英雄から容疑者へ、アトランタオリンピック爆弾犯人に仕立て上げられた男の悲劇。リチャード・ジュエル

本日の映画紹介はクリント・イーストウッド監督の「リチャード・ジュエル」。

この話は1996年のアトランタオリンピックで 死者二人負傷者100人以上を出した 爆弾テロ事件をめぐり、最初は爆弾の第一発見者として英雄扱いされた会場警備員のリチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)が、2~3日のうちにFBIの第一容疑者となってメディアやFBIに何週間にも渡って執拗に攻められた気の毒な男性の話で実話である。

きっかけは色仕掛けで近寄って来た地元新聞記者キャシー・スクラッグス(オリビア・ワイルド)に口の軽いFBI職員トム・ショウ(ジョン・ハム)がうっかりジュエルが容疑者だと漏らしてしまい、それをスクラッグスが実名で報道したものだから大騒ぎ。まだ起訴もされていないのにジュエルはメディアに容疑者扱いされ、何週間にも渡ってFBIやメディアに散々叩かれることとなった。私もこの事件はよく覚えているが、あのメディアサーカスは異常だった。

FBIがジュエルを犯人扱いしたのは、彼のプロファイルが単独テロ犯罪者のプロファイルと一致しているというだけの理由だった。物的証拠は全くなかったにも拘わらず、ジュエルの生い立ちだの過去の仕事だのが毎日のように報道された。ジュエルの家の前には報道陣が押しかけ犬の散歩にも出られないひどい状況だった。まだ何も解っていない時から、いくら何でもあれはやりすぎだろうとニュースを観ながら思ったものだ。

ジュエルが容疑者扱いされた理由のひとつとして南部蔑視があると思う。FBIは地元警察ではないので、地方人の関して偏見を持っていてもおかしくない。またジュエルは小太りで南部訛り丸出しだったので、彼を田舎者扱いしたFBIやメディアの持つ犯人像と一致したのだろう。

ジュエルは当時30代半ばの独身男で母親ボビ(キャシー・ベイツ)と二人暮らしだった。事件当初はオリンピック会場の警備員だったが、もともと警察官志望で地方警察で巡査をしていたこともあるが、全く融通が利かないため色々問題を起こし首になった。その後も大学の警備員の職につくが、ここでも学生たちに必要以上の厳しい態度を取ったり、高速を走る学生の車を止めるなど、無茶な行為をしたため首になっていた。こうした過去が、警官にあこがれるあまり英雄になりたがってわざと爆弾を仕掛けて第一発見者になろうとしたのではないかと疑われる要素となった。

ジュエルの良いところでもあり悪いところでもあるのは、彼がどんな仕事でも真剣に取り組むということだ。例えば、警備員になる10年前、法律事務所で事務員をしていた時、事務員としては最下位のメールルームクラークだったジュエルは、事務所の弁護士の一人だったワトソン・ブライアント(サム・ロックウエル)と出会う。ジュエルは観察力が抜群でブライアントの引き出しにセロテープが足りなくなっているのに気づきすぐに足したり、ゴミ箱にスニッカーズキャンディーバーの包装紙が捨てられているのを見ていくつもスニッカーズを引き出しに置いておくなどしたため、ブライアントはジュエルにレーダーとあだ名をつけた。口は悪いが根はやさしいブライアントとの出会いは後にジュエルの人生を変える大事な出来事だった。

ジュエルはまた勉強家でもあり、警察官にあこがれていたため、テロや爆弾や犯人像などといった犯罪に関する本もたくさん読んでいた。オリンピック会場のコンサート広場に置かれていた爆弾の入ったバックパックを発見できたのも、彼が人一倍観察力がありテロリストに関する知識を持っていたからなのである。 そしてまた彼は射撃も得意でしょっちゅう射撃の練習をしており、家にも多くの銃砲を所持していた。このように彼の知識の豊富さや観察力や射撃の腕などがかえって災いし、FBIはジュエルは爆弾犯人にピッタリだとこじつけをしたのだ。

このジュエルの無実を信じ彼の弁護士となるのが、10年前に出会ってその後ずっと会っていなかったブライアント。彼はその時はすでに独立しており、従業員は秘書のナディア・ライト(ニナ・アリアンダ)だけという流行らない法律事務所を営んでいた。

ジュエルが無罪なのは、ちょっと捜査すればすぐにわかることだった。FBIほどの資源がある組織がそのことに気が付かないなど考えられない。では一体何故FBIは執拗にジュエルを犯人扱いしたのだろうか?

