滅び行く欧州、栄えるイスラムの脅威 その3

マーク・スタインの悲観的なヨーロッパ論に一週間も付き合っていたらかなり気が滅入ってしまった。200ページもある本のなかでこれだけヨーロッパはイスラムに侵略される直前だ、ヨーロッパは滅びると最後論を振り回しておきながら、ではどうすればいいのかという解決策は最後のたった一章きり。すでに三分の二あたりで読む気はなくしていたのだが、最後まで読まずに感想文を書くのもなんだと思って出動前最後の日曜、お昼からずっとホテルの一室に閉じこもって読書をした。しかしその褒美がこれとはひどいな。
ま、とはいえ外へ出かけたくなるような天気ではない。5月も中旬を過ぎたというのに肌寒くどんよりと曇った空。海辺の町とは往々してこんなものだが、持ってきた水着もまだ着ていない。この肌寒いのにプールで泳いでいる観光客はけっこういるが私はお断りだな。出航前に風邪をひきたくない。なにしろ船はもっと北へ行く。寒流があるからきっとずっと寒いだろう。2月の出張前に母が送ってくれた厚手のセーターとマフラーが役に立つ。
さて、それでは紅茶を入れ直し、気分も取りなおしてシリーズ第三段といこう。
スタインはヨーロッパは近いうちにその自堕落な政策からイスラム社会に乗っ取られ地理的にはヨーロッパとして残ってもヨーロッパの文化は消失してしまうだろうと予言した。その理由として、ヨーロッパの少子化による人口減少、多様文化主義によるヨーロッパ文化の崩壊、世俗主義による自分勝手な日和見主義を上げている。
マーク・スタインの悲観主義は現実的だろうか。本当にヨーロッパ諸国は負け犬のように腹を見せてイスラムに服従するのだろうか?私はそうはおもわない。
イスラム聖戦主義は成功しない
先ずイスラム教はスタインが言うほど強力な勢力ではない。カカシはなにもアメリカ本土を攻撃し3000人の市民を虐殺し、イラクでもアメリカ軍を悩ませているジハーディストの力を過小評価しようというのではない。彼らは危険な敵だ。それは正しく把握する必要がある。敵を見下すのは自殺行為だ。
しかし、イスラムは魅力的な宗教でもなければ建設的な文化でも政治機構でもない。世界ひろしといえどいったいどのイスラム教国家が経済的に成功し高い教養を持った幸せな国民で溢れているというのだ? どのイスラム教国が強力な軍隊を保持して世界のスーパーパワーとして君臨しているというのだ?どこのイスラム教国からノーベル賞を受賞するような科学者や、ビル・ゲーツのような事業家が出ているというのだ?
イスラムはユダヤ・キリスト教に比べれば歴史は浅いかしょうがないのだと言う人もいるだろう。だが、建国してせいぜい100年からのアメリカは19世紀終わりにはすでにかなりの実力国家としてヨーロッパ諸国から無視できない国になっていた。イスラムには1400年という時間があったのに、いまだにほとんどのイスラム諸国が7世紀の生活をしているのは何故だろうか?
その理由は簡単だ。イスラム教は何も生産しない、イスラム教は新しいアイディアを奨励しない、イスラム教は生より死を選ぶからだ。
よくアラブの歴史をよく知らない人たちが、中世のイスラム諸国はヨーロッパよりも異教徒に寛容であり、異教徒を受け入れ優遇していたという。彼らが都合よく無視している点はこうした国々のイスラム教支配者たちは異教徒を下層階級の人間として差別し、その宗教によって位をもうけ、それに見合った税金を払わせていた。イスラム教徒からは税金を取らない主義なので、彼らは異教徒からの税金で国をまかなっていたのである。
異教徒の労働に頼り異教徒の富に寄生する以外に生活の方法を見出だせないのがイスラム原理教なのだ。今でさえ中東に石油が無ければイスラム教諸国など誰からも相手にされないだろうし、テロリストも資金源がなく活発な活動など望めたものではないのだ。もしジハーディストが世界侵略できるような勢力をもったなら、彼らは異教徒に無理やり改宗をせまり、そむけば虐殺するなり追放するなりするだろう。そうやって金をむしりとる相手がなくなったら自分らが持っている僅かながらの富を巡って仲間同士で殺し合いをするのがおちだ。
パレスチナのガザで起きていることを見れば、それがイスラム教支配の縮図だと言うことがわかる。パレスチナ庶民はイスラエルだけが悪の根源だとしてイスラエルを追い出すのに躍起になっていた。ところがいざイスラエルが出て行ったら、インフラは全く機能しなくなった。電力発電も、水道も、下水も、すべてイスラエルによって管理されていたからだ。パレスチナ領内に産業はない。イスラエルまで出稼ぎに行くしか生活の糧がないのに、イスラエルへの自爆テロやロケット弾の打ち込みをやめないからイスラエルからも締め出されてしまう。テロに嫌気の差したイスラエルが防御壁を建てればゲットーと同じだなどと騒ぎ出す。
こんな奴らにヨーロッパを侵略だって、ご冗談を!
だいたい聖戦主義者の唱えるイスラム教のシャリアにしたところで、イスラム教徒ですら両腕を広げて受け入れているわけではない。スタインはロンドンに住むイスラム教徒の多くがシャリアの元に生きたいと答えた世論調査を出しているが、私はこれらのイスラム教徒はシャリアが本当にどんなものかなど理解していないと思う。
今欧州でジハードに勧誘されている若者は、単に自分らが暴れたいという本能をジハードという宗教で正当化しているに過ぎない。人殺しをしようが放火をしようが徒党を組んで女性を強姦しようが、すべてがアッラーの思し召しだとして許されている。彼らは役に立つ愚か者としてジハーディストに利用されているに過ぎないのだ。彼らがそれに自爆テロで吹っ飛ぶ前にそれに気がつけば彼らとてシャリアなど受け入れはしない。
フランスでフェタチーズを肴にボルドーワインを飲みながら、キャバレーで半裸の美女が踊るのを楽しむイスラム教の若者に、「考えても御覧なさい、イスラム教徒が勝てばこれがすべてがなくなるのですよ。チーズとワインの代わりに殻が残ってるざらざらのコーヒーを飲み、半裸女性の変わりに山羊とデートができるようになるのです」と言ってもやる気は出ないはずだ。
もちろんイスラム過激派の脅威は本物だ。イスラム過激派とは断固戦わねばならない。問題はヨーロッパに戦う意志があるのかどうかということだ。スタインは無いと言う。
スタインは間違っている。ヨーロッパはスタインが思うほど軟弱で堕落しきった文化ではない。イスラムの歴史など比べ物にならないほどの虐殺を体験してきたヨーロッパである。イスラム教ごときに戦わずして滅ぼされるようなことはあり得ない。今のヨーロッパの問題はまだヨーロッパ諸国がイスラム教の脅威を正確に理解していないことにある。つまり半分居眠り状態なのだ。
しかしヨーロッパが目覚めかけているという兆しが私には見える。長くなるのでこの続きはまた今度。


