アメリカの平等法は女性を抹消する

本日のバビロンビーのパロディーニュース。「中東ではバイデン空爆を避けるために、人々は家の玄関をトランスジェンダー色に塗り替えている」

まあ冗談は別として、バイデン政権と民主党のやっていることは滅茶苦茶だ。武漢ウイルスパンデミックでアメリカの経済は破綻状態。ワクチン配布もそんなに進んでいないし、公約のはずの国民への救済金も本当に配給されるのかどうかさえ怪しい状態。そんななかでシリアを攻撃したり、失業者を増やすだけの最低賃金を時給15ドルに引き上げるとか、本当にこの政権はアメリカをどうしたいんだ?

先日、民主党が多数議席を握る下院が新しく平等法なるものを可決した前回もお話したように、この平等法とは名前とは全く逆で非常に危険な法律だ。

この平等法, というのは1964年に通った公民権法(Civil Rights Act)の延長で、人種や国籍や性別によって住宅や就職の際に差別されてはならないというものに、さらに性嗜好と性自認を加えたものだ。アメリカでは同性愛は違法ではない。すでにアメリカでは雇用機会均等委員会(Equal Employment Opportunity Commission)が、性嗜好による差別を公式に禁じている。今のアメリカで同性愛者が職場で差別されるなんてことは先ず考えられない。ではいったいどうして今更こんな法律が必要なのか?

これは言わずと知れたトランスジェンダー概念の全面的許容が目的だ。

バイデン政権はやたらとトランスジェンダー思想を国民に押し付けている。同政権の保険省副長官候補のレイチェル・レビーンは自らもトランスジェンダーの女性自認男である。しかもこの女装変態男は思春期前の児童への性転換「治療」を推進している人間だ。先日上院議会での質疑応答でランド・ポール上院議員から「第二次性徴を阻止するブロッカーの投与を推進するか」という質問に、するともしないとも答えず、これは複雑な問題で云々と言葉を濁していた。

In this May 29, 2020, file photo, Pennsylvania Secretary of Health Dr. Rachel Levine meets with the media at the Pennsylvania Emergency Management Agency (PEMA) headquarters in Harrisburg, Pa. President-elect Joe Biden has tapped Levine to be his assistant secretary of health, leaving her poised to become the first openly transgender federal official to be confirmed by the U.S. Senate.

レイチェル・レビーン保険省副長官候補

幼児の成長期阻止ホルモンを推進するような人間を保険省の副長官に指名するようなバイデン政権。いったい彼らの狙いは何なのか。

何々を差別してはならない、という法律は一見して何の問題もないように思える。今の世の中で同性愛者だということがばれたら会社を首になるとか、出世できないとかいうことはないだろう。同性愛者であろうと男女の性が変わるわけではない。男は男用施設を使い、女は女用施設を使えばいい。彼・彼女たちが私生活で誰と付き合おうと他人の知ったことではない。

だがトランスジェンダーはそういうわけにはいかない。

だいたいトランスジェンダー差別とはなにを意味するのか。それをはっきりさせるには、そもそもトランスジェンダーとは何なのかを先ずはっきり定義する必要がある。

もし、トランスジェンダーの定義が、性同一性障害を病む人で医師の監督の元、性適合手術を受けて戸籍まで異性に転換したひと、というものであればまだ納得も行くが、単に自分が異性だと思っているだけで、特に異性らしく見せようという努力など全くしていない人も含まれるとなると、話は別である。

私はツイッターなどでトランスジェンダーの定義を説明してほしいとトランス活動家の人たちに何度もお願いしたが、それぞれ定義が曖昧過ぎていったいトランスとは何を指すのか私には未だに理解できないでいる。

よしんばトランスの定義がはっきりしたとして、トランス差別とは何を指すのであろうか?トランスジェンダーを理由に雇用しないというのは差別だというのは一見道理が通っているようだが、それも時と場合による。また、トランスジェンダーを本人が主張する性別で扱わなければ差別だということになるとなれば、大問題が起きる。

例えば雇用に関しても、トランスを主張する女装男がレイプセンターのカウンセラーに応募したらどうなるのか。性犯罪者の中には強姦の話を聞いて喜ぶ変態が結構いる。そういう変質者が女装してトランスだと言い張ってこのようなカウンセリングの仕事をやりたがったらどうするのか。男性に虐待された女性が女装男に自分のおぞましい体験談など相談できとは思えない。それでもトランスを雇わなければ差別なのか?

雇用だけではない。すでにイギリスやカナダやアメリカでも起きているように、性犯罪を犯した男性受刑者を本人が女性を自認しただけで女子収容所に移したり、女性自認の男子を女子スポーツ競技に参加させたりしなければ、それは差別とみなされるのか?

また未成年の子供が自分はトランスだと言い出し、両親が子供のホルモン治療を拒否した場合、トランス差別及び幼児虐待で責めを負うのか?

こういう問題の対処がはっきりしないまま、単に差別をしてはいけないなどという法律を通すことは非常に危険である。

数年前に、自称トランス女性を女子施設に許容すべきという話が出た時、トランスを装った痴漢が女性に悪さをする可能性を述べた批判者に対して、許容派は、そんなのはただの被害妄想、そんな心配は全くないと我々の心配を一笑に付した。だが、数年たった今、実際にトランスを名乗る痴漢があちこちの女子施設で強姦を含む悪質な痴漢行為をおこない、多くの女性が被害に合っている。

女子スポーツに関しては、すでに自称女の男子選手が女子競技を制覇する例がいくつも見られている。

この法案は次に上院で審議されるが、上院も民主党が多数議席を握っているので通ってしまう可能性は高い。いったい民主党はアメリカをどういう国にしたいのだろうか?


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記録的寒さで停電相次ぐテキサス及び南部州

数日前から米国はテキサス州はじめアメリカ南部で記録的な寒波が訪れ、あちこちで停電が起きている。

【ニューヨーク時事】(2・17・21)米南部や中西部などは記録的な寒波に見舞われ、異例の大雪や低温を観測した南部テキサス州では17日夜時点で約170万戸が停電している。大規模な停電は15日から続くが、復旧のめどは立っていない。一方、寒波による全米の死者は17日までに30人以上に上った。米メディアが報じた。

寒波で米工場の稼働休止 自動車大手、日系各社も

 寒さに慣れていないテキサス州では、冷え込みから電力の需要が急増し、計画停電が実施された。同州ヒューストンでは停電中に暖を取るためガレージ内で車のエンジンをかけ続けていた女性と少女(8)が一酸化炭素中毒になり死亡したのをはじめ、一酸化炭素中毒の症状を訴える人が相次いだ。

私が済む南カリフォルニアは山にでも登らない限り、寒くなってもせいぜい摂氏0度程度であり、雪も降らないし道路が凍るということはない。それで冬の厳しさについて気が付かないことが多い。だが今年の冬は普段寒くならないようなテキサス州で厳しい寒波が来たため、電力が追いついていないようだ。しかも、テキサスでグリーンエネルギーといって風力発電を取り入れている場所があるのだが、風力機が凍り付いて電力を産出できない状況が発生した。

