サウジアラビア、イスラエルとの正常化を望むと表明

Saudi Arabia wants peace with Israel after Gaza war, envoy tells BBC

イギリス滞在のサウジアラビア大使は先日9日、サウジアラビアはイスラエルのガザにおけるハマスとの戦争終結後、イスラエルとの外交正常化を望んでいると語った。しかし、その条件としてパレスチナ自治政府の設立を提案した。

同大使によれば、10月7日以前、サウジとイスラエルは正常化を巡って合意に近づいていたという。

サウジ大使カリド王子はイスラエルを他国と同様に扱うべきであり、イスラエルに対する盲点は平和への盲点となると語った。

イスラエルのガザ侵攻により両国の正常化は暗礁の乗り上げるのではないかと懸念されていたが、サウジは交渉を続けるようだ。

これに関して、パレスチナを独立国とするなど不可能なことなので、サウジとの交渉も意味がないと考えるのは短絡的だ。何故ならもう少しで同意というところまで届いていた両国の交渉中、パレスチナ独立などという条件は出されていなかったからだ。当時と今とどう違うのかと言えば、今アラブ諸国ではこの戦争によってパレスチナへの同情、というよりイスラエルへの反感が高まっているということだけだ。

サウジアラビアとしてはパレスチナを無視してイスラエルとだけ友好関係を結ぶと言うわけにはいかない。実際にサウジ政府がそれを望んでいたとしても国民感情がそんなことを許さないだろう。だから今の段階ではサウジ政府はイスラエルに難しい条件を与えて自分らが強い立場にあるという姿勢を誇示する必要があるのである。

とはいえ、サウジも馬鹿ではない。ハマスの狂暴なテロを見せつけられて、あんな奴らがうじゃうじゃ居るパレスチナがアラブ人だけで独立政府など設立できるわけがないことは十分理解しているはずだ。だからこのパレスチナ自治政府という条件も、イスラエルがガザを完全に統治するという形ではなく、一応見せかけだけでもパレスチナ人による政府を設立し、イスラエルが警備を担当するというやり方で合意が取れるのではないかという気がする。

イスラエルがガザに再び入植するということさえなければ、サウジもそれで手を打てるだろう。実際にはサウジはパレスチナの独立などどうでもいいと思っているはずだから。

こう考えるとイランのハマスを利用してイスラエルを孤立させようとした作戦は見事失敗したということになる。


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ガザ民の戦争犠牲者数、ハマスのイカサマ数字を暴く

ガザの保険省(ハマス)の発表によれば、今年1月7日までに22,825人のガザ市民がイスラエルの攻撃によって死んだという。そしてその70%は女子供だということである。Xで@Aizenberg55と言う人がもしもガザ保険省の発表が真実だとしたら、ガザ民犠牲者の内訳は次のようになると計算してくれている。

ガザ保険省発表の人口配分は、

  • 18歳未満    47.3%
  • 女性      26.4%
  • 男性(民間人) 24.8%
  • ハマス戦闘員   1.5%

犠牲者の70%が女子供だとすると、残りの30%の6851人が男性でそのうちの民間人24.8%の5663人を引くと、ハマスの戦死者はたったの1187人と言う計算になってしまう。しかしイスラエル軍は7日の記者会見で9000人強のハマス戦闘員を殺したと発表している。

イスラエル軍と熾烈な戦いを繰り広げているハマス戦闘員が三か月でその戦死者たったの1187人なんてことはあり得ないだろう。ハマスは民間人と戦闘員を区別していないので、彼等の言う数字は全く宛てにならない。

先ず子供といっても12歳以上の少年なら十分戦闘員として役にたつ。ハマスは子供達を幼稚園児の頃からハマス戦闘員として教育をしているので、14~5歳の少年がIDFめがけて発砲するなんぞ朝飯前であろう。また、女だからといってハマスメンバーではないとも言えない。ガザの女たちはイスラエルの女性兵士らのようにきちんとした訓練を受けた戦闘員ではないとはいえ、人質の監視くらいはできる。イスラエルからは生後数か月の赤ん坊も拉致されているから、女たちが人質の子供たちの監視をしていると考えるのは自然である。現に既に開放された人質らの証言からも、彼等は女子供が普通に生活している民家で監禁されていたという。つまり実際に銃を持ってIDFに立ち向かっていないからといってハマスメンバーではないとは言えないのだ。そういう女子供たちがイスラエルの攻撃によって死亡したとしても、それは何の罪もない一般の民間人の死に含むのは無理がある。

Aizenbergはさらに、ハマスはガザ内における自然死者数や自分らが撃ったロケット弾がガザ内部に落ちて犠牲になったガザ民の数を無視していると指摘する。2022年のハマス発表のガザ民死亡率は一か月平均570人、10月7に空は1700人の計算になる。またハマスのロケット弾の10%はイスラエルに届かずにガザ内部に落ちるということなので、それの犠牲になった人々も相当な数居るはずである。

そうやって考えていくと、多分ガザ民間人の犠牲者数は12000人くらいと推定される。だからいいとは言わないが、これはイラクやアフガニスタンでの英米軍攻撃の時の戦闘員:民間人の比率に比べてずっと低い。ガザ市民の0.005%の犠牲者数はジェノサイドとは程遠い数字である。


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ニューヨークタイムス独自取材、ハマス及びガザ民間人らによるイスラエル女性達への残虐な強姦攻撃を立証

今度10月7日のハマス奇襲攻撃がイスラエルによる捏造だったとか言う人のために、この証拠は残しておこう。新情報が出次第どんどん足していく。下記の動画は日本語の字幕あり。

1/11/24 

イスラエル政府が10月7日の大虐殺を世界に訴える公式サイトを公開 2024.1.11 – オリーブ山通信 (mtolive.net)


イスラエル軍と政府が公開する10月7日の暴力の真相

レイプを武器に使う非人間的な残虐性・

一般市民も侵攻に参加の現状ガザ民間人もハマスと同じだったという証言

ユダヤ教でも困惑:歴史上類をみない残虐な死をどう扱うのか

石のひとりごと

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ハマスの悪行の数々(残虐な映像、観閲要注意!!)

This is Hamas | This Is Hamas

‘Sadistic’ Humiliation, Mutilation, And Gang Rape Were Part Of Hamas Strategy, Israeli Report Shows | The Daily Wire


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アメリカ諜報部、アル・シファ病院がハマスの司令部および人質監禁施設として使われていたと確認

あれあれぇ〜『探し物はなんですか〜見つけ難いものですか〜』とIDFの活動を皮肉った歌までX上でポストした日本の『偉大な中東専門家』に是非ご見解を伺いたいです。石井 貴子@sMhppQcmlsRY0XG

とXでつぶやいている人がいたので、なんだろうと思って読んでみたら、なんとアメリカ諜報部がアル・シファ病院がハマスの司令部および人質監禁施設として使われていたことを確認したという記事が貼ってあった。

新たに機密解除された資料によると、米国の諜報機関は、ハマスと別のガザのテロ組織がアル・シファ病院を司令部として使用していたことを確認した。

ニューヨーク・タイムズ紙が報じたところによると、米国の諜報機関は、病院の地下にテロリストが使用するための迷路のようなトンネルと部屋が建設されていたことで、病院が合法的な標的であったと示している。イスラエル軍は11月、この病院に対する軍事攻撃で大きな批判を浴びた。

AP通信によれば、「米国情報機関は、この件に関する判断に自信を持っており、ハマスとPIJが対イスラエル作戦に関連するさまざまな目的のために病院施設を使用しているという情報を独自に裏付けることができた」と機密解除された資料には記されている。病院の用途には、「指揮基盤の収容、特定の指揮統制活動の実施」、「武器の保管」などが含まれるという。

米情報当局の高官はタイムズ紙に、ハマスは当病院を司令部として使っただけでなく、「少なくとも数人の人質」を拘束するためにも使っていたと語った。

ほれみろ~イスラエル政府の言った通りだったじゃないかあ~。

実は11月の段階でIDFが病院を占拠した時点で、病院内で見つかったのは数丁のライフルと、空っぽの地下室だけだったことから、あんなものは司令部などとは言えないと言っている人たちが沢山居た。冒頭で「探し物は何ですか?」と歌ってイスラエル政府をおちょくっていた専門家せんせーたちもその一部。

