Saudi Arabia wants peace with Israel after Gaza war, envoy tells BBC

イギリス滞在のサウジアラビア大使は先日9日、サウジアラビアはイスラエルのガザにおけるハマスとの戦争終結後、イスラエルとの外交正常化を望んでいると語った。しかし、その条件としてパレスチナ自治政府の設立を提案した。

同大使によれば、10月7日以前、サウジとイスラエルは正常化を巡って合意に近づいていたという。

サウジ大使カリド王子はイスラエルを他国と同様に扱うべきであり、イスラエルに対する盲点は平和への盲点となると語った。

イスラエルのガザ侵攻により両国の正常化は暗礁の乗り上げるのではないかと懸念されていたが、サウジは交渉を続けるようだ。

これに関して、パレスチナを独立国とするなど不可能なことなので、サウジとの交渉も意味がないと考えるのは短絡的だ。何故ならもう少しで同意というところまで届いていた両国の交渉中、パレスチナ独立などという条件は出されていなかったからだ。当時と今とどう違うのかと言えば、今アラブ諸国ではこの戦争によってパレスチナへの同情、というよりイスラエルへの反感が高まっているということだけだ。

サウジアラビアとしてはパレスチナを無視してイスラエルとだけ友好関係を結ぶと言うわけにはいかない。実際にサウジ政府がそれを望んでいたとしても国民感情がそんなことを許さないだろう。だから今の段階ではサウジ政府はイスラエルに難しい条件を与えて自分らが強い立場にあるという姿勢を誇示する必要があるのである。

とはいえ、サウジも馬鹿ではない。ハマスの狂暴なテロを見せつけられて、あんな奴らがうじゃうじゃ居るパレスチナがアラブ人だけで独立政府など設立できるわけがないことは十分理解しているはずだ。だからこのパレスチナ自治政府という条件も、イスラエルがガザを完全に統治するという形ではなく、一応見せかけだけでもパレスチナ人による政府を設立し、イスラエルが警備を担当するというやり方で合意が取れるのではないかという気がする。

イスラエルがガザに再び入植するということさえなければ、サウジもそれで手を打てるだろう。実際にはサウジはパレスチナの独立などどうでもいいと思っているはずだから。

こう考えるとイランのハマスを利用してイスラエルを孤立させようとした作戦は見事失敗したということになる。


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