TSA、民間空港警備会社起用を中止する

去年の暮れに始まったTSA(連邦運輸保安局)による、行き過ぎ審査によって、民間の警備会社に警備を依頼する空港がいくつか出てきたが、権力を独占したTSAが民間の警備会社に空港の警備を分担させるなんてことが長続きするわけないと思っていた。案の定、本日TSAのジョン・ピストル局長は現在民間会社を起用している16の空港以上に民間会社起用を拡大しないことを発表した。
ピストル局長は当初、民間警備会社とTSAの協力企画には中立な意見を持っているとしていたが、調査の結果、現在以上の拡大は不適当であると結論を出したんだそうだ。まったくしらじらしい。最初から競争相手の民間企業と協力する気など全くなかったくせに。
民間企業起用を推薦していたフロリダ州のジョン・ミカ下院議員は、こんなにうまく行っている企画を中止するとは信じられないとして、TSAの決断に落ち度がなかったかどうか捜査するつもりだと語っている。
お役所仕事と民間企業とではどちらが経済的で能率的かなどというのは誰もが知っていることだ。この決断にTSAの労働組合が絡んでいることは言うまでもない。
労働組合に言わせると、「国の警備をつかさどる仕事を一番安せり落とした企業に任せるのは危険だ。」ということだが、カカシに言わせれば、国家警備を仕事が出来なくても容易に解雇されな小役人に任せておくほうがよっぽども危険だと思うがね。


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似非医学、ワクチン恐怖症が生んだ数知れない悲劇

この間、カカシは毎年一回の健康診断を受けに行った。そのとき主治医のおなごせんせから破傷風の予防注射を推薦された。破傷風なんて、まちがって釘を打ち抜いたとかナイフでさされたとかいう深い傷でも負わない限り特に心配するような病気ではない。不思議に思って首をかしげていると、おなごせんせは「最近百日咳が流行ってるのよ。破傷風のワクチンは百日咳にもよく効くのよ。」とおっしゃた。せんせはこの間赤ちゃんを産んだばかりなので早速予防摂取を受けたとのこと。百日咳なんて今日日(きょうび)かかる人なんているのか、乳児への予防注射が出来てからほぼ絶滅した病気ではないのだろうかと思ったのだが、ここでふと思い当たることがあった。
読者諸君は最近、麻疹やおたふく風邪や風疹の予防注射が自閉症の原因となるという話が嘘でたらめであるとブリティッシュ・メディカル・ジャーナルが発表したニュースを聴いているだろうか?

ワクチンで自閉症はでっちあげ 英医学誌に報告(2011.1.06)

 【ワシントン共同】麻疹、おたふくかぜ、風疹の新3種混合(MMR)ワクチンの接種と自閉症との関連性を指摘した1998年の論文は(アンドリュー・ウェイクフィールド)医師のでっちあげだったとの報告を、英国のジャーナリストが英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル電子版に5日発表した。
 ジャーナリストのブライアン・ディアー氏は今回、論文の対象となった患者の親への聞き取りや診療記録の調査を実施。接種後に自閉症の症状が出たとされる12人のうち、5人は以前から症状があり、3人は自閉症ではなかったと結論付けた。
 欧米では論文発表後にワクチン接種が減って、はしかが流行。今も副作用を疑う人が少なくないという。

このようなでっちあげ論によって被害を受けたのはインフルエンザのワクチンだけではない。子供から命を奪い、生存者は一生後遺症を患うポリオや、乳児や幼児には命取りになる百日咳なども、嘘でまかせワクチン恐怖症のために、現代社会では信じられないような巻き返しをおこしているのだ。
上記の1998年の調査結果がランセットで発表されて以来、小児予防接種の危険性を唱えるウェブサイトはあちこちに生まれ、メディアも医学的な証拠もきちんと提示しないまま、センセーショナリズムを取り上げて大々的にワクチンの危険性を唱え始めた。(別処珠樹著のこれなんかいい例)
この話は1990年代に起きた豊胸整形に使用されるシリコンが身体に害を及ぼすという似非理論が幅を利かせたヒステリーを思い出す。整形手術などは危険ならば受けなければいいだけの話だが、乳幼児の予防注射は受けなければ後々ひどいことになる。いや、10年以上にわたるでっちあげ医学のために、イギリスやアメリカでは予防接種を受ける乳幼児が激減し、それと共にほぼ絶滅状態にあった病気が激増した。たったひとりのでっちあげ論文のため、何十年に渡って勧めてきた予防接種運動は大幅に後もどりしてしまったのである。
科学ジャーナリストのマイケル・フメントによると、このワクチン自閉症論でっちあげ事件は氷山の一角だという
最初からランセット医学誌に発表されたウェイクフィールド医師の説はつじつまが合わなかった。近年確かに自閉症患者の数は増加しているが、それは患者数が増えているというより、医学の発達と共に正しく診断される患者が増えたというだけにすぎない。
自閉症は多種のワクチンに使われる防腐剤のチメロサールが原因だとされ、アメリカでは2001年からチメロサールの使用は禁止されたが、その後自閉症患者の数は全く減っていない。スエーデン、デンマーク、カナダなどでもチメロサールの使用は禁止されたが、これらの国々でも自閉症患者の数は増え続ける一方である。
しかも、自閉症を起こすといわれたMMRワクチンにはもともとチメロサールは使われていなかった。MMRに関してはその後も色々な事実が明らかになっている。

  • 2004年、合衆国メディスンリポートはMRRもしくはチメロサールの関連性は発見できなかったと発表。
  • 2005年の日本の調査では、MRRワクチン使用を差し止めた横浜市において、自閉症患者の増加比率は差し止め前と全くかわらなかった。
  • 同年、コチランライブラリーが139の調査結果を見直した結果、MMRと自閉症を結びつける証拠は全く発見されなかった。

ところで、元の調査書を発表したウェイクフィールド医師に関しても、数々のスキャンダルがうかびあがってきた。

  • ロンドンのサンデイタイムスのブライアン・ディアフィールド記者はウェイクフィールド医師に関する膨大な資料を集めた。なかでも、医師は調査結果発表の2年も前にワクチン製作の製薬会社に訴訟を計画していた弁護士グループから70万ドルの謝礼金を受け取っていた。また、医師の調査対象となった12人の患者はあらかじめ医師が選んだ患者であり、患者や家族らも医師が肝心な要点で事実を歪曲していると証言している。
  • 2004年にはウェイクフィールド調査の共著者の12人のうち10人までもが記事を取り下げている。
  • 2010年1月、英国医師会は、ウェイクフィールドは調査において不誠実で無責任は行動をとったと批判。翌月、ザ・ランセットは元記事を取り下げた。三ヵ月後、ウェイクフィールドは医師免許を失った。

