拡大する中東戦争

昨日イスラエルの軍艦とエジプトの商船がヒズボラの空爆によって打撃を受けた。これに伴いヒズボラはイスラエルに公開戦争の宣戦布告をした。 (訳: 英語ニュースを読んでみよう)

イスラエルの軍用機がレバノンから世界へのリンクを1つ1つ壊し、イスラムゲリラグループのリーダーの本部と故郷を破壊したあと、ヒズボラは金曜日に爆薬を装備される無人航空機をイスラエルの軍艦に衝突させ、それを燃え上がらせた

ベイルートの地中海の海岸沖の軍艦への攻撃は、ヒズボラがロケットと迫撃砲を新しい武器として備蓄に加え、それをイスラエルに対して使ったたことを示した。
イスラエル軍は、それが帰途についたあと、船がひどい痛手を被って、後で何時間も燃えていたと語った。アルジャジーラテレビはイスラエル軍隊が4人の行方不明の水夫を捜していると伝えてたが、船のクルーに関する詳細はなかった。
「あなたは公開の戦争を望みました、そして、我々は公開の戦争の準備ができています」と、ヒズボラリーダーSheik Hassan Nasrallahがテープ録音された声明において言いました。彼は、ロケットでイスラエルの中により深く襲いさえすると公約した。

APの記事では詳細がないが、この時エジプトの商船は同じ無人航空機(UAV)から発射された対戦車用ミサイルによって攻撃されている。ここで注目をしなければならないのは、ヒズボラが使った新兵器が無人航空機(UAV)であり、しかも同時に二つの船を攻撃することができる性能の高いものであるということである。ヒズボラがこのような高度な武器を独自に持っているというのは信じがたい。このような新型武器を開発しテストまで行いながらすぐとなりのイスラエルに気が付かれないはずはない。背後にイランの革命軍が関わっている可能性が非常に大きくなってきた。(カウンターテロリズムブログ
またシリアはシリアでヒズボラを完全に支持すると表明している。イスラエルに開戦宣告をしたヒズボラを全面的に支持するということは、シリアもまたイスラエルとの公開戦争の準備ができているということになる。ここまでいわれてはイスラエルもシリアまで攻め入らなければメンツ丸つぶれだ。
しかしシリアと戦争をやれば、イランとも戦争になる。イスラエルの武力を持ってすればシリアとイランの連合軍を簡単に妥当することができるだろうが、イスラエルのオルメルト首相がイスラエル内部でどれだけ政治力をもっているのか、そして彼にどれだけ度胸があるのかこれはまだ完全に未知数だ。
そしてそうなった時アメリカはどうするのか、これもまだはっきりしていない。
関連ブログ記事:
海外ニュースより


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イスラエル空爆を受けて、、レバノン市民に聞こう!

ヒズボラのおかげでとんだとばっちりを受け、イスラエルからの空爆を受けているレバノンに市民たちは今の状況をどう考えているのだろう。私はレバノンの人々には強く同情する。イスラエルのやっていることは理解できるが、レバノンはシリアに長年占領されており、ヒズボラが政府に関与しているとはいえ、多くのレバニーズはキリスト教徒だし、いってみれば犠牲者でもある。
さて、アメリカの元陸軍特別部隊の兵士だったブラックファイブがいくつかレバノンのブロガーの意見を紹介しているので、こちらでもちょっと読んでみたいと思う。(訳:カカシ)

我々は皆有罪だ。我々全員がだ。緊急ハイワーワタニ議会だって???? 私は笑うべきか食卓の上に内臓を吐き出すべきかわからない。皆に告げておく。我々はおびえている。我々の命がかかっているのだ。我々の国はもう終わりだ。でもこれは皆我々が悪いのだ。我々ひとりひとりの責任だ。この輩を選挙で選び彼等に憎悪と殺伐な理想で自分勝手にふるまう温床を与えてしまった。そしておびえて硬直し誰かにせいにする以外になにもできないのが我々だ。 (中略)我々には誰にも文句をいえた義理じゃない。
Welcome to My Lebanese Dream

下記はレバノンのインターネット掲示板に載った意見。(訳:カカシ)

