仏大統領にまで呆れられたオバマ王の夢物語

先日行われた国連の安保理協議会においてオバマ王が放った「世界から核兵器が無くなることを望む」という演説を、現実の世界に生きていない、と強く批判したのは誰あろうフランスのサルコージ大統領。通常は優柔不断で悪名高いフランスだが、現場のジャーナリストが、フランス大統領がアメリカ大統領より確固たる姿勢を示す日が来ようとは誰も予想しなかったとおちょくるほどオバマ王の国連でのパフォーマンスは恥さらしそのものだった。
当ブログをご愛読くださっている読者の方々なら、カカシがいかにこれまでフランスの無行動ぶりを批判してきたかはご存知の通り。もっともサルコージ大統領はこれまでの事なかれ主義仏大統領とは違って、行動力のある人であることは確か。はっきり言ってサルコージ氏にアメリカ大統領をやってもらったほうが、世界はもっと平和になるだろう。カカシに仏大統領のほうが米大統領より頼りになると言わせてしまうオバマ王の情けなさったらない。
リアルクリアポリティクスでジャック・ケリーがSarkozy’s Contempt for Obamaにおいてサルコージ仏大統領がいかにオバマ王の優柔不断に苛立ちを感じているかという記事を書いている。

ニコラス・サルコージは去る9月24日、国連安全保障理事会における核兵器のない世界というバラク・オバマの子供じみた戯れ言に激怒した。

「我々は地球上から核兵器が無くなる日まで決して決してあきらめてはいけません。」とオバマ大統領は語った。
サルコージ大統領が怒っているのはオバマ氏がこの言葉を放った時、オバマ氏はすでにイランのムラーたちが秘密の武器開発施設を持っていることを知っていたにも関わらず、それについて一言も言及しなかったことにある。
「オバマ大統領は核兵器のない世界を夢見ています。でも我々の目の前で二つの国がその正反対のことをしているのです。」とサルコージ大統領。
「イランは2005年から安保理条例をいつつも違反しています。」とサルコージ氏。「北朝鮮は1993年から違反しつづけています。」
「さらなるウラニウム濃縮や国連加盟国を地上から抹消するというイラン指導者の宣言を前にして、…国際社会での話合い提案など何の意味があるというのでしょうか?」

イランのウラン濃縮施設について、オバマ王は大統領就任前からその事実を知っていながらイランとは交渉可能だというふりをして国民を欺いていた。それにういてはこの間も書いた通り。
ジャック・ケリーもカカシと同じ意見で、オバマはイランを牽制したなどとあほらしいことを言っているが、その牽制に対してイランは月曜日ミサイル発射実験で応対した。このミサイルに核兵器弾道が付けられていたたら、ヨーロッパはどうなるのか? オバマが突然キャンセルした弾道ミサイル防衛対策はまさしくこのようなミサイルへの防衛対策だったのに。
オバマ政権は、イランへの制裁にはロシアと中国の協力が必要であり、そのためには東ヨーロッパのBMD政策によっていたずらにロシアを刺激すべきではないと判断したようなことを言っている。だがそれならそれで、ロシアから確固たる保証をもらってからすべきだったはず。オバマはそんな単純な交渉もしていない。
オバマが本気でイランを牽制する気があるのなら、この間の安保理議会は格好の機会だったはずである。核兵器が地球から無くなる努力を止めるべきではないなどとくだらない絵空事を言う暇があったら、何故イランや北朝鮮の国連条例違反について言及しなかったのだ? 何故イランのウラン濃縮施設について強行手段を取ろうと提案しなかったのだ?
オバマ王はそんな努力もせず、シカゴでのオリンピック開催を嘆願すべくコペンハーゲンに向かった。サルコージ大統領が怒るわけである。