ウェイクフィールドの処分云々もだが、このけしからん藪医者の調査を信じて子供に予防注射をうけさせなかった親たちはどうなるのだ?いや、それをいうなら嘘でまかせのために現代社会において簡単に予防できる病気にかかって死んだ子供や後遺症で苦しむこどもたちのことはどうしてくれるのだ?
冒頭で書いた百日咳だが、1980年にはほんの一握りの件数しかみられなかったのに、去年2010年のカリフォルニアでは1947年以来最高の8000件が記録されている。入院する患者の60%が乳児でそのうちの10人が命を失った。
百日咳のワクチンはランセット調査には含まれていなかったが、予防注射のワクチン恐怖症が、多くの親たちにワクチン全体に対する疑惑を生んでしまったのではないだろうかと、カリフォルニア、オハイオ市のアクロン小児病院、百日咳専門医Blaise Congeni医師は語る。カリフォルニアはアメリカでもワクチン拒絶症の「震源地」なのだそうだ。
フメントも指摘しているが、薬でも何でも大病の原因になるというニュースは大々的に報道されるが、その研究や調査には怪しい点が多いという話はめったに取り上げられない。何かが危ないというニュースは即座に広まっても、特に問題はないという医学的な証明には何年もかかる。その間に、この嘘でっちあげ論は信じられないような膨大な被害を生み出す。
先に述べた豊胸手術に使われたシリコンインプラントにしても、たかが整形手術だと思うかもしれないが、訴訟に告ぐ訴訟で倒産に追い込まれたインプラントを製作したダウコウニング社はシリコンインプラントだけでなく、心臓につけるペースメーカーや腰の人口関節なども製造していた。こうした医学用品製造では第一といわれたダウコウニングの倒産は医療社会に大打撃を与えた。(何も悪いことをしていないのに訴訟をおこされた整形外科医たちや、すでにインプラントを受けていた女性患者たちの苦悩も無視できない。)
そして近年のこのワクチン恐怖症ヒステリー。
はっきり言って、私は親たちにも非常な責任があると思う。予防注射の副作用がニュースで大々的にとりあげられているからといって、安易に子供の予防接種をやめてしまうのは考え物だ。いったい副作用とはどういうものなのか、その危険性はどのくらいのものなのか、予防接種を受けないことによる弊害と比べてどちらがもっとも危険なのか、親としてきちんと学ぶべきである。
子供の命と将来がかかっているのだ。メディアのハイプに惑わされてはいけない。


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イスラムテロリスト達、守りの甘い米墨国境を悪用

お詫びと訂正: バーチャルフェンスに関して、一部、文章が尻切れとんぼになってつながらなくなってる場所があったので訂正した。
今朝のフォックスニュースで、アリゾナ南部のメキシコ(墨西哥)国境付近でイランの自爆テロに関する本が見つかったという話を聞いた。私が観ていたテレビ番組では、評論家が、メキシコ人がイランの自爆テロの話に興味があるとは思えないので、これはあきらかにイスラム系テロリストが密入国した際に落としたものだろう、と語っていた。しかし国土安全保障局の報道官は、必ずしもテロリストの所持品とはいえない、安易な結論付けは軽率だと返していた。
スペイン語もろくろく読めないようなメキシコ密入国者がなんでペルシャ語の本なんか持ってるんだよ、人を馬鹿にするのもいい加減にしろ! と思ったが、朝は急いでいたので、出張先のホテルに戻ってからデイリーメールオンラインを読んでいたら、過激な言動のためカナダ、イギリス、アメリカへの入国が禁止されているイスラム聖教師がカリフォルニアとメキシコ国境を密入国をしようとして国境警備員に逮捕されたという記事を読んだ。
この二つの記事は偶然のようで偶然ではない。先のフォックスの記事を詳しく読んでみると、イスラムテロリストがメキシコ国境を越境してアメリカに入ってきたのは、今回の二つの事件がはじめてではなく、これまでにも幾度もあったと書かれていた。国土安全保障省の守りの甘さは悪名高いので決して驚くことではないはずだが、こうしてその悪影響を目の当たりにすると、解っていたこととはいえ腹立たしい。
火曜日にアリゾナのメキシコ国境付近の砂漠で国境警備員によって発見された本は「我らが殉職者の追憶」というイラン発行の遺伝書で、自爆したテロリストたちの名前や生年月日、そしてどこでどのように自爆したかなどが記録されているという。発見された場所は、メキシコの麻薬密輸ギャングたちが好んで使う通路で、明らかにイスラムテロリストがメキシコの暴力団に金を払って越境援助をしてもらったものと思われる。
国土安全保障省は、現在イスラムテロリストがメキシコ国境あたりで活動しているという情報はつかんでいないとしているが、連邦警察(FBI)のロバート・ミューラー局長によると、最近OTMと呼ばれるメキシコ人ではない密入国者が危険な率で増えているという。
ミューラー局長は2005年の議会公聴会でアルカイダと深いつながりのある国の人間がメキシコ系の偽名を使い、スペイン語を学んで、ラテン系移民を装って入国していると証言している。
すでに去年だけでも、国土安全保障省はアフガニスタンやエジプト、イラク、イラン、パキスタン、サウジアラビア、そしてイエメンから何千という密入国者を保護している。また国境警備隊の調査によると、保護されたOTMの数は2004年が4万4千614人、2005年が16万5千178人、そして2006年は10万8千025人だという。
また、移民局の職員は今回だけでなく、以前にも米墨国境付近で中東のものと思われる物品をいくつも発見している。たとえば、テキサスのザパタ市ではイランの現金が、ジムホッグ郡では航空機が塔に突っ込む絵柄のバッジが貼り付けてある上着が発見されたりしている。
私が空港でのTSAによる行きすぎの警備体制を批判するのは、まさにこのような国境警備体制の甘さにある。TSAをつかさどる国土安全保証省のジャネット・ナポリタノ長官は、この間の選挙後、どさくさにまぎれてカメラやセンサーを使うバーチャルフェンスと呼ばれる防御壁建設企画を中止した。
明らかに危険な状態にある国境の守りに全く力を入れずに、国家安全のためだからと言って不愉快なだけで何の役にもたたない不必要な調査をやっているからだ。国民の税金を無駄遣いし、国民に迷惑をさんざんかけておいて、国境はがら空き。
TSAで無駄遣いする金があるなら、国境警備員を増やすとか壁を建てるとかもっと効果的にテロリストや暴力団を締め出す方法があるはず。
無論国土安全保障省のジャネット・ナポリタノ長官の目的は国土保障などではないから、この状況は当たり前といえば当たり前だ。
彼女の目的は、そしてもちろんこれはオバマ王の陰謀でもあるわけだが、アメリカ国土を守ることではなく、国土安全保障という名目でアメリカ市民をコントロールすることにあるのだ。そのために何人のアメリカ人がテロリストの殺されようと、メキシコの麻薬戦争の巻き添えになろうと、オバマ王やその手下達の知ったことではないのである。


