女子トイレに男を入れるな、でもトランス男はどうなる?

この間ノースカロライナ州でバスルームプライバシー法という公共の場における異性のトイレやシャワーの使用を禁止する法律が通った。左翼リベラルはこれは反トランスジェンダー法だと言い張るが、州としては主に公衆トイレやシャワーなどで女性のプライバシーを守るためという理由から出来た法律である。
なぜそんな当たり前の法律を今更通す必要があったのかというと、ノースカロライナ州のシャーロッテ市の市議会がトランスジェンダー保護を名目に、ビジネスや公共施設において自分に適したと感じる性別の施設使用を保証させるという規則を通そうとしたからである。ノースカロライナ州のパット・マクローリー知事はシャーロッテがそのような規則を通した場合には、自動的にそのような規則を禁じる州法律を通すと警告していた。シャーロッテ市議会が知事の警告を無視して規則をつくってしまったため、今回の法律が通ることとなったのである。
しかしながら、トランス社会の間から、同州は女装した変態男のことばかりに注目して、トランス男(女から男へ転換した人々)のことは全く眼中になかったのではないかという意見が出ている。
大抵の場合、我々はトランスジェンダーというとMTFと呼ばれる女装男性のことを想像する。テレビ番組などで女性より色っぽいきれいなオネエさんたちをよく見るせいなのか、FTMの存在は忘れがちになる。
しかし実際には、女から男へのFTMのほうが実際の性別は非常にわかりにくい。男性は骨格が女性と違うので女性ホルモンで多少まろやかな線が出ても、全体的にはやはり男だとわかる人が多い。だが、女性が男性ホルモンを得て筋トレなどして筋肉隆々になったりすると、意外と男性として通ってしまう人が多い。
で、今回のノースカロライナ州の法律では出生届けの性にあった施設を使うとあるそうで、だとすると髭もじゃの筋肉隆々のどうみても男性にみえるFTMも女性私設を使用しなければならなくなるという理屈だ。
だが、はっきり言ってこういうのは重箱の隅をつっつくような理屈だ。どちらでも自分の外見にあった私設を使えばいいではないか。
今はどちらのトイレを使っているのだ?
トランスジェンダーリズムは別に今にはじまったことではない。もう30年以上も前からホルモン治療とか性転換手術は行なわれていた。これらの人々は特にトランスを守る法律などなくても普通に暮らしていた。ノースカロライナの法律はトランス女を装った痴漢に女性が襲われたりするのを防ぐことが目的なのであり、トランス男が男子トイレに入るのを禁止したり、女子トイレ使用を強制したりすることが目的ではない。誰もトイレの前で出生届をチェックしたりするわけではないのだから回りに迷惑のかからないように好きなほうに入ればいいだろう。
ミスター苺は、トランスジェンダーがどちらのトイレを使うかということは、実はトランス保護トイレ法を推し進めている左翼リベラルにとってどうでもいいことなのだという。本当の目的は常に一般の人々を不安定な状況におくことにある。トランスジェンダーは今のところその道具とされているだけだ。


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幼児のトランス治療は幼児虐待という声明文に物申す!

先日紹介したアメリカ小児科医学大学(ACP)の幼児期におけるトランス治療は幼児虐待だという声明文早くも反論が載ったので紹介しよう。

まずこの反論はACPが小児科医の団体を装った反LGBTのヘイトグループだと断定している。どうして左翼リベラルが議論するときは相手側を単に「意見の違う人々」とせず「憎しみを持つ人々」というふうに表現するのだろうか?幼児の身の安全を守るという立場は同じでも、単にそのやり方が違うだけだという考えはまるで受け入れられないらしい。常に自分らのやり方が最善なのであり、それ以外のやり方はあってはならないものという左翼リベラル特有の奢りである。

反論の著者はザック・フォード。記事の載ったシンクプログレスというのは極左翼サイト。フォードによると私がアメリカ小児科医大学と訳したThe American College of Pediatricians (ACP)という団体はまともな小児科医の団体ではなく極右翼の政治団体で、その会員数せいぜい300人なんだそうだ。ACPを会員数6万人の正規の小児科医師会ザアメリカンアカデミーオブペディアトリックス(the American Academy of Pediatrics)と混乱すべきではないとしている。

たしかにフォードのいうとおりACPは医師会というより小児科医300余名で成り立つ保守派市民団体だといったほうがいいだろう。だがそうだとして、彼らの言っていることが間違っているかどうかはまた別である。フォードに言わせるとACPの声明内容はすでにその間違いが証明されているものばかりだと主張する。

まずフォードはACPはすべてのトランスジェンダーが精神病患者だと決め付けているが、ACPが引用しているDSMでは全くその正反対のことが書かれているという。まず下記は先日私が書いたACP声明の意訳だが、

