気に入った保険に入っている人は何も変えなくてもいいという約束はどうなったわけ?

2009年、オバマ王がオバマケアを宣伝している時、オバマ王は何度も国民に自分の入っている保険が気に入っている人は何も変えなくていいと約束した。ところが、蓋を開けてみたら何百万という国民が満足している医療保険を失うこととなった。今現在で持っていた保険をキャンセルされた国民の数はすでに二百万に登る。この先この数はもっと増えるだろう。これは申し込みのウェッブサイトがマヒ状態などというのとは比べ物にならないほど深刻な問題だ。
だがオバマ王は本日の演説で、自分は約束を破ったわけではないと弁明した。では、オバマが「保証する」とした約束とはどのようなものだったのかというと、

「好きな医師が居るなら、その医師を保持することが出来る。」「気に入った医療保険を持っているならそれを保つことが出来る。」

というものだった。ではすでに自分の気に入っていた医療保険を失った二百万の人々にオバマ王はどう言い訳するのかというと、、、、
オバマケアによると、法律が通った2010年以前に購入された医療保険はそのまま保持することが出来るというものなのだが、ここに落とし穴がある。2010年以降どのような形においても保険の内容を少しでも変更した場合には当てはまらない。これは加入者本人が変更したにしろ保険会社が変更したにしろ関係ない。だが2010年といえば3年も前のことであり、保険会社は常に保険内容を変更しているので三年間も全く変更のない保険などというものはほぼ存在しない。オバマ王が「気に入った医療保険を持っているなら、、」には、「2010年以前に購入し、保険内容に全く変更がされていない保険」という注意書きが付いていたのである。しかしそんな保険を持っている人は居ないのだから、こんな約束には意味がない。というわけで、厳密にはオバマは嘘をついたことにはならないという理屈である。これはリベラル左翼得意の二枚舌である。(おさらいは下記)

(A) 満たせない条件付きの提言(Argument by unsatisfiable conditionality)
(リベラル左翼)がどのように矛盾する二つの考えをつなぎあわせるのかというと、「満たせない条件付きの提言」という手段を使うのだ。これは最初に常識的な提言をした後で、「但し〜の場合に限る」というような条件をつける。ところが彼の特定する〜の場合は存在しないため、最初の提言が本当になることはない。結論として彼の最初の提言は覆されてしまうのである。

本日の演説のなかでも特に私が腹がたったのはこの部分。
オバマ王はオバマケアの目的は保険を持っていない人だけでなく、不十分な保険を持っている人を助けることにあったという。キャンセルされた人たちの保険は、法律が求める最低の医療すら提供していなかったのだという。だからそんな保険はキャンセルされたほうが良いのであって、オバマケアが提供するもっと良い保険に加入したほうが本人の為になるというのだ。
余計なお世話だ!
自分の入っている保険が不十分かどうかは個人が自分で判断することではないか?高い保険料を払えば良い保険に入れるのは当たり前だ。それでも安い保険で我慢するにはそれなりの理由があるからだ。オバマケアはその選択の余地を国民から奪うのである。
しかし、2009年のオバマの演説を本気で信じた人が居たのなら、はっきり言ってあなたはナイーブ過ぎるといわせてもらう。自分で保険に入ることの出来ない人たちの保険を請負い最低限の保険に入っている人の保険内容を大幅に改良するのに、今まで払っていた保険料が値上がりしないなどと考えるほうがおかしい。
この間も話したように、トーストとコーヒーだけで済ましていた朝食代が、フルコースミールを食べて同じで済むわけがない。しかも他人のフルコースミールまで請け負うとなれば、大幅値上がりは当然のことだ。そうならないと考えるほうがどうかしている。
2009年にオバマケアを支持して、今になって保険をキャンセルされて愕然としている人には、だから言ったじゃないの、と言いたいところだが、被害にあっているのはオバマケアに大反対した人も多く含まれている。来年になって企業主に対するオバマケア強制が始まれば、持っている保険料が二倍以上に大幅値上がりする人の数はうなぎのぼりに増えるだろう。その時になってもオバマは自分は約束を破っていないと言い張るつもりだ。
いや、そうなった時、国民の怒りはどのような形で爆発するのか、これは見物である。


