増える白人への暴力、多様性教育の悪影響

先日Xで上がってきた非常に暴力的なビデオがある。ミズーリ州のセントルイス市にある高校で、数人の男女が喧嘩をしているのだが、痩せた白人の女子生徒を一回りは大きい太った黒人の女子生徒が取っ組み合いの末、黒人生徒が白人生徒を地面になぎ倒した後、白人生徒の肩を掴んで後頭部を何度も何度もコンクリートに叩きつけたのである。白人生徒は最初の一撃ですでに意識不明、最後は痙攣をおこしていた。

白人生徒は病院へ運ばれたが意識不明で危篤状態。例え生きながらえたとしても、あのような重症を負ったならひどい後遺症が残ることは間違いない。犯人の女子生徒は逮捕されたが、15歳という未成年であることもあり、大人として裁かれるかどうか検討されているようだ。。

残念ながらこのような動画を観るのは珍しいことではない。TikTokなどのソーシャルメディアでは、若い黒人による白人や東洋人への暴力動画がいくつも上がっている。最近聞いた話では黒人女性の暴力犯罪は白人や他の人種の男性よりも多いのだそうだ。この事件の起きた高校について、LibsofTikTokが色々と調べてくれているので、そちらを読んでいこう。リンク先でこの暴力行為のビデオを観ることはできるが、非常に暴力的なのでご覧の際は十分ご注意願いたい。

この高校はヘイズルウッド東高校といい、過去にも何度も白人生徒への暴力行為が起きている学校である。この喧嘩が起きた近所の人の話によると、このような喧嘩は日常茶飯事だという。学校の人種配分も90%以上が黒人で白人は数パーセント。

2022年にヘイズルウッド東高校は学校区から多様性・均衡性・包括性(DEI)リーダーシップ賞を受賞している。しかし生徒で数学の学年基準に達しているのはたった5%、読解力も21%である。いったいこの学校は学問のかわりに何を教えているのか?

LibsofTikTokに寄せられた同高校の卒業生や元従業員の話によると、この学校での白人差別はもう20年以上前から続いているという。20年前に同高校を卒業したというある男性は、白人だというだけで黒人生徒に喧嘩を吹っ掛けられたと話す。また2017年に降格された白人従業員が降格されたのは白人差別だとして学校相手に訴訟を起こしている。

同学校は2021年に学校警備に配属されていた警察官をすべて首にしている。それというのも警官たちがDEI訓練を受けるのを拒否したからである。同高校には今ひとりも警備員が配置されておらず、信じられないような喧嘩が毎日のように起きているという。また生徒を罰する際にも生徒の人種を基準に行っている。

実はヘイズルウッド東のように教育の現場でDEIと称して白人差別を教えているところは非常に多い。BLM暴動以来、黒人による犯罪行為が激増している。それまでにも黒人の犯罪率は他の人種よりずっと高かったのだが、BLMの騒ぎ以来警察の予算が削られ、加害者が黒人だとお咎めなしの状態が続いている。特にセントルイスはBLMの活動家コーリー・ブッシュが下院議員として選ばれた地域である。これでは黒人が暴走するのは当然だろう。

アリゾナ大学では、白人の学生に、自分たちは肌の色のせいで暴力的な抑圧者だと教えているという。白人で、ストレートで、男性なら、特権的な抑圧者であるとし、白人であることが暴力的であり、白人特権とシス特権を含む「キリアーキー」と呼ばれる巨大な社会的権力システムが存在すると教えている。これでは他の人種が白人を憎むようになって当然ではないか?

こちらは2023年におきた異人種間で起きた殺人事件をまとめたサイトだ。Interracial homicides 2023 (national-conservative.com)、2023年1月の数を見て見よう。左側が加害者で右側が被害者の人種。

January 合計数109件

黒人→白人: 55
黒人→中南米: 9
黒人→中央アジア: 4
黒人→中東: 1
黒人→東アジア: 2
黒人→アメリカ先住民: 1
中南米→白人: 10
中南米→黒人: 7
中南米→東アジア: 1
先住民→白人: 1
先住民→黒人: 1
東アジア→ラテン系: 3
東アジア→白人: 3
中央アジア→黒人: 1
白人→黒人: 7
白人→中南米: 3

2023年を通じて毎月の殺人件数はだいたい110件くらいで、ほぼその半数は黒人による白人殺害である。そしてこの月で異人種間ではなんと63%の殺人被害者が白人だ。一年間を通してみていても、アジア人が白人に殺される割合は極めて少ないが、黒人による被害はずっと高い。アメリカ人口の役13%が黒人というから、黒人が多人種(特に白人)にとってどれだけ危険な存在であるかがわかるというものだ。

実はこの白人差別については、この間から問題になっているゲイミングの世界で顕著なので、その話も次回したいと思う。

私はこういう記事を目の当たりにすると、数年前に南アフリカの白人教授が言っていた言葉を思い出す。南アフリカはアパルトヘイト制度が崩壊してから、復讐心に燃えた黒人権力者による白人差別が横行している。組織的な白人差別だけでなく、ハマスも真っ青な恐ろしい虐殺事件も頻発している。この教授が言ったのは、『南アフリカは言ってみれば鉱山のカナリアだ。南アで起きてることはあなたの国でも必ず起きる。対岸の火事だと思って油断していると大変なことになる』というものだった。記憶に頼っているから文字通りではないが、そういう内容だった。

今のアメリカおよび欧州でのアフリカ系及びアラブ系の移民による暴走を見ていると、あの教授の言っていたことは現実になっていると思わざる負えない。


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日本勢大健闘、アカデミー賞授賞式でおきた様々なドラマ

私は映画ファンで地元映画館チェーンのメンバーでもあるのだが、それでもアカデミー賞(以後オスカー)には全然興味がない。それというのも最近のオスカーはポリコレに染まりすぎていて、全然映画の良し悪しや興行成績とは無関係になってきているからだ。とはいうものの、今回は日本勢が大健闘したこと、と東洋人への人種差別がどうのこうのという話が上がってきたので、それについてもお話しよう。

しかしその前に、日本人の功績と言う点で、海外でも広く愛されている偉大なる漫画家の鳥山明さんが亡くなったニュースについて触れておこう。私の年代ではドラゴンボールは観ていないのだが、私が好きだったのはドクタースランプのあられちゃんである。しかし今や世界中でドラゴンボールを知らない人はいないだろう。それで漫画ファンやアニメファンの間ではアメリカでも彼の死は非常に悲しまれている。まだ68歳ということで、お若いのに、本当に残念だ。御冥福をお祈りする。

それでは昨晩のオスカーの結果。

 ◇第96回アカデミー賞授賞式(2024年3月10日 ロサンゼルス・ドルビーシアター)

 米映画界最大の祭典、第96回アカデミー賞の授賞式が10日(日本時間11日)、ロサンゼルス・ハリウッドのドルビーシアターで行われ、「オッペンハイマー」が作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、編集賞、撮影賞、作曲賞の7部門で受賞した。

 日本作品は、宮崎駿監督(83)の10年ぶりの監督作品「君たちはどう生きるか」は長編アニメーション映画部門賞、山崎貴監督の「ゴジラ―1・0」が視覚効果部門賞に輝いた。国際長編映画賞(旧外国語映画賞)にノミネートされていた役所広司(68)の主演映画「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)の受賞はならなかった

私はゴジラは観ていないのだが、「君たちは、、」の方は観た。私は宮崎氏の作品はヒット&ミスがあって、この映画はあまり好きになれなかった。宮崎氏は二度目の受賞ということだが、視覚効果部門で日本映画が受賞したのは初めてだそうだ。最近のハリウッド映画は不発が多いなか、予算が断然低い日本映画が二つとも大人気だったことは喜ばしいことだ。

ロバート・ダウニーJr.とエマ・ストーンはアジア人差別をしたのか?