私は恐くて仕方ない。こどもの頃防空壕ですごした日々のようだ。私の周りのひとたちの気持ちはとても表現できない。「みんなヒズボラが悪い」「イスラエルのせいだ」「(レバノン)政府のせいだ」ハッキリ言って、私は誰のせいでもかまわない。罪のない市民や子供や家族全員が殺されたらそんなこともうどうだって関係ない。 (デリリアス)
私は心の底からいわせてもらう。戦争はもうたくさん。死も破壊ももうまっぴら! 地獄から舞い戻ったヒズボラに呪いあれ! この破壊もこの死も、イスラエルのせいではない! すべてお前ら(ヒズボラ)のせいだ。呪われよ! (略)
私はイスラエルとの平和を望む。今! イデオロジーなんかどうだっていい。地図のどこに線をひこうとかまわない。お前らの宗教なんかどうでもいい! 平和を今!(ボブ)

ことイスラエルとイスラム社会との戦いとなると、なんでもかんでもイスラエルが悪いという意見が大半を閉める国際世論だが、イスラエルから直撃を受けているレバノンの人々は冷静に誰が本当の悪者なのか理解されているようだ。
イスラエルとレバノン市民が手を組み一緒になってヒズボラと戦うのが理想なのだが、いったいどうなるのだろう。


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風が吹けば桶屋が儲かるじゃないが、イスラエルとシリアが戦争したら、、、

パレスチナのハマスがイスラエル兵ひとりを拉致したことで始まったこの紛争は意外な方向へ展開してきている。
昨日レバノンのヒズボラがイスラエルを攻撃し、イスラエルがレバノンに応戦をはじめたニュースはみなさんもご存じのとおり。しかし今日になってヒズボラがイスラエル国内にロケット弾を打ち込んだというニュース(英語)がはいってきた。(訳:カカシ)

ヒズボラはロケット弾を無数にイスラエル北部に打ち込み、イスラエル市民二人が死亡、95人が負傷した。

木曜日にミサイルが二発ハイファの港に落ち、ハイファはレバノンの国境30kmに渡る浜辺であることから、イスラエルはヒズボラが攻撃を「大幅に激化」させていると責めている。ヒズボラはイスラエルの第三の大都市であるハイファに向かってミサイルを打ったことを否定している。この攻撃ではけが人はでなかった。

ところで、このミサイルを打ったのが、レバノンのヒズボラではなく、シリアのヒズボラである可能性もあるようだ。もしミサイルを打ったのがシリアの差し金だったとすると、昨日もちょっと話たが、イスラエルはシリアと戦争をしなければならなくなる。だが、そうなっては黙っていられないのがイランである。
今日それを見越したかのようにイランの大統領がイスラエルがシリアを攻めたらイランはイスラエルを攻撃すると宣言した(英語)。 (訳:カカシ)

「もしシオニスト政権がシリアを攻撃するという馬鹿げた行為をしたならば、イスラム社会全体への戦争とみなし、(イスラエル)政権は非常に激しく応対されるだろう。」アクマネジャド首相はシリアのアサド大統領との電話でそのように話たと報道されている。

しかしイランがイスラエルを攻撃した場合には、イスラエルと同盟関係を結んでいるアメリカが指をくわえて黙っているわけにはいかない。軍事的な面だけを考えるなら、アメリカ軍はすでにイラク、アフガニスタン、サウジというイランを囲む国々に軍隊が配置されているので、即戦闘状態にはいることができるので全く問題はない。だが政治的にアメリカがイランと戦争ができるのかどうかとうことになるとこれは全く別な話。
とはいえイランは本気でイスラエルと戦争をやって勝てると思っているのだろうか? そしてアメリカが関わってくる可能性についてはどう考えているのだろう?
イスラエルとパレスチナのいつもどおりの小競り合いだと思っていたら、イランとアメリカを巻き込む大戦争になる可能性が出てきた。なんにしてもここ数日で大転回が期待されそうだ。


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シリアが危ない? ヒズボラがイスラエル兵拉致

今週は朝早くから夕方遅くまでセミナーでしかも宿題まで出されてるんで、なかなかニュースを読む暇もなかったのだが、なんとレバノンのヒズボラがイスラエル兵を拉致してレバノンへ逃げこんだと聞いてびっくり。

エルサレム(CNN) レバノンのイスラム教シーア派武装集団ヒズボラは12日、イスラエルに越境攻撃してイスラエル兵2人を拉致し、3人を殺害した。これを受けてイスラエル内閣は、レバノンに対する厳しい報復を承認した。

