイスラエル兵に向かって発砲するということもあるということも付け加えておいたほうがいいだろう。


問題7。なぜこのレバノン人の女性は泣いているのでしょうか?
(1)南ベルイートの女性のアパートが7月22日、イスラエルによって破壊されたため
(2)南ベルイートの女性のアパートが8月5日、イスラエルによって破壊されたため
(3)上記のいずれも正しい
(4)上記のいずれでもない

また有名なやらせ写真である。くどくどいう必要はあるまい。正解は(4)である。
Drinking from Homeというブログを見てみよう。

上の写真はクイズにもあったロイターが写した写真であるが、説明は「南ベルイートで破壊されたアパートを見て嘆く女性」とあり、日付は7月22日である。そして、下の写真はAP通信であるが、やはり「南ベルイートで破壊されたアパートを見て嘆く女性」と説明されており、日付は8月5日である。両方の写真を見比べてみよう。なんてことはない。同じ女性である。つまりである。違う日に同じ女性の家が二度も破壊されているのである。女性が2つ家を所有していたとは考えにくいので、どう考えても自作自演としか考えられないだろう。
そして、この女性、これら以外にもあちこちに出没しているようである。

衣装は異なるがこれ(鼻の形としわがそっくり)
また、これも同じ女性ではないかと言われている。

samewoman

神出鬼没レバノンの泣き女


そして、極めつけがこれ
3 枚の写真の一番下に例の女性らしき人物が移っている。しかし、これら3枚の写真の説明もよく見てみよう。女性の写真と同じトリックが使われている。「7月 18日」(AFP通信)と「7月24日」(ロイター通信)と「8月5日」(ロイター通信)。つまり、破壊された場所が3度も破壊されるという珍現象が生じているのである。
そして、彼女はヒズボラ版”泣き女”とも考えられるが真相は不明。
*************引用おわり********

問題1の写真は2000年の写真だから、もう6年も前のことになるが、当時はブログがまだそれほど普及していない時期だったからもし写真の青年の父親が気が付かなかったらそのままでたらめが通ったかもしれないわけだ。

これまでに何度もパレスチナやレバノンのテロリストたちによって、どれだけイスラエルの悪行といわれる話を聞かされたか分からないが、こうして考えてみるとそのどれ一つをとってみても全く信ぴょう性に欠ける。こうやって主流のメディアまでが共犯している以上、我々の得ている情報のどこまでが真実なのか、我々読者がよっぽどきをつけていないところっとだまされてしまうだろう。


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ヒズボラがイスラエル兵拉致の誤算を認める理由

最近になってヒズボラのリーダー、ナスララがイスラエル兵を拉致した後でのイスラエル政府の反応は予測外だったと認めているが、これは非常に興味のある展開である。

レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は27日、地元テレビとのインタビューで、イスラエル軍との戦闘の発端となった同軍兵士拉致について、「これほどの規模の戦争になるとは1%も思わなかった。知っていれば、拉致を指示しなかっただろう」と述べ、イスラエルの攻撃が予想を大幅に上回る規模だったことを認めた。

同師は停戦直後の今月14日、自派テレビ「アル・マナール」を通じ、「勝利宣言」していたが、戦闘でレバノン側に1000人以上の死者が出たほか、同国南部を中心に甚大な被害をもたらしたことから、国民感情に配慮したものと見られる。
ナスララ師はまた、拉致したイスラエル兵2人の解放に向け「最近、接触が始まった」と述べ、イタリアと国連が仲介を表明したことを明らかにした。レバノン側は、ヒズボラではなく、ベリ国民議会議長が交渉を担当するという。
レバノン南部に増派される国連レバノン暫定軍(UNIFIL)について、同師は「ヒズボラを武装解除しようとしなければ、抵抗はしない」と述べた。

どうも勝ったといわれる勢力のリーダーがいうような声明ではない。ヒズボラは勝ったのかで下記のように書いた。

ヒズボラの人気がレバノン内部で高まったというが、はたしてこれもどこまで意味のあることなのか定かではない。シーア派で失うものが少ない連中はこれまで通りヒズボラを支持するだろう。だがヒズボラを応援することで家屋を失った一般庶民は今後もヒズボラを支持することの危険性を考慮に入れるのではないだろうか。