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米ニュージャージー州、イスラム移民6名テロ容疑で逮捕される

アメリカはニュージャージー州でピザレストランや屋根修理などの仕事をしていた違法合法を含むイスラム系移民6人が米軍基地攻撃の陰謀を企んでいたとして昨日逮捕された。(ニューヨークタイムスよりCNNの日本語記事はこちら

容疑者は違法にアメリカに入国したアルベニア系の三人兄弟を含み、家族はニュージャージー州のチェリーヒルに長年在住している。三人はそこで公立学校へ通ったこともあり屋根修理やピザレストランの経営などをしていた。後から加わったのは、米国市民権を持つヨルダン生まれの義理の兄弟と、フィラデルフィア在住のユーゴスラビアとトルコ出身の二人の合法移民である。

ニュージャージーはイタリア系の移民が多く、昔はマフィアなどが活躍した場所でもあるが、最近は韓国系やイスラム系の移民が増えているようだ。私も何回か出張でいったことがあり、チェリーヒルのホテルに何週間も泊まったことがある。日本語にすれば桜ヶ丘という名のとおり春先の桜は見事な場所だ。
そんなところで一見普通に暮らしていたアルベニア人の家族がアメリカ国内でテロをやろうだなどと企んでいたとは恐ろしい。ニュージャージーには軍の基地がいくつかあるが、彼等の当初の標的は空軍基地だったらしい。しかし警備が厳しすぎるという理由で陸軍予備軍の訓練場所となっているフォートブリグ基地に標的を変更したという。
この6人の逮捕は15か月による捜査の結果だというが、そのきっかけというのが非常に興味深い。

当局が最初に男たちに気が付いたのは2006年の一月、ビデオ店の店員が容疑者たちがポコノ山でアサルト銃を撃ちながら聖戦について叫んでいる姿を撮ったビデオをDVDに移してくれるよう頼んだのを当局に通告したのがきっかけだった。

ビデオ店員の機転によって国内テログループの陰謀が暴かれることとなったわけだ。これが911以前のアメリカなら、飛行訓練所の指導員がFBIに通告したのも空しくそれ以上の捜査に結びつかなかったように、きっと指の隙間から流れておしまいになっていたことだろう。しかしありがたいことに911以後のアメリカには怪しげな行動をする人々に警戒の目を向け通告する市民からの情報を生かせる機構が存在する。また、国内イスラム系市民団体の圧力に負けず、その危険性を指摘することを恐れない市民が存在することも頼もしい。
しかし問題なのはアメリカ国内にこのようなテログループが存在しているということだ。捕まった6人のうち2人は合法移民1人はアメリカ市民だ。しかも最初からアメリカでテロをしようという考えでやってきたわけではないらしい。違法移民の3人ですら幼い頃からアメリカの学校に通うなどして普通のアメリカ人として暮らしていた。自分達が経営する商売もしており、決して貧困に困る下層階級に属するような移民ではない。祖国アルベニアやユーゴなどにいたときよりも、よっぽども豊な暮らしをしていたに違いない。
特に頭にくるのは、アメリカはボスニア・コソボ戦争ではイスラム教徒であるアルベニアの味方をしキリスト教のサルビアを敵にまわして戦った。イスラム系の難民も多くアメリカに受け入れてきたのに、恩を仇で返すとはまさにこのこと。
私は当時アメリカがイスラム教のアルベニアの方を持つことに全く納得がいかなかった。別にキリスト教のサルビアを応援すべきだと思ったわけではない。ただサルビアが凶悪でアルベニアを圧倒していたからといってアルベニアが善というわけではないし、この戦争にはアメリカがどちらかの方を持つ理由が全くないと思ったからだ。それに白状すると私にはイスラム教徒への偏見もあった。だから彼等に恩など売っても無駄だというシニカルな気持ちもかなりあった。
しかしここで真剣に考え直さなければならないのは、イラクでテロリストと戦っているとはいえ、アメリカ国内でもまだまだ油断大敵ということである。特に外国から入ってくる敵だけでなく国内で生まれる国産テロリストについてもきちんとした対策をとる必要がある。
このグループはきちんとした組織の一部というわけではなく、自分達でイスラム過激派グループのウェッブサイトなどを読んで過激な思想に感化されたようだ。しかし単なるアルカエダファンというわけではなく、軍事基地を偵察してみたりメンバーのひとりはコソボで狙撃兵だったこともあり、AK-47などの軍事用ライフルを購入しようとしていたというかなり真剣なグループだったようだ。

「今日はなんとか弾(たま)を避けました。」FBIフラデルフィア支部のJ.P.ウェイス特別捜査官は記者会見で語った。「事実このグループが購入しようとしていた武器の種類を考えると非常に多くの銃弾を避け他といえます。」

ウェイス氏はさらに「陸軍の一小隊を攻撃しようなどというグループが構成されていたのです。標的を決め偵察までしていたのです。彼等は地図も持っていました。そして武器購入の段階にまでいっていたのです。幸運なことに我々はそれを阻止しました。」

しかもそのきっかけが一般市民の通報だったということも忘れてはならない。対テロ戦争は軍人やFBIだけに任せておいてはいけない。市民一人一人が常に警戒の目を光らせていることが大切だ。この事件はそのことを象徴する出来事だった。


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イスラエル、オルメルト政権崩壊寸前!

昨年のガザ侵攻といいレバノン戦争といい、そのやり方のずさんさで任務完了もせずに放り出してきたことの責任を問われ、オルメルト首相の辞任を迫る声が国民や政府の間からも出てきている。

オルメルト首相に辞任要求=リブニ副首相が反旗、政権崩壊の危機-イスラエル

5月3日1時2分配信 時事通信
 【エルサレム2日時事】イスラエルのリブニ筆頭副首相兼外相は2日、オルメルト首相と会談した後、記者会見し、同首相に辞任を求めたことを明らかにした。国民の高い人気を誇る政権ナンバー2が公然と反旗を翻した形で、オルメルト政権は1年前の発足以来最大の危機を迎えた。
 リブニ氏はこの中で、レバノン紛争で傷ついた国民の信頼回復を目指す立場から、自身が職を辞す考えはないことを強調。オルメルト首相辞任後は総選挙を行わず、第1与党カディマが引き続き政権運営に当たるべきだとし、「時期がくれば」カディマ党首の座を狙いたいとの考えを示した。
 一方、4月30日に公表されたレバノン紛争の対応を検討する政府調査委員会の暫定報告で、オルメルト首相と共に「重大な失敗を犯した」と断じられた第2与党労働党の党首、ペレツ副首相兼国防相も辞任表明を検討しているとの情報が流れ始めた。
 リブニ氏は、昨夏のレバノン紛争以降は支持率低迷にあえいでいる同首相とは対照的に、イスラエル国内の世論調査で安定して高い人気を誇っている。「次期首相」の呼び声も高く、台頭を懸念する首相との確執が深まっていた。イスラエルでは「リブニ氏がこれに乗じ、倒閣に乗り出した」との見方が広がっている。 

