あいちトリエンナーレ補助金不交付は言論弾圧なのか?

もう皆さんもご存知のあいちトリエンナーレ2109に、約7800万円の補助金を文化庁が不交付にしたという件だが、これが言論弾圧だとか検閲だとか騒いでるひとたちがいるが、一言でいうと、これは言論弾圧でも検閲でもない。

検閲なら、展示が起きる前から文化庁が展示内容に関して口煩く注文をつけ、不適切と思われたら展示を中止させるか内容を変えさせるというのが本筋。これが中国みたいな独裁政府なら、関係者全員逮捕されて拷問のすえ長期拘留なんてことになってるだろう。

展示は好きにやりなさい、でもお金は出しません。というのは別に検閲でもなんでもない。だいたい今回の件で言論弾圧だと騒いでる人達はLGBT批判特集を組んだ新潮45を廃刊に追いやったり、杉田水脈議員のフランスでのスピーチを妨害したり、「韓国なんか要らない」記事の週刊ポスト編集者に謝罪させたりしてる輩と同類なのではないか?もし保守派の意見が弾圧されているのをヘイトスピーチは検閲されて当然と黙っていたなら、いや、それどころか奨励していたなら、今回の交付金撤廃を批判するのはあまりにも偽善者すぎるだろう。

もっとも私は文化庁がすでに約束していた交付金を撤回するというやり方は正しくないと思う。なぜならそれは契約違反だからだ。 内容が気に入らなかったなら最初からきちんと、そういう内容では金は出せないとすべきだった。それをしないでおいて批判が出てから後付けでやるのは責任回避も甚だしい。

それはそれとして、私は「言論の不自由展、その後」があいちトリエンナーレで展示されたということ自体には特に問題があるとは思っていない。ただ県税をつかってまでやるほど芸術的価値があったのかどうかと言われれば、全くなかったと言える。

展示内容が反日でも、展示そのものは妨害されるべきではないし、ましてや暴力的な脅迫などされるべきではない。だが誰かも言っていたが、政府に対する批判を政府の金でやるなんてみっともない真似はするな、と言いたい。政府の補助金でやる芸術に100%言論の自由などあるはずがない。スポンサーの顔を伺いながら作るならそれなりの覚悟が必要だったはず。本気で言論の自由展をしたかったなら、全額自分たちで調達して自費でやるべきだった。そうすれば中止に追い込まれることもなかっただろう。

右翼保守の言論はことあるごとに「ヘイトだ」なんだと言って弾圧している人間たちに、言論の自由云々を語る資格はない。


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左翼ファシストジャーナリストたちによる言論弾圧の恐ろしさ

この間、アメリカで土曜深夜放送の長期バラエティー番組「サタデーナイトライブ(土曜の夜生放送)」の人気若手芸人ジャスティン・サコーが数年前にラジオポッドキャスト番組中に何気なく話した中国人の発音をおちょくった発言がもとで番組から降ろされるという事件があった。台湾系アメリカ人の同僚Cは、自分はテキサスの片田舎の小中高で学校内唯一の東洋人として育ち、東洋人に関するあらとあらゆる侮蔑語でからかわれたが、それに比べたらサコーの冗談などなんてことない表現だったと語る。あんなんで仕事を首になるなんてあり得ないとCは怒っていた。

はっきり言って最近のアメリカ左翼は、ほんのちょっとした何気ない発言の上げ足を取り、あいつはレイシストだと言って気に入らない人々を陥れるのが普通になっている。

例えこれまでどれだけ敬虔な左翼リベラルでも一歩間違えたら、まっさかさまに奈落の底へ突き落される。左翼ジャーナリスト達はSNSを使ってなんでもないことをあたかも重大事件のように言って風評を煽り人工的に炎上を演出し標的となった人々から生活の糧を奪うのである。

Ian Miles Cheong(イアン・マイルス・チェオング)は、言いがかりをつけて気に入らない人間をテレビ番組やSNSのプラットフォームから締め出す運動をキャンセルキャンペーンと呼びこれは止めなければならないと語る。

自分の番組やSNS口座がキャンセル(凍結)されてしまうのではないかという恐れが左翼ジャーナリスト達に多大なる権力を与えている。なぜならアメリカのSNSはフェイスブックにしろユーチューブにしろツイッターにしろすべて左翼。左翼ジャーナリストたちが、「あいつはファシストだ、レイシストだ、あいつの言論はヘイトだ」と騒ぎ立てれば事実はどうあれ先ず一時凍結、ひどい時には永久凍結となってしまう。

この間もお話したがスティーブン・クラウダーという比較的保守派のユーチューバーに対する左翼ジャーナリストのカルロス・マザのキャンセルキャンペーンはひどいものだった。マーザは常に保守派に対する暴力を煽っていたにも拘わらず、スティーブン・クラウダーがマーザのビデオをなにかとおちょくっていたことに個人的な恨みを持ち、クラウダーにいじめられているとしてユーチューブに告げ口。ユーチューブはクラウダーが規定違反をしているしてないでその判断があっちったりこっちったりしていたが、結果的にクラウダーのすべてのビデオを無収益とすることに落ち着いた。このどさくさに紛れて、ユーチューブは数々の他の零細チャンネルの報酬も取りやめた。

