007の基本に戻ったカジノ・ロワイヤル

日本公開は12月1日、(カカシの誕生日!)の007の新作、カジノ・ロワイヤル。 こちらアメリカでは2週間ほど前に公開されたので日本のみなさんに先駆けてみてきました〜! (配役やあらすじはこちら, 写真集はこちら
この新作は見出しにもあるように、ジェームス・ボンドの基本にもどったイアン・フレミングの原作が表現した生の男が赤裸々に描かれている。

CasinoRoyale

男臭さを見せるダニエル・クレイグ


まず、この話はボンドが007という肩書きをもらったところから始まるため、まだボンドは007というスパイとしての実績や経験が足りない。そのため基本的な間違いも起こすし、人を信用しすぎたり、感情に惑わされたりする。また彼が巻き込まれる暴力沙汰もコンピューターグラフィックがあからさまなきれい過ぎ画像ではなく、体と体がぶつかりあう生々しく暴力的な格闘だ。これは「ロシアから愛をこめて」でショーン・コネリー扮するボンドが列車の個室で殺し屋と格闘したシーンを思い出させる。
ここ数年ボンド映画はしょっぱなのスタントがずっと話題になってきていたが、最近はそれが行き過ぎで人間業ではないような不思議なスタントが多すぎた。「ちょっとそれはないだろう」というものが多々あった。 
今回のスタントは考えてみれば非現実であることに変わりはない。ジャッキーチェーンまがいの黒人スタントマンがすいすいと高いクレーンをのぼっていったり、クレーンからクレーンに飛び移ってみたり、確かに普通の人間ができることではない。にもかかわらず、非常に鍛えた人間なら可能かもしれないという幻想をもてるような現実みがあった。映画評論家のおスギさんがいっていたが、高所恐怖症の人にはチョット見られないシーンかもしれない。
主演のダニエル・クレイグは、美形でもなければショーン・コネリーのようなチャームもないが、生の男という感じがひしひし伝わってくる非常に魅力的な男だ。ボンドはロジャー・ムーアやピアス・ブラスノンのようなきれいな男がやってはいけないのだと私はずっと考えていたので、ダニエル・クレイグの起用は大成功だったといえる。
ボンドといえば何と言ってもタキシード姿でカードゲームをやるのが基本。映画のタイトルどおり、カードゲームのシーンがいくつか連続する。ボンド映画はアクション映画であると同時に推理映画でもあるし、精神的な戦いの映画でもある。静かにテーブルを囲んでボンドと悪者がポーカーをするシーンはどんなアクションシーンよりも迫力がある。また、ボンドたちがやってるゲームは最近欧米で大流行の上限なしのテキサスホールダム。ルールを知っている観客もかなりいるだろうから見ていて緊張感たっぷりである。なにしろこのボンド、新米だから必ず勝つとは限らないし、、
映画は何度となくどんでん返しがあり、これでおわりかなあと思うと意外な展開を繰り返す。そのなかにはアメリカ公開ではカットされそうになった残酷なシーンもまざっている。映画が始まる前に注意書きとして「裸のシーン、性的な拷問のシーンがあります」とあったが、13歳以上なら子供でも見られる映画でそんなたいしたシーンはないだろうと鷹をくくっていたらば、かなり衝撃的なシーンだった。(特にに男性には苦しいかも)
これはマッツ・ミケルセン扮する悪者ル・シッフルにとらわれの身となったボンドが座る部分をくり抜かれた椅子に全裸にされてくくりつけられ、縄の先におもりをつけたものを振り回して椅子の下からぶつけられるという拷問をうけるシーンだ。主役のクレイグにインタビューしたオスギさんの話だと、椅子の下にアクリルの板を敷いて実際には当たらないように工夫してあったそうなのだが、ミケルセンがロープについたおもりを強く振り回し過ぎて板が壊れてしまい、おもりがもろに当たってしまったという。クレイグは5分間悶絶して動けなかったとか、俳優さんも大変だな。
そうそう、忘れてはならないのがボンドガール。競演のエヴァ・グリーンは細身できゃしゃだが知的な美人。頭はいいけれど繊細な精神をもっていて勇敢。ポーカーゲームの最中に圧倒される美しさで他のメンバーの気をそらすことになっていたのに、そのあまりの美しさに肝心のボンドが気をとられてしまうというシーンは、ボンドの人間らしさが出ていて良かった。
ところであからさまなCGはないとは書いたが、迫力ある特撮は結構ある。ただどれが特撮かなどと考えずにそのまま楽しめるところがこの映画のいいところ。最後のベニスのシーンは最高。
ボンドファンは必見です!