しかしその後ガザでは他の病院や学校や聖廟などの下からどんどんトンネルが見つかり、ハマスが国境線を破って入ったすぐ傍からは車一台が通れるほどの巨大なトンネルが発見された。これらの証拠から、これだけのトンネルや武器庫があちこちから見つかっているにもかかわらず、アル・シファ病院だけが軍事用に使われていなかったと考える方が不自然であろう。

しかしワシントンポストは12月21日の段階でも未だ、アル・シファがハマス司令部であったという証拠は見つからなかったと主張していた

11月15日に複合施設を襲撃した後、IDFは一連の写真とビデオを公開した。「テロリストは作戦を指揮するためにここに来た」とハガリ(IDF報道官)は11月22日に公開されたビデオで語り、視聴者を地下トンネルに案内し、アル・シファの地下の暗くて何もない部屋を照らした。

しかし、イスラエル政府が提示した証拠は、オープンソースの映像、衛星画像、そして公開されたイスラエル国防総省の資料のすべてをワシントン・ポスト紙が分析したところによると、ハマスが病院を指揮統制センターとして使用していたことを示すには不十分であった。

このことは、病院に対するイスラエルの軍事作戦(病院とその下のトンネルを包囲し急襲)によって引き起こされた民間人の被害が、評価された脅威に比例していたかどうかについて、法的および人道的専門家に重大な問題を提起しているといえよう。

ポストの言い分は、IDFが病院を占拠した時には、地下室はもぬけの殻で武器も大して備蓄されていなかったことや、他の場所に続くとされるトンネルがどこもかしこも行き止まりになっていたことを挙げている。しかし、アル・シファがIDFの軍事標的になっていたことは戦争開始当初から周知の事実であった。IDFがいずれ攻めて来ると解っている場所に大事な機材や武器や人質をいつまでも置いておくと考えるほうがおかしい。

数日前にXではIDFに降参して捉えられた捕虜のインタビューが上がっていた。この男性は自分はハマスの仲間ではなく民間人であるとしたうえで、IDFの支持に従って南部に逃れようとしたときにハマスの車に阻止され、アル・シファ病院に連れて来られたという。そしてこの男性はハマスが地下室からどんどん上の階に登って来て、そこに居た民間人に紛れてしまったという。

この時、病院の外ではIDFとハマスの激しい地上戦が起きていた、いったいハマスの連中はどうやって病院の地下まで逃れたのだ?もしかしてどこからかつなげっているトンネルを通じてではないのか?

数週間前IDFはアル・シファ病院の監視カメラに写った二人の人質と思われる男性たちのビデオを公開した。一人は膝から下の脚を失う大怪我を負い担架で運ばれていたが、もう一人は歩いて二人の男たちに引きずられるようにしてどこかへ運び去られていった。アル・シフアが普通の病院なら何故人質が運び込まれたりするのだ。馬鹿な人がそれは人質が怪我をしていたからだとか言っていたが、なぜハマスがわざわざイスラエルの怪我人をガザの病院へ運んでくる必要があるのだ?それにもし彼等が怪我人だったとしたら、彼等は治療後何処へ移されたのだ?

私は最初からアル・シファが司令部でなくても、地下にトンネルがあったというだけで、すでに軍事使用されていたことは明確である以上、攻撃対象になると思っていた。普通の病院の地下にトンネルは必要ない。

ワシントンポストの記事ではIDFがアル・シファ病院を包囲し電気を止めたせいでICUの患者や保育器内に居た未熟児が大勢亡くなったというハマスの発表をそのまま書いている。病院を訪問した国連の医者たちがそう証言しているというのだ。アル・シファに長年勤めたという国連の医師がアル・シファは軍事用途に使われていいなかったと証言しているので、国連の医師のいうことなど全く信ぴょう性がない。

保育器の作動が止って40人からの未熟児が死んだといって赤ん坊の写真が公開された翌日、IDFは病院を占拠し、すぐに40人近い未熟児をエジプトの病院に移送したと発表した。あれ?保育器が作動しなくなって赤ちゃんたちは全滅したんじゃなかったの?


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イスラエルのやっていることがジェノサイド?なわけないだろ!

反イスラエルの国際社会は何かとイスラエルのやっていることがジェノサイド(民族浄化)だというが、こういう大きな言葉をやたらに振り回すのは本当にやめてもらいたい。今の状況で国際法を持ち出す学者先生方の無責任さは本当に腹が立つ。

ここで書くまでもないが、イスラエルのやっていることがジェノサイドではないことの理由をちょっと書いておこう。先ず国連のジョエノサイド条約によるジェノサイドの定義。強調はカカシ。

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第一条

 締約国は、集団殺害が平時に行われるか戦時に行われるかを問わず、国際法上の犯罪であることを確認し、これを、防止し処罰することを約束する。

第二条

 この条約では、集団殺害とは、国民的、人種的、民族的又は宗教的集団を全部又は一部破壊する意図をもつて行われた次の行為のいずれをも意味する。

(a) 集団構成員を殺すこと。

(b) 集団構成員に対して重大な肉体的又は精神的な危害を加えること。

(c) 全部又は一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を集団に対して故意に課すること。

(d) 集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること。

(e) 集団の児童を他の集団に強制的に移すこと。

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この条約の違反をイスラエルがしているかどうかは「次の行為」の前にある国民的、人種的、民族的又は宗教的集団を全部又は一部破壊する意図をもつて行われた次の行為という部分に注目せねばならない。

イスラエルの標的はあくまでハマスでありガザ民ではない。これはイスラエル対ハマスの戦争であり、ガザ民殲滅を意図した行為ではないため、この条例には当てはまらないのだ。

この条例の日本語は非常に分かりにくいと思うので、辞書によるジェノサイドの定義をこちらに上げておこう。

gen·o·cide [ˈjenəˌsīd]

NOUN the deliberate killing or severe mistreatment of a large number of people from a particular national or ethnic group with the aim of destroying that nation or group:

つまり、特定の国民や民族をその国家や民族の絶滅を目的として大量に殺害及び弾圧する行為をいう。

今回のイスラエル・ハマス戦争においては上記の項目はどれも当てはまらない。イスラエルがガザ民の民族浄化を目的としているのなら、極端な話、原爆でも落とせば済むことである。無論ガザとイスラエルは距離が近すぎるので原爆は実用的ではないから別な武器が必要だが、それでも、ガザ民を皆殺しにすることが目的であるのなら、イラクやアフガニスタン戦争でアメリカ軍が用いた*MOABを使ってガザ完全破壊を達成することはできる。自国民の兵士を危険にさらして地上戦に持ち込む理由は皆無である。

*GBU-43/Bマッシブ・オードナンス・エア・ブラスト(MOAB /ˈmoʊb/、口語では「すべての爆弾の母」と説明される)は、空軍研究所のアルバート・L・ワイモーツ・ジュニアがアメリカ軍のために開発した大爆量爆弾である[1] 。開発当時、この爆弾はアメリカの兵器庫で最も強力な非核兵器であると言われていた[2]。この爆弾はC-130ハーキュリーズ、主にMC-130Eコンバット・タロンI型またはMC-130Hコンバット・タロンII型によって運搬されるように設計されている。爆弾の名前とニックネームは、1991年の湾岸戦争中にイラクのサダム・フセイン大統領が唱えた「すべての戦いの母」(Umm al-Ma’arrik)にインスパイアされたものである

MOABは2017年4月13日、アフガニスタンのアチン地区にあるイスラム国-ホラサン州のトンネル群に対する空爆で初めて戦闘に投入された

イスラエル軍はガザ民殲滅を意図するどころか、ガザ侵攻を始める前から何日にもわたってガザ民が戦火に巻き込まれないように避難するよう告げていた。民族浄化が目的な何故かれらに避難勧告をする必要があったのだ?