このようなやり方で左翼ジャーナリストたちは自分らは崇高な立場を保ちながら、競争相手を破壊することが出来るようになったのだ。結果右翼保守ではなくてもフリーで活動していた記者たちが多大なる痛手を負うこととなった。

左翼ジャーナリストたちの一番の標的となった有名ユーチューバーといえば、スエーデン出身のピューディーパイ(Felix “PewDiePie” Kjellberg)。人気ゲームアプリの感想ビデオなどで一躍有名になり、世界的な人気者となったピューディーパイだが、年とともにビデオの内容も変わり、彼のファンもだんだんと大人になっていった。

2017年1月、ユーチューブでFiverrというインドのユーチューバー組織が安上がりなコードを作るサービスを提供したことをおちょくって、ピューディーパイは5ドル払うから「ユダヤ人を皆殺しにしろ」というプラカードを掲げて踊ってみろと挑発した。もちろんピューディーパイは相手がそんな悪趣味なビデオを作るはずがないと思ってわざと言ったのだが、何故か相手は本気にしてやってしまった。驚いたピューディーは即座に悪趣味な要求は悪い冗談で本気ではなかったと謝罪したがもう遅い。ウォールストリートジャーナルのジャーナリストたちが、ここぞとばかりにピューディーを攻撃した。そして過去何か月にもさかのぼってピューディーがしたとされる反ユダヤ発言を取り上げて、あたかもピューディーがニオナチか何かであるかのように報道した。

WSJの記者たちはいくつものピューディーのビデオから文脈を無視した編集ビデオを作り、ピューディーが主演していたテレビ番組のスポンサーであるディズニーにそのビデオを送り付けた。驚いたディズニーは即座にピューディーの番組を打ち切り、関係者全員を解雇してしまった。

この時から堰を切ったように、主流大手メディアによるピューディーパイ叩きが猛烈に勢いを増した。エマ・グレイ・エリスはワイアードでピューディーパイは正真正銘の白人至上主義者の英雄と決めつけアルトライト(ネトウヨ)のアイドルと書き上げた。イギリスのガーディアン紙のアーワ・マフダウィは「ピューディーパイは『ユダヤ人皆殺し』が冗談だというが、あなたは笑ってるか?」という記事を掲載、ヴォックスが所有するゲーム関係誌ポリゴンはピューディーパイ叩きの連載までやり、その編集長はピューディーパイはトランプと共に必死にメディアを破壊しようとしていると語った。またポリゴンは、デイリー・ストーマーという白人至上主義ウエッブサイトが ピューディーパイのことを仲間だと書いたことを理由に、ピューディーパイ本人の意思とな無関係に白人至上主義者と深い関係があると印象操作をしたのだ。

しかしピューディーパイはこのような攻撃にはめげずビデオを作りまくった。当時のことを私は多少覚えているが、彼のチャンネルが何回も凍結されては別のチャンネルとしてよみがえるなど、彼もかなり苦労したようだ。その努力の甲斐あって、彼はいまだに健在で登録者も当時の二倍の一億人に増えた。

しかしその後も左翼ジャーナリスト達によるピューディーへの執拗な攻撃は止んでいない。乱射事件の犯人がピューディーのファンだったとか、ピューディーが推薦したブロガーがたまたま反ユダヤ的な発言をしたとか、ユダヤ教市民団体への寄付すら裏目に出て取り止めになったりと、とにかくひどい。

どうして主流メディアはこれほどまでにピューディーを破壊しようとするのか。ピューディーは、やはり左翼から標的とされているクラウダーやポール・ジョセフ・ワトソンのように特に政治的でも右翼保守でもない。ただのゲーマーユーチューバーだ。なのにどうしてそんなにも攻撃されるのか。

それは彼が既存の主流メディアに属さずに自分の力だけで多大なる成功を収めた「個人」だからだ。左翼メディア自身が実はファシストそのものだ。ファシズムは共産主義と同じで全体主義。個人の成功は断固許さない。彼らが独立ジャーナリストたちを目の仇にするのは、左翼が自分たちだけで独占してきたメディアに独立ジャーナリストたちがどんどん割り込んできて強力な競争相手として左翼たちを圧倒し始めたことにある。左翼メディアたちはフリーランス記者たちと正々堂々とその中身で競争しようとせず、その存在を抹消しようと必死なのだ。

すでにユーチューブでは大手メディアのつまらない内容ビデオが推薦ビデオとして押され、個人ユーチューバーは無収益にされたり不適切などと言われてビデオを取り消されたりしている。全く政治とは関係ない中身でもどんどん個人ユーチューバーが規制されていることは皆さんもよくご存知のことだろう。ほんの一部の権力者たちによって内容がどんどん検閲されているのだ。このままではユーチューブやその他のSNSの内容は猫と犬のビデオだらけになってしまうだろう。