一個人が自分が別のものであるように感じるというのは混乱した思想である。医学的に健康な男児が女児であると信じたり、医学的に健康な女児が男児であると信じたりするのは、客観的にみてこれらの子供たちの心の根底に精神的な問題が存在するものであり、そのように治療されるべきである。これらのこどもたちは性別齟齬(GD)もしくは(GID)と言われる精神病でアメリカ精神医療鑑定と統計教本(Diagnostic and Statistical Manual of the American Psychiatric Association (DSM-V))にも記されている。

まず、ACPは性別を混乱している子供たちがすべて精神病患者だとは言っていない。それはフォードの勝手な歪曲である。ACPは単に、性別を混乱して悩んでいる子供たちは心を病んでいるのであって身体の病気があるかのような外的な治療をすべきではないといっているのだ。

DSMには、生まれた性に適応しないということ自体は必ずしも精神病とは言えないとされ、自分が異性だとはっきり主張し、それを悩んでいる場合のみ治療されるべきだと書かれている。

もともとACP声明は思春期を遅らせるホルモン投与治療を受けるような子供たちについて書かれているわけで、病気でないなら治療など必要ないはずだ。治療を受ける必要がある以上こういう子供たちは必然的にGender Dysphoria= GD(性別齟齬)という診断がされてしかるべきだ。

トランスジェンダーが病気ではないなら何の治療も必要ない。だとすれば子供たちが単に異性っぽい嗜好があるからといって親が悩む必要はない。危険なことや違法行為に至らない限り好きなようにさせておけばいい。どうせ思春期がくればGDと診断された84%の子供たちが自分の性を受け入れるようになるのだから。

フォードは『84%以上の子供たちが、、、』という「神話」はすでに「間違っていると証明されている」調査結果を基にしたもので、この数字は全く正しくないと言い張る。

フォードがいうに、この調査の対象となった子供たちはGDと診断された子供たちだけでなく、単に自分の性に違和感を持っているというだけの子供たちも対象にされていることと、対象となったサンプルの数が少なすぎる点などをあげ、この調査結果は無効であると断言している。

フォードは「間違っていると証明されている調査」というのを直接リンクせず、その調査の誤りを完全に暴露したとされる記事にリンクしていたので、カカシはそこからまたリンクをたどって元々の調査のリンクにたどり着いたのだが、そのサイトに載っているのはアブストラクト(摘要)だけだった。しかし、そのアブストラクトを読む限り、幼年期にGDと診断された10代の子供25人を対象に調査を行なったとあるので、フォードがいうGD以外の子供も対象にされているというのは嘘である。また対象数が少なすぎるというのも、GDそのものが非常に珍しい病気であるから一つのクリニックでGDと診断された子供のうちアンケートに答えてくれた人だけという非常に限られたサンプルしかないのは仕方のない話だ。

それにしてもひとつのクリニックでGDと診断された25人のうち21人もの青年たちが思春期を過ぎたら症状がなくなってしまったと証言しているということは決して無視できない。フォードが言うような調査のやり方に問題があるとは思えない。よしんば調査のやり方に問題があったとしても、調査結果が間違っていると断言することは出来ない。であるからすでに「間違っていると証明されている」というフォードのほうこそ間違っている。

次に、フォードはACPがいう「異性ホルモンを摂取したり性適合手術を受けた大人の自殺率は一般人の20倍にも登る。」と書いていることも「神話」だと言い張る。これはスエーデンでの調査からくるものだが、フォードはこの調査では異性ホルモン摂取や性適合手術が自殺に結びついているとは書かれていないと主張する。たしかにそうである。だが、ACPもこうした治療が直接自殺に結びつくとは書いてない。他人が言っていないことを、こんなバカなことを言ってる、といって反論することを藁人形議論というのだ。

さて、でそのスエーデンの調査というのはどういうものだったのかというと、カカシ自身がすでに紹介しているのでそこから抜粋する。

2011年にスエーデンのカロリンスカ研究所が発表した調査によると、性転換手術をした324人の患者を30年間に渡って追った結果、手術後10年ぐらい経つと精神的な問題がどんどんひどくなることがわかった。しかも恐ろしいことにこうした人々の自殺率は普通の人の20倍にも及ぶという。なぜ手術を受けた人々の間でこんなにも自殺率が多いのかはわかっていないが、年を取るにつけ自分が社会から受け入れられずに孤立していくのが原因ではないかと思われる。

このとき、カカシも、

これだけみても性同一障害の治療をすぐに性転換手術に結びつけることの危険性が解るというもの。性転換手術が自殺の原因になったとはいえないが、手術が患者の心の病気の治療に効果的であるとはいえない。

