ロシア軍キエフ撤退は予定通りの作戦?

本日ロシア軍がウクライナの首都キエフから撤退して再編成をしているという記事を読んだ。下記は朝日新聞の記事より。

ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、米国防総省のカービー報道官は29日の記者会見で、一部のロシア軍部隊が首都キエフから離れる動きを始めたことを確認したことを明らかにした。ただ、大部分の部隊は依然として現地にとどまり続けているとして「撤退」の動きであることには否定的な見方を示した。さらに、キエフを離れた部隊が東部ドンバス地方などウクライナ国内の別の地域に再配置される可能性があるとして、強い警戒感を示した。

ロシア防衛省は、軍事作戦の第1段階の目標が完了したのでキエフとチェルニゴフ方面で部隊の計画的再編成が行われている と発表。初期段階では、ウ軍にキエフ方面に軍事装備を集中させ、都市への襲撃を避けながら作戦の主要なドンバスでの活動をしたと説明。キエフ付近からは撤退しドンバス地域のほうに力を入れるため再編成しているという。

西側の報道を観ているとロシアが軍の消耗に押されて撤退を余儀なくされており、再編成せざる負えない事態になっているという印象を受けるが、実はこれが当初から目的だったというのがロシア側の発表だ。

本日ツイッターで面白い話をしている人がいたので、そちらから引用する。彼の情報元が何なのかは私は知らないし確認も出来ないので、一応こういう話もあるということで紹介しておこう。

著者はTillyB フォロー前にプロフ読んで!@TillyBeeTillyさん。

「テレビに出ない」元CIA、元UN兵器インスペクター、元DIA、元米軍インテリジェンスなど読んだり聞いたりしてると口を揃えて「西側の戦況報道はただのシネマ」と言い切る。最初に断っておくけれど彼らは分析し呆れ果ててるだけでどちらの味方でもない。(略)

最新の勝利宣言は、キエフからロシアの大軍を押し返した「勝利」になっているが、これはこの3週間のロシアの目的がキエフの占領だ、ゼの暗殺だと仮想の物語の上での戦況報道だから。 キエフを包囲したのは、ウ軍の残存部隊の大部分を釘付けにして、露が東部と南部で攻撃的な作戦を展開をできるようにする目的。

今日の報道では目的達成と、和平交渉もありキエフ周辺の部隊を大幅に撤退。西側を攻めた露軍は無傷で空域の大部分を支配し、ウクライナの最西部にあるウクライナの基地や燃料貯蔵所を攻撃。 極超音速ミサイルの使用でNATOが対抗できない事実を露呈、そして物流拠点や燃料を攻撃することで、ウクライナの物資補給や再武装、部隊の集結を支援するNATOの取り組みが阻害されている。

西部の報道をして東部でのメインのミッションから目を背けさせる目的もあるだろう、と解析。ベトナム戦争で米国がベトコンと北ベトナムの攻撃を壮大に読み違えたのと同じ過ちをしている、と。 露が淡々と緻密に長期計画されたミッションを遂行しているのが理解出来なかったら生き残りのアゾフ隊員に聞いてみろ、と結構辛辣なコメント多し。

TillyBさんはロシアとウクライナのトルコでの会談内容についても説明してくれている。

露の攻撃規模を縮小 露国防省は、この会談の直接的な効果としてウの一部地域での軍事活動を緩和することを発表した。特に、チェルニゴフ市と首都キエフ近郊の作戦を「劇的に」縮小すると約束。国境線 開戦直前までウはドネツクとルガンスクの大部分を支配し、この地域を自国の領土と考えている。 ウ代表はキエフが1991年の独立宣言時に持っていた全領土の主権を主張することを明らかにし、妥協はあり得ないとした。 

ゼ・プ会談の条件 露は将来の平和条約交渉の最終段階の一環として、首脳会談を企画することに合意したが、通例は文書が完成し、それぞれの外相が署名した後にのみ予定することができると述べてた。

報道官の話からは難航しそうな印象。米側はブリンケンが露は和平に興味ないだろ、とか冷水発言。

これを読んでいく限り、この戦争がそう簡単には終わりそうもないことは良く分かる。


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オリンピック女子記録より2分も速い記録を持つ男子全国ジュニアチャンピオンが女子競技に参加決定

アップデートあり:この土曜日(4/1/22)に予定されている全国オムニアムレースへのブリジスの出場は見送られることとなった。

トランスジェンダーのエミリー・ブリジス(21)はこの土曜日に行われるイギリスのthe National Omnium Championships in Derbyという25マイルのサイクリング競技に女子として参加し、5回連続オリンピック金メダリストのローラ・ケニーと対決することになった。ブリジスは男子だが、1年間の女性ホルモン治療を受け、女子競技への参加資格を得たという。

ブリジスはグレートブリテンアカデミーの競技で先月まで男子として競技に参加していた。彼は2018年、全国ジュニアチャンピオンになったこともあり、その時の記録は現女子オリンピック最速記録より2分も速かった。

2018年全国男子ジュニアチャンピオンになった頃のブリジス

数年前にレイチェル・マッキノンという女装男が、マウンテンバイクの女子シニアの部で優勝した時、人々が抗議の声を上げたが、当時マッキノンは、オリンピックでも同じ規則を起用しているがオリンピックでメダルを取ったトランスは一人もいない、トランスは数も少ないのでエリートスポーツには影響を及ぼさないと言っていた。

しかし私は当時から、いずれマイナーな競技にピークを越えた男子選手や三流選手が参加などというおとなしいものではなく、女子のエリート競技に男子としても高位の選手が参加しだすのは時間の問題だと言って来た。

女子競技を守るために訴え続けている元オリンピックメダリストの水泳選手シャロン・デイビスは、何人もの女子サイクリストから相談の連絡を受けていると語る。そしてほとんどの選手は制裁を恐れて声をあげられないという。

「イギリスサイクリングは恥を知るべきです。何人もの女子たちから心配する電話をもらいました。彼女達は不満と失望を感じています。」

いや、不満とか失望とか言ってる場合じゃないだろ。これには激しい怒りを感じるべきだ。そして声を上げるのが怖いとか言ってないで実際に声を上げるべきだ。自分らが何年も努力してきた競技が女装インチキ野郎に乗っ取られようとしているのだぞ。当事者の彼女達が声をあげずに誰があげるのだ!

ブリジスはこのままいけば2028年のオリンピック参加も可能である。

ブリジスは男子としてもエリート選手である。このまま男子として競争して正々堂々とオリンピックを目指すことも、様々な競技大会で優勝することも夢ではない。だが、男子の部には彼と同等の選手は何人もいる。国内では優秀でも世界を相手にした場合には、いくら彼が優秀でも必ずしも毎回優勝できるという保証はない。しかし、彼の能力をもってすれば、故障でもしていない限り、女子競技を圧倒することは間違いない。ブリジスはこの優勝間違いなしの座を手に入れたいのだ。

これまで女子競技に参加してきた男たちは、ピークを過ぎた中年男性だったり、男子としては下位の三流選手だったりで目立った活動はしてこなかった。参加する競技も地方の高校や大学のみの競技がせいぜいだった。リア・トーマスの件が評判になったのは、全国大学大会という比較的メジャーな競技会への参加だったからだ。

しかしこれがもっとメジャーなスポーツになったらどうなる?サイクリングだけでなく、ゴルフやテニスと言った女子の活躍が目覚ましい競技で、賞金やスポンサーから半端じゃない多額の収益金を得られる女子競技にエリート男子たちが参加したらどうなるのだ?