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オバマケアのウェッブサイト史上最低技術にシリコンバレーも唖然

オバマケアの散々たる内容もさることながら、オバマケアに加入しようと思っても受付ウェッブサイトが10月1日の初日から多数の受付に全く応じられずにダウン。二週間以上たった今に至っても全国でたったの50人しか申し込めていないという信じられない状態が生じている。国税を四億ドルも使って起きながら、いったいこの体たらくはどういうことなのか、IT専門のシリコンバレーでは誰もが唖然としている。
ワードプレスの創設者の一人マット・ムレンウェッグによると、オバマケアのウェッブサイトを請け負ったカナダの会社が受け取った4億ドルという金額は、シリコンバレーで立ち上がる小企業すべてにかかる費用を大幅に上回るものだという。
にもかかわらず、政府の健康保険ウェッブサイトは史上最悪の大失態となった。オバマ政権はテックザー(IT専門家)にジェフェリー・ズィエンツを任命し問題解決に挑んでいるが、ズィエンツはコンピュータープログラマーとしてはさほど知られていない。
オバマケアウェッブサイトの契約を請け負ったのは大統領のミッシェル夫人の大学時代の同級生が経営する会社だという話も出てきて、オバマ政権は本気で国民皆保険に取り組む気持ちがあるのかどうか疑わしくなってきた。
ウェッブサイトがずっとダウンしているので、オバマ王はサイトにつながらない人は電話受付のほうに問い合わせるようにと薦めた。ところが電話では質問は出来ても保険を申し込むことは出来ない。また電話も長時間(何時間)も待たされた挙句にたいした役に立たないという結果が出ている。
ためしに保守派ラジオトークショーのショーン・ハニティーは番組の途中でオバマケアヘルプデスクに電話。電話応対に出た受付嬢はオバマケアは不人気だとハニティーに正直な意見を言ったところ、翌日解雇されるという事件まで起きた。(ハニティーは責任を感じてこの女性に一年分の年収を寄付。職探しにも協力するといっている。)
それにしても、保険申し込みの受付サイトがこんな状態では、実際にオバマケアを使って保険で治療費を払ってもらうことになった場合、いったいどんな不祥事が生じるのか、考えただけでも恐ろしい。


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オバマケアの悪影響、個人的にも切実

まずは、マックさん、ユー子さん、ゴマちゃんさん、コメントありがとうございます。マックさんとユー子さんの体験は例外ではない。この間もフェイスブックの友達が、奥さんと一緒に入っていた会社の保険料が二倍以上になったといって嘆いていた。実際にアメリカに住んでいれば、オバマケアの悪影響は切実である。
私が住むカリフォルニアではオバマケアのおかげで50万人が民間の健康保険を失うだろうという。ユー子さんも指摘しているように、オバマがオバマケアを国民に押し付けたとき、自分の持っている保険に満足している人はそのまま保持することが出来るといったのは真っ赤な嘘であった。
実は数年前、これはオバマケアとは関係ないが、私がはいっていた歯科医療保険が、私が10年以上もお世話になっている歯科医を外してしまった。私は歯が弱いので歯医者は必要なのだが、歯の治療は非常に高額。保険がないとちょっとした治療でも1000ドルなんてのはざら。とはいうものの、1000ドルもかかるような治療はそうしょっちゅう受けるわけではないし、普通はチェックアップとクリーニング程度なのだから、一年間の保険料が1000ドル以上だったら、保険になど入らずに歯医者に行ったときだけ払ったほうが安上がりである。という計算で、今のところ歯科保険には入っていない。
医療保険の場合も保険料が上がりすぎれば、罰金を払っても病気になった時だけ治療費を払えばいいと考える国民が増えるに違いない。となると、オバマケアは国民皆保険どころか、国民から医療保険を奪い取る悪法という皮肉な結末を生み出すことになるのだ。
すでにフロリダ、カリフォルニア、ペンシルベニアの三州で保険を失った人の数は、全国でオバマケアのエクスチェンジプログラムに加入した人数(約50人)を何万倍も上回るのである。これのどこが国民皆保険なのだ?