こうしたSNSが廃れないためには、いまのような独占主義を解体し、多種多様なプラットフォームを生み出す必要がある。


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留学中の学生のアドバイスなんて参考にならない件

私が好きなユーチューバーのひとり、ヤスラーじゃーなるさんが、最近留学中のユーチューバーが留学志望者からお金をとってアドバイスをして、金銭をめぐってトラブルが起きたという話を紹介していた。彼に言わせれば留学中の学生にアドバイスを求めること自体がおかしいとのことだった。これ、私も全く同感。

ヤスラーさんはアメリカに高校留学して大学もアメリカで出て就職をカナダでして10年以上海外生活をしている社会人。まあそういう人だから留学や海外就職の仕方など最近の情報も良く知っているし、本気で留学したい人には参考になる情報を持っているだろう。そういう人にアドバイスを求めるなら参考になると思う。

だが今留学中の人間は、特に親の金使って学費も生活費もまかなってもらってるお客さんみたいな人には海外生活の大変さなどわからないし、ましてや就職事情なんて全く分からない。そんな人にアドバイスを求める方が悪い。ま、金銭トラブルが起きたとしても、それはまだ学生たちが子供だからだろう。

効果的な短期留学とは何か

それではここで僭越ながらアメリカ生活30余年のカカシが短期で語学留学をする人にちょっとアドバイス。現在の留学事情は知らないが、留学した際にもっとも短期で効果的に言葉を学ぶ方法は今も昔も変わらない。

基礎がないと上達も遅い

英語は文法など出来なくてもしゃべっている間に自然としゃべれるようになると言う人がいるが、自然に学ぶにしてもある程度の基礎は必要だ。この間、あまり教養がないと思われるとある日本の芸能人がアメリカに半年足らず「留学」した時の話をしていたのを聞いた。

彼女は個人で一日3~4時間英語の先生と話をするという授業を受けていたそうだが、最初のうちは何を言われているのか全くわからず数週間が過ぎたと言っていた。私は高校卒業後すぐに英語専門学校へ通ったが、その授業はすべてネイティブ教師による英語だった。しかし第一日目から教師の言っていることは理解できた。無論初心者にわかりやすい語彙でゆっくり話してくれたからには違いないが、それでも解るためには多少の語彙や文法力がなければ無理だったはず。私が教師の言ってることが多少なりとも理解できたのは高校までの基礎が出来ていたからだろう。

その芸能人がどのくらい英語力を得たのかというと、コンサートに駆け付けたアメリカ人男性ファンから「君はすばらしい」と言われていたのさえ「え、何、今なんて言った?」と通訳さんに聞いていたくらいなので、留学で英語力を養うという目的は全く果たせなかったようだ。

基礎は何故大事なのか

最近フィリピンに語学留学し、教わってる英語のレベルが低いのに、それでも理解できずに帰宅してから日本語の教科書でおさらいをしてやっとついて行ってると語っている人のビデオを観た。もし高校までの英語を完全マスターしていたら、もっと高いレベルの授業から受けられたはずで、せっかくの留学で基礎をやり直すという無駄な時間を使っていると反省していた。

まさしくその通り。私の経験からしても英語圏でESLを初心者レベルから勉強したら、一年や二年では上級者レベルに到達できない。それに初心者レベルのクラスは自分と同じように英語が下手な外国人ばかりなので、クラスメートと話をしてもかえって変な英語のくせを覚えてしまうのがオチ。

三か月とか一年といった短期語学留学で効果的に英語を学ぼうと思うのであれば、上記のフィリピン留学の人みたいに時間を無駄にしないよう、留学前に基礎をしっかり勉強しておくことが大切。

しかしここでいう基礎とはヒアリングやスピーキングのことではない。大切なのは語彙と文法そして作文能力を高めることだ。

知ってる言葉は聞き取りやすい

語彙を増やすことの大切さは色々あるが、語彙が広いと聞き取りの際にひっかかる言葉が多くなる。英語初心者は相手がわ~と話している言葉がひとつのつながった音にしか聞こえないが、もし知ってる単語がいくつか聞こえたら、文章がところどころ区切れて聞こえる。例えば「わーわー、寿司、わーわー、レストラン」という風に聞こえたら、寿司屋の話かなという想像がつく。だから知ってる言葉が多ければ多いほど聞き取りの役にたつ。「出る単」でもなんでもいいから使って、とにかく語彙を増やしておくことが大事。

文法が解れば文章を再構成できる

高校レベルの文法がしっかり頭にはいっていれば、相手に言われたことがすべて聞き取れなくても文章を再構成することができる。例えば、「学校、わ~わ~、何、わ~わ~勉強?」としか聞こえてこなくても、文法がしっかりしていれば、「学校で何を勉強しているのですか」と頭のなかで文章を再構成することが可能だ。日常つかう簡単な文章をいくつか暗記して空で言えるくらいになっていれば、普通の会話はそのバリエーションであることに気づく。こうしておけばヒアリングは非常に早く上達する。