ジュエル役のハウザーは本当に地方都市に居そうな太っちょ警備員をうまく演じている。私が好きなのはジュエルはお人好しだしちょっとやりすぎな面もあるが、決してFBIやメディアが思うような馬鹿な男ではないこと。いや、実は結構頭が切れる。見かけや南部訛りで偏見を持って馬鹿にしてるFBIのトム・ショウの小細工にも騙されない。

ところで悪役のショウを演じるジョン・ハムは凄いハンサムだし、記者役のオリビア・ワイルドもすごい美人。悪役二人が美男美女で主役がふとっちょ男というのも面白いもんだ。メディアや一般人がいかに見かけに騙されるかがわかるというもの。余談だがキャシー・スクラッグス当人はすでに他界しているが、彼女の描写がひどいと言って遺族がイーストウッド監督に謝罪を求めているという話だ。はっきり言って彼女のやったことを考えたらあの程度は生ぬるいと思うがね。

すべての登場人物に無駄がなく、演技も申し分ない。特に弁護士役のサム・ロックウエルと母親役のキャシー・ベイツが光る。憎たらしいジョン・ハムや自分のやったことの恐ろしさに気づくオリビア・ワイルドも説得力ある。

本当はキャッツを観に行く予定で映画案内を観ていたのだが、映画館でこの映画を上映してることを知って気が変わった。観てよかった!


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イタリアのアパレル業界、「イタリア製」に隠された中国の侵略

イタリアにおける中国人移民の話はもう2007年の拙ブログでしたことがある。当時から中国人移民によるイタリア産業進出により地元産業との間でかなりの摩擦が生じているという話はしたが、正直な話、私は中国人がイタリア人より勤勉なだけだろうといった甘い分析をしていた。中国人がイタリアで特にイタリアの特産である革製品やアパレル産業で成功している裏にはもっと複雑なからくりがあり、個人が勤勉に商売をして成功しているなどという甘いものではなかったのだ。

2007年頃のイタリアに合法に移住していた中国人の数は全体人口の割合から言って1%にも満たず問題になるような数ではないと思われた。しかし地域的には合法の中国人に加え違法中国人がその四倍はいるという話であり、当時からすでに問題になっていた。

しかし中国人の数が多いということよりも、中国人の商売のやり方が問題だった。何故か中国人の企業はイタリア企業に比べてコストが低く、イタリア製品のまがい物や粗悪品がどんどん格安な値段で売られるようになり、何も知らない観光客が地元製品を買わなくなっていったからである。

近年イタリアには中国の金持ちが観光客としてたくさんやってくるようになった。彼らは高価な商品を爆買いすることで有名なので、イタリア政府は中国人観光客を歓迎している。しかし中国人観光客がわざわざイタリアに来てメイドインチャイナの安物を買って喜ぶはずがない。せっかくイタリアに来たのだからイタリア製を買いたいのは当然。

また中国内でもイタリア製品は人気があり、かなりのイタリア製品が中国に輸出されているという。無論中国には偽物が出回っていることは中国人も十分承知しているので、商品はイタリア製でなければ意味がない。

ところがこの「イタリア製」というのが曲者なのだ。

私が最初の記事を書いた2007年、ドルチェ&ガバナ、グッチ、そしてプラダといった有名ブランドの下請け工場における労働環境の劣悪さが問題視された。確かにイタリア国内で仕立てられてはいるが、実際に作っているのは中国からの移民。しかもそのほとんどが違法移民であることから正規の賃金ももらわず、危険な環境で長時間の就労をさせられていることが暴露されたのだ。「贅沢品を支える奴隷労働」ということでロサンゼルスタイムスや地元のテレビ番組などでも告発された。

もともと中国の温州では外国ブランドの下請け工場がいくつもあった。ただヨーロッパユニオンの規定で最後の仕上げが行われた国の国名が記されることになったため、ネームブランドは国内の工場を使うようになった。しかし、そこで働いているのは中国人移民たち。しかもその移民たちがどこから来たかと言えば、そう、その通り、温州! なんのことはない、工場をイタリアに移しただけで作ってるのは同じひとたち。これがイタリア製だっていうんだから笑っちゃう。

さて、それが10年以上も前の話だが、状況は全く変わっていない。いや、よくなるどころかかえって悪くなっている。確かに大手ブランドは労働法に触れないように色々対策を取っているようだが、イタリア国内の中国企業による革製品や洋服は未だに低賃金中国人労働者によって作られているのだ。

