オバマ教書:決断を下さずに成功する五つの方法

オバマ王がアフガニスタンへの増兵にしても、BP原油漏れにしても、大事な時に断固たる決断を下さず、いつまでもぐずぐずしている点について、カカシはずっと批判してきたが、ビッグガバメントのロバート・ローリーが、オバマには彼なりのドクトリンがあるのだという。ではオバマ教書、決断を下さずに成功する五つの方法をここで紹介しよう。

  1. ステップ1、何もするな!政治的に何もしないでいることが無理になるまで兎に角なにもしないのが一番。やたらにリーダーシップを発揮したりすると自分がアホで未経験だという弱点をさらけだしてしまう。早々に着手した方が長い目でみたら有利かもしれないが、決断を下すのは難しいし、成功するかどうか怪しい。慌てて決断を下せば間違えること必定。2012年の選挙で「敵」にその間違いを利用されたら大変だ。ここはじっくり落ち着いて何が起きるか出来るだけ長く見守るのが懸命。アメリカ市民はが無行動の大統領を辛抱強く見守るのは事の重大性にもよるが、テロ行為ならだいたい30日、天災なら2〜3ヶ月は時間稼ぎが出来る。大抵のことは無視していれば自然となんとかなる。それでも駄目だった場合は第二段階へ移る。
  2. ステップ2は、あやふやだが聞こえのいい声明を発表すること。これでだいたい二週間くらいは時間が稼げる。大抵のことは何もしないでも自然と解決していくものだが、いくら待っても問題が解決せず、自分のやりたい「アメリカ再建設」が邪魔されている場合には、ここはひとつ大統領らしい姿勢を見せる必要がある。とにかくアメリカ市民に何もかもきちんと段取り済みだと訴える。 自分の観客は単純で大統領の複雑な仕事内容など理解できないのだから、市民が安心するような演説をすることを心掛けることが大切。二つ三つ自分がいかに真剣に物事に取り組んでいるかという口調で寛容性を訴え人々の心を和らげる。具体的なことは一切はなすべからず。はっきりとしてるような口調でなるべくあやふやな声明に努めること。有権者に対して問題は深く吟味され気象学者であれ弁護士であれ専門家がきちんと担当しているので問題ないと強調する。それでも駄目なら軍隊の将軍を持ち出せ。将軍の横に立って制服の恩恵に授かろう。国民に正しい道が開かれるまで行動には移せない事を強調。特にテロ行為の場合には気の触れた男の単独行為を持ち出すのと効果がある。
  3. ステップ3は、ステップ2で出した声明を繰り返して発表する。ただし今回はもう少し詳細を述べる。 気の触れた男の単独行為に云々は諦める。ステップ2と違って今回の声明はせいぜい五日程度の時間稼ぎしか出来ないので、すぐにステップ4を考える必要がある。
  4. ステップ4、休暇を取る。アメリカ人は家族団らんで休暇を取っているイメージを好む。こういう非常時こそ休暇を満喫すべき。特に高級で交通手段があまりない辺鄙なところを選ぶといい。交通の便がないためアメリカメディアも取材しにくいの都合がいい。外国、特に南米とかアジアが適切。海外に出るのが世論や非常事態によって不可能な場合には、門のある高級住宅地の一角を借りるという手もある。値段は高くつくが、プライバシーが保てる。常に休暇からは一人で家族より一週間早めに帰るとよい。これによって家族との団らんの時間を犠牲にして仕事についやしているという印象を与える事が出来る。妻子には続けてたのしい休暇を楽しませることによって、いかに自分が家族思いの夫であり父親であるかを強調することができる。
  5. ステップ5、何か決断を下したようにみせかけて部下に責任を取らせる。ステップ1から4を行った後でも問題が解決しないようであれば何かしらの決断を下す必要がある。非常に残念なことではあるが、どのような決断にも失敗はつきものである。そんな場合、失敗から身を守るためには自分は背後に立って部下に指導権を与え直接の責任は部下に取らせるようにする。自分では直接何の決断も下さず軍事危機なら防衛庁長官に、経済危機なら連邦金融議長に、天災ならFEMAの科学チームにといったように、専門家の判断に任せる。メディアには自分の適切な判断んを充分に報道させ、何か都合の悪い結果が出た場合には部下のせいにして自分は責任逃れをする。実際にどういう結果が出ようとも、メディアさえ味方につけておけば成功間違い無し。自分の肩を叩いてよくやったと教書演説で自慢する。

これらの教書に従う事によって、オバマ王は全く個人的責任を取らずにアメリカの大統領として君臨することが出来る。オバマ王の支配下にある国民は苦労し、国民の不満が貯まって国内で紛争が起きた場合はステップ1を参考にする。