Wind Turbine Ice

ところで拙ブログを大昔からお読みの方はご存じだが、私はもう2006年に拙ブログを始めた頃から、記録的に寒い冬が何年も続いたことに関して、いったい何年記録的に寒い冬が続けば、地球温暖化説は間違っていたということになるのかと言い続けてきた。

もう20年以上も地球温暖化などという現象は起きていない。だからこそいつの間にか彼らは「環境異変」などというバカげた言い方をするようになった。バイデン政権は従来の石油や石炭による発電を止めてグリーンエネルギーに切り替えろという。しかしグリーンエネルギーは技術が進んでおらず、テキサスのような大きな州を支えるには全く不十分である。かといって原子力発電をやろうといえる政治家も居ない。


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森さんの発言なんかより重大視されるべきなLGBT平等法の陰謀

先日の森さんの「女性蔑視」発言でオリンピック協会における女性差別の問題点に焦点が当てられている。しかし女性スポーツという問題を本気で考えているなら、森さんのどうでもいい発言などに時間を割いているよりも、もっと考えなければならない問題がある。それがLGBT平等法(Equality Act)だ。

諸外国、特にイギリスで平等法というと、これは同性愛者や両性愛者を差別しない法律などというものではなく、トランスジェンダーを無条件で受け入れる法律を指す。これは女子競技に女装した男性が平気で参加することを指すのであり、女子競技の破壊を意味する。バズフィードの記事から読んでみよう伊吹沙織著。

「オリンピック開催国として責任がある」 差別を禁止する「LGBT平等法」を求めて国際署名キャンペーンを開始「あまねく国内において安心してスポーツができる、性的指向や性自認によって差別がされないという状況を保証するために平等法が必要で、開催国の責任」(強調はカカシ)

この見出しを見ただけでも解るように、この平等法は単にLGBを差別しないというものではなく、「性自認」が含まれていることに注目する必要がある。この署名運動は特にオリンピックの規則云々については触れていないが、こういう法律は気を付けていないと思わぬ方向に進んでしまうのは、イギリスやアメリカの状況を見ていればはっきりわかるはず。もう少し読んでみよう。再び強調はカカシ。

今回始まった「Equality Act Japan」キャンペーンは、全国100以上の団体が加盟する「LGBT法連合会」、国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」、スポーツをより多様性にあふれたものにするため活動しているアメリカの非営利団体「アスリート・アライ」の3団体が連携して主催する。

トランス運動に多少なりとも注目してきた人間には、この「アライ」が何を意味するかははっきり解る。これはアスリート(競技者)のアライ(味方)などという意味ではない。これはトランス運動支持者を意味するのだ。

この記事には先進国で同性愛者を差別してはいけないという平等法がないのは日本だけだと指摘する。確かに同性愛者であるというだけで採用されなかったり解雇されたりといった差別があってはいけないが、今時そんな差別をする企業があるだろうか?同性愛は日本では違法ではない。違法でない行為を理由に解雇されたり不採用になったりすれば、個別に訴訟は可能なはず。特に新しい法律が必要とは思えない。

このような新しい法律が必要なのは、多くの人が受け入れられないと思っているトランスジェンダーのみだ。普通に男として採用されたのに、途中で女装を始めて女子トイレ立ち入りを要求したり、男性体なのに女子競技に参加させろという理不尽な行為を合法にしようというのがこの法律の真の目的だ。

無論この記事では特にトランスジェンダーに関する記述はない。同性愛者で元オリンピックメダル受賞者などの体験談でお涙頂戴の訴えをしている。

この運動開始の会見で元フェンシング女子日本代表選手で、東京レインボープライド共同代表の杉山文野さんと、なでしこリーグ2部スフィーダ世田谷FC所属で、現役選手の下山田志帆さんが、同性愛者であることでコーチやキャプテンらから差別的ないじめにあったと語る。

杉山さんは過去に、オリンピックでメダルを獲得したこともある選手から、「カミングアウトしてしまうと、ファンや家族を失望させてしまうのではないかという恐怖感があり、やっぱり言えない」と、相談を受けた経験を明かした。

自分自身も現役時代は、「おかまやホモという言葉が飛び交う競技場で、自分のことがバレたら居場所がなくなるのではないか、いじめられたらどうしようと、ビクビクしながら競技生活を送っていた」。

中略

「今までの人生を振り返って思うのは、スポーツの場で当事者に対する差別的な発言を見る機会がすごく多かったということです」と下山田さんは言う。

「短髪の選手に対して、指導者が『女子チームなのにそれはおかしいだろ』と言ったり、チーム内で付き合っているカップルに対して、キャプテンなどが『気持ち悪いから別れろ』と言ったり。そんな話を、周りで度々見聞きしてきました」

「そうした現状は現在進行形だと思っていて、競技は好きなのに、チームメイトや指導者との関係が嫌で引退した選手もいたし、チームを離れてしまった選手もいました」

中略

「平等法が制定されることで、安心してプレーできる選手が増えるし、差別的な取扱いを受けた時も、SOSが出せるようになる。そうした環境が当たり前になることを、私は望んでいます」と訴えた。

こういう人々の無理解や偏見を法律で規制するという考えに私は非常に疑問を抱く。もしも同性愛選手が出場を拒否されるとか、記録を伸ばしても同性愛者だというだけでメダル受賞が出来ないとかいう事実があるのであればそれは問題だ。そういう差別は絶対に許容されてはならない。だが、コーチや他の選手が同性愛者は気持ち悪いと思う気持ちまで法律で規制するというのは、言論の自由や思想の自由を迫害することになる。

もし現場で同性愛者をいじめるような文化があるというなら、それは組織に問題がある。だいたい選手の性嗜好を理由に指導者が選手をいじめるなどということがあっていいはずはない。こうした行為を止めさせるのは法による規制ではなく、どんな理由があるにせよ選手の私生活について指導者からの虐めは許さないという強い姿勢を組織の幹部から示していく必要がある。やたらに法律などで規制すれば反感を生むだけであり、差別をなくすことにはつながらない。

しかし、このようなお涙頂戴パフォーマンスに騙されて、この忌まわしき平等法などというものを支持したりしてはいけない。繰り返すがこの平等法の真の目的は同性愛者への差別をなくすことなのではなく、自認のみの「トランス女」が真の女性として扱われることにあるのだ。

左翼運動家はしたたかである。法律を通す際にトランスジェンダーのTの字も言わない。そして同性愛者にまじってそっとトランスを混ぜ、「性自認」という言葉を忍び込ませる。法律が通ってしまえばこっちのもの。「トランス女性は女性です」が横行するのだ。そうして一般市民は何も言えなくなってしまうのだ。

この元フェンシング日本代表選手も、実はこれが女子フェンシングを破壊する行為につながるとは、その手先として動いているのだということに気が付いていないのだろう。コーチやキャプテンに「気持ち悪い」などと言われる程度のことでは済まされなくなるというのに。