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胡主席への見苦しいオバマ王の迎合ぶり、晩餐会では中国人ピアニストが反米行進曲で主席を歓迎

この間の中国の胡主席訪米中のオバマ王の媚びへつらいぶりは見ていて腹立たしい限りだった。日本の麻生首相が訪米した時は合同記者会見も行わず、外国の来賓特別の宿泊施設も提供せず、民営のホテルに泊まらせるという失礼な態度をとったくせに、中国の胡主席訪米となったらオバマ王は合同記者会見はもちろんのこと、豪華絢爛な晩餐会を開くなど、いたれりつくせりの大歓迎。普段から現代のマリー・アントワネットと言われる妃のミッシェルなどは、チャイナレッド真っ赤っかのイブニングドレスを着て晩餐会に出席。イギリス、日本、イスラエルなど、同盟国の首相たちを足蹴にしてきた態度とは正反対の大歓迎ぶりだ。
そのあまりのへつらいぶりをおちょくって、台湾の風刺アニメが面白い動画を作っている(日本語訳付き)が、これは中国でも結構評判がいいとか、オバマはまさに世界の笑い者だ。
さらに腹立たしいことに、ホワイトハウスの歓迎会で在米中国人のピアニストは、中国の反米映画主題曲を演奏して、オバマ王並びにアメリカを完全にコケにした。
アメリカと中国の親睦を深めるといううたい文句で開催された晩餐会では、何人かの有名なジャズミューシャンが演奏を披露したが、そのうちの一人、在米中国人のピアニスト、郎朗(ランラン)氏が独奏した曲が朝鮮戦争を舞台にした有名な中国の反米映画 “Battle on Shangganling Mountain”(上甘岭山の戦い)の主題曲”My Motherland” (我が母国)だった。
中国ポータルのシナとソーフーはそれぞれ、北京新聞の「ランランの演奏は中国の力を示すためのものだ」と讃えた記事を再掲。シナのマイクロブログサイトに書かれた「アメリカ人は音楽に魅了されていた。アメリカ人は本当に馬鹿だ」というコメントが何度も再掲載された。
ここまで中国にバカにされたアメリカ大統領はオバマくらいだ。まったく恥かしったらありゃしない。


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労働組合が牛耳るカリフォルニアは州公務員年金で破滅する

陳さんが取り上げていたジャパンビジネスプレスのこの記事(日本語)で、カリフォルニアが破産状態なのは、長年における労働組合と州政府の癒着により州公務員の給料や年金が信じられないほどの高値になっていることが大きな原因だという指摘があった。折しも本日カカシは仕事の帰りに地方ラジオ局の番組で、カリフォルニア州の公務員は他州に比べて最高の給料をもらっており、その年金の高さは全国最高だという話をしを聞いたばかりだった。

給付額を大幅に引き上げる州法が1999年に施行されてから、一部の職員は50代前半で退職して給与の90%相当の年金を受給できるようになっているという。

ああ、私は職種を間違ったなあ。大学は教育学部を専攻にして加州(カリフォルニア州)で学校の先生にでもなるんだった。いや、自動車やバイクの免許を扱うDMVの職員にでもなっているんだったな。そしたら今頃は回りの不景気を傍目に悠長に引退して左団扇(ひだりうちわ)だったかもしれないのに、(それには歳がちょおっと足りないかな?)
これに関しては超リベラルのロサンゼルスタイムスでさえもあきれかえってる

去年のクリスマスから我々はすでに、サンフランシスコ市の引退者の健康保険資金はすでに44億ドルの赤字であること、サンタクララ郡の消防長官はすでに高額の給料の上にさらに年間20万ドルの年金を受け取ることになること、そして最近の州立大学の授業料の値上げはほぼ全額が年金の赤字補正に当てらたこと、そんな時に州立大学のなかでも最高に給料の高い重役たちはもっと多くの扶養手当をを求めて訴訟まで起こしているなどを学んだ。天気予報のように普通に聞かれるようになった引退のスキャンダルに、有権者たちは激怒している。

カリフォルニアの長期的な健康をめざして、難しい決断を下すと約束したジェリー・ブラウン知事にとって、州公務員の年金制度改革は絶好の機会である。しかし知事が提案した予算案には肝腎な点における変革は含まれていない。

加州の年金負債は7千億を超えており、年金や扶養手当を減らさずに穴埋めをするめどは全くついていない。
加州の公務員に支払われる年金は過去十年間で維持不可能なほど増加しており、州立大学制度の経営費よりも多い50億ドル超の金額が毎年支払われているという。州公務員の引退パッケージの平均率はなんと120万ドル。それを払っている納税者の平均引退貯金はたったの6万ドル。
皮肉な事に、すでに定年退職した人々の年金を支払うために、地方都市は肝心な市役所の仕事が出来ない状態にあるという。上記のJBPが取り上げている完全破産したバレーホ市では道路修理担当の職員が大幅にリストラされたため、穴ぼこだらけの道路が放置されたままになっているという。

この街の道路の修復に31年間携わってきたフランク・カバレロ氏によれば、同市の道路課では3分の2の職員が削減された。道路のメンテナンス担当者は、今では3人を数えるのみだ。