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業務案内:アクセスの問題について

読者の皆様、大変ご迷惑をおかけしております。
コメント欄に問題がしょうじているようなので、このエントリーをバンプしておきます。
コメントを残そうとしてエラーメッセージが出た方は、どの時点でエラーがでたのか、(例えばコメントを読もうとしたらエラーがでた、コメントを書いた後で下書きをみようとしたらエラーがでた、投稿しようとしたらエラーが出た云々、、)詳しくメールでお知らせ下さい。英語のかける方はメールを英語で下さると助かります。わがブログのテクニカルアドバイザー(ミスター苺)は英語しか読めないので、、
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最近2〜3人の読者のかたから、当ブログへのアクセスに問題があったというお便りをいただきました。特にこちらではなにも変更はしていないのですが、もしかして知らないうちに何かが変わった可能性もあるので、皆様にお願いです。
ブログへアクセスしようとしてエラーメッセージが出た経験のある皆様、どういうエラーメッセージがでたのか教えて下さい。
コメントがうまくつけられないという方は下記へメールをおくってください。
ichigobatakeyo@yahoo.co.jp
よろしくお願いします。
カカシ


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空飛ぶイマームの逆襲

The English version of this post can be found at Intimidating Imams and Ludicrous Lawsuits, Big Lizards.net.
空港や飛行機内で怪しげな行動をして旅客機からおろされた6人のイスラム教イマーム(聖職者)たちの話をこの間したばかりだが、この話は聞けば聞くほどイマームたちによる陰謀だという気がしてきた。ことの起こりはというと、、

月曜日、ミネアポリスの空港ターミナルでお祈りを捧げていたイスラム教徒のイマームと呼ばれる聖職者たち6人が一旦搭乗した後で、心配したほかの乗客からの通報により飛行機からおろされて質問を受けるという事件があった。

最初は単に時と場所をわきまえない無神経で不作法なイスラム聖職者が警察に尋問されて過激な反応をしめしただけの話かのように報道されたが、 詳細 を読んでみると, 6人の聖職者たちが単に無神経なだけだったとは信じ難くなってきた。

  • わざわざ従業員や他の乗客の注意を引くような大声をはりあげてゲートでお祈りをささげ、搭乗時に英語でアメリカを批判する会話を交わしていた。
  • 太ってもいないのに、シートベルトの延長ベルトを注文。ところがシートベルトにつけずに椅子の下においた。(鉄のバックルとベルトはぬんちゃくのような武器としても使える。)
  • 6人のうち二人が指定されていないファーストクラスの席に代わろうとした。これによって6人は911の乗っ取り犯人がとったのと同じ配置になった。

このあからさまな(そして故意に)あやしい行動は単なる無神経では片付けられない。知らずにやったにしてはあまりにも計画的だ。彼等がどうしてこのような行動をとったのか、その理由は彼等のその後の行動からあきらかになっている。
航空機から無理矢理おろされたことから、彼等は人種差別だの人種プロフィールだのといって人権を損害されたとして航空会社を相手どって訴訟を起こす立派な口実を得た。 実を言えばこの6人の1人は過去にもそのような訴訟に関わったことがあるのである。

Muhammed al-Qudhaieen と Hamdan al-Shalawiというアリゾナの大学生二人がアメリカウエスト航空において、操縦席のドアを二度に渡ってこじ開けようとした事件があった。911調査委員会によるとFBIはこれが911乗っ取り事件の予行演習だったと判断したとある。この学生のひとりはアフガニスタンへ渡航し、もうひとりは911捜査の重要参考人となった。

にもかかわらず、この二人アメリカウエストの方針が人種的差別であるとしては今はUS Airwaysに買収された航空会社を訴えた。その犯人の一人を弁護したのが誰あろう、今週US Airwaysの飛行機から引きずりおろされた6人の聖職者たちのリーダーだったのである。
学生たちはアリゾナ州のツーサン市にある聖廟に通っていたのだが、その聖廟の経営者というのが、ミネアポリス空港のUS Airwaysの切符売りカウンターでカメラの前で大騒ぎをしていたヨルダン出身のSheikh Omar Shahinなのだ。