森さんを責めまくったメディアはフェミニストの皆さんにお聞きしたい。オリンピックにおける女性蔑視を本当に心配しているのなら、男子が女子競技に参加して女子スポーツを破壊する可能性のある運動についてどう思っているのか?今のオリンピックの規則では一年間男性ホルモンの分泌が一定数未満ならば手術もしてない男子が女子競技に参加できるのだ。それについて何もいうことはないのかと。

もし日本がオリンピック開催国として責任があるとしたら、今のうちにこの問題を解決することにある。こちらの方が女子スポーツの存続にかかわる重大事である。森さんのくだらない発言などに力を注いでる場合ではないのだ。


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秘書が暴露したアンドリュー・クォモNY知事の介護施設死者数の嘘

今ニューヨーク州のアンドリュー・クォモの武漢ウイルス対策について非常に大きなスキャンダルが起きている。拙ブログでも去年の5月頃からニューヨークのアンドリュー・クォモ知事による武漢ウイルス政策は大失態であり、介護施設に陽性患者を送り込んで大量の犠牲者を出したという話はしたが、実はクォモ知事は介護施設における死者の数を大幅に隠蔽していたという事実があきらかになったのだ。安倍かすみ在NY記者による記事より。

クオモ氏率いる州政府が、新型コロナ禍における高齢者介護施設の死者数を隠蔽したとされる疑惑をめぐって、証拠収集のための弾劾委員会が結成されることが、州議会共和党員により18日に発表された。17日には、FBIと州東部地区連邦検事局による調査が開始したことも報じられている。

事の発端は先月、州司法長官のレティシア・ジェームズ(Letitia James)氏が、昨年3〜8月の高齢者介護施設での新型コロナによる死者数が、州により大幅に過少報告されていたと指摘する報告書を公表したことによる。

新型コロナによる州内の死者数は、4万5807人に上る。うち40%近くが介護施設の入居者とされる。

介護施設での死者数は今月10日の時点で1万3297人、16日の時点で1万3432人(総合的にあらゆる介護施設も含めると1万5049人以上)とされているが、先月18日の時点の公式な発表は8711人だった。

つまりクォモ知事は実際の犠牲者の数を半分近く誤魔化していたということになる。何故これが今更ばれたのかと言えば、クォモの秘書メリッサ・デローザが今月の10日に州議会の民主党議員らに「死者数のアップデートを“凍結”していた」として謝罪したからだ。はっきり言って謝罪するなら民主党議員にではなく、介護施設で亡くなった方々の遺族に対してすべきなのではないか?彼女が申し訳ないと言っているのはクォモの失策で大量のお年寄りが亡くなったことではなく、その数を胡麻化していたことで民主党議員たちに迷惑をかけたということだけなのだ。

実際の死亡者の数を隠蔽していた理由としてデローザは、トランプ大統領によるクォモ批判をこれ以上ひどくさせないためだったと言い訳している。トランプ大統領は去年の8月当時「州の対応が悪いため、介護施設入居者が殺されている」とクォモ州政権を責めていた。しかし、実際にクォモの失策のために15000人以上の犠牲者が出ていたのだとしたら、トランプ大統領の批判はもっともだ。責められて当然だろう。

さてこれに対してクォモ知事はどういう言い訳をしているのかと言えば、

15日にクオモ氏は会見を開き、釈明した。州保健局が、介護施設の入居者が病院で死亡したケースを明らかにしなかった結果であり透明性を欠いてたことを認めたが、正しい数字の追加作業は忙殺により「後回し」となっただけだとし、隠蔽工作を全否定した。

しかしこれに納得がいかないのは、誰あろうニューヨークの民主党議員たちである。特に介護施設で叔父を亡くしたクイーンズの州議会、ロン・キム(Ron Kim)議員はクォモを強く批難したことから、クォモから脅迫まがいの電話やテキストを何回ももらったと告発している。ニューヨークのデブラジオ市長などは、クォモが脅迫を使うなどいつものことだとインタビューで答えている。(いや、いつものことだじゃすまないだろ)

クォモの失態に関しては批判する人も中にはいた。厳しすぎるロックダウンに地元のビジネス経営者たちは一様に批判の声を上げていた。しかしトランプ大統領が大統領でいる間はなにもかもトランプのせいということにし、アメリカのメディアもクォモの失態に目をつむってきた。クォモはいかに自分が武漢ウイルス対策をきちんとやったかと本まで書いて威張っていた。

また、州の方針により昨年、新型コロナで入院し回復傾向にある9000人以上の患者を病院から介護施設に移したことが、たびたび批判の的にもなってきた。そのたびに知事は「介護施設内での感染の多くは、入居者同士ではなく施設で働くスタッフからであり、介護施設での死者6300人(当時発表)には関係しない」「死亡したのが病院か介護施設か、誰が気にするのか?」などと発言し、批判を一掃していた。

ニューヨーク在住の日本人の中にもクォモを神のように崇めていた人たちがいたが、いまはいったいどんな気持ちだろうか?政権が代わってすべてをトランプの性に出来なくなった今、クォモの金メッキははがれてきたのではないかと安倍は締めくくる。


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保守派トークラジオの王者ラッシュ・リンボー逝去

ラッシュ・リンボーとは1980年代後半にAMラジオでトークラジオというものを始めた最初の人。それまで時事ニュースはテレビの巨大ネットワークと主流新聞が牛耳っていたが、リンボーはその巧みな話術で右翼保守から見た時事問題をラジオで語り始め、一方的な見解しか聴いていなかった庶民の心を魅了した。その後33年間にわたりリンボーのラジオ番組は大人気を保ち、その聴取者数3500万と言われている。

Conservative talk radio icon Rush Limbaugh dead at 70

リンボーがラジオ番組を始めたのは1988年。当時音楽と言えばFMで、AMラジオで流れていた番組は大昔のオールディ―ミュージックや地方の宗教番組くらいだった。それが三時間ただただ政治の話をするというユニークな番組に人気殺到。ラッシュの番組は次々と多々の地方局と連携して全国で聴かれるようになった。ラッシュの人気に便乗して次々に保守派トークショーがAMに現れ、AMラジオはトークラジオの宝庫へと変貌したのである。

私の記憶では彼の人気がうなぎのぼりに上昇したのはクリントン大統領就任後の1992年以降のことだ。私個人がラッシュの存在を知ったのもこの頃で、当時はまだ友達だったミスター苺が深夜に放映されているラッシュ・リンボーのテレビ番組(1992-1996)を紹介してくれたことがきっかけだ。私はもうずいぶん長いこと共和党支持で保守なので、自分がそうではなかった時のことをずっと忘れていたのだが、考えてみればビル・クリントンが民主党候補に選ばれた時はクリントンを支持していた。幸いなことに当時私はまだ選挙権を持っていなかったのでクリントンには投票していない。

クリントンの就任直後にリンボーの番組を見だして、私の考えは180度変わってしまった。それまで周りの影響からなんとなく民主党を支持していたが、リンボーのおかげで左翼リベラルが如何にアメリカという国をダメにしているかを学んだからである。