文章力があると上級者用授業が受けられる

短時間で高レベルの能力を身に付けるためには、やはりESLも上級者並みのクラスから始める必要がある。アメリカのコミュニティーカレッジのESLなどではレベルが低い順に1から5まであるが、それぞれ一学期づつで年に二学期しかないと5にたどり着くには二年半もかかってしまう。これを短期でマスターするつもりなら、せいぜいレベル3以上のクラスに入る必要がある。そのためにはどうすればいいか。

大抵の場合能力テストは作文のみで面接などはない。なので短時間にきちんとした作文が書ければ上位のクラスに入ることが出来る。普通こういう作文で要求されるのは、ある話題に関して賛成か反対かの立場を取り、何故そう思うのかを見三つの項目に分けて書く。所要時間は50分くらいが普通。

こういう作文でさっさと考えをまとめるためには時事問題に日頃から注意を払っておくことが大切。地球温暖化とかプラスチック汚染の話とか、米中貿易問題とか、話題になってる話に関して自分の考えをまとめておくとこういう時に役に立つ。

日本語は話すな!

最後に一番大切なのは自分を英語漬けにすること。留学生あるあるでよく聞く話は、留学先で日本人と友達になって日本人とばかり付き合って現地の人と全然友達になれないということ。たかが三か月や一年の留学でこれをやってしまったら本当に時間がもったいない。それでも回りに日本人がいるとつい甘えてしまうという全く自制心がない人は、日本人が居ない場所に留学するのも一つの手だ。

一番お勧めできないのが日本人経営の日本人学生を対象にした語学学校。いくら英語圏の国にあってもクラスメートがすべて日本人だったら、日本で外語学校に通うのと何ら変わりはない。ここは心を鬼にして日本人を避け、英語のみを使うように努力する。留学中のほんの一年足らずのことだ、出来るよ。頑張れ!

結論として

結局留学に関してのアドバイスを受けたいなら、いったい何のために留学しようと思っているのかをはっきりさせる必要がある。単なる留学手続きの話なら今在学中の留学生から最新情報を聞き出すのはよいことだろう。どういう授業を受けるのが効果的かという話なら、卒業後に何をしたいのかで話が変わってくるが、大学卒業して海外で就職したいのか、日本で就職したいのか、もっと上の学校に進学したいのか、そうした目的をはっきり決めてからそうした経験を積んだひとからアドバイスを受けるのが得策だろう。

ま、カカシのような人間に出来るのは勉強のしかたくらいで、留学に関するアドバイスはあまり出来ない。なにしろ情報が古すぎるから。でも語学の学びかたは別に変わっていないので、多少なりとも参考になればうれしいかな。


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朗報、トミー・ロビンソン釈放される!

昨日イギリスで法廷侮辱罪で拘留されていたトミー・ロビンソンが釈放された。

髭と髪の毛が伸びて、これまでのクリーンカットなイメージとは違うが、結構元気そうでなにより。トミーに言わせると今回の拘留は前の時と違って待遇も非常によく、入所してから出所するまで他の受刑者には一人も会わなかったと言っていた。当初の予定では9月末まで拘留されるはずだったが、何故か9月中旬の釈放となった。

トミーが早期釈放になったことや、待遇が極めて良かったということは、イギリス当局もトミーを拘留したことが間違っていたと気が付いたということなのかもしれない。レベルメディアでトミーのインタビューがあるようなので、その後で詳しいことをお話しよう。

今日はとりあえず、よかった!


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上海で開店したコストコ第一店を半日で閉店させた中国人の蛮行

最近ずっと中国に関する話題を追っているが、先月上海で開店した大型スーパーチェーンのコストコ中国支店第一店開店日に、殺到した中国人たちの蛮行により半日にして一時休店に追い込まれるという事件があった。その理由を簡潔にまとめたツイッターがあったので下記に引用すると、

鈴木さんがリンクをつけてくれた記事を読んだが、まあまさにそういう感じ。ひどいなんてもんじゃない。我々文明人には全く想像がつかない蛮行の限り。

北村豊氏著の元記事を読んでみたが、鈴木さんのまとめは非常に正確。コストコは中国における商売を他の国と同じようにやってしまったことに問題がある。コストコはすでに台湾で20年以上も前から何軒も出店して成功を収めているので、同じような気持ちで開店に踏み切ったのかもしれないが、台湾人と中国人では同じ中華民族でも民度に雲泥の差があるということをもっと知っておくべきだっただろう。

この四階建ての上海支店はかなり大規模な店で日本にあるコストコの三番目くらいの規模に当たる。中国での一年の会員費は日本と同じで4500円くらい。確かアメリカでも40ドルちょっとだから非常に近い値段だ。中国では決して安くない値段だと思うが、それでも開店日の8月27日までに会員となった人の数は数万人を超えていた。

開店当日は何時間も前から長蛇の列ができ、駐車場も満杯で駐車場付近の道路は何キロも交通渋滞が起きるほどだった。開店時間より30分前にシャッターが開くと、待ってましたとばかりに数千人の客が店内に乱闘。開店特別セールの高級酒を手当たり次第に買いあさり、なんと20分で売り切れ。それでも自分たちが飲みたいからバーゲンを利用して高級酒を買うというならまだしもなのだが、そこは中国人。安く買った酒はすぐに転売して大儲け。