イスラエルはただちに、越境攻撃と拉致兵士救出の責任がレバノン政府にあるとの見解を示した。イスラエル軍は閣議前から、レバノンへの砲撃や空爆で報復攻撃に乗り出した…
イスラエル軍関係者は、ヒズボラによる兵士拉致が戦争行為であるとの認識を示し、レバノン各地でヒズボラ掃討を実施するための包括的計画を作成したと述べた。対象地区はヒズボラの拠点であるレバノン南部に限定しない方針という。
また、別のイスラエル軍関係者もチャンネル10に対し、拉致された同国兵士が解放されない場合、「レバノンの時計を20年巻き戻す」とコメントした。

ハマスのテロリストが理屈がわからず自殺行為におちいったのはそれほど不思議ではないが、ヒズボラはいったい何を考えているのだろう。はっきりいって、中東のテロリストたちは自分らの歴史を知らな過ぎる。
イスラエルはその建国の日からアラブ諸国から仕掛けられた戦争に何度も打ち勝ってきた。イスラエルが「レバノンの時計を20年巻き戻す」といっているのは、1982年にイスラエルはいちどレバノンを侵略していることをさしている。後にイスラエルは自主的にレバノン南部から兵を引いたのだが、これは別にヒズボラなどのテロリストに追い出されたわけではない。だが、学のないテロリストや反ユダヤの人々は自分らでイスラエルを追い出したと歴史を書き換えてしまったのだろう。
このように自分の都合勝手に歴史を書き換えてしかも自分らもその嘘を信じてしまうと、時として致命的なことが起きる。今回ヒズボラがイスラエル兵を拉致したことでヒズボラはレバノンがイスラエルから攻撃されないか、されてもたいしたことにはならないと踏んでいるからだと思われる。
彼等の目的はイスラエルを別の方向から攻撃することで、イスラエルの注意を分散させようというものなのかもしれないし、またこの間からシリアのアサド首相の邸宅上空を飛んで威嚇しているイスラエルへの仕返しなのかもしれない。だが、彼等がイスラエルから報復がないと考えているとしたら、これは非常に危険な賭けだと思う。
私はレバノン自体がイスラエルの攻撃の標的になることは好ましいことだとは思わない。レバノンもシリアの手先ヒズボラに占領されて、いってみれば犠牲者なのだ。ヒズボラがいるというだけでイスラエルの攻撃のまとになってしまうのは大迷惑なことだろう。
ここで疑問なのだが、イスラエルがアサド首相の邸宅の上空をとんだ理由は、シリアがハマスの重要人物をかくまっているからなのだが、もしヒズボラに拉致されたイスラエル兵がシリアにつれていかれたとしたらイスラエルはどうするつもりなのだろう?

ヒズボラの指導者ナスララ師は、イスラエル兵拉致が「自然で理にかなった権利」だと主張。また、拉致されたイスラエル兵らを軍事行動が及ばない「遠い場所」で拘束していると述べた。ヒズボラは兵士解放の条件として、イスラエル国内に拘束されているパレスチナ人やレバノン人の受刑者の釈放を要求。イスラエルはこれに応じず、兵士を無条件で即時解放するよう求めた。

イスラエルのオルメルト首相はレバノンとヒズボラの双方の責任を追及する姿勢を表明。報復攻撃はテロではないと明言するとともに、ヒズボラがレバノン政府とのつながりを持つとしたうえで、「レバノン政府は域内の安定を揺るがせようとしており、結果を受け入れる責任がある」と述べた。

私はレバノン政府がヒズボラの行為に責任があるとは思わない。それより、ナスララのいう「遠い場所」とはシリアのことではないのだろうか? もしそうだったら、イスラエルはどうするのだろう?
ここで私はアメリカの立場にたって、非常に自分勝手に考えてみる。シリアからイラクへテロリストはもちろん武器弾薬が運び込まれてきていることは周知の事実だ。しかしアメリカがこのことを大げさにいわないのは、アメリカがシリアとの戦争を避けているためである。だがもし、イスラエルがシリアに怒って自分らの理由でシリアに攻め入れば、アメリカとして非常に好都合だ。
シリアのアサド大統領は弱体で、軍隊からの信用度は薄い。もしもヒズボラのイスラエル兵拉致事件いシリア政府が関連していたか、すくなくとも容認していたということになれば、それが原因でイスラエルによる攻撃でシリアが大打撃をうけるようなことになれば、アサド政権は倒れるだろう。そうなればシリアは内乱となり、イラクでテロなどやってる場合ではなくなる。
またこれはシリアのヒズボラで大迷惑をしているレバノンにとってもいいことだ。シリアが内乱となればレバノンにいるヒズボラもレバノンでの勢力を失うからだ。
もしかして、今回のイスラエル兵拉致事件は中東平和にとっては都合のいい方向へ向かっているのかもしれない。無論すべてはイスラエルの出方次第なのだが、、、


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なぜパレスチナはロケット弾をうち続けるのか?