リンボーの功績は、1994年に共和党が40年ぶりに上下議会の多数議席を取ったことだ。リンボーは共和党のニュート・ギングリッチを強く応援。そのおかげでギングリッチ率いる共和党下院議会は奇跡的な54の議席を獲得。上院でも8席+民主党からの移籍者3人で上下ともに多数議席を獲得したのだ。よく南部の人種差別的白人が1964年の公民権法が通った後に大量に共和党に移ったという嘘を言う左翼がいるが、実は民主党の左傾に嫌気をなした南部の保守派民主党支持者が大量に共和党に移行したのはこの時なのだ。

リンボーの死は予想通り左翼リベラルの間で狂気的な歓喜を招いているが、それというのも、左翼リベラルはリンボーを非常に恐れていたからだ。リンボーはそれまで沈黙していた右翼保守に声を与えた。右翼保守でいることは恥かしいことではない、同じように考えている人が他にいくらもいる、そのことを右翼保守に気付かせてくれた。

フェミナチと言う言葉を最初に使ったのもリンボー。リンボーはフェミニストを容赦なく批判したし、同性愛運動家の左翼アジェンダにも批判的だった。そしてリンボーは左翼の偽善や嘘をどんどん暴いていった。まいにち三時間全国ネットで放送される彼の影響力たるや想像を絶する。

左翼メディアはなんとかしてリンボーの番組を止めさせようと色々企てたがそれは成功しなかった。テレビの方はまだ左翼が圧倒的に力があるので、ラッシュの人気番組は数年で打ち切りになった。また一時的にフットボールの解説をやっていたラッシュに人種差別の言いがかりをつけて降板させたりもした。しかしラジオの方は何をやってもラッシュを止めることは出来なかった。リンボーのいないAMラジオなんて、鮭のはいってないお茶漬けみたいなもの。3500万もの聴取者のいるリンボーを簡単に降ろせる放送局などあるはずがない。

リンボーがトランプを支持したのも、トランプがリンボーと同じように政治家ではなく外部からアメリカを良くして生きたいという気持ちを持っていたからだろう。トランプ大統領はリンボーの応援がトランプの第一期当選に少なからぬ影響を及ぼしたことを知っていた。またリンボーがどれほどアメリカのために戦ってきたかを理解していた。だからこそトランプはリンボーに民間人としては最高の栄誉であるメダルオブフリーダムを与えたのだ。

ラッシュ・リンボーありがとう。これからは私たちが引き継いでいつまでも右翼保守の思想を広めていこう。一人ひとりの力は弱いが、左翼によって沈黙させられてはならない。

ラッシュ・リンボー、安らかにお眠りください。


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働く庶民をバカに仕切った左翼エリート司会者の暴言、「国会議事堂乱入事件の方がそのへんの屋台が焼かれたことより大事件」

主流メディアのニュースキャスターのエリート意識には本当に反吐が出る。今日MSNBCの朝番組の司会者ジョー・スカ―ボロ―が下記のような発言をした。

どっかのニュースチャンネルで、去年の夏に夫婦でやってるような店が破損されたのと国会議事堂が襲われたのと何が違うのかなんて馬鹿なことを言ってる奴がいた、違うよ、馬鹿野郎、国会議事堂はアメリカ民主主義の中心だ、俺は人々が自分の所有物を守る権利を強く信じているが、たかが屋台と国会議事堂を一緒にするようなことはしない。俺はタコスを売ることとアメリカ憲法を遂行することを同一視したりしないんだよ。

これに関してデイリーコーラー誌はツイートで「ケノーシャの暴動で焼失したスコット・カーペンターの家具屋はタコス屋台だったんだね。」とおちょくった。これをきっかけにツイッターでスカ―ボロとデイリーコーラーの言い争いがちょっと続いた。下記がスカ―ボロの返答。

同じだと思うのか?お前は個人の所有物棄損が忌まわしいことであると同時に国会議事堂へのテロ攻撃の方がアメリカにとってはより脅威であるということもわからないほど馬鹿なのか?倉庫放火が9・11と同なのか?

それに対してデイリーコーラーは:

ミネアポリス(暴動で店を焼き払われた女性経営者)のステファニー・ウィルラードさんをぜひともモーニングジョー(スカ―ボロの番組)にゲストに招んで、なぜ彼女の商店街が議事堂より大事ではないのか説明してくれるのを楽しみにしてるよ。

スカ―ボロは去年の夏中続いた(今も一部では続いている)BLM/ANTIFAの暴動をたかがタコス屋台一軒が焼かれたかのように過小評価しているが、それよりも腹がたったのは、彼がタコス屋台を経営してる人たちのことをバカに仕切っているという点だ。

何故議事堂で議会をしてる政治家のお偉いさんたちの方が、タコス屋台を引いて毎日一生懸命働いてるおっさんよりも偉いということになるのだ?議事堂は襲われたが、あの場に居た政治家の一人でも怪我をしたわけでもなく財産を失ったわけでもない。タコス屋台で身を立ててるおっさんが、この屋台を壊されたら露頭に迷うのだ、なぜそれが大事なことではないといえるのだ?

ましてや、あの情けない議事堂乱入事件を911と比べるなど愚の骨頂である。

議事堂は確かに民主主義の象徴かもしれないが、結局はただの建物ではないか。議事堂が燃えることの方が商店街が燃えることより悲劇的なことなのか? だったら夏中民主主義の象徴であるリンカーン像やワシントン像が壊されていた間、スカ―ボロは一言でも批判の言葉を発したのか?

これについてちょっと批判した私に左翼エリートらしいツイッタラーから反論があった。国会議事堂では憲法を遂行するための議論がされていたのだ。それがテロ集団によって妨害されたのを軽視するのか。といった内容。

ばかにしないでよ!(山口百恵風)

憲法が大事だっていうなら、退任大統領を弾劾裁判にかけるなんていう茶番劇をするような憲法をバカにした政治家に何か言え!そんな奴らが集まってる議事堂に情けない連中が十数人なだれ込んで二時間くらい暴れたからって何だと言うのだ。夏中燃え続けた何百と言う商店街について何ひとつ批判しなかった民主党議員たちなんぞがくだらない議会を開いてる議事堂の窓が二つ三つ割られたからといってなんだというのだ!

夏中どれだけの庶民がひどい目に合わされてきても何もいうことがなかった人間が、自分たちが攻撃の対象になったら大騒ぎ。所詮エリート意識まるだしの連中に私は心から軽蔑の念を抱く。


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猛烈かつ迅速なアメリカのキャンセルカルチャー、人気テレビ番組の司会者が謹慎に追い込まれたわけ

日本の皆さまはアメリカの人気長寿番組「バチョラー」をご存じだろうか。私はリアリティショーは大嫌いなので一度もみたことはないのだが、これは一人の独身男性が数人の女性から一人理想の女性を選ぶという趣向で、女性たちはそれぞれ色々な試練に打ち勝って男性の心を射止めるというものだそうだ。

さて、その参加者の女性の一人レイチェル・カークコネルが、学生時代に南部の南北戦争前の時代をテーマにしたアンテベラムパーティに参加し、その当時の衣装を着て友達と撮った写真が浮上し、彼女の昔のSNSでのエントリーなどで人種差別的な発言があったとかなかったとかで失格になった。

アンテベラムというのは単に「戦前」という意味で、奴隷制度や人種差別とは無関係である。確かに南北戦争以前の南部には奴隷は居たが、それならその当時の世界中の国で奴隷の居なかったくになどほぼ存在していない。奴隷がいたから昔の文化をモチーフにしてはいけないとなったら、もうコスチュームパーティなんて出来なくなる。

ま、それは置いといて、本題はその次に起きたことだ。この件に関して番組の司会者のクリス・ハリソンが芸能ニュース番組でインタビューを受けた。彼はレイチェルとはこの件に関して特に話をしていないのでなんとも言えないとしながら、彼女は多分パーティに行って楽しんだだけなんだろう、そんなことで叩く必要はないのではないか、というようなことを言ったところ、「人種差別を擁護した」としてハリソン自身が番組を一旦降ろされるという事態に発展してしまった。え?なんで?

