反イスラム過激派映画がイギリスで巻き起こした波紋

イギリスではすでにイスラム過激派がかなりの幅を効かし、多くのイギリスの政治家たちがディミー(イスラム教徒に仕える低い身分に甘んじている民)に成り下がっているという話はすでに何度もしてきたが、この度オランダの国会議員でイスラム過激派を批判したフィトナという映画を製作したガート・ワイルダース(Geert Wilders)氏がこの映画の試写会にイギリスから招かれたことでイギリスでは大変な旋風が巻き起こった。パジャマメディア、ロジャースルール紹介
それというのも、イギリスの上院議員労働党のナズィアー・アクメッド(Nazir Ahmed)という名前からしてイスラム教徒の議員がワイルダース氏のイギリス訪問はイギリスの秩序を乱すとして抗議をしたことからはじまる。気に入らないことがあると何かと騒がしいことで悪名高いアクメッド議員はもしワイルダース氏の訪英が実現したら一万人からのイスラム教徒を動員して大騒動をおこしてやると英国政府を脅迫したらしい。本人はそんな脅迫をした事実はないと否定しているが、自分がワイルダース氏の訪英及びフィトナ試写会を阻止し英国国会に恥をかかせてやったとガーディアン紙で自慢している

ガート・ワイルダースが英国を訪れ、コックス男爵夫人とピアーソン侯爵がこの映画を上映したいと望んでおられることを知った時、私は内省に手紙を書き、上院のリーダーとブラック・ロッド氏に、ワイルダースの訪英は宗教と人種嫌悪を刺激し、公共秩序を乱すものとなると抗議しました。….

ワイルダースの映画フィトナは、コーランの文節を文脈を無視して引用し、あたかもコーランがひどいテロ事件と関係があり、(イスラムの)教えがテロ行為と結びついているかのように描いています。私はこの訪問はBNP(英国ナチグループ)のような極右翼やイスラム過激派の双方から彼を応援する結果になると考えました。
私のこの手紙により、内政省長官はワイルダースに彼の訪問は「地域社会の調和ひいてはイギリスの公共安全を脅かす」と手紙を送り、国土安全を脅かし公共秩序もしくは市民の安全を乱す人員の入国を禁じるというヨーロッパ連盟の法律に基づきワイルダースの入国は拒否されました。私は長官の考察に賛同します。….
スペクター紙において、メラニー・フィリップスは私がイスラム教と一万人を動員してワイルダースに反するデモ行進をおこなうと脅迫したと虚偽の記事を書きました。その結果私は何百という苦情のメールや電話や世界中から私や私のスタッフに対して脅迫状を受け取ることになりました。

アクメッド議員が実際に一万人のイスラム教徒を動員して大騒ぎしてやると脅迫したかどうかは別として、ワイルダース氏の存在が公共秩序を乱す可能性があるとか、過激派による嫌悪や暴力を誘発する恐れがあるなどと言うことこそ、これまでのイスラム教徒の行動から考えて脅迫と取られても文句はいえない。ワイルダース氏はテロリストでもなければイギリス敵国のリーダーでもない。自分たちと考えが違うという理由でこのような人の訪問や映画上映を阻止するのであれば、英国には言論の自由などないと判断されても仕方ないだろう。
そして英国は暴力を恐れて少数派のイスラム教のいいなりになろうというのである。かつて帝国としてそ名を世界におののかせた偉大なるブリテンはいったいどこへいったのだ?
しかし言ってみれば内政省の判断こそ、ワイルダース氏の映画フィトナのメッセージを裏付けるものになっていると、イギリスの評論家チャールス・ムーア(Charles Moore)は書いている

(内政省のスミス長官が言ってるのは)「イスラム教徒を怒らせると暴力が起きますよ」という意味だ。ということはスミス女史の関連づけこそ、それ自体イスラム教徒を侮辱するものだ。彼女はキリスト教徒やユダヤ教徒、及び農民や社会主義社や菜食主義者を怒らせることについて同じことを言うだろうか?もちろんそんなことはない。イスラム教徒だけが彼女を怖がらせるのである。つまり彼女はガート・ワイルダースが言っていることとほぼ同じことを言っているのだ。

ところでスミス女史が必死にまもろうとしている『地域の調和』だが、アメリカにも地域の調和を強調するムザーミ・ハッサン(Muzzammil Hassan)なる「穏健派イスラム教徒」がいる。彼は有線放送で好意的なイスラム教徒像を描く番組つくりに力を入れていたが、ワイルダース氏がオランダに強制送還を食ったその日、ハッサンは離婚申請をしていた妻の首を切り取った罪で逮捕された。
ロジャー曰く、「イスラム教徒ってどうしてこう他人の首を身体から切り離すことを好むんだろうね?」


Comment

イランに鼻であしらわれたオバマのナイーブな直接外交

ブッシュ大統領の『ならずもの国家とは直接交渉はしない』という強行姿勢とは対照的にオバマ新大統領は選挙の時から、イランとは条件抜きでサシで交渉に及ぶと公約してきた。アルアラビアとのインタビューでも先日行われたオバマ大統領最初の記者会見においてもオバマはイランと交渉をするつもりだという柔軟な姿勢を見せた。下記はアルアラビアとのインタビューでの一部。

(オバマ)はイランの指導者たちの行動は「地域の平和と経済向上に貢献していない」と批判した。これには核兵器開発の疑惑やイスラエルへの脅迫、そして「過去におけるテロ軍団への援助」も含まれていた。

しかし、大切なのはイランと会話をする意志であるとし、双方の違いを表現した上で「発展の道につながる地点」を探すべきだとした。

ロシアを始めヨーロッパ諸国は、アメリカがイランとの交渉に積極的に参加してくれることは好ましいことであると語っているが、ヨーロッパ諸国はイランと利害関係があるためブッシュの強硬政策を煙たく思っていた。
しかし、イランのような独裁国にとってアメリカが友好的であるかどうかなどということは余り意味がない。彼らにとって意味があるのは、アメリカが強国か弱国かのどちらかということだけだ。イランの態度が全く変わっていないにも関わらず、イランに何の条件も付けずに、こちらから歩み寄りの姿勢を見せれば相手がどう解釈するか、これは火を見るより明かなはず。