と書いた。フォードは自殺の原因は家族や友達からの孤立や社会からの差別にあるという調査結果を紹介しているトランスの自殺率が高いということは誰もが認める事実であるが、その原因はひとつではないだろう。だが、以前にも書いたようにGDが病気ならば、ホルモン摂取や適合手術という治療を受けた人々病状が良化するどころか返って悪化しひいては自殺にまで及ぶとすれば、そして自殺率が健康なひとたちのそれと比べて20倍も多いということは、これらの治療はGDの治療として効果的ではないと結論づけるべきである。少なくとも最適な治療とは言いがたい。

またフォードはジョンホプキンス大学のポール・マックヒュー教授のことをアメリカで顕著な医師のなかでただひとりトランスジェンダー平等扱いを拒絶する医師だというが、カナダで幼年期のGD治療はこのましくないと発表して仕事を首になった小児科医もいる。このように考えている医師らは他にいくらでもいるだろう。だがその見解を発表すればすぐにLGBT社会から差別だヘイトスピーチだと批判され、仕事まで失いかねないので、大抵の医師たちは口ごもっているに過ぎない。

ま、左翼リベラルの反論なんてのはこんなもんだ。フォードや左翼リベラルが好き好んで使う「神話」とか「ディバンク(間違っていると証明される)」という言葉があるが、彼らのいう「神話」とは自分らが賛同できない学説のことであり、「ディバンク」とは単に自分らが嘘だ嘘だあ~!と声高に叫ぶことでしかない。

はっきり言ってフォードの反論は全く反論になっていないというのが私の感想。


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否が応でも対テロ戦争はもう始まっている!

10年くらい前にJRRトールキン著の指輪物語を映画化したピーター・ジャクソン監督のロードオブザリングスのなかで、攻めて来るオーク軍団を前に戦争に消極的なセオドン王が「戦争は好まない」と言うと、それに答えてアラゴンが「好むと好まざるとに関わらず、もう戦争は始まっている」と答える場面があった。いくら自分たちは平和平和と唱え、戦争は悪だ、戦争絶対に反対、と言ってみても敵が攻めてきたらどうしようもない。どのようなレトリックも自分たちを守ってはくれない。ヨーロッパは今やその時を迎えたのだ。
言ってみればジハーディスト(聖戦家=過激派イスラム教徒)はオークみたいなもんだ。オークには魂というものがない。奴らには普通の人間が持っている善悪の意識はない。彼らの感情は欲望を満たすことと嫌悪だけ。オークは完全なる悪だ。オークは獣以下だ。過激派イスラム教徒の信じるアラーはさしずめサウロンだな。
ベルギーのブルッセルがテロのアジトになっていることはもう何年も誰もが知っていた事実である。私のような苺畑に囲まれた田舎町でこじんまり零細ブログを書いてる人間ですらそんなことは知っていた。欧州からイスラム国に参加した戦闘員のなかでもベルギー人(ベルギー生まれイスラム教徒)が圧倒的に多いということだけ考えても、今回のようなテロが起きるのは時間の問題だったはずだ。それをベルギー政府が阻止どころか予測もできなかったということは、ベルギー政府の諜報そしきがいかに不能であるかを表すものだ。
しかし問題なのはベルギーだけではない。フランスにしろイギリスにしろデンマークにしろスエーデンにしろフィンランドにしろだ、全く羅列したら切りがないが、それをいうならアメリカだって過激派イスラム教を対象にしたテロ対策が全くなってない! ヨーロッパはこれまで油断しすぎていたといえるが、911を体験しているアメリカには言い訳がない。それなのにオバマ馬鹿王はブッシュ政権が設立した対テロ政策を次々に崩壊してきた。その結果がボストンマラソン爆破事件でありサンバナディーノ乱射事件をはじめとする数々の乱射テロ事件なのである。
それなのに、欧米の左翼リベラルたちの頓珍漢な反応は全くクルーレス!日本語で言えば空気が読めないって奴である。
世界中でイスラムテロが頻発している時に、左翼リベラル連中が一番心配なのはイスラム教徒へのバックラッシ、反イスラム教意識、いわゆるイスラモフォビアだというのだ。
何がバックラッシュだ!何がイスラモフォビアだ!大勢の人たちが殺されてるときに、誰がそんなこと気にするんだ!いい加減にしろ!
こういう風だからドナルド・トランプなんていうポピュリストが人気を呼ぶのである。
こういう大事なときにアメリカの大統領は何をやっていたのかといえば、共産主義のキューバで野球を観戦し、アルゼンチンでタンゴを踊っていた。さすがにこれは左翼リベラルメディアですら批判していた。
欧米の左翼リベラルたちによる「寛容」のプロパガンダがどれだけ欧米及び世界中を危機にさらしているか、回を改めて書きたいと思う。
ベルギーではブルッセル爆破事件の二日後に原子力発電所の警備員が殺され警備バッジが盗まれたそうだ。テロリストたちの次の標的は原子力発電所のようである。


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全国小児科医学大学トランスジェンダー思想は幼児虐待声明発表!