イスラエルの標的はあくまでハマスであり無関係な民間人ではない。だがこれは戦争だ。民間人が一人も犠牲にならない戦争などない。

ハマスの報道による二万人のガザ民が犠牲になったという数は全くあてにならない。だいたいハマスは戦闘員と民間人の区別をしていないので、死者の何%が戦闘員なのかもわからない。病院や学校の職員もハマス戦闘員ではないとしても、ハマスメンバーであることに違いはない。ガザのような場所である程度の地位に就ける人はハマスメンバーでなければ無理だからである。また、返還された人質の話によれば、国連経営の学校の教師の家で監禁されていたという。ハマスのようなテロ組織は女子供も手先に使う。人質の監視を女がしていれば、彼女もまたハマスメンバーだ。子供が爆弾や武器の配達を行っていた事実もある。これまでにも小さな子供が手りゅう弾を投げるなどの行為したこともある。だから、犠牲者に女子供が多くいたとしても、彼等が完全に無実な非戦闘員だと断言することはできないのである。

このような状態で民間犠牲者の数が多いという理由で(実際多いかどうかも解らないが)、民族浄化だという理屈が通るのなら、どんな戦争もジェノサイドだということになってしまう。イスラエルの今回の戦争が他に何万回と繰り返された戦争と全く違ってジェノサイドであると言い張るなら、その根拠を出してもらいたい。現在進行形で起きているトルコ政府によるクルド人テロ組織PKK地域への空爆などは、どういうカテゴリーに入るのだ?

さて、こういう話をすると、いや、イスラエルのジェノサイドは今に始まったことではない、もう75年間もパレスチナ民族浄化をやっているではないかという人がいる。だが、これがバカバカしい屁理屈なのは現状が物語っている。

これはダグラス・マレー氏も言っているが、ガザの人口は2005年にイスラエルが撤退してから10倍に膨れ上がっている。民族浄化をしているのに人口が爆増するというのはどういうことだ?イスラエルはよっぽどジェノサイドが下手なのか、ジェノサイドなど起きていないかのどちらかでしかない。これにひきかえ1947年以来近隣諸国のユダヤ人人口は激減。いまや完全に絶滅状態。誰がジェノサイドをやってるんだと聞きたい!

イスラエルの軍隊が強力であることは誰もが認めることだ。その気になればイスラエルはイスラエル領内からパレスチナ人を完全に追放することが出来る。ガザからイスラエル民間人を撤退させた後で、ガザをまっ平にすることもできた。なのにしなかった。

ナチスドイツはドイツ政府占領下にあったドイツおよび近隣諸国のユダヤ人の財産を没収し、組織的に強制収容所に拘束し、後に大量処刑を行った。ユダヤ民族を絶滅させるためである。ジェノサイドといはこういうものを言う。ナチスドイツとイスラエルの行為のどこにも共通点はない。

最後のXでbuveryさんが書いたポストを張って終わりにしよう。

サウジなどイエメン人を40万人弱殺しているし、今も紛争は続いている。スーダンのジャンジャウィード、サブサハラのボコハラム、ソマリアからケニアのアルシャバーブ、その他、イスラム国、アルカイダ、無数のイスラムテログループがジェノサイドを引き起こしているが、イスラムが殺す分はノーカン。

国連がこういう本当の意味でのジェノサイドについてだんまりを続けている限り、彼等のイスラエル批判になど耳を傾ける必要はない。

追記:ジェノサイドの効果がどう表れるかを示したグラフ。赤い線はジェノサイドによって人口が減ったことを示すもの。ガザの人口(右下)はまるで減っていないことが解る。

Dr. Eli David@DrEliDavid

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真珠湾攻撃がテロというのがアメリカ人の認識という嘘を暴く

とあるソーシャルメディアでアメリカでは真珠湾攻撃や特攻はテロという認識だと書いている人がいたので、ここではっきり反論しておこうと思う。

もしも真珠湾=カミカゼ=テロという構図がアメリカでは常識的認識だというのであれば、こういうことでは無難な広い認識で書かれているウィキペディアやブリタニカやヒストリーチャンネルサイトなどにきちんと書かれているはずだと。これらのサイトは政治的な情報は左翼リベラル偏向があるとはいうものの、真珠湾はあまり色々意見のある史実ではないので、アメリカ人の普通の認識ならなにかしら書かれているはずである。

それで今朝これらのサイトで真珠湾について検索してみたが、真珠湾は、奇襲攻撃であり卑怯だと捉えられているという内容はどこでも見つかったが、テロ攻撃と考えられているという文章はどこにも見つからなかった。繰り返すがこの認識が常識であるなら「奇襲は卑怯」とまで言っているこれらのサイトでテロのテの字も出てこないのはおかしい。

それから前述の人が特攻は真珠湾攻撃でも起きたと書いていたことに関しても彼女が提供した英文記事を読んでみたが、特攻は早い時期では1941年の真珠湾でも見られたとはあったが、本格的特攻隊の起用は第二次世界大戦の末期1944年からであると書かれていた。この真珠湾攻撃でのパイロットによる特攻は作戦としてのものではなく、米軍の迎撃を受けて操縦不能になったパイロットが米艦に突っ込んでの自決となったものであり計画的なものではなかった。よもぎねこさんがコメントしてくれているが、彼の亡骸は米軍によって手厚く葬られたそうだ。テロリストにこんな扱いをするか?

ここでもう一度テロとは何かをおさらいしておこう。テロリズムとはある種の政治目的のために、殺人、拉致、建造物破壊などあらゆる暴力t行為によって社会に恐怖を与える犯罪行為であり、攻撃対象は無差別で軍や政府機関のみならず民間人や民間施設も対象となる。

であるから戦争中に正当な軍事標的を攻撃する行為はテロとは言わない。真珠湾攻撃は宣戦布告が遅れたとはいえ、戦争中の戦闘行為である。ロシアによるウクライナ侵攻がテロでないのと同じことだ。

ではなぜ真珠湾攻撃や特攻がテロと比較されるのであろうか。これについてライターさんが紹介してくれた二つの記事を読んでみよう。まずは窪田順生:ノンフィクションライターの見解から。

窪田氏はこのエントリーで「かつての日本は「テロ国家」というアメリカの常識」と言ってのける。私の今は亡き友人は軍事オタクで第二次世界大戦のナチスや日本に詳しい作家だった。彼はナチスに関する本も書いており、うちに来ると、ことあるごとにWWIIの話をしたが、彼が日本を「テロ国家」と表現するのを聞いたことがなかった。だから、この「アメリカの常識」というのもかなり胡散臭い。

窪田氏は2022年にウクライナのゼレンスキー大統領がアメリカから資金援助を懇願しに来た時の演説でロシアの侵攻を真珠湾攻撃や911同時多発テロを引き合いに出したことについて、日本人の感覚からすると真珠湾と911を比較されるのは釈然としないかもしれないが、これはアメリカ人の感覚では普通だとしている。

アメリカの教育現場では、真珠湾攻撃は民間人68人が命を奪われた、卑劣な奇襲攻撃として教えられる。2007年には、ブッシュ大統領(当時)も国内で演説中、米軍のイラク駐留を継続させる理由を述べる際、アルカイダの同時多発テロ事件と真珠湾攻撃を重ねる発言をしている。

窪田はこの文章で二つのことを一緒にしている。アメリカで「真珠湾攻撃は卑劣な奇襲攻撃である」という認識があることは否定しない。だが、卑劣=テロではない。ブッシュ大統領が911の攻撃を真珠湾攻撃に例えたのも、これが奇襲攻撃だったということと、アメリカ国内領土への攻撃だったということで引き合いに出したのであって、真珠湾攻撃はテロ攻撃だったという意味で言ったのではない。

同じようにゼレンスキー大統領はウクライナにとってロシアの侵攻は、アメリカにとっての真珠湾や911と同じくらいショックなものであるという意味で比べたのであって、真珠湾がテロだったと言ってるわけではない。彼がロシアのウクライナ侵攻がテロだったと言っていないことを考えれば明白だ。

簡単に言うと、真珠湾と911テロの共通点は、1)奇襲攻撃、2)アメリカ領土内への攻撃である。アメリカは日本と違ってアメリカ国内領土が攻撃されたのは真珠湾と911の二回しかない。そういう意味でこの二つの出来事はよく引き合いに出されるのである。だが、911の故意に民間人を狙ったテロ要素は真珠湾攻撃には含まれない。

アメリカではWWIIについて英米豪などを同盟軍と呼び、独伊日を枢軸と呼んでいた。当然ながら戦争中敵であった旧日本帝国は悪者扱いである。ヒロヒト、トージョー、ヤマモトはドイツのヒットラー、ゲーブル、ヒムラ―などと同じファシズム独裁主義の象徴として、いまでも引用される。

であるから窪田氏が旧日本帝国はアメリカにとっては悪の象徴だといいたいのならそれは理解できる。しかし「テロ国家」となると意味が変わってくる。

正直私は「テロ国家」という概念そのものが新しいもので、その概念が生まれたのはモスリムテロが盛んになった1980年以降のことだと考えている。そして主にこれはイスラエルを表現するために出来た言葉だ。