ヒズボラはもうすでにイランからの資金でレバノン再興のためにかなり資金投与をしている、それに加えて、イスラエルからの攻撃は自分たちの意図ではなかったとわざわざ言い訳じみたことをしているということは、我々の聞く報道はともかく、地元レバノン市民の間からはシーア派も含めてヒズボラへの批判が案外高まっているのではないだろうか。
ところで人質交換の交渉だが、イスラエルが戦闘中に逮捕したヒズボラ幹部と戦闘のきっかけとなった拉致されたイスラエル兵二人との交換ならば、ヒズボラはイスラエル兵拉致で得たものは全くなかったどころか、レバノン市民の恨みを買い、同胞を大量に殺され統治する領土も減らされ勢力をかなり弱まらされた。しかもナスララが国連軍に抵抗しないといってみたり、挑発されなければ自分達からイスラエルを攻めることはないとわざわざ公約しているところをみると、今回のイスラエルとの戦争は決してレバノン人の間でも人気があったわけではなさそうだ。以下デイリースターの記事より。(訳:妹之山商店街さん)

ナスララ師は、ヒズボラが「イスラエルの刺激」を無視するであろうから、レバノン人が戦いの新しいラウンドを恐れる必要がないと付け加えました。

「もし我々がこれらの刺激に返答したなら、我々は国連安保理決議1701に違反することになるでしょう。
そしてそれは、[アメリカ大統領ジョージ・W]ブッシュが望む、レジスタンスを武装解除することと結び付けられた二番目の解決の論議を開くことができました…
イスラエルは「レバノンをそれらの要求に身を任せさせる第二ラウンドの脅迫をしています。もしイスラエルが第二ラウンドを開始するつもりであったなら、部隊を撤退させる代わりに、部隊を増やしていたでしょう」とナスララ師が言いました。
「避難民は故郷に戻りつつあります。そして彼らは北部を再建し始めました。そのように行動をする誰が戦争へ向かうように思われません。我々は第二ラウンドに向かっていません」と彼が付け加えました。
戦闘が既に終わったという保証にもかかわらず、ナスララ師は、ヒズボラがレバノン領内のイスラエル軍を攻撃する権利を保留する。しかし今の所、抑制を見せるであろうと言いました。

イスラム教のジハーディストの語彙に「抑制」などという言葉があったとは初耳だ。もちろん私はナスララの公約など花から信じているわけではない。だが不本意でもこのような声明を公表しなければならない状況にナスララが置かれているのだということには深い意味があると考える。


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イスラエル、ロイターの車を空爆の嘘

最近のロイターのやらせやねつ造写真まで使った偏向報道を考えると、イスラエルがロイターの車めがけてミサイル撃ったとしても不思議でもなんでもないが、ロイターはまさにそれが起きたと伝えている。

ロイターのカメラマンけが ガザ空爆、ハマス2人死亡  2006/08/27

 【エルサレム27日共同】パレスチナ自治区ガザの東部で27日未明から早朝にかけて、イスラエル軍が空爆を実施し、ロイター通信によると、イスラム原理主義組織ハマスの活動家2人が死亡、同通信のカメラマンら7人が負傷した。
 イスラエル領との境界にある物流拠点、カルニ検問所近くでは同日未明、ロイター通信と地元メディアのカメラマン2人が軍の侵攻作戦を取材中、同通信の車両がイスラエル軍のミサイル攻撃を受けた。車は装甲車で、車体には英語、アラビア語、ヘブライ語で「報道」「テレビ」と明示していた。
 軍報道官は「軍の作戦地域のすぐ近くで、不審な動きの車両に空爆した。報道の車両とは認識していなかった。もしジャーナリストが負傷したなら遺憾だ」と述べた。

この空爆がおきたのは夜だったということだから、イスラエルが車に書かれた「報道」という文字が読めたのかどうか不明だが、この事件にはかなりうさん臭い状況がある。リンクが元記事につながらないが、パワーラインで攻撃の状況が説明されている。(訳:カカシ)