いまやイタリアのプラトには中国系工場がたちならび、完全に中華街になっている。2016年プラトの中国人人口は6.5%と言われていたが、違法移民を合わせるとその四倍はいると言われている。そうだとすれば、プラトの人口の1/4を中国人が占めることになる。しかも彼らは地元政治家に賄賂を渡してかなり悪質な脱税をしているという話だ。イタリア財政省の調べによると中国銀行のミラノ支店から5億ドルという怪しげな送金が中国にされていたことが明らかになっている。

こうした工場では中国から安い記事を輸入して仕立てだけをイタリアでしてイタリア製として売っているのだ。素材や人材や建物などで経費を最低限に抑えているので、一般イタリア産業が競争できない状況にあるわけである。

はっきり言ってイタリアのおける中国進出はこれからも速度を落としそうにない。それというのも中国の「一帯一路」政策により、米国やヨーロッパユニオンの反対を押し切ってイタリアは中国と新シルクロード協定を結んだのである。そして今年(2019年)の11月には中国の警察がイタリア警察と合同パトロール演習まで行った。

このままではイタリアへの中国侵略は歯止めが利かなくなる。今後イタリアはどうなってしまうのだろうか?

参考記事:

What Really Goes into “Made in Italy” Fashion?

Defying Allies, Italy Signs On to New Silk Road With China

Chinese police officers join Italian police for joint patrol

Italy’s China City: Sweatshops to Wedding Shops


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日本の政治家が中国企業からの収賄罪で逮捕される!日本の主権が狙われる危機

カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐり、中国企業「500ドットコム」から現金や家族旅行の旅費など約370万円の賄賂を受け取ったとして、内閣府のIR担当副大臣だった秋元司・衆院議員(48)が収賄容疑で逮捕されたが、秋元は「(口利きをしたことは)全くありません」と疑惑を否定していた。

とまずこちらのサイトから引用。こういう話はオーストラリアでも聞いたことがあるが、日本でも遂にそういうことが明るみに出たようだ。はっきり言ってこんなことはもっと他でも沢山起きているはず。どこにでも腐敗した政治家はうようよいるからね。

この500ドットコムというのは一応日本の法人らしいが、資本は中国。共産主義の中国には民営企業などというものは存在しない。表向きは民営でも中共の息がかかっていることは先ず間違いない。そういうところから日本の政治家が賄賂をもらうということの恐ろしさを日本人はしっかり理解しなければならない。

日本で賭博を合法化することの是非は別として、その資金源が中国から出ていたとしたらどんなことになるだろうか?もしも日本のカジノの大半が中国経営になってしまったら日本はカジノで日本経済を復興させるなどということは先ず諦めるしかない。いや、金儲けにならないというだけならまだしも、日本国内で中国の影響力が多大になるということは非常に由々しき問題だ。中国人は正直な商売はしない。だから中国企業と日本企業とでは絶対に公平な競争は出来ない。中国資金を安易に取り入れれば賭博産業は必ずや中国に独占される。間違いない。

だからこそ今回の収賄事件はたかだか数百万で買われただらしない国会議員の話では済まされない。裏にもっとおそろしい大組織が動いている可能性があり、いったいどれだけの日本人議員が買収されているのかとことん突き止めてもらわなければ困る。

日本政府にはもっと中国に対して危機感を持ってほしいものだ。


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トランプ大統領が弾劾された?興味ないね。

1990年代にビル・クリントン当時の大統領が米院で弾劾された時は国中大騒ぎになり、私もミスター苺もテレビにくぎ付けでニュースを観ていたものだが、今回のトランプ大統領の弾劾裁判はそんなことが起きたことさえ気が付かずに一日が経ち、「え?トランプ大統領弾劾されたの?」とツイッターのフィードで知ったというおかしな状況だった。トランプ支持で政治に興味のある苺畑夫婦がこんな重大なニュースを聞き逃すというのはいったいどういうことだ?と思われるだろうが、実は今回の弾劾裁判は完全なるジョーク。民主党の下院議員とメディア以外は全く興味のない出来事なのである。

民主党は2016年にトランプ大統領が就任する以前から、トランプを弾劾裁判にかけて追い出すと息巻いていた。彼らは国民が投じた清き一票を完全に無視して選挙結果を覆させようと躍起になっていた。それで全く何の根拠もないのにロシアがアメリカの選挙に関与したと言って二年も三年も国民の血税を無駄遣いして捜査しておいて結局なにもなかったことが判明すると、今度はウクライナ政府との間に裏取引があったとか言い出し、これも全く何の根拠もないのに弾劾裁判を強行。嫌気がさして民主党議員が二人も共和党に移籍するという結果を招いた。