パレスチナによるテロが盛んになりだした1980年代からよく聞くようになったのは、親パレスチナの人びとがパレスチナ人によるテロを擁護するために「テロは悪い、だがイスラエルこそがテロ国家だ」という云い方だ。つまり、イスラエル以外の国で「テロ国家」と表現されていた国はそれまで存在していなかったのだ。

あれだけの悪行の限りを尽くしたナチスドイツですらも、テロ国家とは言われていないのを考えれば、納得いただけるのではないかと思う。

でもカカシさん、日本のカミカゼはテロだと恐れられていたのではありませんか、とおっしゃるかもしれない。だがこれも違う。確かに自らの命を犠牲にする特攻はアメリカ軍には異質なものと受け止められたが、それはひとつの軍事作戦だと理解されていた。

ただ後々モスリムテロリストたちが自爆テロを始めた頃に、自分の身体を武器にしての戦い方が同じだということで比べられるようになったのは確かだ。しかしここでも共通しているのは自爆行為であってテロ行為ではない。

特に日本について知らないアメリカ人からしたらモスリムテロもカミカゼも同じ扱いなのではないかと思われるかもしれない。それについてもうひとつの記事松下政経塾の山本明広氏のエッセイから読んでみよう。これは2001年9月28日、911同時多発テロ直後に書かれたものだ。

真珠湾攻撃以来の攻撃がなされた、と幾度となく報じられた9月11日の同時多発テロは、米国の経済と国防の中枢を破壊することで米国の威信を失墜させ名誉を汚した。しかしながら、このテロ行為を報じる中で日本の名誉も著しく汚された側面がある。それは、今回のテロ行為をkamikaze attack と表することである。

山本氏は特攻とテロとは違うという立場であり、911テロの旅客機を操縦したテロリストをカミカゼパイロットと比べられるのは不本意だという内容である。

しかし山本氏も私同様911が真珠湾と比べられるのは奇襲攻撃であったということが大きな要因だとしている。強調はカカシ。

真珠湾攻撃以来という表現に対しても、不快な気持ちを抱いた日本人は多々いるだろう。では、なぜ真珠湾攻撃以来といわれなければいけないのか。これに対しては、様々な見解があると思われるが、奇襲だということが一番大きな要因のように思われる。米国の教育現場(米国史)でも真珠湾攻撃は典型的なSneaky attack(奇襲)として教えられている。従って、真珠湾攻撃以来だという報じ方に日本に対する感情を表すというよりも今回のテロ行為が、いかに奇襲であったかを表現したかったのだといえる。

まさしくその通りだ。しかもその攻撃の仕方がパイロットが自らの命を犠牲にして標的に突っ込むというやり方だったので、カミカゼが引き合いに出されたのは自然な成り行きといえるだろう。

この記事を読んでいて思ったのだが、アメリカでは「カミカゼ」という言葉がすでに「自爆攻撃」という意味で使われるようになっており、それは語源となった「神風特攻隊」とは別ものとして独り歩きしているのではないだろうか。もう何年かしたらカミカゼが日本語だったことを知ってるひとすら居なくなるのではないかという気がする。(英語のタイクーンの語源が日本語の大君であるように)

興味深いことにカミカゼがテロ攻撃に引き合いに出されるのは心外だとする山本氏の2001年のエッセイに「旧日本帝国はテロ国家だと思われている」とは全く書かれていない。もしアメリカで旧日本はテロ国家だったという認識が常識であったなら、この山本氏のエッセイにこそ、それが指摘されてしかるべきではないか?


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どのようにアメリカの公立小中高校で反ユダヤ主義が教えられているか 

先日もアメリカ各地の大学であからさまなユダヤ人差別が行われているという話をしたが、実は反ユダヤ思想はすでに公立学校では小学校レベルから組織的に生徒たちに教えられているという記事を読んで非常に驚いた。これはイスラエル・ハマス戦争が始まるずっと前から起きており、戦争によってさらにひどくなったようだ。記事の著者はフランチェスカ・ブロック。

ブロックによると小学校前の幼稚園生からイスラエルはアパルトヘイト社会でありユダヤ人は人類の敵だと教えられているという。ブロックは公立学校でどのように反ユダヤ思想が教えられているか色々な例をあげて紹介している。

By Francesca Block

去年、シリアナ・アボード(Siriana Abboud)というニューヨークにある幼稚園の教師は、人間の身体について生徒たちに教えると称して四つの形の違う鼻の絵を生徒達に見せた。二つは小さい鼻、一つは鍵鼻、もう一つはノーズリングのついている絵だった。

「どうして人の鼻は違うのでしょう?」と質問が書かれており、子供たちはそれぞれ自分の意見を描き込んだ。「祖先が理由だと思う」「どこからきかかによると思う」といった答えの横にアボードは「人種によるものです。絵からは鼻の形で人の人種がわかるのです」と書いた。

しかし同じ学校区のベテラン教師でユダヤ教の男性はこのポスターを見てショックを受けたとザ・フリープレスに投稿している。「これは明らかにユダヤ人の鼻が大きいというステレオタイプを示したもので、ナチスの漫画を思い出させる。私は背筋がぞっとした。明らかなユダヤ人差別だ。」

The poster Siriana Abboud put up in her pre-K class last year.

しかし20代の教師アボードは罰せられなかった。それどころか去年の12月、彼女は「幼児の重要な仕事に対する社会の期待を高める解放を鼓舞する教育者」としてその年の「ビッグアップル賞(最優秀教師)」に選ばれたという。

アボードは自らのインスタグラムアカウントのプロフィールにレバノンの旗を掲げ、アラブ中心の教育、パレスチナについて子供とどう語るか、脱植民地教育などと書いている。10月7日のハマスによるイスラエル奇襲攻撃にういて、アボードは9日に、「今でも壁を破壊している人々を支持する。盗まれた土地を取り戻すために戦っている同士と共闘を誓う」と書いていた。その前には脱植民地の教育は幼稚園児から始める必要があるとも書いていた。

フリープレスによれば、このような反ユダヤ教育を行っている公立学校は幼稚園や小学校を含め全国で30以上に及ぶと言う。アメリカの若者は反ユダヤ主義をティックトックだけで得ているのではなく、学校で教えられているのだ。カリフォルニアなど10年生(高校1年)の歴史の授業でイスラエルを「過度に違法なユダヤ人入植者」と表現しイスラエルがパレスチナ民族の浄化を行っているとおしえているとうのだ。

こうした授業は2021年にカリフォルニアで通った「エスニックスタディーズモデルカリキュラム(ESMC)」に基づいており、このカリキュラムでは、被抑圧者である黒人、ラテン系、アメリカ先住民、アジア系アメリカ人らがいかに白人抑圧者によって抑圧されているかが教えらている。ユダヤ教リベラル・バリュー研究所の教育・地域活動ディレクター(the director of education and community engagement for the Jewish Institute of Liberal Values)のブランディ・シュフティンスキ(Brandy Shufutinsky)はESMCは「カリフォルニアの学校で反ユダヤ主義を組織的にするトロイの木馬ですよ」と語る。

一方全国50州で百万人を超す中学生が中東の歴史についてブラウン大学制作のチョイスプログラムから学んでいる。ブラウン大学はハマスの首領たちを匿っているカタールから多額の寄付金を受け取っている大学である。ブラウン大学の教材には「パレスチナのシオニスト企業」「アパルトヘイト国家」「植民地主義」「軍事占領」などといったレッスンが含まれている。

ハーバードハリスの世論調査によれば、18歳から24歳の67%がユダヤ人は抑圧者でありそのように扱われるべきと答えている。これが25歳から34歳では44%、45歳から54歳では15%、55歳以上ではたったの9%だった。反ユダヤ主義思想は若くなるほどひどくなる。

百万人以上の生徒がいるニューヨークの公立学校ではCulturally Responsive-Sustaining Education Framework (CRSE)という名前で2018年からこのカリキュラムは始まった。いわゆる批判的人種理論の一貫だろう。CRSEではユダヤ人差別を特別に扱っているわけではないが、ユダヤ人は白人と同じで抑圧者カテゴリーに属すると教えられているとシュフテインスキは語る。