昨日(2016年3月21日アメリカ小児科医学大学(American College of Pediatricians)がジェンダー思想は子供を傷つけるという声明文を発表したこの声明は常識ではあるが、最近非常識がまかりとおるようになったこの世の中で、この声明発表は画期的なものである。カカシは何度も子供の性適合治療は幼児虐待だと説いてきた。しかしここにいたって著名な小児科医たちの公式な声明が出されたことは非常に喜ばしいことだ。

アメリカ小児科医学大学は教育者及び立法者らに訴える。こどもたちに薬品や手術による異性模写が普通の生活であると受け入れさせる方針のすべてを拒絶せよ。思想ではなく事実が現実を断定するのである。

同声明文は性やジェンダーについて幾つかの項目を挙げて詳しく述べているので簡単に紹介しよう。

  1. 人間の性は生物学上XYとXXという健康な遺伝子による二種類に分けられる。正常な人間は男子か女子のどちらかとして生まれるように出来ている。人間の性は二種類であるのは種の存続という目的のために出来た自然な形である。時として性器発達に異常のある人間が生まれることはあるが、これは医学的な奇形として認められており、第三の性ではない。
  2. 誰もジェンダー(性別意識)を持って生まれてこない。誰もが生物学的な性を持って生まれてくる。自分が男か女かという意識は社会的及び精神的な概念であり客観的で医学的な概念ではない。誰も自分が男か女かという意識を持って生まれてこない。この意識は発育の段階で叙々に培われるものである。この発育の段階で、どのような工程でもおきうるように、道を外れることはしばしばある。これは子供の主観的な見解や人間関係や子供時代の不幸な体験などに左右される。自分が「異性であるように感じる」とか「(男と女の)間に居るような感じ」という人々は第三の性を持つのではない。これらの人々が生物学的に男子であり女子であることに変わりはない。
  3. 一個人が自分が別のものであるように感じるというのは混乱した思想である。医学的に健康な男児が女児であると信じたり、医学的に健康な女児が男児であると信じたりするのは、客観的にみてこれらの子供たちの心の根底に精神的な問題が存在するものであり、そのように治療されるべきである。これらのこどもたちは性別異常症(GD)もしくは(GID)と言われる精神病でアメリカ精神医療鑑定と統計教本(Diagnostic and Statistical Manual of the American Psychiatric Association (DSM-V))にも記されている。
  4. 思春期は病気ではない。思春期を遅らせるホルモン投与は危険である。元に戻すことが可能であろうとなかろうと、このホルモンは思春期を迎えないことにより再生能力の未発達や他の病気を健康な子供にもたらす弊害がある。
  5. DSM-Vの調査によれば、性適合障害に病む男児の98%女児の88%が思春期を迎えると共に自分の性を受け入れるようになるという統計がある。
  6. 思春期阻止ホルモンによって異性模写をする子供たちは青年期を迎えてから異性ホルモンの摂取が必要とされる。異性ホルモン(テストステロンやエストロゲン)は健康体に高血圧や脳卒中や癌といった非常な危険を及ぼす薬である。
  7. 異性ホルモンを摂取したり性適合手術を受けた大人の自殺率は一般人の20倍にも登る。98%の男児や88%の女児が思春期以後自然に治る精神状態に対してこのような危険な治療を施す必要がどこにあるだろうか?
  8. 一生薬品や手術による異性模写が普通であると子供に信じ込ませることは幼児虐待に他ならない。(強調はカカシ)。性不適合が普通だと教育界や法制度をほどこすことは子供やその保護者たちを混乱させるだけであり、より多くの子供たちが「性適合治療医院」へ足を運び危険な思春期阻止治療を受ける結果を招く。このような治療は子供たちを生涯において癌誘性及び他の毒素を持つ異性ホルモンの摂取や大人になって不必要な整形手術を受ける結果をもたらすのである。

性適合障害は精神病だと主張したフェミニストが講壇の場を失くしたり、トランスジェンダーだといって男子金メダル受賞者がスターとしてもてはやされる狂った時代だが、人間は男子と女子の二つの性で成り立っているという科学的事実は変えることはできない。幼子を持つ親たちが早急にそれに気がついてくれることを祈るものである。


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イギリスの著名人たち、全国学生連盟(NUS)の言論弾圧に抗議デモ