さて、もうひとつ東洋人関係で話題になったのは、最優秀助演男優賞と主演女優賞をそれぞれ受賞したロバート・ダウニーJr.とエマ・ストーンがプレゼンターのアジア人俳優・女優たちを無視したのは人種差別なのでは、ということ。

オスカーは前年の受賞者が今年の受賞者にオスカー像を手渡すことになっているが、ダウニーにしてもストーンにしても授与者に対してほぼ一瞥もくれず握手もハグもない。すぐ隣にいる他の男優や女優に対する仕草とは全く対照的である。

これについて多くの人からダウニーたちがアジア人差別を行ったと批判する声が上がっている。このビデオだけを観ていてそういう結論付けるのはちょっと乱暴な気もするが、多くの東洋人が自分も透明人間のように扱われたという印象を持っており、ダウニーもストーンも意図的に差別をしたというより、東洋人を使用人かなにかのように扱って同等とみていない本心が出てしまったのではないかという意見もある。

個人的には、像を受け取ってからクォンを無視してるダウニーよりも、像を渡そうとしているミッシェル・ヨーを無視して隣の女優と話をしていて最終的にその女優から像を受け取ったストーンの方がずっと失礼に見えた。

私はこれまでにも何度も言ってるように、40余年もアメリカに住んでいながら、日本人だとか東洋人だとか言う理由で差別されたことはほとんどない。しかし東洋人への差別というのは昔、組織的に黒人が差別されてきたのとは違って、かなり微妙なものであることが多い。だからもしかしたら私などは差別されていることにも気が付いていなかっただけなのかもしれない。ただ、差別されてる方がされてることに気付かないくらいのものであるなら、私はそんなの無視していいという考えなので、やたらに腹を立てたりはしない。

しかし今回のことで腹を立てている東洋人が共通して述べていることは、白人は東洋人に対してあからさまな差別は行わないが、まるでそこに居ないかのように透明人間扱いすることはよくあるということだ。ちょっとその感想を集めてみよう。

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アカデミー授賞式での件、とても悶々とする。 あれは本当にアジア人差別の典型的な事例が公の場で露呈してる。 そんなことなくない?と言ってる人は現地であの「空気のように扱われる」感覚を味わったことのない人だと思う。

Ke Huy Quan の件もMichelle Yeohの件も見てて思うけど、アジア人差別って、しれっとしたマイクロアグレッションなものが多い。 そして指摘すると、必ず白人からは考えすぎだと言われる。 個人的な経験から言うと、私が受けた人種差別って、上記の様に自分を存在しないものとして扱われたものが殆ど。 無視されるって、1番堪えるよ。 ニーハオって言われる方が、存在を認識されてるだけまだマシかもしれないとさえ思う.

アジア人の透明化。意思も悪意もなき差別。ロバート・ダウニーJr.もエマ・ストーンも大好きな俳優で受賞を素直に祝いたいのに…..。オスカー像を渡してくれる昨年受賞者に敬意を払えないのは、少なくとも好印象ではないな。

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実はその場に居るのに無視されたという体験は私もしたことがある。しかしその時は人種差別だとは思わなかったし、実際そうだったのかどうかちょっと解らない。

これは10年くらい前に外部の会議に参加した時のこと。参加者は色々な企業から集まってきた人たちばかり。それで会議が始まる前にそれぞれの自己紹介をした。Uの字になった席で真ん中に司会者が居た。私は司会者の左横で一番端だったため、右から始まった自己紹介では一番最後の番だった。ところが全員の自己紹介が終った後、司会者は私を飛ばして会議を始めてしまったのだ!

私は一瞬戸惑ったが、すでに会議は始まっており、私が咳払いをして話を止めるのも変な感じだったので不満はあったが何も言わなかった、これが大間違いだった。参加者の中で女性は私一人だったし、私が司会者のすぐ横にいたことから、彼は私をスタッフか何かと間違えたのかもしれないと思った。それでも挨拶くらいはさせるべきだったのではないかと思うが、その時参加者の中で東洋人は私一人であったということには今の今まで忘れていた(笑)。

この会議の主賓は外国軍の重要人物数人で、アメリカ側の会議参加者はそのお客人たちに対してアメリカ側の研究成果を色々報告をするのが目的で集まっていたのだ。

これは私の落ち度でもあるのだが、私はプレゼンターでもなく会議の始まりで自己紹介をしなかったせいで、会議が終ってからのサイドバーでのおしゃべりの時にも私は完全無視されてしまった。何故なら参加者にとって私は重要な存在ではなく参考になる情報など持っていないと思われたからである。最初に順番を飛ばされた時に、きちんと主張しておけば、後々こんなことにはならなかっただろうと、自分の愚かさを反省した。外国のVIPたちも、女が重要な立場にあるとは思っていなかったらしく、彼等も私を完全無視した。

私はこのことを自分がてっきり自分が女だから無視されたと今の今まで思っていたのだが、もしかしたら私が東洋人だったから無視されたのかもしれない。今となってはしるよしもないが。こういう微妙な差別は結構起きるが、あまりにも微妙すぎてなかなか気が付かないというのも事実だ。

まあ私がおめでたい人間だからなのかもしれないが、もしかすると私は40年以上もそういう差別に気付かないまま生きて来たのかもしれない。


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グーグルAIジェムナイの酷い白人差別!

昨日Googleが発表した新アプリAIのGemini(ジェムナイ)が、あまりにも白人を差別しているとして苦情が殺到し、一旦取り下げるという事件が起きた。

ジェムナイは使用者の色々な要請によってそれに合ったイメージを描くアプリなのだが、どんなイメージを要請しても白人が出てこないというおかしな状況が目立ったのだ。例えば下記、アメリカの創設の父たち、バイキング、そしてローマ法王の映像を要請すると、、

なんとインディアン、黒人、東洋人、といった訳の分からない絵が描かれた。アメリカの創設の父たちもローマ法王も実存した人々であり歴史上の人物たちである。彼等の肖像画はいくらも残っているので、情報がきちんと入力されていれば、こんな間違いが起きるはずはない。またバイキングといえばアイスランドなど北欧で典型的な容貌は金髪に碧目。バイキングの時代に黒人などいるはずがない。いや、例え居たとしても典型的ではない。

それで面白がって色々な人が試してみたのだが、下記は1850年代のスコットランドのカップルという要請。

おいおい、なんで1850年代のスコットランドにアメリカ先住民やアフリカ系黒人がいるのだ?いやもし少数民族が居たとしても異人種間の結婚なんて先ず考えられない。

なにをどうやっても白人がなかなか出てこないので、或る人が「白人の家族」で画像を要請してみたところ、ジェムナイはリクエストを拒否。その理由というのが

人種に基づく人々に対する有害なステレオタイプや一般化を強化するものである。すべての人種の人々が、ユニークな経験と視点を持つ個人であることを忘れてはならない。肌の色に基づく単一のイメージに彼らを還元することは不正確であり、不公平である。

というのだ。しかし逆に「黒人の家族」とか「東洋人の家族」とか要請するときちんと出て来る。それで誰かが冗談で「1943年のドイツ兵」と要請してみると、こんなのが出て来たそうだ。

ai generate image of nazis according to gemini

若干一名白人男性の絵があるが、右は北朝鮮の女兵士、左下は黒人、右下は白人に見えなくもない女性。ナチスドイツは人種差別最たる政権だ。異人種が居るわけないし、女性戦闘員など居なかったからヘルメット姿の兵士もおかしい。

というわけで明らかにジェムナイは白人を描くことを避けている。ソーシャルメディアで大評判になってしまったので、ジェムナイ・エクスペリエンスのプロダクト・マネジメント担当シニア・ディレクターであるジャック・クラウチクは、フォックスニュースに寄せた声明文で、

私たちは、この種の描写をすぐに改善できるよう取り組んでいます。ジェムナイのAI画像生成は、さまざまな人物を生成します。そして、それは世界中の人々がそれを使用しているので、一般的には良いことです。しかし、今回は的外れでした。

と謝罪した。しかしこのクラウチク氏というのはかなりのお目覚め主義者らしいので、このプログラムには彼の偏見がかなり入っていると思われる。よく言う”Garbage in garbage out”という奴で、どれだけプログラムが良くてもクズを入力すればクズが出力されるということ。歴史的事実よりも多様性の考えのほうが大事だと入力してあれば、こういう結果が出て来るのも当然だ。

クラウチク氏はバグを修正してもう一度やり直すと言っているが、表面上だけ直してもあまり意味があるとは思えない。というよりちょっと目にわからない偏見を入れ込む方がずっと危険だ。もし多くの若い人たちが、情報検索をする時に偏見だらけのAIが答えを出した場合、それが間違いだとは気づかずに本当にそういうもんなんだと思い込んでしまったら人々を容易に操ることが出来るようになる。

