イスラム脅迫に負けたドイツオペラ座の恥

本当にヨーロッパの連中は腰抜けだ。ここ2〜3日欧米で話題になっているのがこのニュース。以下、朝日新聞の記事より。

オペラにムハンマドの切られた首、独で上演中止決定

ベルリンのドイツオペラは26日、11月に上演を予定していたモーツァルトのオペラ「イドメネオ」の公演を中止すると発表した。イスラム教の預言者ムハンマドらの切られた首が出てくる場面があり、地元警察から「イスラム過激派などの反発を受ける危険性がある」と警告を受けたためという。
発表によると、公演はドイツ人のハンス・ノイエンフェルス氏(65)が演出。11月に4回の公演を予定していた。03年の初演時にはムハンマドのほかキリストや仏陀の首が出てくる奇抜な演出に批判が出ていた。今年7月、警察がオペラ側に警告していた。
中止決定に対し、連邦議会与党、キリスト教民主同盟の文化担当議員は「テロリストへの敗北になる」と語り、今後論議を呼びそうだ。
ムハンマドをめぐっては、今年初め欧州の新聞が風刺画を掲載したことにイスラム諸国が反発したほか、ローマ法王ベネディクト16世の発言が波紋を広げたばかり。

例によって朝日の記事は説明不足なのだが、このオペラ、初演は2003年で、決して今さら出てきた新しいものではない。しかも劇中に出てくる切断されたなま首は、モハメッドのものだけでなく、イエスキリスト、お釈迦様、ポセイドンらの首も出てくるのだという。そしてこれらの首はモーツァルトのもともとのオペラとは全く無関係なんだそうだ。
私はモーツァルトのオペラは結構知ってる方だと思っていたのだが、モハメッドのなま首が出てくるオペラなんて知らないなあと考えていたばかりだった。これは演出家ハンス・ノイエンフェルス氏の独自の解釈で種々の宗教を冒涜するのが目的だったらしい。はっきりいってモーツァルトオペラへの冒涜ともいえる。
初演の時はあまりの悪趣味に、観客から罵声が浴びせられ、キリスト教徒や仏教徒からも批判の声があがっていたようだ。だがその時は言論の自由だのなんだの偉そうなことを言って批判を無視していたらしい。ところがイスラム教団体から脅迫状が2〜3届いたら突然脅えてさっさと幕を閉めるこの腰抜けぶり。キリスト教徒や仏教徒は抗議の手紙くらい出すだろうが、まさか殺しにはこない。本当の脅威には立ち向かう勇気がないなら、最初からこんな悪趣味なものを作るべきではなかったのだ。
私は芸能人や芸術家といわれる能無し芸人の偽勇気にはうんざりする。決して暴力を振るわれたり出世の妨げになるような圧力はかかってこないと思う敵には勇ましいことをいい、表現の自由だなんだと言って人々を侮辱しまくるが、本当の危機が迫ってくると勇気などなんのその、表現の自由もあったればこそ、さっさと日っぽを巻いて逃げ隠れする。なんという情けなさだろう。
私はこんな悪趣味のオペラは永久に幕を閉じるべきだと思う。だが、イスラム教の脅迫に怯むくらいならどんな悪趣味のオペラでも永久に上演すべきである。またしてもヨーロッパはくだらないことで我々の勇気を試すはめになった。はた迷惑もこの上ない。


Comment

仏テレビやらせ報道訴訟:経過報告 その1

先日仏テレビがやらせ報道を指摘したメディア評論家を訴えているという話をしたが、先日行われた法廷での経過を、Politics Centralが詳しく報告しているので、それについて話してみたい。
さて証人に継ぐ証人が皆次々に同じようなことを証言しているので、それをまとめてみると、、

  • それぞれの証人が独立した調査をした結果。この事件はやらせであると結論がでた。
  • フランセ2のエンダーリン氏はそれを知っていた。
  • フランセ2は調査を妨害しようとした。

それについてフランセ2の言い訳はといえば、

  • 証人というが、このジャーナリストだの専門家だのってのはなにものか、、こいつらになにがわかるのか、
  • 権威ある国営テレビ局フランセ2をよくも批判したな。
  • 第一、映像がやらせでもメッセージは真実だからいいのだ。