このインタビューを行ったレイチェル・リンゼイ(黒人)の発言を本日ニュースで読んで私はかなり胸糞が悪くなった。

クリス・ハリソンに辞任してほしいなどとは思ってません。ただ、インタビューを観て聴いてほしいと思いました。もっと大事なのはこういう議論に焦点をあてることです。そのためにはこういう気まずい会話も交わさなければなりまん。そうすることで根底にある何気ない人種差別を理解することが出来るのです。

ご冗談でしょ。私が人気番組の司会者なら、人種差別に関するインタビューなどにはもう絶対に応じない。やたらに「気まずい会話」になど巻き込まれて人種差別者の汚名を着せられるのはまっぴらごめんだ。

ところで保守派ポッドキャストのマット・ウォルシが言っていたが、何気なく言ったことが人種差別と取られ責められた場合、本人が即謝罪してみても意味はない。ポリコレ警察には慈悲とか許すといった寛容性はゼロである。一旦相手を「差別者」と決めたら、相手がとことん破壊されるまで攻撃の手が止まることはない。これは本人のみにとどまらず、家族や友達にまでも及ぶ。だからハリソンの恋人もすぐにハリソンは人種差別者だと糾弾した。

興味深いのは実際に人種差別行為をしたとされる本人よりも、その本人を弁護した人の方がずっとひどい目に合わされる。ウォルシ曰く、それはキャンセルカルチャーにあえて反逆する行為としてもっと重い罪になるからなのだ。

一旦キャンセルされるとなれば、もう逃れるすべはない。いっそのこと謝罪などせずに「自分は何も悪いことはしていない」と開き直り、解雇されたら雇用主を訴えるくらいの覚悟で居た方がいいのかもしれない。

以前にも言ったが、普段左翼リベラルを気取っている人の方がキャンセルカルチャーの犠牲にはなりやすい。自分は十分左翼だから大丈夫などと思っていると、思わぬところに落とし穴がある。


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民主党の情けない陰謀、トランプ元大統領弾劾裁判大失敗の巻

アメリカのドナルド・トランプ大統領に対する弾劾裁判で、議会上院は5日、権力乱用と議会妨害の弾劾条項2項目について、いずれも無罪評決を下した。

評決の投票があった上院は、53対47で与党・共和党が多数を占める。投票結果は、権力乱用が賛成52票、反対48票、議会妨害は賛成53票、反対47票だった。

共和党上院議員たちは、この裁判そのものが違憲だと最初から言っていたので、この結果は当然であり裁判自体全くの時間の無駄だった。それで私はあまりその内容について注目していなかったのだが、民主党が提示した「証拠」があまりにもお粗末であったので、それだけでも紹介する価値はあるかと思う。

去年トランプ弁護団が提出した不正選挙に関する証拠が、証拠不十分とかなんとかさんざん言っていた民主党や左翼メディアだが、今回民主党が提示した「証拠」はトランプ側弁護士マイケル・ヴァン・デル・ヴィーン(Michael van der Veen)氏曰く、駐車違反の抗議裁判ですら、もう少しましな証拠が提示される、ほどひどいものだった。

今回紹介するのは特にひどかった二つの「証拠」。まずはマイク・リー上院議員に関する又聞き証言。

民主党側は1月6日にトランプ大統領がトミー・トゥーバーヴィル上院議員に電話しようとして間違えてマイク・リー議員に電話してしまったため、リー議員は隣に座っていたトゥーバーヴィル議員に電話を渡した。この時、トランプ大統領がトゥーバーヴィル議員に選挙人承認に関して異議申し立てをしてほしいという話をしたのを、隣に居たリー議員が聞いたとした。ところが、裁判に出席中の当のリー議員が「私はそんなことを言った覚えはない」と抗議した。それでこの「証拠」は正しくないとして即取り下げられた。

普通裁判では「誰々さんがこんなことを言っていたのを聞いた」という又聞きは証拠として認められない。特に誰々さんからの証言を得ることが可能である場合は、本人の口から証言されなければ意味はないのだ。そんなことは弁護士ペリー・メイソンくらいでしか裁判を知らない私ですら知っている。

次の「証拠」はもっと悪質で、トランプ支持者のツイートを捏造したものだった。

民主党中国人スパイにハニートラップにあったエリック・スウェルウェル議員が提示した証拠は、ジェニファー・リン・ローレンスという保守派活動家女性のツイート。そのなかで彼女は「トランプ大統領、あなたと一緒に戦えることを誇りに思います。1月6日には騎馬隊を引き連れて伺います」と書いたとしてそのツイートのスクリーンショットを提示した。

しかしながら、彼女が使ったcalveryという言葉はキリスト教のお祈りに関する言葉で、当日行われたお祈りの行事についてのことだった。スウェルウェル議員はそれを騎馬隊という意味のcavalryと勘違いし、あたかも彼女が武装した革命軍でも連れて行くと言ったかのように語ったのである。キリスト教国のアメリカでこういう宗教的間違いを犯すのは無教養の表れである。

さて、それだけでも恥かしいのだが、このスクリーンショットにはツイッターで公人を示す青いチェックマークがついていた。しかしローレンスによると自分はツイッターから承認マークをもらったことはないとのこと。つまりスワォルウェル議員はそれほど影響力もない一般民間人が、あたかも影響力のある公人であるかのように示した。また別のツイートでは一年前の日付を2021年に変えて、あたかも議事堂乱入と関係があるかのように見せようとした。

ヴァン・デル・ヴィーン弁護士は、原告側は何の捜査もせずに、証拠を捏造したのだと語り、「非常にショックである」とCBSのインタビューで話していた。普通の裁判で原告が証拠を捏造していたら、裁判はそこで終わりである。弁護士がいくらでもいるはずのアメリカ議会下院で、そんなことも知らずにトランプ大統領を起訴したとは信じられないことだ。

この二つのことを見ただけでも、今回の裁判がどれだけの茶番劇だったかがはっきりしたというもの。

ところでこのヴァン・デル・ヴィーン弁護士というのは非常に有能な人で達弁である。特にCBSでのインタビュー中にインタビュアーがあまりにも偏向な質問をするのに腹を立てて、メディアの偏向報道は今すぐ辞めるべきだ、と演説をぶり、観てる方がすかっとするほどだった。