テヘランのアザディ(自由)広場で、旗を翻している何万という群衆を前に、アクマディネジャドはバラク・オバマが月曜日に発表したイランとの「新しい窓口を探している」という供述について初めての応答をした。

「明らかなことは、(アメリカからの)変革は単なる戦略的なことではなく、根本的な変革でなければならない。イランが根本的な変革を歓迎するのは言うまでもない。」とアクマディネジャドは述べた。「イラン国家は交渉をする用意はあるが、それは公平な環境におけるお互い尊敬しあえるかたちでなければならない。」
交渉へのうなずきとは裏腹に、国営テレビでのメッセージは容赦ないものだった。IRIBチャネルで夕方のニュースでは、テヘランはじめイラン全土各都市で行われたデモ行進の様子が25分間にわたって放映されたが、どの市においても人々が「アメリカに死を」を叫ぶ声に焦点があてられていた。

オバマは条件抜きでサシで面と向かって交渉しようと提案しているのに、イラン側は交渉するにあたっては「公平な環境におけるお互い尊敬しあえるかたち」を条件としてつけてきたのである。彼らのいう「お互い尊敬しあえるかたち」がどんなものか察しがつくというもの。
アメリカはブッシュ時代に、イランが核兵器開発を諦めない限り、イランとの交渉など無意味だという強行姿勢をみせてきた。もしイランがアメリカに交渉を求めるのであれば、イランのほうがその姿勢をあらため、アメリカにひざまずいて交渉を嘆願するのが筋だった。イランが強気に出て核兵器開発を続行すれば、アメリカからの攻撃も覚悟しなければならないとイラン政権はかなり恐れおののいていたはずである。
それが、オバマ政権になったら、イランの姿勢は変わってないのにオバマ政権は無条件で交渉を求めると言って来た。これが弱さでなくて何だ?この間の衛星打ち上げにしてもそうだが、イランはオバマの器量を試している。オバマはそこでイランの衛星打ち上げにとことん抗議するどころか、イランと交渉をする意志を変えていない。こんな弱腰の大統領ならイランは自国の核政策を変更する必要は全くない。こんな弱腰大統領がイランに攻め入ってくるなんてことはありえないと踏まれたのである。
つまり、オバマは完全にイランに鼻であしらわれたのである!
これは、アメリカにとって大統領が情けないというだけでは済まされない。イランの核兵器開発だけでなく、過去どころかイラク戦争の間も、現在はイスラエル攻撃に際しても、イランのテロリスト軍団への援助は続行している。オバマはそれに関しても全く批判の声を述べていないのだ。これではイランは核兵器開発もテロ支援もアメリカからは何の邪魔も入らないと判断するのは当たり前のことだ。となればもともとイランと仲良くしているロシアや中国が対米政策に強気になるのはもとより、同盟国であるはずのヨーロッパや日本もイランとの裏取引を始め、今後イランの勢力を弱めることがさらに難しくなることだろう。


Comment

プーチン、オバマに一発かます

今回はキルギスタン(Kyrgyzstan)という元ソ連圏にあった「スタン諸国」のひとつについてお話したいと思う。ミスター苺が詳しく説明してくれてるので、それを元に紹介しよう。この先はミスター苺口調でいくのであしからず。
尻の青い政治家が大統領などになって「世界の市民」とかナイーブなことを言っていい気になっていると、アメリカは海千山千の諸外国にいいようにおもちゃにされる。外交官として何の経験もないオバマは何が起きたのかさっぱりわからず狐につままれたような顔できょとんとしている。だから言っただろうが、こんな青二才を大統領にしたらアメリカは大変なことになるって。

キルギスタン(Kyrgyzstan:キルギスタンの大統領は火曜日、アフガニスタン軍事作戦の援助に使われて来た 米国の空軍基地の使用を終了させる と発表した。

え — ? 何だって?  どっからそういう話が出てくる訳?

インターファックスとRIAーノヴォスティ(Interfax and RIA-Novosti )によると、この声明はKurmanbek Bakiyev(キルギスタン大統領)によって、ロシアがこの元ソ連圏の貧乏な国に何億ドルという資金援助をすると発表した数分後に出された。

その金額というのは、キルギスタンに先ず直接一億5千万ドル($150 million)の支援金が払われ、それプラス20億ドルの借款を保証するというもの。これに比べたらアメリカが毎年支援金として払って来た1.5億ドル (基地使用料の6千3百万を含む)なんて雀の涙みたいなもんだ。
ソビエト連邦ロシアがキルギスタンに資金援助をすることと、キルギスタンがアメリカを基地から追い出すのとどういう関係があるのかというと、

キルギスタンの、中央アジア国の首都ビシケク(Bishkek)外側に位置するマナス(Manas)基地の米軍による使用を終わらせるという決断は、米国とNATO(北大西洋同盟)のアフガニスタンにおける軍事行動に大きな影響を及ぼす恐れがある。アフガニスタン・イラク米軍司令官のデイビッド・ペトラエウス将軍は、先月中央アジアを訪れた際、マナス空軍基地はここ数ヶ月のうちにアフガニスタンに3万ほど兵力を増派するために鍵となる場所であると語った。…..