つまり、フランセ2のいい分はアルドゥーラ事件は「やらせだが真実」というへりくつなわけだ。
この事件で一番気になるのは、この映像がやらせだったということではない。専門家はほとんど皆やらせだと同意している。タラアブラマー(Talal Abu Rahma)は明らかに、ストリンガーと呼ばれるフランセ2の現地記者で、やらせの機会はいくらもあった。中東ではこの手のやらせは日常茶飯事であることは、今回のレバノン戦争の時に多くのやらせ写真が暴露されて明らかになった。いくつもの壊れた建物の前で泣く女、緑ヘルメットの男、カルベンクライン下着CMモデルさながらの「死体」など、さんざん見せつけられた。
問題なのは、フランセ2が明かにやらせだと分かっているものをそのまま放映したことにある。それはなぜか、いったい何の目的でイスラエルを陥れようとしたのか? 私が思うにこれは明らかにフランセ2によるイスラエルのユダヤ人に対する偏見が原因だ。プロデューサーのエンダーリン氏自身がユダヤ系イスラエル人であるからといってこれは変わらない。ユダヤ系イスラエル人がパレスチナに同情してイスラエルを裏切るなんてことはいくらでもあることだ。
フランセ2は真実を報道することより、自分らの信じるメッセージを報道することに興味があった。イスラエル軍が本当にモハメッド坊やを殺したかどうかなど問題ではない。彼等はイスラエルが無抵抗の親子を殺すような悪どい勢力であると訴えたかったのだ。
フランセ2は国営放送局であるということをわすれてはならない。フランセ2が自分らの好き勝手な報道はするが、それを批判するものは罰するというのであれば、フランセ2はまさにフランスの大本営放送局ということになってしまう。
もしこの裁判でフランセ2が勝てば、フランスには言論の自由など存在しないということになる。真実はフランス戦府の発表だけなのであり、国民にはいちいち口出しする権利はないということになるのだ。
次回に続く。


View comments (3)

イスラム教徒:ウエストミンスターアビー前で参詣者にいやがらせ

イギリスのウエストミンスターアビーで、日曜日のマスに出席した参詣者たちはアビーの目の前でローマ法王の言葉に抗議するイスラム教デモ隊に遭遇。
ロンドンのブロガーがリポート。英語だがほとんど写真なので説明なくしても明白。
Joee Blogs – a Catholic Londoner:Just outside Westminster Cathedral today…
「法王よ呪われよ」「イスラムがローマを征服する」などといったプラカードを掲げ、顔をスカーフで隠したデモ隊の写真が見られる。
関係記事: 法王は何と言ったのか、マイク·ロスさんが法王の発言について、間違った報道をただしてくれてます。


View comment

仏テレビやらせ映像を指摘され訴訟起こす

いまフランスでは不思議な裁判が行われている。フランスの国営テレビ局、フランセ2が2000年に放映したニュースが、やらせねつ造映像によるでっちあげニュースだったことがばれ、それを指摘したメディア分析者の3人がフランセ2によって起訴されているのである。ここでもっともばかばかしいのはこのニュースが完全にやらせだったという事実はあらゆる証拠によって暴露されており、フランセ2すらもその事実を認めているという点だ。かれらのいい分は「映像自体はやらせだったが、メッセージは真実だった。」というのである。では裁判沙汰にまでなったこの事件とはどんなものだったのかちょっと振り返ってみよう。

皆さんは2000年にパレスチナで起きたモハメッド·アルデゥーラ坊や殺害事件を覚えておられるだろうか。当時のメディアではかなり大きく取り上げられたので記憶に残っている方々も多いのではないかと思う。