以前にもDEI(多様性・平等・包括性)の元ディレクターが語っていたが、この抑圧者対被抑圧者という理論によれば、少数民族であるユダヤ人が権威ある立場に多くいるのは、誰かを抑圧したからに違いないという理屈で成り立っている。トークショーホストでユダヤ教学者でもあるデニス・プレーガーもユダヤ人の罪は「成功してしまった少数民族」であることだと言っていた。被抑圧者は成功できないはずであるから、地位や名誉のあるユダヤ人は誰かを犠牲にしてそれらを得たのだということになり、さらにユダヤ人への憎悪を煽る仕組みになっている。

ニューヨークのクィーンズにあるヒルクレスト高校では、先月11月20日、イスラエル支持集会に参加したユダヤ系の教師の教員室前に数百人の生徒が集まり、教師を処刑しろとわめき散らし教師は数時間自分の教員室に閉じ込められてしまった。

同高校に務める別の教員は「こんなことは見たことがない、教員がユダヤ人なので社会は全くきにしない、彼女が黒人だったら暴動がおきてますよ。色々な人が首になってセンシティビティ訓練を受けさせられるでしょう。」と語った。

この教師の言う通り、ニューヨーク教育委員会の会長はこの教師は特にこれといった危険にさらされていなかったとし、これはネットで広まった誤解が原因だったと過小評価した。数日後ヒルクレスト高校は教員攻撃の首謀者を停学処分にした。その後「パレスチナ糞食らえ」という落書きが同高校の食堂に書いた15歳の生徒は悪質な嫌がらせをした罪で逮捕された。徒党を組んで教師の命を脅迫した生徒はただの停学で、ただの落書きした生徒が逮捕される。それが今のアメリカの公立学校だ。

11月9日、ニューヨークでは教師や保護者が一緒になってパレスチナ支持デモに参加させるために生徒たちの授業ボイコットを主催した。

私はこの学生たちのデモの写真や動画を観たが、パレスチナは世の中を綺麗にするといって、ユダヤの星をゴミ箱に捨ててるポスターを持ってる子たちも居た。これらのデモ行進の前に「活動の日キット」と称してデモのためにどんな準備をするかという11ページにもわたる小冊が配られ、「シオニストは要らない!」「川から海へ!」などのスローガンが書かれていた。

随分用意周到だが、一体これにかかったお金は誰が払っているのだ?まさかニューヨーク市民の税金が使われているのではないだろうな?

12月6日、カリフォルニアのオークランドの教員70人が学校のカリキュラムにない「パレスチナ101」という授業をし、そのなかで最初のインティファーダは「概ね非暴力的抵抗運動だった」と教えている。本当は1000人のパレスチナ人と100人以上のイスラエル人が死んだ闘いであるにもかかわらず。

このような状況では、公立学校に通うユダヤ系の生徒たちが悪質ないじめにあうのは当然である。とあるユダヤ人の母親は2年前当時中学生の息子が廊下でナチスの敬礼をされたという。そして13歳のバーミツヴァ儀式の日、クラスメートたちはスナップチャットを作成に息子に反ユダヤミームを大量に送り付けて来たと言う。

これがそのミーム。

こうした虐めは母親が気付くまで一か月以上も続いていた。母親は学校の校長に通報したが、仕返しが怖かったという。学校側にこうした虐めは良くないと教育して欲しいと要請したが学校側はなにもしなかったという。仕方なく母親は息子を別の学校に転校させた。

ドキュメンタリー映画製作者のアンドリュー・ゴールドバーグの11歳の息子もクラスメートから執拗な嫌がらせをうけ、何度も学校に苦情を述べたが納得のいく対応をしてもらえず、仕方なく私立のユダヤ系中学に転校させた。学校側に慰謝料として新しい中学の一年分の授業料を請求すると、学校側は金は払うがその代わり学校で何がおきたか誰にも言わないでほしいと交換条件をだした。しかもその手紙が届いたのはハマスがイスラエルを襲撃した翌日のことだった。なんという無神経さだとゴールドバーグは怒る。ゴールドバーグは無論これを拒否した。金で自分の沈黙は変えないとゴールドバーグは語った。.

記者のブロックは公立学校に通う20人以上のユダヤ人父母たちから10月7日以降、子供の安全が心配でならないという話を聞いたという。

1人の母親は泣き声で娘にユダヤの星ネックレスを隠すように言ったという。このネックレスは娘が夏にバーミツヴァのお祝いにイスラエルでもらったものだった。そして道でユダヤ人かどうか聞かれても答えるなと指導したという。

「私は誰かが1940年代に言ったようなことを2023年のニューヨークで言わなければならないなんて狂ってます。」

他の母親も全国一の公立学校と言われるタウンセンドハリス高校から息子二人を私立高校に転校させることを真剣に考えていると語った。去年長男のクラスメートが体育の授業中に「ホロコーストで死ね」と言ったという。次男はバドミントクラブのウエッブサイトでは記念撮影写真で他のメンバーの顔は写っているのに息子の顔だけはパレスチナの旗で隠されて公開されたという。普通ならコーチとかが注意するべきところだが、ユダヤ人いじめは学校は黙認するようだ。

自分の顔だけパレスチナ旗に隠された次男。

母親は学校に苦情を述べたが「偏見の可能性がある事件」かもしれないと教育委員会に報告するとだけ言われたという。ソーシャルメディアでは何を言っても罰せられないという雰囲気になっているとこの母親は語る。

また別の母親は子供二人が通う別々の公立学校のトイレに鍵十字の落書きが現れ、「パレスチナ解放」や「ハマス万歳」などがトイレの壁に書かれていたと言う。学校側はこの激しいユダヤ人差別にどう対応していいのか分からないようだと語る。

ユダヤ人差別を受けているのは生徒達だけではない。前にも述べた教員室に閉じ込められた教員以外にも色々な教師たちが反ユダヤの暴力を受けている。

公立学校のとある教員は10月7日のずっと以前からユダヤ人差別の扱いを生徒からも同僚の教師たちから受けていたと語る。特に2018年にthe Culturally Responsive-Sustaining Education Frameworkプログラムが始まったころからひどくなったと言う。

この道25年というベテラン教師のカレン・フェルドマンはこの平等プログラムが始まって以来教師たちが「白人」と「非白人」に分けられ職員室も別々になってしまったという。なんだこれは、まるで公民権前のアメリカみたいじゃないか、ただ今度は白人が差別される側になっただけ。

フェルドマンはユダヤ人なのでどちらにも属さない気がしたという。自分がユダヤ人でホロコースト生存者の孫だということは全く考慮に入れられていなかったと語る。この平等プログラムのセッションは以前は一か月に一度だったのが今や一週間に一度のわりで行われているという。

2018年からフェルドマンは幾度も反ユダヤ行為を見て来たという。男子トイレの壁に「Gews(綴り間違え)チンコ吸え」と書かれていたり、ユダヤ人生徒の前で他の生徒が「汚いユダ公をどう処理する?」「オーブンで焼いちまえ」と言っているのを聞いたという。

「ユダ公は嫌いだ、チンコ吸え!」

ある母は非常にショックをうけ子供を転校させてしまったという。

一度などはフェルドマンは10人くらいの生徒らに囲まれ「トランプ支持者」とののしられどつかれたり飴を投げつけられたりした。生徒達はユダヤ人はトランプ支持者だと思ったらしい。(全然違うが)

しかし学校側は特にこれといった対策はとらず、単に学校のカウンセラーが生徒達に事情を聴くと言った程度でおわってしまった。同僚の教師は生徒からスナップチャットで鍵十字の絵を送られた。彼はそれを通報すべきかどうかフェルドマンに聞いたという。「もちろん通報しなきゃだめよ、世界一嫌われているシンボルよ。首縄と同じよ!」と言ったという。

ニューヨーク教育委員会はイスラエル領事からハマス襲撃のビデオを鑑賞会の招待を受けたが拒否した。教育委員会は記者会見では立派なことをいうが、実際に差別されている生徒や教師らには何もしない。

以前にユダヤ人差別だと責められたイーロン・マスクがイスラエルに視察に行った後に「人は何を言うかではなく、何をするかで判断されるべきだ」と言っていたがまさにその通りだ。ニューヨークの教育委員会はその態度から反ユダヤ主義を止めるきがないことは明らかである。

いやそれどころか、2022年、会員300万人という最も大きな教師労働組合で、歴史や地理や現在のパレスチナ人の状況について教えることを支持するという決議案が通された。ガザの学校ではイスラエル憎悪の教育がされているが、アメリカでもすでに2018年くらいから反ユダヤ教育がされていてきたのだ。道理で大学があのようになるわけだ。

Francesca Block is a reporter for The Free Press. Follow her on Twitter (now X) @FrancescaABlock. For more on antisemitism in our schools, read Jackson Greenberg’s piece “The Unconscientious Objectors about how his progressive private education in Philadelphia left his peers morally confused.