米国は2001年9月のテロ攻撃の後、アフガニスタン作戦の後方援助のためキルギスタンのマナスとその隣国のウズベクスタンに空軍基地を設置した….
ロシアは自国の戦略上の裏庭と考える地域に米国の存在があることをずっとうさんくさく感じていた。

The 'Stans

スタン諸国


キルギスタンは中国の左隣(政治的にではなく地理的に左)にある小さな緑色の国で、キルギスタンにつきささってるような小さな緑色の国がウズベクスタンだ。そのすぐ下にある二つの国はタークマニスタン(薄緑)とタジキスタン(紫)。そしてもちろんアフガニスタン(茶) 言うまでもないがロシアは地図の頭部にあるだだっぴろいオレンジ色の国。
ではここでどういう課程でこういうことになったのかおさらいしてみよう。
2001: 911同時多発テロ発生。ジョージ・W・ブッシュ大統領がどう説得したのか、孤立主義で悪名高いキルギスタンとウズベクスタンというふたつの国に、このイスラム圏で元ソ連衛星国家だったふたつの国に、アフガニスタンにおけるアルカイダとタリバンの独裁を破壊すべく、『永続する自由作戦』(Operation Enduring Freedom)において空爆援助に必要な空軍基地設立を承諾させてしまった。
2005: ウズベクスタンにおいてイスラム過激派のテロリスト容疑者の裁判が行われた。人に依ては彼は単なるビジネスマンで政府にぬれぎぬを着せられたと言う人もあるが、誰と話すかによってこれは異なる。ともかく、この裁判に怒った地元市民がAndijan市で暴動をおこした。ウズベクスタン政府はイスラム過激派を鎮圧するという口実でしょっちゅう自国民を弾圧してきていた。武装した群衆は容疑者の収容されていた留置場を攻撃し、容疑者を解放し、建物に放火し政府役人を人質にとった。これに対応してウズベク軍は群衆に発砲し400人から5000人の市民が殺された。ウズベク政府は殺したのは187人だと主張しているが。
このウズベクスタン政府の強行な手段を西側諸国はこぞって糾弾した。しかしブッシュ政権だけは、もっと公平な調査をすべきだと主張した。 そもそも事件の発端は武装した群衆による攻撃だったわけで、政府役人が人質にとられたり政府の建物が放火されたりしているのである。この際、イスラムテロリストを含む多くの犯罪者が解放されてしまった。政府の対応が行き過ぎだったとしても、一方的な糾弾は早計だという理屈からである。
ところがここで、おせっかいにも元共和党大統領候補ジョン・マケインを含む穏健派共和党上院議員4人と現副大統領のジョー・バイドンを含む二人の超リベラル民主党議員が、ブッシュ政権に対してウズベクスタンに半永久的に米空軍基地を設けるというウズベクスタンとの交渉は即打ち切るべきだと声明文を出した。 これに怒ったウズベクスタン政府は米軍を自国から追い出してしまった。おかげでアフガニスタンへの後方援助のできる米軍空軍基地はキルギスタンのみとなったのである。

議員たちはブッシュ政権にウズベクスタンに常時基地を設立することを考え直すように陳誠し、また合衆国はウズベクスタンとの関係を変更する柔軟性をもたせるために、キルギスタンのような別の隣国に基地を建てることを考えるべきだと主張した。

「戦略的に重要な地域において、政府との関係を断ち切るかどうかが難しい質問であることは理解できます。」「しかしながら、Andijanでの惨殺の結果、アメリカはウズベクスタンとの関係を変更しないわけにはいかないのです。」

2005: この間、三月におきた「チューリップ革命」にも関わらず、キルギスタンはジョージ・W・ブッシュが大統領である限り、米国に空軍基地の使用を許可した。
2005-2008: 2008年まで大統領をつとめその後は首相となったプーチン(Vladimir Putin)は急激に西側諸国に攻撃的な姿勢をとるようになっていった。イランのムラー達やアクマディネジャド大統領と親密な交際をはじめ、カスピアン海の自然ガスや原油のパイプライン独占権を強化する方針をとるようになった。 偶然だがカスピアン海といえばスタン諸国に一番近い海であり、バク→ティビリシ→セイハンのパイプライン(Baku-Tbilisi-Ceyhan pipeline)はキャスピアン海から始まって、アザバジャンとグルジアそしてトルコを通って地中海にそそぐ。バク→サプサ、バク→ノボロシスク(Baku-Novorossiysk)原油パイプラインも、いま提案されているトランスキャスピアン自然ガスパイプラインも同様だ。この自然ガスはキャスピアン海からタークメニスタンの地下から掘られることになり、スタン国としてロシアの影響をうけずに独立した発掘ができるはずのものである。

Hydrocarbon pipelines originating at the Caspian Sea

キャスピアン海から始まるパイプライン


これはすべて地理的な基礎知識、少なくともそうあるべき知識だ。ブッシュはきちんと理解していた。ヒラリー・クリントン国務長官も理解しているし、その陰でヒラリーを操ってるビルも理解している。議会の議員たちの多くですらも、ちょっと頭のいい連中なら、このくらいの知識はあるだろう。
2009: しかしバラク・H・オバマ新大統領にはこんな知識に時間を浪費している暇はない。ロシアによる資金援助がマナス空軍基地からアメリカ軍を追い出すことにつながるかもしれないなんてことは寝耳に水だったようで、この話を聞いてオバマは大ショックを受けている。もちろんこれによってアフガニスタンに駐留するアメリカ陸軍は戦略に必要不可欠な空からの援助がうけられなくなり孤立してしまうという影響もあるわけだが。
俺(ミスター苺)はブラジミール・プーチンはソ連がアフガニスタンを失ったことを未だに根にもっていると考える。プーチンはプーチンが夢見る新しいロシア帝国に旧ソ連配下にあったウクレーン、グルジア、ポーランド、旧チェコスロバキア、ユーゴスラビアなどと供にスタン諸国もロシアの配下に取り入れようとしているのだ。アフガニスタンはその自然な一部と考えらえられるだろう。まずいことにアフガニスタンのハミッド・カルザイ大統領はブッシュの時のようにアメリカ政権との関係に安心感をもっていないらしい。 上記にリンクしたAPの記事より。

アフガニスタンのハミッド・カルザイ大統領はこの数週間ロシアへの接近を強めている。大統領事務所は両国の間で交わされた手紙を公表し、ロシアはアフガニスタンの防衛に協力する用意があることを発表した。

この数週間」というのはどうやら「11月4日から」つまり、オバマが次期大統領になると決まった日から今日までの13週間を意味するようだ。

デイビッド・ペトラエウス将軍は、先月中央アジアを訪れた際、マナス空軍基地はアフガニスタンに米軍を増派するために鍵となる場所であると語った。将軍はまた合衆国はキルギスタンにマナスの使用料6千3百万を含む1臆5千万ドルを毎年つぎ込んでいると語った。