イスラエルからひどい報復があると分かっているのに、パレスチナ庶民がハマスによるイスラエルへのロケット砲打ち込みをなぜ支持するのかという記事(英語)を読んだので、そこからちょっと引用したい。(訳:妹之山商店街さん)

パターンは数年間何度も何度も繰り返されてきました:パレスチナ人は、ガザ北部からのロケットを発射して、ガザのパレスチナ人は、戦争の論理よりむしろ全て紛争の感情に基づいた多くの理由を提供します…

「私達は軍事的な対等を達成することができないことを知っています」
サラー Bardawil、議会でハマスの報道官を勤めるパレスチナの議員。「しかし人が強い痛みを経験する時、どうにかして返答しなければなりません。これは私達がどのように私達自身を守るかということです。これは私達が世界にどのように私達がここに存在しているかということです」
たとえイスラエルの兵器に適うことができないとしても、パレスチナ人はロケットと自爆攻撃がイスラエルとの「恐怖のバランス」を生み出すとしばしば語ります。
「何故私達だけが恐怖の下に生きなければならないのですか」ムハンマッド・アブ Oukal、ガザ市のイスラム大学の学生が言いました。「これらのロケットで、イスラエル人も同じく恐怖を感じます。
私達は一緒に平和に暮らすか、あるいは一緒に恐怖に生きなければならないでしょう」

イスラエルにロケット弾をうち続けることでしか、自分らの存在価値を見いだせないと公言してはばからないような政治家も情けないがそれ以上にこの学生の言葉は象徴的だ。昔誰かが、パレスチナ人が自分らの子供たちを愛する気持ちが、イスラエルを憎む気持ちに勝るようにならなければこの紛争は終わらないだろう、と言っていたのを思い出す。パレスチナ人はイスラエルと平和共存するくらいならイスラエルと共に恐怖のなかで生きることを選ぶという。敵を不幸せにすることのほうが自分達が幸せになることよりも大切だというのである。

ガザのパレスチナ人は、2001年から2005年までに、数千発の迫撃砲弾とロケット弾を発射しました。12人のイスラエル人を殺害しました。イスラエルで八人、ガザで四人、イスラエル軍が述べました…

イスラエルのガザ撤退以降、パレスチナ人はイスラエル南部に約700発のロケット弾を発射しました。
負傷者と損害を引き起こしましたが、死者は出していません…
火曜日に、通常の一つの代わりの二つのエンジンを持つロケット弾が約7.5マイル飛行して、街の中心部、人気がない高校に着弾しました。それは、去年撤去を命じられたガザの境界上のユダヤ人入植地 Dugit から発射されたように思われると軍が発表しました。(カカシ注:学生はこの時ちょうどロケットが着弾した後者の反対側の校庭に集まっていたため難を逃れた)

世界のメディアは過去一年半ハマスはイスラエルに対して自主的に停戦を守っていたと報道していた。だがこの記事によればハマスはその『停戦中』になんと数千発のロケット弾をうってきたのだという。まったくあきれた停戦だね。これではイスラエルにどんな応戦をされても文句などいえないではないか。はっきり言って、人質をとられるまでガザ侵攻にでなかったイスラエルの自制心にこそ感心する。
先ほどうしゃこふさんのブログを読んでいて、なるほどなと思うところがあった。

第一に戦いは交戦者双方に相手を殺す権利と殺される義務を課す、第二に戦いは無限に強度を増す、という原理が明らかになる…
私は問う。北朝鮮と戦うというならば、あなたがたは彼らに攻撃され死に苦しむ事を認めるのか? 闘争の原理を甘んじて受け入れ暴力の応酬により決着をつける事に異存は無いか? その暴力を無限の強度で、我々の持つ総ての手段を以って、また彼らの持つ全ての手段を受け入れて、それで絶対的な戦いを繰り広げる覚悟はあるのか?