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クレタ島旅行記第三話: ハニヤ(Χανιά)そのα

アップデート:ハニヤの写真はこちらでご参照ください。
クレタ島についた翌日は仕事は休み。30時間近い時間をかけての移動の後で翌日から仕事などとんでもないと思ったので、私はわざと他のメンバーたちより早めの到着にした。同僚のジェシーは一応オフィスに顔だけ出しておくといっていたが、私とミスター苺はこの日はハニヤのオールドタウンを訪れることにした。
我々のヴィラがある村はアプタラと呼ばれる小さな村だが、ここから車で30分くらいのところにハニヤという比較的に大きい町がある。サインにしたがって平坦な自動車販売店が建ち並ぶ道を走っていくと、突然ごみごみした街中に入ってしまった。どうやらミスター苺が駐車は不可能だと言っていたオールドタウンに入ったらしい。ミスター苺は大昔に米海軍で戦闘機のナビゲーターをしていたことがあるせいで、いまだにその癖が抜けない。彼は常に私に運転させ「あっちだ、こっちだ」と指し図するのが得意だなのだが、コンパスをみながら北西に向かえばいいと言うミスター苺のナビゲーションにしたがって運転していたら、我々は完全に迷子になってしまった。
わけのわからない、石畳の車一台がやっと通れるような坂道をくねくねと走り回っているうちに海岸線の道についた。ハーバーからは遠くないはずだと考え最初にみつけた駐車場に車を停めた。ギリシャ語のサインがあったが、なんと書いてあるのかわからない。駐車場の目の前にあるカフェにはいり英語で道を尋ねると、店員には英語がまったく通じない。カフェのテラスでコーヒーを飲んでいた中年の男性が、「何処へいくだね?」と片言英語で尋ねてきた。
ハーバーへ行きたいんですが、というと我々は西過ぎるという。もっと東に向かえばハーバーがある。「歩いても1キロもないよ」と教えてくれた。駐車場はこのカフェの客のためのものだったらしいのだが、無料で駐めておいてもかまわないとのことだったので、車はそこにとめたまま歩くことにした。
ハニヤの町は西端と東端に古い壁がある。多分昔は四方八方壁に囲まれていたのだろうが今は西と東の壁だけが残っている。西側から町に近づいた我々は西壁に突き当たった。壁は崩れかけており、日本の城の堀を思い浮かばせるがそれよりもずっと古いのか、誰も修理をしないせいなのか、古墳のような感じだった。
クリート島にいて気が付くことは、何気なく歩いていると、何百年もしくはニ千年以上も前の建物に出会うことだ。ハニヤは地球上でもっとも長く継続している都市なんだそうで、最初のミノア文化、ギリシャ、ローマを通じてずっと四千年も現役の都市として存在してきたというのだから、さもあらんというものである。
ちょっと歩いてニュータウンと呼ばれるハーバー付近の町中に入った。大して大きくないハーバー付近は何軒ものレストランがずらっと並んでいる。日本の市場のように呼子がいて、観光客を引き込もうとかなり積極的な呼び込みがされている。ミスター苺はガイドブックを読みながら、グリークオーソドックス協会が近くにあるからそこへ行こうと歩き始めた。すると角に大きなスターバックスの店があった。
変な話だが、クリート島でただひとつアメリカらしいものを見たのはスターバックスだけ。世界中の何処にでもあると思っていたマクドナルドにはまったく出会わない。ハンバーガーやホットドックやピッツァの店はあったが、ガイドブックでも警告されている通りメニューにやたらアメリカ風の品がある店は値段も高く味も落ちるので避けたほうがいい。これは日本でも、やたら英語のサインの多い店は外国人相手に法外な値段を吹っかけるのと同じだ。
スターバックスを後ろにして南に向かって狭い道を登っていくと、このあたりは小さいがおしゃれな店が建ち並んでいる。道幅は人が並んで三人通れるか通れないかというくらいの狭い道なのだが、ニュータウンにはこういうウサギの穴みたいな狭く曲がりくねった道があちこちにあり、迷うおうがどうしようが信じられないほど素敵な店が並んでいるのだ。そして意外なところで自分の気に入った服だのかばんだの財布だのを見つけることが出来る。私は日本で探しまくってついに見つけられなかった小銭入れのガマグチを、ハニヤのニュータウンで見つけてしまった!
スターバックスを基点に東へちょっと行ったところにグリークオーソドックス協会がある。カトリック教徒のジェシーに言わせるとグリークオーソドックスはカトリックと酷似しているが多少違うところがあるそうだ。中に入ってみて気が付いたのは、カトリック教会なら必ず真正面にあるイエス・キリストの像がないこと。また祈りのためにひざまずくピューと言う台がないことなどに気が付く。たいていの場合カトリック教会は教会内での写真撮影は現金だが、ここではいくらフラッシュをつかった撮影をしてもおかまいなし。神父の衣装も変わっていて、長く白いひげをはやして黒いローブを着ていた坊さんをみて、ミスター苺はユダヤ教のラーバイみたいだと言っていた。
ところで、我々のヴィラからはネットアクセスは全くなかった。旅行会社の話では歩いていける距離にネットカフェがあるということだったのだが、そんな場所は見当たらない。ハニアまで行けばネットカフェがあるとのことだったので、ひとまずミスター苺はそこへいってブログ更新をしたいと言う。まあいい。私はカフェでコーヒーでも飲んでればいいのだから。


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イランのミサイル実験、完全に馬鹿にされたオバマ王

ブッシュ前大統領時代から、イスラム圏諸国からアメリカが敵視されるのはブッシュ政権の強硬政策のせいだ、と言い張っていたオバマ王。自分が大統領になった暁にはイランの首相とも前条件抜きでサシの会見を行うと公約していた。そのオバマ王に対してイランの取った態度とは何か?
先ずは毎日新聞のこの記事から。

 【テヘラン春日孝之】イランの国営テレビは27日、同国の革命防衛隊が短距離ミサイルの発射実験を実施し、成功したと報じた。今月25日、イランが未申告のウラン濃縮施設を新たに建設していることが判明、米欧などの非難が相次ぐ中、威嚇を狙った実験とみられる。

 革命防衛隊のサラミ空軍司令官によると、軍事演習の一環として27日、3発の短距離ミサイルを試射し、多弾頭ミサイル発射装置のテストも行った。28日には、イスラエルを射程圏内に入れる中距離弾道ミサイル「シャハブ3」(最大射程2000キロ)の試射を実施するという。
 サラミ司令官は「今回の軍事演習は我々を脅そうとする一部の高慢な国家へのメッセージだ。我々は敵意に対し強力かつ迅速に対応できる」と述べた。

イランに短距離ミサイルがあることはどの国も前々から知っていた既成事実。だが、ブッシュ時代にイランはアメリカを刺激するようなあからさまなミサイル実験などは一度もしなかった。ブッシュアメリカのフセインイラクへの武力行使を見せつけられたイランは、やたらなことをすれば自分らも危ない、とブッシュ大統領を恐れていたからだが、オバマ王の代になり、オバマにはそんな根性も度胸も全くないと正しく現実を把握したイランは、今回のような傲慢な態度に出たというわけだ。
ところで、イランに関してはもうひとつ興味深い事実が明らかになっている。それはイランにはこれまで公表されていなかったウラン施設が存在していたという事実だ。

ワシントン/テヘラン 26日 ロイター] オバマ米大統領は26日、週末恒例のラジオとインターネットを通じた演説で、イランが第2のウラン濃縮施設を建設していた問題について、「憂慮すべき事態」との認識を示し、米国も参加して10月1日に行うイランとの核協議が緊急度を増したと述べた。
 オバマ大統領は「核不拡散への取り組みに対する深刻な挑戦であり、イランの言い逃れは憂慮すべき事態」と懸念を表明。イランと国連の安全保障理事会常任理事国5カ国およびドイツが10月1日にジュネーブで行う核問題をめぐる協議について「より緊急度を増した」と話した。