イスラエル陸軍の報道官、ノア·メイヤー陸軍大差によると、戦闘地帯で動いていたのはこの車ひとつであり、あやしげな動きをして夜の攻撃中にイスラエル軍に近付いてきたという。

「だから脅威を及ぼすものとしてとして標的にされたのです」とメイヤー大佐はかたる。「テレビ局のマークはっきりと車に記されていませんでした。少なくとも我々には見えませんでした。」
なんにしろ戦闘区域であり記者団が来るような場所ではなかったと彼女は加えた。またこのあたりからこの10分後にはハマスの民兵がイスラエル兵を攻撃したという。

こうしてみるとイスラエル軍は怪しげに近付いてくる車をミサイル攻撃したことは確かであるが、もしこの車が本当にロイターの記者団の車だったとしても落ち度はロイター側にあるということになる。しかし、このあいだレバノンでも赤十字のミニバンがイスラエルのミサイル攻撃を受けたというでっちあげ報道があったばかりなので、この記者団の車攻撃も、ロイターの報道を鵜呑みにするのは危険である。
下記の一連の写真を御覧いただきたい。ミサイルにうたれたとされるロイター記者団の車であるが、PRESSと書かれた文字のPの部分に穴が開いているのが見える。しかし穴の周りには明らかな錆がみえ、この穴がかなり古いものであることが明白だ。

reutersvehicle1

写真1、空爆されたとされるロイターの車


reutersvehicle2

写真2、同じ車、別の角度から


三枚目の写真はこれまたアラブテロリストお得意のやらせポーズ。本当のけが人なのかモデルなのかわからないが、なんでいつも同じポーズなのかね。(笑)

reutersvictim

空爆の犠牲となったロイター記者、どっかで見たことあるけが人ポーズ


ちなみに本当にミサイル攻撃を直撃すると車はどうなるのか、下記の写真を見ていただきたい。これは暗殺されたハマスリーダーのアブドゥル·アジーズ·ランティスィの車の成れの果てである。( Abdel Aziz Rantisi)かなり損害の規模が違うなと思うのは私だけだろうか?

azizrantisicar

本当にミサイルが直撃するとこうなる


まったくロイターも懲りずに後から後からやらせやねつ造記事を報道するものだ。ジャーナリストとしての誇りなどもう捨ててしまったようだ。


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拉致された米記者ら解放される

CNN/ロイターの記事より

ガザ市──パレスチナ自治区のガザ地区で今月14日、武装勢力に拉致された米FOXテレビの記者とカメラマンが27日、無事解放された。パレスチナの通信社ラマッタンとFOXニュースが伝えた。

解放されたのは米国人のスティーブ・センタンニ記者(60)と、ニュージーランド出身でカメラマンのオラフ・ウィグ氏(36)。2人はガザ地区のホテルの前で車から降ろされ、自由の身となった。
ラマッタンはセンタンニ記者とウィグ氏が解放される直前、2人がイスラム教を受け入れ、預言者ムハンマドを指導者とすると語っている映像を配信していた。

訳のわからないグループが無理な要求をしていたので、非常に心配していたのだが、無事に開放されてよかった。


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移民問題を装う人種差別

最近アメリカの保守派の間では移民問題がかなり取りざたされている。 ほかの事では私と非常に意見のあっていた保守派の人々もこと移民問題となると国中の違法移民をすべて国外追放して、国境に壁をたてて移民を締め出すべきだと本気で言い張る。私はこの問題が持ち上がるまでは自分のことをアメリカの極右翼だと思っていたのだが、このことで自分はかなり中道保守派であると感じさせられた。
さて、移民問題といっても、いったい何が問題になっているのか、日本の皆様にはつかみにくいのではないかと思うので、ちょっと説明しよう。
経済的に豊かで政治的に自由なアメリカには、世界中から移民を希望する人々が集まってくる。特に地続きのメキシコを通じて生活向上のために中南米からの移民は多い。 だが、アメリカに合法に移民するのは非常に難しく、労働ビサを取得するのも容易ではない。 それで切羽詰って合法な手続きを踏まずに不法入国する人間の数が後をたたないのである。
不法移民による問題として掲げられるのは犯罪、不法移民への生活保護、医療、教育などによる地元政府の経済的な負担、そして地元労働者の職不足賃金低下などであろう。また多くの移民が英語を解さず、アメリカ文化に溶け込まず外国の(民度の低い)文化を輸入するという危険性も無視できない。
アメリカ極右翼で過激派のパット・ブキャナンなどは彼の最新の本”State of Emergency: The Third World Invasion and Conquest of America,” で、いまやアメリカは移民によって国を乗っ取られる「非常事態」をむかえているとさえ主張する