女子選手たちはその時まで黙っているつもりなのか?

確かに今声を挙げれば自分の選手生命が絶たれる可能性はある。だが今声を挙げなければ自分だけでなく競技そのものの命が絶たれてしまうのだ。怖いのは解る。彼女達だけにこの試練を与えるのは酷な話だ。しかし当事者である彼女達が声を挙げなければ外野がどれほど騒ごうが何も変わらない。

先ず我々はトランス女性は女性ですという間違った概念を捨て去ろう。彼らは女性ではない。彼らは男性だ。男子である。

男子は女子競技には参加できない。そのことをはっきりさせよう。


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LGBT活動に関するロシアが広めた陰謀論とは何か?

今日kazukazu88@kazukazu881という「エキセントリックなポストモダン新左翼ラディカル・フェミニスト・クィア」と自称する人が、私が言うトランスジェンダー活動家の裏には億万長者の陰謀がある説を、それロシアが広めた陰謀論に過ぎないと言って来た。これはロシアのプーチンがJKR女史を引き合いに出して西洋社会のキャンセルカルチャーを批判したことから始まった議論だ。確かにプーチンは反LGBTだが、JKR女史は単にトランス活動(TRA)の横暴を批判しているのであり、彼女自身は反LGBTなどではない。プーチンが女史を引き合いに出したからといって、彼女をプーチンと同列に並べるのには無理があるだろう。

私はLGBT活動の裏には強大な権力があるという考え方はロシアの陰謀だという考えは初めて聞いたので、それなりに分析する価値はあると思う。すくなくとも反対派が持ち出す議論には一応目を通しておいた方が、今後の討論に役に立つというものだ。

この論文は欧州同盟の役員によるもの。著者はCecilia STRAND, Jakob SVENSSON
European Parliament coordinator:Policy Department for External RelationsDirectorate General for External Policies of the UnionPE 653.644 – July 2021.題名は”Disinformation campaigns about LGBTI+ people in the EU and foreign influence.” (欧州同盟内におけるLGBTI+に関する間違った虚偽情報を広める活動と、外国からの影響)。この論文の目的は、LGBTI+に関した誤ったもしくは虚偽の情報がどのようにEU以外の国によって広められているかを存在する情報を元に説明することにあるというもの。

ではロシアが広めている「偽情報プロパガンダ」が広めようとしているアイデアとはどのようなものかひとつづつ吟味してみよう。

ロシア及び東圏が広めるLGBTI+に関するプロパガンダ

1)LGBTI+許容は西洋リベラルによる「植民地政策」である。

LGBTI+の権利を奨励するのは西洋による「植民地政策」だという主張。これは道徳的に腐敗した西洋が中央および東欧を堕落させるものだと言う説。こうした考えは東欧のいくつかの著述にみられるとしてロシアを含む東圏の論文がいくつか紹介されている。

またよく言われるのが、LGBTI+活動はグローバライゼーションの一貫であるということ。西洋リベラルによるグローバル化は普通一般の人々の価値観から全くはずれるものであると言う考え。西洋リベラルは資本主義で反家族で反宗教で神を信じない人々であるのに比べ、特にロシアはこそが救済への道であるとする説。

2)LGBTI+許容は子供の安全への脅威である。

子どもへの性教育において、にペドフィリアや性自認表現や不自然な性行為を奨励する教育は子供を危険にさらすと言う説。西欧の捕食者的教育のなかには、子供を変態的性指向に変えようとするものだとし、ひいては社会全体にその変態的性指向を広めようというものだいうもの。ロシアはこのような邪悪な性教育から世界を救うものだと主張。その例として西洋の学校では自慰のやり方を教えるなどの授業があるとしている。

3)LGBTI+の人々を否定的な言葉で表す

東圏の書物にはLGBTI+の人々を否定的に表す言葉が散漫している。LGBTI+は道徳的に腐敗しているとか、社会に脅威をもたらすなど。また侮蔑的な表現、英語の‘faggot’ フランス語の ‘pédé’ (French), スペイン語の‘maricón’そしてドイツ語の ‘Tunte’ 等がそれにあたる。こうした書物にはLGBTI+をバカにした理蔑むような表現がいくらも出てくると言う。

また他人を侮辱するときにLGBTI+を持ち出し、「女々しい奴」と言ったヘイトスピーチが普通に行われている。最近はコロナ蔓延がLGBTI+のせいだなどと言い出す人も出ている。

4)ジェンダーイデオロギーは男性の覇権を脅かす

東欧の著者Kuhar and Paternotteは、オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、アイルランドポーランド、ロシア、スロべニア、スペインなどの研究で、「ジェンダーイデオロギー(ジェンダー概念)」に抵抗する団結した動きがあると語る。この「ジェンダーイデオロギーー」は西側諸国にはびこるもので特に欧州同盟国で顕著である。 男女平等やLGBTI+権利への探求は男性覇権を脅かすものである。

この反ジェンダーイデオロギーは、女性の権利や人工中絶や同性愛結婚に反対する様々な右翼組織との連帯を成功させている。

この「ジェンダーイデオロギー」は最近では「LGBT イデオロジー」と言う言葉が侮辱的な意味合いでポーランドの書籍で使われるようになった。これはLGBTI+を非人間化するために使われている。「ジェンダーイデオロギー」はジェンダーやLGBTI+平等に対抗するために、一般人を騙すために意図的に作られた言葉である。

5)異性愛と自然な家族制度を守る権利

リベラルのいうジェンダーは人間の種族保存に脅威をもたらすものであるという考え。ジェンダー概念は男女の性別の違いを完全に無視するものであり、よって一人の男と一人の女が結婚して子供を産み家族をはぐくむという結婚を否定するものである。この「自然な家族」という考えが、ジェンダーやLGBTI+へに向けられるヘイトスピーチによく使われている。

6)神が定めた「自然な」秩序を取り戻す

この誤った情報とヘイトスピーチのなかで宗教は大事な役割を果たす。カトリック教会などは、もともと性指向は個人の選択によるという非科学的な説を信じていた。それで以前は同性愛を治す治療などというものが存在していた。

現在でも宗教に汚染された説で、反LGBT側は神や神の計画などいってLGBTI+許容と闘っている。神の計画は結婚や家族の自然な形を守るためという考えが中心にある。そしてこのような考えがLGBTI+の人々への不公平な差別にと繋がっている。

反LGBTI+プロパガンダを広めているのは誰なのかなんてどうでもいい件

さて、この論文の第三章は上記にあげた5項目のプロパガンダを広めているのはどういう団体なのかという話になるのだが、実をいうと私はそれには全く興味がない。何故かと言うと、ロシア及び東欧圏がこのような考えを持っていることなど周知の事実であり、そうした考えを彼らが世界的に訴えていたとして、その行為そのものがプロパガンダだという理由にはならない。

プロパガンダというのは全く事実に基づかないことを不特定多数の人々を騙すために拡散することをいうのであり自分たちの考えを発表すること自体はプロパガンダとは言わない。

例えば中国政府がヨーロッパ系外国人ユーチューバーを使って「ウイグル人が虐待されている事実はない」という動画を拡散すれば、これはプロパガンダと言えるが、単に我々はLGBT思想は伝統的社会を腐敗させるものだと信じると宣言することは、自分の意見を述べているだけであり、それをいうならLGBT思想こそが自由の基盤だと言い張るLGBT活動家たちのやっていることとなんら変わりはない。