イヨーニのブログでオルメルトの辞任を求めるデモ行進の写真が載っている。イヨーニの話だと何と集まった群集は20万人!オルメルト首相の支持率はなんと3%! これじゃあ韓国のノムヒョン大統領より低い。「3%じゃ誤差の範囲だからひょっとして支持率0%だったりして」とイヨーニ。
オルメルト政権はイスラエルの歴史始まって以来かなり久しぶりに内閣に誰も高位の軍人あがりがいなかったことが災いし、去年の二つの戦争は散々だった。軍事的には負けたとは言わないが勝ったとは言いがたい結果となった。しかも取られた人質三人は取り戻すことが出来なかったのに途中で退散。応援していたこっちはあきれてしまった。
以前にイヨーニはオルメルトはあと2~3年は頑張るのではないかといっていたが、ここまで人気が落ちてはやってられない。オルメルトは選挙になれば負けることがわかっているので政府を解散するのを避けているが、これ以上持ちこたえるのはムリではないだろうか? イスラエルのためにも早く辞任してもらいたいものだ。


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イラクのアメリカ即撤退を恐れる中東諸国の本音

イラク戦争は中東では人気がないというのが一般的な見方だ。確かに一般庶民は反米的な見解からイラクではアメリカ侵略軍は罪のないイラク人を殺すのをやめて即刻撤退すべきだという感情が高いかもしれない。だが、それらの国々の支配者たちは口でなんと言おうと個人的にアメリカの力をどれだけ忌々しくおもっていようと、彼らほどアメリカ軍のイラク即撤退を恐れている者達もいないというのがイギリスでもかなり左よりの新聞ガーディアンの意見である。何故アラブ諸国の支配者達はアメリカのイラク即撤退を恐れるのか、まずは比較的穏健派といわれるサウジアラビア、エジプト、ヨルダンの理由を三つあげてみよう。

  1. アラブ諸国はアメリカを利用して自分らの勢力を強める術を学んだ。しかしそのためには親米の姿勢をみせざるおえなかった。ここでアメリカがイラクから撤退するということはアメリカの敗北と解釈され、そのような弱者に媚を売ってきた支配者側は過激化する市民から弱体化したと思われる恐れがある。
  2. アメリカが撤退すればイラクはシーア派の勢力が強化され、隣国で同じシーア派でスンニ派アラブ諸国の宿敵イランと手を組み他のアラブ諸国の勢力を脅かす可能性が高まる。
  3. また宗派間で分裂したイラクでは内乱が絶えず起こり、特に国境を共有する近隣諸国にもその悪影響を及ぼす可能性がある。

しかし反米のシリアやイランも実はアメリカ撤退を望んでいないとガーディアンは言う。なぜならアメリカ軍がイラクで手間取っている間はシリアやイランに手を出す余裕はないだろうと考えるからだ。特にイランはその判断の真偽は別としてイラクにいるアメリカ軍はイランから攻撃するには容易な標的であるという考えらしい。とにかくアメリカにはなるべく長くイラクでてこずっていて欲しいというのが彼らの本音だと言うのだ。
またトルコはアメリカがイラクに要る限りイラクのクルド族が独立国を目指すなどということは考えられないと踏んでいる。クルド族の問題にてこずっているトルコとしてはイラクの北部でカーディスタンなどというクルド国家が出来てもらっては非常に困る。
そしてイスラエルはイスラエルでアメリカのイラク撤退はイスラエルに大悲劇を招くと考える。世界最強の国アメリカがイスラムテロリストに大敗することが可能なら、イスラエルなどアラブの敵ではないわ、と励まされるイランやシリアの手下であるヒズボラやパレスチナのテロリストが奮起だって自爆テロを増加させる可能性が高まるからだ。
と、まあこれがガーディアンの意見だが、シリアとイランの思惑はともかくサウジ、エジプト、ヨルダンそしてトルコそしてイスラエルの心配は当たっているだろう。ただシリアとイランはちょっと違うと思う。そして悪い意味でイスラエルはガーディアンが考える以上に危険な状況に置かれると思う。
先ずイランだがイラクからアメリカが撤退した場合、これはアメリカの国内でも国外でもアメリカの敗北と解釈される(そしてその判断は正解だ)。そんな苦い負け戦を体験したばかりのアメリカがどれほどイランの核兵器開発が気に入らないとしてもまたぞろ大規模な戦争に発展するかもしれない武力行使をするなど不可能である。そんなことは民主党が許すはずはないし第一世論がついてこないだろう。同じ理由でアメリカはシリアに対してもこれといった強硬手段は取れないはずだ。
となってくると一番危険な状態になるのはイスラエルである。イランは腑抜けのアメリカの弱さを利用してここぞとばかりに核兵器開発に力をいれるだろうし、シリアのヒズボラを使いレバノン及びパレスチナのテロリストに資金援助するなどしてイスラエルへの攻撃を容赦なく続けることは目に見えている。
ところで話はちょっとずれるが、エジプトはパレスチナのハマスにイスラエルへのロケット弾攻撃をいますぐ停止しなければ今後資金援助はしないと警告したという。しかも、もし怒ったイスラエルがガザに攻め入ってもエジプトは指一本動かす気はないと断言している。表向きはエジプトはイスラエルに反撃の口実を与えるなと言っているが、本音を言えばハマスの執拗な攻撃に嫌気がさしたイスラエルが本気でパレスチナを攻めパレスチナ難民がどっとエジプトに押し寄せてくるのを恐れているのだ。パレスチナ人は中東でも行く先々で問題を起こすと悪評の高い厄介者だからである。
アラブ諸国の支配者は表向きは反米だの反イスラエルだのと息巻いてはいるものの、両国の強さに頼っているという現実がある。
つまり、アメリカ軍のイラク撤退が及ぼす悪影響はイラク国内では留まらない。ハリー・リードを先頭として民主党はこのことの重大さに気がついているのだろうか?それとも中東がどれだけの混乱状態の陥ろうと自分達の議席を増やすことができさえすればそれでいいのだろうか?


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イギリスは立ち直れるか?

先日帰還したばかりの15人のイギリス兵人質が、体験談を巨額な金額でゴシップ雑誌に売ることをイギリス国防省が許可したことでイギリス国民から非難ごうごうだという話を小林恭子さんのところで読んだばかりだったのだが、今日になって当局はやはりこれを許可しないと発表した。
当初はきわめて特殊な例なので許可するということだったのだが、由緒正しいビクトリアクロス受賞者くらいしか許されていない特権をたかが人質になっただけの兵士らに許していいのか、イラク戦争でなくなった人々の遺族はどうなる、などの批判が次々に寄せられたようだ。
一旦許可して批判があったからやっぱりやめましたじゃ本当にイギリス軍隊の名誉も地に落ちたというものだ。私は別に彼等が体験談を金で売ること自体が悪いことだとは思わないが、抵抗もせずむざむざ捕まって敵のプロパガンダに簡単に協力し拷問もされていないのに「殺されるかと思った」だの「恐かった」だの平気で公言し、それを恥るでもなく平気で金で売って大々的に宣伝しようという精神が理解できない。私がこんな状態で帰国したら恥かしくて世間様に顔向けできないと思うが。
これが小林さんのいうところの「新しい英国人」と私みたいな古い人間の差だろうか?