参考記事:

My Son Faced Antisemitism. His School Tried to Buy Our Silence (newsweek.com)

How U.S. Public Schools Teach Antisemitism | The Free Press (thefp.com)


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イスラエル批判はユダヤ人差別が根底にある、その逆ではない

今回の話はイスラエルがガザをどうすべきかという話ではなく、現在欧米諸国で起きている反ユダヤ思想の根底について考えてみたい。

昨晩私は数人の反ユダヤ主義者にXで絡まれた。彼等は自分らのあからさまな人種差別意識を隠すために、自分らが批判しているのはイスラエル政府でありシオニズムだと主張していた。しかし、こういう人達と話をしていくと、実はそれは嘘で彼等の意識の根底には根深いユダヤ人嫌悪があることが解ってくる。

何故私がそう思うのかというと、彼等は10月7日のハマスによるイスラエル人大虐殺を過小評価し、「テロは悪いだが、、」と言ってイスラエルがパレスチナを散々虐待してきたのだからテロをされてもしょうがないとか言い出す。そしてイスラエルがハマス退治に始めた戦争に関しても「やり過ぎだ」「今すぐ停戦しろ」と言いながら、ハマスの執拗なロケット弾攻撃を批判せず、ハマスに人質を早く返せとも言わない。

そしてもちろんイスラエル殲滅を意味する「川から海へ、パレスチナ解放」と平気でわめくのだ。

イスラエル国家を殲滅すべき、ユダヤ人は祖国をもつべきという思想のシオニズムを否定しておいてユダヤ人差別をしてるわけじゃないなんて良く言えると思う。日本人に日本と言う祖国を近隣諸国に明け渡して流浪の民となれといいながら「別に日本人が嫌いなわけじゃない」などと言って納得する日本人がいるか?

彼等は欧米諸国で起きているユダヤ人差別運動はイスラエルの方針への抗議だと言う。だからイスラエルが戦争をやめれば反ユダヤ思想も収まるというのだ。いや、もし彼等がそれを信じているとしたらお人よしにもほどがある。今イスラエルに戦争をやめろというのはイスラエルに自滅しろと言っているのと同じだ。それを言いながらユダヤ人差別をしていないって?イスラエルは国際社会に良く思われるために自殺する義理はない。

欧米諸国で起きている反ユダヤ運動の根底にあるのはイスラエル批判ではなくユダヤ人憎悪である。そしてその原動力はヨーロッパのキリスト教徒が持っていたユダヤ教徒差別意識ではなく、ここ2~3十年欧米諸国が低賃金労働者として無差別に受け入れて来たイスラム教徒たちである。彼等はイスラエルとハマスの戦争を口実に自分らの反ユダヤ及びキリスト教徒への憎悪を誇示し、地元の欧米人を威嚇しているのだ。彼等の目的はイスラエルの方針を変えることではなく、欧米をイスラム教が乗っ取りことにある。だからモスリム過激派と一緒になって「クィアーとしてパレスチナを支持する」なんてことをやってる馬鹿どもは、地元でモスリムが権力を持ったら、次は自分らが標的になるのだということをまるで解っていない。

もしこの戦争がレバノンによる西岸パレスチナ自治区への侵攻だったら欧米のモスリムは抗議しただろうか?するわけがない。シリアのアサド政権が何十万というアラブ人を虐殺した時も、中国のウイグル人が民族浄化を受けているいまですらも、彼等がシリアや中国に対して抗議したことなど一度もないからだ。この戦争がアラブ人同士の戦争ならモスリムはどちらが勝とうと興味がない。どんな非人道的な虐殺が起きていようと声を上げない。

だからイスラエルが方針を変えればユダヤ人差別がなくなるなんて考えは完全にナンセンスなのだ。

日本も油断できない

日本でも極左翼の緑の党の連中が、連日イスラエル大使館の前でユダヤ人差別運動を行っている。そのデモに混じって明らかなアラブ系男性達がいる。すでに日本でもクルド人移民による様々な犯罪行為が問題になっているが、今後もイスラム圏からの移民はどんどん増えるものと思われる。覚えておかなければならないのは、モスリムが嫌いなのはユダヤ教徒だけではない。彼等は非モスリムを同等の人間とは思っていないのだ。日本にはユダヤ教徒などほとんどいないから問題にならないなどと思っていると、寺院や神社への攻撃が起きるのは時間の問題だ。

モスリム抗議者の攻撃対象がユダヤ教徒だけでないことは、ここ数日のパレスチナ支持者らによる北米での暴力行為をみていればわかる。先日もニューヨークでは伝統的な大型クリスマスツリーの点灯式をパレスチナ支持者たちが妨害し、機動隊が出動するなどして大騒ぎになった。せっかくクリスマスツリーを観ようと各地から集まってきた人々の夜が台無しになった。

カナダのショッピングモールではサンタクロースにプレゼントのお願いをする家族連れでにぎわう場所で「パレスチナ解放」を怒鳴り散らす暴徒らが子供達を恐怖に陥れた。クリスマスとイスラエルの戦争とどういう関係があるというのだ?キリスト教徒に嫌がらせして何が変わるというのだ?

カリフォルニアでもパレスチナ支持者らが高速道路を塞いで座り込みをし、クリスマスシーズンで大混雑する交通がさらに渋滞して悲惨なことになった。特におとといのロサンゼルス空港付近での座り込みは、多くの旅行客の移動を邪魔し大混乱が起きた。今の時期クリスマス休暇で帰省する人も多い。久しぶりに家族に会いに行く人もいるだろうし、長年計画していた海外旅行を楽しもうという人もいるだろう。病院に急ぐ救急車もあっただろう。こうやってイスラエルとは無関係のアメリカ人の生活を邪魔することがイスラエル政府の方針とどんな関係があるというのだ?

モスリム移民の数が増えれば日本でも必ずや起きる。モスリム住民の多い地域では除夜の鐘が禁止されたり、初詣が阻止されたり、なんてことが起きかねない。彼等は数を増すにすれ横暴になるから。

イスラエルの方針変更でユダヤ人差別はなくならない

欧米諸国や日本の一部で起きている反ユダヤ運動はイスラエルとハマスの戦争ではない。この戦争はユダヤ人叩きを公にするための単なる口実だ。例えイスラエルと言う国がこの世から消えてもユダヤ人差別はなくならない。同時にモスリムによるキリスト教及び異教徒への差別もなくならない。彼等は憎しみを原動力に生きる人々だからだ。

だから日本のお花畑さんたちが、これがイスラエルの問題だと思ってるなら、もっと真剣に足元を見た方がいい。モスリムによる侵略はすでに始まっているのだ。


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ユダヤ人差別で明らかになるアメリカ左翼リベラルの偽善

アップデート:12月9日現在。ペン大学のマギル学長は学長の座から本日付けで辞任した。しかし教授としては学校に残る予定。

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数日前、フィラデルフィアにあるイスラエル移民経営のファラフルレストラン前で何百人というハマステロリスト支持者たちが集まり店主や定員たちを脅迫した。店主がイスラエル出身だからといって今回の戦争とは直接関係はない。外国に住む一レストラン経営者を脅して何の意味があるというのだ。それでもアメリカがイスラエルと戦争をやっていると言うのなら同意は出来ないが感情的には理解できる。だがアメリカとイスラエルは同盟国であり、バイデン政権は一応表向きはイスラエルの自衛権を支持しているのだ。

先日もニューヨークの高校でイスラエル支持の平和的な集会に参加したユダヤ系の高校教師が怒り狂う生徒達に追い詰められて自分のオフィスに何時間も閉じ込められるという事件が起きたばかりだ。

また毎年12月に来るハヌカ期間中にアメリカ各地の都市でミノラと呼ばれる大型燭台に一日づつ灯を灯す行事を行う伝統があるが、今年はこんな状況なので中立を保つためと言ってこのイベントをキャンセルする市が出てきている。しかしアメリカ在住のユダヤ教徒の行事とイスラエルの戦争とは直接関係ないはずだ。同じ民族だというだけで他所の国で起きている戦争のために国内のユダヤ人の行事をキャンセルするのは単なるユダヤ人差別である。

もちろんその理屈でいくなら、イスラエルの国策を批判したからといって、それは必ずしもユダヤ人差別にはならないはずだということになる。無論それはそうだ。しかしイスラエルのガザ攻撃を批判する人のなかで、ハマスのテロ行為を糾弾し人質の返還を唱えハマスによるロケット弾攻撃はやめるべきだと訴える人が全く見当たらない。単に罪のない人々がこれ以上犠牲になって欲しくないというのなら、ガザ民同様イスラエルの無実の民間人の犠牲に対しても同じように思いやりがあってしかるべきだが、そうはならないのだ。

日本でも毎日のように東京のイスラエル大使館の前でデモをやっている緑の党の議員のXアカウントでは、イスラエルに今すぐ停戦しろ、ガザ民攻撃をやめろ、といいながらハマスに対してロケット攻撃やめろ、人質返せとは一言も言わない。批判はすべてイスラエルに向けられる。なぜだろうか?