AIは便利だし、今後もどんどん使われていくことだろう。しかしどんな内容が入り込んでいくのか気を付けてみていないと大変なことになるかもしれない。


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能力よりも多様性が優先されるアメリカ航空機関、白人差別やトランスジェンダー特別扱いの危険性

数年前、早朝のロサンゼルス空港でスターバックスの列に並んでいたら背の高いパイロットの制服を着た人が前に並んでいた。空港だからパイロットが居るのは珍しいことではないが、私が気になったのはその人が長髪の髪の毛を雑なポニーテイルにしていたことだ。パイロットで長髪って珍しいな、まさかこの長身で女性ってことはないだろうなどと思っていたら、その人の番になり図太い男性の声で注文しているのが聞こえたので、あ、やっぱり男だと思ったのだが、振り向いたその人は顔に全く似合わない厚化粧をしていた!Oh, one of those! ああ、あっち系の人ね、と合点が行った。でもまあ腕さえよければパイロットが化粧をしていようとどうしようと構わんか、などと自分に言い聞かせてその場を去ったのだが、実はこの「腕さえよければ」というのがかなり怪しいという記事を読んでしまった。

デイリーワイヤーのマット・ウォルシが昨晩遅くXに「FAA(連邦航空局)のフライト・プログラム・オペレーション部門(航空機の運航全般を担当)の高官が、航空業界における白人男性の数を減らす計画を練っている内部映像を入手した」といって始めた長いスレッドには今の連邦航空局では多様性を重視するあまり空の旅の安全が軽視されていると書かれていた。

ウォルシは前々から最近のFAAのDEI(多様性、平等性、包括性)方針は職員の能力よりも人種や性別や性嗜好を優先させ乗客を危険にさらしていると指摘していたが、その確たる証拠を入手したようだ。非常に興味深い記事なので最初から読んでみよう。

先ずウォルシはFAAの航空機運航全般を担当するオペレーション部門のビデオ会議の映像を紹介する。この映像は、FAAの黒人女性のアンジェラ・マッカロー副最高執行責任者代理が、より多くの労働者が 「ランプからコックピットへ 」移動する必要がある、つまり、より多くの手荷物取扱者が航空会社のパイロットになることを望んでいる、と語るところから始まる。

会議が進むにつれ、マッカローは 「少し不快になる 」ことが重要だと宣言する。彼女は、フライトオペレーションが 「白人男性優位」であることを訴え、マネージャーたちに 「将来がどうなるかを話し合う」 必要があると言う。

これに対し、FAAのフライト・プログラム・オペレーション担当副社長であるデビッド・ウィル・リギンズは、「正直言って、素晴らしいことだ。この言葉は、私たちが本当に時間をかけて掘り下げて考えなければならないものです。」と答えた。

この映像は2022年4月のものだが、ウォルシはこの会議はもっと重大な問題が始まる兆候だったという。ここ数週間、ウォルシは航空業界の内部の人たちからDEIが一般市民を危険にさらし、彼らの仕事の邪魔になっているという話を聞いていた。

デルタ航空で働いているパイロットから得た情報によると、デルタ航空は最近、機長から繰り返し悪い評価を受けたトランスジェンダーであるパイロットを昇格させたという。その情報筋によると、このパイロットはトランスでなければ「おそらく研修期間を乗り切ることはできなかっただろう」という。

この情報源はまた、デルタ航空はトランスジェンダーであるパイロットの身だしなみや行動基準に関して、日常的に例外を設けているとも指摘している。社内では、デルタ航空は、自分が間違った体で生まれたと考えるパイロットのために、長いガイドを出版しているほどだ。

この部分を読んでいて私が冒頭で述べたポニーテイルの厚化粧男のことが頭をよぎった。男性パイロットの長髪など言語道断だが、女性でも長い髪の毛は後ろでお団子にしなければならないはずでポニーテイルはプロとしてだらしなさすぎる。それでも許されるのは彼がトランスだからなのだろう。

ウォルシは「このように業界全体があからさまな精神病を受け入れていることは、航空業界のあらゆる側面を苦しめている。」という。

彼が得た別の情報筋によれば、先進的な軍事システムを設計する仕事をしているエンジニアが、ことだが、「ジェンダーを考慮したシートベルト 」のようなDEIの提案に常に振り回されているという。このエンジニアの話では、大学を出たばかりの新入社員がやたらとDEIに関するアイディアを提案してくるというのだ。

このエンジニアによれば、彼の職場には二つのタイプの人間がいるという。一つは寝ても覚めてもDEI/ESG (Environmental, social, and governance 環境社会統治)しか念頭になく電子メールにわざわざ代名詞付きのサインをするような人達、もう一つは黙って仕事をするタイプだ。職場ではしょっちゅう白人以外のあらゆる人種や性嗜好グループを祝う行事が行われ、週に二回はDEI/ESG関係の訓練だの講習だので時間を割かれ、それがない時でも社員全員参加の会議と称してDEI関係の講義に強制参加させられるという。実は私も海軍の民間エンジニアリング部門で全く同じ体験をしている。毎月のようにラテン系だ黒人だ太平洋諸島民族の歴史といった催しがあり、そうでない時はLGBTや女性の月だなんだとゲストスピーカーが招かれて、オールハンズという全員強制参加の講演会があった。このエンジニアの職場では時間外でもDEIの名目でやれ昼食会だ、飲み会だ、映画鑑賞だ、と付き合わされているという。(強制飲み会参加とかまるで日本の職場みたいだな!)

またウォルシの元にはいくつかの情報源から、「eFast」と呼ばれるFAA最大のプログラムのひとつに関する文書も送られてきた。このプログラムでは、「インディアンの部族が所有する企業」と「社会的・経済的に不利な立場にある企業」を優先し、何十億ドルもの重要な助成金を提供している。FAAのeFASTに関する基本発注契約書には、1万ドルから15万ドルのFAA契約は、「社会的・経済的に不利な立場にある企業」のために「自動的に排他的に予約される」と記載されている。

いやあ、これも私の体験と同じだ。私は時々仕事で使う部品を購入することがあったが、軍隊なので近所の電気屋さんにちょっと買いに行くということはできない。ケーブル一本でも軍隊が指定した業者から注文しなければならず、少数派経営とか女性経営とかいったビジネスが最優先される。長年信頼関係を築いてきた業者が居ても、少数派経営の業者以外から注文する場合はいちいち正当な理由を提示しなければならず、それでも却下されることは多々あった。一度など、通常の業者からの購入が却下され、リストに載っていた少数派経営の業者への注文を余儀なくされたことがあったが、約束の納期を大幅に遅れて届いたと思ったら中国製の偽物商品。現場で使おうとしたエンジニアがどうもおかしいと気づいてくれたからよかったものの、気付かずに使っていたらどんなことになっていたか、、ここは軍隊だぞ、まったく!なんで中国製偽物を扱うような業者がリストに載っているんだ!

今年初めに羽田空港で起きた事故にしてもそうだが、あれは明らかに管制塔と湾岸警備隊パイロットとのコミュニケーションの行き違いによるものだ。あの事故は誰の落ち度かはまだはっきりしていないようだが、実はアメリカの空港では大事故には至らないまでも、ああいったニアミスは結構起きているという。管制塔職員やパイロットが能力よりDEIが優先されて採用されていた場合、今後はもっと大変なことが起きるのではないだろうか?