また警察官の数も削減されたため、限られた人員では凶悪犯罪以外の事件にまで手が回らなくなっている。
ロサンゼルス市では、2002年、市税1億ドルが市役員の年金支払いに当てられ全額が支払われたが、今年は血税4億ドルを投じても23億ドルの赤字を埋め合わすことができない。
問題なのは、州公務員の年金制度は民間企業のそれに比べて恵まれすぎていることだ。例えば、民間企業では健康保険の保険金や年金の積み立ては、従業員と企業が半々で払っている。給料から何パーセント差し引かれるかは従業員が個々で選べることになっていることが多い。ところが加州の保険や年金は州が積み立てを全額保証している。つまり、我々納税者は州役員の年金を100%支払っているのである。
しかも定年退職した職員は死ぬまで健康保険に入っていられるので、若くして退職する不利益が全くない。もともと高給取りの重役などは引退したほうがそれまでより高い収入を得ることになる。これでは退職できる最低の55歳で引退する人が多いのは当たり前だろう。
だいたい引退した人間の年金支払いのせいで州が破産するからといって、道路工事職員がリストラされて道路は穴ぼこだらけ、警察官や消防官をリストラして犯罪も火事もほったらかしなんて冗談じゃない。
そういえば、私も3年くらい前に、足の指を折ったショックで失神してしまい、夫が救急車を呼んだら、そのくらいの怪我で救急車を呼ぶな、自分で救急病院へ行けと言われた事がある。あれは、今思えば、消防署の予算不足で救急隊員の数が足りていなかったからなのだろう。
近所に住む独身で独り住まいの友達が盲腸で七転八倒していた時、私とミスター苺が彼を担いで車に乗せて救急病院に行ったこともあった。あの時は何故、彼が消防署ではなくうちに電話をしてきたのか疑問だったのだが、もしかして彼は最初に911に電話して救急車に来てもらえなくて、仕方なく私たちに助けを求めたのかも。その時は慌てていたのでそんなことは考えずに彼の家まで飛んで行ったのだが。
シュワちゃんが任期切れで引退した後を引き継いだジェリー・ブラウン知事は30年くらい前にも加州知事をやったことがある。当時は任期制限がなかったので、今回再び知事就任が可能となったのだが、以前のブラウン知事は非常な社会主義者だった。もし現在の知事が過去と同じような政策をとって、民主党議会と一緒になって州民の血税を無駄遣いして私利私欲を肥やすようなことをすれば、加州は終わりである。それこそギリシャのような暴動がおこったとしても不思議ではない。
だが、もし、ブラウン知事が選挙運動中に公約したように、州の予算を立て直し、経済回復のために大改革を行うことが本気で出来たならば、少なくとも民主党議会に立ち向かう勇気があったならば、来期の選挙では加州でも共和党議員が選ばれる可能性は出てくる。
しかし加州住民としては州職員と組合が、長年に渡って州予算を奪略していたのだと知って非常な怒りを覚えるのであった。


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批評家の批判とは裏腹に、好評だったサラ・ペイリンの反論ビデオ演説

先週の水曜日に数日間の沈黙を破ってサラ・ペイリンが自分のフェイスブックで公開した反論ビデオ演説(字幕付きロイターニュース)について、ニューズウィークやMSNBCなどのリベラルメディアはペイリンの失点だとか、オバマに比べて利己主義な演説だったとか批判たらたらだ。特にMSNBCのスカーボローアナウンサーは、「これでペイリンの政治キャリアが終わらなかったら驚きだ。」とまで言っていた。
ところが、14日発表のHCDが行った世論調査では、ペイリンの反論演説は意外と好評だったという結果が出ている。
民主、共和、無所属の1437人を対象に行ったこの調査では、ビデオを観た後、サラ・ペイリンへの印象が好転するという結果が出た。
アンケートでは、回答者にサラ・ペイリンについての印象が、「好感が持てる」「信用できる」「誠実である」の三つに関して、ビデオ演説を観る前と後に、それぞれ最低の1点から最高の7点までで採点してもらった。
民主党支持者の間での「好感が持てる」以外は、どのグループも演説を観た後のほうが点数があがっている。特筆すべきなのは「誠実さ」に対する点数が民主支持者の間で2.62から2.69に、共和支持者で5.25から5.45へ、無所属の間では3.68から3.85点にあがったことである。
また、これとは別の世論調査で、今回の乱射事件にサラ・ペイリンが選挙運動の際に激戦地区を表すために使った射撃の標的地図がどのくらい影響があったかという質問に対して、相当な影響を及ぼしたと答えたのはたったの19%、多少は影響があったと答えたのが16%、大してないが15%、全く影響がないが圧倒的多数で44%だった。
つまり、左翼リベラルがあれだけ一生懸命になって三日間に渡ってサラ・ペイリンを悪者扱いしたにも関わらず、一般市民はそんな情報操作には全く乗らなかったというわけだ。しかも、批評家がこてんぱんにこき下ろしたのに、実際に演説を観た人々の間では、ペイリンの演説は彼女の好感度を増し、民主党支持者のあいだですら、彼女は誠実で信用出来るという印象を与えたのである。
左翼リベラルが思うほど、一般のアメリカ市民は愚かではないということだ。


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第三諸国を思わせる、カリフォルニア中部の悲惨な現状

かつてはアメリカのブレッドバスケットと呼ばれたカリフォルニア中部の農家が、州議会と連邦政府による無謀な経済及び環境政策によって、いまやその貧困度は第三諸国を思わせるほど悲惨な状態となっている。
カリフォルニアと一口に言っても面積は日本の1.5倍もある。日本では都会のロサンゼルスやサンフランシスコ、ま、せいぜいサンディエゴあたりのことくらいしか知られていないが、カリフォルニアのほとんどは酪農や畑の農地である。

カリフォルニアセントラルヴァレー(California Central Valley)は、アメリカ合衆国、カリフォルニア州の中央部を占める広く平らな谷。北はカスケード山脈、東はシエラネヴァダ山脈、南はテハチャピ山地、西はコースト山脈とサンフランシスコ湾に囲まれており、サクラメント川とサンワーキン川が流れ、農業地帯になっている。北部はサクラメントヴァレー(w:Sacramento Valley)、南部はサンワーキンヴァレー(San Joaquin Valley)と呼ばれる。
カリフォルニア州のほかの場所と異なり、この谷は非常に平らである。海水面が現在よりも高かった時代には海だったと思われている。(ウィキペディアより)