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オバマケアは国民皆保険という「人類の常識」からはほど遠い制度

日本語ニュースウィークで「アメリカの保守派はどうして「オバマの医療保険改革」に反対するのか?」というコラムを見つけた。アメリカ保守派の理不尽な姿勢を一方的に攻めるコラムなのかと思って読んでみたら、意外と均整のとれた論なので紹介しておこう。
筆者は冷泉彰彦という人。最初に国民皆保険に関する民主党と共和党との歴史について述べた後、一般アメリカ人がなぜ国民皆保険に興味がないのかを説明する。

それにしても、国民皆保険が「ない」社会というのはどう考えても不安なはずですが、どうしてアメリカの保守派は「平気で反対」するのでしょうか?

 その前提には、多くのアメリカ人は現在でも保険に入っており、自分たちは医療費の心配は余りしなくていいという状況があります。つまり基本的にフルタイムの雇用があって職場の保険に加入している人、自営業で高額の自己負担保険を買って入っている人、つまり既存の「民間の医療保険に加入している人」というのは、基本的には「オバマケア」がなくてもいいのです。
 これに加えて、今回の「オバマケア」が導入される中で、民間の医療保険に関しては微妙に「不利益変更」が出ています。例えば、新しい法律では「民間の保険でも加入前の健康状態で契約を拒否してはならない」という制度が動き出しているのですが、民間の保険の場合はその分だけ保険料がアップという現象も起きています。また、「オバマケア」全体の制度改訂の中には「医療費抑制策」も入っていて、そこに引っかかると「過去に受けられていた治療が受けられない」というケースもあるのです。
 つまり、元々民間の保険に入っていた人間は、新しい制度になることで「仮に失業しても政府の主管する安い保険に入れる」とか、成人した子供がフルタイム雇用に就く前の期間に入る保険ができたという「万が一の保障」が加わっただけで、基本的には余りメリットはない、事実関係として見ればそういうことになります。

無論冷泉のいう「政府が主観する安い保険」というのが曲者で、若い人々が強制的に入らされる保険は若い人々には全く必要がないのに馬鹿高く到底払えないような保険料を要求している。なぜならオバマケアのもともとの理屈は若くて健康な人に保険料を払ってもらうことによって、年とって不健康な人の医療費を賄うというものだからだ。

ちなみに、この新しい「皆保険制度」ですが、必ずしもそれまで「無保険」の人だけでなく、高額な民間の保険に「雇用主との折半ではなく、全額自腹で」入っていた人など、誰でも入れるわけです。ですが、今回の新しい保険は「安かろう、悪かろう」という面は否めず、高額な民間の保険では可能であった治療が対象外であるとか、馴染みの医者はダメで遠くの総合病院に行かなくては使えないということになるわけで、家族持ちの人にはそのような「グレードダウン」は難しいわけです。

前回も書いた通り、ここでいう「高額な民間の保険」に入っていた人々の保険料はオバマケアによってさらに高額になったことに注目。
全体的に冷泉のコラムは公平だと思うが、この〆の部分に問題がある。

そうは言っても、若くて健康な人も含めて医療保険というのは「例外的な負担は個人ではなく、全体で支える」というのが根本思想であり、数学的な真理であるわけです。ですから、アメリカ以外の先進国ではどこも「生存権の具体化」としての「皆保険制度」が運用されているわけです。そうした「人類の常識」が通用しないのがアメリカの保守派であると言えます。

これはオバマケアが医療保険を「全体で支える」制度だという間違った概念から始まっている。国民皆保険がすべて悪いとは言わない。全世界にはそういう制度が昨日している国もあるのかもしれない。(もっともイギリスやカナダなどの皆保険については色々と恐ろしい話を聞いているし、日本の皆保険も理想的とは思えないが。)
だが、オバマケアは冷泉のいうような理想的なものではなく、国民皆保険を可能にするどころか、国民に馬鹿高い保険料の支払いを強制しながら、多くの国民が満足していた保険を奪い取る制度なのである。そして今まで保険に入れなかった人々が政府提供の安い保険に入れるなどというのは幻で、多くの人々はこれまで払わないで済んでいた罰金(税金)を払わされて、保険には入れないというこれまでよりずっとひどい状況に陥るのである。
これを冷泉は「人類の常識」といってアメリカに押し付けたいのか?