訴訟の目的は単なる金儲けが目当てではない。本当の目的はもっとあくどいものである。イマームたちはアメリカ人を恐喝して「平和な宗教」をアメリカ人に強制しようとしている。アメリカ人の道徳観や訴訟システムや政治機構を逆手にとってアメリカにシャリアを広めようとしているのだ。
彼等の最終的な目標はイスラム教徒やイスラム教そのものへの批判を完全に禁止することにある。しかしとりあえず、民主党が多数議席をとった新しい議会においてイスラム教徒へのプロファイリングをやめさせる特別な法律をとおさせようという魂胆なのだろう。
彼等は適切なキーワードを使い政治的に正しくあろうとするアメリカ人を威嚇すれば腰抜けのアメリカ人は怖じ気づいて反撃しないと考えているのだ。なにしろ同じ手段でヨーロッパでは大成功をおさめたのだから、アメリカでも同じようにうまくいくと踏んでいるのであろう。
おふらんすでは、政治的に正しくあろうという姿勢がいきすぎて、『比較的平穏な日』にいちにち百台もの車が焼かれているのに、フランスメディアはその犯人たちである暴徒をただ「若者」というだけでイスラム教徒と特定することすらできないでいる。イスラム教暴徒のバス放火で若情勢が重傷を負った時でさえもまだそうなのだからあきれる。警察官への攻撃は悪化する一方で、警察は警察官の安全すら守ることができない状態だ。おかげでイスラム教徒の居住区は事実上シャリアによって統括されているのである。まだそこまでいっていないとはいえ、イギリスでもその傾向が多少みられる。
最近ではヨーロッパの各地でイスラム教を批判したり、女性のかぶるベールを批判したりする程度で、命を脅迫される。イスラム教過激派はこのような状況をアメリカにも持ちこもうというのである。イマームたちがこの空港を選んだのは決して偶然ではない。この空港は以前に紹介したイスラム教徒のタクシーの運転手が酒類をもった乗客を拒否しても罰があたらないような特別な法律を要求していたのと同じ空港なのである。
この6人のイマームのうちの4人は市民運動団体とは名ばかりのイスラム教テロ組織CAIR(Council on American-Islamic Relations)と組んで訴訟を起こしている。そればかりか誰が経費を負担しているのか知らないが、国中のテレビ局を回ってあちこちのトーク番組で反米プロパガンダをまき散らしている。情けないことにアメリカメディアは喜んでこれに協力している。
音声を聞いただけなので完全に正確な言い回しではないが、CNNのポーラ・ザーンはインタビュー番組で次のような「厳しい」質問をイマームたちに投げかけた。

  • 「この経験はどれほど屈辱的でしたか?」
  • 「911以後、イスラム教徒は理不尽に標的にされてると思いますか?」

民主党の下院議員、シーラ・ジャクソン・リーなどは911事件がイスラム教徒への人種プロファイリングによるイスラム教徒やアラブ系アメリカ人を差別したり迫害したりする口実になってはいけないとし、今回の事件で彼等は明らかに屈辱を感じ、差別されたと感じたことだろうと語った。
それじゃあ何かい、ジャクソン・リー議員によると我々は人種プロファイリングのみならず、あやしげな行動をする人間さえ尋問してはいけないというのか?
アメリカの馬鹿サヨの反応をみていると、どうやらイマームたちの作戦の一段階目は成功したようだ。アメリカはまだヨーロッパのような状況にはさらされていないが、こんどのようなことを黙認すればあっという間にヨーロッパと同じ運命をたどることになる。
怪しげな行動すら捜査できないとなれば、どれだけ液体持ち込みを禁止しようが、スーツケースにレントゲン検査をしようが何の役にも立たない。どんな機械も人々の観察力には勝てないのだから。
我々は戦争中なのだということを忘れてはいけない。しかも、我々の敵はCAIRやこのイマームたちが支持するイスラム教過激派なのである。我々は決して彼等の脅迫に屈して服従するべきではない。我々は自分らの国を命を守らなければならない。乗客も乗組員もそしてすべてのアメリカ人がすべての場所で常に怪しげな振る舞いに注意を払うべきである。これはイスラエルが何年も前に痛い経験を積んで学んだことである。
ただイスラム過激派が見落としていることがひとつある。アメリカ人は度重なる政治家の試みにも関わらず銃砲所持を絶対にあきらめない国民である。アメリカには「12人にさばかれる方が6人に運ばれるよりましだ」という言い回しがある。12人とは陪審員のことで、6人とは棺桶を運ぶ人の数である。これと同じで、私はテロリストのような怪しげな行動をする人間を目撃したら人種差別者といわれようとどうしようとためらわず通告するだろう。なぜなら、他人の気持ちを気遣っていて空中でふっ飛ばされるのはごめんだからである。
ほかの乗客も同じように感じてくれてることを願うのみだ。


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これは宗派間戦争だ! サドル派テレビ局を占拠

25日未明サドルのシンパらがバグダッドのテレビ局を占拠し、二時間に渡ってシーア派イラク人にスンニ派に対抗して蜂起せよと宗派間戦争を呼びかけた

『これは生放送である。神のご意志あれば、皆よく聞け。我々は歩道や水道やほかのことなどどうでもいい。我々がもとめるのは安全だ。』匿名のサドルシティのある住民はテレビ放映された群衆が歓声をあげるなか演説した。『我々は役人を求める。彼らは宗派間戦争は存在していないという。否!これは宗派間戦争である!それが真実なのだ!』