お分かりのようにうしゃこふさんは日本と北朝鮮のことについてお話しておられるのだが、先ほども書いたように、これはパレスチナとイスラエルにもあてはまる。イスラエルがガザから撤退した時からいずれこういう日が来ることは予測できた。なぜならパレスチナ人の唯一つの目的は主権国家として平和に暮らすことではなく、自分らの幸せを犠牲にしてもイスラエルを撲滅することにあるからだ。
私にはパレスチナがうしゃんこふさんのおっしゃるような覚悟をもってこの戦いに挑んだとはどうしても思えない。なぜならこの後に及んでまだ人質返還以外に交渉はしないというイスラエルに向かって軍事的に何の意味もないカッサム砲をうち続けて、侵攻をやめなければ学校や病院をもっとねらうぞと息巻いているからだ。
パレスチナの行為はイスラエルを撲滅するどころか、パレスチナの完全崩壊へとつながる。圧倒的に優勢な軍事力を持つイスラエルを挑発し続ければいずれはイスラエルも本気で戦うことは十分に予測できた。イスラエルがその気になれば、それこそ本当にイスラエルによるパレスチナ民族の、民族浄化、ジェノサイドが可能なのである。
パレスチナはまだ国連の条例などがイスラエルの強行手段を阻止できると信じているかもしれない。だが本当にパレスチナ人がイスラエルによって皆殺しの目にあったとしても、国際社会にできることはイスラエルを激しく非難することだけだ。だがそんなことなら国連はこれまでにも何十という条例を発令してきたが、イスラエルがそれをきにした気配は全くない。
「イスラエルは国際社会に良く思われるために集団自決をするつもりはない。」とはイスラエルの賢者の言葉だ。