まずはこのサイトにある下記の一連の写真を御覧いただきたい。

dura1

アルデゥーラ親子


2000年、第二インティファーダが始まったばかりの頃、ジャマールとモハメッドのアルドゥーラ親子はイスラエル兵軍に抵抗すべく投石攻撃に参加した。しかし親子はすぐにパレスチナ戦闘員とイスラエル軍との撃ち合いの真ん中に挟まってしまった。父親はとっさに物陰にかくれて息子を守ろうとイスラエル兵に向けて武器を持っていないことを示すように必死に手を振る。それが最初の写真だ。しかし攻撃が止まないので父親は自分の体で子供を守ろうとする。それが二枚目の写真。三枚目ではなぜか父親はカメラを直視しているが、四枚目でピント外れがあったと思うと五枚目の写真では二人とも撃たれてぐったりしている姿がある。この攻撃で父親は重傷を負い、息子のジャマール君は即死した、、、というのが最初にこの映像を放映したフランス国営テレビ局チャンネル2の話だった。この映像が報道されたとたん、イスラエル軍は武器をもたない親子を冷血に惨殺したという批判が世界中にひろまり、イスラエルへのテロ攻撃が激増した。いわゆる第2インティファーダ激化のきっかけとなった。

ところが後になってこの映像がやらせだったことが判明した。これがやらせだったことを暴露するビデオなどを含めた詳細はセカンドドラフト(Second Draft)で見ることができるが、このやらせ映像を報道したフランス国営テレビのフランセ2から名誉毀損で訴えられている被告のひとり、フィリップ·カーセンティ氏(Philippe Karsenty)の話をきいてみよう。

カーセンティ氏はMedia-Ratingsというメディア分析をするパリを本拠とする会社の創設者である。この会社はフランスのメディアが世界のニュースをどのように報道しているかを分析する会社で、フランスメディアからは目の敵にされているという。

この裁判の特徴は私たちがフランセ2の情報デスクのArlette Chabot課長とアルデゥーラやらせニュースを解説したCharles Enderlinは間違いを認めもせず訂正を拒否している以上辞任すべきだという記事を発表したことにあります。彼等は私たちがこれを私たちのホームページに載せたことに逆鱗したのです。もとの記事は2004年の11月に掲載されました。フォックスニュースがアルデゥーラ事件について報道しているので見るべきです。フランセ2は2005年の初めに私たちを訴えました。

日本と同じようにフランスの裁判も時間がかかるとみえて、その裁判がはじまったのはつい先日の14日である。この映像がやらせであるとカーセンティさんが判断した理由を彼はこのように語る。

カメラマンのタラル氏は最初CNNに映像を持ち込みましたがその真実性を保証できなかったため拒絶されました。その同日タラル氏は別の偽映像を撮影しているところをロイターのカメラマンに撮影されてしまいました。フランセ2のリポートで子供が殺される前に映された場面は偽物です。

番組が報道したシーンでは、男が足を撃たれたはずなのに全く血がでてません。周りの人たちが男を歩道にひきずってますが、血がながれてないのです。そこへ救急車がきます。この男が怪我したとされた時間からたった2秒しかたっていません。立った2秒で来るなんてありえません。はやすぎます。彼を担架にのせてる人々はけがをしてるはずの足の上に直接からだを寝かせたりしているです。
解説者の Charles Enderlinは親子はイスラエル兵の標的にされたといってますが、Enderlin氏は坊やがイスラエル兵に殺されたとは言っていません。そのかわり彼は、「父親と息子はイスラエル兵の標的にされました。」といっています。これは意図的な表現を意味します。…

襲撃があった日はガザは抵抗の日でした。商店は皆閉まっていました。父親のアルデゥーラは質問された時子供と一緒に中古の車をマーケットに見にいったといっています。しかし商店街がしまっていたことは誰でもしっていたのです。

さらに重要なのはフランセ2の映像で、カメラの前で指をテイク2を示すように二本たてるのがみえます。これはカメラ前の2センチのところでされています。これはへんですよ。見えるんですから。シーンが終わったと示す合図です。

ラーマ(タラル)は45分間撮影したといっていますが、たった一発の銃弾が親子の上の部分の壁にあたるのがみえるだけです。これはパレスチナの銃弾です。角度から言ってパレスチナ側からのものであることが見えます。

(子供が)死ぬ10秒前にアラビア語の声で「子供が死んだ。子供が死んだ、子供のが死んだ」という叫ぶのが聞こえます。でもこの時彼はまだ撃たれてなかったのにです。

映像の終わりに、子供が死んだとさているにしてはおかしな動きがあるのです。子供はひじをあげてカメラマンをみてひじをおろすのです。父親は自分も9発うたれた振りをしていますが、映像をみればわかるとおり白いシャツのどこにも血が流れていません。