実はこの第二のウラン濃縮施設の存在については、公表されていなかったとはいえ諸国は薄々きがついていた。オバマ自身、この施設の存在について先の大統領選挙以前から上院議員の一員として知らされていたというのである。
ということはだ、オバマ王はイランが国連を欺いていることを知っていながらブッシュ前大統領の政策を批判していたことになる。また、イランにアメリカから歩み寄りを見せればイランの反米姿勢も和らぐというオバマ王の主張とは裏腹に、イランはオバマが大統領になってからは、親米に歩み寄るどころか、アメリカへの敵意を丸出しにし、核兵器開発の事実を隠そうともせず西側諸国を威嚇する態度を示したのである。
つまり、イランの今回の傲慢な態度は、オバマ王の外交政策完全失敗を意味するのであり、オバマ政権にとってはひどい打撃となったと解釈されるべきである。アメリカの主流メディアが左巻き思想に侵されていなければ、そういう風に報道するのが筋というもの。
だが、大本営報道は、このオバマ王の大失策をあたかもオバマ王による巧みな政治工作であったかのように報道している。しかも、これまでは保守派新聞として知られていたワシントンタイムスですら、オバマ政権の口車に完全にのせられてしまっているのだから情けない。

金曜日にオバマ氏によって発表されたイランの秘密施設について、オバマ氏は大統領になる以前から知っていたという事実は、一月からのオバマ氏の数々の決断を新しい目で見る結果となった。
「大統領の行動を過去9ヶ月間を振り返って見直す必要があります。氏はイランが嘘をついていたことを知っていたのです。にも関わらず(交渉の根回しを)続けていたのです。」と、世界から核兵器を取り除く運動をしているワシントンの活動グループ、Ploughshares Fund代表の Joe Cirincione氏は語った。
「大統領は完璧にイランの裏をかきました。イランを孤立させ、諸国を統一させ、イランに大手をひろげ罠をかけたのです。」
大統領は強く見えるだけでなく、巧妙に見える。
(中略)
ホワイトハウスに課せられた質問は、この事実を利用し勢いにのって、健康保険改善といった国内の課題にも取り組めるかどうかということだ。
ピッツバーグで行われたグループ20首脳会談から戻った大統領のトップアドバイザーたちは、オバマ氏は一週間に渡るイランの核兵器プログラムについての活動で印象的な態度を取ったと語った。
「大統領はこの一週間に渡り、世界の舞台で強攻で効果的な役目を果たしました。アメリカ人として感謝すべきことだと思います。」大統領の側近デイヴィッド・アクセルロード氏は語った。

アホか! 左巻きの市民団体や大統領の側近のスピン(悪い状況をあたかも良い状況であるかのように歪曲すること)を真に受けて、これが大統領の巧妙な政策だったなどとよくも恥かしげもなく報道できるな! 保守派の風上にもおけん新聞だワシントンタイムスは!
イランが国連を何年も欺き、自分にも嘘をついていると知っていながら、オバマはアメリカ国民にイランに誠意を見せればイランと直接交渉が可能だなどと絵空事を唱えて来たのだ。オバマ王が巧妙だったとしたら、それはイランに対してではなく、オバマ王の誠意を信じたアメリカ市民に対してだ。オバマの嘘で馬鹿を見たのはイランではなくアメリカ市民なのだ!ジャーナリストのくせにそんなことも理解できないのか?
この事実をふまえて、ミスター苺の分析を借りて、オバマのこれまでの外交政策を振り返ってみよう。

イランの欺きを知った上で、まだイランとサシで無条件の交渉をすすめようとしている。

イランの欺きを知った上で、オバマ王はポーランドとチェコを裏切った。
イランの欺きを知った上で、イラクからの早期撤退政策を強行しようとしている。
イランの欺きを知った上で、現場将軍の要請を無視してアフガニスタンへの増兵をしぶっている。
イランの欺きを知った上で、オバマ王は諸外国にイランへの経済制裁を同意させることができない。

これが世界の舞台で強く効果的な役割を示しているということになるのか?イランにいいように扱われて何も出来ない能無しに見えるけどね。
左巻き馬鹿サヨが言うんならまだしも、保守派まで裸の王様に迎合するんじゃ、この国もおしまいだ。