先日、アルカエダがサドルシティを襲撃し、数回に渡る自動車爆弾などで200人のシーア派を殺したことへのシーア派による反応である。
今朝のラジオで以前アメリカのイラク政策の報道官をしていた人が、今のイラクの状態はもう内乱だといっていた。確かにシーア派の暴徒がスンニ派を殺し、スンニ派が復習するということが続いている以上、これはまさに内乱だといえるのかもしれない。だがイラクは内乱状態にあると断言んてしまうのはかえって問題を深刻化してしまうような気がする。
私は決して現状を無視しろといっているのではない。だがこれが宗派間戦争だといってしまうと、イラク人同士が好きで殺しあいをしているのに何故アメリカが中にはいる必要があるのだ、イラク人には勝手に殺しあいをさせてアメリカ軍は帰って来いという理屈になる。しかしイラクはシーアとスンニが完全に二つに別れてそれぞれが軍隊をもって戦争をやっているわけではない。少なくともまだそんな段階にまでは進んでいないのだ。
今のイラクの状況は協力な暴力団同士の縄張り争いといった程度のものだ。そんな一部の過激派の勢力争いのために殺しあいを望まない一般のイラク人を見捨てるのはあまりにも乱暴だ。
サドルのシンパ連中がテレビ局を占拠してわざわざ「これは宗派間戦争だ」などと宣言しなければならない理由は、多くのイラク人が内乱など望んでいないからである。アルカエダにしてもシーアの民兵らにしても、イラクが内乱状態になることを望んでいる。イラクが混乱すればするほど彼等は自分らの勢力を延ばす可能性が高まるからだ。彼等は政治力で勢力を得ることはまだできない。彼等にできることは暴力による国民制圧だけだ。
もっとも正直な話、サドルシティは軍事的な標的としては適当だろう。サドルシティはイランの白豚サドルの本拠地であり、ここを起点としての攻撃で数多くのスンニ市民が殺されており、その行為を市民の大半が支持している。だからサドルシティがテロリストの犠牲になってもあまり私は同情できない。アルカエダの連中がサドルをシンパを殺したいならどんどんやってちょうだいといいたいところだ。
ただサドルの民兵がアルカエダによる攻撃の復讐をするといって無関係なスンニへの攻撃を激化するのであれば、これは宗派間戦争を望んでいるアルカエダの思う壷であり、イラク全体にとってよいことではない。
それに多くのスンニ派有力部族はシーアとの宗派争いを望まないだけでなく、アルカエダとの絆も断ち切ろうとアルカエダアルカエダに反旗をひるがえし、いまやアメリカ軍と協力してアルカエダと戦っているのである。しかもスンニ派なのにイラク警察やイラク軍へ志願するものも多くでてきているのだ。そのような大事な時にイラク人同士には好きなように殺しあいをさせておけなどという意見はあまりにも無責任である。
せっかくスンニ派の多くがアメリカ軍を信用するようになってきているのだ、シーアの過激派にスンニ派を殺させていてはまた信用をなくしてしまう。アメリカ軍はなんとしてもサドルの白豚ひきいるマフディやバーダーといったシーア暴力団を撲滅しなければならない。そのために兵を増加する必要があるというなら、それも仕方ない。とにかく撤退だけはあってはならない。


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見苦しいアメリカ保守派のパニック状態

この間の中間選挙で負けてからというもの、アメリカ保守派の間でのうろたえぶりは見るにたえない。アメリカの保守派層、特にネオコンと呼ばれる連中はやたら悲観的でちょっとのことですぐヒステリーを起こす。私は彼等の肩をゆすって顔を平手打ちしてやりたいね。全く。
私がネットアクセスのなかった先週に保守派ブロガーの間で根拠のない馬鹿げた噂が広まった。その噂とは、ブッシュ大統領はイラクの未来をイランとシリアに引き渡しアメリカはイラクから撤退する。ゲーツ防衛大臣はそのための起用であり、イラク政策の委員会代表ベイカー氏もそのやり方を助言するというもの。
ブッシュ大統領がイラクをあきらめる? しかもイラクをイランとシリアに任せる? いったいどこからこんな妄想が生まれたのだ?
ことの発端は11月12日にカンザスシティスターの載ったこの記事を、ネオコンブロガーとしては大御所のパワーラインが取り上げたのがきっかけ。この記事にたいしてパワーラインはこのような反応を示した。