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イスラエルから学ぶ北朝鮮問題

日本の右翼系の政治ブログを読んでいて気が付くことは、この間の北朝鮮のミサイル実験や竹島を巡る韓国とのいざこざなどに対して日本は北朝鮮に先制攻撃をすべきであるとか、韓国に武力でも立ち向かうべきだとかいうひとたちが、なぜかパレスチナに対するイスラエルの応戦となると、行き過ぎだと批判する傾向があるということだ。
左翼の自称平和主義の人々がイスラエルの強行手段を批難するならまだなっとくもいくのだが、普段自国の防衛に敏感な右翼の人々がなぜイスラエルの応戦に批判的なのか私には理解に苦しむ。
イスラエルとパレスチナの紛争は一見日本には無関係のようであるが、防衛問題ということで考えるなら、日本もこの紛争から学ぶことは多々あると思う。
ここで私はあえてイスラエルがあの土地にイスラエル国を建国するにあたった経過が正当であったとか不当であったとかいう話を避ける。何故ならばもともとあの土地は誰のものであったなどという議論をはじめれば、世界中のどこを探しても決着のつく国など存在しないからである。ヨーロッパなど何世紀にもわたって国境がいくらも書き換えられ、元ソ連傘下にあった東ヨーロッパなどはいまだにそれが続いている。
私は最初に領土を手に入れた過程が侵略であったにしろ、買収であったにしろ、単に空き地で陣取りした結果だったにしろ、最終的に住民を統治し、外敵から国を守ることができる政府こそ主権国家といえるのだと考える。
イスラエルは1948年の建国当日からその主権を試されてきた。そしてその後の外敵による度重なる攻撃にたいしてことごとく勝利をおさめ、イスラエル国を死守してきた。外敵から国をまもることこそが主権国家たるものの第一条件である以上、世界中においてイスラエルほど何度もその主権国家の権利を証明した国はない。
だからイスラエル建国の経過がどうあれ、イスラエルには国を持つ権利があるのであり、その国をどんなやり方をしてでも守り通す権利と責任があるのである。
それにひきかえパレスチナは歴史上一度もパレスチナ国という主権国家をもったこともなければ、主権国家設立のために努力したこともない。それどころか主権国家を持つ機会を何度も与えられながらそれをすべて拒絶してきた。1967年の6日戦争でイスラエルがパレスチナ領を占領したので、それ以後彼等にできることは抵抗はテロだけだったのだという人もいる。だが、圧倒的武力を有するイスラエルに対して長年に渡るテロ行為はパレスチナを独立の道に導くどころか、貧困と崩壊へと導いているだけだ。
一年前にイスラエルがガザから撤去した時、パレスチナには主権政府を設立し独立国家への道を歩み始める絶好のチャンスがおとずれた。にもかかわらずパレスチナ市民はイスラエル憎しが先走りして、ハマスなどというテロリストを政権に選び、停戦を宣言しながら、ひたすらイスラエルの民間人をめがけてカッサムミサイルを打込み、ついにはイスラエル領内に潜入してイスラエル兵2名を殺害し一名を拉致するにいたった。
昔テレビの動物番組をみていて、馬場で走っている馬の後ろを追いかけている犬をみたことがある。最初はこの犬、馬を追いかけてうるさく吠えていただけだったのだが、そのうち犬は興奮して馬の足首に噛み付いたりしてじゃれていた。馬は足並みを早めることでうるさい犬から逃れようとしたが、あまりに犬がしつこいので、ついに後ろ足で犬を蹴っ飛ばした。犬はキャーンと悲鳴をあげて数メートルふっとんでしまった。
ここで犬はただじゃれていただけなのに、蹴るなんて馬はやり過ぎだといってみても意味がない。自分よりもずっと図体のでかい動物にちょっかいを出してなにも起きない思っているほうが悪いのである。
さてここでイスラエルの行為が行き過ぎであるとお考えの皆様にイスラエルを日本、パレスチナを北朝鮮と置き換えて考えてみていただきたい。北朝鮮が日本の学校、レストラン、遊園地などといった民間施設を標的に毎日数発のノドンを打ってきたとしよう。ミサイルが当たって被害があることもあれば、空き地に落ちて無害なこともある。それが一年以上も続いたとする。そして何週間に一度の割で北朝鮮の工作員による自動車爆弾や自爆テロ未遂が東京だの大阪だのの都市でおき、時々警備員や民間人が巻き添えになって一回に数十人の死傷者がでたとしよう。また、浜辺をあるいている女学生が拉致されるなどの事件が続出したとしよう。(あ、これはもう起きてたんだっけ?)
それに対して日本が北朝鮮に抗議をすれば、北朝鮮は日本は過去に朝鮮民族にたいしてひどいことをしたのだから、この程度のことは当たり前だ。拉致被害者を返して欲しかったらもっと経済援助しろと開き直り、なまじ応戦などしたらもっとノドンを打ち込み、日本人を拉致するぞとおどかしたとしよう。
この段階で日本が北朝鮮のミサイル発射装置を爆破し、軍事基地にミサイル攻撃し、軍首脳部が固まっていると思われる場所に戦車で侵攻して日本の圧倒的軍事力で北朝鮮のインフラを半壊したとして、日本のやり方は行き過ぎだなどと批判するひとはいるだろうか? 北朝鮮の攻撃による日本人の被害など日本の人口のほんの一部なのだから、北朝鮮への応戦はほどほどに自制すべきだなどと諸外国から口を出されて納得する日本人がどれほどいるだろうか? いったいどこの世界に戦闘行為を仕掛けてきた敵が軟弱であったら、こちらもそれにあわせた軟弱な応戦しかしてはいけないなどという取り決めがあるのだ? 
イスラエルが自国への戦闘行為を多少なりとも許せば、イスラエルを憎んでいるパレスチナだえでなく、近隣諸国にもイスラエルは弱いという印象をあたえてしまう。イスラエルが主権国家をまもるためには、どのような些細な攻撃も許してはならないのだ。たとえ拉致されたのが一等兵ひとりだとしても、イスラエルは徹底的に反撃しなければならないのである。そうしないことは敵を奮い立たせ敵の攻撃を激化させ、いずれ国の存続を脅かすこなるからだ。それが主権国家の防衛というものである。
日本が北朝鮮のミサイル攻撃や韓国の竹島のっとりを、指をくわえてみていてはいけないのと同じである。


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今夜は君を眠らせない

イスラエルは昨日ハマスに対して人質を返さなければ首相を殺すと警告した。 そしてそれが本気であることを示すように、留守宅の首相の家を空爆した。 (浮世さんがたくさん写真を紹介してくれている。)

【ガザ市(ガザ地区北中部)樋口直樹】イスラエル軍は2日午前1時45分(日本時間同7時45分)ごろ、パレスチナ自治区ガザ市の自治政府首相府を空爆した。建物は大破したがハニヤ首相は不在で無事だった。イスラエルは兵士拉致事件の責任がイスラム原理主義組織ハマス率いる自治政府にあると非難。ハマス最高幹部の首相に直接圧力を加えることで、ハマス政府排除の態度を鮮明にした。