現在360万の移民が(アメリカに)存在する。この数は1607年にジェームスタウンに来た移民からケネディ大統領の時代までにきたすべての数と一致する。我々は違法移民120万を抱えており、これはすべてのユダヤ人、イギリス人、アイルランド人が400年かけて移民した数よりも多いのである。

ジョージ・W・ブッシュの任期だけで600万の侵入者が南の国境で捕まった。そのうち12人に1人が犯罪暦をもっている。その後ろで世界中でメキシコ人の収入以下の国に住む4億から5億の人々がブッシュが(違法移民に)恩赦を与えるか国境を警備するかを固唾を飲んで見守っている。
去年2003年の三倍の数である15万5千人のメキシコ人以外の中南米人、中東、アフリカ、アジアの(犯罪者が)逮捕された。そのうち5人に4人は裁判に出頭せずに消えてしまった。
90年代の十年間でスペイン人が始めて到着した時から初めてカリフォルニアの白人人口が減った。カリフォルニア生まれの白人たちは先祖の山岳地へと移動し始めた。出身国からいうとカリフォルニアとテキサスはすでに第三世界である。中南米系だけでもアリゾナの人口の25%、カリフォルニアとテキサスでは34%、そしてニューメキシコではなんと43%であり、ネバダ、コロラド、ユタなどの州でもメキシコとして切り取られつつある。…

しかしこのような心配は何も今に始まったわけではない。ブキャナンの先祖がアイルランドからジャガイモ飢饉の時大勢アメリカに移住してきたときも、先住者たちからアメリカの共通語がアイルランド訛りになってしまうとか、アイルランド人の酔っ払いに町があらされるとか、色々言われたものである。 だが何世代かするうちに皆アメリカ人として社会に溶け込んでしまった。 ブキャナンは新しい移民は昔の移民とは質が違うと言い張る。

心配するなと人は言う。メルティングポット(熔解鍋)は魔法のごとく効く。一世代もすれば何百万という人々も過去にエリス島に来た何百万と同じようにアメリカに溶け込むと。
この希望は妄想である。メルティングポットは壊れている。我々のエリート達が永久に破壊してしまったのである。彼らは同化を信じず多様化を崇拝する。何百万という移民が自分らの言葉、文化、(出身地国の)国民性を保持し、アメリカではなく出身国への愛国心を持ち続けるのだ。