ユダヤ人差別は一応聞こえが悪いので、自分はシオニズムを批判しているのであってユダヤ人差別をしているわけではないと言い訳する人がある。これは昔からある詭弁だ。シオニズムとはユダヤ人がユダヤ教国家を持つことであり、シオニズムを支持しないということは、ユダヤ人に国家を持つなと言う意味だ。もし日本人に対して「日本人を差別してるわけじゃないけど、日本という国は存在すべきじゃないと思う、さっさと近隣諸国に土地を明け渡して日本人は永遠に流浪の民として暮らすべきだ」などと言われたら、日本人はどう思うだろうか?

議会におけるエリート大学学長たちの反ユダヤ人発言が波紋を呼ぶ

先日アメリカ議会においてマサチューセッツ工科大学、ペンシルベニア大学、ハーバード大学などエリート大学の学長たちが招かれ大学キャンパスで高まる反ユダヤ人運動に関して質問を受けた。一部学生たちによるユダヤ民族浄化を訴える言動について学校側はどう受け止めているのかという質問に関する学長たちの答えが波紋を読んでいる。

反ユダヤ主義に関する議会公聴会では、全員が宣誓の上で次のような質問をされた。

「ユダヤ人の大量虐殺を呼びかけることは、(あなたの大学の)行動規範や、いじめや嫌がらせに関する規則に違反しますか?」

これまでのアメリカエリート大学における反差別主義や多様性や平等や包括性といった主義から考えれば、この質問の答えは極めて簡単なはずだ。躊躇なく「イエス」と答えられるはずである。ところが、ゲイ学長、マギル学長、コーンブルース学長ら答えは口を揃えて「文脈による」という信じられないものだった。特定民族を浄化せよという言動を糾弾するのにいったいどんな文脈が必要だというのだろうか。

質問者のエリーゼ・ステファニック下院議員(共和・ニューヨーク代表)はその答えにショックを受け、同じ質問を何度も何度も繰り返した。特にこのステファニック議員とペン大学のリズ・マギル学長のやり取りは衝撃的だ。

マギル学長:それは文脈に頼る決断です。

ステファニック議員:文脈による決断、それがあなたの本日の証言ですか?ユダヤ民族の浄化を唱えることが文脈によると言うのですか?これが虐めでも嫌がらせでもないと言うのですか?これはもっとも簡単な質問ですよ。ミゲルさん。

マ学長:もし言論が行動に移れば嫌がらせとなり得ます。

ス議員:(声を荒げ感情的な言い方で)行動とは大量虐殺を行うということですか?

ジェノサイドとは「特定の国や民族を滅ぼす目的で、その国や民族の出身者を意図的に大量に殺すことである」。行動に移すということは大量殺戮をするということだ。実際に殺人行為に移さなければ大量殺戮を呼びかけても嫌がらせにならないというのか、はっきり言ってこれは校則以前に脅迫という違法行為ではないのか?

MIT大学のサリー・コーンブルース学長も単なる発言で特定の個人に向けたものでなければいじめや嫌がらせには値しないと答えた。

ス議員:ユダヤ民族浄化を唱えることはいじめや嫌がらせとみなされますか?イエスかノーですか?

コ学長:私はユダヤ民族浄化という発言はキャンパス内で聞いていません。

ス議員:でもインティファーダの音頭の声は聞いてますよね。

コ学長:音頭は聞いてます。それは反ユダヤと見なされる可能性はあります、文脈次第では。ユダヤ人殲滅を呼びかけるものであれば。

ス議員:ではこれはMITの行動規範の違反にはならないということですか?

コ学長:それは汎発(はんぱつ)的で激しいものであればその時は捜査されます。

何百という学生が徒党を組んでキャンパス内を練り歩き「インティファーダ、インティファーダ」と叫ぶ行為は汎発的で激しい行為ではないというのか?

ハーバード大学のクローディン・ゲイ学長の答えも同じようにひどい。ユダヤ民族浄化を唱えることはハーバード大学において虐めや嫌がらせと見なされるのかという質問にたいし、

ゲイ学長:文脈によってはなり得ます。

ス議員:どのような文脈ですか?

ゲ学長:個人的に標的にされた場合です。

ス議員:ユダヤ系学生が標的にされています。ユダヤ人学生個人に向けられています。あなたは自分の証言がどれだけユダヤ人を非人間化しているかお分かりですか?

普段から、やれセーフスペースだあ、マイクロアグレッションだあ、正しい代名詞を使わないのはヘイトスピーチだあ、ハロウィンで黒塗りするのは黒人差別だあ、などと大騒ぎしている大学が、あからさまにユダヤ民族浄化を唱え大勢でユダヤ人学生を威嚇し脅迫し時には暴力を加える行為を、虐めとも嫌がらせともみなさないというのはどういう理屈だ?実際に大学構内でユダヤ人学生の虐殺でも起きない限り問題ないとでもいうのか?

この公聴会の様子を見ていて私は腸が煮えくり返る思いだった。単に彼女達がステファニック議員の質問にイエスかノーかで答えないだけでなく、議員の目も見ずにあらかじめ用意して来た書類を見ながらハンコを押したように「文脈による」と同じ言葉を繰り返し、だんだんと腹を立て声を荒げるス議員を嘲笑するかのような笑みすら浮かべているのだ。

この公聴会の三分間のやり取りは保守派メディアだけでなくCNNやMSNBCなどのメディアでも報道され激しい批判が集まった。翌日に三人はそれぞれ弁明の声明文を出したが、特にペン大学のマギル学長はビデオで謝罪と訂正を発表した

昨日の反ユダヤ主義に関する議会の公聴会で、本学のキャンパスでユダヤ人の大量虐殺を呼びかけることは、本学のポリシーに違反するのかと問われた瞬間があった。その瞬間、私は、言論だけでは罰せられないという合衆国憲法に沿った本学の長年の方針に集中していた。ユダヤ人大量虐殺の呼びかけは、人間が犯しうる最も恐ろしい暴力の呼びかけであるという反論の余地のない事実に、私は目を向けていなかったが、向けるべきだった。 それは悪であり、単純明快だ。

はっきりさせておきたいのは、ユダヤ人大量虐殺の呼びかけは脅迫的であるということだ。何世紀にもわたってポグロムと憎悪にさらされ、ホロコーストで大量虐殺の犠牲となった人々を、意図的に恐怖に陥れるものだ。私の見解では、これは嫌がらせか脅迫である。何十年もの間、ペンシルバニア大学の複数の学長の下で、そしてほとんどの大学と一貫して、ペンシルバニア大学の方針は憲法と法律に導かれてきました。今日の世界では、ここ数年見られなかったような形で、憎悪の兆候がキャンパスや世界全体に拡散しているのを目の当たりにしており、これらの方針を明確にし、評価する必要がある。ペンシルバニア大学は、私たちのポリシーについて真剣かつ慎重な検討を開始する必要があり、ジャクソン・プロボストと私は直ちにそのためのプロセスを招集します。

私は学長として、私たちのコミュニティのすべてのメンバーが成長できるよう、安全、安心、そして協力的な環境を約束します。私たちはこの問題を解決することができますし、必ず解決します。ありがとうございました。