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クレタ島旅行記第二話: ヴィラ マノス

アテネ空港から約三十分の飛行で、カカシとミスター苺、そしてカカシの同僚の事務の女性ジェシーの三人は午後2時ごろハニア空港に到着。知らない土地で、しかも外国で、旅行会社からもらったおぼろげな道順だけを頼りに運転するのは心細かったので、私は色々工夫して昼間の到着を選んだのだが、これは正解だった。
ギリシャの道には標識というものがない。高速の出口やメジャーな町への標識はあるが、道そのもに名前というものがついていないようだ。(街中では道に名前があるところもある。)この点は日本の道路と似ている。似ているといえば、道がものすごく狭く込み入っているということも似ている。これは街中でも田舎道で同じだ。もともと羊やヤギくらいしか通らないような道がそのまま車の走る道路になったらしい。
しかし、北海岸にいる以上北向きが海なので、わからなくなったらナショナルロードといわれる湾岸を走る高速を見つければ、いずれ自分の行きたいところへたどり着ける。そういう点では迷子になってもさほど迷わないうちに行き先にたどり着ける。
空港は山の上にあり、まずこの山道をくねくねとふもとまで降りなければならない。その後高速にのって数キロいったところを降りる。そこから再びくねくねの道を登っていく。中腹のところまでくるとホテル会社からもらった道順通りミニマートがあった。しかし、そのわき道を曲がれとあった道は急な坂道で非常にせまく、とても車が入っていくような道にはみえなかった。これは私の日本の実家のまえにあるあぜ道かと思われるような狭い道路と似たり寄ったりの道だった。
そのあたりを色々走り回って、結局このわき道以外にないと上っていくと、これがまた急な坂道で、あちこちくねくねと曲がっていた。丘を登りきったところで右に曲がれとあったので、曲がるとさらに急な坂道の左側に我々の宿「ヴィラ マノス」と看板のかかった石造りの可愛い家が建っていた。つくづくオートマを借りてよかったと思った。
ヴィラマノスは二階がない平坦な箱みたいな家なのだが、ギリシャにはこういう四角い家が多い。日本のような三角屋根は先ずみかけない。小さな家でもそれぞれに低い石の塀によって囲まれている。マノスの塀の上にはブーゲンビリアの花がたくさん満開に咲いていた。塀の内側にはピンクや黄色のバラの花がギリシャの強い日差しを浴びていた。
ベランダに出ると、そこからスーダ湾を見下ろすことが出来る。そして、今上ってきた山道がくねくねとヴィラに続いているのが見え、かなり高いところまで来たんだなと実感した。それにしてもクリートの海はなんと青いのだろう。これこそ藍という色だ。これはカリフォルニアの薄い水色の海や、東海岸の灰色の海や、ハワイのエメラルドの海とも全然違う。エーゲ海の海は深い深い藍色だ。
裏庭には結構良いサイズのプールがあった。つま先をつけてみるとちょっと冷たすぎる毛があったが、もう少し暑くなれば十分だろう。プール脇でミスター苺としゃべっていると、汚いズボンをはいた庭師のような中年の男がどこからともなくにょきっと現れた。
「うえるかむ、うえるかむ。」と下手な英語で言う男の下の前歯が抜けていた。男は「ようこそ」以外の英語は知らないらしく、何かしゃべっていたが、そのしぐさから、この男の名はタジースといい、このヴィラの管理人らしいということがわかった。ジェシーと私は他のヴィラはどこにあるのかとたずねたが、彼には我々が何をいっているのかさっぱりわからないらしかった。まあ、いい。道順は聞いてるので、後で散歩がてらに探せばいい。
まだ時間はある。


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クレタ島旅行記第一話:ギリシャ出張決まる?

2009年5月某日
ギリシャはクレタ島に来て二週間が経った。仕事で来ているので思うように観光にはいけないが、言葉の通じない外国で四週間過ごすというのは結構おもしろいものがある。今年の7、8、9月はカカシにとって非常に忙しい月となるので、今のうちに旅行記を書き溜めておき、アクセス不能な時に合わせてアップすることにする。それで読者諸君がこの旅行記を読む頃にはカカシはまったく別の場所に行ってるかもしれないが、ま、そのへんは「苺畑より」の愛読者の皆様なら、もう十分にご承知のことと思う。
三月の里帰りを済ませてカリフォルニアに帰ってきたカカシに出張日程を決めるMが「カカシ、君の好きそうな出張があるよ。行ってくれる?」と近づいてきた。なんと行く場所はギリシャのクレタ島。ヨーロッパはイギリスくらいしか行ったことがなかったカカシなので、二つ返事で承諾。最初の一週間は結構暇だと上司が言うのでミスター苺も最初だけ一緒に行くことになった。
しかし、一口にギリシャと言っても、いったいどんな国なのか、職場とホテルの地理関係や交通機関やネットアクセスの状況など我々には皆目見当が付かない。ガイドブックでは結構タクシーは安く気軽に乗れると書いてあったのだが、実際にハニヤ空港近くにあるオフィスに行ったことのある同僚に色々話を聞いてみたところ、バスやタクシーはあるにはあるが、それは観光地の街中だけで、我々のオフィスのある田舎の方になると交通機関はないにひとしい、運転できないとどこへもいけないと警告された。また、レンタルカーはたいていがマニュアルでオートマティックトランスミッションではないので、予約するときにオートマと指定しておかないと必ずマニュアルになるとも言われた。
クリート支店にいるコネの紹介で宿を取ることになったのだが、一緒に行く20数人のほかの連中もみな同じホテル会社を使って予約するというので、私は紹介のまま予約を取った。送られてきたヴィラと呼ばれる宿のウェッブサイトでは、ヴィラとはホテルではなくワンベッドからスリーベッドルームの一軒屋だとあった。ミスター苺はウェッブサイトをじっくり読んでいたが、私は特にきにしなかった。それというのもこれらのヴィラは同じ敷地内にいくつも建売住宅みたいに建ち並んでいて、ほかのチームメンバーのヴィラへは歩いていける距離なのだろうと思ったからだ。チームとは一緒に行動するというのが出張中の原則なので、気に入ろうと入るまいと知らない土地でメンバーと離れるのは嫌なので、そのまま予約した。
宿の予約も私とミスター苺の飛行機の予約もすべてすませて、完全に観光気分のミスター苺が何冊もガイドブックを買いあさって読みふけっていると、突然上司から「カカシ君、もしかすると場所が変わるかもしれん。」といわれた。得意先の都合でクリート島ではなくシシリー島にいくかもしれないというのである。「シシリーってイタリアの?」上司は苦虫を噛み潰した顔でうなずいた。
上司も奥さんを連れて行く予定で、すでにキャンセル不可能の航空券を予約してしまっていた。また、我々の予約したヴィラは一ヶ月以内にキャンセルすると前払いした全額の40%が返ってことないことになっている。予定が変更されればそれぞれのメンバーが何千ドルという損失を食うことになるのである。20数人いるチームのメンバーたちはみな同じ状況であったので、この変更には内乱が起きそうになった。
一週間ほど得意先との交渉が続き、みな爪を噛みながら結果を待っていたが、上司が私の机まできて、「カカシ君、やっと予定が決定した。行き先はサイプレス島だ。」という。サイプレスっていえばギリシャとトルコが所有権めぐって戦争してるところじゃないの?ご冗談でしょう、、というと上司は「ははは、冗談だ。クレタ島におちついたよ。」と笑った。笑うな!
というわけで、すったもんだの末カカシとミスター苺はギリシャへ旅たつこととなった。