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アラブに自由社会を作る絶好の機会をみすみす見逃すオバマ王の情けなさ

土曜日のラジオ放送で、オバマ王はリビアにおける国際連合軍の作戦は成功していると語った。リビアの空軍は取り除かれカダーフィ側の軍は後退しつつあると。他国に戦争を仕掛けるのであれば、従来の大統領のように即刻ホワイトハウスから緊急演説をすべきだったのであり、それを戦争を始めて一週間以上も経ってから誰も聞いていない週末にラジオアナウンスなどしても意味がない。オバマ王は月曜日にリビア攻撃についてテレビ演説を行うとのことだが、今更なにをやってんだ、という感じだ。
何度も言うが、カダーフィはアメリカにとって長年の宿敵である。そのカダーフィに反対して奮起を翻したリビア国民をアメリカが応援するのは当たり前の話だ。何も国連から尻を叩かれるまでもない。リビアを自由国にする絶好の機会であるからアメリカは援助すべきなのだと議会に訴えれば、議会も決して悪い顔はしなかったはずだ。しかるにオバマ王は議会に相談もせずに国連の条例だけでそれこそ勝手にリビアで戦争を始めたのである。これは明らかな違憲行為だ。
しかも、リビア空爆の指揮を取っているのはアメリカ軍ではなく、国連の訳の解らない委員会である。
昨日、アルカイダが反カダーフィ勢力に近づいているというニュースを読んだ。反カダーフィの紛争が起きたときに、アメリカが率先して反乱勢力を大々的に強く支持し即座に援軍を送っていたならば、リビア市民を親米にし、リビアに自由国家を作れる可能性は充分にあった。だが、ぐずぐずしているうちにオバマ王はイスラム過激派テロリストのアルカイダに付け入る隙を与えてしまったのだ。これではせっかくアメリカ空軍を使ってカダーフィを倒しても、単に反米のテロ国家を増やしただけで何の意味もないどころか、かえってカダーフィリビアよりやっかいな国が出来てしまう事になる。指導者が迅速な決断を下さないと世の中はひどいことになるといういい例である。
今、中東やアフリカのアラブ諸国では、エジプトのムバラク大統領失脚に勇気づけられた市民が長年自分たちを圧迫してきた独裁者相手に紛争を起こしている。イエメン、シリア、イラン、バハレンなどで次々に反政府紛争が起きており、サウジとイランの間では戦争が起きそうである。これらの国々の独裁政権が倒れることは、自由社会の我々としては歓迎すべきことではあるが、それに替わってどのような政権が立てられるのかによっては、我々にとって善くも悪くもなる。
独裁者を倒した後の社会が自由主義な現代的な社会になってくれれば助かるが、イランのような宗教国家になってしまったり、アルカイダが仕切るテロ国家になってしまったりしたら大変なことになる。
ここはひとつ、アメリカ大統領が指導力を見せてリーダーシップを発揮して、アラブ社会の自由化のために人肌脱ぐのが筋と言うもの。それを国連に言われてちまちま空爆して、しかもその空爆の指揮もとっていないなんて、アメリカ大統領として前来未聞な情けないていたらくである。ジミー・カーターでさえここまで腰抜けではなかった。
この大事な時にオバマ王のような能無しを大統領にもったばかりに、世界はアラブ諸国が自由な現代社会になれる絶好の機会が指の間からこぼれていくのを、みすみす手をこまねいて見ていなければならないのである。
あ〜情けなや!


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ロンドン、予算削減を巡って50万人のデモがアナーキストに乗っ取られて大暴動に発展、機動隊も出動

昨日、政府の予算削減に反対した50万人を動員するデモが行われたが、デモはすぐに顔にスキーマスクなどを被ったアナーキストたちに乗っ取られ、高級品を売る商店やホテルが襲われ、銀行などの窓ガラスが割られた。
ニュースによると、暴動を起こしたのはデモを行っていた主流グループとは別で、最初から暴動を起こすためにデモに参加していたようだ。デモ行進が平和的に行われている最中に、数百人の暴徒が火炎瓶やペンキを投げるなどして、ロンドンで有名なランドマークを中心に破壊にかかった。
何百人という暴徒がリッツホテルを占拠、ペンキや煙爆弾を使ってポルシェのショールームを破壊、フォートラム&メイソンデパートは1000人の暴徒に占拠された。
デイリーメールに写真が沢山載っているので参照のこと。