昨日紹介したイギリス(及びカナダやアメリカの)ノープラットフォーム(講壇拒否)という言論弾圧政策について、ついに我慢しきれなくなったイギリスの学者や著名人たちが17日、全国学生連盟事務所(NUS)の前で抗議デモを行なった。
デモの音頭をとったのは昨日ヨーク大学での講演を拒否されそうになったゲイ活動家のピーター・タッチェル。参加者は哲学者のACグレイリング、科学者のリチャード・ダウキンス、そして作家のサルマン・ラシディーなど際最たる面々。著名な学者や作家とともに60人あまりの学生たちも参加して、狭いロンドンの街角でタッチェルはメガホンを使って言論の自由の大切さを説いた。
はっきり言って保守派の言論がイギリスの大学で弾圧されて久しい。今回のようなデモはもっと早く起きるべきだったのだが、遂にノープラットフォームが左翼リベラルの言論弾圧につながったことから人々の目が覚めたようだ。
もともとノープラットフォームは「ファシストや人種差別者に講壇の場を与えない」という建前だった。しかし、昨日も書いたように、ファシズムだの人種差別だのといった定義は決断者の独断でどんどん変化していく。たとえばモスレム野蛮人による欧州女性たちへの共謀な性犯罪について言及すると「イスラモフォビア」の汚名を着せられる。その人物が何十年にも渡って反モスレム移民差別運動をしてきた功績など完全に無視されるといったように。ファシストとかレイシストと言った言葉は、もうその言葉の本来の定義とは関係なく単に相手を沈黙させるための侮蔑語へと変化してしまった。であるからノープラットフォーム政策は単なる勢力争いの道具と成り果てたのである。
ノープラットフォームこそがファシズムそのものの方針なのである。
さて、著名人たちが立ち上がった背景にはモスレムの台頭がある。欧州のモスレム移民たちは周到に欧州の左翼リベラル思想をうまく起用して自分らの権力強化に悪用する。
タッチェルはNUSが最近イラン人で共産主義フェミニストのマリアム・ナマズィーが無宗教学生ソサエティー主催の講演を拒否されたことについて、

「イスラム過激派たちが自由に演説することは各大学で許されているにも関わらず、我々革新派が反対意見を述べることはことごとく拒否されるか規制されるかしている。

「我々は『イスラモフォビア』であるとか『憎悪を扇動している』などと歪曲した批判を浴びている。だが実際には我々こそイスラム過激派の持つ背信者や女性やLGBTやユダヤ人や穏健派イスラム教徒への憎悪に挑戦しているのだ。
「我々は偏狭心に反対し言論の自由を守る。我々はNUSや他の学生連盟もそうすることを訴える。言論の自由は人権の根本的な権利であり、守る価値があるのである。」

また、タッチェルはアメリカ創設の父トーマス・ジェファーソンが言った「悪い言論に立ち向かえるのは良い言論だ。」とも語った。
こうした大学では「安全」という言葉を歪曲して使い、大学は生徒たちにとって「安全地帯」であるべきなので、生徒たちは危険思想から守られるべきという建前を主張する。だが、たとえばチャールズ・へブドを支持するといったTシャツを着て構内を歩き回ればモスレム学生が危険を感じるという理由で禁止されても、イスラム教徒特有の服装がユダヤ人学生にとって危険を感じるから禁止すべきなどということには絶対にならない。こうした規制は常に誰が権力を持っているかで決まるのであり、公平な施行などあり得ないのである。
NUSのメーガン・ダン会長は新聞やテレビでの報道は歪曲されてNUSの目標は言論弾圧にあるかのように報道されているが、実はそれは真実からかけ離れたものだと語る。

「日ごとの現実はメディアの注目をどう集めるか長けている人たちの言っていることとは違います。彼らは学生連盟がどのように機能しどのように決断を下すのかについて語り合おうとしません。構内では毎年何千という講演が行なわれています。公開討論は学生連盟の真髄です。
「一般の学生や教授たちはピーター・タッチェルなどの著名人のような(幅広い)講壇はありません。私たちは皆私たちの意見を聞いてもらう権利があります。非常に広い講壇のある人たちが私たちを弾圧するというのは非常に皮肉です。」

自分らの独断で人々の演説の場を奪っておいて、その決断について拒絶された人々が「語り合おうとしない」といえるところがずうずうしい。また、人々に講壇を場を与えよと訴えることが「弾圧する」ということになるといえるところがさすが本当のファシストだけある。


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ノープラットフォームやヘイトスピーチは言論弾圧の合言葉

日本に「ヘイトスピーチ」という嫌らしい英語がアメリカから輸入されて久しい。だが今度はイギリスで始まった「ノープラットフォーム」という新しい言論弾圧の言葉を紹介しよう。この忌まわしい言葉は最近カナダやアメリカでも広がっている。