 イスラエル軍機から発射されたミサイルは首相府3階の台所付近で爆発し、3階の施設を吹き飛ばした。ハニヤ首相の執務室は2階にあり、大きな被害は受けなかった。空爆後、首相は自ら現場を視察し「彼らはパレスチナ人のシンボルを標的にした」とイスラエルを非難、国際社会とアラブ連盟に事態の沈静化に向けた仲裁に入るよう要請した。

わざわざ留守を狙っての空爆ということは、イスラエルはいつでも好きなときにハマスの指導者達を殺すことが出来るというメッセージがこの空爆には含まれている。 にもかかわらず、ハマス連中はまだこの問題をイスラエルにたいして強気に出れば解決できると思っているようで、またイスラエルに向けて訳の解らない脅迫をしている。(訳: カカシ)

ハマス武装勢力は報復としてイスラエルがガザ地域においてこれ以上政府施設やインフラへの空爆を続けるならば、イスラエルの発電所や公営施設、学校などを攻撃すると脅かした。

ハマスにそんなことが出来るなら、もうすでにやっているはずだろう。 なにもこれまでハマス連中がイスラエル攻撃に手加減をくわえていたわけでもあるまいに。 そのくらいのことはイスラエルにはわかりきっているのだ。このような空振りの脅しはイスラエルにより強硬手段をとらせることになる。
ではここで私の昨日のクイズを思い出してみよう。
1. コフィアナンに訴え国連軍によってユダヤ人を海へ葬ってもらう。
2. イスラエルのオルメルト首相をぶっ殺すと再度脅迫する。
3. 人質を解放する。
どうもパレスチナはこのクイズの答えはまだ2番だとおもっているらしいので、ちょっとしたヒントを与えてあげよう。 いつまでも人質と囚人の交換を要求するハマスにたいしてイスラエルのオルメルト首相は人質解放以外の交渉をする気はないと拒絶。 そして、、、(訳:カカシ)

もっと強硬な攻撃に備えて、オルメルト首相は軍隊に「ガザでは誰一人として眠らせるな。」と命令したと、内政省のロニ・バーオン氏はイスラエルラジオで語った。

さて、パレスチナは今度こそこのクイズの答えがわかったかな?


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パレスチナが取るべき道 その2

ガザの難民キャンプに住むひとたちの声がだんだんと聞こえてきているが、ハマスの態度は全く正気の沙汰とは思えない。イスラエルはガザ南部に侵略しパレスチナの要員たちを何十人も逮捕し北部への侵略の準備を着々と進めている。イスラエルが北部侵略を今すぐにしない理由はエジプトを仲介にたてたハマスとの人質交渉に多少なりとも機会を与えようとしているからにすぎない。
にもかかわらず、ハマスらの反応はといえば「シャリット一等兵の身柄とひきかえに千人のパレスチナ人を解放し今すぐガザ攻撃をやめること」という要求である。イスラエル側がこれを拒絶したのはいうまでもない。
いったいハマス連中は何を考えているのだろう? いま、ガザはの人々は恐怖に震えている
さてここでクイズ。ハマスはこの衝突を早急に解決しガザを完全崩壊されないようにするにはいったいどうしたらよいだろうか?
1. コフィアナンに訴え国連軍によってユダヤ人を海へ葬ってもらう。
2. イスラエルのオルメルト首相をぶっ殺すと再度脅迫する。
3. 人質を解放する。
この質問が難かしいと思うのは、ハマスのアホどもだけである。イスラエルの攻撃をいますぐやめる方法はきちんと示されている。イスラエルにロケット弾を打ち込むのを今すぐにやめ、シャリット兵を解放すればいいのだ。ハマスの連中はなにを待っているのだ? 国連はイスラエルの行為を批判はしても手は貸してくれない。アラブ諸国は砂に顔を突っ込みイスラエルが自分達に気が付きませんようにと祈っていることだろう。パレスチナよ、君らは一人なのだ。君らに残された道はひとつしかないのだ。何故それがわからない?
さてここで質問2。国が崩壊寸前まできている時、パレスチナはどうすればいいのか。
1. 近くにいるユダヤ人に拳をあげる。
2. 石を投げる。
3. 人質を解放しろ〜!
関連記事:
昔に逆戻り