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通過して1年、日に日に明らかになるオバマケアの問題点

この間からツイッターで、私の、高額な税金や政府の無駄遣いに関する批判について、どうも理解できないという人から立て続けに質問を受けているのだが、日本の皆保健に慣れて満足している方々には、オバマ大統領及び民主党がごり押ししたオバマケア国民皆保険制度に何故多くのアメリカ市民が反対なのか理解に苦しむのかもしれない。オバマケアは日本の皆保険制度とは違う。アメリカ市民が反対しているのは国民皆保険制度というよりオバマケアという悪制度であることをご理解頂きたい。
そこで、オバマケアが通過して一年、すでに現れているその悪影響についてアメリカンフォータックスリフォーム(税制度改正を求めるアメリカ市民)なる団体が掲げた、10の問題点を読んでみよう。

  1. 2011年1月1日から、職場を通じたFSAや個人のHSAといった、医療費専門預金口座から市販の薬を買うことは出来なくなった。
  2. 2010年7月1日から、アメリカ市民はタニングサローン(室内日焼けサロン)において、これまでより10%増しの消費税を払わされている。
  3. 2018年から「良過ぎる」もしくは「キャデラック(豪華過ぎる意味で)」とされる健康保険に入っている人には、保険に対して40%の増税が課される。
  4. オバマケアには21項目の新しい税金が盛り込まれており、向こう10年間で政府は五兆ドルの増税をすることになる。
  5. 2014年始めから、適格する保険に入らない個人や世帯には毎年罰金が課税される。
  6. オバマケアに含まれる7つの増税項目は、オバマ大統領が個人年収20万ドル以下、及び家族年収25万ドル以下の納税者の増税はしないという公約を完全に破る事になる。
  7. オバマケアによって固定資産税は2012年から23.8%となり、現在より59%の増税となる。
  8. 2013年には、税金控除の対象となる医療費の金額が減らされるため、高額の医療費支払いで一番苦労している人々にたいして、さらに高い税金が課されることになる。
  9. 2014年から、50人以上の従業員を持つビジネスは健康保険をすべての従業員に提供しなければならなくなる。それが出来ない場合には従業員の数に基づいて政府に罰金(税金)を支払うことが強制される。
  10. 2013年から、医療費専門預金口座に入れられる金額は2500ドルに限定される。現在、預金額の限定はないので、預金は様々な医療費の支払いに使われているが、特に年間1万4千ドルからする特別教室に通う子供達の学費などは、今後この口座から支払えなくなる。

オバマケアは健康保険改正などではなく、さらなる増税の手段である。しかも、オバマ政権に献金したマクドナルドの大企業や、オバマと仲良しこよしの労働組合や、オバマとコネのある個人などが次々にこのオバマケアから控除されている事実も忘れてはならない。
つまり、オバマ王は、健康保険制度を使ってアメリカ市民から自由を奪い、納税者にさらに高い税金を課し、大企業や組合から多額の献金を巻き上げようという魂胆なのである。これこそファシズムと言われてもしょうがない制度だ。
オバマケアが通過して一年、こうした問題点が明らかになるにつれ、オバマケアに反対する国民の数は44%に増えており、いまやオバマケアを支持するのたったの46%となった。(一年前は賛成49%、反対40%、解らない11%だった。)
前回の選挙で国民が民主党を見捨てて共和党議員たちを議会におくったのも、多数議席を握った共和党に、この悪法を撤廃し、民主党が課したあらゆる増税や予算無駄遣いをなんとかしてもらいたいという意向の現れだった。政府のやっていることに不満な場合、国民は選挙で気に入らない議員たちを取り除く。それがアメリカの代表制共和主義のやり方だからである。
共和党の議員諸氏にはそのことを充分に肝に命じてほしいものだ。