先ずプラットフォームというのはこの場合「講壇」という意味を持つ。その前にノーをつけることによって「講壇を与えない」という意味になる。このノープラットフォームには「アンセーフ(安全ではない)」という言葉がつき物で「安全ではない人間に講壇を与えない」というふうに使われる。きちんとした日本語に訳すと「危険思想を持つ人間に講演の場を与えない」という意味である。

しかしこの「アンセーフ/危険思想」というのが曲者で、要するに極左翼の思想に合わない思想ではあるが、左翼でもどこまで左翼でなければならないのかという枠がどんどん広がるため、10年前なら左翼の神様みたいだった人でも現在の左翼思想に追いつけないと、ある日突然「危険人物」のレッテルを貼られて講壇を取り上げられてしまう。こうして誰かの講壇を取り上げる行為を「ノープラットフォーミング」というが、この言論弾圧行為は左翼リベラルな大学構内で非常に奨励されている。

左翼連中がデイビッド・ホロウィッツやパメラ・ゲラーやベン・シャピーロといった保守派の言論弾圧をするのは理解できるとしても、実は最近のノープラットフォーミングは左翼同士の間の内部争いに使われることが多くなった。これまで左翼リベラルの大御所だったフェミニストやゲイ活動家までもが危険人物としてノープラットフォームの対象になっている。

たとえば、イギリスのヨーク大学で、ゲイ人権活動家のピーター・タッチェルがトランス批判をしたフェミニストの大御所ジェメイン・グりアーを支持したことで「トランス恐怖症」で「人種差別者」だと責められて全国学生連合(NUS)代表者から競演を拒まれるという例などがその典型だ。タッチェルが何十年にも渡ってゲイやトランスの人権運動に力を注いでいたことなど完全無視。トランス批判は断じて許すべからずという態度で本来ならLGBTの恩人みたいな人でもノープラットフォームである。また、長年に渡って人種差別排斥運動をつづけてきたニック・ロウレスがイスラム教徒によるイギリス少女性奴隷について批判したことを理由に「イスラモフォビア」の「人種差別者」としてNUSはノープラットフォーミングした。ロウレスが長年に渡って反モスレム差別運動をしてきたことは完全無視である。

しかしノープラットフォームは言論弾圧ではないという意見もある。
添付したサイトのエッセーを読んでみると、名声ある組織や個人が社会的に受け入れられない思想を持つ人間に講壇の場を与えたり講壇を共にしたりすれば、その人間を正当化する恐れがある。だから組織には彼らの壇上の場を奪う権利があるというのである。

確かに講壇の場となる組織が私設のものであればその通りだ。キリスト教の教会がイスラムのイマームに講壇を与える義理はない。また、黒人教会がKKKのメンバーに演説の場を与える必要もない。だが、実際にノープラットフォームの場になるのは公立の大学であったり市の公民館であったり公園だったりする。こうした公共の場における特定の思想を持つ人々による講演を禁じることは政府による言論弾圧に他ならない。

サイトの著者は誰でもどんな思想を持つのは自由だが自分が好む場所で常に演説できるとか誰かに無理やり自分の演説を聞かせる権利はないという。それは確かにそうだ。だが、もし演説者の意見が実際に聞く価値のないほどひどいものであるならば、放っておいても観客は集まらないだろう。主催者側も人気のない演説者の講演などキャンセルせざるおえなくなる。それが続けば自然とその演説者の講演は行なわれなくなる。演説者の意見が聞く価値がないほどひどいかどうかは観客となる人々の判断に任せればいいではないか?

だいたい聞く耳持てないほどひどい意見という基準は誰がつくるのか?その例をあげてみよう。

あるフェミニストが男性による女性への暴力を批判するにあたり、加害者がモスレムだったことを指摘するとイスラモフォビアとなってノープラットフォーミング!

ある講演者が女性を強姦から救うべしと演説した際に、だが大学構内における強姦の数は誇張されていると批判すると強姦奨励者ということになりノープラットフォーミング!

男子学生の自殺防止について演説しようとしたリポーターが男女差別と言われてノープラットフォーミング!

つまりだ、聞く耳持てないほどひどい意見というのはその場において権力ある人間の独断で決まる。権力者の気に入らない言論が沈黙させられるなら、それこそ言論弾圧の定義そのものである。ノープラットーフォーミングはまさしく言論弾圧以外の何者でもない。


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トランプにも言論の自由がある!それが自由社会というものだ!