この無能と白人差別の組み合わせが、大規模な航空事故につながるのは時間の問題だ。多くの人々が命を落とす前に、航空業界にはまったく新しい任務、つまり安全性だけに焦点を当てた任務が必要なのだ。

とウォルシは締めくくる。


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東洋人に向かって「あなた中国人?」と聞くのは必ずしも差別ではない

私はアメリカ生活四十余年なので(しつこい!)もちろん「あなたどこから来たの?」とか「国籍はどこ?」なんて質問はよくされる。「あなた中国人?」と聞かれることも度々ある。30年以上前に住んでいたマンションには70代や80代の白人のご隠居さん達が多く住んでいて、みんな私には優しかったし親しくしてくれてたが、何度訂正しても私のことをThat Chinese girl (ザットチャイニーズガール・あの中国人の女の子)と呼び続けた。日本で言ったら昭和一桁世代にとって東洋人とチャイニーズは同義語だったのだ。

先日アメリカ上院議会の公聴会でトム・コットン議員(共和アーカーソン代表)がtiktokティックトックの代表取締役のShou Zi Chew(周受资)氏の国籍に関して「あなたは中国人か?」という質問を何度もしたことが、東洋人だからと中国人だと決めつける人種差別だという批判が高まっている。こちらがその典型的な意見。やりとりは日本語字幕があるので観ていただきたい。

この切り抜き映像だけを観て前後の文脈を理解しなければ、ブランドン・K・ヒル氏がいうように「無知なステレオタイプ」な質問だと勘違いされる読者もおられるかもしれないが、実はこの質問には理由がある。

先ずこの公聴会はなんのためのものだったのかということを理解しなければならない。これはTikTokを含めMeta, X, SnapやDiscord, Facebookといったソーシャルメディアが子どもに悪影響を与えているのではないかという前提で開かれたもので、各メディアの代表者たちが招かれて質問を受けたのである。トム・コットン議員はもともとTikTokには非常に批判的な立場であり、アメリカでは使用禁止にすべきだとすら言っている人だ。そしてその理由というのが中国共産党にある。

聡明なる読者諸氏はご存じかもしれないが、TikTokは元々中国のソフトウエアで、使用者が自分で撮影した短いビデオをアップして共有できるアプリである。TikTokは中国本土ではDouyin(抖音)と呼ばれており中国資本のバイトダンス(ByteDance)が所有している。いまやTikTokの人気は世界中で2兆個の携帯機器にダウンロードされており、その影響力は(特に子供や青少年の間で)すさまじいものである。「ユーザーデータが中国政府に収集される可能性があるという国家安全保障上の懸念や子どもたちの安全のために、いくつかの国がTikTokの使用を制限、禁止、または禁止しようとしている」とウィキにはある。

実はトランプ大統領の時代にTikTokの使用を禁止しようという動きがあったのだ。これはアメリカ市民の情報が中国共産党(CCP)に筒抜けになっているという懸念だけでなく、CCPはTikTokのアルゴリズムを使ってプロパガンダを流しているという懸念があるからなのだ。例えば最近やたらと若い人たちの間で親パレスチナやオサマ・ビンラデンの手紙崇拝などの思想が広まっているのも、TikTokの影響が非常に大きい。CCPが反イスラエルで親パレスチナなのは先日もお話した通り。

つまりこういう背景がある以上、アメリカのTikTokCEOが中国共産党員かどうかという質問は非常に正当なものなのである。無論トム・コットン議員のような知識の高い人が公聴会に招いた人の略歴を把握していないはずはない。現に彼は周氏の妻子がアメリカ国籍であることを知っていたのだ。だからこの質問は周氏が中国人かどうかを知るためのものではなく、彼がCCPとどういう関係にあるかを知るための質問だったのだ。コットン議員はこの一連の質問について、「(周氏)自身が、彼の会社のように、中国共産党の影響下にあるかどうかを追及するのは、まったく妥当なことだ」と述べている。

こういう正当な理由があったにも関わらず、先のヒル氏のようにこれを人種差別問題にすり替えるのは非常に悪質だ。特に我々東洋人は東洋人だというだけで皆同じだと思われることに日頃から少なからぬ不満を持っている。その感情を悪用されて人種差別だなんだと言う煽りに乗ってはいけない。

出身地を聞くのは差別なのか

関連した話で、先日Xで最近日本に帰化したばかりのアンちゃんというアメリカ人女性が近所のご老人から「どこから来たのか」と聞かれて差別だと騒いでいるのを目にした。実はこれ、アメリカでも少数民族に対して出身地を聞くのは差別だと言い張る人達が多いので、アンちゃんさんも典型的アメリカリベラルだなと思わざる負えない。せっかく日本に帰化したのに、こういう下らないアメリカ思想を持ち込まないでほしいね、全く。

アメリカには移民が多い。それで出身地や民族は全く知らない人同士の会話のきっかけになる。言葉にアクセントがあり少数民族だったら出身地に興味を示されても不思議はない。聞いている人に他意はないのだ。もちろん少数民族だからといって移民とは限らない。二世三世になればすでにアメリカ人だ。だから「どこから来たの?」と聞かれたら「ロサンゼルス」と答えればいい。それでも「いや、だから元々はどこ?」としつこく聞かれたら「生まれも育ちの葛飾柴又、、、」冗談冗談。

相手が何を聞いているのかははっきりしてるのだから、「両親は日本からの移民だけど、私は生まれも育ちもロサンゼルス。日本のことは何も知らないし、日本語も話せない」くらいペラペラしゃべっても別にいいと思う。相手は単に話題のきっかけを探したいだけなのだ。そして反対に「あなたの出身はどこ?」と聞けばいいのだ。

アンちゃんさんも「どこから来たの」と聞かれたら、「アメリカ出身ですが、最近帰化して日本人になりました」と答えていれば質問した方も「へえ、すごいね」となって面白い会話が交わせたと思うのだが。

追記:Xでヒル氏のポストについてるリプライを読んでいたら、皆さん結構まともなことをおっしゃているので、コメント欄に貼っておく。

こちらコメント欄にあったジェニファー・ゼングという女性のポストに貼られていた写真。

TikTokの周受资が中国共産党員じゃないって?じゃ、CCP旗の横で座ってる男は誰なのよ?もちろんCCPは頭いいから「シンガポールのビジネスマン」をCEOにしてこういう質問から逃れようとしてるのよ。


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多様性に東洋人は含まれないのか?

人気アニメ、アバター・ザ・ラストエアベンダーの実写版がネットフリックスで公開されることになり、その予告編が公開された。

白状すると、私はこのアニメの存在を今の今まで知らなかったので、これらのキャラクターを演じる俳優たちが原作のイメージに合っているかどうかは知らない。下記はアニメの方の予告編。

これは日本のアニメではないが、明らかに日本アニメの影響を受けたアニメシリーズである。登場人物のほとんどが東洋人。それで実写版に起用された俳優たちもほとんどが東洋人だ。にもかかわらず、実写版の俳優たちが十分に色が黒くないとして批判をしているアホどもが居るらしい。

こちらがその記事。‘Avatar: The Last Airbender’ Netflix trailer sparks debate over representation: ‘Why is it so hard to cast dark-skinned characters?’ (yahoo.com)。見出しを訳すと「なんで肌の色が暗いキャラクターの配役はそんなに難しいのか?」と言った意味になる。

このアニメは2005年から2008年にかけてニコロディアンという子供向けのテレビ局で放映されかなりの人気を集めたらしい。このシリーズは、4つの元素を操ることができるアバターと呼ばれる若いヒーローとその仲間たちが、火の国の乗っ取りを阻止するために世界を旅する旅に焦点を当てている。今回一部の煩いファンの間で取沙汰されているのは水族のソカ(Sokka)とカタラ(Katara)という兄弟の役。彼等の種族はアラスカエスキモーのイヌイット(inuit)族がモデルとなっているという話だ。この兄弟を演じるイアン・オウスリー(Ian Ousley)もKiawentiio Tarbellもアメリカ先住民の血を引いているが、特にオウスリーの肌の色が白すぎるとして一部ファンからクレームがついている。

オウスリーが実際にイヌイット族出身ではないとしても、イヌイット族の中にも色の白い人も黒い人もいるわけで、アニメで描かれている肌の色より多少白い人が演じたからといってなんだと言うのだ?アニメのキャラと実際の人間とでは全く同じに出来ないのは当たり前で、イメージさえ合っていれば肌の色などどうでもいいではないか?