8日のサンデータイムズで、アンドリュー・ロバーツ(歴史家、作家)という人が書いていたのが印象に残る。それは、もし15人の体験談を売ることに「いいんじゃないの?すごい体験だったし、お金をもうけてもかまわないだろう」と自然に思える人は、「新しい英国人New Brit」、今回の件で怒る人は「古い英国人Old Brit」と指摘していた。まさにそうなのかもしれない、と思った。

この間私もロバーツ氏とアメリカの保守派DJとのインタビューで、下記のような発言をしていたのを紹介したばかりだ。

HH:いったいジョン・ブルはどうしちゃったんです?僕が読んだどのイギリスの歴史書でもこんな挑発があればダンスホールで歌がはじまり灯火をもった行進が始まったとあります。
AR: 残念ながら私にもわが国に何が起きたのか解りません。 私にはショックです、そしてこれだけ多くのひとが、、、私たちは首を傾げているんですが、過去の政府ならこんな明らかな暴挙にたいして必ずしたであろう対応をしたいと答えた人がたったの6%なんですから。

私はこの会話を聞いてアカデミーで主演女優賞を取ったヘレン・ミレンが主演したThe Queen (女王)という映画のなかで、ダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなった時のイギリス国民の皇室に対する理不尽な不満に対して、エリザベス女王が「私の国に何が起きたのか解らない」といった意味のことを言うシーンがあったのを思い出した。
現在のイギリス社会がダイアナ妃人気の頃からどうもおかしくなっていると考えたのは私だけではなかったらしく、イギリスの政治コラムニスト、メラニー・フィリイプさんもロバーツ氏のいう新しいイギリスをイギリスのダイアナフィケーション(ダイアナ化)と呼んでいる。
故ダイアナ妃は皇太子と結婚してからパパラッチに追い回された挙げ句の果てがパリでの事故死。ダイアナに少しでも関係のあった人々は昔なら口が堅くて有名だった皇室の従業員から昔の恋人から占い師にいたるまで、皇室での出来事をゴシップ雑誌に恥も外聞もなく売りさばいた。いくら金の力は強いとは言えこれらの人々には仕事に対する誇りとか忠誠心といったものは全くないのだろうか?その傾向が一介の民間人だけならまだしもイギリス軍隊にまでひろまっているとはこれは由々しき問題だと私は思う。
アメリカ軍人の間で人気のあるミルブログのブラックファイブでは、コメントを寄せているのは内容からいって若い現役軍人が多いらしく、当初15人が拉致されたという時点で15人が抵抗しなかったことには同情的だ。ただその後捕虜になってからの態度は軍人として頂けないという意見が大半を占めていた。実際にはイラン側に協力したのは13人。15人のうち二人は最後まで協力を拒否したのだそうだ。
我々民間人や退役して何年にもなるお偉い軍人と違って、明日は我が身の若い兵たちはやはり上からの命令で抵抗するなという戦闘規約があったのなら中尉程度の立場でそれに反して抵抗を判断するのは難しいのではないかという同情心が出るようだ。しかしそのかわり、そのような戦闘規約をあのような危険な場所で実行しているイギリス海軍そのものに関しての批判は非常に大きい。
実を言えば私はこの事件はおこるべくしておこったことだと考える。最近世界広しと言えども海軍に投資し規模を拡大しているのはアメリカのほかは日本海上自衛隊くらいなものである。欧州はこの大事な時に防衛費を大幅に削りただでさえ小さい軍隊をさらに規模削減へと進んでいる。かつて皇立海軍をあれだけ誇った英国ですらブルーウォーター海軍は全面的に廃止する予定だという。あの13人の振る舞いは例外というよりも、もう長いこと病んでいるイギリス海軍の症状といってもいいだろう。
今日イギリス人であることを誇りに思うのは難かしい。
私は今のイギリスの状態は1979年にイランのアメリカ大使館をイラン人の過激派学生たちに占拠された時のアメリカと似ているような気がする。私は当時あの事件をリアルタイムでテレビでみていたが、人質をとられた直後のカーター大統領のぶざまな慌てふたふたむきぶり、その後のイランへの屈辱的な嘆願、そして恥さらしな救助大失敗と続き、アメリカではアメリカ人であることへの屈辱感が全体的にただよっていたのをよく覚えている。
実はアメリカに暗雲が広がりはじめたのは長年の苦労の甲斐もなく、ベトナム戦争がああいう形で負けた1975年頃からだ。それまで一度も戦争に負けたことのなかったアメリカにとってベトナム敗戦は非常に大きな痛手だった。
1976年、共和党のニクソンのスキャンダルとフォードの不能な政治のおかげで民主党のカーターが大統領になったが、それと同時にアメリカ経済は低迷状態。当時のインフレは20%、失業率は二桁というひどさ。オイルショックでガソリンは不足するし、日本車の進出でアメリカ自動車業界は瀕死の状態。そんな中で起きた大使館占拠事件は棺に打たれた釘といってもいい。
イランの宗教革命を事前に予知できずこのような事態を引き起こしたカーター大統領の支持率は地に落ちたが、それ以上にこの事件によってアメリカ人の自己意識は最低となった。アメリカ人がアメリカ人であることに誇りを持てなくなっていたのである。
そんな時、アメリカ人の気持ちを高揚させるひとつの出来事が起きた。皆さんは1980年の冬季オリンピックでアメリカのホッキーチームが優勝したことをご存じだろうか? (ディズニーの映画でこの時のことを描いた「ミラクル=奇跡」という映画があるので是非観ていただきたい。)
当時のオリンピックの規則ではプロは参加できないことになっていたので、アメリカチームは学生ばかりの平均年齢20歳未満のアマチュアチーム。それに対抗するのは東共産圏の経験豊な強敵プロチームばかり。なにせ共産圏の選手たちはアマチュアとは名ばかりの年も経験もいったプロばかり。青二才の学生たちばかりをかき集めたアメリカチームなど勝ち目は全くなかった。
ところがこのアマチュアチームが誰の予想にも反して優勝してしまったのだ!最近のオリンピックでアメリカのチームを応援する時アメリカ人がよく声を合わせて「USA, USA」と叫ぶのはこの時優勝の決め手となったソ連チームとの試合の時から始まったのだという。
長年アメリカ人であることに自己嫌悪を持たされていたアメリカ市民はこのチームのおかげで再びアメリカを誇りに持てるようになったのだ。
アセアンさんはよく大使館占拠事件がアメリカ人のトラウマになっているというが、私はかえってあの事件はアメリカが立ち直る踏み台になったと思う。カーター大統領の悲劇的な政権はあの事件で終止符を打った。カーター大統領に対抗して出てきた楽観的なレーガン大統領が圧勝したのもこうした背景があればこそだ。
レーガン大統領が当選した時、日本のマスコミがレーガン氏は三流の映画俳優だがハンサムだし、何よりもアメリカ人にアメリカ人であることを誇りに思わせることができるひとだと分析していたのを私はよく覚えている。
イラン大使館占拠でアメリカ人として最大の屈辱を味あわされたアメリカ人は、もう負け犬でいるのはたくさん、誇り高きアメリカを取り戻そうという気になった。今回の事件で集団的自己嫌悪に陥っているイギリス国民が、この事件を期に目を醒ましてくれることを望む私は楽観的すぎるだろうか?
イギリスよ、いまは軍事縮小の時ではない! グローバルジハーディストたちと戦うため、今こそ軍事を拡大しかつての無敵で偉大なる英国を取り戻すときなのだ!
イギリスよ、立ち直ってくれ!