だいたいkazukazu88@kazukazu881は、「トランスジェンダリズムの背後には巨大な組織がある」という説そのものがロシアが広めた陰謀論だということを証明するためにこの論文を提示したはずなのに、ここに書かれているのはロシアがLGBTについてどういう見解を持っているかということだけだ。

それにここでロシアが挙げている考えには一理も二理もあると思う。それに関してひとつひとつ書いていくのは時間がかかると思うので、またそれは次回に回すことにする。





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ロシア軍、ウクライナ情報

Twitterで軍事オタクの人がロシア軍のウクライナ侵攻に関して色々面白い情報を発信してくれているので、そちらからご紹介したいと思う。これを読んでいくとロシア軍が何故こんなにも苦戦しているのかと解ってくるかもしれない。

この情報を発信してくれているのは阿部隆史氏(阿部隆史@ジェネラル・サポート (@GS_abetakashi) / Twitter)。先ずはロシア軍の死傷者の数を分析してみよう。

(三月十七日の段階で)ロシア軍は40%の兵力を損耗とある。 投入した兵力は16万だから6万4千。 つまり現有兵力は10万弱だ。 6万4千と聞けば多そうだが戦死+負傷+捕虜+逃亡を合計すればそんなもんだろう。 既に少将3人が戦死しており4人目として第150自動車化狙撃兵師団長が加わるかも知れないので戦死者だけで2万を越える事は充分にありえるし、それだけ戦死していれば3万程度の負傷や1万程度の捕虜/逃亡は存在すると考えられるからだ。

ありゃ... BBCの報道によるとやっぱ戦死したらしい。 前線に居る将官20名のうちこれで1/5が戦死したとあるが常識的に考えれば戦死者と同数以上が負傷するので将官の40%は戦力外になった考えられよう。

さてウクライナ側に国を憂うる勇士はたくさん居るが武器が無ければ戦えぬ。 ここでバイデンは8億ドルの武器の追加支援を決定した。 これまで2億ドルなので一挙に4倍だ。品目は携帯型地対空ミサイル「スティンガー」800基、対戦車ミサイル「ジャベリン」2千基などでドローンも含まれる。 これらは防勢的兵器なので攻撃には向かないが勇敢な歩兵が携行して良く準備された陣地で戦うなら強大な防衛力となる。 ただしコレらの援助物資が滞りなく到着すればの話だが...

ウクライナの狙撃兵は現場の司令官を狙って狙撃しているとはいうものの、特に位の高い兵だけを撃っているわけではないし、また、撃たれたら必ず死ぬというわけでもないので、狙撃兵による死傷者数はかなりの数になると思われる。死亡確認が取れている少将四人から推定して、一般兵の死亡者の数は7千から2万人にも上ると阿部氏は算定する。

何故戦死者数推定にそんなにも幅があるのかというと、アメリカ軍のように負傷兵が出た場合には救援が即ヘリコプターなどで現れ避難するため死亡率はあまり高くないのに比べ、ロシア軍のように負傷者が長期放置される場合とでは死亡率がかなり変わってくるからである。何にしても大事な点は戦死者の数ではなく死傷者の数。つまり戦闘員から外れた人数がどのくらいいるかということなのだ。

さて、それでは此処で「これから」を考えるとしよう。 4人の将官が戦死したとて戦争が終わったわけではない。 前線に20人の将官が居て4人が戦死したとするなら16人は残ってるわけで「これから戦死したり負傷したりする」というわけだ。 いや、既に数名は負傷していると考えられる。

素人考えだが、たった数週間の戦闘で40%もの兵を消耗したのであれば、もうこれは負け戦であり、さっさと退陣して講和談義に入るべきだろう。しかしそれが出来ないのが独裁者プーチンである。

阿部氏はここでどんな将軍たちが指揮を指揮を執っているのかを名前入りで詳細に紹介してくれているが、それは原文を読んでもらうとして、司令官たちの経歴がこの戦争には多大なる影響を及ぼしていると阿部氏は語る。

つまり、自分が戦車兵出身なら戦車兵の、空挺出身なら空挺の発想から抜け出せなのだという。軍隊で一番頭のいい人が居るのが砲兵。なので軍司令官に砲兵出身者があまりいない軍は賢い軍隊とは言えないのだそうだ。

砲兵ってのは砲を移動させて砲弾を撃つのが仕事だ。 その為には砲弾をトラックに積んで移動させてから集積しなくてはならない。 つまり事前準備に多大な時間と器材を要し計画性が必要となる。 勇猛や猪突猛進とは無縁の職種が砲兵なのだ。 ナポレオンは砲兵出身だから頭が良いのである。

今回のウクライナ戦争でトラックが64kmに及ぶ大渋滞を起こしたでしょ? ありゃ計画性が無いからだ。 計画を立案したのは参謀総長のゲラシモフ上級大将だそうだが戦車兵出身である。 戦車はキャタピラだから「道路が使えなきゃ野っ原走りゃいいじゃん」とすぐ言う。 トラックは道路以外走れねえんだよ。

そりゃ戦車兵にだって賢い人は居るが計画性の無い人が多い。 取りあえず砲弾と燃料を満載し道路じゃなくても走れる機動性があるからね。 そんで補給部隊に「おめえら何とかしろ!」と言う。

ロシア軍の高層部には空挺出身が多いが、空挺出身は勇敢だが計画性がなく諸職種連合の大部隊指揮官には向かないのだそうだ。

そりゃ空挺にも賢い人は居るだろうが諸職種連合の大部隊指揮官には向かないのである。 まずは事前準備と計画性、道路の重要性、輸送力の見積もりが旨く出来なきゃダメさ。 そんなのは幕僚がやるから不要だって? 冗談じゃないよ。 上の人がチェックしなきゃダメ幕僚か有能な幕僚か判断出来ないじゃないか。

(略) 幕僚が提出した補給計画や輸送計画にちゃんと目を通さず盲判を押す様では絶対、戦には勝てん。 勇猛さより綿密な補給計画が何よりも重要なのだ。 その部分が欠落しているのが今のロシア軍なのである。 負けて当然だ。 それにしても昔のソ連軍にはコーネフとかゴボロフとか砲兵出身の優秀な将官が居たんだぜ。 だから強かったのだ。

たしかに、今回のウクライナ侵攻には計画性がないなと素人ながらに思っていた。また戦闘軍だけ先に逝っても兵站が追いつかなければ武器や弾薬燃料や食料も足りなくなってしまう。ロシア軍は道路で立ち往生して食べるものも満足にない状況に陥ってしまった。

ロシア軍に残されているのは第49軍と第29軍及び空挺2個師団だけということだが、第29軍司令官であるコレスニコフ少将は既に3月11日に戦死しているので、すでに出動しているのかもしれない。

阿部氏は当初の戦死者には少将が多かったが、そのうちに少将は底をつき中称、大将へと戦死者が増えるだろうと語る。

その間3月26日現在、戦況がうまく行かない責任に問われ、6軍司令官のエルショフ中将が解任され、第1親衛戦車軍司令官のキーセル中将も「キーセル中将は、作戦の失敗と設定された目標の達成の欠如、ウクライナでの軍事作戦への徴兵の関与、および人員の大幅な損失の存在のために解雇された」という。解任といっても独裁者プーチンの牛耳る国。軍法会議にかけられて敗戦の罪をすべてかぶせられて阿部氏のいう「非業の最期」を遂げることになるのだろう。