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フォックスニュースに挑戦して馬鹿をさらけだしたCNNニュースアンカー

アメリカの主流メディアは新聞にしろテレビのネットワークにしろ何かと左よりだという話はカカシは何度もしてきた。特にテレビニュースの左巻きはひどいもので、先の選挙では大手ネットワークはこぞって民主党の選挙運動宣伝部と化していた。その中で唯ひとつ有線テレビのフォックスネットワークだけは中立を保ちスローガン通り、「公平で均衡」なニュースを報道をしてきている。
だが、自分が左巻きの満々中にいると、中間に居るフォックスニュースが極右翼に見えるとしても不思議はない。民主党の言ってることが常識であり、その支持者が中道だと思い込めば、本当の中道であるフォックスが極右の過激派に見えるのは当然といえば当然だ。
だから完全左巻きの主流メディアからしてみたら、極右翼でアメリカ市民の見解からはかけ離れているはずのフォックスニュースがやたらと視聴率を稼いでいる理由が理解できない。
オバマ王などは、フォックスが他のニュース局と違って自分のありがたさに平伏さないことに腹をたて、何かとフォックスネットーワークを名指しで批判し、この間行ったマラソンテレビインタビューでもフォックスニュースだけ除外したほどだ。
そのフォックスニュースが、またまた諸テレビ局の神経を逆なでするようなことをした。去る9月12日ワシントンDCで行われた対オバマ政権のデモ集会について、フォックスは「どうしてCBSもNBCも MSNBCも、そしてCNNもこの話を見過ごしたのか?」という集会の写真を使ってでかでかと一ページ広告を出した。
この広告について、名指しで批判されたテレビネットワークの各局は「集会について報道しなかったとは何事だ? 自分たちはちゃんと報道した!」と激怒。CNNのアンカーのリック・サンチェズなどは、ニュース番組中にCNNのニュース映像を混ぜ合わせながら、CNNはこんなにも広くこの話を報道した、CNNがこのニュースを報道しなかったというフォックスの広告は嘘偽りだ、デモ集会を奨励するのと報道するのとは別だ、と延々20分近く怒鳴りまくった。
フォックスニュースの広告には”How did CBS, NBC, MSNBC and CNN miss this story?”と書かれている。この写真と文章だけ見て単純に解釈すると、これらの大手ネットワークがこの集会が行われたという事実を見過ごしていた、つまり報道しなかったと取ることができる。だが、フォックスは本当にそういう意味でこの広告を出したのだろうか?
フォックスネットワークは自分中心の左巻きメディアとは違って、自分らがよそのネットワークから妬まれ嫌われていることは百も承知だ。自分らが間違いを犯すのを競争相手が魚の目鷹の目で狙っていることは充分に心得ている。だからフォックスが事実の裏もとらずにちょっと調べれば解るようなことを裏もとらずに発表するはずがないし、またすぐにばれるような嘘を新聞広告を出して大々的に発表するなんて馬鹿げたことをするはずもない。リック・サンチェズも指摘しているように、フォックスニュースでも人気コメンテーターのビル・オライリーなどは、CNNのリポーターが集会場で群集に野次られるシーンをみ見せておちょくっていたぐらいだ。
ではなぜフォックスは相手にすぐに突っ込みを入れられるような広告を出したのだろうか?ここで曲者なのがmissという単語である。miss(ミス)には「見過ごす、見落とす」と言う意味のほかに、「的を外す」という意味がある。フォックスは、他局がこの集会の本筋をきちんと理解できずに、お茶会運動について的外れな報道をしている、という意味で書いたのだとしたら話は通じる。現にフォックスのマイケル・タメロ販売副社長はこのように広告を説明している。

「一般的に言って、お茶会運動からエーコーンにしろ9月12日の行進にいたるまで、主流メディアは話を無視するか過小評価するかその重大さを歪曲してきた。」

サンチェズや他局の奴らがちょっとでも頭を使ってこの言葉の意味を考えていれば、フォックスの広告の意図は他局がこの話を報道しなかったという批判にあるのではないことがわかったなはずなのである。
だがなぜフォックスは、きちんと説明せずに誤解されるような言葉使いをしたのか? 
はっきり言ってこれはフォックスによる周到な計算だったとカカシは思う。フォックスは広告が他局から嵐のような批判を浴びることを充分に承知していた。そしてリック・サンチェズのようなアホがヒステリーを起こしてぎゃあぎゃあ叫びたててフォックスを批判することで、主流メディアの報道の仕方に不満を持っていながら惰性でネットワークのニュースを見ていた視聴者からの注目を集めようというのが本当の目的だったのだ。
だとしたら、その意図も理解しないでフォックス批判に飛びついた他局は完全に馬鹿をみたといえる。ま、奴らは常に自分らの常識がアメリカの常識だと思い込んで視聴者を馬鹿に仕切った態度をとっているからこういうことになるのだ。主流メディアはこれからもフォックスにどんどん視聴率を奪われていくことだろう。そうなっても、きっとまだ頭を掻いて「なんでフォックスなんぞに人気があるのだろう?」と完全に大事な話を見過ごしてしまう、それがアメリカ主流メディアの体たらくというわけである。