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オバマ支持派も心配、はっきりしないオバマ王のリビア政策

オバマ王政権が議会の承認なくして勝手にやっているリビア空爆に関して、オバマ支持派の民主党のなかからも懸念を示す意見が聞かれるようになった。
民主党のシャーロッド・ブラウン上院議員は、「このままリビアの国軍に対する攻撃が三週間以上続くとなると、議会では単なる心配どころか、不安と、もしくは怒りが生まれる可能性がある。」とMSNBCのインタビューで語った。
さらにブラウン議員はオバマ大統領は国民と議会にどういう結果を目指しているのかをはっきり説明すべきだとも語っている。
前回にも書いた通り、ブッシュ前大統領はイラク戦争の時に、民主も含めた議会からきちんと承認を得た後に攻撃を始めた。また、ブッシュ大統領は何度も国民の前にたち、なぜイラク戦争が必要なのか、イラク戦争によって何を獲得しようとしているのか、あらゆる場所で演説を行った。
リビアに関しては、レーガン大統領がリビアのカダーフィ官邸を空爆した時、レーガン大統領はその日のうちにホワイトハウスからテレビ中継の演説を行い、今、アメリカがリビアでなにをしているのか、そしてそれは何のためなのか、きちんと国民に説明した。
だが、オバマ王からは、空爆が始まって一週間になるというのに、まだ何の説明もない。それどころか、オバマ王はリビア空爆が進んでいるなか南米で謝罪訪問ツアーを行っていた。(国内からの批判に応えてツアーは途中で打ち切って帰国したが。)
無論ブラウン議員はオバマ支持者なので、リビア攻撃そのものを批判しているわけではない。米軍の空爆によって、リビアでは独裁者カダーフィによるリビア市民への大量殺人が妨げられたとしている。また、オバマが注意深く作戦を練り陸軍を出動させないとした方針は讃えられるべきだとも語っている。
カダーフィの国軍が打撃を受けたのは本当だが、カダーフィによる国民虐殺の威力は全然衰えていない。また、陸上軍のいない空爆だけの攻撃は戦略的にはあまり効果がないだけでなく、無関係な市民を巻き添えにする被害も多く出る。イラク戦争当時も、米軍の空爆について、そのことを民主党議会はかなり批判していた。
それに、陸上戦闘が行われない戦争では、90年代の湾岸戦争でフセイン政権が生き残ったように、カダーフィ一味が生き残る可能性は非常に高い。カダーフィはアメリカ及びNATOの弾がつき、西側世論が戦争から離れるまでの数週間を乗り切ればまだまだ自分の権力は維持できると思っているに違いない。
イラクの例でも解るように、攻めるなら政権交替があるまでやるべきであって、生半可な攻撃はかえって後々の始末が困難である。
はっきり言って、ブラウン議員の口調からはすでに懸念というより怒りが感じられる。議員はアメリカ軍はすでにイラクとアフガニスタンの戦争などで手一杯であり、アメリカ本土に直接の危険をもたらさない国への軍事行使は議会に承認を得るのが筋だと強調した。
これについては共和党のジョン・ベイナー下院議会議長が、オバマ王に対して質問状をつきつけているが、ブラウン議員はベイナー議長に賛成だとも語っている。
オバマ王がきちんと自分の立場を説明できないのであれば、民主党の間からもこうした批判が出てくるのは当然だろう。原油産出国での紛争はアメリカにも直接影響があることでもあり、不況が続くアメリカで国民の血税を使って戦争をするのであれば、それなりの説明が必要だ。


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ブッシュ前大統領のイラク開戦は違法だと騒ぎ立てたオバマ王、リビアにて議会の承認なしの憲法違反戦争を始める

ブッシュ大統領が始めたイラク戦争は、左翼リベラルの嘘出鱈目のプロパガンダとは裏腹に、国連の承認も一応得ていた(国連安保理条例が戦争を承認したかどうかは見解の違いはあったが)し, 国内における議会の承認を得たことは確かだった。しかもブッシュはアメリカ一国でイラク侵略を行ったどころか、イギリス、オーストラリア、日本を含む20数国の同盟国と連なって戦争に挑んだ。それに比べてオバマ王のリビア空爆はどうだ? ブッシュが得たよりずっと少ない同盟国、しかも国連の承認は得ては居るものの議会の承認を得るどころか、議会に相談すら持ちかけずにそれこそ勝手にリビアに攻撃を始めた。国内の憲法上においては、あきらかに違法行為だ。
断っておくが、私は決してリビア空爆には反対ではない。やり方によっては非常に効果のある攻撃になりうる。何度も言うがリビアのカダーフィはアメリカの宿敵であり、リビアの政権交替はアメリカにとっても有益なことだと思うからだ。しかしながら、現在オバマ王がやっていることには、いったい何を目的にどういう作戦を持ってリビアを攻めているのかという明らかな方向性が全く示されていない。
例えば、国連はカダーフィを直接攻める気はないという。では我々の敵とは誰なのだ?空爆は誰を狙ってやっているのだ?この戦争の勝利条件とは何なのだ? 防衛長官のゲーツ氏は、ある程度たったら戦争の主権を移譲する予定だと話しているが、誰に移譲するのかを明確にしていない。
アメリカはそれでなくても非常な財政難だ。石油生産国の紛争は好ましくない。何の方向性もなく、やたらに武器や軍隊を無駄遣いする余裕などないはずである。アメリカの損益に影響があると思われる地域での戦争ならカカシも反対はしない。だが、そうであるなら、オバマ王は軍隊の総指揮官として戦争の方向性と目的を明確に国民に説明すべきである。すくなくとも議会の承認を得るべきである。
それが出来ないなら、オバマ王が批判しまくったブッシュ前大統領の行動よりもひどいことをやっていると左翼リベラルから叩かれても文句は言えないだろう。もっとも信念のない左翼リベラル連中がオバマを批判するかどうかは、また別の話だが。


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福島第一原発で何が起きたのか?