(カメラマンの)ラーマはどうしてイスラエルが撃っているところを撮影しなかったのかと聞かれるとバッテリーを節約したかったからだと答えています。でもフランセ2は27分の映像があるといっています。局は二人の独立した専門家を招いてこのビデオを披露しましたが、二人の専門家によればシーンの90%はねつ造だとかたっています。

この映像がイスラエル及び、世界中のユダヤ人に与えた悪影響は計り知れない。直接の関係はないとはいえ、ビンラデンなどのテロリストがこの事件をアメリカやイスラエルの極悪非道の一例としてプロパガンダに利用したことは否定できない。フランセ2のこの無責任な報道によってどれだけのテロリストを勇気づけ、どれだけの無実の人々がパレスチナの自爆テロや911テロの犠牲になったことか、フランス国営テレビ局は考えるべきである。それを批判した人々を訴えるなど言語道断だ。

フランスでのことなので、裁判が公平に行われるという保証は全くない。だから被告が勝てるかどうかわからない。だが、この裁判が公になることでフランセ2の腐敗した姿が公になることはフランスメディアの実態を暴露するという意味で意義のあることかもしれない。
この裁判の行方は注目したい。


View comments (2)

「民主主義とシャリアは両立する」オランダ大臣の心配な宣言

多様文化(multiculturism)という不思議な概念がある。これはどの文化も同じように価値があり、同じように受け入れられなければならないという考え方だ。私は昔からこの考え方には非常な疑問があった。なぜならば、もし多様文化のひとつに異文化を絶対に受け入れない、異文化を排斥すべきだという異文化排斥主義が存在したばあい、それを受け入れれば多様文化主義はすぐさま異文化排斥主義と化すからである。不許容を許容すれば不許容が支配するということだ。
具体的にいったいこれはどういう意味を持つのか考えてみよう。民主主義社会の基本は多数決でものが決まる。だが民主的な決議だからといって、常に正当な決断が下されるとは限らない。ここに民主主義のジレンマが存在する。もし次の選挙に立候補している政党が共産主義で、自分らが与党となった場合は現在ある民主主義制度を廃止、今後は党のメンバーだけで国の方針を決めていくと公約していたとしよう。彼等の選挙運動は資金もあり国民からの人気もあって、共産主義独裁政党が多数議席をおさめたとする。現政権は民主的に正当に選ばれたこの政党に政権をおとなしく譲り渡すべきであろうか?
ここで現政権が共産主義独裁政党に政権を譲りわたしたりするのは愚の骨頂である。なぜならば、その時点でこの国は民主主義と永遠におさらばすることになるからだ。
このたびのオランダの大臣が、もし国の2/3がイスラム回教徒の宗教法であるシャリアを望んだら、オランダ政府はシャリアを受け入れるべきだと発言したことはオランダ市民の間に大きな波紋をよんでいる。
この心配な発言をしたのはオランダのキリスト教民主党(CDA)の議員、ピエット·ヘイン·ドナー(Piet Hein Donner)大臣で、イスラム教の教えもプロテスタントやカトリックと同じように民主政治において受け入れられるべきだと語った。

氏はさらに「イスラム集団がオランダによいて民主的な過程を経て、勢力を握る可能性は多いにあり得る。彼等が法律に従ってさえいれば、法律を変える必要はないと誰でも考えるはずだ。」とか立った。
「私が確信することは、もし三分のニのオランダ人が明日、シャリアを取り入れたいと望むならば、この可能性は存在するということです。この合法を阻止しますか? これが許されないなどとなったらスキャンダルです。」
「多数決が、民主主義の基本です。」