カリフォルニア州の議会はもう長年超リベラルな民主党に牛耳られている。おかげでカリフォルニアはアメリカとは思えないほどの社会主義が進み、州予算は多々の無駄遣いが行き過ぎて完全に破産状態。7年ちょっと前、弾劾された知事の後、颯爽と登場したシュワちゃん知事も一人では議会の横暴を抑える事が出来ず、支持率22%という最低の結果で退陣。新しく超リベラル民主党のジェリー・ブラウン知事を迎えたカリフォルニアの経済は、さらに低迷の一途を辿ることとなるだろう。
何と言ってもカリフォルニアで一番の問題は「福祉」という名の無駄使いだ。カリフォルニアは他の州に比べて生活保護や失業保険など、政府からの手当で生きてる人間が非常に多い。また州政府に雇われている公務員の数も相当なものらしい。こうした出費を補うため州民は他州よりもずっと高い州税を課されている。高税から逃れるために、年々高所得者は州を脱出。中低所得者を雇っていた多くの企業も、税金と厳し過ぎる環境規制を嫌って近隣の州や国境をへだてたメキシコへ移転してしまった。
これに輪をかけて中部の農民を苦しめ壊滅状態に追い込んでいるのは、連邦政府が無謀に課した環境政策である。連邦政府は絶滅の危機にあるというデルタスメルトという普通の人が聞いたこともないような魚の種を守るためと称して、サクラメントからサンワキンバレーの西側にあるサンワキンデルタ農地に引かれていた水を、直接海に流すように水路を変えてしまった。結果何百何千エーカーに渡る農地が干上がり、何千という農業職が失われた。
その結果、カリフォルニアでは失業者が急増。その分失業手当や生活保護にかかる費用が増えるという悪循環が起きている。しかもリベラルなカリフォルニア議会は違法移民の取り締まりを厳しくするどころか、かえって歓迎するような政策を取ってきたので、今や生活保護を受けている多くが違法移民の子孫か違法移民そのものだったりする。
企業の大量脱出と人為的な間伐により、カリフォルニア中部はいまや第三諸国を思わせる貧困地帯となっている。メンドータ市の失業率はなんと40%にも登り、そのほぼ全員が生活保護を受けている。
中部を車や自転車で色々巡って観察したビクター・デイビス・ハンソン教授によると、このあたりの住民はほとんどがヒスパニックと呼ばれるメキシコからの移民で、大半が英語を介せない。
皮肉なことに、環境規制が他州よりずっと厳しいカリフォルニアにおいて、企業が出て行った中部は汚染の垂れ流し状態になっている。それというのも、州は破産状態で違反者を取り締まるだけの予算がない。よしんば取り締まって罰金を課してみても、貧乏な零細企業や失業者に罰金が払えるわけでもないので、工業廃水や油や大型廃棄物といったものが真っ昼間から堂々と遺棄されていても完全に放置されたままだという。
ハンソン教授も、家の裏庭に動かなくなった車や部品が転がっているのは普通で、トラックの荷台に乗せた使い古しの電化製品やペンキなどを、道路脇に平気で捨てて行くヒスパニック系住民をいくらも見かけたという。また明らかに営業許可証など持たないと思われるテキ屋が、みちばたに屋台を立ててタマレやタコスを売り出し、つかった調理用の汚い油など、その辺に捨てていたそうだ。
カリフォルニア州は長年に渡り、中部の農業地の労働力確保のため違法移民の流入に目をつむって来た。ところが民主党が完全多数を絞める州議会による社会主義政策により、大企業も高所得社も州から流出。過激派リベラルによって連邦政府から科せられた理不尽な環境政策に抵抗するどころか迎合し、州の農業を壊滅状態に追い込んだ。
おかげで過去30年間に渡って移住してきたヒスパニック系移民は合法違法に関わらず、ほぼ失業状態で、そのほとんどが破産状態の州の生活保護を受けることとなった。つまり、州の収入を上げるために税金を引き上げる行為が、収入を下げ支出を上げるという全く正反対の結果を生んだのである。私がカリフォルニア住民でなかったら、自業自得とあざ笑ってやりたいところだ。
超リベラルのブラウン知事が、議会の無駄遣いを調整し、連邦政府の横暴に立ち向かう勇気があるとはとても思えない。カリフォルニアはこれからも低迷の一途を辿るであろう。


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オバマのだらだら演説に対しペイリンの簡潔明快な演説

先日、ツーサンの乱射事件で無くなった方々への追悼式が行われたが、追悼式にしては、あまりにも騒ぎ過ぎの参加者の態度に私はかなりむっとした。最初に出て来た地元インディアンの祈祷師が犠牲者に対する祈祷をする前に、何を勘違いしたのか自分の祖先がメキシコから来たとかいうどうでもいい話を長々とやりだし、それに反応して参加していた学生達がいちいち歓声を上げたのも不愉快だった。
犠牲者の六人はほぼ全員がカトリック教徒だったのだから、ここはカトリックの神父さんにでも来てもらって、祈祷を捧げてもらった方が適切だったのではないか? 何故こんなところに場違いなインディアンの祈祷師なんぞが出てくるのだ?
ま、それはいいとしてもだ、肝心のオバマの演説はどうだったのかというと、YSジャーナルがすっかり私の言いたい事を言ってくれてるので、引用する。

まず、スピーチが長い。(35分)亡くなった方へのトリビュート、容疑者逮捕や救急活動等の英雄的な活躍をした普通の人々への賛辞、そして撃たれてから始めて目を開いたガブリエル・ギフォーズ下院議員の回復具合の発表。事件を政治化して大騒ぎする人々へ冷静になるようにする呼びかけと言いたい事がてんこ盛りなのは分かるが、もう少し抽象的で短い方が良かったと思う。

会場がアリゾナ大学のスタジアムなので学生の参加者が多かったのか、オバマ大統領登場の時に既に歓声が上がっていた。オバマ本人も最初は戸惑い気味であったが、スピーチ途中で議員が目を始めて開けたと言う発表で大いに盛り上がってからは、メモリアルサービスがオバマの演説会に変貌していった。
(略)
今回の事件を政治化せず対話を進めようと呼びかけていたが、何の根拠もなく、保守系やオバマ就任以来の政治環境を事件の背景として非難し始めた張本人は、担当の保安官であり、その尻馬に乗ったのは民主党議員やリベラルであった事を考えると、民主党のトップであるオバマはただのマッチポンプ男だ。
(略)
オバマの価値観、死生観が滲み出る様な深い言葉を紡ぐ事は出来なかったのだろうか?