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オバマケアによって次々に失われる医療保険

我々保守は、最初からオバマケアが国民の健康保険を改善するなどと夢にも考えていなかった。いや、それどころか、オバマケアはアメリカの医療保険を破壊する悪質なシステムであると主張してきた。だが、残念なことに多くのアメリカ人は国民皆保険という理想にだけ注目し、オバマ王の嘘八百の約束を盲信してしまった。だが、オバマケアが現実となった本日、人々はオバマケアの恐ろしい実態に直面することとなった。
オバマケアによって次々に失われる医療保険
オバマ王は、オバマケアを国民に説明した時、はっきりと、今の自分の保険に満足している人はそのままその保険を保持する事が出来ると約束した。それが嘘だということはオバマ王自身当初から熟知していた。オバマ王はオバマケアを通過させるため国民に嘘をついたのである。(オバマが国民に嘘をついたのは何もその時だけではないが、、)
多くの健康保険会社が何百何千という保険加入者との既存の契約を取り消せざるおえなくなっている。何故かと言えば、多くの加入者の保険はオバマケアが保険会社に強制する条件に適合しないからで、特に持病のある人々との契約をそのまま存続することは不可能となった。
加入者は、保険会社が提供する新しい保険を購入する選択権はあるが、これまでより多くの適用範囲のある保険は必然的に保険料が割高になり、多くのひとが値上がりした新しい保険に加入することが出来ないでいる。
たとえば、オバマケアでは中高年夫婦や独身男性には全く必要のない妊娠医療などが必要項目に含まれることから、保険料は大幅な値上がりとなってしまう。
特に影響を受けているのが、自営業やパート勤めで団体保険に加入できず個人的に保険に加入していた人々である。アメリカにはそういう人たちが約140万人いるというが、保険契約取り消しの通知が全国各地でこれらの人々に与えた衝撃は計り知れない。
フロリダ州のフロリダブルーは個人契約の80%に渡る30万の契約を取り消した。カリフォルニア州のカイザーパーマネンテは同州の50%の個人契約にあたる16万人の加入者に取り消し通知を送った。ピッツバーグのハイマークは個人契約の20%を、フィラデルフィアのブルークロスは45%をキャンセルしている。
インディペンデント社とハイマーク社の両者は持病のある患者の保険加入を保証する契約をすべて取り止めることを発表した。持病治療の完全保証をうたったオバマケアによって保険会社が持病治療保証提供を取りやめざる負えなくなるというのも皮肉な結果である。
消費者団体のジェリー・フラナガン弁護士は、保険会社はオバマケアを口実に経費のかかる加入者の契約を取り除き、政府提供のエクスチェンジに追い込もうとしていると語る。保険会社はその事実は否定し、加入者には新しい契約を結ぶよう促進していると語る。
だが、保険会社が経費のかかりすぎる契約を取り消すのはあたりまえだ。保険会社も商売だ。利益にならない契約を幾つも背負い込む筋合いはない。
いってみればだ、オバマケアとは、人がレストランで、法律によりフルコースミールを注文しなければならないといっているのと同じだ。自分はちょっとしたトーストとコーヒーでいいと思っているのに、前菜のサラダから主品のステーキからデザートのチーズケーキに至まで、食欲があろうとなかろうと、食べようと食べまいと、すべて注文し馬鹿高いお勘定を全額払わなければならないというのだ。しかも馬鹿にしているのは、「じゃあ朝食などいらない」といって空腹を我慢しようとすれば、何も注文しない罪として罰金を強制される。トーストとコーヒー分のお金を払わされながら、食事は出来ないという馬鹿げたことがオバマケアの現実なのだ!
これのどこが医療保険改良なんだよ!
冗談言うな!
ところで、オバマケアが始まってすでに二週間以上たつというのに、オバマケア加入のウェッブサイトはダウンしたままで、問い合わせの電話もすべて混乱状態で、誰も正式にオバマケアに加入することが出来ていない。昨晩ラジオでオバマケアに加入しようとした男性が二時間以上も電話で待たされた挙げ句に、応対にでた人の態度は失礼で話の途中で電話を切られてしまったという。何年も計画されてきた制度なのに設備が全く整っていないというのはどういうことなのか?
国民はこんな不能な人々に大事な医療保険を任せていいのか?
即手術が必要な病気にかかって保険の事前承認が必要な際、オバマケアの電話が何日も通じず、サイトもダウンで全く承認が取れなかったら、命に関わる手術など受けられるのかどうか非常に疑問である。
いったいこの先きどうなるのか、カカシも他人ごとではない。