だが多数派が少数派の人権を守るのも民主主義社会の責任のはずだ。 三分のニのイスラム教市民が今後キリスト教やユダヤ教は違法にすると投票したら、民主主義の過程を踏んだ合法な決議だから受け入れてもいいというのであろうか?
この発言はCDAの党首で、すでにイスラム教徒が過半数を占めている地域でのシャリア法取り入れを懸念しているマキシム·バーゲン氏(Maxime Verhagen)の意見と真っ向から反するものである。バーゲン議員はすぐにドナー氏に質問状を送った。また自由党の議員で右翼のガート·ワイルダース(Geert Wilders)や、労働党の議員らからの批判の声が殺到している。
最近オランダでは他のヨーロッパ諸国と同じように、イスラム移民による暴力行為などが頻発し、市民の安全を脅かす事件が多くおきているため、ドナー議員はイスラム系市民をなだめようとしているのかもしれないが、このような発言はかえってイスラム系市民に対する反感を増発する。イスラム教徒が多数を占めた場合その地域がシャリアによっておさめられるなどということになったら、オランダ市民の自然な反応はどのようなものになるか誰が考えても明白なはずだ。
民主主義を尊ぶ市民なら自分たちのすむ地域においてイスラム教徒の人口が増えないように、イスラム教徒が近所に引っ越してくるのをなんとしてでも阻止するようになるだろう。そして今後一切オランダへのイスラム教徒の移民は廃止すべきだと唱えるようになり、現在オランダで違法に暮らしているイスラム教徒は即刻国外追放し、合法就労者も任期が切れ次第帰国を強制。合法移民でまだ市民になっていない移民でも、イスラム教徒には市民権を与えないなど、かえってイスラム教徒への迫害が激しくなり、イスラム教徒はオランダ社会でさらに孤立するのがおちである。
イスラム教移民がオランダにいるということ事態は問題ではない。もし彼等がオランダの文化を取り入れ、オランダの法律を尊重し、次の世代にはイスラム系の「オランダ人」として融合するのであれば、協会のかわりにモスクへ通い、復活祭のかわりにラマダンを祝おうとかまわない。だが、移民である彼等が彼等の文化や法律をホストカントリーであるオランダに強制する時、オランダ人は足を踏んばって拒絶せねばならない。
民主主義は国家心中の道具であってはならない。


View comments (4)

英国の危険な自虐政策

この間イギリスのブレア首相が英国内のイスラム教市民団体から警告にみせた脅迫状をもらった話をしたばかりだが、その時イギリス在住のななっちさんがこんなコメントをくだすった。

住んでいる感覚として、イギリスは「親アラブ」の左翼が強い国ですから、いくらテレビでコメンテーターがそう発言しても、ブレアと国民の間に深く暗い溝があるのと同じで、一般の国民はかなり違います。

いまだにヒズボラは「レジスタンス」であり、ハマスにいたっては「悪魔のイスラエルに対抗する英雄」みたいに捕らえている人が多いのが現状です。 ブレアが何をいおうと、テレビで中東専門家が何を発言しようといったん刷り込まれた価値観というのは消えません。
こんなこといいたくありませんが、かなり本気でイギリスの将来を心配しています。

イギリスではこの間のテロ未遂事件でかなり積極的なテロ捜査が行われ犯人はほとんんど逮捕されたようだ。しかしこの後に及んでも、イギリス政府のイスラム教徒一般への遠慮には度を超したものがある。これは決してイギリスに限ったことではない。以前にも私は過激化する欧州のイスラム教徒について少し触れたが、アメリカでも少なからずその傾向があるが、イスラム教の移民の多い欧州では移民にたいして人種差別をするまいという気持ちが非常に先立ち、イスラム教徒の横暴について見てみないふりをする節がある。この遠慮が一部のイスラム教徒に悪用され時には暴力で脅迫されるため、政治家も正当性のある批判ですら報復を恐れ大きな声ではいえなくなっている。
また欧州ではイスラム暴徒による暴力的犯罪が後をたたない。フランスで起きたイスラム教徒の暴動やユダヤ人誘拐拷問殺人事件。オランダで起きたイスラム教の悪習を批判した映画監督への暗殺など、一般の欧州市民はイスラム教徒らによる脅迫におびえている。
これらの国々には穏健派イスラム教徒を装いあたかも国内のイスラム教徒全体を代表するかのように、なにかと政治に口出ししてくるうさんくさいイスラム教団体がいる。 彼等は表向きは自由社会の一員であるかのようにふるまいながら、仲間うちが集まる聖廟やリベラルな大学のキャンパスをつかって、厳しい回教徒の掟、シャリアで欧米を支配しようと考えている過激派なのである。その事実を我々自由社会が政治的に正しい政策をしようという気持ちだけが先に立って、この危険を十分に見極めていないという人がいる。そのおかげで我々の社会はテロ攻撃にたいして非常に無防備になっているというのである。
この危険な状態を警告しているイギリス女性はメラニー·フィリップ(Melanie Phillip)さん。(訳:カカシ)