後日、あるネットユーザーがネットに書き込んだところによれば、彼は家族6人で4時間を費やして初日に開店と同時に入場し、マオタイ酒を12本、1人1本の制限が付いていた「五糧液(四川省の焼酎)」を6本購入し、その他に雑多な食品を購入したという。彼は同日夜にマオタイ酒6本と五糧液4本を転売して合計1万3800元(約20万7000円)の利益を上げ、コストコの年会費、駐車料金、食品代金を差し引いて1万2000元(約18万円)をわずか半日で稼ぐことに成功したという。

コストコは卸業者のようなものなので、転売がいけないとは言わないが、転売目的で爆買いする客ばかりだったら、他に本当に買い物をしたいお客は何も買えなくなり、コストコの会員である意味がなくなる。買い物を済ませてもレジに並ぶ列の待ち時間が二時間とかいう日度状態。ともかく予想をはるかに超えた大混雑で店内は騒然となり、これ以上続けたら従業員やお客さんたちに危険が及ぶと判断した当店は半日にして店を急遽閉店することにした。

長い間炎天下を外で待っていた客たちの間では大騒ぎになった。しかし店側が一時休店にた理由は爆買いだけが理由ではない。

食品売場にはプラスチックの容器に入った寿司の詰め合わせや菓子のマフィンが売られていたが、悪質な客は寿司を数個つまみ食いしたり、マフィンを1口食べたりした後に、その容器を元の商品棚へ戻して知らん顔で立ち去っていた。

・牛乳や冷凍の鶏肉といった生鮮食品がその売場から離れた場所に多数放置されていることが判明した。購入しようと当該商品を商品棚から持ち出したが、その後に購入を止めて、近くの商品棚や床に放置していったものと考えられる。冷凍鶏肉はパッケージが破れて肉汁が流れ出ていた。生鮮食品でなければどこに放置しても大した問題にはならないが、生鮮食品である以上は品質上の問題が発生しないように客も協力すべきだが、そうした意識は全般的に低いように思えてならない。


・商品売場内で子供が尿意を催した親の一部は混雑している状況下でトイレへ行くことは困難と判断し、売場の各所に設置されている金属製ごみ箱の上に子供を持ち上げて小便をさせたのだった。公共の場所で子供に小便をさせることは、今なお中国国内でよく目にする光景だが、コストコの様な会員制チェーンストア内でも平然と小便をさせるという非常識さは驚きである。これは小便だったから良かったのであり、困ったことにそれが大便になる可能性も否定できないのである。

いやいやいや、いくらなんでもそういうことは、、、と思うのは文明人の我々だからこそ。余談だが、私が住むカリフォルニア南部にも中国移民が結構多いが、100年くらい前に移住して来た中国系アメリカ人は新しく中国大陸からやって来た中国人を野蛮人と言って毛嫌いしている。「あいつら道の真ん中で糞するんだぜ!」と言ったのは台湾系三世のアメリカ人同僚。それで南加でも中国系アメリカ人と船を降りたばっかりという意味のFOBの間でかなりの亀裂が生じている。

さてさて、こんな苦労をしてでも一応売り上げは上がったのだし、上海に出店した意義はあったのだろうかという話なのだが、それがそうでもないらしい。

8月31日付の香港紙『蘋果日報(Apple Daily)』によれば、8月30日までの時点で上海コストコの会員数は10万人を突破したという。上述したように上海コストコの年会費は299元(約4485円)なので、上海コストコは開店からわずか4日間で2990万元(約4億4850万円)の年会費を獲得したことになる。

ところが、中国メディアによれば、開業から5日目の8月31日になると、状況が一変して上海コストコの商品売場にある退会窓口に多くの人々が行列を作り、担当係員は昼食を取る時間すらない有様だったという。


それは、上海コストコが開店記念に特別価格で提供した、飛天印マオタイ酒や五糧液などの目玉商品が売り切れとなり、その他の商品も開店の優遇価格から通常価格(それでも他所より安価だが)に戻ったことに起因するものだった。

コストコのどんな商品でも不満があれば100%返金しますというポリシーも、中国人相手だと悪用されかねないと台湾人から懸念されていた。なにしろ半分たべたお弁当を気に入らないと言って返品しようとする中国人が絶えないだろうからという理由。この記事を読む限り台湾人たちの心配は現実となった模様。

さて、開店当日は大騒ぎになってしまったコストコだが、当社はこれに懲りず体制を整えて再び開店。これからも第二店開店に向けて突き進む方針だとか。中国市場は魅力なのかもしれないが、中国人を文明人扱いするのは危ないとおもうけどねえ。


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若者の88%が外国に移住したいと思ってる国、韓国

ユーチューブのフィードに上がって来たアルジェジーラ作成のドキュメンタリーFleeing South Korea(韓国脱出)という番組を観て非常に驚いた。この番組によると韓国では35歳以下の若者の88%が外国に移住したいと思っているとのことだった。それというのも、韓国社会は社会が期待する生活をしていないといけないという外圧がひどく、誰もが決められた人生を歩み、自由な選択肢がないというのだ。