しかし残念なことに、同弁護士は自宅の窓ガラスが割られ、自宅内を荒らされ家のなかに酷い落書きを書かれたという。そして何百と言う脅迫状を受け取ったそうだ。本当に左翼ってのはやることがえげつない。トランプ大統領を支持する人は誰も許さないという姿勢まるだしである。


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アンティファに関する五つの神話を暴く

先日アンディー・ノーの書籍を批評するLAタイムスの記事を紹介したが、そのなかで記者のナザリアンが話していたワシントンポストの「アンティファに関する五つの神話」をちょっと深く読んでみたい。いずれアンディーの本も紹介したいと思うが、まだ読んでないので、それは後回し。

ワシントンポストの記事は課金制なのでアーカイブになっているこちらから参照した。

アンティファとは、アンタイファシストつまり反ファシストと言う意味だが、ファシズムに敵対しているから民主主義の団体という意味ではなく、言ってみればナチス党が台頭する前のドイツでナチスに対抗していた共産主義Weimar Republicのようなもので、ファシスズムと同じかそれ以上に悪質な思想である。しかしワシントンポストはアメリカのアンティファは反人種差別の団体であり、色々誤解されていると言う。

先ずWPが言う五つの神話とは下記の通り。

  1. アンティファは単独の組織団体である
  2. アンティファがBLM暴動の首謀者である
  3. アンティファは民主党と結託している
  4. アンティファはジョージ・ソロスのようなリベラル資産家によって資金援助されている
  5. アンティファこそが真のファシストである

前回も書いた通り、どうせ彼らは重箱をの隅をつつくような議論を展開するのだろうと思うが、その中身がどんなものか読んでみよう。

神話その一
アンティファは単独の組織団体である
去年の5月31日、トランプ大統領はANTIFAをテロ組織と指定した。司法長官のウイリアム・P・バーもアンティファは「社会主義に感化された革命団体である」と発言。

しかしWPはトランプはアンティファをテロ組織などと指定することは出来ないと主張する。なぜならアンティファは組織ではなく、過激派右翼に対抗する政治的運動だからだと言う。確かにアンティファを名乗る団体はあるが、それはフェミニズムが組織でないのと同じようにアンティファも組織とは言えないのだという理屈だ。

確かにアンティファには中央司令部などというものから、すべての指揮を取っているというわけではなさそうだ。アンティファには様々なグループがあり、それが緩く横につながって、SNSなどを使ってどこで暴動をどのように起こすか情報を交換しあって決めている。また個々の団体が好き勝手にデモをやったり暴動を起こしたりもしている。

過去に中央司令部がなく、一人の代表者が居るわけでもなく、各地にある個々の団体が同じ思想で緩くつながっているという組織がテロ組織として指定されたことがある。それはアルカイダである。アルカイダはイランやイラクを拠点に活動しているとはいえ、世界中でアルカイダの思想でつながった個人や団体がそれぞれの意思でテロ行為を起こしている。だがアルカイダが立派なテロ組織であることを疑う人はないだろう。

上に一人の指導者が居て、上から下に命令を出すというものだけが組織ではない。個々の団体がそれぞれ同じ思想で横につながる組織も存在する。その活動が組織として成立しているのであれば、どんなつながり方をしていても組織と言える。だから上から下への階級がないから組織ではないという理屈は成り立たない。


神話その二
アンティファはBLM暴動の首謀者である
トランプ大統領がジョージ・フロイド事件直後に起きた暴動について「アンティファや極左翼」をすぐに責め、ジュリーアーニもアンティファが即座に行動に出たと語ったことからBLM暴動はアンティファが指揮を取っているという神話が生まれたとWPは言う。しかし司法局やFBIやメディアもアンティファが首謀者であるという証拠を見つけていないという。

はっきり言ってこれは藁人形論だ。トランプ大統領はアンティファや極左翼の連中が暴動を起こしていると言っただけで誰が首謀者であるとは言っていない。また、このリポートは5月に起きた一回の暴動での出来事なので、その後の暴動にアンティファがかかわったかどうかに関して語っているわけではないのだ。

ただ去年起きた数々の暴動はかなり計画的であり、どこかに首謀者が居ることは確かだ。何故そう思うのかというと、1993年にロサンゼルスで突発的に起きた暴動と、今回いくつも起きた暴動とではパターンが全く異なるからである。LA暴動の時はある交差点でトラックの運転手が運転席から引きずり出されて殴る蹴るの暴行を受けた時から始まった。その時警察がすぐに動かなかったので、あちこちで警察の居ないのをいいことに略奪が始まった。暴徒は主に黒人だったが、数時間後に暴動に便乗したラテン系違法移民などが加わった。

だが、今回の暴動は違う。単にBLMのデモで感情的になって人々が突発的に暴徒化したというより、昼間の平和的なBLMデモに隠れて、日が暮れると重武装した黒装束(アンティファの制服)の男たちがやってきて暴動を始める。どこで暴動や略奪を行うか、あらかじめ申し合わせたように人々が集まり、あちこちにレンガだの木材だのペットボトルだのが置かれていた。こうしたやり方はアンティファの常套手段である。

ポートランドやシアトルでの暴動は主にアンティファが行っていることは誰もが認めることだが、シアトルの自治区はBLMとアンティファが協力して作られたことは自他ともに認めることだ。

つまり、アンティファが指揮を取っているかどうかは別として、BLM暴動にアンティファがかなり大きな役割を果たしていることは事実である。


神話その三
アンティファは民主党と結託している
WPはアンティファと民主党が関連があるという証拠はまったくないと断言する。民主党議員たちは常にアンティファによる暴力を糾弾しているという。

トランプ大統領に対しては白人至上主義を糾弾するかと何度も何度も詰め寄り、そのたびにトランプ大統領は糾弾すると断言しているにも関わらず、トランプを白人至上主義だと言い続け、プラウドボーイズをトランプと結び付けてきたワシントンポストが良く言うよと言いたい。

バイデンはじめ民主党はBLM/ANTIFAの暴動を「概ね平和的」と言って擁護し、アンティファを名指しで批判したことなど一度か二度あるかないかである。いや、それどころか、カマラ・ハリスなど暴動を奨励するような発言をし、暴動で逮捕されたアンティファメンバーに保釈金を払ったりしていた。民主党広報部となり下がったCNNのクリス・クォモなどはデモが平和的である必要などないといって暴力を奨励した。

トランプ大統領が白人至上主義団体を毎日のように批判しないことが、トランプと白人至上主義グループと深い関係がある証拠だという理屈が通るなら、アンティファ暴徒らを全くと言っていいほど批判せず、アンティファ暴徒に保釈金まではらう議員が出ている民主党はアンティファとは深いつながるがあると思われてしかるべきだ。


神話その四
アンティファはジョージ・ソロスのようなリベラル資産家によって資金援助されている
トランプをはじめ右翼保守はずっと左翼運動はジョージ・ソロスのような資産家によって資金援助されていると言ってきた。WPは、ソロスを名指ししないまでも共和党議員達は誰が暴徒らに資金を出しているのか?という質問はユダヤ人蔑視の犬笛だという。ソロスがユダヤ系だというだけですぐ人種差別を持ち出してくるのは非常に卑怯な議論である。ソロスは確かにユダヤ系だが、若い頃ドイツに隠れて住んでいた同じユダヤ人同胞をナチスに売った裏切り者で、ユダヤ人の風上にも置けない奴。