911でアメリカがイスラムジハーディストによって攻撃された時、これは西側諸国の滅亡への警鐘だと言われた。しかしそのすぐ後、英国民のほとんどが911が起きたのはアメリカとイスラエルが悪の根源なのだと決めつけた。
英国が去年の7/7でイスラムジハーディストに攻撃された時、イギリス滅亡への警鐘だといわれたが、これもすぐにイギリスの「イスラム恐怖症」とイラク戦争が悪いのだということになってしまった…
しかしあらゆる人々によって語られている英国への脅威が英国の外交政策に原因があるという議論ははかり知れなく馬鹿げている。バーミンガムを爆破しようというアルカエダの計画は911以前の2000年にされていた。イラク戦争のずっと前である。同じようにジハーディストのアメリカへの攻撃は911より22年も前の1979年にイランの大使館での人質事件で始り(カカシ注: カカシが渡米した年で、この事件はテレビで見ていた記憶がある)以後20年以上も続いているのである。

フィリップさんイギリス国民は英米イスラエルの罪を問うことに夢中で、本当の危険に気が付いていないという。イランの核兵器開発が世界の危機であるということすら理解していないと。そして彼女も昨日紹介したスペンサー氏と同じように欧米諸国の人々がテロの根源がイスラム教にあることを無視するのは危険だと強調する。

しかし多くの英国民の直面する脅威の根源がイスラム教であることを認めようとしない。これは決してイスラム教徒全体がこの悪行に参加したということではない。何百何千という英国イスラム教徒は参加していない。世界中イスラム教徒が一番この所行の犠牲となっているのだ。
しかし納得いかないほど多くの人たちがこの考えに共感している。最近の世論調査によれば英国のイスラム教徒の三分の一もの人々が7/7攻撃は正当であると考えているということがわかった。多くの若者はアジア亜大陸の文化と堕落し落ちぶれた英国の文化との間で宙ぶらりんの存在なのである。そんななかでジハードの恐ろしいメッセージはサイレンの歌のごとく精神の砂漠に置き去りに去れ生きる意味を探し求める若者たちに響きわたるのだろう。
このメッセージは彼等に自尊心を与える、なぜなら神の国を守るために戦う英雄の型に彼等をはめ込むからだ。
この自意識は濁りのない憎しみと、嘘、被害妄想、大量殺人、そして人種浄化という思想の上に築かれている。
これは殺しの思想である。そしてこれは思想であるから、裏道の聖廟や寺院で勧誘がおこなわれるのではなく、学会や大学のキャンパスなどが今やジハード勧誘の主な場所となっているのだ。

フィリップさんによると、イギリスはイスラム教徒にたいして世界でもまれにみるほど敬意を示しているにもかかわらず、イギリス在住のイスラム教徒が一番イギリスを憎んでいるという。それというのも、世界中に影響を及ぼすイギリスのメディアが日がな夜がな、いかにアメリカが悪い国か、イスラエルの自衛行為をことごとくわい曲して報道し、イギリスがアメリカやイスラエルのいいなりになっているなどという報道を執拗にしている。このようなことばかり聞かされればすでにアラブ諸国からのプロパガンダを吹き込まれている感応しやすい若者が過激化するのも無理はないというのだ。
イギリスの警察はテロリストの陰謀を暴くだけではイギリスをテロの危険から守ることはできない、とフィリップさんは言う。イギリス政府はイギリス国内のイスラム教徒の多くは穏健派であるという考えから、イスラム教市民団体のメンバーをアドバイザーとして政府に取り入れたりしているが、政府がとりいれた人々は穏健派どころかイギリスを滅亡させようという過激派である。こうした人々による影響でイギリス国民は60年にわたるイスラエルの自衛戦争を完全に誤解し、イギリスを危険を及ぼすイランを強化するような国連の停戦決議を支持してしまった。
イギリスが早急に誰が自分達の本当の味方で誰が敵なのかを見極めない限り、イギリスは非常に危ない状況にあるとフィリップさんは結論付ける。
イギリスだけではないが、欧米諸国が国内のイスラム過激派による政治的な圧力に負けずに、本当お穏健派イスラム教徒を応援して、国民がジハードに走らないよう努力してもらいたいものだ。