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パレスチナの取るべき道

イスラエルはハマスに拉致されたイスラエル兵と交換すべく、ハマスの高官を次々に逮捕しはじめた。

 【エルサレム=三井美奈】イスラエル軍が29日、ヨルダン川西岸各地で実施した作戦で拘束されたイスラム原理主義組織ハマスのメンバーは、閣僚や評議会議員を含め60人以上に上った。

拘束の背景には、拉致を実行したハマス軍事部門だけでなく、イスラエル生存権の間接的承認による危機打開を狙ったハマス穏健派の動きも封じ込める狙いがある。ハマス穏健派に現実路線への転換を促していたアッバス議長にとっても、大きな痛手となった…
 29日未明の拘束作戦は、ハマスの閣僚や議員の自宅に押し入ったり、滞在先のホテルを装甲車で包囲してスピーカーで投降を迫ったりなど、強引な手法で行われた。拘束されたハマスのメンバーには、イスラエル生存権の間接的承認の是非を住民投票で決めることを支持したドゥエイク評議会議長、「兵士解放」を主張したシャエル副首相らが含まれる。
 イスラエル外務省報道官は、拉致された兵士との交換が目的ではないと主張した上で、「テロへの関与容疑が逮捕理由」と説明。現実路線への転換を探っていたハマス内閣の穏健派と、兵士を拉致したハマス軍事部門を区別せず、「ハマス全体が拉致の責任を負う」との立場を明確にした。

そんなに人質交換がしたいなら、その挑戦受けて立とうじゃないの、ってなもんだわな。これじゃあ、せっかく既存の収容者とイスラエル兵を交換しようと思っていたハマスの連中の的はおおはずれ。かえってひどいことになってしまった。
これまでイスラエルはパレスチナとの対応に信じられないほどの自制を働かしてきた。反イスラエル派は「何が自制だ!」と反論するだろうが今回のイスラエルの行動をみれば、その事実が歴然とする。イスラエルはやろうと思えばパレスチナ全体を焼け野原にすることが可能だ。戦車で至る所を潰し、パレスチナ市民をすべて海へ葬ることも可能なのである。それがいままでパレスチナの自爆テロでイスラエルの非戦闘員が何十人と殺され何百人のけが人がでても、イスラエルからの応戦はテロリストの家が破壊され、たまたま巻き込まれたパレスチナ市民が数人犠牲になる程度のものだった。やろうと思えばできることをしないでいたということは、イスラエルはパレスチナの全滅を望んではいないということになる。
それなのにパレスチナのアホどもは、本気でイスラエルが弱体だと信じていたらしい。それでイスラエルがやる気になって戦争をはじめたらどうなるか、全く予測できていなかったというわけだ。
意外なことに国際社会はイスラエルの自制を求めながらも、今回ばかりはパレスチナへの対応もかなり冷たい。

(アッバス)議長はイスラエル軍のガザ攻撃を「人道に対する罪」だと批判し、国際社会の介入を求めたが、米政府はイスラエル支持を表明。欧州連合(EU)も「まず兵士の解放を」との立場で、国際世論はパレスチナ側に好ましい形で動いていない。

これまでのようにイスラエルの自制にも頼れないばかりか、国際社会からの同情すら受けられないとなると、いったいハマスはどうすればよいのだろうか? 「待てよ、いい考えがある。こんなのはどうだろうか?」ミスター苺にいい考えがある。
1. イスラエルの存在を認める。
2. これまで取り交わされてきた和平条約を正当かつ合法のものであるとして受け入れる。
3. ユダヤ人殺しをやめる!
な〜んかどっかできいたような提案だなあ。パレスチナがオスロ合意を素直に受け入れていれば、10年も前にパレスチナ独立国を設立することが出来たのに、PLOのアラファト議長はイスラエルとの平和共存などあり得ないと、度重なるクリントン米大統領の説得に応じずみすみす独立の道を断ってしまった。
そして得たものはなんだ? インティファーダがパレスチナにもたらしたのは経済成長でも自立でもない。ハマスというテロ政権による危険なだけで何ももたらさない、諸外国からの生活保護を受けなければ生きていけない貧乏生活だ。そしてオスロ合意を破棄して10年以上たったいま、パレスチナ独立をかけても破棄した条件を、今度は独立どころかただ生存だけを願ってイスラエルの慈悲にすがるために飲むしかなくなってしまったのだ。
ま、自業自得だがね。
パレスチナよ、今度こそ正しい道をえらべ!
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