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オバマケア問題点ばかり、不準備で大混乱、保険料大幅値上げにあせるオバマ支持者たちも、、

共和党が大反対して、民主党が妥協しないなら予算案を通さないと頑張り、民主党は民主党で断固妥協を拒絶。結果、アメリカ連邦政府は予算が通らないまま政府機関一時停止の状態となった。それでオバマケアは予定どおり10月1日付けで実施となったのだが、以前にオバマケア案を通すとき、民主党のナンシー・ペロシ前議長が「法案を通してみればば内容がわかる。」とか言って誰も中身を吟味せずに通してしまったものだから、一旦実施となっても誰も何が何なのかさっぱり分からない状態。オバマケア相談所の電話もウェッブサイトも混線状態で国民の質問に答える人が誰も居らず、オバマケア実施初日は完全な混乱状態となった。
オバマケアが2013年の10月1日から実施されることはオバマケアが通った数年前から計画されていたことなのに、この段取りの悪さはいったいどういうことなのか、と疑問が生まれるのは当たり前だが、問題は、これほど段取りの悪い政府に国民の医療保険を任せて大丈夫なのかということのほうがずっと心配だ。
オバマケアは国民皆保険をうたっているが、いざ実施となると、オバマがどれだけ国民に嘘をついてきたかが明らかになった。
1)この法律のおかげで今まで保険に入れなかった人々が保険に入れるようになる、
保険に入れるようになるのではなく、保険に入らなければ罰せられるようになったのだ。保険料が払える払えないに拘らず国民は強制的になんらかの保険に加入しなければならない。高い保険料が払えずに保険に入らないと決めた場合は、政府から罰金を強いられる。つまり、保険に入れるようになるどころか、いままでどおり保険がないだけでなく、さらに罰金を支払う羽目になるのである。このどこが国民皆保険なのだ、なにがアフォーダブル(お値段お手頃)保険なのだ?
2)国民の保険料が安くなる。
だいたいこれまでより経費がかかるようになる保険の保険料が減るという理屈自体おかしいと最初から気づくべきだが、そんなことには全く気をつけていなかった人々は突然の保険料の大幅値上がりにびっくり。それもそのはず、保険会社は今までは拒否してきた既存の病気の治療費をすべて払わなければならなくなったわけだから、保険加入者の負担が増えるのは当たりまえ。おかげで今まで保険に入っていたひとたちが高い保険料を支払うか、保険を解約して罰金を払うかしなければならなくなった。
3)今の保険に満足している人には特に影響はない。
これが一番の大嘘かもしれない。オバマ家の一番の問題点は選択の余地がないということ。つまり、若くて健康な人でも病気勝ちな老人でも、全ての加入者が同じ保険にはいらなければならないという仕組みになっている。以前にも説明したが、若くて健康な独身男性なら、老人向け医療は必要ないし、中高年で子供が独立している夫婦には婦人科や小児科に関する医療は必要ない。にもかかわらず全ての加入者が必要のあるなしに拘らず同じ保険にはいり、その経費を同様に負担しなければならないのである。よって保険料があがるのは当たり前だし、そんな保険料の負担は出来ないと雇用主が社員の保険をすべてキャンセルしてしまうということがあちこちで起きている。企業による社員への保険提供義務は一年間見送られることになったので、社員の保険をキャンセルする企業が増えている。つまり、今まで自分らの保険に満足していた人々が突然保険を失うという実情が明らかになってきているのだ。
4)オバマケアによってパートタイマーでも保険にはいれるようになる。
普通アメリカでは週40時間以上の終業をフルタイムといい、40時間未満はパートタイムと指定されている。法律でフルタイムのいわゆる正社員は保険に加入出来るようになっていたが、オバマケアでは30時間以上働く人を保険に加入させなければならないとあるため、多くの雇用主はパートタイマーたちの就業時間を30時間未満に大幅削減。おかげで今まで40時間ちかく働いていた人たちは保険に入れないだけではなく、就業時間も減らされ、給料大幅削減の憂き目に合ったのである。
このように、オバマケアの実態が明らかになればなるほど、オバマケアは低予算で国民のすべてに医療保険を提供するシステム等では全くないどころか、これまであった医療保険制度を破壊し、人々から高質の医療保険を取り上げ、値段ばかり高い劣悪な国民保険を人々におしつけるシステムであることがはっきりしてきた。
次回の選挙では、なんとしても上院を民主党から奪い取り、共和党の大統領を選んで国家の医療保険を民主党の魔の手から救出しなければならない。