しかしそういう理由だけで9割近い若者が外国へ脱出したいと思うだろうか?そんなに多くの若者が韓国の社会風潮が気に入らないというなら、若い世代がその風潮を変えていけばいいのではないか。何も全員で国から逃げ出す必要はないだろう。この番組では深いところまで掘り下げて取材していないが、韓国の問題は社会というより政府の統括が厳しいことにあると思う。一見自由民主主義に見えるが実は政府の権力はかなり強く、人々の生活の隅々まで色々規制がされているのではないかと思う。だから若者たちは自由を求めて他の国へ移住する。

ニューヨークやロサンゼルス近郊には1990年代くらいから大量の韓国人が移住して来ている。私の職場があったカリフォルニアのオレンジ郡のガーデングローブ市は、東洋人など全くみかけない白人だけの保守的な市だったが、ほんの2~3年の間に韓国人街へと変わってしまった。韓国が嫌で移住して来たはずなのに、何故外国で韓国を再現するのかとても不思議だ。韓国社会にしきたりから逃れたいなら韓国人で固まって住むのはおかしくないか?

無論新移民が外国で暮らすのは大変なので、同郷の人々に助けてもらえるのは良いことではある。だが、そういう暮らし方をしていると地元に馴染めず何時までたっても進歩がない場合もあるのでこれは要注意だ。

話は変わるが、日本で何世代も外国籍で生きてる在日韓国人の人たちにツイッターで何故帰化しないのかと質問したところ、猛烈な勢いで叩かれた。私は別に帰化しなければ日本に住むべきではないなどとは言っていないのだが、何故帰化を強制するんだ、言葉もしゃべれない親族も居ない半島に帰れというのか、とすごい反撃だった。

アメリカに住む韓国人は機会があり次第帰化することは間違いない。二世代目からは自動的に帰化できるので、それを拒んで韓国籍を保持する人は先ずいないだろう。では何故日本にいる在日は日本に帰化しないのか。

ある人はアイデンティティーの問題だという。日本に帰化するということは韓国人としてのルーツを否定することになるからだという。だが、本当にそうかな?もしそれが本当なら諸外国に住む韓国人がさっさと外国籍を取ってしまうのは何故なのだろう?韓国人の妊婦がわざわざアメリカに来て子供を生み、子供をアメリカ籍にしてしまう理由はなんだろう?在日の祖国韓国人はさほど韓国籍に未練はないようだが。

もし在日の人たちがいうほど日本における在日への差別がひどいのであれば、私なら子孫のためにどんなに大変でも帰化し、日本名を名乗り、日本人になってしまうと思う。そして子孫には在日などという中途半端な立場をとらせない。母親が移民でも子供は日本人だ。それは決して韓国人の血を引いていることを冒涜する行為ではないし、祖先は半島出身だと誇りをもって生きればいい。

私が思うに彼らは口で言うほど日本で差別などされていないのではないか。また少数民族であるということで多少なりとも持っている特権を手放したくないのではないか。つまり在日という立場で居た方が都合がいい、少なくとも特に不都合はないということだと思う。

アメリカに移住した日本人で永住権はあるが市民権はないという人はいくらでも居る。それは選挙に参加できないという以外は永住権だけで特に生活に支障をきたさないからだ。外国籍だというだけでひどく差別されるなどということもない。アメリカに住んでいても自分は日本人であるという意識の強い人で、アメリカの政治に特に興味がなければ市民権を取る必要はないのである。

さて何故日本に帰化しないのかという質問にこんな風に答えた人がいる。

mold@lautream
「他人のアイデンティティを否定」と言っているだろ。そもそも在日朝鮮人の多くは強制的に日本国籍にさせられ同化教育を受けて民族の尊厳を奪われた。日本が敗戦すると今度は強制的に日本国籍を剥奪させられ多くは無国籍にさせられた。そして差別だけは変わらない。こんな国の国籍をほしいと思うか?

もしそれが本当なら、そんな国は住みたくない。さっさと荷物をまとめて家族もろとも差別されない国へ移住するねというような返事をしたら、

は?在日朝鮮人のほとんどは日本で生まれ育っている。朝鮮半島に身寄りのない人も多い。家族を殺された人もいるからな。そういう人に向かって「あなたを差別しない国に住め」だと? おまえこそ差別が蔓延している国に住んで毎日ジャップと言われ続けてみろよ。

という答えが返って来た。身寄りがなくても韓国の人たちは言葉もしゃべれない外国にどんどん移住している。差別が蔓延している国で我慢して暮らす必要はないのではないのだろうか?それに関して他の人は、

Equal@Chanmio6
そんな単純じゃないんだよ。友人も両親も日本にいる。言葉も日本語。故郷は日本だし、郷土愛もある。だけど、政府の対応や姿勢、差別には辛い思いがある。だからこそ苦しい。そんな複雑な思いを在日の友人は口にしている。そんな複雑な気持ち、アメリカ在住の君にはわからんかもしれけどな。