だいたい多様性を口にする人ほどこの肌の色は一方通行である。私は前々からこのダブルスタンダードが気に入らない。例えば白人でそばかす赤毛のリトルマーメイドを黒人女優が演じたり、色白であることが特徴の白雪姫を肌の浅黒いラテン系女優が演じるのはいいのに、有色人種の役をちょっとでも元のキャラより色が白い俳優が演じると、たとえキャラクターと同じ人種でもホワイトウォッシュだと言い張る偽善。

ハリウッドの言う多様性とは黒人のことであって、他の人種は完全にステレオタイプに凝り固まっている。特に東洋人の場合はそうである。ハリウッドには東洋人はこうあるべきというイメージがあり、例え東洋人でもそのイメージに合わない人は採用してもらえないなんてことは日常茶飯事である。以前にハリウッドで俳優をしている日本人俳優が言っていたのだが、彼は長身で髪の毛が栗色の巻き毛で目鼻立ちもはっきりしていていい男である。しかし彼は日本人役に応募してもハリウッドがイメージする日本人に合わなといって断られたことが何度もあるという話をしていた。

つまりハリウッドは東洋人にも色々な人がいるという多様性を全く認めていないのだ。

以前にも日本のアニメで色の黒いキャラクターの声を黒人にやらせるべきだと大騒ぎした人たちが居た。しかし登場人物は全員日本人であり、その役もたんに色黒だというだけで黒人だったわけでじゃない。だがこの日本のアニメやゲームで多少でも色の黒いキャラクターが出てくると、かならず黒人だと言い張るアメリカ人が出て来る。いくら移民が増えたとはいえ、日本にそんなにたくさん普通に黒人が居るわけないだろ。だが、彼等はそういう現実は全く無視する。

さて、以前にワンピースの実写版が好評だったことでもあり、今回のアバターもかなり期待されているようだ。くだらないクレーマー達など無視して良い作品であることを祈る。


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どのようにアメリカの公立小中高校で反ユダヤ主義が教えられているか 

先日もアメリカ各地の大学であからさまなユダヤ人差別が行われているという話をしたが、実は反ユダヤ思想はすでに公立学校では小学校レベルから組織的に生徒たちに教えられているという記事を読んで非常に驚いた。これはイスラエル・ハマス戦争が始まるずっと前から起きており、戦争によってさらにひどくなったようだ。記事の著者はフランチェスカ・ブロック。

ブロックによると小学校前の幼稚園生からイスラエルはアパルトヘイト社会でありユダヤ人は人類の敵だと教えられているという。ブロックは公立学校でどのように反ユダヤ思想が教えられているか色々な例をあげて紹介している。

By Francesca Block

去年、シリアナ・アボード(Siriana Abboud)というニューヨークにある幼稚園の教師は、人間の身体について生徒たちに教えると称して四つの形の違う鼻の絵を生徒達に見せた。二つは小さい鼻、一つは鍵鼻、もう一つはノーズリングのついている絵だった。

「どうして人の鼻は違うのでしょう?」と質問が書かれており、子供たちはそれぞれ自分の意見を描き込んだ。「祖先が理由だと思う」「どこからきかかによると思う」といった答えの横にアボードは「人種によるものです。絵からは鼻の形で人の人種がわかるのです」と書いた。

しかし同じ学校区のベテラン教師でユダヤ教の男性はこのポスターを見てショックを受けたとザ・フリープレスに投稿している。「これは明らかにユダヤ人の鼻が大きいというステレオタイプを示したもので、ナチスの漫画を思い出させる。私は背筋がぞっとした。明らかなユダヤ人差別だ。」

The poster Siriana Abboud put up in her pre-K class last year.

しかし20代の教師アボードは罰せられなかった。それどころか去年の12月、彼女は「幼児の重要な仕事に対する社会の期待を高める解放を鼓舞する教育者」としてその年の「ビッグアップル賞(最優秀教師)」に選ばれたという。

アボードは自らのインスタグラムアカウントのプロフィールにレバノンの旗を掲げ、アラブ中心の教育、パレスチナについて子供とどう語るか、脱植民地教育などと書いている。10月7日のハマスによるイスラエル奇襲攻撃にういて、アボードは9日に、「今でも壁を破壊している人々を支持する。盗まれた土地を取り戻すために戦っている同士と共闘を誓う」と書いていた。その前には脱植民地の教育は幼稚園児から始める必要があるとも書いていた。

フリープレスによれば、このような反ユダヤ教育を行っている公立学校は幼稚園や小学校を含め全国で30以上に及ぶと言う。アメリカの若者は反ユダヤ主義をティックトックだけで得ているのではなく、学校で教えられているのだ。カリフォルニアなど10年生(高校1年)の歴史の授業でイスラエルを「過度に違法なユダヤ人入植者」と表現しイスラエルがパレスチナ民族の浄化を行っているとおしえているとうのだ。

こうした授業は2021年にカリフォルニアで通った「エスニックスタディーズモデルカリキュラム(ESMC)」に基づいており、このカリキュラムでは、被抑圧者である黒人、ラテン系、アメリカ先住民、アジア系アメリカ人らがいかに白人抑圧者によって抑圧されているかが教えらている。ユダヤ教リベラル・バリュー研究所の教育・地域活動ディレクター(the director of education and community engagement for the Jewish Institute of Liberal Values)のブランディ・シュフティンスキ(Brandy Shufutinsky)はESMCは「カリフォルニアの学校で反ユダヤ主義を組織的にするトロイの木馬ですよ」と語る。

一方全国50州で百万人を超す中学生が中東の歴史についてブラウン大学制作のチョイスプログラムから学んでいる。ブラウン大学はハマスの首領たちを匿っているカタールから多額の寄付金を受け取っている大学である。ブラウン大学の教材には「パレスチナのシオニスト企業」「アパルトヘイト国家」「植民地主義」「軍事占領」などといったレッスンが含まれている。

ハーバードハリスの世論調査によれば、18歳から24歳の67%がユダヤ人は抑圧者でありそのように扱われるべきと答えている。これが25歳から34歳では44%、45歳から54歳では15%、55歳以上ではたったの9%だった。反ユダヤ主義思想は若くなるほどひどくなる。

百万人以上の生徒がいるニューヨークの公立学校ではCulturally Responsive-Sustaining Education Framework (CRSE)という名前で2018年からこのカリキュラムは始まった。いわゆる批判的人種理論の一貫だろう。CRSEではユダヤ人差別を特別に扱っているわけではないが、ユダヤ人は白人と同じで抑圧者カテゴリーに属すると教えられているとシュフテインスキは語る。

以前にもDEI(多様性・平等・包括性)の元ディレクターが語っていたが、この抑圧者対被抑圧者という理論によれば、少数民族であるユダヤ人が権威ある立場に多くいるのは、誰かを抑圧したからに違いないという理屈で成り立っている。トークショーホストでユダヤ教学者でもあるデニス・プレーガーもユダヤ人の罪は「成功してしまった少数民族」であることだと言っていた。被抑圧者は成功できないはずであるから、地位や名誉のあるユダヤ人は誰かを犠牲にしてそれらを得たのだということになり、さらにユダヤ人への憎悪を煽る仕組みになっている。

ニューヨークのクィーンズにあるヒルクレスト高校では、先月11月20日、イスラエル支持集会に参加したユダヤ系の教師の教員室前に数百人の生徒が集まり、教師を処刑しろとわめき散らし教師は数時間自分の教員室に閉じ込められてしまった。

同高校に務める別の教員は「こんなことは見たことがない、教員がユダヤ人なので社会は全くきにしない、彼女が黒人だったら暴動がおきてますよ。色々な人が首になってセンシティビティ訓練を受けさせられるでしょう。」と語った。

この教師の言う通り、ニューヨーク教育委員会の会長はこの教師は特にこれといった危険にさらされていなかったとし、これはネットで広まった誤解が原因だったと過小評価した。数日後ヒルクレスト高校は教員攻撃の首謀者を停学処分にした。その後「パレスチナ糞食らえ」という落書きが同高校の食堂に書いた15歳の生徒は悪質な嫌がらせをした罪で逮捕された。徒党を組んで教師の命を脅迫した生徒はただの停学で、ただの落書きした生徒が逮捕される。それが今のアメリカの公立学校だ。

11月9日、ニューヨークでは教師や保護者が一緒になってパレスチナ支持デモに参加させるために生徒たちの授業ボイコットを主催した。

私はこの学生たちのデモの写真や動画を観たが、パレスチナは世の中を綺麗にするといって、ユダヤの星をゴミ箱に捨ててるポスターを持ってる子たちも居た。これらのデモ行進の前に「活動の日キット」と称してデモのためにどんな準備をするかという11ページにもわたる小冊が配られ、「シオニストは要らない!」「川から海へ!」などのスローガンが書かれていた。

随分用意周到だが、一体これにかかったお金は誰が払っているのだ?まさかニューヨーク市民の税金が使われているのではないだろうな?