ロシアは火曜日、キルギスタンに20億ドルの借款に加えて1億5千万ドルの資金援助をすることに合意した。

…そしてキルギスタンはその直後、、ほんの数分後、、アメリカを追い出すと発表したのである。ペトラエウス将軍もペンタゴンのジェッフ・モレル報道官もキルギスタンのこの行為はアメリカからもっと金をせびり取ろうという、ただのゆすりくらいにしか思っていないようだ。

(アフガニスタンのトップ米軍報道官)グレッグ・ジュリアン大佐は、キルギスタンがマナス米軍基地へのアクセスを閉鎖するという脅しは「政治的位置づけ」にすぎないと語った。アフガニスタンとイラクの戦闘を監督するデイビッド・ペトラエウス将軍は、先月キルギスタンの高官と会見し、「すべて順調であるという印象をもって帰って来た」と大佐は語った。

「我々には契約があります。彼らは我々が居ることで何百万ドルというお金儲けをしているのです。基地を閉鎖する予定は当面全くありません。」と大佐はアソシエートプレスに語った。

契約があるからなんだというのだ?ロシアが約束している金額は、我が国の議会が承認し国民が納得できる金額なんかとは桁がちがうんだぞ。キルギスタンがお前ら出てけ、とやったら我が国はどうするのだ?国際法廷にでも訴えるのか? そんなことをすれば他のスタン諸国と供に余計にキルギスタンをロシアの胸元に追い込むことになるだろう。 これはアフガニスタンも含めてだ。カルザイがプーチンと何かと接近してることでもわかるよういにね。
まったくミスター苺はうれしいよ!オバマがブッシュの古くさい政策を廃棄して、イランやアルカイダに敬意を表する政策に変更してくれてさ。 これはブッシュ大統領が『アメリカはイスラム教と戦争をしているのではない、イスラムは「平和な宗教」だ』と何百回と繰り返してきたのとは大違いだもんな。
俺たちは過去8年にわたって 世界のいじめっこだったらしいけど、オバマがそれを止めてシリア、パキスタン、ロシア、そして北朝鮮や中国とも協力しようってのにはうれしくて涙がでるよ。
オバマはブッシュみたいに40国の有志軍を募ってひとりで行くようなことはしないもんな。そのかわりオバマは条約とか安全保障契約に署名してくれるんだ。オバマは過激派イスラム戦闘員や再台頭する共産主義国家と契約書を交わしさえすれば平和が保てると保証してくれてるもんな。なにしろブッシュ政権で抜けてたのは直接外交だけだったんだからね。
俺は一生のうちで何一つ采配をふるったことがない経験不足の大統領が、戦争とか、軍隊とか、殺しなんていう古いしきたりに頭が固まってないってことをすばらしいと考えるべきなのかもしれない。自国の利権を優先させてばかりいる経験豊かな年寄りの政治家なんかよりオバマが見せた「勇気」に陶酔すべきなのかもしれない。俺はこの希望の変革や国際主義や先見者や崇高な 世界の利権優先を心配する替わりに、奇跡を信じるべきなのかもしれない。
多くの保守派共和党支持者らは俺たちが『投票にはいかなきゃいけない』と言った忠告を無視した。俺たちの、『国の安全を守るためには、オバマは大統領になってはいけない、鼻をつまんでもマケインを大統領にしなければならない。これは我が国の存続に関わることなのだ』という警告に耳を貸さなかった。保守派は前回の選挙はどちらの候補者も理想ではなかった、それでもまだましな候補であるジョン・S・マケインに投票すべきだったのだ。
ま、今更だけどね、 だから言ったじゃねえかよ〜


View comments (2)

ベルギーはガザなのか?

イスラエルのガザ攻撃に抗議して、ヨーロッパ各地で抗議デモが起きていることは読者の皆様もご存知のことと思うが、ことイスラム教徒が関わると、こうしたデモは単なる抗議を通り越してユダヤ人憎しの暴動へとつながり、ヨーロッパ居住のイスラエルとは無関係なユダヤ教徒があらぬ暴力の対象となる。ヨーロッパ各地でイスラム暴徒による暴力沙汰を見る度に、ヨーロッパはイスラム教移民の受け入れを深刻に間違えたと思わざる負えない。今となってはヨーロッパ諸国はイスラム教徒の移住を全面的に禁止する必要があるかもしれないとさえ思う。
イスラム教の移民が多いベルギーでは、ずいぶん前からイスラム教暴徒の暴走が問題になっていたが、今度の戦争をきっかけにベルギーのイスラム教暴徒たちはその凶暴性をさらに激化させている。
下記はダイアナ・ウエストのサイトに載ったベルギーはアントワープ市の元警察官のエッセイから。

2008年12月31日、AEL、訳してアラブ・ヨーロッパ連合(もちろんハマスとヒズボラの支持者たち)という過激派主催の抗議デモがアントワープ市で行われた。この市はヨーロッパでもユダヤ教徒の人口が最も多い市である。デモの間何百という覆面のイスラム教徒たちがユダヤ教徒が多く住む地域付近のBorgerhoutに集まった。抗議者たちは口々に「ユダ公出て行け」「ハマス!」「ヒズボラ!」と唱えるというより戦いの雄叫びを上げていた。行進の前からアントワープのイスラム教徒が密集している居住区にはガザの紛争はユダヤ人のせいだというビラが配られた。 行進の間、イスラム暴徒らは数々の店や車を破壊し、警察官二人に重傷を負わせた。行進者たちはユダヤ人経営のダイアモンド店に向かおうとしたが、かろうじて警察によって妨げられた。