ロシア陸軍には12個軍あり11個軍がウクライナ侵攻に投入された。 司令官のうち既に3人戦死、2人更迭された。 更に41軍は副司令官と参謀長が揃って戦死。 前線の軍司令官の半分近くが居なくなっちゃったのである。 こういうのを「負け戦」という。

投入されたロシア軍兵力は11個軍ではなく12個軍である事が確認された。 さて軍司令官を更迭した理由はプーチン並びに側近の罪をなすりつけスケープゴートにする為であるが他にも色々な効用がある。 まず残った7人の軍司令官は更迭されて裁判にかけられたりしちゃ堪らぬので急いで前線に出かけ一歩も退かずに死守命令を乱発しながら戦うである。

壮烈無比なる事この上ない。 だがそれは敵狙撃兵の的となる事を意味する。 なにしろ「この顔にピンときたら110番」じゃないけどこうして顔写真が出回ってるんだろうしね。 でも更迭されて名誉と命を失うよりゃ戦死した方がマシだよ

ということは、ロシア軍司令官はこれからもどんどん戦死するだろう。司令官を失った部隊はにっちもさっちもいかずおかしな動きをするから余計に犠牲者が出る。

しかし旅団長クラスまでは不名誉な更送などされたくないので前線に市が無着くかもしれないが、それ以下の兵士たちはどうなるのか。アメリカのようにノンコムと呼ばれる下士官たちの自由裁量が許されているような軍隊なら、不利になれば撤退する手もあるわけだが、ロシアのように上からの命令は絶対服従の軍隊では、負け戦と知っていても退くことが出来ない。兵士たちは嫌気がさしてどんどん脱走してしまうだろう。

だから普通は作戦中の前線指揮官を更迭したりしない。 「乃木を代えてはならん」というヤツだ。 まったくプーチン君の利敵行為は計り知れんな(笑)

これだけ読んでいると、ロシア軍に勝ち目があるとは到底思えない。たとえ最終的にウクライナを占領することが出来たとしても、多分ウクライナに残った地下組織によってゲリラ戦が続くだろうし、あまりにもインフラを破壊しすぎてしまったから、ロシア軍が得るものがあるとは思えない。子の侵攻で軍隊がずたずたにされてしまった今、それこそロシアに誰かが攻め入ったらどういうことになるのか?

妙佛さんも以前に言っていたが、独裁国家の怖いところは、独裁者は実際に自分の行動が国のためになるかとか、国民のために有益かなどということは全く考えずに行動する。だからこんな戦争ロシアにとって何の利益もないと普通なら考えることでもプーチンはやり通してしまうのである。


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ロシア軍の損失、10年続いたアフガニスタン侵攻を上回る

数日前にロシアの戦死者の数が一万五千近くなっているという話を聞いた時、まさかそんなバカなと思った。20年続いたアフガン・イラク戦争での米軍戦死者の数がせいぜい8000人程度だったことを考えると、ほんの数週間で15000人の戦死者なんてあり得ないだろうと思ったからだ。しかし本日ネットで拾った情報によると、ロシア軍の損失は10年続いたアフガニスタン侵攻の数をすでに上回っているという。下記の表、左側が1979年から1989年まで続いたアフガニスタンでの損失。右側がウクライナ侵攻でのこれまでの損失。一番上が戦死者の数。そのすぐ下が将軍の戦死者だ。

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断っておくが、この数はウクライナ側からの発表なので、実際こんなにひどい損失があったのかどうかは分からない。少なくともロシア政府は公式発表をしていないのでこれが正確な情報であると確信することは出来ない。私個人の意見としては多すぎると思う。

しかし、ロイターの記事によれば、去る23日(3・23・22)ロシアでは黒海艦隊の副司令官Andrei Paliy艦長の葬式が行われたとある。戦死者の合計もさることながら、複数の重要な将軍たちが戦死していることはロシア軍にとっては大打撃である。

ウクライナ発の情報によると、ロシア軍は6人の将軍とともに大佐など高官の戦死者がかなり居るとのことだ。

実際に6人もの将軍が戦死したかはともかく、高階級の将校が何人も戦死しているということは、ロシア軍の諜報能力にはかなり不足があると言わなければならない。ロシア軍はウクライナ軍の砲の位置をしっかり把握していなかったようだ。それに比べてウクライナ軍はロシア軍の特に司令官の位置をその携帯のシグナルから確定出来ていたようである。

ロイターの記事を読んでいて学んだことは、ロシア軍は非常に中央集権であるため、伍長などのいわゆるアメリカ軍でいうノンコムという下士官による判断が許されていない。アメリカ軍の強みは大佐や将軍の命令を受けなくとも、現場に居る伍長クラスの判断で即座に決断を下すことが出来ることにある。ロシア軍にはその仕組みがないため、高階級の司令官がわざわざ第一戦に出ていくことになり、その分危険にさらされてしまうということらしい。

実は日露戦争の時も、日本海軍は現場司令官にかなりの決断権をゆだねていたが、ロシア軍は上からの命令を待っていなければならず、連絡が遅れて日本軍のような臨機応変な作戦が立てられなかったという話を聞いたことがある。

ところでウクライナ軍がロシア軍高官の居場所を彼らの携帯のシグナルで追っていたという話だが、別の記事、The Ukrainians Are Listening’: Russia’s Military Radios Are Getting Ownedによると、ロシア軍はウクライナのセルを使っているため、ロシア軍の情報はウクライナ側に筒抜けなのだという話である。

アメリカの郡専門家の話によると、ロシア軍はウクライナ侵略にこんなにてこずると思っておらず、長期にわたるコミュニケーションシステムをきちんと用意していなかったのではないかという。それでウクライナ軍はロシア軍のラジオ通信を妨害したり、将軍の居場所を確定して狙撃するなどしているという。

ロシア軍はまた、彼等の秘密伝達システムがきちんと機能しないため、暗号化されていない普通の携帯を使うなどしているため、ウクライナにはロシア軍の情報が駄々洩れになっているというのだ。

そしてこのコミュニケーションの問題は、地上軍と空援軍との連携プレーがきちんとできないという弊害を及ぼしている。イラク戦争の時に色々学んだのだが、アメリカ軍は地上軍が敵陣に大量の兵士で「突撃~!」などとやるような戦争はもうしない。地上軍の役割は敵の陣営を確定し、それを空援軍に知らせて空からピンポイントで標準攻撃をするのだ。めったやたらな突撃は兵士を大量に損失させるだけで効率が悪い。また意味のない無差別空爆は民間人を多く巻き込むだけでなく、弾と燃料の無駄づかいである。

しかしロシア軍はこの無差別攻撃をやってしまったため、暗号化コミュニケーションに必要な3Gと4Gの携帯コミュニケーションタワーをも破壊してしまった。

ロシア軍はウクライナのインフラをここまで破壊する計画ではなかったはずだと専門家は言う。ロシア軍はウクライナを迅速に制覇し、なるべくウクライナは無傷のまま占領してしまおうと思って居たはずだ。