はっきり言ってこの弾劾裁判は何が何でもトランプを陥れようという民主党の陰謀であることは誰もが知っていることだ。考えても見て欲しい。アメリカは全国選挙まで一年足らずである。トランプの第一任期はもうじき終わるのだ。もしトランプがそんなにひどい大統領で国民の支持を得ていないのであれば、民主党は来年の選挙でトランプを打ち砕けばいいだけの話。正々堂々と戦って勝てる見込みがあるなら、こんな小細工はしないだろう。

それでもテレビや新聞の主流ニュースメディアがニュースを独占していた時代ならことは違っていたかもしれない。だがトランプ大統領のようにツイッターを駆使して何が起きているかを毎日のように国民に訴えているような時代に、悪いのはすべてトランプ大統領だといくらメディアが騒いでも誰も信用しない。かえってトランプ大統領の言う「フェイクニュース」こそが真実だと国民は知るようになったのだ。

民主党は過去三年間なにをやってきた?トランプ大統領の公約をことあるごとに阻止し、ロシア癒着だのウクレイン裏取引だのと騒いだだけで何一つ国民のためになることをやっていないではないか?

来年の選挙ではトランプが圧勝し、下院も上院も共和党の議席が増える、と私は踏んでいる。


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盗んだ方が得をする国、中国。無印良品の敗訴を考える

中国って国を知れば知るほど、なんで外国人は中国で商売するんだろうと不思議になる。皆さんももうご存知のことと思うが、日本の無印良品というタオルなどを専門に売っている会社が中国で商標権をめぐって訴えられた件で完全敗訴した。無印良品が本家であるにも拘わらず、中国で本物そっくりの製品を作り同じ商標で登録しておきながら、本家で中国で商売を始めたら訴えるとか、盗人猛々しいというのはまさにこのことだ。

生活雑貨を販売する「無印良品」の運営元「良品計画」に対して、無印良品そっくりの店舗を持つ中国企業「北京棉田紡績品有限公司」が商標権を巡って起こしていた裁判で二審の北京市高級人民法院は原告側の訴えを認め、良品計画に63万元(約970万円)の支払いなどを命じた。

「中国では、北京棉田紡績品有限公司が綿製品で“無印良品”の商標権を保有しています。そのため、良品計画は中国進出に際して対象商品を”MUJI”の商標で販売してきましたが、14〜15年に対象の一部商品を誤って“無印良品”のまま販売してしまったという。これに北京棉田紡績品有限公司は商標権を侵害されたとして提訴し、17年の一審では原告側の訴えが認められ良品計画は控訴していましたが、結局は二審も同様の判決が下されることになりました」(社会部記者)

なお、中国の裁判は二審制となっているため、これで良品計画の敗訴が決定。同社はすでに賠償金を支払ったという。

こういう話を聞くと、商標を乗っ取られないために、中国で商売をするしないに拘わらず中国でも自社の商標権を取っておいた方がいいと思うかもしれないが、実はこれがそうとも言えないらしい。中国社会には著作権だの特許権だのといった概念が全く普及していない。それでやたらに商品の登録などしてしまうと自分らの商業秘密が公開されて物真似連中が続々と現れ全く同じ製品を格安で売り出す連中が出てくるんだそうだ。

そんな連中をいくら訴えていても追いつかないだけでなく、中国法廷は中国人の味方をするので外国人は非常に不利。こちらが本家で正しくても、今回のように負ける可能性は大なのである。

産業というのは開発に時間とお金がかかる。商品が良ければその後の売り上げで元が取れるわけだが、中国産業は開発に金を使っていないからその分コストが低く安い値段で商品を売れるわけだから、本家が大損をするという仕組みだ。

しかし長い目で見てこれは全く中国のためになっていない。中国では自国で開発される産業が育たないからだ。他国から盗むことでしか成り立たない国。それが中国なのだ。

いい加減、外国の投資家たちは中国進出は諦めた方がいいと思うね。


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日本人女性と結婚するとどんな危険を伴うのか?離婚に迫られた外国人夫たちの告白

ツイッターで面白い記事が上がって来た。題して外国人が日本人女性と結婚してみての感想。私の感想を述べる前に先ずは箇条書きにされてるリストをご紹介しておこう。一部はしょったり言葉を変えた部分あり。