三日の土曜日、モスレム達(イスラム教徒)はアントワープの歴史ある中央部にあつまり、パレスチナへの同盟を近いと同情の念を表現し、パレスチナ運動に支持を示した。警察は95人の抗議者を逮捕した。その何人かは火炎瓶や銃やペパースプ例などを所持しており、あきらかにユダヤ教徒やユダヤ関係のものを攻撃するつもりだった。その同じ晩、子供12人が眠るあるユダヤ人家族の家に火が放たれた。幸い家屋だけが破損しただけでけが人は一人も出なかった。ベルギーの法律では人が居る家への放火は直接的な殺人未遂であり、有罪になれば20年間の禁固刑となる罪である。
ブルッセルではベスヒレルシナゴーグ(ユダヤ寺院)に火が付けられた。ブルッセル市中央では抗議デモが暴動に変わり、モスレムと警察のもみ合いになった。 店のガラス窓は割られ、車が破壊された。この事件がおきたのは夕方の早い時間で、冬のセールの初日ということで多くの買い物客でにぎわっていたが、店主達は買い物客を守るために彼らを店内に入れたままドアを閉めて鍵をかけた。マクドナルドの店内は完全に破壊されてしまった。
ベルギー内のユダヤ教徒やユダヤ標的への暴力はアラブ人ヨーロッパ連合(AEL)だけに責任があるのではない。他にも得体の知れないイスラム教過激派組織がテキストメッセージなどを通じてモスレム市民にユダヤ標的への攻撃を呼びかけ、街頭デモや暴動でユダヤ人居住区と関連のあるものを片っ端から破壊することを煽りたてた。”Composantes de la Communauté Arabe de Belgique” (CoCABe)という組織はブルッセルの3000人のモスレムを集め、パレスチナへの支持とアンチユダやのスローガンを叫び散らした。
ユダヤ教学校や寺院、ユダヤ系マガジンなどに数通の脅迫状が送られている。ベルギーの内省や警察ではこの先数日もしくは数週間に渡って、増加するであろうユダヤ人への暴力に備えて警備体制を固めている。

こういう記事を読むと、ベルギーおよびヨーロッパはイスラム圏からの移民を全面的に廃止すべきだという気になる。彼らを最初に受け入れた時に、もっときちんとした受け入れ態勢をつくっておけば、一世代後の今になってこのような結果を生まずにすんだはずだ。しかし時すでに遅し。
今となっては、モスレム暴徒は厳しく取り締まる以外にない。


View comments (2)

ロシアのグルジア侵略拡大する

The English version of this post can be read here.
世界中がオリンピックで浮かれている隙に、なんとロシアはお隣のグルジアに侵略。(英語ではグルジアはアメリカの州と同じでジョージアと発音する。)これについてミスター苺がBig Lizardsで詳細に渡って書いているのでそこから紹介しよう。

Georgia On My Mind(ジョージアを想う)

ミスター苺著
俺はソ連帝国の時代からロシアにはあまりいい感情を持っていない。ソビエト連盟が崩壊した時も高見の見物っていう姿勢をとっていた。もちろんあの酔っぱらいのヤルツェン親父が戦車の上に乗っかってソ連共産党をくずした時は歓声を上げたし、当初はプーチンに騙されさえした。もっともブッシュ大統領も最初は奴に騙されたようだが。しかしここ最近プーチンのロシア像はイラン/アルカエダ枢軸の次に中国や北朝鮮よりも、アメリカにとって暗雲の陰を落としつつある。
そいうい背景があるので、俺はロシアが民主主義で自由市場を持つ国家であるグルジアに攻め入ったと聴いた時、すぐに悪いのはロシアだと判断した。即座にジョン・マケインが天使の方に味方したことでも安心した。社会主義のバラク・オバマがどっちの味方をするもはっきりしないままロシアのほうに傾いてるというのも全く不思議じゃない。このロシアの野心丸出しの侵略に対して、アメリカが何も出来そうもないことに、多くのアメリカ人が苛立ちを感じるているのも俺にはよく理解できる。
だが大事なのは誰が戦争を最初に始めたかということじゃない。俺たちはロシアが昔みたいに誰からも阻止されずに近隣諸国に侵略するなんて行為を放っておくわけにはいかないのだ。プーチンが今後こんな野心を持たないように奴には手痛く高い代償を払ってもらう必要がある。俺たちはまた、双方引き分けで終わらして単に侵略前の状態に戻すなんて結果も許してはならない。イスラエルとヘズボラ戦の時でも学んだように引き分けなら結果的に攻め入った方が勝ちだ。ロシアは何の損もしない。
KGB の支配
グルジアがロシア親派で独立を求める南オセチアにちょっかいを出したタイミングはどうも変だ。ロシアは2003年の無血のバラ革命の時からグルジアを取り戻そうとオセチアを焚き付けてきた。(この革命で腐敗した元ソビエト外相だったEduard Shevardnadzeが失脚し、現在のMikheil Saakashvili大統領が権力を握った。)
ロシアの反応は大げさ過ぎるだけでなく、気違い沙汰とすら言える。それに突発的に起きた反応にしては敏速で効果的過ぎる。ということは理屈から言って ロシアはグルジア侵略をずっと前から企てていたと考えることが出来る。 世界の目がオリンピックに集中している隙を狙ってちょっとしたグルジアの行動を口実に攻め入る機会を狙っていたのだ。
ロシア軍は南オセチアとアブハジアに居座っている。ここは1994年にグルジアの一部となったロシア民族の自治区である。ロシアはずっとこの地区の独立派をそそのかしてグルジア市民に対してテロ行為をやらせて来た。チェッチェンがロシアを攻撃しているように、ロシアはグルジアに攻撃を射かけていたのである。そう考えると「誰が最初に挑発したのか」という質問の答えはブラジミール・プーチン、ロシア帝王にあることは誰が観ても明白なはずである。
ロシアの現大統領がドミトリ・メドベージェフだってことくらい俺は知っている。だがプーチンが大統領を引退して首相となったのは、大統領任期切れをごまかす手段であり、メドベージェフ大統領はプーチンの手先にすぎない。
プーチンは未だにKGBの哲学で生きている。プーチンはかつてのソビエト連盟でKGBの輝ける新星だったのだから当たり前だ。奴らのやり方は常に:

  1. 狙いをつけた自治区で、もめ事を挑発する。
  2. そこで外地のロシア民族を救うという口実で軍隊を送り込み選挙を乗っ取る。
  3. 自分たちの手先を占領地の指導者におっ立てて誰か文句あっかと居直る。

だから俺にはロシアがグルジアを再支配しようとしていることは明白だ。 嫌がるグルジアを無理矢理ロシアの衛星国にし、奴隷国家として傀儡政権を通じて支配するつもりなのだ。(いや、直接ロシアの支配下におくつもりなのかもしれない。)
プーチンは戦火を南オセチアとアブハジアの国境をずっと超えた地域まで拡大し、グルジアの首都Tbilisiまで空爆している。成功しなかったとはいえ、ロシアは先週末Baku-Tbilisi-Ceyhan 石油パイプラインを破壊しようとした。このパイプラインはアブハジアからグルジアを通じてトルコまで続き、地中海のカスピアン現油田とつながっている。つまり国際石油市場へのパイプラインである。
ロシアの企みは明白だが、それでは我々はどうすべきなのか。実をいうと俺にはちょっとした考えがある。元ソビエト連盟の奴隷国で、現在は民主主義国家として生まれ変わった北ヨーロッパ諸国のNATO(北大西洋同盟)参加を促進することだ。(グルジアは戦争が終わるまではメンバーには加えられない。今メンバーにすると我々は同盟国としてすぐさ援軍を送らなければならなくなる。)現在のNATO諸国がそれを否決するなら、アメリカも強気で出て、今後 NATOの議案はことごとく否決すると脅迫くらいしてもいい。
**********
ミスター苺は特にNATO参加を促進すべき国としてウクレーン、モルドバ、アジャバジャーン、そしてアルメニアを上げている。何故これらの国々が重要なのかという詳細については次回に述べることにする。


Comment

すっかり大統領気分のオバマを追い詰めるマケイン人気

ヨーロッパ遠征旅行の「成功」にすっかり気を良くしたオバマは、もう完全に大統領気取り。まだ正式に民主党候補にすら指名されてもいないのにオバマのこの態度は生意気というか厚かましいというか、みていて気分が悪いったら無い。しかもそのオバマにべたべたのアメリカメディアの格好も見られたもんじゃない。
しかし、これだけアメリカ初め諸外国のメディアにちやほやされてスター並みのセレブになってるが、その割には国内での支持率はそれほど伸びていない。どのニュースでもトークショーでもニュース雑誌から新聞からゴシップ週刊誌までオバマつくしなのだから、もうマケインなんか20点くらい話して独走しててもよさそうなものなのに、そうでもないのが興味深い。
多々の世論調査を統計しているリアルクリアポリティクスの平均(RCP Average)によると、オバマ 46.9ポイント、マケイン 43.9 でオバマがわずか3.0ポイントのリード。7月の終わりでこの程度の差では11月までにはどうなるか全く解らない。
ところで同じRCPに載ってるオバマのテレビコマーシャルの程度の低いことといったらない。最初にマケインのよるオバマへの攻撃は「嘘」「でたらめ」「口から出任せ」で「代わり映えしないいつもどうりの政治活動」と批判している。だがオバマはマケインが指摘したどの事実が嘘でたらめなのか全く説明していない。
マケインによるオバマへの攻撃のどれが嘘なのか箇条書きしてみよう。

  • オバマはイラクとアフガニスタンへの緊急資金割当に反対票を投じた。(事実!)
  • オバマはイラク新作戦に反対し、二万兵の増加など暴力が減るどころか帰って逆効果だと言った。
  • オバマは大統領になったら税金を引き上げると公約した。(事実!)
  • オバマは国内の原油発掘を反対している。(事実!)
  • オバマは政治家としての経験がマケインよりも浅い。(事実!)

オバマさん、これのどこが嘘でたらめなのか説明してもらおうじゃないの!
なんて主流メディアが突っ込むはずもない、、と思っていたのだが、オバマの外国遠征旅行ではオバマはあたかも自分が大統領でもあるかのように秘密警察で自分を取り囲み、勝手についていったアメリカの記者達にインタビューをさせていない。
以前にも指摘したように、アメリカのメディアはリベラルではあるが、それ以上にナルシストなので無視されるのが一番嫌いなのである。このままオバマがアメリカメディアを無視しつづけ、王様か救世主気取りで振る舞えば、いずれはメディアからしっぺ返しが来ることは間違いない。それが選挙後であれば問題ないが、選挙前だったら、オバマの圧勝はそう簡単には実現しないかもしれない。
それに、あんまりオバマづくしだと、一般市民も11月までにオバマに飽きてしまう可能性もある。なにしろオバマは中身のない人間。イメージだけが売り物だからイメージに飽きられたら人気はがた落ちする可能性あり。11月までにそういう状態にならないようにタイミングを見計らうのも、案外むづかしいと思う。


Comment

戦争負傷兵の慰問を日程から外したオバマ

Hot Air でリポートしているキャプテン・エドによると、民主党大統領候補のバラク・オバマ議員は、ドイツを訪れた際、アメリカの陸軍病院への慰問を日程の都合がつかないことを理由に削除していたにも関わらず、実際はその間観光していたことが明らかになった。
キャプテンエドによると、これは何を優先するかの問題だったのだと言う。つまり、限られたヨーロッパ訪問の日程のなかで重要な価値のあるイベントを優先し、そうでないものが後回しになるのは当然のことだ。 だから軍隊嫌いのオバマがアメリカ負傷兵の慰問を削ったのは当然の成り行きというものだろう。
ドイツの新聞のSPIEGELによると、金曜日、オバマはドイツのアメリカ軍基地にある陸軍病院The Landstuhl Regional Medical Center (LRMC)への慰問をキャンセルしたが、このThe Landstuhl Regional Medical Center (LRMC)病院は海外で負傷した兵士や海外駐在者の家族も治療する病院で、陸軍と防衛庁によって運営されている。現在はアフガニスタンやイラクで負傷した兵士が主に入院しており、かなり重傷の人が多い。
キャンセルの理由として日程の都合がつかないと言い訳していたオバマだが、実は慰問をキャンセルしたのは日程ではなく政治的な計算だったらしい。
実はオバマは最初、病院で負傷兵の慰問を大々的に行ってそこで演説でもぶり、その映像を選挙コマーシャルに使おうと考えていたらしい。しかし軍では現役の兵士は政治活動に参加できないことになっており、兵士を政治コマーシャルなどに使ってはいけないという規則がある。だから病院へは選挙アドバイザーなどは同行出来ないし、映像も撮れないことになっているのだそうだ。それで、オバマは選挙運動に使えないなら意味がないと判断して慰問をキャンセルし、その時間を使ってベルリンの観光をしたのである。
しかしこのことで、オバマはかなりの批判を浴びたので、オバマの選挙事務所はダメージコントロールに必死である。事務所は次のような声明文を発表した。