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左翼メディアも無視できなくなった左翼市民団体ACORNスキャンダル

ここ数日、オバマ王が昔からふか~い仲にある選挙違反や他の違法行為で悪名高いACORN(エーコーン)という過激派左翼市民団体が次々に売春にまつわるスキャンダルをかもし出し話題になっている。これについては、私のネット仲間のマイク・ロスさんが「ACORN:未成年売春斡旋者にローンと税金の手ほどき」という見出しで紹介してくたが、マイクさんはそれに続いてここでもアップデートを書いてくれている。
まずことの起こりを説明しておこう。ビッグガバーメントというウェッブサイトで働いている保守派の若手ドキュメンタリー映画監督ジェームス・オーキーフと作家のハンナ・ジャイルスはヒモと娼婦に扮して、ボルティモア、ワシントンDC,ブルックリン(ニューヨーク州)、ロサンゼルスなどの都市にあるエーコーンの支部を次々に訪問し、エルサルバドルから未成年の少女を密入国させアメリカで売春宿を経営したいのだが、公営住宅に入るにはどうしたらいいかと相談を持ちかけた。
エーコーンの従業員たちは、「そんなけしからん相談にのるわけにはいかない、今すぐ警察と移民局に通報する!」と激怒したかというとそうではない。反対にどうすれば警察や移民局の目をかいくぐって政府から買収宿の経営費用を援助してもらえるか親切に「ヒモ」と「娼婦」に説明したのである。
それが一支部だけで起きたことであれば、孤立した出来事であり、もう少し従業員を採用する際に気をつけるべきだという批判はあってもエーコーンの組織そのものに問題があるということにはならない。ところが、オーキーフとジャイルスは、訪問した先々でほとんど同じような応対を受けたのである。
二人はこれらの応対を隠し撮りしネットでひとつづつゆっくりと発表した。全部いっぺんに発表しなかったのは、エーコーンの代表者が「これは~支部の一部の従業員による孤立した出来事」だといういいわけを充分期待していたからで、案の定エーコーンは「ロサンゼルスやニューヨークなどではこんなことは起きていない」と自分らの公式サイトで発表した。オーキーフたちはそれを待ってましたとばかりにニューヨーク支部とロサンゼルス支部のビデオを公開。エーコーンは慌てて声明文をサイトから取り下げるという大恥をかいた。
以前にもカカシはこの左翼過激派市民団体の悪行について色々紹介してきたが、エーコーンという団体の公式名は、The Association of Community Organizations for Reform Nowという長ったらしい名前なのだが、実際にはACORNという言葉自体が左翼政策を示唆するものであり、組織名はその頭文字に合うようにこじつけたにすぎない。ま、そんなことはどうでもいいのだが、この団体は表向きは低所得者の選挙登録、住宅、治安といった相談事に乗る中立の慈善事業団という名目で1970年代に設立された。
しかし、設立当初から彼らの目的はただひとつ。左翼政策の促進だった。彼らは常に民主党の政治家を援助するために働き、長年にわたって選挙違反を繰り返してきており、その従業員たちが何人もあちこちで選挙法に触れて起訴されたり裁判にかけられ有罪になっている。
特に先の選挙では選挙権のない違法移民を多く使って大掛かりな選挙違反を行い、当選の危なそうな民主党議員を次々に助けた。特にオバマ王への援助は大変なものだった。左翼連中はオバマ王とエーコーンの間には大した関係はないなどと主張していたが、関係ないどころかオバマ王とエーコーンの歴史は長いのである。それについては以前にも色々書いているので下記を参照していただきたい。
オバマ応援市民団体の相次ぐ違法行為、今度は不法侵入
経済活性案:オバマから極左翼犯罪市民団体ACORNに莫大なご褒美配当
ビル・エアーズ、恥じないテロリストとオバマ次期大統領の怪しい関係
オバマと左翼過激派市民団体ACORNの悪質な関係
前代未聞、オバマの政治広告費は過去最高
左翼連中がオバマ王とは無関係といっていたエーコーンだが、オバマ王が打ち出した経済不活性案のなかにはエーコーンへの多額な資金援助が含まれていた。これがオバマ王や民主党の選挙を違法に援助したエーコーンへの報酬であったことは誰が見ても明らかだ。
このスキャンダルがインターネットを通じてどんどんと大きくなっていったにも関わらず、主流メディアはこれに関する報道を必死に避けていた。主流メディアが無視していても事件はどんどん大きくなるばかり。主流メディアがどうしたものかと思案をめぐらしている間に、14日、米上院議会は連邦政府から多額の補助金を受け取っているACORNへの補助金支払いを差し止める決議を通し、15日には下院議会の議員たち130人がオバマ王に対し、ACORNとの関係を今後一切断ち切るようと迫った
普段はリベラルなテレビのコメディアンたちですら、エーコーンをおちょくるジョークを放つようになり、主流メディアはついにこの話題を取り上げたのだが、その口調はあたかもエーコーンが保守派の手先オーキーフとジャイルズの仕掛けた汚い罠にはめられた犠牲者であるといわんばかりだった。
ミッシェル・モルキンによると、MSNBCのノーラ・オーダネルなどはオーキーフらの「保守派の活動家が隠しカメラを使うやり方はエントラップメント(技と相手が違法行為を働くように誘い込む違法な囮捜査のこと)とも受け取れる」と批判。ミッシェル・モルキンは幼児の振りをしてネットに巣食う幼児愛変態を摘発する番組を製作しているネットワークがよく言うよと指摘。ミッシェルによるとNBCはイスラム系ジャーナリストを保守派が集まる行事に送り込み、反イスラム人種差別が起きているかどうか隠しカメラを持って調査する番組を製作中だという。保守派の悪行を暴露するために隠しカメラを持って捜査するのは合法だが、保守派が左翼団体の悪行を暴露するのは違法なのか? さすが左翼ダブルスタンダード!
さて、これについて肝心のオバマ王はどういう反応をしめしているのかというと、完全なお惚け作戦に徹底するようだ。下記はABCのディスウィークのインタビューの一部。