去年DCでの公聴会の後でホテルに戻る途中を夫人と友人と共にアンティファ暴徒に囲まれて暴行を受けたランド・ポール上院議員は「誰が彼らのホテル代を払ったのだ?誰が航空券を提供したのだ?」と問いかけた。アンディー・ノーもポートランドやシアトルのアンティファがしょっちゅうDCやその他の都市に遠征して暴動指導をやっていると証言していた。また、ポートランドでアンティファ連中が逮捕される度に、誰かが保釈金を払ってすぐに釈放されていることは周知の事実。

テロ活動にはお金がかかる。アンティファ連中は大量の商業用花火を武器に使う。レンガや木材やペットボトルなどといった商品の資金はどこから出ているのだ?アンティファメンバーがあちこちに遠征して行く交通費や宿泊費は?保釈金は?その資源の出どころに疑問を持つのは当然のことだ。これは正当な質問であり答えを要する。

ソロスや億万長者からの資金援助があると言う証拠は全くないとWPは言う。また億万長者からの資金援助はアンティファシズムの思想に反するのでアンティファがそんな援助など受けているはずがないとも。

何度も言うがアンティファは単に共産主義者としてファシズムに対抗するという立場であり信念などない。勤勉に働く人々の商店から平気で略奪をやってのける連中だ、誰からでも取れるところか金を取るだろう。

WPは彼らの資金は個人的な寄付や募金で賄っているというが、その内訳をWPはみたことがあるのか?弁護士一人雇うにしても大金がかかるのに、個人的な募金だけで賄えるはずがない。第一WPはアンティファは組織ではないと言いながら、アンティファ専門の基金があり、メンバーたちがそこに寄付をしているとする。組織がないのにメンバーが居るというのもおかしな話なのでは?


神話その五 
アンティファこそが真のファシストである
バー司法長官はアンティファのやり方をファシスト的な作戦を使っているとし、ドンJr.もアンティファは焚書の段階に入ったと語った。ネットではアンティファこそが真のファシストだという意見が散乱している。アンティファを民主党のブラウンシャツだと呼ぶ人も居る。私自身アンティファのやり方はナチス党のブラウンシャツの水晶の夜と全く同じだと考えている。

WPはファシストとアンティファシストには主流政治に敵対心を持っているとしながらも、二つのグループは全く違うと言う。WPは、ライバルである極右翼と違ってアンティファシストはフェミニストであり反資本主義であり、警察や刑務所を解体を望んでいる。アンティファとファシストを比べた場合、用いる戦法が同じであるという点以外にはないと言う。「ファシストこそが真のファシストだ、何故ならファシストはファシズムを目指しているからだ。」と結論付ける

ばかばかしい!主張がどうあれ、やっていることが同じなら同じではないか。ファシストもアンティファシスト(共産主義)も同じ銅貨の二つの顔だ。結果的に彼らの最終目的は自分らの独裁のもとに市民をコントロールし、反対派は徹底的に弾圧する。

ファシストと共産主義の決定的違いは、企業が民営か国営かということくらいだ。ファシスト政府は自分らの選んだ大企業を抱き込み、企業は企業でその金を使って自分らのあった政治家を抱き込む。共産主義は企業を国営化し政府が企業をコントロールする。だが二つとも企業と政府が密接に癒着しているという点では何の変わりもない。

今SNSのような大企業や大手小売店などが民主党べったりで、保守思想を弾圧するような態度に出ているのは、まさしくファシズムのやり方である。アンティファがそれに承諾しているかどうかは別として、彼らはまさにナチス党のブラウンシャツの役目を果たしている。

アンティファの連中はナチス台頭後のブラウンシャツがどんな目にあったか歴史のおさらいをしてみてはどうかな?


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アンディー・ノーのアンティファ暴露本のLAタイムス批評

ロスアンジェルスタイムスに独立記者アンディー・ノー著の「アンマスク(剝がされた仮面)」の批評が載っている。著者はアレキサンダー・ナザリアンという自称ジャーナリスト。

アンディー・ノーの著書を読んだわけではないが、私は彼の記事や議会公聴会での証言などをここ2~3年ずっと追っているので、この著書にどのようなことが書かれているかは想像がつく。そのうえでこの批評を読んでみると、ファクトチェックと言いながら事実をまるでプレッツェルのように捻じ曲げたナザリアンの屁理屈が目につく。そのあまりのひどさに呆れるというか馬鹿馬鹿しくて笑いすら出る。

「どうやら別次元の世界が存在するようだ」という文章から始まるこの批評。ナザリアンはアンディー・ノーが「アンマスク」で書いているような別次元の世界については考える必要もなければ、ましてやこの本を読む必要はないと断言する。「もしそんな世界を見つけたら、道順を送ってくれ」というナザリアン。

もうこれだけでナザリアンが極左翼の、ジャーナリストとは名ばかりの左翼活動家であることが察せられる。

ナザリアンが言うように、「アンティファは危険なテロリスト集団ではなく、単なる概念に過ぎないと」いう別次元は存在する。だが、それは左翼の想像の世界であって現実の世界とは全く無関係だ。彼の別次元社会では、全国で何十人という死者と数百人の重症者を出し20億ドルの損害を生んだANTIFA・BLMの何百回という暴動よりも、1月6日にほんの数時間で鎮圧された議事堂乱入の方が凶悪な暴動ということになる。

議事堂乱入者は武器も持っておらず警官を殺したわけでも議事堂内にいた議員達に怪我をさせたわけでもない。死者はすべて乱入者から出ており、しかも一人の女性は非武装で無抵抗だったのに警官に射殺された。死亡した二人の警官も直接暴徒らに殺されたのではなく、心臓麻痺や自殺が原因だった。事件はほんの2~3時間で鎮圧され、ほとんどの参加者は抵抗せずに帰路についた。

それに比べてアンティファの暴動は今もポートランドやシアトルやタコマで続いている。

この最初の一節を読んだだけで、それこそこんな記事最後まで読む価値がないことは解るのだが、それでも左翼によるファクトチェックなどというものがどれほど意味のないものかを証明すると言う意味では読む価値はあるかなと思う。

まずナザリアンはアンディが2019年の6月にアンティファ暴徒に襲われた事件について、あたかもアンディーが被害妄想であるかのように書く。アンディーが脳内出血で入院し未だに後遺症に悩まされている重症を負わされたことにも「本人曰く」として事実でないかのように書き、事件そのものを極度に過小評価している。

ノーの名声は、大したものではないが、2019年6月にポートランドでアンティファ活動家にミルクシェイクを投げつけられたことから始まる。ノーはミルクシェイクのなかにコンクリートが含まれていたというが、多分ビーガンブレンドのキャシューナッツバターと言った方が正しいだろう。

Horst and Otto c. 1942 from Philippe Sands' "THE RATLINE: The Exalted Life and Mysterious Death of a Nazi War Criminal on the Run." Horst von Wachter, whose prominent father Otto von Wachter disappeared after the war and was largely forgotten. Horst, now in his 80s, is a fascinating character, willing to explore his father's ugly history in great detail without letting go of the belief that he must have been a "good" Nazi.