  • 自分の国に永住してくれるのは難しいと思ったほうが良い。
  • 日本人女性はあまり旅をしないが自分の友達、食べ物、老いた親のために帰国したいとプレッシャーをかけてくる。
  • 思っていることを言ってくれない。本当の思いを言っているのか、確認しないといけない。
  • 日本人と結婚するとセックスレスになる。劇的にセックスできなくなる。
  • 結婚してるのに夫は風俗、妻は不倫という謎の現象。
  • 困ったなと思って夫婦カウンセリングを受けようと思ったがカウンセラーがオンザジョブトレーニングしかうけていない。
  • 子供が日本語しか話せず親子で話ができなくなってしまう。
  • 離婚後共同親権制度が存在しないため、子供に会えないまま養育費だけ払わされる。父親の権利は離婚と同時に消滅する。
  • 子供が生まれると子供に専念するようになり夫は子供に席を譲り、子育てのためにATMにならざるおえない。
  • 自分の実家を夫より優先する。嫁の実家からの干渉にきをつけろ

これは英語で寄せられた色々な意見を著者がまとめて箇条書きにしたもの。かなり日本人女性の印象が悪いように思えるが、よくよく考えると日本人妻が悪いというより外国人夫と日本人妻との間で文化のギャップをきちんと理解していないことから生じる誤解が結婚や子育てを巡って顕著になってくるということだと思う。

このサイトに投稿した男性は英語圏の人たちだけだが、英語圏男性と日本人女性の結婚は70%が離婚に終わるそうだ。いや、これはかなりの高確率。だがもしそれが本当なら、国際結婚をしようと言う人は離婚した際のお互いの国の法律がどうなっているのか、特に親権を巡る法律については、きちんと詳しく勉強しておく必要がある。

先ず、外国人と結婚するなら、どちらの国に住むのかということが問題になる。カカシの場合はミスター苺と結婚した時にはすでにアメリカに10年以上も住んでおり日本に帰る気持ちは全くなかったのでアメリカ在住は当然のこととなったが、もしこれがどちらかが一時的に相手の国に滞在している間、もしくはどちらもが第三の外国に滞在中に知り合った場合、お互いに相手の文化をほとんど知らずに結婚してしまう可能性がある。これは非常に危険な状態だ。

私の知ってる日本人女性でアメリカ留学中に出会った韓国人留学生と恋に落ちてアメリカで暮らすようになったが離婚した例や、イギリス留学中に出会ったアイスランド人と結婚してアイスランドに行ったが離婚した例などがある。

外国人と結婚というすでに難しい状況がある上に、言葉もおぼつかない外国暮らしをするとなると、これはそう簡単に出来ることではない。そのうえに子育てが加わるのだから容易なことではない。結婚なのだからお互いに理解しあうのが当然ではあるが、外国に住もうと決めた方の負担は非常に大きいので、相手が好きか嫌いかということ以上に、自分が外国暮らしに向いているかどうか先ず真剣に考える必要がある。

そして一旦相手の国に住むと決めたのなら、その国の言葉を覚えその国の人間になってしまう努力をする必要がある。その際、配偶者以外の友達やサポートシステムを作っておくこと。なぜなら最悪の場合、離婚ということになったら配偶者やその家族には頼れないわけで、自分ひとりで何もかもやるなど不可能に近い。他に相談できる友達やつてを作っておくことは非常に大事だ。

私がアメリカ人男性と付き合って一番問題だと思ったことは、日本人は思ったことを言わない傾向があり、なんでも我慢に我慢を重ねてしまうということ。それで相手はそれでいいものだと思って何度も同じことをするため、最後にこちらが爆発してしまい、相手はこちらが何にそんなに腹を立てているのかが理解できないという状態が生じる。アメリカ人同士でも女性は結構本音を言わないとされているが、日本女性の場合は特にひどいのでここで誤解が生じやすい。日本人は欧米人と付き合うなら言いたいことは最初から我慢しないで言ったほうが良い。相手もそれを期待しているから。

また、日本人と付き合う外国人は日本人は本音を言わないという事実を弁え、日本人がどれだけ良い顔をしていても自分に不満を持っている可能性を考えて、相手の表情や行動から不満があるかないかを察する技術を身に付ける必要があるだろう。また、日本人は思ったことを正直に言われると傷つくので、言いたいことがあってもやんわりいう技術も必要。

これは昔わたしと当時付き合ってた彼氏との間で起きたくだらない喧嘩なのだが、私が生で見るお芝居が好きだという話をしたら、彼は自分は芝居は大嫌いだと言った。そして彼は何故自分が舞台が嫌いなのかという話を延々とした。このあまりの不作法に私は腹を立て「なんて意地悪な人なの!」と思ったがそうは言わずに泣いてしまった。多分、この彼はアメリカ人としても無神経な男だったのだろうとは思うが、それでも別に彼は自分の意見を言っただけなのであって、別に私個人を攻撃したわけではない。無論相手は何故私が突然泣き出したのかわからず非常に困惑した。