「議会の視察旅行の一部としてアフガニスタンとイラクを訪れた際、オバマ議員はグリーンゾーンの戦闘援助病院をはじめ他にも数々の場所を訪れ兵士らを慰問しました。旅行の第二部でオバマ議員はLandstuhl Regional Medical Center病院にいる男女を慰問し彼らの勤めと犠牲に感謝の意を評したいと考えていました。しかしオバマ議員は選挙運動の予算を使って軍の施設を訪問するのは不適切であると考え、軍人たちへの尊敬の意から訪問を中止しました。」

しかしCBSテレビで報道されたドイツでの演説でオバマは、、、

「今夜、私は大統領候補としてではなく、一市民として、合衆国の誇りある市民として、そして世界の同胞の一市民として、お話します。」

と語ってドイツ訪問は選挙運動の一部ではないと強調した。この視察旅行は選挙運動だったの?それともそうではなかったの?どっちなのよ、はっきりしてよオバマさん!


Comment

欧州で大人気のオバマだが、「世界の市民」をアメリカ人はどう思う?

中東訪問を終えた民主党大統領候補のバラク・オバマはヨーロッパの各地を周り、大勢の群衆を集めて演説を行い高い人気を呼んでいる。アメリカの大統領に立候補している人間が、何故ヨーロッパで選挙運動をやるのか不思議に思われる方も多いだろう。しかし今日のCNNのニュースを呼んでいて、なるほどと納得が行った。(CNNはすぐリンクが消えるので全文転載)

オバマ氏がマケイン氏に圧勝、英独仏での政治献金額で

米連邦選挙委員会は25日、今年の米大統領選に関連しドイツ、フランス、英国に住む米国人の政治献金で、民主党候補者指名を決めたオバマ上院議員がこれまで少なくとも100万ドル(約1億800万円)を集め、共和党のライバル、マケイン上院議員の少なくとも15万ドルに大きな差を付けていると報告した。
AP通信が報じた。オバマ議員は先の中東・欧州諸国歴訪で、これら3カ国を訪ね、ベルリンでの演説では聴衆約20万人を集める人気を誇示した。英国に限っては、マケイン氏に寄金したのは63人だが、オバマ氏は約600人だったという。
AP通信は、両議員への献金者を取材し、マケイン氏が劣勢なのは過去8年のブッシュ政権の政策への嫌気が大きいと指摘。欧州で損なわれた米国の印象の回復をオバマ氏に賭けている献金者が多いともしている。
また、オバマ氏陣営がインターネットをふるに使って献金を募っているのに対し、マケイン氏陣営がこの対策でも後手を踏んでいる影響もあるとしている。

ところで、ここで注意して頂きたいのは、アメリカの政治家が外国人から献金を受け取ることはアメリカの選挙法で固く禁じられている。以前にもクリントン元大統領が中国系アメリカ市民から受け取ったとされていた献金が実はアメリカ市民を通した中国共産党からの献金だったことがバレてスキャンダルとなったことがあるのは、ここでも紹介した通り。
であるから、ここでいうオバマへのヨーロッパからの献金というのは、ヨーロッパに在住するアメリカ市民からの献金という意味でなければならない。つまりオバマは生まれ育ったアメリカに住むより外国であるヨーロッパ諸国に住むことを好むアメリカ人から人気が高いということになる。これまでオバマは夫人のミッシェルと共に、何かと現在のアメリカの姿を嫌う姿勢を見せてきた。彼の言う「変化」とはアメリカをもっとヨーロッパのように変化させたいという意味なのだろう。
ヨーロッパからの献金が多く集まったと言ってオバマは喜んでばかりもいられないとカカシは思う。なぜかというと、アメリカ人は往々にしてヨーロッパに比べられるのを嫌うからである。特にフランスなんかと比べて「おふらんすではこうしてるざ〜ます。それにひきかえアメリカは野蛮ざ〜ます」とやたらにフランスを引き合いに出す人間は忌み嫌われること間違いなし。
フランス系移民の子孫でフランス語が堪能だった2004年の民主党候補ジョン・ケリーが、ヨーロッパで生まれ育ったテレーザ夫人と普段はフランス語で会話を交わしていると語り、ジョン・レ・ケリーなどとおちょくられて人気ががた落ちしたことは記憶に新しい。
アメリカ人の多くはヨーロッパ諸国は社会主義が行き過ぎだと感じている。アメリカをよりヨーロッパ風にしようなどという政策には脊髄反射を起こす人も少なくない。そういう文化のなかでオバマがヨーロッパに媚へつらうのはアメリカ市民にとっては決して面白くないことなのである。
オバマはアメリカの大統領としてアメリカの国益のために働こうというのか、それとも「世界の市民」であること優先させて、アメリカは二の次になるのか、ライバル候補のマケインはこの点について強く問いつめるべきである。


Comment

仏テレビやらせ報道訴訟:被告側逆転勝利!