解らないから聞いたのだけどね。私が感じたのは在日の人たちにとって国籍は宗教みたいなものなのかなと思った。イスラム教徒の人間に、差別されるからキリスト教に改宗しろといってみても無理なように、帰化するということは異教に改宗するくらい極端な行為なのかもしれないと。だが、私はこのEqualさんのツイートを読んでふと気づいた。彼ら在日にとって祖国とのつながりは言葉でも文化でもない、友人や親族ですらない。祖国とのつながりは国籍だけだ。国籍を手放せば朝鮮人としてのアイデンティティーは消えてしまう。祖国との絆が切れてしまう。自分は根無し草になってしまう。彼らが怖いのはそういうことなのかもしれない。

韓国人が外国へ移住して躊躇もなく外国籍を取れるのは、自分は韓国人だという確固たる確信があるからなのだろう。そこが在日と韓国人との違いだ。


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移民を受け入れない日本は滅びるだあ?放っとけ!

人口減少が進む日本において移民受け入れを規制することは日本を滅ぼすことになるというワシントンポストのこの記事 。アメリカは日本の悪い例から学ぶべきという内容。著者はフランシスコ・トロ。(この記事を完全翻訳してくれた人がいたのでリンクを張っておく。訳文はコメント欄に掲示しておこう。)

誰もが覚えている限り、(日本では)確固たる政治的同意により大量移民は拒絶されてきた。結果世界中でもっとも単一民族の国となっている。日本はトランプ流理想郷と考えることが出来る。人種によって定義される国家、そして未来のない国家。

なんでトランプが移民を嫌っていると決めつけるのかね。トランプの奥さんは最初の奥さんも今の三番目の奥さんも移民だ。ま、それはともかく先を読んでみると、日本は人口減少は悲惨な状態であり、あちこちの地方都市が死滅しつつある。かつてアメリカ経済を脅かすかに見えた経済大国は見る影もない。しかも日本の男尊女卑によって世界中で一番女性が子供を産み育てにくい国になっているというもの。

この記事によれば、人手不足の深刻さにより、保守的な安倍政権ですらも移民規制を緩めているとはいうものの、まだまだ外国人労働者受け入れは進んでいない。特に外国人への差別はひどく、外国人が家族を連れてくることは難しい。また労働許可は取れても、許可の更新手続きは頻繁で複雑だ。日本は労働者を受け入れながらも、歓迎し融和を進める姿勢がないとある。

経済的には労働者が必要であるにも拘わらず、文化的に外国人労働者を受け入れる土壌がないため、多くの職が埋められないまま慢性的な人手不足になっている。例えば工業や農業、そして加齢化が進む日本になくてはならない介護の仕事などは深刻な状況だ。 そして地方では家主の居なくなった家は空き家のまま放置され地方はどんどん衰退していく。

これは単に日本の「異様」さを示す記事ではない。これは人口統計融解という真っ赤な警告表示だ。そして発展よりも純血を選んだ社会がどうなるかという告発でもある。

あなたはどちらを選ぶ?

おいおい、純血と発展は二者択一なのか?それに日本が選んでいるのは人種的に単一であることではなく文化的に単一であることなのではないだろうか?

多文化主義は必ずしも発展にはつながらない。一遍に大量の異文化移民を受け入れた西欧社会の衰退ぶりを見ていればそれは明らかなはずだ。アラブやアフリカから大量の異教徒を受け入れた国々では犯罪が急増し治安は乱れ、教養のない移民はまともな職にも付かずに社会の負担になっている。長年払ってきた年金が外国人扶養に使われ自国民が貧困に悩むなどという状態が西欧のあちこちで起きている。

そんななかで、今の日本に必要なのが大量の外国人労働者であると結論付けるのはあまりにも短絡的だ。頭数だけ増やせばいいというものではないのだ。

工業や農業における人手不足の解決は単純労働者を増やすことより産業のオートメーション化を図ることだ。また介護人不足は老齢化を防ぐ医療の発展が得策だ。すでに日本は世界中でももっとも若返り医療の研究が進んでいる国なのだ。もし一般労働者の労働期間を7年延長させることが出来れば、現在の人手不足は簡単に解決するという話を聞いたことがある。多くの日本人が年を取らずに健康状態でいることが出来れば、多くの問題が解決する。

また出産が少ないという面に関しても、若い人たちが結婚して子供を産みたいと思える社会づくりこそが大事なのであって、やたらに外国人を増やして治安を悪くすることがそれにつながるとは到底思えない。無論そのためにはガソリンの税金を引き下げ、消費税をなくすなど、一般家庭が住みやすい環境を作り上げる必要がある。

はっきり言って、日本で妊娠人工中絶が産児制限に使われているということ自体スキャンダラスなことだ。日本のように少子化がすすむ国で人工中絶などあってはならないことのはず。日本社会はもっと昔ながらの宗教を取り戻し、お見合いなどよいシステムは復活させて、若い人たちが結婚して子供を育てたい社会を取り戻してほしい。大事なのは日本人が未来に希望を持てる社会を作ることであり、やたらに外国人を受け入れることではない。