連邦政府一部閉鎖の余波、国立公園閉鎖に各地で怒り高まる

オバマケア(オバマ提案の国民皆保険制度)を巡って、共和党仕切る下院と民主党仕切る上院が予算案で決裂。連邦政府は一部閉鎖となった。政府閉鎖の責任を共和党に押し付けたいオバマ王は、全国各地の国立公園を閉鎖。わざと一般国民の生活に支障をもたらす作戦にでた。
その犠牲者となったのが全国の退役軍人、おもに第二次世界大戦のベテランたち。はるばる地方からワシントンDCにある戦没者追悼碑を参詣に来た退役軍人が公園閉鎖を理由に参詣を拒絶されるという事件が発生。しかし軍人達はテープを破って参詣。ノルマンディー上陸を果たした軍人達がたかだかテープくらいにへこたれるものではない。怒ったオバマ政権は、もっと頑丈なバリケードを立て追悼碑の回りを囲ったが、これもまた軍人達によって破られてしまった。
こうなるとオバマ王はむきになりバリケードを破る者は逮捕すると脅迫。怒った退役軍人たちは本日の日曜日、DCに集まって追悼式を行うことになった。ティーパーティーの花形、サラ・ペイリンも出席すると発表した。
だいたいオバマのやり方は汚い。オバマが閉鎖した全国の国立公園のほとんどは自然公園で、だれでも自由に出入りできる。特に門があるわけではないので、閉鎖するとなるとわざわざバリケードを張り、警備員を出動させなければならず、放っておくよりずっと経費がかかるのである。政府閉鎖で管理費の余裕がないから閉鎖というのは口実で、これは国民への嫌がらせに他ならない。共和党のせいでこんなに国民が迷惑を被るのだという見せしめなのである。
しかし国立自然公園の閉鎖によって公園内に住んでいる老夫婦が自宅から追い立てられたり、レストランが閉鎖されたり、自然公園でジョギングしていた人が逮捕されたりしているのを、声高に抗議しているのは共和党の政治家たち。オバマが閉鎖命令を出した公園のある州の共和党知事たちは政府の命令を拒否している。
国民は除々にオバマが自然公園を人質にとって政治的な道具に使っていることに気づき始めている。怒った市民たちが全国各地で閉鎖された自然公園の柵を破って入って行く姿が毎日のように報道されている。(主流メディアは報道していないが、地方局は報道している)
昨日もDCのリンカーンメモリアルに大勢の観光客がテープを破って参観した。地元の警備員は得に何もしなかったが、しばらくして警察官らが登場。観光客たちを追っ払った。