どうしてアイルランド、ドイツ、フランスからの移民はよくて、中南米やアジア、アフリカからの移民はいけないのか。彼のエッセーを読んでいて白人優位の人種差別を感じるのは私だけだろうか? 
確かに多くの移民がいっぺんにはいってくることの危険は考慮すべきだ。犯罪者の入国や一世代目の人々がアメリカ文化に溶け込めない問題も無視すべきではない。だが、そういう問題は外国からの移民を締め出さずとも、国内政策でいくらも直していけることだ。 
まず違法移民が増える理由は合法移住が難しい理由からくる。犯罪者が入ってくるのも違法だから入国の際に見極めることができないこと。 だから外国人を締め出すことを考えるより、どうやって合法に外国人を受け入れるかを考え直すべきなのだ。犯罪者でない外国人がしっかりした手続きをふみさえすればアメリカで働けるとなれば、わざわざ違法に入国し手来る人間の数も減るだろう。
ブキャナンがいうように私は文化多様主義という、どの文化も同じように価値があるという考え方は嫌いである。アメリカに住むと決めた以上、移民たちはアメリカ文化を受け入れるべきである。自国の文化が好きだったのなら、自国にとどまるべきで、移住などすべきではない。だが一世代目の人々にいきなりアメリカ人になれといっても無茶な話だ。20世紀はじめの移民たちに先住者たちが協会などを通じて英語を教えたりアメリカの習慣を教えたりしたことを見習って、我々の世代も新しい移民がアメリカ社会に溶け込めるような組織をつくるべきだろう。そして、外国人だからとか、文化が違うからといって、アメリカでは受け入れられない習慣に目を瞑るようなことをしてはならない。そういう意味で文化多様主義は廃止すべきである。
私にはブキャナンのような極右翼の本当の心配は、アメリカに変な色の人間が多く入り込んでくるのことにあるのではないかという気がする。たとえこれらの移民が完璧な英語を話し、日曜日にはおしゃれをして協会へ行くような人々であっても、彼らがこうした移民を受け入れるとは思えない。 
移民問題は深刻な問題ではあるが、その解決方法は国外追放や国境の壁以外にいくらもあるはずだ。外国人を追い出す締め出すしか言わないひとたちをみていると、英語を学びアメリカ人として溶け込んだと自負する移民の一人として非常に嫌な気持ちになるのである。


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キッスのジーンシモンズ、イスラエル兵に激励の言葉を贈る

ロイターの記事によると、アメリカのロックグループ、キッスのボーカル、ジーンシモンズがイスラエルの負傷兵にお見舞いの言葉を贈ったとある。シモンズはイスラエルのハイファ生まれで8歳の時にアメリカへ移民したのだそうだ。 シモンズの母親はナチスドイツの虐待を生き延びてイスラエルへ逃れた人だった。 
私は十代の頃、クィーンと並んでキッスにはちょっと凝ったことがあったが、シモンズがイスラエル出身だったとは全然しらなかった。

「あなたをどれだけ誇りに思うか、世界がイスラエルがあなたにどれだけお世話になったか、その感謝の気持ちはとても言葉ではあらわせません。」 「心の底から言います。あなたは英雄です。あなたはすべての人々の英雄です。私の英雄です。」アメリカで録画したビデオメッセージのなかでシモンズは語った。最後に彼はヘブライ語で付け足した。「私の名前はハイムです。私はハイファで生まれました。」

負傷したロン・ウエインリッヒさんは、キッスのファンで、イスラエル兵保護協会によってビデオメッセージが実現した。


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ところでガザでは、、、より過激な新勢力の台頭

レバノンのことでガザの情報がかなりおざなりになっていたが、パレスチナのテロリストどもは今でもイスラエル攻撃の手を緩めていない。ただあんまり効果がないだけでなく、かえってイスラエルからの手入れによって戦死者をふやしているだけという情けなさだ。(すでに200人の民兵が戦死した)それで欧米メディアの注意を惹こうとしたのでもないのだらうが、アメリカのフォックスニュースの特派員とカメラマンが一週間ほど前にガザで拉致されるという事件があった。昨日その犯行声明がこれまできいたことのないテロ軍団によって公表された。

[ガザ 23日 ロイター] パレスチナのガザ地区で14日、米FOXニュース・チャンネルの記者とカメラマンが拉致された事件で、犯行グループは23日、2人のビデオ映像を公開した。2人は「健康状態は極めて良好だ」と語った上で、解放への協力を求めた。

2人はガザ市内で取材中、武装した覆面の男らに拉致された。
この事件では先に、「聖戦旅団(Holy Jihad Brigades)」と名乗る未知の武装グループが犯行声明を出し、米国に「イスラム教徒の囚人ら」を72時間以内に解放するよう要求していた。
米政府は2人の即時解放を求めたものの、犯行グループの要求には応えない姿勢を示しており、在エルサレム米領事館の広報官は「テロリストには譲歩しないというのが米政府の方針だ」と述べた。
武装集団は、要求が無視された場合どうするかについては言及していない。