今回の地震による福島第一原発の溶解はメディアや原発反対派が騒ぎ立てるほどひどい状態ではないようだ。いやそれどころか、今回のことで、きちんと設計され建築された原子炉は史上まれにみる強大な地震にも津波にも立派に耐えうるということが明らかになった。
パワーラインが科学記者のケニス・ハーパラによる福島第一原子力発電所に関するリポートを紹介している。福島第一原発において、いったい何が起きたのか、詳しい書かれているので、その一部から読んでみよう。ところどころウィキの説明からも引用する。(引用文は『』で示す。)
福島第一原発の六つの原子炉はすべてGE(ジェネラルエレクトリック)の二世代目デザイン、沸騰水型軽水炉である。一番古い軽水炉は1971年操業開始なので、すでに40年になる。チェルノーブルの原子炉と違って、福島原発は事故が起きた時に放射能を内部で隔離するデザインになっており、分厚い鉄の壁が圧力容器を覆っていることと、さらにその容器がもう一つの壁に囲われ、その上に外部からの天候から容器を守る防御壁で覆われるという三重の守りになっている。
この型の原子炉は『核分裂反応によって生じた熱エネルギーで軽水を沸騰させ、高温・高圧の蒸気として取り出す原子炉であり、発電炉として広く用いられている。炉心で取り出された汽水混合流の蒸気は汽水分離器、蒸気乾燥機を経てタービン発電機に送られ電力を生ずる。』
『原子炉の出力制御のためには原子炉内の中性子数を調整して反応度を制御することが必要である。停止状態の原子炉には中性子を吸収する制御材でできている制御棒が差しこまれており、核分裂反応に伴なう中性子を吸収して臨界状態にならない様にしている。原子炉の起動時、制御棒を徐々に引きぬく事で炉内の中性子数を増加させ、臨界から定格出力になるまで反応を上げてゆく。緊急時には全て挿入され、原子炉を停止(原子炉スクラム)させる。』
『沸騰水型原子炉 (BWR) は、冷却水の水量の増減による炉内蒸気ボイド(泡)の量によって短期的な出力調整が行えるため、制御棒は主に長期的な反応度の調整に用いられる。BWRは圧力容器上部に主蒸気系配管が通っているため、圧力容器の下方から水圧動作の制御棒駆動装置 (CRD) で炉心内に挿入される。緊急時には蓄圧タンクからのガス圧で炉心に全挿入される。』
ただ、原子炉が遮断された後でも燃料棒内での核反応は続いており熱を発し続ける。そのため燃料器具は水や冷却液に浸されていなければならない。この冷却機能が失われると燃料棒の温度は上がり続け溶解という結果を生む。
加えて、燃料棒が空気や蒸気にさらされた場合、棒に塗られたジルコニウムと酸素が強く反応して酸素をはがし水素のみがのこされる。水素は大気圏には自然に存在せず大気に触れると極端な化学反応を起こし急速に燃えるため、爆破したかのような印象を与える。
みっつの原子炉は燃料補給のため閉鎖されていた。原子炉には燃料棒が入れられていたか燃料棒の冷却液の中で貯蔵されていた。後になって解ったことだが、この冷却液貯蔵タンクが圧力容器の上に位地していたことが問題だった。
この間の地震は記録が取られるようになった1900年から、1960年のチリの地震に次いで史上二番目に激しい地震だった。(チリの地震でも日本は津波に襲われている。)
しかし、このような大地震であったにも関わらず、地震は原子炉を接続する電気グリッドを破壊したが、原子炉そのものに損害は与えず、加熱を防ぐ制御棒は適切に挿入され原子炉の核反応を停止させた。安全システムは完璧に機能したのである。
だが、その一時間後、津波がおしよせ冷却水を供給する電力システムが破壊された。冷却水は急速に加熱され蒸気となり燃料棒と科学反応を起こし水素が発生し圧力容器溶解となったわけだ。
原子炉の職員が容器の圧力を逃すためバルブを開けたとき、中の水素が外に逃げ猛烈な燃焼をおこした。これが容器の外壁を破損させた。水素の燃焼が容器の上部にあった冷却水貯蔵タンクにどのような影響を及ぼしたのかは定かではない。圧力が抜けたとき、多少の放射能が大気に放たれた。
津波によって原子炉の現場と本社との連絡がとだえたため、オーバーヒートしている原子炉に海水を挿入する決断を下すのが遅れた。この遅れがもとで原子炉は将来使用不可となった。
今回の事故で一番の問題は冷却水貯蔵タンクの水が加熱しすぎて蒸発してしまったことにある。それによって燃料棒が大気と蒸気に節食し水素と放射性ガスを発生させた。しかし、いまのところ冷却タンクの温度は安定しているという。
まだ詳細は解らないが、今解っていることだけで今回の事故を分析してみると、一部の原発反対派や政治家がいうほどひどい状態ではないということだ。