先日トランプの演説会が左翼過激派の抗議者らによって暴力で阻止されるという事件が起きたばかりだが、今日のドラッジの見出しでもアリゾナ州フィニックス市で行なわれるトランプ応援ラリーを阻止しようと左翼連中が道を封鎖しているという記事が一面に載っている。私はトランプは大嫌いだが、こういう言論弾圧行為はもっと嫌いだ。トランプがどれだけ嫌な奴で暴言を吐きまくってる暴漢でも、奴には言論の自由というアメリカ憲法で保証されている権利があるのだ。そしてどれだけ惑わされているとはいえ、トランプ支持者たちにもトランプの演説を聴く権利があるのだ。
トランプのラリーで暴力沙汰が起きるたびに、左翼連中がラリーを妨害して暴力沙汰を犯しているのに、トランプが悪い、トランプが暴力を扇動している、という批判が起きる。トランプは被害者で加害者ではない。なぜ被害者を責めるのだ?左翼連中は常に自己防衛の「自己責任」を唱える保守派に向かって「被害者を責めるな」と命令するくせに、自分らの暴徒が反対派の言論を暴力で弾圧しようとする行為は左翼に暴力を煽るような言動をする被害者が悪いという。まったくご都合主義だ。
無論トランプにも悪い面は多いにある。トランプのラリーを邪魔しに来た抗議者を殴ってやりたいといってみたり、抗議者を殴った人の弁護費用を払ってやるといってみたり、キャンペーンマネージャーが女性リポーターの腕を掴んだり、ブローカーコンベンションになって自分が選ばれなかったら暴動が起きると脅してみたり、といったようにトランプ自らが暴力を煽るような発言をしていることは否めない。そういう行為は大いに批判されてしかるべきだが、だからといって暴力でトランプを阻止する行為は自由社会のアメリカにおいて決して許されてはならない。
最近、イギリスとかカナダでは「ノープラットフォーム」という言葉が流行りだしている。アメリカでも大学キャンパスなどでは使われ始めたが、これは特定の人に発言の場を与えないという言論弾圧行為である。それに関する話は長くなるので回を改めて書くことにしよう。


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やっぱりブローカーコンベンションしかないのかな?

先日のスーパーチューズデイ2という共和党の大統領予選で5州のうち4州を勝ち取ったドナルド・トランプ。これにて地元のフロリダを惨敗したマーコ・ルビオが脱落。これで残るはトランプ、クルーズ、ケーシックの三人となった。ケーシックは地元オハイオ州を勝ったのみで他に勝った州はひとつもない。今後も勝つ見込みは全くない。つまり共和党の候補争いは事実上トランプ対クルーズの一騎打ちとなったわけである。
代議員数の内訳はというと、
トランプ 673 
クルーズ 411
ルビオ  169
ケーシック 143
代議員の合計数は2472、そのうちの1237票を獲得しないと候補者には選ばれない。
もしコンベンションまでに誰も1237票を獲得できない場合には、コンベンションで投票が行なわれ、最初の票は代議員が指定された候補者に入れなければならないが、二回目からは他の候補者に入れてもいいことになっている。それで何度か投票を繰り返して誰か一人が1237票獲得したらそれで候補者が選ばれる。
ルビオはリタイアしたので代議員は残った候補者の誰に投票してもいい。ルビオ支持票がどのように割れるか興味深い。
確かにトランプは今圧倒的な勢いではあるが、ルビオが抜けた今、ケーシックの支持も減るだろう。となるとルビオとケーシックの支持者たちがどれだけ団結してクルーズを支持するかにかかっている。もしも支持者たちがトランプの勝利は間違いないものとして、完全にクルーズを見放してしまえばそれで終わりだが、どうしてもトランプには候補はもちろん大統領にはなってもらいたくないと思っている人が多ければ、クルーズは第一志望ではないが支持するとなってくれればトランプの独走を止めることはできる。
クルーズがコンベンションまでに最低票集められる可能性は低い。だが、どちらも最低票を得られずブローカーコンベンションになる可能性はまだまだある。我々反トランプに残された道はそれしかないのかもしれない。
ところでトランプはものすごい反日なんだそうだ。バブル時代に日本に敵意を抱いてそのままひきずっているらしい。トランプは不動産が専門なので当時の日本企業とは不動産を巡ってずいぶんやりあったのだろう


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トランプ支持のブレイトバートニュース、トランプスタッフの自社記者への暴力行為を軽視