私は本当に自分が間違っていればいいと思う。だがこれはまるでまぬけな外交専門チームのみが「現実的」といって考え出しそうな陰謀に聞こえる。なんだってこの神の緑の地球上で、個別にしろ一緒にしろ、イラクの平穏化にイランだのシリアなんてのの助けがいるんだ? 奴らの有利になるという理由で彼等こそが過去三年間にわたってこの力の限りイラクの混乱を招いてきたではないか。

カンザスシティスターの記事が正確ならばパワーラインの反応も理解できる。だが常々アメリカ主流メディアの偏向報道に批判的な発言をしているパワーラインが、自分達の被害妄想に沿った報道だとその信ぴょう性も吟味しないまま記事を鵜呑みにして騒ぎ立てるのはちょっとおかしいのではないか?
だいたいシティスターの情報源とは何だ? この記事を注意して読んでみるとおよそあやしげなソースばかりである。以下はシティスターの記事からの抜粋だが、私が黒字で強調した部分に注意をして読んでいただきたい。

ワシントン:合衆国諜報部員の上層部員らが中東のそれとベーカーイラク委員会から推薦されると予測される政策について話あうために会議をくりかえしていると、中東ソースはニュースデイに語った。

推薦提案にはイランとシリアに近付くことが含まれているとされる。これは委員会のメンバーであるロバート・ゲイツも推薦している政策である。元CIA長官のゲーツ氏はブッシュ家の長年の愛弟子であり、ブッシュ大統領からこの水曜日に辞任が発表されたラムスフェルド長官にかわって防衛大臣と選択された人である…
国家諜報部のジョン・ネグラポンテ長官は委員会の推薦の一部についてすでにベーカー氏と密接に計画を進めているという。
ネグラポンテ氏の考えに詳しいひとたちからの情報によると、氏はアメリカがイランに近付きイスラエル平行してシリアにも近付きイラク復興への援助を申し込むという、ベーカー氏のグループの推薦のなかでも一番話題を呼ぶこの提案に同意していると報告されている。金曜日コメントを求められたネグラポンテ氏の報道官はこの質問には答えなかった。

「中東ソース」「〜という」とか「考えに詳しいひとたち」とか訳の分からない情報ばかりでいったいどこの誰がこんなことを言ったのか全く定かではない。だいたい国際社会や国内での批判を押し切ってイラク戦争を始めたブッシュが、数々の批判を浴びながらイラク政策を全うしてきているブッシュ大統領が、突然イラクをイランやシリアに引き渡すなんてことが常識で考えられるか? この話どう考えてもおかしい。
何かとブッシュ政権の政策に批判的で常にわい曲した偏向報道を繰り返してきたメディアが中間選挙に民主党が勝ったからといって突然正直になるわけはない。だからシテイスターのでたらめ報道には今さら驚きはしないが、このでたらめ記事を鵜呑みにしてヒステリーを起こしている保守派の連中には失望する。
私も含め保守派の多くがCIAを信用していない。だから元CIA長官であるゲーツの選択には不満な人々が多いのも理解できる。私自身ゲーツが防衛大臣として適任なのかどうかかなり不安だ。
だがゲーツ氏は未知数である。ゲーツ氏が適任かどうか分からないという不安ではじまったことが、いつのまにかゲーツ氏は信用できない、ゲーツ氏はリベラルだ、ゲーツ氏はイラクをイランに売り渡す気だ、と被害妄想がエスカレートして膨れ上がってしまっているのは何故だろう? いったい保守派はなんだってこんなパニック状態におちいっているのだろう?
この記事が報道された翌日にもブッシュ大統領はイラクを時間制限で撤退する計画はないと断言している。またイギリスのブレア首相もイランとシリアはイラクの平穏化を脅かす行為は控えるべきであり、それに協力しないのであれば両国は国際社会から孤立する結果を招くであろうと厳しい発言をしている
つまり、アメリカもイギリスもイランやシリアにイラクを引き渡す交渉をしているどころか、イランやシリアにイラクにこれ以上手を出すなと強硬姿勢を崩していないのである。
アメリカの保守派諸君、ブッシュ大統領は我々を裏切ったことはない。どれだけの批判を浴びても自分の信念を貫き通してきたブッシュ大統領は中間選挙で共和党が破れたくらいで妥協して逃げるような臆病者ではない。これまでブッシュ大統領を信じて応援してきた我々ではないか、イラクが苦境にたっている今こそ建設的にイラク安定化を計る努力をすべきではないのか? リベラルメディアが何かいう度に一喜一憂していてはうまくいくものまでうまくいかなくなってしまう。
今こそ保守派は一丸となってブッシュのイラク政策を応援すべきである。ブッシュ大統領を信用して一緒にイラクの勝利を導こうではないか! 偏向メディアの無責任記事にパニクってる時ではない!