だが当時の私の感覚からすれば、相手が好きだと言っているものをコテンパンに批判するというのは無神経すぎる。自分が嫌いでも、せめて「へえそうなんだ。僕はどちらかというと映画の方がすきだけど。」とか「僕にはお芝居の良さはイマイチ理解できないけど、どんなところが好きなの?」とか言ってくれてたら、話はまた別だったのだが。

ま、ともかく、そういうくだらない誤解がいくつも起き、その度に私が何が不服なのかをいわないまま泣き出すので、相手は怖くて何も言えなくなったと言っていた。こういう関係がうまくいくわけがない。

それでも若くて恋に落ちたら、最初のうちは何とか我慢して相手を理解しようと努力するだろう。そうやってうまくいった例はいくらでもある。だが、そのうちに子供が生まれ、意志の疎通もまならぬままに子育てまで関わってくると、二人の関係が悪化するのは十分に理解できる。それで母親が子供を連れて日本の実家へ帰ってしまう。

外国人との結婚で一番大切なのは、相手が好きだということだけでなく、相手の国の文化を多少なりとも理解することだ。どちらもが理解に努力するのが理想だが、相手の国に住むと決めた人間が一番この責任が重い。好きだからという理由だけで安易に相手の国に住むのは軽率である。本当にそれでいいのかどうかしっかり考えてからにしないといずれ問題は深刻化するだろう。


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中国がアメリカ人をスパイに勧誘する五つのステップ

つい先日、中国及びアメリカの敵はどのようにしてアメリカ人をスパイとして勧誘するのかという話をとある専門家から伺ったのだが、それをまとめた記事があったので紹介しよう。

この記事の著者は 米ジャーナリスト、ギャレット・グラフ(Garrett M.Graff)氏で、この記事はビジネス誌「WIRED」に寄稿したものからの抜粋。では題して中国がアメリカ人をスパイとして勧誘する五つのステップ。私が専門家から聞いた話も交えるのでこの記事の内容からはちょっと離れる箇所もある。

ステップ1:ターゲットを定める

先ず第一ステップはどんな人間がスパイとして適しているかを見極めることだが、私が聞いた話では対象は必ずしも多くの情報を持っている人や高度な職種についている人ではない。最近はSNSで自分の勤め先を公表している人も多いし、同職や同じ分野の技師や科学者など専門のSNSでの交流も活発なので、そうした名簿からめぼしい人が狙われる。また、学界の発表会とかセミナーとかで名刺交換などが行われた場合にも、そうしたつてを使って後からメールで連絡が来たりする。同じ研究をしている人だからと気を許したり、自我が働いて自分の地位や知識を吹聴したい人間は狙われやすい。

ステップ2:評価

一旦対象となった米技術者をどのように勧誘するかといえば、それは対象となった人による。アメリカ人の場合は先ずお金が最大の原因であり、政治的な同調といったことは非常に少ない。よって借金が多かったりギャンブル癖があったりすると恰好の対象になる。

中国系の場合は「脅迫や愛国心の利用などの手段を多用している」中国系アメリカ人は祖国に家族や親せきが居る場合も多いので、彼らを人質にされることもある。また、共産主義の悪質さを理解してないクルーレスな人も結構いるので、そういう人には愛国心や同胞愛に訴えるという方法もある。

ステップ3:発展

実はターゲットとなった人が自分がスパイ勧誘されていることに気づいていない場合も多い。例えば、2001年に中国に留学しその後上海に移住したバージニア州出身の大学生グレン・シュライバー君は新聞の論文公募に応募して1万4千円ほどの賞金をもらったが、その後紹介された中国人男性によって米に帰国しCIAに就職しろと薦められたという。シュライバー君はCIA採用試験に二度失敗したが、2007年に CIAの秘密プロジェクトの採用試験にも応募した。その際彼は採用試験の参加費として合計800万円近い報酬をもらっていた。

シュライバー君は後に逮捕されたが、このことがきっかけで米国当局は中国に居る留学生にあてて中国政府からの勧誘に気を付けるよう啓発している。

余談だが、ユーチューバーのウィンストンの話では、中国には「ホワイトモンキー職」というのがあるそうだ。これは中国人の白人崇拝主義を利用して中国製の商品やサービスを外国人を使って宣伝する方法。単に洋服や化粧品のモデルに白人が雇われるのであれば特に問題はないのだが、実際に全く関係ない白人があたかも専門家であるかのように登場させられることがあるというのだ。それがテレビコマーシャルだけでなく、資金投資企業への説明会に無関係な白人が医者とかエンジニアとか外国の投資家とかいった偽物として登場させられるということが頻繁にある。中国産は信用できないが外資なら信用できるという中国人の盲点をついているわけだ。