オバマは演説がうまいということになっているが、私はオバマ王の演説に感動したことはない。だいたいいつも的を射ない話を長ったらしく、だらだらするという印象がある。私には全く理解できないのだが、オバマ王の批評家の間でも頭が良くて演説がうまいということになっている。マーティン・ルーサー・キング牧師のようにすばらしい演説家だと言い張る人もいる。だからオバマ王の演説力に感心していないのは私くらいなのかなと思っていたのだが、YSさんの批評を読んでちょっと安心した。
はっきり言って、これはオバマの政治演説の場ではなく、あくまでも死者への追悼が目的だったはず。オバマ王一人の責任ではないとはいうものの、あんまり観客の歓声を煽るような態度は不適切だったと思う。これではまるで大統領再選にめがけての選挙ラリーのようだ。
リベラルメディアはこぞってオバマの演説を絶賛しているが、保守派の間でもまずまずの評価だった。私には何がそんなに良かったのかさっぱりわからないのだが。
それに比べて同日の朝、追悼式の数時間前に、左翼リベラルが毛嫌いするサラ・ペイリンが事件についてフェイスブックで発表したビデオ演説は、時間も8分と短く簡潔で非常によかった。内容も的を射ていてオバマ王のだらだら演説よりもずっと大統領的な演説だったと思う。
ペイリンの演説を訳すのは大変なので、誰か日本語で書いてくれてる人はいないだろうかとグーグル検索してみたら、ペイリンを悪く言うサイトばかり。しかも、保守派も感動させたオバマの演説に比べ、ペイリンが失言したとか頓珍漢なことを書いてるものが多い。ニュースウィークのこれなんか典型だ。

(前略)オバマは「責任をなすりあうのではなく、団結して品位あるデモクラシーを実現しよう」「(殺された9歳の少女が)夢見たようなアメリカにしよう」と、選挙戦当時のオバマに戻ったような熱のこもったスピーチを展開、会場だけでなく保守派のFOXニュースの解説委員たちをも感動させるという結果で、政治的にも成功しています。

 一方のペイリンは、この集会に先立って水曜朝にフェイスブックにビデオメッセージを寄せて沈黙を破ったのですが、髪型を変え、相当練習した形跡があるものの、自分たちへの政治的非難に対して反論してしまったスタイルが共和党系の人々からも猛反発を受けています。「アリゾナの事件はペイリンのカトリーナだ」という言い方もされ始めていますし、超党派での追悼集会が大成功だっただけに、余計に「利己的なペイリン」の孤立が浮き彫りになっています。

悲劇を利用して個人的に攻撃されたのだから、向けられた批難に反論して何が悪いのだと私は聞きたい。だが、ペイリンの演説を全部聞いたが、「利己的なペイリン」などという印象は全く受けなかった。日本のニュースサイトはどれもこれもペイリンの演説を批判しており、まるでニュースウィークを翻訳しただけといったものばかり。記者が独自に演説を聞いてもいないようだ。ここはひとつ、面倒でも私が真実を書いておく必要があるだろう。
ペイリンの演説の主題はアメリカが逸脱した偉大な国である基盤には、誰もが自由に平和的に違う意見を交換できるという言論の自由があるということだ。ペイリンが批難しているのは、こういう悲劇を悪用して違う意見を憎悪を掻き立てているとかいう、根拠のない言いがかりをつけて弾圧しようとする行為である。ペイリンはこういう時こそ感情に負けて安全のために自由を放り出すような行為にでてはならないのだと警告しているのだ。
では、ペイリンの演説の内容について説明しよう。いつものことだが、忠実な訳というより概要だけの訳なのであしからず。
ペイリンは最初に、土曜日に起きたアリゾナの悲劇的事件の話を聞いた時、何百万というアメリカ人同様自分も非常な悲しみを覚えたこと、どのような言葉も身内を失った家族の方々の心を癒す事は出来ないだろうが、家族の方々に同情の意を表したい、とし、前日に行われたカトリックの美しいミサによって、犠牲者の家族も国も心を癒しはじめてほしいと、犠牲者の冥福を祈った。
そしてペイリンはアメリカが他の国と逸脱した国家であるのは、違う意見を平和的に交換しあうことであり、その共和国の真髄である権利を施行していたギフォード議員とその支持者による平和的な集会において、たった一人の悪者が市民の命を奪ったことは許し難いとした。
しかしこういう悲劇の際には、アメリカ精神が一番輝く時でもあるといい、生存者の生命力、犠牲者に寄せられた暖かい応援、そして現場で犯人に飛びついた英雄的行為についても短的に語った。
ここでペイリンはここ数日間でされたペイリンを始め保守派に向けられた無責任な言いがかりに話題を変える。

レーガン大統領はかつて「我々は法律が破られる度に法を破ったものよりも社会に責任があるという考えを拒絶せねばならない。いまこそ一個人がそれぞれの行動に責任があるというアメリカの教えを取り戻すときである。」と言った。凶悪な犯罪行為は独立している。その行為はその犯罪を犯した犯人に始まり犯人で終わるのであり、その政府や市民の集団責任でもなければ、トークラジオを聞く人々や双方の政党で使われた中庸な選挙区を表す地図でもない、法に従い米国憲法修正第1条である言論の自由を選挙運動で施行している市民や、先の選挙で誇りをもって投票した市民でもない。

ペイリンはアメリカの民主主義の良さは、意見が違うもの同士が激しく意見を討論し合えることにあるのだと強調する。二年前の選挙ではオバマの政党が勝ち、今回は共和党が勝ったが、激しく選挙で闘った後は、握手をして意見の違うもの同士がDCで協力しあい、共通点を見いだして行く。そして意見が別れればまた討論する。それがわが共和国の強さなのだと。

特に、悲劇が起きた数時間のうちに、ジャーナリストや批評家達は根拠のない言いがかりをでっちあげるべきではない。それこそ彼らが批難すると称する憎悪や暴力を煽ることにしかならない。まったくけしからん行為だ。

明らかに政治色などない気の触れた行為に対して、政治的な言葉使いが原因だという人がある。そして落ち着いた政治討論は最近熱が入りすぎだという。だがいったい何時政治討論は落ち着いていたと言うのだ、意見の違いを決闘で解決した時代か?我々の創設の父たちは完璧な人間のためのシステムを作ったのではない。人々が完璧な天使なら政府などいらない。創設の父たちの偉大なところは、我々の不完全な情熱を平和的に解決していく組織を設計したことにある。であるから我が共和国の生存のためには断じて暴力は批難しなければならない。