  1. 原子炉は設計で予期していたよりずっと強大な地震に耐えた。
  2. 当初の地震で第一電気システムは故障したが、予備システムは機能した。
  3. 原子炉は予期された波より高い津波に耐えた。
  4. 津波は予備電気システムのディーゼル発電機を破壊し、電池システムは機能しなかったか不十分だった。
  5. 原子炉現場と本社の経営側との連絡が途絶え適切な処置の決断が遅れ、原子炉の破壊につながった。
  6. 当初「爆発」と思われたのは水素の燃焼だった。
  7. 原子炉内で一部溶解が起きた。
  8. 冷却水貯蔵タンクの温度が上がり過ぎ燃料棒を露出させ水素と放射がスの発生にいたった。
  9. いまのところ、直下以外の場所における放射能被爆は極わずかである。

今回の大災害で我々が学んだ事は、きちんと設計され建設された原子炉は強大な地震にも津波にも耐えうるということである。しかし当初の地震には耐えても、冷却水貯蔵タンクが圧力容器付近にあると、予備システムが地震後の種々の影響を受け破損され機能不可になることも解った。冷却水貯蔵タンクは原子炉から離れた場所に設置されるべきである。また現場と本社との通信システムも今回のような大災害という非常時でも、きちんとつながるよう予備システムを確保をしておくことが必要だ。
ところで、冒頭で述べた通り、福島原発のデザインは二世代目だが、いまは第四世代の時代である。海水を挿入させたことで福島原発は完全に破壊されたわけだが、はっきり言って時代送れの原発をいつまでも使っているより、この際だから完全に新型の原発として新しく建て直すことが必要だろう。ただ、日本において原発に対する政治的な姿勢がどのようなものなのかアメリカ住まいの私には解らない。
少なくともカリフォルニアでは環境保全団体や左翼リベラルの連中の反対にあって、原発建設は完全に不可能な状態にある。中東の紛争で原油の値段は上がる一方であり、資源のない日本では原発による発電は必要不可欠なものだ。どうにかこの災害を糧にして新しい型の原子炉建設に努めて欲しい。


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オバマは何故カダーフィの空軍を破壊しない?アメリカが指導力を示さないとこうなるという典型例

本日、アメリカ軍の救援隊が日本の東北大震災の被害地に到着したとニュースで知ったが、その話を出張先のバージニアからカリフォルニアにいるミスター苺と電話で話していたら、ミスター苺は「アメリカからの救援は軍が独断でやったことだろう。オバマの指令など待っていたら何時になるかわからないからね。」といった。そういえば、地震が起きてすでに三日が経とうとしているのに、同盟国であるアメリカの大統領、オバマ王からはなんのお見舞いの言葉もない。一万からの死亡者が出るかもしれないと言われている史上稀に見る大地震であるにも関わらず、オバマ王は大事な同盟国の悲劇に対してなにもいうことはないのか?
指導力が全くないという点では、一年前に起きたイランでの市民紛争の時にも、オバマ王は独裁政権に反対する自由を求める市民の味方を全くしなかった。エジプトの反乱しても、異変時におろおろするだけで、アメリカの姿勢はどういうものなのかというはっきりした声明を出さなかった。そしてリビアだ。
リビアはアメリカにとって長年の宿敵である。1986年、レーガン大統領は、アメリカへのテロ行為は許さんという度重なる警告を無視して当時の西ベルリンのディスコ爆破というテロ行為に出たリビアに、カダーフィ官邸空爆という報復に出た。2003年、ブッシュ大統領は、湾岸戦争後大量破壊兵器の開発や飛行禁止区域におけるアメリカ軍への挑発行為など国連条例をあからさまに違反する行為に対し、すぐさま国連の調査団を受け入れなければ容赦しないという警告した。それを無視したイラクにアメリカは武力行使に出た。
どちらの行為も国際社会の左翼リベラルの間から、アメリカによる一極的行為としてずいぶん批判が出たものだ。しかし、リビアはそれぞれのアメリカ大統領の指導力と決断力に恐れをなして、しばらくおとなしくしていた。1988年のパンナム航空機空爆事件の黒幕がリビアのカダーフィであったことが最近になってはっきりしたが、当時、カダーフィは自分の直接的かかわりについてはっきりさせなかった。レーガン大統領からのさらなる報復を恐れていた証拠だ。そしてアメリカのイラク侵略直後、カダフィーはりビアでの大量破壊兵器開発を全面的にあきらめると声明を発表した。あきらかにカダーフィーはブッシュの行動力に脅威を抱いたのである。
ところが、現在のカダーフィーといえばどうだ? 自国の国民に対して銃を向け空爆し、何百何千という自国民を虐殺し、まったくその勢いを弱める気配がない。なぜにカダーフィーはこれほど傍若無人におそろしい悪行をつづけているのか? その答えは簡単だ。カダーフィーはオバマ王にはリビアに懲罰を加える金玉、もとい、肝っ玉などないことを充分に承知しているからだ。ウォールストリートジャーナルの記事から、リビアで紛争がおきて三週間、オバマ王が国連何をしてきたか項目を立ててみてみよう。