またロシア軍は戦闘員たちに適切な訓練をしておらず、ウクライナ国境に居た隊は自分らがまさかウクライナに侵攻するなどとは思ってもいなかったため混乱が生じた。ウクライナ攻撃が命令されてからたったの24時間でどこの隊が何処を攻めるのか、誰がコミュニケーションをコントロールするのか全くといって準備がされていなかったため、なんと一般市民がどこからでも聞こえるような周波でウォーキートーキーラジオを使ったりしていたというのだから驚く。

こういうおかしな戦争をやってしまうというのも、プーチンが独裁者ならではのことだ。たとえ軍内部に、この作戦は愚策だと思ってる人がいたとしても、独裁者であるプーチンに意見できる人など、もうロシアには残っていないのだろう。

もっともアメリカ軍だってバイデンによるアフガニスタン撤退時に信じられない作戦をとって無様な失態を犯しているので、人のことは言えないけどね。


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バイデン一家とウクライナの汚い関係

ニューヨークタイムスが今更認めたハンター・バイデンのラップトップは本物だった事実

2020年の10月、いわゆるオクトーバーサプライズで、ハンター・バイデンがコンピューター修理店に置き忘れたラップトップ(ノートパソコン)の中に、バイデン一家がウクライナのエネルギー会社と何やら怪しげなビジネスをしていた情報が入っていたというニュースがワシントンポストによって暴露された。しかし当時、バイデン支持のビッグテックや主流メディアは必死にこの情報を隠ぺいした。ツイッターはワシントンポストの口座を凍結し、フェイスブックや他のSNSでも、この情報が拡散出来ないよう厳しい検閲が行われた。

トランプ大統領はこの件に関してテレビインタビューでも話そうとしたが、インタビュアーは「確認できない」と何度も繰り返し、トランプとそのスタッフが提供した資料を読もうともしなかった。

ところが今になってニューヨークタイムスは、修理店に預けられたコンピューターがハンターのものであったことを静かに認めた。下記はTotal News Worldより。強調は原文のまま。

ジョー・バイデンが大統領になって1年以上経った今、ニューヨーク・タイムズは、悪名高いハンター・バイデンのノートパソコンが本当に大統領の息子のものだったことを静かに確認した。

2020年の選挙の数週間前にニューヨーク・ポスト紙が掲載したラップトップの話は、主流メディアやソーシャルメディア大手によって積極的に検閲され、”ロシアの偽情報””根拠がない “とされた。

「捜査に詳しい人々は、検察がバイデン氏とアーチャー氏らの間で交わされた、ブリズマやその他の海外事業活動に関する電子メールを調査したと述べた」とタイムズは書いている。

当初、タイムズは、ジョー・バイデンと、ハンター・バイデンが取締役を務めていたウクライナのガス会社ブリスマとの間の会合が行われなかったと推測している。「バイデン陣営の広報担当者は、バイデン氏の公式スケジュールには2人の会合が記載されていないと述べた」タイムズ紙は2020年10月にこう書いている。

しかし、2021年9月の時点では、ラップトップの話はまだ “根拠がない “と言っていた。

ハンター・バイデンのノートパソコンには、長男バイデンが副大統領を務めていた時に、父親の影響力を利用してビジネス取引を行ったという証拠が含まれていた

息子の依頼で、ジョー・バイデンは、エネルギーや東欧での経験がないにもかかわらず、高給取りの役員としてハンターを雇ったウクライナのエネルギー企業ブリズマの顧問、ヴァディム・ポジャルスキーと会ったと伝えられている。

2020年の大統領選挙を追っていた我々からすれば、このニュースは新しいものではない。最初から、あのパソコンがハンターのものであったことは間違いなかった。バイデン一家とプリズマとの怪しげな関係もバイデンが副大統領の頃から言われていたことだ。

問題なのはこの情報が厳しく検閲されたことだ。実は選挙後のアンケート調査で、もしもハンター・バイデンのスキャンダルについて知っていたら、バイデンには投票しなかったと答えた人が結構いた。もしこの情報が正しく報道されていたなら、民主党による選挙違反があったとしても、トランプは楽勝出来ていただろう。

バイデンが大統領になってからアメリカでも世界でも全く良いことがない。正しい情報を検閲してバイデン政権設立に一役買ったメディアもビッグテックもその責任は重い。

リンク先のTotal World Newsではパソコンの中にあった電子メールの内容についても色々紹介しているので是非ご参照のこと。下記はその一部。

ハンター・バイデンの「地獄のハードディスク」に保存されていた未公開の電子メールには、ジョー・バイデンが息子のウクライナでの天然ガス複合企業ブリズマ・ホールディングスとの有利なビジネス取引に関与していたという、これまでにない証拠が示されていることが、明らかにされた。

ハンター・バイデンが当時の副大統領バイデンと、ブリズマボードのパートナーであるデボン・アーチャーと一緒に会議をしていたことがEメールで明らかになった

この会議のわずか数日後、ジョー・バイデン副大統領(当時)がウクライナを訪問し、ハンターとアーチャーの2人は、経験のないエネルギー会社ブリズマから多額の小切手を受け取るようになる。

財務省の記録によると、ハンター・バイデンとデボン・アーチャーの2人は、その数週間後の2014年5月から、ブリズマからの電信送金による支払いを受け始めた。これらは合計で400万ドルを超えた。


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フロリダ、幼児へのLGBT教育を禁止する法律が成立し、発狂するLGBT活動家たち「ゲイと言ってはいけない法律」と言って抗議

ついこの間ツイッターで、J.K.ローリング女史の話がまた出て「ローリングが子宮のない人は女性ではないと言ったと聞いてから彼女が嫌いになった」というようなことを言ってる人が居たので、いや、それは逆。女史は女性のことを「生理のある人」と表現するのはおかしいと言ったのだ、いったいどこでそんな話を聞いてきたのだろうかと不思議に思った。ところが他にも同じようなことを言ってる人が結構いて、女史がそういったというデマは私が考えていたよりずっと広く信じられているらしいことを知った。女史が実際何を言ったのかは、ちょっと検索すればすぐに出てくるので、彼女を批判するなら、批判することの内容くらいちょっと調べてみてはどうなのだろうか?

それと全く同じことがフロリダの法案「*教育における保護者の権利法(下院法案1557)」について起きている。

この法案が下院で通った時から、LGBT+α活動家の間では、「ゲイ(同性愛者)と言ってはいけない法律”Don’t say gay bill”」と批判され、フロリダにあるディズニー社では社員たちの大がかりな抗議運動が行われたり、民主党議員達が「ゲイ、ゲイ、ゲイ!」と言いながら歩き回ったり、スターウォーズで有名なマーク・ハミルら芸能人たちがツイッターなどで「ゲイ、ゲイ、ゲイ」と書き連ねるなどして抗議し、挙句の果てにはバイデン耄碌爺まで一緒になって批判するという始末。

ところが先ほども書いたように、この法案を批判している人たちのどれだけが実際に法案を読んだのか、はなはだ疑わしい。なぜなら法案の中には一度も「ゲイ」という言葉が出てこないからだ。

*Parental Rights in Education bill

House Bill 1557: “Requires [Florida] district school boards to adopt procedures that comport with certain provisions of law for notifying student’s parent of specified information; requires such procedures to reinforce fundamental right of parents to make decisions regarding upbringing & control of their children; prohibits school district from adopting procedures or student support forms that prohibit school district personnel from notifying parent about specified information or that encourage student to withhold from parent such information; prohibits school district personnel from discouraging or prohibiting parental notification & involvement in critical decisions affecting student’s mental, emotional, or physical well-being; prohibits classroom discussion about sexual orientation or gender identity in certain grade levels; requires school districts to notify parents of healthcare services; authorizes parent to bring action against school district to obtain declaratory judgment; provides for additional award of injunctive relief, damages, & reasonable attorney fees & court costs to certain parents.”