またペイリンは「銃を持て」という表現は「投票せよ」という意味であって実際に銃を持って撃ち合いしろという意味ではなかったことを再び強調した。意見の違いを平和的に投票場で解決する、それがアメリカの逸脱したすばらしさなのだと語る。

平和的に異見を述べる権利は妨害されてはならない。悪を善と呼ぶ人々によって言論は弾圧されてはならない。

そして我々は我が国の偉大さと根本的な自由を祝福することを、その偉大さを馬鹿にし、違う意見に不寛容で、勝手に想像した侮辱を理由に騒ぎ立て、相手を黙らせようとする者達によって阻止されたりはしない。

ペイリンは数日前に、ギフォード議員が議会で憲法修正第1条を読んだが、議員はこれが単なる象徴ではないことを知っていたはずだという。そして、そのあと一週間としないうちに、別の下院銀が侮辱的な言語は規制されるべきだと提案したことを指摘。
こういう時こそ我々の価値観が試されるのだ。911が安全と自由を交換すべきか試されたように。今日もまた我々は試されている。
最後にペイリンは再びツーサンの犠牲者と生存者にたいして祈りを捧げようと呼びかけた。そして神に我が国の平和と導きを祈ろう。我々には突発的な暴力行為によってお互いに争わない強さが必要だ。そして、それを口実に地盤を弱めたり討論を抑制するようなことがあってはならないと強調。
そしてアメリカはこれからも、意見が違っても平和的に討論をし協力しあうことに勤めるべきだと締めくくった。
ところで、ペイリンが「根拠のないいいがかり」という意味で使った”Blood Libel”の語源がユダヤ教弾圧の歴史にあることから、この言葉の使用は不適切で、ペイリンの無知をさらけ出した失言だと報道しているバカがいる。
ユダヤ系家庭に育ったミスター苺も、それをいうならリベラル弁護士で有名なユダヤ教学者のアラン・ドーシュイッツ氏も、これは根拠もなく相手を中傷する行為という意味で広く色々な場所で使われており、ペイリンの使用は不適切ではないと弁護している。
内容でペイリンに反論できずに、こういうくだらないことで挙足取りをするしか能がないアメリカメディア。それをまた素直に自らの取材もしないで焼き直し記事かいてる日本のメディア。全く情けない。


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左翼のエリート気取りは規則を守らない典型例紹介

この間ツイートで、私が書いた「左翼リベラルは規則を守らない」という文章を、「事実誤認」であり「論拠を示さない決め付け」と断定した人がいたが、本日、エリート意識丸出しの左翼がいかに規則を守らないか、そして規則を破ったのが左翼だと、いかに咎められずにフリーパスになるかという典型的な話を読んだのでご紹介しよう。
アリアナ・ハッフィントンといえば、ハッフィントンポストという左翼ニュースサイトの創設者で、政治評論家としてしょっちゅうテレビにも出演している。その彼女に対して、離陸時に携帯電話を切らなかったことが原因で客室乗務員が警察を呼ぶという事件がおきた。
ことの起こりは先週末、ワシントンDCからニューヨークへ向うユナイテッド航空機のなかで、乗客の一人が、離陸寸前、機内案内で電気製品の電源をすべて切るようにと指図があった後も、携帯を切らずにべちゃべちゃとしゃべくりまくっている女性がいることに気がついた。
同乗していた他の乗客も、ハッフィントンは単にテキストメッセージを送っていたというような程度ではなく、実際に電話で話をしていたと証言している。
ハッフィントン女史はハンガリアだかどこだかの出身で、非常に強いヨーロパ訛りがあり、私から言わせると勘に触るハスキー声。あんな声でしゃべっていたらかなり目立ったものと思われる。

「彼女はブラクべリーを切らないのです。ゲートから離れているというのに。」と他の乗客。

「離陸した後も、電話がつながっていたのは明らかでした。それで隣のお客さんは腹を立てたのです。」

そりゃそうだ。我々はもう10年くらい前から、器具の作動に悪影響を及ぼす恐れがあるという理由で、飛行中の携帯使用は固く禁じられている。
ハッフィントンの隣に座っていたのはエリス・ベルドフさん53歳のビジネスマン。ベルドフさんによると、ハッフィントンの飛行機の安全性に対して全くの無神経な態度に腹がたったのだという。
ベルドフさんはスチュワードに何度もハッフィントンのブラクべリー使用についてなんとかしてくれと話たが、スチュワードは彼を完全に無視し、ハッフィントンに何の注意もしなかったという。それでベルドフさんはますます腹が立ち、声をあげて怒鳴ったという。

「それで私は怒鳴ったのです、『ブラックベリーを使っている!』とね。」

ハッフィントンが離陸してからも電話を切らないので、ベルドフさんは肘の呼び鈴を何度も押したが、全く反応がなかった。それでついに「なにやってんだ?」と大声で怒鳴ったそうだ。
そんなこんなでやっと乗務員はハッフィントンに電話を切らせたそうだが、ハッフィントンは離陸後すくなくとも10分は電話を切らなかったという。
このことに腹をたてたベルドフさんは、後で先のスチュワードに向って、「離陸と着陸時に携帯電話を使わせないのには理由があるんだろう」と詰め寄ると、スチュワードは着陸してから始末しますからと言われた。「彼女を罰しもしなかったじゃないか」と追求すると「落ち着いてください。」と逆に制された。

「『落ち着け』というのです。それで私は落ち着いている、落ち着いていなかったら、彼女の手が電話をもぎとってるところだ、と言ってやったんです。彼女は自分の携帯使用を飛行機全体の安全より優先させたんです。」

とベルドフさんはカンカン。結局着陸後、乗務員は警察を呼び、ハッフィントンは警察官に数分質問を受けたが、その後どうなったかは不明。
フォックスからの電話インタビューで、ハッフィントンの事務所はベルドフをバカに仕切った調子で、

「あ〜なにやら腹を立ててる乗客がいたそうですね。アリアナはスナックが気に入らなかったンじゃないかって言ってましたけど、違ったんですね。彼はiphoneのファンなんじゃないですか、iPhone好きとブラックベリー派の争いはかなり熱が入ってますからからね。」