  • 国連安全保障理事会はリビアに対し武器輸出禁止発令をした。しかし条例の内容は明確ではなく、規制がカダーフィ軍だけに該当するのか反カダーフィ側にも該当するのかがはっきりしていない。アメリカの国務省もホワイトハウスもきちんと理解してない様子。
  • 国連はカダーフィーの一連の行為を国際犯罪と判断し捜査をはじめた。オバマ王は昨日、これによって国連はカダーフィーに対し「世界は監視している」と声明文をおくったことになると発言。しかし同時に、これはカダーフィーによる流血は防げないものとなった。なぜなら、カダーフィーが権力を失って国外に逃亡した場合、国際社会から戦争犯罪人として追われる身になるからだ。つまり、カダーフィーにとって、なんとしてでもリビアで権力を守り通す以外に選択の余地がなくなったのである。
  • フランスは先日反カダーフィー勢力のベンガーズィ全国委員会を承認したが、アメリカは今になってはじめて反政権側の代表と会見するなど、おふらんすから遅れを取っている。反かダーフィー勢力はすでに西側メディアのインタビューに何度も受けており、フランスへは使者すら送っているというのに、アメリカときたらまだ反カダーフィー勢力の実態をつかんでいない。
  • フランスは飛行禁止区域をつくりたがっているが、イタリアとドイツが反対している。オバマ王は昨日NATOは種々の対策を吟味していると語った。しかしNATOのラスマスン長官は飛行禁止区域に関する国連からの指令を待っているという。だがこれは、ロシアと中国が賛成する可能性は低いので先ず無理だろう。つまりNATOに任せていたら、いつまでもちんたら会議が続くだけで、誰も思い腰をあげようなどとしない。アメリカ大統領の鶴の一声があればまた話は別だが。
  • 反カダーフィー勢力が援助を求めているにも関わらず、アメリカの全国諜報部のジェームス・クラッパー長官は木曜日、結果的にカダーフィーは勝つだろうなどと無責任な発言をした。オバマ政権はこの失言のいい訳に苦労しているが、カダーフィーを裏切って反対勢力に付こうとしていた将軍がいたとしたら、先ずかれらの意力を失わせたことは確かだ。長い目でみて負け側につきたい軍人などいないだろうから。

WSJ記事の筆者は、今回のことでアメリカが指導権を握らないと世界がどういうことになるか明白になったはずだと書く。レーガン大統領もブッシュ大統領もその一極的な行動をずいぶん批判された。だが、もし彼らが肝心な場所で決断を下さなかったら、国連やNATOがいつまでもぐずぐず実のない話し合を続けているのを、指をくわえてみているだけだったら、今でもソ連は存在し、イラクではいまだにフセインが独裁政権を続け毎年何十万というイラク人が虐殺されつづけていただろう。そしてアメリカもフセインの協力で強大となったイスラムテロリストからの攻撃に日夜悩まされていたことだろう。
今からでも遅くはない。オバマ政権はリビアの空軍を破壊すべきである。空爆さえ終われば、反カダーフィー勢力にも勝ち目はある。ここで独裁者を敵に回し、アメリカが反政府側の援助をすれば、今後新米なりビア国をつくることが可能になるのである。アメリカにとって絶好の機会なのだ。何故オバマ王はそれをみすみす見過ごそうというのだ?
アメリカが指導力のない大統領を選ぶと世界中がひどいことになるという証拠である。


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恥知らず、東北大震災を地球温暖化に結びつける活動家たち

「緊急事態を無駄にしてはいけない」というのがオバマ大統領の前側近ラーム・エマニュエルのモットーだが、地球温暖化説者たちも日本の大震災を無駄にせず、24時間もたたないうちに悲劇を利用して自分らのプロパガンダをひろめようと躍起である。

インフォワーズ(情報戦争)のポール・ジョセフ・ワトソン記者は、自然災害というのは文字通り自然によって起こされたもので人為的なものではないと書いている。

イギリスのBBC局はすでに渦巻きのニュースを報道中にリポーターのハンフリー・ホウクスリー が南太平洋のトゥバルという小国の島が温暖化による海面上昇ですでに住めない状態になっているという何の関係もない話を持ち出して来て、日本の津波も温暖化が原因だとか頓珍漢な話を始めたそうだ。