この全文を”gay”で検索してみると、全く該当する単語が出てこないことが解る。つまり、この法案のなかにゲイという言葉は一度も使われていないのだ。では一体何がそんなにいけないのか。

法律なのでちょっとややこしい言い回しが多いのだが、要するに箇条書きにすると、

  1. 学校内における子どもの教育について、子供の親に隠し事をするような規則をつくってはならない。
  2. 子供が親に隠し事をするように奨励してはならない。
  3. 学校側は子供の精神や感情や健康に関する決断の情報を親に隠してはならない。
  4. 特定の学年における授業で性指向や性自認についての話をしてはならない。
  5. 子供が受ける医療に関して学校側は親に通知しなければならない。
  6. 学校側が親に子供の情報を隠すことによって子供の弊害が起きた場合には親は学校側を訴えることができる。

この特定の学年というのは幼稚園から小学校三年生という低学年のみだと聞いたのだが、法案のなかに学年の指定はない。なぜ低学年のみなのかは分からないが、ともかく幼い子供に性指向だの性自認だのを教えるべきではないという法案なのである。

批評家たちは文章にゲイという言葉が出てなくても性指向や性自認について話てはいけないとあるので同じことだと言っているが、積極的に教師が子供に指導する行為と、生徒が自分の親や兄弟に同性愛者がいるという話を自発的にする行為とでは全く話が違う。はっきり言って幼稚園児が進んでそんな話をするとは思えない。

なぜフロリダの議会がこのような法律が必要だと思ったのか。それは最近アメリカの教育の場で積極的なLGBTQ+α洗脳が行われているからだ。学校では自分がどの性を自認するかとか、自分が好む代名詞は何かとかいう話が幼稚園から教えられている。自分の好きな活動を男と女にわけて、もし女の子がサッカーやモデルカーが好きだと言えば、君は本当は男の子かもしれないなどと子供をいいくるめ、男の名前で呼んだり、男の子の服を着せるなどして子供を男の子だと洗脳するのである。そしてそのことを、家に帰ってパパやママに言ってはいけないよ、君がありのままで生きるのをパパやママはとめようとするかもしれないからね、と釘をさすのだ。

TikTokなどで幼稚園の保母だと言う女が、髪の毛をピンクに染め、体中入れ墨をして、鼻輪をつけて、私はノンバイナリーだとか、子供たちの前でカミングアウトしたとか自慢げに話してる動画がいくらもある。

この法律はこうしたLGBTQ+αの活動家が学校を子供の洗脳に使わないように阻止することが目的なのである。であるから「ゲイと言ってはいけない法」というより「子供のアンタイグルーミング(手なづけ禁止)法」と言った方が正しい。

LGBT活動家は、保守派はいつもLGBTが子供を勧誘しようとしていると言うが、そんなことは全くない、と言い張っている。しかし彼らのやっていることはまさに勧誘であり洗脳だ。小学校の図書館に教材として大の大人が子供にオーラルセックスの手ほどきをする本が置かれているなど、彼らに任せていたら子供たちがどんな目にあうか解ったものではない。もうすでに子供たちが、こうした教師からわいせつ行為の被害にあっていたとしても私は驚かない。

私はこの法律は低学年だけでなく、高校生まで当てはまるようにしてもらいたい。特に思春期の子どもは周りに感化されておかしな方向に行きかねない。最近はネットで異性ホルモンを取り寄せて自分勝手に飲む子供たちまで出てきている。もし子供がそんな話を学校でしていたのなら、親には即それを知る権利がある。そうしないと取り返しのつかないことになる可能性があるからだ。


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男女を身体で分けるのは差別なのか?

今行われている全米大学水泳選手権、昨日自称女の男子であるリア・トーマスが500ヤード自由形で優勝した。

【ニューヨーク共同】米競泳女子で出生時の性別と自認する性が異なるトランスジェンダーのリア・トーマス(ペンシルベニア大)が17日、アトランタで行われた全米大学体育協会(NCAA)選手権の500ヤード(約457メートル)自由形を制した。スポーツ専門局ESPNによると、トランスジェンダー選手の同選手権優勝は初めて。称賛や公平性を懸念する声など賛否両論が起きている。

 トーマスは過去に男子チームで活動した経歴を持つ。ホルモン治療を経て昨年、女子チームに移った。

トーマスが優勝することは期待されていたので今更驚くべきことではない。男なんだから当然だ。

ツイッターではこの件に関して多くの人が意見を述べているが、私と先日からやり取りしている紗耶@1LWNcCuDgvBbGKbという, 自称男から女へのトランスジェンダーが、男女を身体で分けるのは雇用の際に女子の賃金が低いとか、黒人は怖いから避けるというのと同じで差別だと言い張るので、なぜ男女を身体で分けることは差別ではなく、男女差別や人種差別とは違うのかを考えてみた。

紗耶は先ず差別の定義を「差別とは『個人または集団が、その集団に属することのみを理由として、不利益になるようは扱いを受けること』と私は認識している。」と語っている。この定義自体には特に問題はないと思ったのだが、ひとつ言葉が足りていないことに気が付いた。それは「不当な」と言う言葉だ。

なぜこの言葉が必要なのかといえば、もしこの個人や集団がイスラム国のようなテログループだったら、そのメンバーや集団が彼等に不利益になるような扱いを受けたとしても、それは差別とはいえないからだ。だから私の考える差別とは、、

個人または集団が、その集団に属することのみを理由として、不利益になるよう『不当な』扱いを受けること

だと考える。具体例を出すと、トイレやお風呂を男女で区別することは身体に合わせた合理的な区別であり差別ではない。なぜならプライバシーや安全の立場から、男女の区分けは男女ともに望むことであり納得のいく区別だ。もしこれが男性施設の方が数が多いとか、設備が女子施設よりも整っているとなれば、これは差別である。しかし、数の上でも設備の上でも平等であるなら、この区別は差別ではない。

では人種で区別することは何故不当なのか?紗耶は男性全員が痴漢をするわけではないのに、男性全員を痴漢扱いして女子施設から排除できるなら、黒人の犯罪率は高いから黒人全員を犯罪者扱いして白人施設から排除してもよいという理屈になるのではないかという。

先ず、男女の区分けは女性の安全を守るためだけのものではない。男子もプライバシーを守るために男女の区別を望んでいる。つまりこの区分けは双方が納得した上でのしくみであり、これによって誰かの人権が損なわれるなどということはない。

では人種で分けることが何故不当なのか?