司会者: あなたの支持者の間では反対者に攻撃される格好な口実を与えてしまってるひとがいるんじゃないですか、たとえばエーコーンのように。
オバマ: いや、それはですね、私は民主党陣営や左系の中には私が感謝しないようなことをしてる人は確かにいます。たしかに。
司会者: 議会はエーコーンへの補助金を断ち切るといっていますが。
オバマ: え~、その、あの、、
司会者: エーコーンへの援助を全面的に、、あなたも同意しますか。
オバマ: 反対陣営でも同じことがいえると思います。もちろん同じです。
司会者: エーコーンへの補助金はどうなんですか?
オバマ: それはですね、正直な話、そのことについて私はあまり注意して追っていないのです。エーコーンが連邦政府から多額の補助金をうけていたことも知りませんでしたし。
司会者: 上院も下院もそろって補助金を断ち切ると投票しました。
オバマ: ですから、私が知っているのは、ビデオで見る限りけしからんことですし、捜査の必要があるということです。
司会者: では大統領は連邦資金断ち切りの決断はしないかもしれないということですか?
オバマ: ジョージ、それは今わが国が抱えている大事な問題じゃないでしょう。私が注意を払うようなっことではありませんよ。

オバマ王が大統領になった褒美として取らせてやった補助金について知らなかっただと? シカゴ時代からエーコーンの顧問弁護士やコミュニティーオーガナイザーの講師としてその活動について事細かな指導までしてきたオバマが、エーコーンが連邦政府から受けていた補助金の事実をしらなかっただと? しらばっくれるのもいい加減にしろ、よくもまあアメリカ市民をそこまで馬鹿にできるな、この(放送禁止用語)やろう!
本当に議会がエーコーンの悪行について調べるつもりがあるのなら、断じてミッシェルが指摘する次の三つの項目もしっかり調査してもらいたい。

1) オバマ陣営がどのように選挙運動式としてエーコーンに支払った80万ドルを「シティズンサービス」という看板団体を使って隠蔽したのか。
2) オバマ陣営はどのようにして献金者名簿をエーコーン関係のプロジェクトボートという団体と共有したのか?(いわゆる501(c)(3)項目にはいる団体は選挙運動をすることを禁止されている)
3) そしてどのようにプロジェクトボート並びに何百という無利益及び免税団体がエーコーンと一緒になって政治活動をすることが出来たのか。

カカシはオバマ王はエーコーンを見放したとみせかけて、裏工作してエーコーンへの資金は流し続けるのではないかと思うのだが、ミスター苺はエーコーンに対する本格的な調査が行われて一番困るのはオバマ王であり、エーコーンとの関係は冷血にいますぐ断ち切ることがオバマにとっては得策だという。自分を守ることに必死なオバマのことだ、オバマがエーコーンを見捨てる日は近いとミスター苺は踏む。


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オバマ王は何故敵に迎合するのか?