ウィンストンもボディーガードという「役柄」でとある有名人の記者会見に「出演」してしまったことがあると言っていた。他にも英語学校の教師という役柄で説明会にだけ雇われた白人などもいる。これは本人が何をやらされているのか解ってない場合もあるので、詐欺の片棒をしらないうちに担がされていることがあるらしい。

ステップ4:スカウト

ターゲットとなる人に対して、中国情報部員は時にストレートにスパイ行為の強要を切り出す。2017月2月、CIA元幹部のケビン・マロリー(Kevin Mallory)氏がソーシャルメディアのリンクトインで、中国の上海社会科学院の職員と自称する人物からリクエストを受け取った。

FBIは、中国国家安全省は、中国社会科学院と連携して活動していると指摘した。社会科学院の職員と名乗る中国の工作員は多く存在するという。

マロリー氏はその後、電話を通じてこの上海社会科学院の職員と連絡を取り、17年4月に中国で2回面会した。そこで、マロリー氏は特別な電話機を受け取り、安全なメッセージ機能を使って中国の「顧客」に連絡する方法を教えられた。マロリー氏は中国の対米政策白書の作成に2回協力した。

ステップ5:処理

ではスパイとその指令役がどのように連絡を取り合うのかと言えば、最近は電子メールが普通になった。前回紹介した CIA元職員の李振成(英語名、Jerry Chun Shing Lee) は2010年4月に中国工作員二人に出会い、金品供与を約束されCIAに関する情報を提供していたとされるが、中国指令役は李に複数の電子メールアドレスを提供していた。「グラフ氏によると、FRIが李氏のカバンなどを捜査した際、李氏のシステム手帳から手書きの機密情報を見つけた。米情報機関職員らが会議で言及した諜報計画、計画関係者の電話番号、米側情報部員の実名とCIAの秘密施設などが含まれていた。」

中国政府はアメリカ人を狙っている。特に中国と深いつながりのある人は勧誘されないように十分気を付ける必要がある。


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アメリカで暗躍する中国スパイ

この間はオーストラリアや台湾で活躍している大物中国人スパイが捕まったという話をしたが、今回はアメリカで捕まった中国人スパイの話を二件紹介しよう。

今年(2019年)の9月にアメリカのバージニア州にある海軍基地に二人の中国人外交官が潜入して取り押さえられた件で、最近アメリカ政府は近年に珍しくこの二人を国外追放するというかなり厳しい行為に出た。中国人外交官が国外追放されたのはなんと30年ぶりだという。下記は時事通信より

米、中国人外交官2人を追放 軍機密施設へのスパイ容疑―報道

【ワシントン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は15日、米政府が今年秋、米軍基地に侵入しようとした在米中国大使館の当局者2人を秘密裏に国外追放したと伝えた。スパイ容疑での中国人当局者の国外追放は、1987年以来という。 少なくともうち1人は外交官を装う中国の情報部員とされる。
 2人は9月、妻たちと共に、南部バージニア州にある米軍基地に車両で入った。追跡する職員をかわしたが、消防車に行く手を遮られ停止した。「道に迷った。英語を理解していなかった」と説明したという。  この基地は、海軍特殊部隊SEALS(シールズ)の精鋭部隊「チーム6」が本部を置くなど、機密性が高い。


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アメリカで暗躍する中国人スパイ、パート2.日本との関連も

昨日書きかけた中国人スパイの話、私の操作ミスで後半が消えてしまったのでパート2として書き直す。

さて、本日の話題はり李振成(リー・チュンシン)英語名をJerry Chun Shing Lee(ジェリー・チュンシング・リー)という中国人スパイの話だ。

この男は1994年から2007年までCIA工作員だった。生まれは確か台湾だったと思うが、子供の頃にハワイに移住。米軍陸軍で勤めたこともあり、国籍はアメリカに帰化している。

2007年にCIAを退職し香港に移住。2010年から中国共産党のスパイとして働いていたとされており、2018年1月にアメリカ当局において逮捕され、本人は罪状を全面的に認めた。今年12月、李は19年の刑を言い渡された。

検察当局の発表によると李のスパイ行為によって20人以上のアメリカ人工作員及び現地情報提供者が逮捕されたり処刑されたりし、アメリカの中国国内スパイ網が破壊されてしまったという。