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人質はどう振舞うべきか その2

アメリカ海軍の新聞、ネイビータイムスに今回のイギリス兵と同じような状況で拘束されたアメリカ兵らの話が載っている。同じ海域で任務にあたっているアメリカ海軍としては、今回の事件は全く他人事ではない。個人的には私の同僚のおじさんが今あのあたりの軍艦で勤務中ということもある。
さて先ず気になるのはアメリカ海軍の兵士らがイギリス兵のような状況におかれた時、アメリカ兵はどのように行動することが期待されているのだろうか?ということだ。今回のイギリス海軍の反応から言って英兵らの行動はROE(戦闘規制)に乗っ取ったものであったようなので、ここでアメリカ軍のROEを確かめておこう。

4月5日のCNNのインタビューにおいて、マイク・ミュラン大将海軍総司令官は、解りやすくいえばアメリカ海軍兵はこのような状況を防ぐことを期待すると語った。

「私の期待としては、アメリカの水兵たちはこのような状況において拘束されることは絶対にないということです。」と語った。「個人や隊は自己防衛の権利に添って行動すべきであり、自分達を守るために上からの許可を待つ必要はありません。このような作戦や任務につく場合、そういう考えで出動しています。」
水兵らが拘束された場合には、アメリカ兵士として、基礎訓練キャンプで教え込まれた6つ「行動の規律」を守ることが期待されていると大将は付け加えた。 兵士は自分の名前のほかにはほとんど情報を与えず、その他の質問には「非常に限られた範囲で答えること」だと大将は語った。

ホッ! ではアメリカ軍はイギリス軍が明かに時代送れと考えている、「名前、生年月日、出席番号」以外は言うなというモットーを貫き通しているわけだ。よかった〜。
さて、ここで先のイギリス兵15人とほぼ同じ状況で捕われたアメリカ兵たちの話をしよう。まず最初の事件は1969年に北朝鮮にだ捕された偵察線プエブロの乗組員たちが11か月ほど拘留された事件。乗組員たちはその間しょっちゅう殴るけるの乱暴を受けた。彼等も今回のイギリス兵と同じようにプロパガンダの写真撮影をされたが、みんなでピースサインならぬバードサイン(中指を突き付ける侮辱のサイン)をしてにっこり撮影に応じたという。これがタイムマガジンに掲載されジェスチャーの意味が説明されてしまい、兵士らはまたまたひどい拷問にあったという。(ありがとう!タイムマガジン!)
そのうちの一人、ラルフ・マクリントックさんは「行動の規律」を自分なりに状況に当てはめて解釈しながら行動したという。
2001年4月、中国近郊の航空で中国戦闘機に無理矢理着陸をさせられた米海軍偵察飛行機PC3の乗り組み員24人が捕らえられ11日間拘束された事件では、状況が非常に似ているだけに米海軍兵と英海軍兵の行動の違いは対象的である。
そのうちのシェーン・オズボーン元海軍少尉は当初から乗組員全員で力の限り抵抗しようと決心。イギリス兵が解放された時点ではまだまだ抵抗力は残っていたという。
拘束10日目にして、オズボーン少尉は中国の空域を侵したと認める声明文を書けばその日のうちに解放してやると言われたが、「謝罪より自分が白髪頭の年寄りになる方が先だ」と部下たちに告げ部下たちも全員賛成したという。
今回の人質ドラマをみていてオズボーン氏は「私は自分の部下たちをどれほど誇りに思ったかを思い出しました。私たちは名誉を保持したまま(中国を)去りました。」
まったく、爪のあかを煎じて、、、、、

アメリカ軍人たる行動の規律

I
自分は我々の生き方をそしてわが国を守る軍隊にて戦うアメリカ人である。自分はそのためなら命を捧げる用意がある。
II
自分は決して自分の意志で降伏しない。もし自分が司令官なら抵抗の余地があるうちは隊員を決して降伏させない。
III
もし自分が捕われたなら出来る限りの方法で抵抗を続ける。自分は脱走に力の限り努力し他者の脱走も援護する。自分は敵からの恩赦も特別扱いも受け入れない。
IV
もし自分が捕虜になったなら同僚の捕虜とともに信心を守り続ける。自分はどのような情報も敵に与えず同胞を害するような行動には加担しない。自分が上官なら指揮をとる。そうでなければ任命された上の者の合法な命令に忠実に従う。
V
捕虜となり尋問された時は自分は名前、位、サービス番号、生年月日を提供する義務がある。それ以上の質問には最大限、力の限り答えるのを避ける。自分は口頭であれ筆記であれわが国を裏切り同盟国を傷付け、その努力を傷つけるような発言はしない。
VI
自分は自由の為に戦うアメリカ人であることを決して忘れない。自分が自分の行動に責任を持つこと、そしてわが国を自由にした信念に敬虔であることを決して忘れない。自分は神とアメリカ合衆国を信頼する。


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人質はどう振舞うべきか

アメリカやオーストラリアでは同じ文化を受け継ぐものとして、今回のイギリス兵捕虜の無様な姿には少なからずショックを受けている。戦時中捕虜になった軍人や民間人はアメリカには多くいるので、彼等は決して何の経験もないのに口先だけでイギリス兵を批判しているわけではない。そこで今日は人質としてとらわれの身となったアメリカ人の例をいくつかあげて、彼等がどのように人間としての威厳を守りとおしたか考えてみたい。
1975年イランはテヘランにあるアメリカ大使館が当時大学生だった現在の大統領アハマディネジャドを含む過激派学生たちによって襲撃された。当時の襲撃で何人かが殺された後、外交官や職員といった民間人と軍人を含む53人が444日間イラン政府に拘束された。
下記はパワーラインを参考にした:

人質たちは目隠しをされ後ろ手に縛られ独房に入れられた。彼等は「自白状」に署名をしろといわれ拒絶すれば殴られ、食事を拒否され、偽処刑を何度も体験した。
ジョン・リンバートさんはペルシャ語の堪能な外交官だった。彼はテヘランから200マイルほどの場所で独房に入れられており、ほかの人質がどうなったのか全く分からなかった。ある時英語を教えていたイラン看守がこれはどういう意味かとリンバートさんに聞いてきたいくつかの言葉をみてみると、、「ぼろ布頭」「ぼけなす」「*母を犯す物*」「おカマ野郎」といった言葉が並んでいたという。リンバートさんは大笑い。どこか近くにアメリカ海兵隊員が自分と同じように耐えているのだと思うと心があたたまる思いだったとリンバートさんは後に語っている。
マイク・ホーランドさんはペルシャ語堪能な警備員だった。彼は素っ裸で歩き回って看守を常に侮辱した。また救援がくると信じたホーランドさんは看守の銃に細工をしたりした。
マイケル・メトリンコさんは、平和隊でボランティア活動をしたこともあるタフな外交官。ペルシャ文化に精通していた知識をつかってメトリンコさんは何かと看守や尋問者に議論を吹っかけ精神的な抵抗をし続けた。イラン人にしか分からないような腹立たしい罵倒をするのでその度に殴られた。一度は自分のイラン人の友達が尋問を受けている最中に尋問者にけんかをふっかけ友達のかわりに殴られたりした。この抵抗精神は最後まで変わらず解放される日に輸送バスの中で兵士の母親の悪口をいってバスから引きすりおろされあやうく解放されないところだった。しかし土壇場でイラン高官が間にはいりメトリンコさんはドイツ行きの飛行機にのることができた。メトリンコさんはイランを愛するが故、過激派独裁者が許せなかったという。

下記はIMAOに寄せられた同じくイランのアメリカ大使館で人質となった海兵隊員の話を要約した。

大使館を警備していた海兵隊は1000:1で圧倒的に劣勢だった。しかし隊員たちは秘密書類や重要な器具を破壊するため12時間部屋に立て籠った。
最初に連行された時隊員たちはアメリカのイラン政策を批難する声明文に署名をさせられたが、皆「ミッキーマウス」とか海兵隊英雄の「チェスティー・プラー」「ダン・デイリー」などという名前で署名した。
イラン側はプロパガンダとして隊員たちを何度もフィルムに撮ったが、著者は常にほかの人質の影に隠れて顔を隠していたいため、そのうちアメリカでは彼は行方不明ということになってしまったという。他の隊員は裸になったり顔にケチャップをつけたりして撮影を妨害したという。
解放の前日、著者らは再び尋問され、いわれた通りの宣言をしないなら解放されないとおどかされたが、隊員たちは黙ったままだったり、海兵隊の歌や聖歌を歌ったりして全く協力しなかった。
「解放の日、おれは飛行機に向かって二匹の猿たちに連行された。おれは奴らの手から腕を振払ってアメリカはナンバー1だ!と指を立ててやった。間違った指だけど、、、」
隊員らは殴る蹴るはもちろんのこと偽処刑などの精神的拷問を何度も受けた。「おまけにアムネスティーインターナショナルのバカが時々おれたちがどれだけ人道的に扱われているか世界に知らせるためにやってきた」と著者。しかしそのようなひどい目に遭いながら、隊員たちは一人もくじけず抵抗を続けた。(ただひとり陸軍兵が最初からイラン側に協力し人質たちからは村八分になったという)
「おれたちは抵抗した、なぜならおれたちは一番に海兵隊員だからだ!おれたちはおれたちに勇気を与えてくれたアメリカに名誉と忠誠を誓うからだ。自分らの名を、隊の名を、国の名を汚すくらいなら死んだ方がましだ。
センパーファイ!(Semper Fi)」

まったくこの人たちの爪のあかでも煎じてあの15人に飲ませてやりたいね。
ハッピーイースター!


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アメリカ初のイスラム教議員イスラムテロの本性現す!

アメリカ初のイスラム教徒の議員として今年から下院議員となったキース・エリソン議員。就任式の時にも聖書ではなくコーランをつかって宣誓をするとだだをこねて話題になった。選挙運動中から反対派はエリソン氏は過激派黒人イスラム教団体やアラブ系テロの看板団体CAIR(イスラムアメリカ評議会)などと深いつながりを持っている危険人物だと主張していたが、地元のミネソタ州メディアは反対派による人種差別だと言い張ってエリソン議員とテロリストとの関わりを全く報道しなかった。
おかげでエリソン議員は当選したが、この間の空飛ぶイマームたちの訴訟事件がきっかけで、ついにエリソン議員はそのテロリストたる本性をあらわした
米国下院議会で火曜日、共和党議員らによって公共交通機関を利用する乗客らが挙動不審な人物を通告する際、後に訴訟などの標的になるのを防ぐ議案が提案された。これはすでに訴訟の起きている空飛ぶイマーム事件のようなことを防ぐのが目的で、議案は304対121で圧勝した。
興味深いのはイスラムテロリストプロ市民団体代表議員のキース・エリソン議員が率先してこの議案に反対したということだ。なぜ、アメリカの議員がアメリカの一般市民がアメリカ人の安全を守るためにテロリストと思われるような危険人物を通告することを阻止しなければならないのだ?  なぜアメリカの議員がアメリカを攻撃するテロリストが行動しやすいような状況を作ろうとするのだ?
エリソン議員を選んだミネソタ市民はこの話に注目しているのだろうか? それともミネソタの新聞はこのニュースも黙殺するのかな?