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同和対策が導いた落とし穴

この間私は日本の人権擁護法案とアメリカのアファーマティブアクションが抱えている落とし穴について、日本とアメリカ、共通する差別問題と落とし穴においてこのように書いた。

アファーマティブアクションの当初の目的は、雇用や大学などの入学審査のときに、人種や性別によって差別されないよう少数民族や女性の人権を守ることだった。 それまでジム・クロー法などといった悪法にいより、黒人と白人が同じ公共施設を使用できないという現実があり、同じ職業でも黒人と白人では給料に格差があったり、少数民族や女性がつける職業は限定されていたりと、色々な差別が存在していたことを是正するのが目的であった。

ところが人種・男女差別をしてはいけない、という法律がいつの間にか少数民族や女性を特別扱いする法律へと変貌してしまった…
アファーマティブアクションが適用されるのは大学だけでなく、雇用の際でも同じである。 黒人運動のリーダー的存在に、ジェシー・ジャクソンという人物がいるが、彼とその中間達は、大企業などの雇用方針が黒人差別を行っているといいがかりをつけては訴訟を起こすという行為をくりかえしていた。 大抵の企業は人種差別のレッテルを貼られて訴訟をおこされては会社のイメージにかかわるということで、裁判沙汰になる前に急いで示談にしてしまう。 つまり、ジャクソン氏の一連の訴訟は裁判を脅しにつかった恐喝に他ならない。 日本でも同和開放同盟などが同じような行為をしているのではないだろうか?

しかし板さんの同和対策事業はもう必要ない!を読んでいて、日本の場合はアメリカよりもっと組織的なレベルでの問題になっているということがわかった。

なぜ、本来は“差別の解消”が目的だった同和対策が、このような“特権の世界”になってしまったのか?

その最大の原因は“窓口一本化”にある。
そもそも同和関係の団体は、大きく分けて三つあった。部落解放同盟(解同)、全国部落解放運動連合会(全解連)、全日本同和会(同和会)。このうち全解連は共産党系であり、同和会は保守系、そして解同は社会党(現社民党及び民主党)と密接な関係があった。
被差別部落の住民が同和対策事業にともなう施策を受ける時、これらの団体が窓口になることが多かった。ところが、解同が「窓口一本化=全解連や同和会の排除」を要求し、行政がそれに屈服することで、解同が“特別な団体”になってしまったのである。
毎年、国と地方を合わせて何千億円という税金が同和対策事業に投入される。それを解同が一手に取り仕切る。
ここに、被差別部落民は解同に従わなければ同和対策事業が受けられない、また行政は解同の了解がなければ同和対策事業を進められない―そういう同和対策事業の頂点に解同が君臨する構図ができ上がったのである。
こうなると“利にさとい”連中は、皆、解同の下(もと)に結集することになる。そこでは理念も方針も関係がない。とにかく解同にいれば利権にあずかれる。だから暴力団や単なる利権屋も皆、解同ということになる。
そこで何が起こったのか?
“悪貨は良貨を駆逐する”という現象である。まじめに差別の解消に取り組む者より、威嚇と暴力でより多くの税金を分どる者の方が幅をきかせるようになる。

この「窓口一本化」はアメリカの労働組合と非常に似ている。私の職場にも組合があるが、組合のメンバーは毎月会費を給料から差し引かれ、給料の交渉などは個々で出来ず組合が一括してまとめて行う。だが個々の能力はそれぞれ異なるのであり能力のない職員も能力のある職員も一律の給料というのは不公平だ。私はこういう全体主義は非常に嫌いだ。
病気を理由に5年間で数カ月しか働かなかったという職員が交渉の際に机をひっくりかえすなどの暴力をつかって交渉相手を威嚇していたという話をきいて、カカシは私の職場で2年前に起きた事件を思い出した。
私より1年後に入ってきた同僚のAさんは学歴の高い期待の新人だった。カカシより学歴があるということで一年後輩といえどもグレードは私よりずっと上でお給料もずっといい。ところがこのAさん、何をやらしても失敗ばかりで全く役に立たない。Aさんが携わった企画部では部長からAさんはつかいものにならないといってはずされてしまったこともあった。先にはいったということで上司が私にAさんをトレーニングしろといった時も、訓練生を好まない出張先の職場の担当を拝み倒してAさんを加えてもらったのに、当日になって家族に緊急の用ができたのでいかれませんと飛行中に切ってあった私の携帯に伝言がひとこと入っていたきり。無理をいって訓練生を加えてもらったカカシは出張先で面目丸つぶれだった。しかしその後もAさんからは何の説明があるでなし、迷惑かけて申し訳ないというわびのひとつもなかった。
怒った上司は年度末の成績見直しでAさんの昇級を見送ることにした。 ところが次の日Aさんは労働組合のおっかないお兄ちゃんと連れだって上司のオフィスに乗り込んだ。そこでどういう交渉が行われたのかは分からないが、Aさんは単なる年功序列の昇進ではなく、二つぐらい級を飛び越えた大幅昇進となり給料も大幅に跳ね上がってしまったのである! 上司としては悔しかっただろうが「労働組合をおこらせるな」と上から圧力がかかったらしい。
Aさんはいまだにうちの職場にいるが、毎日いったい何をやっているのか誰も知らない。やたらなことをいうとやくざなお兄ちゃんから訪問を受けかねないので誰もなにもいわないでいる。ひとつの団体に給料交渉の権限を一括して与えてしまった以上こうなるのは最初から目に見えていたことだった。そしてこういう団体に暴力団がひっつくのも自然現象というものだろう。
アメリカの労働組合にしろ、日本の解放同盟にしろ、過去に必要な時期があったかもしれないが、いまやその役割をとおに超えて、いまやかえって差別を促進するような悪団体と成り果てた。このような団体はもういらない。