12月6日、カリフォルニアのオークランドの教員70人が学校のカリキュラムにない「パレスチナ101」という授業をし、そのなかで最初のインティファーダは「概ね非暴力的抵抗運動だった」と教えている。本当は1000人のパレスチナ人と100人以上のイスラエル人が死んだ闘いであるにもかかわらず。

このような状況では、公立学校に通うユダヤ系の生徒たちが悪質ないじめにあうのは当然である。とあるユダヤ人の母親は2年前当時中学生の息子が廊下でナチスの敬礼をされたという。そして13歳のバーミツヴァ儀式の日、クラスメートたちはスナップチャットを作成に息子に反ユダヤミームを大量に送り付けて来たと言う。

これがそのミーム。

こうした虐めは母親が気付くまで一か月以上も続いていた。母親は学校の校長に通報したが、仕返しが怖かったという。学校側にこうした虐めは良くないと教育して欲しいと要請したが学校側はなにもしなかったという。仕方なく母親は息子を別の学校に転校させた。

ドキュメンタリー映画製作者のアンドリュー・ゴールドバーグの11歳の息子もクラスメートから執拗な嫌がらせをうけ、何度も学校に苦情を述べたが納得のいく対応をしてもらえず、仕方なく私立のユダヤ系中学に転校させた。学校側に慰謝料として新しい中学の一年分の授業料を請求すると、学校側は金は払うがその代わり学校で何がおきたか誰にも言わないでほしいと交換条件をだした。しかもその手紙が届いたのはハマスがイスラエルを襲撃した翌日のことだった。なんという無神経さだとゴールドバーグは怒る。ゴールドバーグは無論これを拒否した。金で自分の沈黙は変えないとゴールドバーグは語った。.

記者のブロックは公立学校に通う20人以上のユダヤ人父母たちから10月7日以降、子供の安全が心配でならないという話を聞いたという。

1人の母親は泣き声で娘にユダヤの星ネックレスを隠すように言ったという。このネックレスは娘が夏にバーミツヴァのお祝いにイスラエルでもらったものだった。そして道でユダヤ人かどうか聞かれても答えるなと指導したという。

「私は誰かが1940年代に言ったようなことを2023年のニューヨークで言わなければならないなんて狂ってます。」

他の母親も全国一の公立学校と言われるタウンセンドハリス高校から息子二人を私立高校に転校させることを真剣に考えていると語った。去年長男のクラスメートが体育の授業中に「ホロコーストで死ね」と言ったという。次男はバドミントクラブのウエッブサイトでは記念撮影写真で他のメンバーの顔は写っているのに息子の顔だけはパレスチナの旗で隠されて公開されたという。普通ならコーチとかが注意するべきところだが、ユダヤ人いじめは学校は黙認するようだ。

自分の顔だけパレスチナ旗に隠された次男。

母親は学校に苦情を述べたが「偏見の可能性がある事件」かもしれないと教育委員会に報告するとだけ言われたという。ソーシャルメディアでは何を言っても罰せられないという雰囲気になっているとこの母親は語る。

また別の母親は子供二人が通う別々の公立学校のトイレに鍵十字の落書きが現れ、「パレスチナ解放」や「ハマス万歳」などがトイレの壁に書かれていたと言う。学校側はこの激しいユダヤ人差別にどう対応していいのか分からないようだと語る。

ユダヤ人差別を受けているのは生徒達だけではない。前にも述べた教員室に閉じ込められた教員以外にも色々な教師たちが反ユダヤの暴力を受けている。

公立学校のとある教員は10月7日のずっと以前からユダヤ人差別の扱いを生徒からも同僚の教師たちから受けていたと語る。特に2018年にthe Culturally Responsive-Sustaining Education Frameworkプログラムが始まったころからひどくなったと言う。

この道25年というベテラン教師のカレン・フェルドマンはこの平等プログラムが始まって以来教師たちが「白人」と「非白人」に分けられ職員室も別々になってしまったという。なんだこれは、まるで公民権前のアメリカみたいじゃないか、ただ今度は白人が差別される側になっただけ。

フェルドマンはユダヤ人なのでどちらにも属さない気がしたという。自分がユダヤ人でホロコースト生存者の孫だということは全く考慮に入れられていなかったと語る。この平等プログラムのセッションは以前は一か月に一度だったのが今や一週間に一度のわりで行われているという。

2018年からフェルドマンは幾度も反ユダヤ行為を見て来たという。男子トイレの壁に「Gews(綴り間違え)チンコ吸え」と書かれていたり、ユダヤ人生徒の前で他の生徒が「汚いユダ公をどう処理する?」「オーブンで焼いちまえ」と言っているのを聞いたという。

「ユダ公は嫌いだ、チンコ吸え!」

ある母は非常にショックをうけ子供を転校させてしまったという。

一度などはフェルドマンは10人くらいの生徒らに囲まれ「トランプ支持者」とののしられどつかれたり飴を投げつけられたりした。生徒達はユダヤ人はトランプ支持者だと思ったらしい。(全然違うが)

しかし学校側は特にこれといった対策はとらず、単に学校のカウンセラーが生徒達に事情を聴くと言った程度でおわってしまった。同僚の教師は生徒からスナップチャットで鍵十字の絵を送られた。彼はそれを通報すべきかどうかフェルドマンに聞いたという。「もちろん通報しなきゃだめよ、世界一嫌われているシンボルよ。首縄と同じよ!」と言ったという。

ニューヨーク教育委員会はイスラエル領事からハマス襲撃のビデオを鑑賞会の招待を受けたが拒否した。教育委員会は記者会見では立派なことをいうが、実際に差別されている生徒や教師らには何もしない。

以前にユダヤ人差別だと責められたイーロン・マスクがイスラエルに視察に行った後に「人は何を言うかではなく、何をするかで判断されるべきだ」と言っていたがまさにその通りだ。ニューヨークの教育委員会はその態度から反ユダヤ主義を止めるきがないことは明らかである。

いやそれどころか、2022年、会員300万人という最も大きな教師労働組合で、歴史や地理や現在のパレスチナ人の状況について教えることを支持するという決議案が通された。ガザの学校ではイスラエル憎悪の教育がされているが、アメリカでもすでに2018年くらいから反ユダヤ教育がされていてきたのだ。道理で大学があのようになるわけだ。

Francesca Block is a reporter for The Free Press. Follow her on Twitter (now X) @FrancescaABlock. For more on antisemitism in our schools, read Jackson Greenberg’s piece “The Unconscientious Objectors about how his progressive private education in Philadelphia left his peers morally confused.

参考記事:

My Son Faced Antisemitism. His School Tried to Buy Our Silence (newsweek.com)

How U.S. Public Schools Teach Antisemitism | The Free Press (thefp.com)


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アメリカ社会を分断するインターセクショナリティー、白人差別やユダヤ人差別は人種差別撲滅に繋がらない

この間ボストン市の中華系ミッシェル・ウー市長は白人抜きの市会議員たちでクリスマスパーティならぬホリデーパーティを計画した。しかし招待状を出した秘書は誤って議員全員に招待状を送ってしまい、この白人抜きパーティー計画が公になってしまった。これに関してウー市長は謝罪するどころか、自分は政敵によって攻撃されていると被害者ぶっている。

市長は自分は特定の政治見解を持つ人々による事実に基づかない批判の被害者になっているとし、招待状が誤って白人議員たちにも送られてしまった件に関して、白人議員たちは特定のグループに属しておらず、自分は既存の特定のグループの人だけを招待しただけだ。それをわざと漏洩して国中に広めた人たちには政治的な動機があるとラジオのインタビューで説明している。

彼女の言う「特定のグループ」とは非白人のグループだ。単に何か特定の委員会に属しているといったグループではない。いや、もしこれらの人びとが特定の委員会のメンバーだったとしても、その中に白人議員が一人も含まれていないと言うこと自体が問題だ。何故彼女は白人と非白人を分けなければならなかったのだ?