さて、この李と言う男、実は日本とも関りがある。李は2007年にCIAを退職してからすぐに香港に移住し、日本たばこ産業株式会社(JTI)香港支部で偽物や密輸の捜査をする調査官として働いていた。元JTI重役の話によると、李が入社して一年もしないうちに問題が生じたという。JTIが西側捜査官と協力しておこなっていた捜査の詳細が中国側に漏れていることが発覚したのだ。しかもその漏洩元は李であるとの疑いがもたれた。確たる証拠はつかめなかったが、JTIは李がスパイ行為をしているとみて李を解雇した。李はその解雇を不服としてJTIの捜査部に違法行為があるなどと言いがかりを付けていたという。

李はその後2010年に自社を立ち上げる。アメリカの検察によれば李が中国にスパイとして勧誘されたのはこの頃だとされているが、時系的にみてこのタイミングはおかしいと思う。

李がJTIの捜査官として働き始めたのがCIAを退職した同年であるということ、JTIに勤務しはじめて一年足らずでスパイ行為の疑いをもたれたこと、20人からのアメリカ工作員及び情報提供者が殺されたり逮捕されたりしているのに19年の刑期は軽すぎること、などから考えると、李のスパイ行為は2010年よりずっと前から行われていたと考える方が辻褄があう。

私が思うに、李はCIA現役時代からスパイ行為をしており、それが原因でCIAを解雇されたのではないかということ。連邦政府にはスパイ行為をしていると疑われる人間はいくらもいるが、確たる証拠がつかめずに疑いだけで辞めてもらうケースが結構ある。多々の事情で解雇ではなく単なる退職とされることもあるので、李の場合もそうだったのではないかと考えられる。なぜなら李は退職後すぐに香港に移住して中国スパイを始めているからだ。JTIに入ったこと自体、中国のためのスパイが目的だった可能性がある。

さて、ではなぜ刑期十九年という軽い刑になったのかといえば、李は今もCIA内部でスパイ行為をしている中国人スパイに関する情報を持っているはずなので、その情報提供を条件に刑を軽くしてもらったと考えるのが妥当だろう。

今年に入ってCIA職員でありながら中国スパイと断定されたの中国系アメリカ人は3人。これは単に解っているだけの数で他にもかなりの数が居ることは確か。トランプ大統領はかなりこの問題でCIAに圧力をかけているようなので、今後も続々とその正体があきらかになっていくことだろう。

参考記事:

Arrested ex-CIA agent was fired from tobacco firm after suspicions he was spying for China

CIA mole may have triggered murders of assets in China, Russia: Report

Ex-CIA officer pleads guilty to conspiring to spy for China


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中国独裁に学ぶキャッシュレスの恐ろしさ

ちょっと前に台湾に留学していた中国の学生が台湾にいる間にSNSで中国の悪口を言ったところ、彼のすべてのSNS口座(アカウント)が凍結されてしまうという事件が起きた。また彼は中国の銀行を使っていたので、彼の銀行口座も凍結されてしまい、携帯もSNSも銀行口座も使えないという状態に陥った。中国には日本のマイナンバーと似たような仕組みがあり、この番号が銀行口座と連携しているため、銀行口座の凍結も簡単に出来たようだ。この事件を見てどんどんキャッシュレスになっていく我々の社会は怖いものがあるなと思った。

我々は今、インターネットからオフラインになった時にどれだけ普通に生きていけるだろうか? SNSなどなくてもいいと思うかもしれないが、いったいどれだけの日本人がラインやフェイスブックのDMを使って連絡をとりあっているかを考えるとこれは笑えない状況だ。

実は先日私は泊まったホテルの領収書をなくしてしまった。しかしホテルのウェッブサイトに行けば最近の領収書ならダウンロードできるので、そうしようとサイトに行ったら職場コンピューターのファイアーウォールの関係でそのサイトにアクセスできない。仕方なくホテルに直接電話して領収書をメールしてくれと頼んだら、即刻届いたメールにはウエッブサイトのリンクが張られていた!サイトが見られればメールしてくれなんて言わなんだよ、このアホ! と思ったが、いかに我々がネットアクセスに依存しているかを示す例だ。

特にマイナンバーなどが銀行口座と連携してる場合は、政府がその気になりさせすれば、マイナンバーで自分の持っているすべての口座が凍結され、どこの店でもキャッシュカードやクレジットカードが使えなくなる。無論スマホ支払いも駄目だ。つまりキャッシュレスにしていると誰かの鶴の一声で無一文になってしまう可能性があるのである。

確かにキャッシュレスは便利だが、こういうことを考えるとなんか不安になってしまうな。


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