自尊と自律なくしては何一つ解決されない。差別する者と差別される者、加害者と被害者、という思考を脱皮しない限り問題は永遠に解決しないし、逆に差別もなくならない。
解同がなすべきことは、行政に特別扱いを求めることではなく、むしろ特別扱いを必要としない人間を一人でも多く養成することである。

まさにその通りだと思う。


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日本版『スターと踊ろう』発見!

洋の東西を問わず、テレビの娯楽番組は結構真似しあうので全く不思議でもなんでもないが、この間私が紹介したDancing with the Stars(スターと踊ろう)という番組の日本版が存在するということを発見。(Hat tip きいろい小鳥とちいさいわたし、きいろいさんとこでビデオもみられる) 日本の番組名はシャル・ウィ・ダンス? オールスターダンス選手権
ちょっと古いみたいだが、下記が日本版のビデオ。

アメリカ版と日本版はセットもそっくりだし、フォーマットも同じなので多分提携番組なのだろう。決勝戦もほぼ同じ時期に行われた。観たかったなあ。
アメリカ版で優勝したフットボールのスター、エメット・スミスとプロのパートナー、シェリル・バークの踊りは下記のYouTubeで視ることができる。
http://www.youtube.com/watch?v=s6EF3k8CAQ8&mode=related&search=
YouTubeのリンクの張り方がいまひとつわからないので、リンクをコピーして見て下さい。あ、それから日本語でYouTubeのビデオを検索したい場合はどうすればいいのかどなたかご教授願います。
日本でもこの番組かなり人気があるようだ。さもあらん。考えてみればシャルウイダンスのオリジナル版の映画は日本映画だし。
私は社交ダンスを見るのは好きだが自分では全然踊れない。高校生の時に演劇部に所属していて私がワルツを踊るシーンがあった。同級生に社交ダンスを習っている子がいたのでその子になんとか基礎ステップをおしえてもらったのだが、芝居を見にきた同級生や家族から「柔道でもやってるのかとおもったよ」とからかわれたほどぎくしゃくとしてひどかったようだ(笑)。(ちなみに中学の時に日舞にも挑戦したが、何度やっても一曲の振りも覚えられず三か月で断念した。)
しかし本格的に社交ダンスの選手権に興味をもったのは、私が通っていた英語教室の最上階にダンス教室があり、そこの大ホールで東京地区の予選が行われたのをみたのがきっかけ。当時の社交ダンスではいまのように女性がハンカチ程度の端切れをつけて踊るなんていうものではなく、豪華絢爛な大きなスカートを着ていた。私は専門ではないがラテン系のダンスはいまほどセクシーではなかったように記憶している。
カカシは仕事が忙しいからとても社交ダンスを習っている暇はないが、もうすこしおちついたらミスター苺が習いにいきたいといっている。私と違って彼は結構リズム感あるのでいけるかも、、


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七面鳥が電車に乗ろうと大急ぎ!

本日の感謝祭でメインコースとなるはずの七面鳥が、なんと食卓から逃げようというのか電車に乗ろうと大急ぎしているのをニュージャージーの駅員さんが発見。
ニュージャージー州、ラムジー市、野生の七面鳥が感謝祭を前にしてニュージャージーからニューヨークへと急いだらしい。ニュージャージー公共交通の報道官によると、水曜日、ラムジー駅の駅員はおよそ12羽におよぶ野生の七面鳥がラムジー駅のプラットホームで電車を待っているのを発見したという。ここはニューヨーク市からおよそ20マイル北西にあたり、この線はニューヨークのサファーンへつながるという。

電車を待つ七面鳥

お父さん、早く早く、乗り遅れますよ!