アップデートあり。
先日、トランプの選挙運動ラリーで取材をしていた女性記者がトランプのキャンペーンマネージャーに腕を掴まれて引き倒されそうになるという事件が発生した。被害を受けた記者はトランプ陣営から何の謝罪もないどころか、かえって彼女が事件をでっち上げたと責め立てた為、本日になって刑事犯罪として被害届を出すに至った。
被害届を出したのはブレイトバートというオンラインニュースのミッシェル・フィールド記者。加害者はトランプのキャンペーンマネージャーのコーリー・レオンドスキー。フィールド記者は事件直後、上司にその旨を報告。上司はトランプ陣営に連絡して謝罪を要求。ところがトランプ側は被害者の証言は虚実であると発表。トランプ自ら被害者記者の評判落としに取り掛かった。被害者側のブレイトバート上層部はなんと自社の記者を弁護するどころかフィールド記者の報告は大げさだったと発表。同僚記者らによる被害者記者への支援ツイートを慎むようにとさえ勧告した。これに怒った同社のカート・バーデラ報道官が抗議のためブレイトバートを辞任。テレビのインタビューでブレイトバートはあからさまにトランプ支持だと批判した。
ブレイトバートは保守派オンラインニュースとしてここ数年評判を上げてきたサイトだが、今回の大統領選挙に関してはトランプ贔屓が目立っている。編集者の一人であるベン・シャピーロが反トランプであることを除けば、同サイトはかなり親トランプである。トランプ陣営との円満な関係を保ちたいという考えからなのか、ブレイトバート上層部のフィールド記者への態度は冷たい。
一方ミッシェル・フィールド記者は掴まれた腕の青あざをツイートで公開。事件はワシントンポストの記者が一部始終目撃しており、事件直後のフィールドとポストの記者の会話の音声テープも公開。またC-SPANのビデオでも、わかりにくいとはいえレオンドスキーがフィールドに後ろから近寄る映像が録画されている。
それにしても何故トランプは事の真相がはっきりしないうちからフィールド記者攻撃にかかったのか。大統領候補としておよそあるまじき態度である。
フィールド記者はベン・シャピーロの支援に感謝していると語っているが、ブレイトバートがトランプ一色になるならシャピーロが編集者を辞任する日も近いだろう。
アップデート
この記事を書いたその晩(3・13・2016)フィールドとシャピーロはブレイトバートを辞任した。フィールドの辞任は明らかだが、シャピーロの辞任の理由はブレイトバートがトランプ応援団と化したことに耐えられなくなったからだというもの。


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トランスジェンダーポスターボーイ(ガール?)が共和党支持で口から泡のリベラルたち

オリンピック金メダル受賞者で一年前にMTFトランスジェンダーとしてカムアウトしたケイト(ブルース)・ジェナーが共和党支持であることは周知の事実だったはずだが、最近ジェナーが共和党大統領候補の一人テッド・クルーズを支持しているとか、民主党候補の一人ヒラリー・クリントンを厳しく批判したことなどから、トランスコミュニティーやリベラルの間からジェナー叩きが始まった。トランス活動家のゾーイなんたらいうMTFが{誰かジェナーはトランスジェンダーだと思い出させるべき」などと批判した。トランスジェンダーだったら自動的にリベラルでなければならないという考え。ここにアメリカ左翼リベラルのアイデンティテイーポリティクスの真髄がある。
ジェナーはカムアウトした途端に一躍トランスコミュニティーのポスターボーイもといガールになった。単に胸に偽乳房を入れて顔整形してドレス着ただけで、50年以上も男性陸上競技金メダリストとして生きていた男が突然女性として多々の(女性の)賞を受賞するに至った。勇気ある行為と左翼リベラルはジェナーをちやほや褒め称えた。
ところがジェナーはトランスジェンダーとしてのステレオタイプにはまらない。そりゃそうだ、共和党支持の政治的に保守な男が豊胸手術うけてドレス着たら左翼リベラルに変わると考えるほうがおかしい。しかもジェナーは去勢手術は受けていないし受ける気もないと語っている。
私が最近注目しているイギリス人のゲイ保守派タレントのミロ・イアノポウラス(Milo Yiannopoulos)が以前に、イギリスではゲイだとカムアウトするよりゲイで保守党支持とカムアウトするほうがよっぽども危険と言っていたが、アメリカでもそれは同じ。左翼リベラルが支配する芸能界などでは特にそうで、仕事から干されたくなかったら保守派タレントは自分の政治的な意見についてはだんまりを決め込むのが懸命。
ゲイだったら、トランスだったら、女だったら、有色人種だったら、左翼リベラル思想を持つべき、そうでない人間は裏切り者の背信者として排斥もしくは暴力的な攻撃を受けるべしというのが左翼リベラルの思想だ。どうりでモスレム野蛮人たちと気が合うわけだなリベラルは。
しかしジェナーの場合、人々の注目を浴びたくてトランスジェンダーになったのだろうに、共和党支持だなどとおおっぴらに発言してしまうと彼主演のリアリティーテレビの視聴率に支障を来たすのではないだろうか?芸能界のパーティにも招待されなくなるのでは? 
それとも人気がなくなったらまた普通の男に戻るつもりなのかな?


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