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アメリカを毒するシャリア法

イスラム過激派による欧米攻撃は飛行機乗っ取り、列車や自動車爆破といった自爆テロなどという軍事攻撃だけではない。彼等による西側メディアや西側の寛容な人権保護法や移民法を悪用した民間レベルの攻撃も非常に周到に行われている。
すでに欧州ではその数を生かして、イスラム過激派はどんどんイスラム系市民への特権を手に入れているが、アメリカ国内でもその運動は非常に盛んだ。ここでも何度も紹介している空飛ぶイマームたちの訴訟などもその攻撃計画の一部である。そこで今回はアメリカ国内でイスラム過激派のプロ市民たちがどのようにシャリア法を設立しようとしているのかについて話してみたい。
まず、アメリカ下院議会で紹介されているイスラムテロリストを守る特権法の提案について紹介しよう。(Hat tip Gates of Vienna)
下院議員のジョン・コンヤース(民主)氏によって提案されているこの議案は、コーランへの冒涜禁止という題目ではあるが、このほかにも色々とこまかい規制が含まれている。例えば、空港でのイスラム教徒へのプロファイリング(テロリストの容貌にあてはまる人間を対象にした検査)の禁止、学校におけるイスラム祈祷の権利、ヘイトクライム(人種差別を動機とする犯罪)の定義拡大によりヘイトスピーチ(差別的な言論)との差をぼやかそうというものなどである。
このような法律が通れば、常識的な対テロ政策がイスラム教徒への差別だとして批判され、イスラム批判をすればヘイトクライムだヘイトスピーチだと言われて犯罪者扱いされかねない。自由社会の基盤となる国内警備や言論の自由や宗教の自由など完全におさらばである。
そしてこのような法律を後押ししているグループは、the American-Arab Anti-Discrimination Committee (ADC、アラブ系アメリカ人反人種差別委員会), the Arab American Institute (AAI、アラブ・アメリカ研究所), the Muslim Public Affairs Council (MPAC、モスレム公共協議会), the National Association of Muslim Lawyers (NAML、全国モスレム弁護士協会), and the Islamic Society of North American (ISNA、北アメリカイスラム協会)、そしてもちろんアメリカイスラム評議会(CAIR)やモスレムアメリカソサエティー(MAC)といった面々だ。
おそろしいのは、アメリカの司法省がこのようなイスラム系グループと国土安全保証対策について審議しているという点である。まるで強盗に家の戸締まりの仕方を相談しているようなものだ。Gates of Vienna(ゲイツオブビアナ、ウィーンの門の意味)の著者バーロン(Baron Bodissey)は、これはトロイの木馬だと表現している。

つまり、司法省の宗教差別対策がCAIR, ISNA, MAS (共産主義団体のANSWRと3月17日の反戦デモを共催した団体)そしてMPACといったグループの指導者たちによって先導されているのである。

以前から言っているように、これはアメリカ憲法の真ん中にトロイの馬が運ばれてきたようなものだ。これを阻止したいのであれば我々の声は聞かれなければならない…
もし今回眠ってすごしてしまったら、次回の議事はもっと通りやすくなってしまう、そしてその次、その次と続くだろう。
そしてある日気が付いた時には、イスラム宗教の自由を守る項目には、イスラム教徒の水泳プールは男女別々になり、学校の給食には豚肉を含まないメニューが保証され、イスラム系諸国での紛争にはアメリカ軍を出動させないなどの規制が含まれるようになるのだ。
つまり、アメリカはユーロアラビア(アラビアに侵されたヨーロッパ)のようになってしまうということだ!

空飛ぶイマームたちや、イスラム教徒らによるタクシー乗車拒否、豚肉販売拒否などで話題の多いミネソタ州でも、シャリア法設立の動きは活発である。これについてウォールストリートジャーナルの電子版、オピニオンジャーナルにおいてキャサリン・カーステン(Katherine Kersten)が書いている

いったい(ミネソタで)何がおきているのか?どうやらこれは地元の状況と大掛かりな動機をもつ政治活動家とが関わっているようである。タクシー運転手の例をとってみよう。ミネソタは何千何万という(アフリカの)ソマリアからの移民の里となっており、そのほとんどが最近の移民である。楽屋裏では穏健派ソマリア指導者たちと無防備な新移民を利用しようとする全国レベルのイスラム教政治組織との間で勢力争いが起きているのである。タクシー運転手の乗車拒否を拒絶するソマリア人らは、イスラム教はアルコールを飲むことは禁止しているがアルコールの輸送は禁止していないという。しかし2006年の6月、モスレムアメリカソサエティー(MAS) のミネソタ支部はイスラム教運転手に「罪に協力するのを」避けるためアルコール輸送禁止ファトワ(イスラムのお布れ)を発布した。

ファトワに調印した一人であるハサーン・モハムッドは、(タクシーの上に)二つのライトをつける案を全国の職場や住居などにおけるイスラム教徒への計らいのモデルとして奨励した。しかしセントポールにあるthe Somali Justice Advocacy Center(ソマリア正裁弁護センター)のオマー・ジャマルはMASは「ソマリア移民を過激化させ中東のアジェンダで乗っ取ろうとしている」と語る…
これらの出来事から察するに、ここにはもっと大掛かりな作戦がある。人権法におんぶしてイスラム系活動家たちは空港警備と過激な人種偏見を均等視し、ゆっくりと二つの法的機構を設立していこうというものである。威嚇はその重要な手段だ。「空飛ぶイマーム達」の訴訟に当局に通告した乗客を含むことでアンテ(ポーカーで新しい札を引く前に出す賭け金)は引き上げられた。プロ市民たちはメディアをあやつる手管も完璧化させている。ワシントンDCのレーガン国内線空港において、「祈祷デモ」をやった後、すっかりだまされたMSNBCのアンカーは空飛ぶイマームたちのパフォーマンスをロザ・パークの市民運動(1960年代の黒人解放運動発端となった女性)とを同等に比較した。
この比較は間違っている。空飛ぶイマーム達のリーダーであるオマー・シャーヒン(Omar Shahin)はテロリズムを支持して閉鎖された少なくとも二つの慈善事業のために募金活動をしていた人間だ。2000年から2003年にかけてシャーヒンは(アリゾナ州の)ツーサン市でイスラミックセンターを先導しており、このセンターはテロ専門家のリタ・キャッツ(Rita Katz )がワシントンポストにおいて「基本的にアメリカ国内における最初のアルカエダ支部」と説明しているような組織である。CAIRはテロリストとの関連が長年取りざたされている問題ある団体だが、シカゴトリビューン紙はMASはイスラム原理教のモスレムブラザーフッドのアメリカ支部だという。 彼等は「宗教と政治は離しては考えられない、政権はいずれはイスラム教になるべきだ」と唱えている。

モスレムブラザーフッドとはエジプト発生の過激派テロ軍団で、アルカエダのナンバー2となったアイマン・ザワヒリが席をおいていたグループ。イスラエルと和平交渉を結んだエジプトのサダト大統領を暗殺したのもこのグループの仕業だといわれている。
ではここでまとめてみよう。アメリカ国内ではテロリストと深いつながりのあるイスラム系過激団体が、アメリカの機構を悪用してアメリカで特権を得ようとしているのである。彼等はアメリカにイスラム教の法律であるシャリア法を設立し、イスラム教徒と他のアメリカ市民とは別々の法律のもとに裁かれるという社会をつくろうとしているのだ。
これはまさに、イスラム教徒を特権階級となり異教徒たちが下層階級の市民として扱われた7世紀の中東社会にアメリカ社会をかえていこうという陰謀である。アメリカや日本および諸外国の反ユダヤの陰謀切論者たちは、ユダヤ金融の陰謀などというありもしない陰謀に頭を悩ませる暇があったら、アメリカ及びヨーロッパ社会を蝕むイスラム過激派による本当の陰謀に目を向けるべきである。なぜなら欧米がイスラムの手中に嵌れば、東洋やアフリカもイスラムの陰謀の手を逃れることはできなからだ。


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空飛ぶイマームから乗客を守ろうと穏健派イスラム教団体らが募金運動