昔、アメリカでは黒人が白人施設に入れないという法律があり、学校やレストランやホテルやトイレや水飲み場に至るまで、黒人と白人が区別されていた時代があった。当時人種別区分けを正当化していた民主党の議員たちは「分離しているが平等」と言っていた。つまり施設は分かれているが、それぞれの施設に差はないから差別ではないという屁理屈。

しかし実際には黒人が入れる場所は非常に限られていたし、黒人施設は白人用と比べて劣悪であることがほとんどだった。それに黒人は白人の方に入れないのに、白人が黒人の施設を使うことは許されていた。だからハーレムにある黒人のナイトクラブに黒人音楽を聴きたい白人たちが入ってきても、誰も文句は言えなかったのだ。まったく平等なんてものではなかった。

いくら分離しているが平等とか言ってみても、黒人だけが使う施設に投資する白人は居ない。必然的に数の少ない黒人は不利になった。それで黒人は才能があっても程度の高い学校に行かれなかったり、高級レストランやホテルに入れなかったりと、この分離では黒人の人権が著しく損なわれたのだ。

こうした差別と男女施設の区別を一緒にすることが、いかにおかしなものであるかがこれでお分かりいただけたのではないかと思う。

ただ、組織的な差別と個人による好みは区別して考えられるべきだ。

私は個人的に特定の人種を差別する権利は守られるべきだと考えている。最近東洋系の中高年女性を狙った黒人による暴行が頻発している。私が一人で道を歩いていて黒人男性とすれ違いそうになったら、多分距離を置こうとするだろう。すべての黒人男性がすれ違いざまの東洋人女性を殴るわけではないから、こういう態度が人種差別だと言われればそうかもしれない。しかし殴られてからでは手遅れなので、この程度の防犯は仕方ないと思う。

民間企業による差別も、その企業がどれだけ公共性があるかによると思う。例えば電話会社やガス会社やSNSなど、いくら民営でもその規模が大きく、その設備を使わないと日常生活に支障を来すような企業による差別は容認されるべきではない。しかし個人営業のレストランや貸家などで、外国人お断り方針を持つ権利は許容されるべきだと思う。無論これは差別ではあり、差別される方にはかなり迷惑な話ではあるが、経験上外国人客に酷い目に合わされている個人営業のビジネスには同情できるからだ。

さて話を元に戻して、トランスジェンダー「女性」が女性として女子競技に参加したり、女性専用施設を使うべきではない理由は単純に男性体だからだ。男性体の人は男性として扱うのは当然の話であり、これは差別でもなんでもない。むしろ男性体を女性として扱うことで女性の権利が損なわれるのであるから、これは女性差別であると言うことができる。

はっきり言ってトランスジェンダーの問題を男女差別や人種差別と比べることのほうが実際に差別を受けて来た人たちへに失礼だと思うね。


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トランス活動家が社会に信じ込ませようとしている嘘

ここ数年トランスジェンダー活動家(TRA)の話をツイッターやブログやユーチューブなどで観察してきて、私の彼らに対する考えはだいぶ変わってきた。これは彼らに対して理解を深めたとか、同情するようになったとかいう意味ではなく、TRAは私が当初考えていたよりも、ずっと危険で邪悪な思想である確信するに至ったという意味だ。それで今回はTRAが一般人に信じ込ませようとしているTRAの嘘をひとつひとつ覚書しておこうと思う。

トランス活動家が社会に信じ込ませようとしている

1)トランスジェンダーは皆性同一性障害を病む可哀そうな人々である

自称トランスジェンダー(TG)と言われる人たちの中には性同一性障害(GID)に悩む人々が含まれるというのは真実だが、TGを名乗る全ての人がGIDであるとは限らない。最近よく聞くアンブレラタームという言葉で表現されるように、TGには単なる女装趣味や女装した自分の姿に性的興奮を覚える性癖を持つ人なども含まれるため、一口にTGといってもそれがどんな人を指すのか、明確に判断することは困難である。

もしTGがすべてGID患者なら、何等かの治療を受けてその症状を和らげようとするはずだが、性別適合手術は愚かホルモン治療も受けていない人が、TGを名乗って活動しているのを見ると、TGは必ずしもGID患者ではないことが解る。

2)トランスジェンダーに元の性で生きる選択肢はない

よくトランスジェンダーは差別されて生きずらいと言う人に、「じゃあトランスジェンダーを辞めればいいじゃない」というと、自分にそんな選択肢はないと言い張る人がいる。TGは持って生まれた属性だから自分の意志で変えることは出来ないというのだ。

最近、それまで男として生きてきて職場でもそれ相当の地位につき妻子もいるという男性が中高年になって突然自分は女だと目覚めたとか言ってる記事を目にするようになった。

明らかにこの男性にとってトランスジェンダーリズムは先天的なものではない。生まれた時から決まっていて変えることができない属性なら、何故この人は60年も男として生きて来ることが出来たのだ?

それにこのTGに選択肢がないというのは「性別は本人が選べる」という最近のTRAの主張と完全に矛盾している。性別を選ぶことができるなら、TGかどうかも選ぶことができるはず。

3)トランスジェンダーは性犯罪を犯さない

どんな属性でも絶対に犯罪を犯さない属性など存在しない。性犯罪者は圧倒的に男性だが、では女性が性犯罪を犯さないのかと言えば無論そんなことはない。であるからトランスジェンダーだというだけで性犯罪を犯さないと断言することなど出来ないはずだ。

問題はトランスジェンダー(特に男性体のMtF)による犯罪率は一般男性に比べて多いのか少ないのか、それとも同じ程度なのかということだ。TGの犯罪率が女性並に低いということが客観的に証明できるというのであればまだしも、自称TGによる性犯罪は一般男性よりも多いのではないかと思われるようなTGによる事件が続発している。

私は以前に、TGの女子施設許容はTGと痴漢の区別がつかないからダメなのだと思っていた。しかし最近になって自分はTG当事者の性犯罪率は一般男性よりも高いのではないかと思うようになった。すくなくともTGの方が女性にとって一般男性よりも危険だと思うようになったのだ。

その理由は、イギリスなどでGRCと言って合法的に性別を変更したMtFが、やたらと少女や弱者女性が多い施設で働こうとすることにある。例えば少女の集まるガールスガイディングという団体の役員とか、レイプセンターやDVシェルターといった性被害や男性による暴力から逃れて来た弱者女性の施設や、女性病棟といったところに、やたらとMtFが責任ある職員の座に就くと言ったように。わざわざ無防備な少女や女性の多い場所を職場に選ぶ男性には何か下心があると考えるべきなのでは?

無論すでに女性への性犯罪を犯した犯罪者がトランスジェンダー女性を名乗って女子施設に移転され、その後女子収容所で女子受刑者を虐待した例はいくらもあるので、これだけみてもTGが性犯罪を犯さないという話がいかに虚偽であるかが解ると言うもの。

4)MtFが男性施設で加害被害にあっている

私はこれは全くの嘘だと思っている。その理由は、これだけトランス可哀そう、トランスは差別されている、という説がメディアで奨励されているなかで、もしMtFが男子トイレで加害されたという話があったなら、それをメディアが放っておくはずがない。にもかかわらず、女装男子が女子トイレや女湯で捕まったと言う話はしょっちゅう聞くのに、男子トイレでトランスジェンダーが被害にあったという事件は一度も聞いたことがない。

いや、自分が聞いたことがないから起きてないとは断言できないでしょ、と言われればそれまでだが、これまでツイッターなどでTG当事者と言われる人に直接どんな加害をされたことがあるのかと聞いた時も、女装していて変な目でみられたという以外の被害について具体的な話が出来たひとは一人もいなかった。

そして「トランスジェンダーへの暴力」とか「トランスジェンダーの殺人被害」などで検索してみても、実際男子トイレでの被害というのは出てこないのだ。MtFが女子トイレに入って女性達から襲われたという事件なら2~3件読んだことがあるが。