私は当時のビデオを見たが、アンディーは頭から血を出しまっすぐ歩けないほどの重症を負っていた。ナザリアンはミルクシェイクの中に何が入っていたか知っているのか?

アンディーは後の議会公聴会でも証言しているが、アンティファは一見無害なものを投げつけているようにふるまうが、実際はカチンカチンに凍らせたペットボトルとか個体の入ったミルクシェイクなどを投げつけ、それにあたった人間にかなりの怪我を負わせるのが常套手段だ。また、尿や便の入った液体を投げつけられた記者や警官はいくらでもいる。もしナザリアンがその事実を知らずに、たかがミルクシェイクと考えているならジャーナリストとして怠慢過ぎる。アンディーが脳内出血を起こしたことを疑っているなら、当時の入院記録を入手するくらいの取材をしたらどうなのだ?多分アンディー自身が進んで書類を見せてくれるだろう。

ナザリアンは暴力は良くないとしながらも、アンディーにも少なからず責任があると主張する。ナザリアンは本人は否定しているとしながらも、アンディーは白人至上主義の団体と行動を共にしていた疑いがあると書く。つまり右翼と行動を共にしていたのだからアンティファに殴る蹴るの暴行を受けても自業自得だとでもいいたいようだ。だが、ナザリアンはアンディーが否定してることも、そんな証拠がないことも認めている。だったらジャーナリストとして証明できない嫌疑を持ち出すのは無責任すぎはしないか?

さて、ナザリアンがアンディー・ノーが解説するアンティファの本質について間違っているする根拠としてワシントンポストに載ったこの記事を引用して、ここにこそアンティファに関する真実が述べられているというのだ。それで私もそちらのリンクへ飛んで読んでみたが、全部読まなくてもまったく意味のない記事であることはその目次を見れば一目瞭然である。この記事は左翼の大好きなファクトチェックと称する藁人形論評だ。すべて右翼による神話を打開するという姿勢で行われている。この記事によると下記はすべて神話だそうだ。

  1. アンティファは単独の団体である
  2. アンティファがBLM暴動の首謀者である
  3. アンティファは民主党と結託している
  4. アンティファはジョージ・ソロスのようなリベラル資産家によって資金援助されている
  5. アンティファこそが真のファシストである

ワシントンポストの記事を読まなくても、1から4までの「神話」はどうせ重箱の隅をつつくような言葉使いで嘘を暴露したと勝ち誇ること間違いなし。4番目は「アンティファは反ファシストという意味だ」程度の議論だろう。こんな私でも目をつむったままかけそうな意味のない記事を持ち出して、実際に現場で何年も取材して醸し出されたアンディーの結論にナザリアンは興味がない。

ナザリアンの偏見があからさまなのは白人至上主義者に殺された左翼活動家の話をしたこの部分。

ノーが一線を超えて全く持って悪質な領域に入っていくのが、シャーロッツビルで白人国粋主義者に殺されたヘザー・へイヤーや自警団員ジョージ・ズィマーマンに殺された黒人少年トレボーン・マーティンの死を過小評価する一方で、アンティファによる暴力はヨセフ・ゲッブルスでも自慢に思うほど、すべて詳細にわたって説明していることだ。

ヨセフ・ゲッブルスとはナチス党でヒットラーの右腕となりプロパガンダを広めた男。左翼が右翼の暴力について語る時に必ず持ち出すのがこの事件。というよりアンティファによる殺人事件は無数にあるが、右翼の暴力の例として持ち出せるのはこの一件しかないのだ。しかも、それにしたところで白人国粋主義者のデモに最初に襲い掛かってきたのはアンティファの方であり、互いの小競り合いの中でアンティファメンバーが殺されたのであって、本当に平和に行進していたトランプ支持者や自分の店を暴徒から守ろうとした人々に対するアンティファの攻撃とはまるで違うレベルの話だ。トレボーン・マーティンに至っては法廷でもズィマーマンの行動は正当防衛として認められた。

ナザリアンは過激派右翼がナチスのやり方を使っており、プラウドボーイズやペイトリオットプレーヤーのような右翼団体の方がアンティファよりもよっぽども危険だと言い切る。

去年の夏から秋にかけて何十人という一般市民や警官を殺し20億ドルの損害を出す暴動をやった(今もやってる)のは右翼団体ではなくBLM/ANTIFAの連中だ。プラウドボーイズやペイトリオットプレーヤーが一人でも人を殺したか?一軒でも商店を略奪したり放火したりしたか?冗談も休み休み言ってほしい。まったく異次元の世界だ。

"Unmasked," by Andy Ngo.

さてここでナザリアンは右翼は常に「事実は感情など気にしない」と言っているので、ここで事実を述べさせてもらおうと大見栄を切る。左翼が「事実」だのファクトチェックだの言い出したら、嘘八百が待っていることは間違いない。

アンディーは過激派右翼の暴力はメディアによって誇大に報道されているが、アンティファの方が民主主義にとって、よほども危険を及ぼすとするが、去年の夏に起きた反人種差別運動の93%は平和的だった。アンティファはこれらの暴動では非常に小さな存在であり、ほとんどの暴力は地域の個別の個人によるものだったとする。だがナザリアンはこの「事実」に関する証拠を何も提示していない。

それに、もしこの理屈が通るのであれば、何百回と行われ、それぞれ何万という支持者を集めたにもかかわらず暴力が起きたのは最後の議事堂乱入のみだったトランプラリーのほうがよっぽども「概ね平和的」だったと言えるのではないか?少なく見積もってトランプラリーが百回だったとしても、暴動は一回しか起きていない。つまり99%のラリーは平和的だった。それに六日のラリーに参加したほとんどの人が議事堂乱入に参加していなかったし、その事実すら知らなかった。しかもあの事件はたった数時間で収束し、破損されたのも窓ガラスや机程度で犠牲者も五人中四人がトランプ支持者。一人亡くなった警官も催涙弾やペパースプレーを吸い込んで事件の数時間後に亡くなったということで、トランプ支持者に殺されたわけではない。だがナザリアンはトランプ大統領が心配していたアンティファの暴力を「想像」だと言い、全く起きていない右翼暴力の方が危険だと言い張る。いったいこの文章のどこに「事実」が含まれているのだ?

ナザリアンは左翼プロパガンダ論者の典型で、相手の言ったことの何がどのように正しくないのかという議論など絶対にしない。事実は違うと言いながらその根拠を示さない。もともと左翼で無知でありたい人間がアンディーの本を読むわけはないので、はっきり言ってこの批評はまるで価値はない。だが、左翼がどのように卑怯な議論を交わすか、その典型という意味では多少目を通す価値はあったかもしれない。

しかし聡明な読者諸氏のお時間を煩わせる価値は全くないので、拙ブログエントリーをお読みいただければそれで充分である。


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