アメリカ社会では白人が非白人を組織的に差別していた時代はあった。黒人が白人と同じ公共施設を使えなかったり学校が分かれていたり、20世紀初期には中国人移民の労働者が劣悪な環境で奴隷のように扱われたり、第二次世界大戦中は日系移民や日系二世が財産を没収され収容所に送られたこともある。その歴史を変えることはできない。だが、1960年代の公民権運動後、人種差別的な法律はすべて撤廃され、法の上ではどんな人種も平等となったのである。

もちろん法律上平等であっても、人々の心にある人種差別意識を変えることは簡単ではない。だから政府はEEOCという組織を作り、職場におけるあからさまな人種や性差別を失くす努力がされてきたのだ。

私は拙ブログでも何度も書いてきたが、私がアメリカに移住した1981年からこの40年余りアメリカに暮らしてきて、私は日本人であると言う理由で差別を受けたことは片手の指で数えられるほどしかない。あまりにも珍しいことだから、そのひとつひとつを覚えているくらいなのだ。しかもそのうち白人から差別されたのは一回だけで、後は他の移民経営の店などで受けたものだ。

であるにもかかわらず、アメリカのアカデミーでは何に付けても人種差別が取り扱われる。そして最近ではあからさまな白人差別が起きている。先日も私はマット・ウォルシの放送を聞いていて思ったのだが、今起きているユダヤ人差別は突然おきたものではない。アメリカのエリート大学の間ではすでにその傾向はここ20年くらいの間にかなりひどくなっていたのだ。

悪の根源はインターセクショなリティーという考えにある。ウィキによる定義は次の通り。強調はカカシ。

インターセクショナリティ(intersectionality)とは、複数のアイデンティティが組み合わさることによって起こる特有の差別や抑圧を理解するための枠組みである。また、複数のアイデンティティによる特有の社会的な特権を理解するためにも使われる。

20世紀後半にフェミニズム理論として提唱され、扱われるアイデンティティの代表的なものに、ジェンダー、セックス(身体的特徴による性別)、人種、社会階層や経済的階層、セクシャリティ、特定の能力や障害の有無、身体的特徴などがある。日本語では交差性とも呼ばれる。

インターセクショナリティは、人種やジェンダーなどの複数の社会的、政治的アイデンティティの組み合わせにより、人々が経験する不公平さや有利さを識別するために使われる。

実際この定義がどう使われるかといえば、個人を個人として評価せず、その人の属性が「抑圧者」側か「被抑圧者」側にあるかで扱いを変えるという概念である。そして被抑圧者のなかにも順位があり、一位黒人、2位ラテン系、3位アラブ系その他があり、東洋人やユダヤ系は白人とほぼ変わらない抑圧者側に所属している。抑圧者はどのような場合でも被抑圧者である有色人種に権利を譲らなければならないという思想であり、抑圧者が受ける不公平や理不尽な扱いは「差別」とはみなされない。何故なら被抑圧者は定義上差別者にはなり得ないからである。

具体例を出すならば、大学で有色人種優先勉強室なるものがあり、そこで白人が勉強していたら黒人から追い出されてもそれは人種差別とはならないが、もし白人オンリーなどという部屋があったら、これは差別と見なされる。大学入試の際に被抑圧者人種に下駄を履かせ、もっと高得点を取った白人や東洋人が不合格になるのは人種差別とはみなされないといった具合だ。

ハーバード大学の黒人学長がユダヤ人のジェノサイドを唱える学生たちを大学の行動規範に反するとして罰しなくても辞任に追い込まれれないのは、被抑圧者の黒人が抑圧者であるユダヤ人を差別することはインターセクショナリティー上不可能なことだからである。

最近BBCの歴史物のドラマでも歴史上の白人が黒人によって演じられるなど普通になった。だが反対に黒人役を白人が演じたりしたら大騒ぎである。以前にも紹介したようにハワイ島人を演じる俳優の肌の色が白すぎるといって、ハワイ島民の役者を降ろさせるなんてこともが平気で起きている。最近公開されたバラク・オバマ夫妻がプロディースしたネットフリックスの映画でもあからさまな白人差別のシーンがあるというし、また近日公開されるThe American Society of Magical Negroes (2024) – IMDbという映画では「世界中で最も危険な動物は白人だ」というセリフがあり、映画の中でいかに白人を大人しくさせるかというメッセージが盛り込まれているという。

もしこれが黒人に向けられたものなら、一瞬にして映画製作者はキャンセルされるだろうが、被差別者が白人ならまるで問題にならない。

アメリカではすでに白人の出生率が非白人のそれより下回った。数の上で白人が過半数ではなくなったのである。もし人種差別のない国なら、これは全く何の意味もない。アメリカ人の肌の色が多少暗くなると言うだけの話である。だが問題なのは、過半数を越したら非白人が少数派の白人を差別し迫害してもいいのだという考えである。何故黒人差別はいけないが白人差別は良いということになるのか?差別は誰に向けられてもいけないはずだ。もし黒人差別はいけないが白人差別は良いというのであれば、彼等は最初から人種差別は悪いという認識をもっていなかったということになる。彼等が不満だったのは自分が差別をされる側だったからであって、自分らが差別する分には全く問題もないと考えているのだ。(この際たるものが今の南アフリカだ)

この特定の人びとを差別しても良いという考えが如何に邪悪であるかは、今起きている過激なユダヤ人差別を見ればわかる。このユダヤ人差別はイスラエルとハマスの戦争がきっかけとはいうものの、ここ二か月で突然起きたものではない。20世紀後半から培われてきたインターセクショナリティーが抑圧者差別を是として学生たちを洗脳し続けて来た結果がこれなのだ。

繰り返すが我々は白人でもないしユダヤ人でもないから関係ないなどと思っているととんでもないことになる。被抑圧者ナンバーワンの黒人活動家たちは、自分ら以外の属性は程度の差こそあれ皆差別対象にしている。特に東洋人は白人やユダヤ人と同じ扱いだ。いや、身体が小さい分余計に迫害の対象になる。

今、アメリカ中で起きている過激なユダヤ人差別によって、多くのアメリカ白人は気づいているはずだ。アメリカの人口分布が変わって白人が少数派になったらこの弾圧はさらにひどくなる。そうなる前に何とかしなければならないと。これまで人種差別など考えたこともなかった白人の間で白人至上主義が生まれる可能性さえある。そうなったらどうなるのか?

インターセクショナリティーは人種差別を増幅させる。アメリカは今岐路に立たされている。


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東洋人の祖先はアフリカの黒人だった?

最近東洋人の祖先はアフリカの黒人だったという説を唱える人が増えて来て、Xでアジア人の話を中心にしてる人にやたらにそういう資料を送り付けてくる人がいる。私もTikTokやYouTubeでそういう動画をいくつか見たことがある。しかしこれはどう考えても馬鹿げている。

考古学的に言うと、確かに人類の祖先は皆アフリカから始まっている。現代人は皆アフリカ大陸から出た原始人の子孫である。

現代の人間の直接の先祖はホモサピエンスだが、まだ人間がホモサピエンスになる以前、現代人の祖先人類ホミニンが最初にアフリカから外へ出たのは1.7から1.85百万年前にとされていた。ただ80年代にジョージアでもっと古い人間の化石が発見された。中国やインドなどでは1.6百年前の人間の化石とともに、二百万年くらい前の道具の化石も発見されており、もしかすると最初の人類がアフリカを出たのは2.2百万年くらい前だったのではないかとさえ言われている。

人類とはいっても、これらの人びとは今の現代人とは同じではなく、身体も小さく脳みそも現代人の半分程度しかなかった。ただ道具を使って狩りをしていた形跡があった。

その後アフリカでは人類はずっと進化を続けたが、世界に広まった他の人類もそれぞれ独自の進化を遂げていたと考えることが出来る。7万年くらい前にやっとホモサピエンスという現代人の直接の祖先がアフリカを出る。もっともそれまでにも原始人はアフリカから出て世界中に散らばっており、アフリカの外に住んでいた他のホムニンであるネアンダルタール人と出会い混血も生まれていた。アフリカ以外の国の人類にのみネアンダルタール人のDNAが含まれているというのもそれが原因である。

さて、ここまで書けば私が何を言いたいのかお分かり頂けると思うのだが、確かに今の東洋に最初に訪れたホムニンはアフリカから来た人たちであるが、彼等は現代のアフリカ人とは同じではない。二百万年も前に東洋に訪れたホムニンはヒト科の別の動物なのである。同じ人間ですらないのだ。だから東洋に最初に訪れたのはアフリカ人だったのではなく、我々も現代のアフリカ黒人も同じ動物から進化したというだけの話である。しかも我々はアフリカから出なかったアフリカ人たちとは違う動物のDNAが含まれているのである。