ガザで西洋人が人質になった場合、普通金目宛のことが多いので、交渉の末数時間後には解放されることがほとんどなのに、一週間以上も音沙汰がななかったことから二人の安否は非常に心配されていた。ファタ党の首相であるアッバス氏はパレスチナの諸グループによびかけて人質を今すぐ返すように促しているが、その効果はまったくないようだ。
もっともアッバス首相のイスラエルにロケット弾を打ち込まないようにとの呼びかけは自分が所属するファタ党からも無視されてるくらいだから、彼の影響力のなさがさらに明白になっているといえる。
以下エド·モリセーのイグザミナー(キャプテンエド)のエッセーより。(Ed Morrissey: An illusory partner for Mideast peace

先週、パレスチナ連盟のマクムッドアッバス首相はウエストバンクとガザからイスラエルからの攻撃から逃れるため、イスラエルへのミサイル攻撃を一方的に停止すると共に、拉致したイスラエル兵と人質交換に同意するという声明をだした。アッバスはテロリストの武装グループはみなこの停戦に同意すると約束し、イスラエルからの圧力を弱めようと計らった。

しかしあいにくなことにアッバスには、自分の所属党の武装派にすらこの停戦案を受け入れさすことができなかった。…
エルサレムポストによれば、ハマスだけがアッバスの停戦案をうけいれた。アッバスの自分の党の民兵がアッバスの命令に従わなかったため、交渉は破たんした。
アッバスの影響力のなさは領地において心配な発展であるといえる。イスラエル完全破壊するという以外の強制力がパレスチナ連盟にはまったくない。

ファタの一部の武装勢力がハマスよりも過激派だというのも驚くが、キャプテンエドによればファタの背後にはヒズボラがついているということだ。資金や武器提供などで一部のファタを援助することで武装勢力と政治勢力のあいだに亀裂を生じさせようという魂胆らしい。となってくるとイランとガザの関係が明らかになり、この間の攻撃がレバノンからの攻撃と一致したののも偶然ではなかったのかもしれないということになる。
しかしガザではもっと過激な新しい勢力が名乗りを上げた

解放党(Hiz al-Tahrir)と名乗るこの勢力はガザにこの金曜日イスラム回教統治が誕生したと宣言した。規模は比較的小さいがハマスよりも過激と思われるこの勢力はヒズボラが勝ったと思われているガザでは人気が急上昇している。

最近ガザでおきているパレスチナ内部での勢力争いをみていると、これまでパレスチナが掲げてきたイスラエル打倒と占領地への帰還という看板は本当はただの口実だったのではないかという気がしてくる。以前に誰かが、パレスチナ未来のためにはパレスチナの民がイスラエルを憎む心より、自分達の子供たちを愛するようにならなければだめだと言っていた。だが私はパレスチナの各勢力はイスラエル打倒すら本当はどうでもいいのではないだろうかとさえ思えてくるのだ。
パレスチナ庶民が口ではイスラエルに住むユダヤ人を海へ追い込むなどと威勢のいいことを言ってはいるが、60年に渡る攻撃でそれができないのに、このまま同じやり方で将来もそんなことが起きるなどと本気で考えているとは信じがたい。もしパレスチナ庶民がイスラエルからの「占領」から解放されたいと本気で考えていたならば、ガザを自発的に出ていったイスラエルにわざわざちょっかいを出す理屈が成り立たない。
イスラム教徒にとってインファデル(信じないもの)の存在など本当はどうでもいいのである。彼等にとって一番大切なのは他のイスラム教徒が自分らの勢力をどう評価するかということだけなのだ。だから、パレスチナ内部の勢力がパレスチナ内部での勢力争いに箔をつけるために、イスラエルにちょっかいを出し、自分らにはイスラエルと戦う勇気と能力あるということをパレスチナ内部にみせつけることがイスラエル攻撃の本当の目的なのではないだろうか。
だから、イスラエルが去った後でもガザは主権国家への道を歩むでもなく、自治に励むでもなく、果てしなく内部争いを続けているのだ。そんなパレスチナを他のイスラム諸国がどう考えているのかといえば、アラブ諸国は完全に軽蔑の目でみているし、イスラエル打倒の手先としていい歩兵になるとでも考えているのだろう。
どちらにしても、パレスチナに未来はない。悲しいことだ。


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