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暴力なし、セックスなし、SFなし、大人の映画ゼロ・グラビティーが大人気

久しぶりに大人向けの映画を観た。邦題はゼロ・グラビティ(無重力)(日本12月公開)。この映画はいまアメリカで売り上げナンバー1の映画である。しかも35歳以上の大人に人気があるという。登場人物はたったの五人、しかも顔が出てくるのは二人だけであとの三人は声だけ。悪者が出て来る暴力シーンもなければ主役二人の男女のセックスシーンもない。完全に現代の科学に基づいており、宇宙人も出て来ないしト大型ロボットも出て来ない。にもかかわらず二週間続けて売り上げナンバー1というのはどういうことなのだろうか?
あらすじといっても特にない。それというのも、スペースシャトルの乗組員の三人がシャトルの外で修理に当たっていた時、突発的な事故によってジョージ・クルーニー演ずる宇宙飛行士マット・コワルスキーとサンドラ・ブロック演じるペイロードスペシャリスト(スペースシャトルの搭乗科学技術者。積み込まれた実験装置や観測装置の操作および実験を担当する専門職の宇宙飛行士)ライアン・ストーン博士だけが生き残り、そのあとなんとかして二人が生きて地球に戻ろうとする冒険が描かれているだけだからなのだ。映画の説明をこちらから引用させてもらうと、、

予告編の冒頭で映し出されるのは宇宙空間から見た美しい地球の姿。そこではスペースシャトルが地球を周回しており、メディカル・エンジニアのライアン・ストーン博士(ブロック)とベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(クルーニー)は船外でミッションを遂行している。しかし、突発的な事故が発生し、ふたりは無重力(ゼロ・グラビティ)空間に放り出される。映像は、突発的な状況に直面しパニックにおちいる主人公ふたりの動揺を生々しくとらえ、衝突によって大破した機器が宇宙空間に拡散してく映像が緊張感を高める。やがて訪れるのは助けの声さえも届かない漆黒の闇。映画は、地球との交信手段も絶たれ、酸素残量が2時間になってしまった状態から生還を試みるふたりの姿を描くという。

この映画の魅力はコワルスキーとストーンがいかにして生延びるかと苦心して様々な現実的な作戦を試みるところにある。無論実際に彼らのしたことが可能かどうかは疑問だが、それでもあり得ると観客に思わせるところが味噌だ。
コワルスキーはベテラン飛行士だが、ストーンは科学者で飛行士ではない。最初にシャトルから引き離されて宇宙に放り出された時の彼女のパニックぶりは非常に理解出来る。全くスケールは違うが、私が何年か前にカーンリバーの濁流下りをした時、ボートが転覆して濁流で何回転もした時のことを思い出した。無重力状態では摩擦がないから回転しだしたら止まらない。自分がそんな目にあったらあのくらいのパニックでは収まらないだろうと思う。
それでも彼女はコワルスキーにおんぶにだっこで頼り切るわけにはいかない。生存者はたったの二人きり。ベテラン飛行士とはいえ、コワルスキーは二人分の責任をすべて背負い込むことはできないのだ。それに気づいて自分でも気づかなかった予想外の勇気を奮い起こす彼女の姿は凛々しい。
宇宙の冷酷ながらも美しい映像描写はすばらしい。映画は普通版と3D版とがあるが、3D版をおすすめする。他の映画では意味もなく3Dのものが結構あるが、この映画は自然に3Dを駆使しており、充分に観る価値がある。
この映画がこれほどまでに人気を呼ぶということは、ハリウッドがどう思おうと、ティーンエージャー向きのアホな映画ばかりで大人の観客は内容のある大人の映画に飢えているということだ。ハリウッドにはこれに学んで内容の濃い大人の映画をもっと作って欲しいものだ。


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