だが、実際にはトゥバル国の島々は面積が減っているどころか増えているくらいで、海面に沈みつつあるというのはまったくの嘘だという。トゥバル国は西側諸国のアホらを利用して救援金をもらってほくそえんでいるというわけ。もっともそんな「不都合な事実」に落胆するような温暖仮説論者ではない。今回の地震を多いに悪用してツイッターなども使い、温暖化警戒説を説こうと必死である。

それにしても他人の悲劇を政治的プロパガンダに悪用するとは、本当に左翼リベラルのやることは汚い。


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ウィスコンシン州知事全面勝利、明るみに出た民主党と労組の腐敗ぶり

この間から何週間にもわたってもめていた、スコット・ウォカー州知事が提案した州職員労働組合の団体交渉権の規制案がウォカー知事の機転で民主党議員なしの投票で州議会を通過。今後ウィスコンシン州では労働組合は無制限に有権者の血税を略奪することができなくなった。
共和党議員だけで通すことが出来るなら何故三週間も揉めていたのか、何故民主党が他州に逃げていたのかという疑問が生まれる。だが、ここにウォーカー知事のしたたかさが見える。
特定の予算に関する法案では議会の2/3の同意がなければ通らないことになっているのだが、その特定な項目さえ除けば単純多数決で通るのだそうだ。それで、ウォーカー知事は特定の予算関係の項目を削り、労働組合の交渉権に関する項目のみの法案に変えて、多数議席を持つ共和党議員たちだけで法案を通してしまったというわけだ。
怒った労働組合の暴力団員たちが州議事堂になだれ込み、共和党議員らを人質にとって抗議を行おうとした。それを自分らも労働組合の組員である警察官たちは見てみぬ振り。一時は共和党議員たちはかないり怖い思いをしたらしい。
これについて、保守派の攻撃的な言葉使いが暴力を扇動したと攻め立てられたサラ・ペイリンがここぞとばかりに労働組合の親玉たちが組合員たちの暴力を煽っているとして組合暴力団員たちを「無頼漢」と痛烈に批判した。

州職員たちは組合に参加するしないにかかわらず組合会費を強制的に給料から差し引かれていた。これまで組合の会費を集めていたのは州政府だったのである。つまりこれはていのいい税金だ。
だいたい何故労働者には組合が必要なのか。もともと組合が雇用主と交渉する必要があるのは、労働者と雇用主との間で労働条件に対する意見のくい違いがあるからだ。労働者が自分が受けている報酬以上の労働を強いられていると感じる時、労働者と経営側がお互い妥協できる条件にするため交渉するのが組み合いの役割だ。労働者と経営側が意気投合している状態なら組合は必要ない。
例えば私なんぞは一日18時間の勤務などザラだが、残業手当は四時間分しか出ない。だから後の六時間はただ働きということになる。そういう不当な扱いを受ければ、きちんと10時間分の残業手当を出してくれと経営者と交渉する意味はある。
だが、働こうと働くまいと労働組合と「雇用主」である民主党議会が残業手当を10時間分づつ支払うと州財政や州民の負担など完全無視して合意するのであれば、これはいかに納税者から金をぶんどるかという相談であり交渉ではない。しかも、その支払いをする納税者には何の相談もないどころか、納税者には発言権すら与えられていないのだ。これこそボストン茶会が抗議した「代表のない課税」である。
今回の法律によって、組合は組合に参加したくない州職員から自動的に会費を徴収することが出来なくなった。また、毎年一回州職員の間で組合の存在そのものについて投票を行い、もし職員が多数決で組合の存在を否決した場合には、その存在そのものが消滅することになったのだ。
アメリカの民間企業では労働組合の力は衰退している。唯一組合の力が強力なのが公務員組合だ。しかし今回のウィスコンシン州の例に励まされ、他州でも同じような法律が通る可能性が大きくなってきた。また今回の大騒ぎで国民の多くが公務員労働組合と民主党との癒着と腐敗について多いに学んだものと思われる。共和党はこれを利用して、民主党に政権を任すとこういうことになるのだと何度も市民に訴える必要がある。そして労働組合べったりのオバマ政権に対しても批判の声を緩めてはいけない。
共和党は州にしろ連邦政府にしろ、多数議席を握ったら、これまでどおりの民主党のやり方を継続するのではなく、どんどんと根本的な腐敗を撤廃し、共和党でしかできない無駄遣いの削減に真剣に取り組むべきである。
あれだけの圧力を受けながら、一歩も引かずに勝利に導いたスコット・ウォーカー知事に喝采をおくりたい。


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