これらの人びとは現代のホモサピエンスではなく、ホモサピエンスの前のホモエレクタスよりも古い人類であり、身体も小さく脳みそも現代人の半分くらいだった。

今、東洋人の祖先はアフリカ黒人だったなどと言っているひとたちは、東洋人の文化は元はといえば黒人のものだったと言いたいようだ。ユーチューブには中国には昔から黒人も住んでいたという動画を上げている人がいるが、それは中国は広い大陸であり色々な人種が入り混じっているということの証明でしかなく、中国の先住民がアフリカ黒人だったという証拠にはならない。中国は非常に大きな大陸であり多くの部族がいる。インドやカザフスタンやロシアやなどと国境を接している。だから伝統的な中国人の顔をしている人も居れば色も黒っぽいインド人のような人もいるし、アラブ系の顔のひともいるし、そうかと思えば色が白く碧目の人もいる。それは単に中国は広いと言うだけの話である。

だいたい中国の先住民がアフリカ黒人だったという人達の証拠というのが、19世紀に撮られた写真にアフリカ系黒人のような人が写っているということだけ。いったい中国がどれだけ古い国だと思ってるんだ。全く呆れかえる。

クレオパトラが黒人だったと言ったと思ったら、今度は中国人は黒人だったとか、本当に何を言ってるんだかわからない。どうしてアフリカの歴史からアフリカの文化や偉人を探してこないのだ?何故他人の文化を横取りしようとするのだ?

こういうのこそ本当の意味で文化盗用というのではないだろうか?

追記:11月19日

思ったのだが、こういうのって結局自分らには高度な文化がないと考えている人々の劣等感の裏返しなのではないだろうか?もし自分らの文化に誇りがあったなら、他人の文化を自分らのものだとか言い出さないはずだ。

例えばどこか日本のお隣の国が、やたらと日本の茶道や剣道や柔道はもともとそちらの国から生まれたんだとか言い張るのと同じで。日本は他国の文化も取り入れ日本なりにアレンジしてより良いものを作ると言うことを誇りに思っているから、自動車は日本で発明されたとか絶対に言わない。


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トランスの犯罪をなかったことにしたいトランス活動家の詭弁

先日北海道のすすき野で、殺害された男性の首を持って帰るという猟奇的な殺人事件が起きた。しかし詳細が解ってくると犯人の動機は猟奇的なものではなく、殺人の動機の裏には痛ましい事実がることが解った。先ずはNHKニュース記事から。

今月2日、札幌の繁華街 ススキノのホテルの客室で頭部を切断された男性の遺体が見つかった事件で、札幌市内に住む29歳の女の容疑者とその父親の2人が死体遺棄などの疑いで警察に逮捕されました。警察は今後、詳しいいきさつについて調べることにしています。

逮捕されたのは札幌市厚別区の職業不詳、田村瑠奈容疑者(29)と、父親で医師の田村修容疑者(59)の2人です。

警察によりますと、2人は今月1日の深夜から2日未明にかけて、札幌市中央区にあるホテルの客室で北海道 恵庭市の会社員、浦仁志さん(62)の頭部を切断し、持ち去ったなどとして死体遺棄や損壊などの疑いがもたれています。

犯人親子が逮捕される前から、この話は被害者の浦仁志の変態的性癖が話題になっていた。この男性は妻子もある一見普通の会社員だったが、週末など女装をして札幌の繁華街で女装イベントなどでも常連で界隈では結構名が知られていたようだ。殺された日もコロナ禍で中断されていた四年ぶりの女装イベントに出席し、色々なSNSに彼の女装姿の写真が上がっていた。

浦は前々から女装して界隈に現れ、女性に近づいたり女子トイレに入ろうとして店から出禁にされたりと色々問題を起こしていたらしい。犯人の瑠奈の祖父によれば、浦は女装姿で瑠奈に近づき油断させ強姦に及んだという。そしてその後も浦は瑠奈に交際を迫り、強姦時に撮影した写真を使って瑠奈をゆすっていたという。これが本当のことならこんな男殺されて当たり前だ。

さて、私が興味深く思ったのは、この事件に対するLGBT活動家たちの反応である。私がツイッターでよくお見掛けするトランスジェンダー活動家の畑野トマトさんなどがいい例だ。

トマトさん:札幌の殺人事件のニュースをネタに、どうにかして差別ネタにつなげられないかと奮闘している人が大勢いますが…。対象者がトランスジェンダーであるかどうかなどは、個々の事象においてはどうでも良いことであり、その人が犯罪をおかしたのかどうか?という話だけで、その犯罪は集団には関係無いのです。最初から「ホラ!○○はやっぱり悪い奴がいる!」といった言説にのせて、その集団全てを排除しようとすること自体が差別だ!と何度言えばわかるのか?本当に、KKKなどが「黒人が○○をした!」などと言って黒人差別を正当化するのと全く同じロジック…。個は集団の代表になりません。

牟田和恵@peurekaさん:純粋にアカデミックな疑問なんですが、トランスジェンダーを広く定義(あるいは定義することが差別だと)しておられる高井 能川小宮先生はじめの先生方は、今回の札幌の事件についてどう考えておられるんでしょうか? 被害者は犯罪目的のただの女装者でトランスではないと片付けていいんでしょうか?

トマトさん:どう考えるとかってアカデミックな人たちってその程度のことも解らないの?個別の犯罪があったからといって、それをクラスターとして考えるとかって「差別」以外の何物でものでも無いでしょ?個別の事象を持って、クラスターの排除をもくろむのは差別ですよ。

トマトさんが言うように、浦が実際にトランスジェンダーだったかどうかはどうでもいい。問題なのはこの男が女装をして周りの人間を、特に容疑者の瑠奈を含めて女性達を、油断させたということにある。浦の写真をいくつか観る限り、彼は女性には見えない。本来なら彼は単なる女装変態男として警戒されるべき人間だったはずだが、昨今トマトさんのような人活動家が、トランスジェンダーを犯罪者扱いするなと騒いで、トランス自認する男性を女性空間に入れないのは差別だの排除だの言って、警戒する女性達を悪者扱いしてきたことを忘れてはいけない。いまさら犯人が唯の女装犯罪男かトランスジェンダーかはどうでもいいなどと無責任なことを言ってもらいたくない。

もちろん個は全体の代表とは言えない。トマトさんがいくらトランスジェンダーの代表面をしてみても、彼がトランス全てを代弁しているわけではないのは明らかだ。しかし、それを認めるなら、トランスジェンダーにも性犯罪者は居ると認めてはどうなのだ?しかも諸外国の統計からトランスを自認する男性の性犯罪率は一般男性に比べて3倍も多いのである。そうした事実を無視して、あたかもトランスジョセーは女性にとって危険ではないかのように言うのは女性の安全とプライバシーを無視した女性蔑視である。

我々は最初からトランスジェンダーを差別すべきだと言っているのではなく、女装して女性に近づく男には女性は警戒心を解いてはいけないと言っているのだ。その男がトランス自認であろうとただの女装変態男であろうと関係ない。男はみんな狼よという心がけを忘れてはいけないのだ。そうすることは誰に対する差別でもない。

ところで黒人の話がでたので言わせてもらう。黒人の犯罪率が他の人種よりもずっと高いことは統計上の事実である。しかも黒人による東洋人を狙った犯罪は近年激増している。特にカリフォルニアのように黒人の居住区と東洋人のそれが被る場合、東洋人が黒人による加害の被害になる可能性は非常に高いのだ。毎日のように黒人男性が東洋人女性(特にお年寄り)を通りざまに殴るビデオが出回っていても、個は全体を代表しないからと言って、東洋人に黒人を警戒するのは差別だと言い張るのか?

悪いが私は自分の身を守ることの方が先決だ。もし向こうから目つきの悪い黒人が近づいてきたら、さっさと道を渡るか、建物や柱などを間にはさんでその人の手の届く場所ですれ違わないように十分な警戒をする。用心に越したことはないからだ。

追記:以前にトランスジェンダーとなりすまし犯罪者との区別はどうつけるのかという質問に対して、小山エミなどは、その区別は簡単だ、犯罪を犯した人間が犯罪者だ。と言っていた。だがこれは正しくない。何故なら、犯罪を犯した人間が犯罪者であることは確かだが、その犯罪者がただのなりすましなのか、それとも本物のトランスジェンダーなのかは本人以外の誰にもわからないからだ。


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