言論の自由という概念に集中していたせいで、ユダヤ人虐殺がいけないという概念に考えが及ばなかったというのか?なんという情けない言い訳だ。はっきりさせておかなければならないのは、これらの学長は先日議会に呼び出されることは一週間も前から知っており、大学のPRコンサルタントや弁護士と事前に相談してから出席したのだ。つまり彼女たちは議会でどういう発言をするのかあらかじめ決めていたのだ。にもかかわらず後で弁明しなければならないような恥かしい証言をしてしまったことを、単なる見落としであったかのように言っても時すでに遅しである。

これはアカデミアという世界で如何にユダヤ人差別が汎発であるかを示すものだ。あまりにも普通に行われていることなので、それが差別であることすら意識されていなかったのだ。それが世間に知られ一般市民の怒りを買ってから初めて自分らの考えが異常であることに気付いたのであろう。

ペン大学は緊急会議を開きマギル学長の辞任について話しあったようである。UPenn board of trustees holds emergency meeting amid calls for president to resign over antisemitism hearing (msn.com)

ペン大学だけでなく、MITもハーバードも学長らを首にすべきだ。もしこれがユダヤ民族ではなく、黒人やアラブ人など他の民族だったら間違いなく学生たちは即退学になっていただろうし、それを擁護するような学長は即座に首になっていたはずだ。ユダヤ人にならどんな差別も許されるという風潮を作ってはならない。

ところでXでMay_Roma めいろま 谷本真由美さんがおもしろいことを言っていた。

ハーバード大学総長はアフリカ系女性だが、彼女が発表した査読論文の数や質が20代で博士号取得したばかりで講師に応募する若者並みだとして大変な批判を受けている。理系研究者が激怒。

これらエリート大学の学長が揃いも揃って女性であることや、学歴も業績もともなわない黒人女性が任命されているというのも、すべて多様性のおかげだろう。左翼リベラルの多様性なんて蓋を開ければこんなものなのだ。


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国際法専門家でも国際法違反行為を正確に判断できない理由

先日倉山満氏の国際法に関する話をご紹介したが、今回はX上でミリオタ自称のJSKさんが国際法は専門ではない倉山教授の話よりも専門家の意見を聞くべきだといって紹介したこちらのビデオ東澤靖教授のお話をご紹介しよう。このビデオは1時間30分もあるので読者諸氏に全部観ろとは言わない。それより先日紹介した倉山氏の話と関係のある部分の説明と、今のイスラエル軍の行動が国際法に違反するという東澤教授に反論をしたいと思う。以下敬称は省く。

東澤は戦場においてどのような行為が国際法に違反するかを説いている。34:20で民間人・民用物を攻撃対象としてはならない(区別原則)の話をしており軍事標的は軍事目的の施設に限られるとしている。しかしこれが禁止しているのは意図的に民間人や民用物を標的にする行為であって、間違った場合や付随的損害(コラテラルダメージ)は違反行為とはみなされない。

37:06の区別原則:予防措置の部分では攻撃する側にも防御する側にも攻撃から民間人を守る措置が義務付けられているとしている。攻撃する側の義務として自制、中止、警告、選択があり、防御側には移動、回避、予防(人間の盾禁止)などがある。

この部分は倉山が言っていた、標的となる場所が軍事標的であるかどうかの証明は、攻める側にも防御する側にもあると言っていたことと一致している。アル・シファ病院について語るなら、イスラエルは昔からこの病院は軍事標的であると主張しており、多々の証拠を提示していた。またこの病院を攻めるにあたり一か月以上も避難勧告をおこなっていた。

それと共にハマスにはその攻撃から民間人を守るために医療関係者や患者を避難させる(移動)義務もあり、病院が軍事目的に使われていないことを証明して攻撃の回避と予防をする責任があった。

さてではハマスとイスラエルによる国際法違反行為について考えてみよう。

43:48ハマス側の行為をどう考えるかで、東澤は次のような違反行為を羅列している。

  • 10月7日の民間人の殺害
  • 軍事目標以外へのミサイル攻撃
  • 人質をとっていること
  • 軍事施設を病院など民間施設の近くにもうけていること
  • 人間の盾?

何故人間の盾に?が付いているのか分からないが、次に45:13イスラエルの行為についても羅列がある。

  1. 多くの民間施設への砲撃と生活基盤の破壊
  2. 包囲戦
  3. 民間人への移動指示
  4. 病院施設への攻撃

ちょっとこれはおかしいのではないか?1番と4番だが、東澤は民間の施設でも軍事施設として使われていた場合は例外として攻撃の対象となると前に述べている。ではここで東澤はイスラエルが攻撃した施設が軍事施設ではないと証明出来ない限りこれらの行為が違反行為であるとは断定できないはずである。

2番の意味は私には解らないのだが、戦争で包囲戦は一つの作戦であり、戦闘作戦が国際法に触れるというのであればこの法律そのものに問題があると思う。だがそれが法律だというならそれはちょっと横に置いておこう。

3番の民間人を強制的に移動させる行為は違法だというが、それは味方側の占領の目的としてそこに住んでいる人たちを無理やり立ち退かせる行為であって、攻撃の巻き添えにならないように無関係な民間人を避難させる行為とは同じではないはずである。だいたい民間員の避難はハマス側の責任であり、その責任を自らの危険を冒してまで負ったイスラエル側に対してこれが国際法に違反するなどというのは言い掛かりとしか思えない。

東澤はどのような行為が国際法に違反するかの説明はしているが、イスラエルの行為がそれに当てはまるという適切な説明を怠っている。そして私が全く同意できないのが46:39で始まるイスラエルのガザ地区への攻撃継続は、自衛権によって正当化されないと言う部分だ。東澤はまず「自衛権の行使には限界がある。」とし次の項目が必要条件となるとしている。

  1. 武力攻撃の存在
  2. 急迫性
  3. 必要性
  4. 均衡性

そして今の状況はそれぞれどの条件のどれも満たしていないとしてこう説明する。

  1. パレスチナ占領による急迫性の欠如。
  2. ハマス武装勢力を領域内から排除し急迫性は終了している。
  3. 将来の攻撃やテロの可能性は必要性としては不十分。専制的自衛を国際検証は認めていない。
  4. 「反撃」の行っている攻撃は明らかに過剰人質がとられていることは武力攻撃を正当化しない。

東澤はさらに歴史的な背景や大義名分は国際法では考慮されないとも語っている。先ず1と2だが、これはイスラエルがハマスの侵略を追い払ったというのであれば意味があるが、ハマスはイスラエル領に奇襲攻撃をしかけ1200~1300人の民間人を虐殺したうえでガザ側に自発的に引き返したのであって、イスラエル軍の反撃にあって逃げ帰ったわけではない。これは攻めて来た軍隊がこちら側の反撃にあって撤退したのとはわけが違う。なにしろガザはイスラエルと国境を接しておりほんの数キロの余裕もないのである。彼等は単にベース基地に戻って再度の攻撃を狙っているのだ。そしてハマスのリーダーは今後も第2第3の攻撃をすると宣言している。この状況で急迫性がないとはどういう意味だ?

3の必要性にしてもそうだ。イスラエルのやっていることは先制攻撃ではない。宣戦布告をした敵に対しての攻撃である。すでにこちらに攻め入り1300人もの民間人を虐殺(東澤も認める国際法違反行為)をし、今後も責め続けると宣戦布告をした敵への攻撃に必要性がない?いったいどうすればそういう結論が生まれるのだ?

そして均衡性。イスラエルの行為が「明らかに過剰」とは何を基準にして言っているのだ?この均衡性に関しては敵と味方の犠牲者の数では決められないという話は以前にもお話した通りである。

東澤のような弁護士が理解できないのは、これは法廷ではないということだ。相手がどれほど危険であるかを判断するのはその場に居ない法律家ではなく現場で戦争をやっている軍隊がするのだ。だから今現在起きている戦争が国際法に触れるかどうかはハマスのやったようなあからさまな違法行為以外は簡単に判断することは出来ないのである。東澤の専門は法律であり戦争ではない。この戦争に急迫性があるか必要性があるかを判断できるのは同じ敵と長年戦ってきて相手の出方を十分承知している当事者だけである。

つまりどれだけの専門家であろうとも、現場の戦況をきちんと把握できない人には誰がどのように国際法に違反しているかということは正しく判断できないのである。

東澤靖:所属明治学院大学 法学部グローバル法学科 教授学位、法学士(1983年3月 東京大学)LL.M.(1994年5月 コロンビア大学ロースクール) 研究分野:人文・社会・国際法額・交際人権法・公法学、憲法



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