「一瞬七面鳥は電車を待っているように見えたんです」ニュージャージー交通のダン・ステセルさんはいう。「あきらかに電車にのって運命から逃れ賞とたんでしょう。」
駅員たちは警備カメラで鳥たちの様子を伺っていた。「どうやってここまできたのかさっぱりわかりません。」とステセルさん。
ラムジー警察はまた、旅行中の七面鳥を通報する電話をいくつも受け取っており、朝のラッシュアワーの道路渋滞に影響があったと語っている。
「時々七面鳥が逃げ出したという話はききます」とラムジー野生動物保護協会の会長エリック・エンドレスさんは言う。「彼等は脱走を試みたのかもしれませんね。」


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フランス軍、イスラエル偵察機への発砲を許可

以前にレバノン、フランス軍が戦う相手はイスラエル???で書いたように、フランス軍はイスラエルがレバノンの上空を偵察するのは停戦条約を違反するものだと文句を言っていたが、ついにフランス政府は軍隊にイスラエル偵察機に発砲してもよいという許可を出したという。(Hat tip Yoni the Blogger)
フランスはイスラエルを敵にまわすことによって国内のイスラム教過激派に迎合できるとでもおもっているのだろうか。なぜフランスはフランスもイスラエルも同じ敵と戦っているのだということに気が付かないのだろう。敵に媚を売る手段は絶対にうまくいかないのだということが全然理解できないようだ。(フランスはナチスドイツとの戦いで十分に学んだはずなのだがね。)
それにしてもフランスは本気でイスラエルとドンパチやるつもりなのだろうか? イスラエルは黙って撃ち落とされるようなやわな軍隊ではないのだが、、、


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空港でお祈り、航空機から降ろされた6人のイマームたち

月曜日ミネアポリスの空港ターミナルでお祈りを捧げていたイスラム教徒のイマームと呼ばれる聖職者たち6人が一旦搭乗した後で、心配したほかの乗客からの通報により飛行機からおろされて質問を受けるという事件があった。
そのうちのひとりが常に口うるさいイスラム教市民団体のCAIRとともに、搭乗拒否をしたUSAirway航空会社のボイコットを呼びかけている。
通報した乗客はなぜこの6人が怪しい連中だと感じたのだろうか。単に彼等がアラブ人だったからという人種差別が原因だとCAIRは主張しているが彼等の行動はかなり怪しげだったようだ。ニューヨークタイムスによると、詳細は目撃者によって違ってはいるものの、US Airwaysの乗客や従業員の何人かが男たちが反米的な発言をしたり、搭乗の際と後に飛行機からおろされた時に「アラー」と唱えていたりしたのを聞いている。
またひとりの乗組員の話では男たちは搭乗後、シートベルトの延長を求めたと証言している「(長めのシートベルトが)必要なようには見えませんでした。」と搭乗員の一人は警察で証言した。「彼等は太ってませんでした。」
またゲート従業員は男たちがゲート付近で大声で祈っているのをきいており、「あんまり大きな声で祈っているので怪しいと思いました。」と証言している。
普通、空港ではやってはいけない行動というものがある。ゲート付近で「ハイジャック」とか「爆発、爆弾」といった言葉を口にしないことは常識だ。またこれまでにも搭乗口で、乗客が「パイロットは酔っぱらっていないだろうね」と冗談をいって搭乗を拒否された例もある。
今のアメリカはイスラム過激派テロリストと戦争中である。しかもその戦争の発端となったテロ事件の犯人たちはアメリカの旅客機を乗っ取ってビルに突っ込んだのである。私がイスラム教徒の若い男性だったら、空港で自分がイスラム教徒であることをおおっぴらに発表するような真似は避けるだろう。もしお祈りの時間なら心の中でつぶやけばいいではないか。何もわざわざ他人の注意を引くような大声で祈る必要がどこにある? そんなまねをしておいて警戒されたら人種差別だの宗教弾圧だの騒ぐほうがどうかしている。
US Airwaysには乗客の安全を守るという責任があるのだから、怪しげな人間を警戒するのは当たり前だし、通報のあった警察が尋問をするのも当たり前だ。それができないというのであれば空港でいくら鞄や靴をレントゲンにかけてみても空港の警備などないも同然ではないか。一部の人たちの気分を害するからといって多くの人々の安全を犠牲にしてもいいという理屈は通らないはずだ。
もっともイスラム教徒がUS Airwaysをボイコットするというなら、今後は安心して乗れると考える乗客がかえっ増えたりして、、はは、、


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