昨日、カリフォルニアに居るミスター苺と電話で話していて(カカシはまだバージニアに出張中)、オバマ王がポーランドとチェコのBMD政策の打ち切りをしたのは何故なのかという話になった。カカシはロシアのプーチン首相との会談に先がけて、プーチンへの持ち土産なのではないかというと、ミスター苺はこんなことを言った。
「普通、対等な関係にある二カ国間の交渉で、こちらが交渉相手の出した条件を飲む場合、相手にもなんらかの条件を飲んでもらうのが常識。にも関わらず、アメリカはこれによって何を得たというのだ?なにもない、全くゼロなんだよ!」
北朝鮮との交渉についてもそうだ。ブッシュ前大統領時代、北朝鮮はアメリカと二ヶ国語協議をしたいとずっと要求していた。だが、ブッシュ政権は6各国語協議に出てこないなら話にならないという態度を強く押し通してきた。ところがオバマ時代になったら、北はこちらに全く歩み寄りの姿勢を示していないにもかかわらず、いや、それどころか核兵器開発についての交渉には一切応じないとさえ言っているにもかかわらず、アメリカは「お願いです、二カ国協議でも何でもしますから、交渉に応じてください」と媚へつらいの姿勢を示している。
イランについても全く同じことが言える。イラン政府に頼まれてもいないのに新年の挨拶などしていたオバマ王なのに、不正な選挙で首相の座を固守しているアクメディネジャドに対して何の批判もしなかった。怒る若者たちの抗議運動が暴力で弾圧されているにも関わらず、オバマは自由国の代表として彼らの運動を励ます言葉すらかけず、イラン政府が平和的に解決するのを望むだなどと、あたかも暴力沙汰を起こしているのが抗議者のほうであるかのような発言までしてイラン現政権のご機嫌伺いをした。それをイラン現政権が感謝したかといえばその反対で、イランの高官は抗議運動はアメリカの差し金だなどと批判する始末。
こういうオバマ王の態度を敵国や諸外国はどう受け取っているだろうか?
オバマ王は皇太子時代、ブッシュ前大統領の強硬外交を強く批判していた。ブッシュ前大統領の、悪の枢軸国とは無条件の会談はしない、という政策がアメリカを諸外国から孤立させているのだと主張した。だが、これには同じ民主党のライバルだったヒラリーですら、敵国との無条件の会談は敵の政権を正当化するプロパガンダに使われるからすべきではないと批判していた。
だが、オバマはナイーブにも、どんな相手とでも話せば解るという姿勢を押し通している。だが、オバマのやり方は一向に効果をあげていない。サウジアラビアだのエジプトだので、前政権の「悪行」の謝罪ツアーをしていみたりしたわけだが、一向にアメリカの人気は上がらない。かえって馬鹿にされただけだ。それにだんだん気が付いてきたオバマは非常に焦っているのである。
常識的に考えて、相手の条件をこちらからの条件も出さずに一方的に飲むのは、自分の立場が弱いからであり、強い相手に何とか破壊されるのを見逃してもらおうとするときにするものだ。オバマ王は、無条件で敵国に歩み寄りの姿勢を見せている。このような態度をしめせば、敵国の首相たちも馬鹿ではない。オバマが公約を守れずに支持率を失って焦っていることを充分に承知している。オバマは完全に足元をみられているのである。
ブッシュ前政権の時代にロシアのプーチン首相が何かとブッシュとの会談を望んだのも、イランや北朝鮮が二カ国協議を何度も申し込んできたのも、これらの国々がブッシュ大統領を恐れていたからである。ブッシュ政権時代は、アメリカは諸外国から嫌われていたかもしれないが、少なくとも軽蔑されたり見下されたりはしていなかった。いや、それどころか恐れられていた。
恐れられて嫌われていたほうが、軽蔑されたり見下されたりするよりはずっとましである。いや、国の安全を考えたら、適度な恐怖心をもたれるのは健康だとさえいえる。今のように世界中の笑いものになることが一番危険な状態なのだ。
ブッシュ時代には、ブッシュが何時戦争を始めるかわからなかったので、敵側もやたらな行動には出られなかった。しかし、オバマは違う。オバマ王は敵があからさまな戦闘行為に出ても腕まくりして演説するだけで、実際に敵国を制裁するようなことは一切できない。嫌われることを恐れて強い批判の言葉すらいえない、臆病者の愚か者だ。となれば、相手はどんどん付け上がってアメリカに危険な行為をふっかけてくると踏むのが懸命だろう。
今後アフガニスタンやパキスタンでのアルカイダの活動は激化するだろうし、イランもアメリカ軍の撤退に向けてイラクに工作員を送り込み、イラクを再び騒乱に巻き込もうとするだろう。
オバマはイスラエルに全く好意を持っていないので、シリアやパレスチナはイスラエルへの攻撃をなんんの遠慮もなく出来るというものだ。
オバマのような愚か者を大統領にしてしまったアメリカ市民。2012年で何とか政権をアメリカ人の手に取り戻し、それまでにこの愚か者が国を崩壊してないように、オバマ王の陰謀はことごとく破壊していかなければならない。それが自由を愛するアメリカ市民の使命である。


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オバマ、ロシアに怯えてヨーロッパの弾道ミサイル防衛案を中止

オバマほど大事な同盟国を足蹴にする大統領もない。イギリスの首相や女王に散々たる失礼を働き、日本の首相をコケにしたオバマだが、今回は東ヨーロッパでブッシュ時代にもその親米ぶりを見せ、イラクやアフガニスタンの戦争にも積極的に協力してくれたチェコとポーランドにおける弾道ミサイル防衛政策を打ち切る意図を明らかにした。弾道ミサイル防衛に真っ向から反対していたロシアのプーチン書記長首相との会談前夜に突然発表されたことからして、これがソ連時代のロシアの栄光を取り戻したいと考えているプーチンへの持ち土産であることは明らかだ。
この突然の政策変更を喜んでいるのはロシアだけではない。イランの国土保証並びに外交政策委員会のKazem Jalali議員はこの政策変更は良い方に向かっているとしながら、「オバマ大統領がブッシュ前政権のイラン政策に基づいた政策を完全に廃止してくれればもっとよいのだが」とオバマを催促することも忘れない。
アメリカの宿敵イランがブッシュ政権の政策を批判し、オバマにその政策を即刻廃止するよう促すというのはどういう意味を持つのか、聡明な読者にはよくお分かりのことだろう。
オバマの外交をみていると、イラン政策にしろ、北朝鮮政策にしろ、そして今回のロシア政策にしろ、およそアメリカの国土保証を優先しているとは思えないものばかりだ。私にはオバマ王がアメリカの大統領だとは信じられない。オバマのやっていることはアメリカの経済を破滅させ、自由市場を壊滅し、国土を危険にさらし、アメリカという国を内部からも外部からも滅ぼそうとしているとしか思えない。


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北朝鮮と一対一で話合いたいオバマ王

下記はミスター苺のエントリーです。
まるでビル・クリントンの90年代と同じだね!
ジェイク・ペーパー(Jake Tapper)によると911同時多発テロの8年記念日にオバマ王が打ち出した外交方針とは:

合衆国は本日(9・11・2009)方針を変え、ピョンヤングを核兵器交渉に戻すことに役立つのであれば、北朝鮮と一対一で話合う意志があると発表した。….

アメリカの高官は背景について「六カ国の国々と相談した結果、我々の見解では(米・北朝)二カ国交渉は北朝鮮が六カ国会議に戻るために効果あると考える。…北朝鮮に断固たる行為をとらせるために、彼らにどういう責任があるのかをもう一度確認する意味でも、役に立つ一歩であると考える。」
北朝鮮は最近核交渉には今後断じて応じないと宣言した。…なのに交渉に応じると期待できるのか?
「まあ、待って見ましょう」と高官は語った。

オバマ王の交渉団が北朝鮮に核兵器開発をあきらめさせるために何をするつもりなのだ? 北朝鮮に賄賂でも払うのか?北朝鮮の要求をすべて呑むのか?這いつくばって金正日の足に口付けでもするのか?
オバマに任せときゃ、間違いねえよ!


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