と、まるで反省の色を見せていない。
ブルドフさんも指摘しているように、携帯使用が本当に飛行中の操縦に支障を来すというのであれば、規則を破っていつまでも携帯でべちゃべちゃしゃべくっている乗客を乗務員が黙って見逃しておくというのはおかしい。
明らかに客室乗務員は規則違反をしているのが、有名な左翼政治評論家であることを承知の上で、その無神経な態度を多目にみたものと思われる。だとしたら、安全のためというのは単なる口実で、我々しもじもの者には当てはまる規則も、エリートの左翼政治評論家にはあてはまらないということになり、本当に携帯使用は危険なのかという疑問が生まれる。
ハッフィントンのまるで反省心のない態度や、隣席の人が何度も乗務員に注意を促しているにも関わらず、素知らぬ顔で電話を続けていたところからして、彼女はしょっちゅうこういうことをやっており、それを回りが完全に許容していることが伺われる。
これで違反者がサラ・ペイリンだったら、今頃は八フィントンポストの第一面にでかでかと

「サラ・ペイリン、乗客の安全を無視して、携帯きらず!」

と載っていたこと、間違い無し。


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片親が子供を連れ去っても犯罪にならない日本

離婚後に前妻に子供を連れ去られ、日本の家庭裁判所から面接権を与えられたにも関わらず、娘には三年以上も合わせてもらっていないというニューヨーク住まいのアメリカ人男性の話は以前にしたが、このたび、日本は国際結婚が破綻した場合の親権について採決するハーグ条約というものに加盟する意志を表明した。

政府は9日、国際結婚で生まれた子供の親権争いの解決ルールを定めた「ハーグ条約」加盟に向け、月内にも関係省庁による副大臣級会議を設置する方針を固めた。

(略)
同条約を巡っては、国際結婚が破綻した日本人の親が結婚相手に無断で子供を日本に連れ帰り、外国人の親が面会を求めても、日本は条約非加盟のために法的に対応できず、トラブルになる事例が相次いでいる。欧米諸国は日本の早期加盟を求め、とくに米国は昨年9月に下院が日本政府に加盟を求める決議を採択するなど圧力を強めていて、日米間の摩擦になっている。6日(日本時間7日)のワシントンでの日米外相会談でも、クリントン国務長官が前原外相に早期加盟を求め、前原氏は「真剣に検討する」と応じた。

これは、日本人の元配偶者に子供を奪われた外国人からしてみれば歓迎すべきニュースではあるが、私は日本がハーグ条約に加盟した程度のことではことの本随は解決しないと思う。
ハーグ条約は単に外国人の親から日本に住む子供の親権を求められた場合に、日本政府が協力しなければならないといった程度のもので、日本に連れ去られた子供をそう簡単に国につれて返れるかといえばそうはいかない。
欧米では離婚しても共同親権制度というものがあって、どちらか片方だけに親権が与えられるとは限らない。私の知り合いでも子供が一週おきに父親と母親の家を行ったり来たりしてる家族がいた。またどちらか片方に親権が行っても、親権のない親は子供に一週間おきの週末に泊まりにこさせるとか、夏休みはずっとそっちの家に行くとか、子供の養育には積極的に参加するのが普通だ。
しかし、日本の場合は親権はどちらか片方の親にしか与えられない。親権を持たなくなった親には、一応子供との面接権は与えられても、その頻度や時間は非常に限られていて、上記の米パパさんなどは一年に一回36時間だけとかいう信じられない判決がでた。しかもそんな限られた面接権ですらも、親権のある親が無視して邪魔しても、法廷には親権のある親に子供を強制的に元配偶者に会わせる施行力も意志もないから事実上はどうしようもない。
私がもっとも驚いたのは、日本では親権があろうとなかろうと、つまり離婚する前に別れ話がこじれて片親が連れ合いに無断で子供を連れて家を出て行った場合でも、子供を奪われた親のほうには法的に子供を連れ戻す権利がほとんどないということだ。
それは欧米では信じられないことなのだが、日本では片親が子供を連れ去る行為は誘拐という犯罪とは見なされないからなのだ。
子供を連れ去られた片親が、なんとか親権について法廷に訴えることが出来たとしても、法廷は現在子供が一緒に居住しているほうの親に親権を与えるのが普通だという。だとしたら、別れ話が出た時点で先に子供をひっさらって逃げた方が勝ちということになってしまう。これはとても公平な制度とは思えない。
私は最初、この問題は国際結婚における離婚問題なのだと考えていたが、実際にはそうではなく、日本で結婚して離婚したすべての夫婦に当てはまる親権の問題だということに気がついた。
この問題を解決するためには、日本はハーグ条約加盟云々ではなく、法廷は離婚した両親双方の権利を尊重し、きちんとした理由もなしに片親から子供を奪う行為は犯罪であると見なす必要がある。そのために先ずしなければならないことは、、

  1. 親権が決まっていない場合や、親権のない片親が、配偶者に無断で子供を連れ去ることを法律で禁じる。もし連れ去った場合には誘拐罪に問う。
  2. 親権ある親が面接権のある親の子供との面接を拒否することを法律で禁じ、拒否した場合には禁固刑などの罰を与える。それを何度も繰り返した場合には反対に親権を失う。
  3. 面接権のある親が子供に会いに行けない場所に相手に無断で引っ越すことも禁じる。子供が片親に会いたくないと主張した場合でも、面接権のある親が子供を虐待している証拠がない限りは施行されなければならない。
  4. 法廷は親権を考慮する際、現在子供がどちらと居住しているかではなく、どちらと住むことが子供にとって最も適切であるかを判断する。この際、相手に無断で勝手に子供を連れ去った行為は不利になるようにする。

この場合大事なのは、家庭裁判所で決められた取り決めはきちんと守られなければならないということで、今のように、判決は降りてもそれを無視した片親が何の咎めも受けず、判決で勝った側はお金と時間を使っただけ無駄で、何の解決にもなっていないというような状態を続けるべきではない。そのためには違反した片親に刑事責任を取らせるべきだ。また、子供を隠す事に協力した祖父母や家族なども同じように誘拐幇助罪に問うなど、こうした行為はれっきとした犯罪であるということをはっきりさせるべきである。
こうしたことができないのであれば、残念ながらハーグ条約に加盟しただけでは、子供を奪われた外国人の親達が子供達に会える日はまだ遠いと言わざる負えない。無論、子供を奪われた日本人の親達には、全く意味のないことだ。


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