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友人の死

私とミスター苺は一応中高年ではあるが、まだまだ死と向き合うには若すぎる年代。両親の代(80歳代)になってくると回りの人がどんどん死んでいって寂しいということもあるが、我々はまだちょっとという感じ。それでもちょっと年上の友達などは深刻な成人病に悩んでいる人も結構いる。だから突然の死の知らせは全くあり得ないことではない。

近い知り合いが三人続けて亡くなった。(このエントリーを書いてる時は二人だったのに、昨日もう一人なくなり三人になってしまった。)一人は同僚で数年前までカープールをしていた仲間。そして数日間のうちに続けて亡くなったのが我々夫婦とは長年の友達で、ひとりはミスター苺のビジネスパートナーでもあった人だ。

カープールと言うのは車の相乗りのこと。自宅が近い数人の同僚が毎日交代で運転して通勤するシステム。公共交通機関が発達していないカリフォルニアでは必要なシステムだ。Mさんは私と同年代だったと思うが、仕事熱心で病欠などしたことがない人だった。いや、彼が病気だなどと言っているのを聞いたことがなかった。カープールは数年続けたが、Mさんは仕事熱心過ぎて仕事に熱が入ると我々が待っていることも忘れて何時間でも仕事に没頭してしまった。三時間待たされることなどざらにあった。それで結局彼はカープールから追い出されてしまった。Mさんの仕事熱心さは度を越していたので、多分身体の調子が悪いのも無視して仕事をしていたのだろう。なにせ彼が病欠したという話は聞いたことがなかったから。

その彼が入院したと聞いた時はもう駄目だなと思った。あの人が入院するくらいだからよっぽどの重病だろうと同僚たちは口々に言っていたが、案の定数日後に亡くなったという知らせを聞いた。たしかまだ50代だったはず。どうしてもっと自分の身体を気遣わなかったのか、残念で仕方ない。

その次に亡くなったという知らせをもらったのが友人のN。実はミスター苺と付き合い始めた頃、カップルとして初めて参加したバーティがNの家だった。Nは若いころから超肥満で、まあ大食いだった。共通の友人が心臓発作で倒れ見舞いに行った帰りに寄ったレストランで食べ放題パスタを三回もお替りしてまわりのみんなに呆れられていた。パーティの時、私が持って行った50個の餃子の皿を自分の膝の上にのせて一人で食べそうになったくらい(私が途中で取り上げなければ、、)だ。

アメリカ人の肥満というのは太り気味どころの騒ぎじゃない。特にNの場合は標準体重の三倍以上はあった。よくもあんな体で生きてられるもんだとミスター苺も私もずっと思っていたのでNが心臓発作で倒れひん死の状態だという知らせを聞いた時も、誰も驚かなかった。 60歳まで生きたということ自体が奇跡だったのだ。 健康管理ゼロの人間だったからしょうがないだろう。

そして昨日ミスター苺の親友Bが亡くなった。これは私もミスター苺もショックだった。Bとミスター苺は30年来の親友で、同じSF作家として共作で何冊か連載小説を書いていたビジネスパートナーでもある。Bは短編集の編集の仕事などもしていた。売れない作家時代によく我が家に来てはただ飯を食って帰っていった。何度外食を奢ってやったか数えきれないほどだ。それでも人柄がよく誰からも好かれたので、ボヘミアンのように友達の家を転々と泊まり歩く生活を20年以上もしていた。車も持っておらず、どこへもてくてく歩いて行ったり、他人に運転してもらったりしていた。それでも書いても大したお金にならない短編小説やテレビの脚本などを書きながら、あの頃のBは貧乏でも生き生きしていた。

それが10年くらい前、大金持ちの両親が亡くなって遺産ががっぽり入った途端、Bは作家を廃業して引退。フロリダの田舎で悠々自適なご隠居生活を始めた。はっきり言ってこれがいけなかった。Bは実家に帰って一人暮らしを始めたが、隠居生活を満喫し過ぎてどこへも行かず、我々や他の友達の居るカリフォルニアにもあまり帰ってこなくなり、時々会うと10キロ、20キロと体重が増えていた。お金も暇もあったのに医者にはキチンと行っていなかったらしく、前立腺癌だと解った時はもうステージ4という末期状態。癌と解って亡くなるまで三か月も持たなかった。Bは我々より数年年上だったが、まだ60代だった。

亡くなった人達の悪口は言いたくないが、この三人に共通している点は自己の健康管理が全くできていなかったという点だ。NはしょうがないとしてもMさんやBは医者に行けなかったわけじゃない。それなのに一年に一度の健康診断さえ受けていなかったのだろう。きょうび50代や60代で死ぬなんて早すぎる。昔の人だって100歳まで生きられる時代だ。

私たち苺畑夫婦は絶対100歳以上生きて見せると決断したのであった。

Mさん、NとB。三人のご冥福を祈るものなり。God bless. RIP.


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