ミネソタ州のミネアポリス空港で不振な挙動をしていた6人のイスラム教聖職者たちが飛行機への登場拒否をされたことで、航空会社を相手どって訴訟を起こした話しはこの間空飛ぶイマームの訴訟でした通り。
その時コメンターのhoneycatさんが、イマームたちはその場に居合わせて乗務員に挙動不審なイマームたちについて通告した乗客たちまで訴えているという話をしてくれたが、その乗客たちを訴訟から守ろうという動きがミネソタ地元の弁護士や穏健派のイスラム教徒たちの間で起きているという歓迎すべきニュースがある。
アリゾナ州にあるthe American Islamic Forum for Democracyというイスラム教徒の団体がそのひとつで、その代表者のジャシャール医師(Dr.Zuhdi Jasser)がラジオでビル・べネットにインタビューされている模様をパワーラインのリンクから聞くことができる。
トランスクリプトがないので、記憶からお伝えするしかないのだが、このグループはここでも何度か紹介したテロリストの看板団体CAIR(アメリカイスラム評議会)の陰謀によって訴えられそうな乗客や乗組員の弁護費を代償するため募金運動をすると買って出た。
ジャシャール医師はCAIRのようなグループは宗教団体などではなく政治的な野心まるだしの団体であり、イスラム教の教えに反した恥べく団体だと非難する。怪しげな行動をしている人間を通告するのは市民の義務であり、それを訴訟などを使ってイスラム教差別だのといって威嚇するやりかたは、イスラム系アメリカ人と一般アメリカ市民との溝を深めるだけでイスラム系市民への偏見を減らすことに何の役にも立たないという。「こんなやり方で溝を埋めることなどできません」と医師。また空の旅は「権利」ではなく「特権」であり、航空会社には乗客を守る義務が最優先されるべきなのだとも語る。
ジャシャール医師によれば、アメリカにすむ大多数のイスラム教徒は宗教家が政治的な指導者になるべきではないという考えであり、アメリカにイスラム教法のシャリアを広めようなどという野心は全くないと語る。ロバート・スペンサーのようにコーランにそう書かれているから宗教心の強いイスラム教徒ならシャリアを望むのは当たり前という考えには全く賛成できないという。コーランは7世紀の社会に適して書かれたものであり、現在の世の中で文字どおり通用するなどと考えるべきではないというのだ。
無論べネットはそれが本当ならなぜ多くのイスラム教徒がCAIRのような団体にイスラム教徒の代表のような顔をさせておくのかと質問する。
ジャシャール医師はイスラム系市民の間では宗教心というよりもそれ以前に部族主義の傾向が高く、それが多くのイスラム教徒を沈黙に追い込んでいるという。これらの沈黙の大多数を目覚めさせ、CAIRのような団体はイスラム系市民を代表しないということを今後も訴えていくことが大切だと語る。
カカシはジャシャール医師の見解に大賛成である。私はここで何度もロバート・スペンサーのコーラン解釈を紹介してきたが、その度にスペンサーの分析は大事な情報として把握する価値はあるものの、スペンサーのいう悪の元凶はイスラム教そのものという考えにはどうしても同意できないでいた。それというのも、我々非イスラム教徒がイスラム全体を敵にまわしてしまったら、それこそ第三次世界大戦は免れないし、その犠牲者たるや双方あわせても莫大な数になるだろう。終局的にイスラム教は滅びるかもしれないが、いったいその後の世界はどのような恐ろしいものになっているのかわからない。
私はコーランは7世紀に書かれたもので、その内容の多くは現代社会にはあてはまらないという考え方に非常に励まされた。大事なのはジャシャール医師のような人がもっと多くイスラム教徒の間から出て、穏健派イスラム教徒たちがCAIRや他の政治的なイスラム系団体に対して、彼等は我々イスラム教徒を代表しないと声を大にして訴えることだろう。
さて、イマーム及び彼等を背景であやつっているCAIRの理不尽な訴訟から被告となる乗客や乗組員を守ろうという動きはここ数日活発に起きている。

ミネソタの法律事務所Faegre&Benson LLPに所属するゲリー・ノルティング(Gerry Nolting)弁護士は被告の乗客を無料で弁護すると申し出た。士は法廷が「威嚇の目的で使われている」としそれは「完全に間違っている。このようなことは断固として阻止されるべきだ」と語った。

「公共方針としてFAA(連邦航空委員会)は乗客に本土警備計画の一旦として不振な挙動を通告するようにと要請している。」とノルティング氏。「(訴訟は)人種や民族などとは無関係であり、乗客を脅かすことによって、乗客が不振な挙動を通告するのを防ごうとするもので、安全な旅行を促進することを阻止するものだ。」とした。
また別のミネソタの弁護士、トム・マローン氏(Tom Malone)もこの訴訟は「非常にあからさまに人々を威嚇しようとするものだ」さらに「無理矢理に人々を黙らせようとしている」とし、無料の弁護を申し出ている。

もっとも裁判所はこのような訴訟は取り上げないのではないかという説もある。

「もし(乗客ら)らが常識の範囲内で行動し、常識的な態度をとっていたなら、損害の責任対象にはならない」とワシントンにあるShook Hardy & Bacon LLP法律事務所のパートナーでアメリカ訴訟法改正委員会(the American Tort Reform Association)の一般顧問でもあるビクター・シュワーツ弁護士は語る。

ノルティングやマローン弁護士を含む数人のミネソタの弁護士たちは、ミネソタ基盤の三人の弁護士が経営しているブログ、パワーラインなどを通して、他の弁護士たちにも無料で乗客らの弁護をするべく呼びかけている。
また、下院議会ではスティーブ・パース議員らが中心となってテロリストと戦うアメリカ市民を守る法律、H.R. 1640 (Protecting Americans Fighting Terrorism Act) が提案された。パース議員はその際下記のように語った。

アメリカの自由な機構が対テロの戦いにおいて我々に対抗して悪用されるというのは悲しいことであります。 私は初めてミネソタでイマームたちにより起こされた訴訟について聞いた時、これは明らかに、単に自分達の安全を守ろうとしたアメリカ市民に対する不正だと感じました。 これらの勇敢な市民は評価されるべきです。特に前例のテロ攻撃を示唆するような疑わしい挙動を通告するという行為ならなおさらです。

アメリカ人として我々は我々の生き方を妨害する人々の横暴を許してはなりません。我々はテロリストのシンパたちによってテロ行為を通告する前に人々が訴訟を恐れてテロ行為を通告するのを心配するようなことを許してはなりません。これが威嚇作戦であろうと大規模な攻撃であろうと、アメリカ人は自分達と同胞市民を守る義務があるのです。そこで私はアメリカ市民を守り、すべての市民がここアメリカにおいて対テロ戦争最前線において注意深く、発言力を持ち続けられるように、この法案を提案するものであります。

アメリカ人はテロリストの脅迫なんぞには怯まんぞ! というわけである。


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