本日2000年に起きたフランスの国営テレビ局フランセ2によるパレスチナ少年殺害やらせ映像を暴露したフィリップ・カーセンティ記者が、テレビ局から名誉毀損で訴えられていた訴訟で、第一判を覆して逆転勝利となった。
一応背景をもう一度ご説明しておこう。まず仏テレビやらせ映像を指摘され訴訟起こすに載せた一連の写真をみていただきたい。

dura1

2000年、第二インティファーダが始まったばかりの頃、ジャマールとモハメッドのアルドゥーラ親子はイスラエル兵軍に抵抗すべく投石攻撃に参加した。しかし親子はすぐにパレスチナ戦闘員とイスラエル軍との撃ち合いの真ん中に挟まってしまった。

父親はとっさに物陰にかくれて息子を守ろうとイスラエル兵に向けて武器を持っていないことを示すように必死に手を振る。それが最初の写真だ。しかし攻撃が止まないので父親は自分の体で子供を守ろうとする。それが二枚目の写真。

三枚目ではなぜか父親はカメラを直視しているが、四枚目でピント外れがあったと思うと五枚目の写真では二人とも撃たれてぐったりしている姿がある。この攻撃で父親は重傷を負い、息子のジャマール君は即死した、、、
というのが最初にこの映像を放映したフランス国営テレビ局チャンネル2の話だった。この映像が報道されたとたん、イスラエル軍は武器をもたない親子を冷血に惨殺したという批判が世界中にひろまり、イスラエルへのテロ攻撃が激増した。いわゆる第2インティファーダ激化のきっかけとなった。ところが後になってこの映像がやらせだったことが判明した。

このやらせを暴露したフィリップ・カーセンティ氏はテレビ局のプロデューサーから名誉毀損で訴えられ、2006年9月の裁判では原告側が勝利していた。その訴訟の詳細は下記のエントリーで紹介した通りである。
仏テレビやらせ報道訴訟:経過報告 その1
仏テレビやらせ報道訴訟:経過報告 その2
問題だったのは、フランセ2はフランスの国営テレビであることから、国営テレビのやらせ報道を暴露した記者が名誉毀損で訴えられ有罪になったということは、フランスには言論の自由がないということになる。
今回はこの判定を控訴していたものだが、名誉毀損の事実はなかったとの判定がでたことは非常に喜ばしいことだ。
しかし上記のやらせ報道のおかげで、インティファーダが起き、何万人という人々が双方で殺されたことを考えると、フランセ2の責任は重い。

今日は時間がないので一応アップデートのみ。週末に詳しい分析をしたいと思う。


View comments (2)

過激派イスラム教徒に蝕まれる英国警察

先日放送協会へ訴えられていた英国のチャンネル4制作部は、訴えが棄却され、訴えていた英国警察側が制作部に謝罪と慰謝料を要求されるという出来事があった。
訴えられていたのはチャンネル4で、英国内の聖廟における暴力的なお説教を暴露したドキュメンタリー「Undercover Mosque(聖廟覆面捜査)」の制作部のメンバー達で、訴えていたのは聖廟のある地元警察の、 ウエストミッドランド警察と検察庁(West Midlands Police and the Crown Prosecution Service)だ。
このドキュメンタリーでは、ある聖廟では聖教師たちが同性愛者やイギリス兵を殺す話や非イスラエル教徒への暴力などを訴えている姿がありありと隠しカメラで撮られていた。警察は暴力を促進している聖廟の関係者を摘発するどころか、反対にその事実を暴露したテレビ局を訴えたのである。原告側のいい分は偏向した編集によって地元の平和を乱そうとしたというもの。まったく話が逆さまではないか。ま、イスラム教暴力団の悪行を暴いたブロガーを逮捕するような国だから不思議でもなんでもないが。
英国ではOfcomと呼ばれる放送業界を監視する審議会のようなものがあるようで、今回Ofcomは原告側の訴えを根拠が全くないものであるとして棄却。さらに原告側に謝罪と慰謝料の支払いを求めた。
以前にも当ブログで、チャンネル4のドキュメンタリーについてや、イギリス警察がイスラム系暴力団への取り締まりに消極的であるという事実はイスラムの横暴に腰抜けなイギリス協会でも紹介している。

イギリスでイスラム教の暴力団が麻薬売買をし未成年の少女たちを売春に追い込んでいるという話は大分前から問題になっている。しかしこうした少女たちの親たちが地元警察に訴えでても警察当局は少数民族の異文化に十分な理解を示していない と責められるのではないかと懸念し、しかもやり過ぎれば人種暴動になりかねないと恐れてイスラムやくざを取り締まろうとしない。

問題なのは今回の事件だけではない。英国の中部や北部のイスラム教移民が多いところでは、地元警察はイスラム教の暴挙をみてみない振りをするのが普通になっているが、最近では警察官のなかにイスラム暴力団メンバーが潜入しているため、家庭内暴力の犠牲となったイスラム教の女性らは警察に被害届を出すのをためらうという。特に警察官がパキスタン系の男性だったら最初から話はしないと言う女性が増えている。パキスタン系の警察官は暴力をふるった男性を取り調べるどころか、かえって夫の暴力から逃げている女性の居所を家族に知らせるというようなことがあるからだという。
女性救済運動をしているあるグループによると、特にウエストミッドランド警察ではこのような傾向が非常に強かったという。
去年紹介されたデイリーメールの記事によると、イギリスの諜報機関MI5の調査で英国内で8人に及ぶ警察官と民間スタッフがアルカエダを含む過激派グループとつながりがあることが疑われている。中にはパキスタンかアフガニスタンのテロリスト訓練キャンプに参加していた者もいるという。にも関わらず、これらの人物はテロリストとして逮捕されるどころか警察を首にもなっていないというのだ。
イギリスでは警察官に少数民族を多く起用しようという方針がここ数年できたらしいが、イギリス在住のイスラム過激派やテロリストがこの方針を多いに利用してイギリス警察内に潜入しつつあるというわけだ。
これじゃ、バスラの警察がシーア派民兵に乗っ取られたのと何ら変わりはないではないか。そういえばバスラはイギリスの管轄で完全崩壊したいい例だった。その後始末を現在マリキのイラク軍及びアメリカ軍がやっているのである。
自国内でこのざまでは、イラクなどうまくいかないのも当たり前だ。しかし、イギリスはいいのか、このままで?


View comments (2)