拙ブログでも何度か紹介したように、TGが犯罪の被害に遭った場合、それは彼・彼女がトランスだったから起きた事件なのか、単に危険な状況に身をさらしたために起きた事件なのかが全くはっきりしないことが普通だ。例えば売春や麻薬取引やギャング関係、もしくは愛人との痴話げんかなど。普通に男でも女でもそういう生き方をしていれば巻き込まれそうな犯罪ばかりなのだ。

それにもしMtFが男性トイレで加害されているのが事実なら、多目的トイレの増設には賛成なはず。ところがそういう人に限って多目的トイレでは嫌だ、女子トイレに入れろとうるさく要求してくる。やっぱり女子施設侵入こそが目的なのではないかと思われても仕方ないだろう。

トランスジェンダーとの共存はあり得るの

簡単な答えは否である。これまで私が観て来たなかで、TGと自称する人々の言い分は女性に我慢を強いることだけで、自分達が何か妥協しようとかいう姿勢は全く見受けられないからだ。

トランスセクシュアルといって、自分の性別は変えられないと自覚しつつも異性として埋没したいと思っている人は別として、トランスジェンダー活動家と一般社会の共存は不可能である。なぜなら彼らの要求は白を黒と認めろというもので、虚偽を真実であると社会に受け入れさせようという横暴だからだ。


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本の整理で見つけた祖父の遺品

実は私は67歳になって年金がもらえるようになったら、今の仕事は辞めて、この家を売り、どっか小さいマンションでも購入して引っ越したいと思っている。しかしそうするためには、今の家にある多々のものを処分する必要がある。それで数か月前から五年計画で家の中のものをどんどん処分し始めた。

家の整理をするとき、いったいどこから手を付けてよいものか解らなくなるのが普通。整理整頓の動画をユーチューブで色々観ていて、どこか一か所だけ片付けようと決めて、そこから始めるというやり方と、カテゴリーを決めてそこから整理していくという方法の二つがあることが解った。

完全にすべて処分してしまうつもりなら第一のやり方が普通だが、実際まだ住んでいる家の整理だと第二の所謂(いわゆる)コンマリ式が適切ではないかなと思うようになった。

それで最初に手掛けたのは衣類。これは結構うまく行って、ほとんどいらない服はなくなった。おかげで長年使っていた取っ手がすべて取れていた箪笥を一つ処分できたし、洋服用クロゼットもひとつ空になった。

次に手掛けたのが本。しかしこれには手こずっている。

うちは主人も私も読書家だったのでやたら本が多い。今は二人とも目が悪くて長い間読書は無理。それにもう読んだ昔の本をいつまでも持っていてもしょうがない。そろそろ古本屋にでも引き取ってもらって若い人たちに読んでもらった方が本にとってもよいことだろう。とはいうものの、これは要らない、これは要ると整理してる間に懐かしくなって本に読むふけってしまうことも度々で、一向にはかどらない。

そんななかで見つけたのが野村胡堂著の銭形平次。これは昭和37年に発行された野村胡堂作品集の一冊。かなり古くてカバーの箱がボロボロ。触るとどんどん粉になってしまうほど痛んでいる。ただ中身の本は表紙も頑丈で、ページの紙は黄ばんではいるもののしっかりしている。文字は旧仮名遣い。昭和37年刊行なのに何故旧仮名遣いなのかというと、原作の初刊は昭和7年だったからだ。

実はこの本は亡き父方の祖父の遺品である。

私の父は祖父の7人目になる末っ子である。長男との年の差は親子ほどもあり、子供のしつけには厳しかった祖父も父とそのすぐ上の伯父の頃には、すっかりしつけに興味がなくなったようで、二人はかなり甘やかされて育ったと父からきいたことがある。父とすぐ上の伯父が物心ついたころには兄たちは皆大学に行っており家にはいなかった。だから父は、7人兄弟とはいうものの二歳違いの兄と、年の離れた姉と一緒に育ち、上の兄たちとは盆と正月に顔を合わせる程度だったという。

7人の子どもたちにより、それぞれ2~3人づつの孫を授かった祖父にとって、私は何十人目かの孫であり、名前も顔も一致しない存在だった。父は大学進学で東京に出てしまい、以後祖父とは一緒に住んでいなかった。なので私が祖父と会うのはお盆や法事くらいであった。しかし私は祖父の家が好きだった。

父の元々の実家は戦争中空襲で全焼したため、祖父は後に大きな古い武家屋敷を買った。地元はすべて焼野原になったのに、焼け残った家があったようである。この家はいくつもの部屋が繋がっていたが、昔の家特有の廊下から入れるようになっていた。祖父は正面玄関に面している大きな部屋をオフィスに改造し、そこで法律事務所を営んでいた。

私はこの祖父のオフィスがすごく好きだった。父が実家に帰る度、私は滞在中しょっちゅう祖父のオフィスに入り込み、祖父の本を漁るのが習慣になっていた。オフィスは古い昭和初期の内装で、大きなビクトリアン風の椅子があった。机の上には祖父が趣味で作った瓶のなかの模型の船が飾られていた。そして壁に取り付けられた本棚には法律関係の本がびっしりと詰まっていた。しかしその中に源氏物語集や野村胡堂の本も混じっていた。

それで私は当時人気テレビ番組で馴染みのあった銭形平次捕り物帖を見つけ祖父の大きな椅子にちょこんと座って読み始めたのである。

実は原作はテレビ番組と違って内容は非常に大人向けで、小学校4年生の私には、かなりきわどい描写もあった。第一旧仮名遣いという手強い相手。しかし読書好きだった私は必死で読んだ。

そんな折、祖父がオフィスに入ってきた。祖父は最初大きな椅子に埋もれていた私に気付かず、趣味の模型をいじり始めた、しかし私の気配に気づいた祖父は私を見て驚いた様子だった。

「や、そんなところにいたのか?お前はどっちの子じゃ?」

「(父)の娘です」

「おう、そうか、〇子か」

「違います。カカシです」

「おう、そうかカラシか。」

なんて会話をしたような気がする。覚えてはいないが。ともかく祖父は私の名前など憶えていなかった。しかし祖父は私が持っていた本をみて

「それを読んでいたのか?」

と聞いた。勝手に本棚から取り出して読んだりして叱られるかと思ったが、特に怒っている様子でもなかった。

「はい」

「面白いか?」

「はい」

「よし、では持って行きなさい。あげるから」

「え?本当に?いいの、、いいんですか?」

「いいよ。持っておいき。でも私は仕事するからもう出ていきなさい」

「ハイ!ありがとう、お爺さん」

無論はっきり覚えているわけではないが、祖父は気前よく私にその本をくれた。後で考えてこの本は作品集の一部だったのだから、一冊欠けるのは嫌ではなかったのだろうか?それともただ私を追い出したいだけだったとか。まあ今となっては知る由もないが。

祖父はその後二年ほどして亡くなった。母が電話をとって、「あなた、お父様が亡くなったそうです」と受話器を父に渡した瞬間を今も覚えている。享年91歳だった。

私の名前すら憶えていなかった祖父だが、私にはちゃんと遺産を残してくれており、それは私の学費となった。

そして祖父からもらったこの一冊が私が持つ唯一の祖父の遺品となったのである。

やっぱりこれは棚に戻しておこう。

さて、お片付け、お片付け。


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