View comment

警告それとも脅迫? 英国のイスラム教徒からブレア首相に宛てた手紙

昨日もアメリカのイスラム教徒テロリスト、、おっと市民団体のCAIRがブッシュ大統領の「イスラマファシスト」という言葉使いに抗議をした話をしたが、今度は英国のイスラム教グループと数人の議員がブレア首相に宛てた手紙を公開した。
その内容は、ブレア首相のイラクやイスラエル政策を批判したもので、このままその政策が続けばかえてイスラムテロリストを怒らせ、市民へのテロは増えるだろうというものだ。一見イスラム教徒からの親切な警告のようではあるが、実際には自分らのいう通りにしなければ英国人へのテロを増やすぞというあからさまな脅迫ともとれる。(訳:カカシ)

英国のトニーブレア首相に宛てた公開手紙において、英国イスラム教徒の代表的団体らや政治家などがブレア首相の外交政策、特にイラクやイスラエル/ヒズボラ戦争などの対策が英国内外での攻撃をうける危険性を増加させたと抗議した。

「イラクにおける大失態や中東において市民への攻撃を即座に終わらせることができなかったことは、現地における一般市民への危険を増加させただけでなく、我々を威嚇する過激派に攻撃の口実を与えてしまった。」と、タイムス誌に載った手紙には書かれている。
イスラム教徒の多くがブレア首相が2003年の米国の指揮したイラク侵略に軍を派遣したことに批判的であり、イスラエルとヒズボラゲリラとの戦いを即座にやめさせることを訴えていた。(カカシ注:国連も認めるテロリスト団体、ヒズボラをゲリラとしか呼べないロイターに注目)
「我々は首相にテロと過激派への対策にさらに力を入れることを訴えるとともに、わが国の外交政策を変更することを訴える」とある手紙にはブレア首相の党である労働党の議員6人の署名も含まれている。
この手紙の返答として、交通局のダグラスアレキサンダー局長は、英国の4チャンネルテレビで、「テロリストが行うどのような行為も正当化されない」と語った。

私は今日、あるネット掲示板において、イスラエルの行動を批判する人と話をしていたのだが、「もとはといえばイスラエルがアラブ人を追い出して建国したのが悪い」という話になった。それで私は「あなたはイスラエルが存在する権利を認めるのか? 認めないならあなたはイスラエルの滅亡を望んでいるのか? そのためならテロも支持するのか?」と質問をした。この人は正直にも最初の二つにはイエスと答えた。テロについては支持しないとはいったものの、自分の親や恋人が殺されたら自分がテロリストになる可能性は100%あると言った。
こういう人がイスラエルにする「助言」がイスラエルのためになるはずはない。もし彼女がイスラエルに謝罪しろとか兵を撤退しろとかいえば、それは決して中東の平和を望むからでも、今後イスラエルへの攻撃を減らすためでもない。なぜなら彼女の目的はイスラエル撲滅だからである。
イギリスでブレア首相に抗議の手紙を出したイスラム教徒たちは自分らの間だけでは常にイギリス滅亡を語り合っているに違いない。かれらが本気でイギリスの平和を望んでいるなどと考えるのは大間違いである。彼等の最終目的はイスラム過激派による世界制覇なのであり、彼等の忠誠はイスラム過激派テロリストと同じジハーディストの思想なのだ。
ブレア首相がそれを知らないはずはないが、ブレア首相の政治家としての寿命はもうそう長くない。次の首相がブレア氏ほど根性の座ったひとかどうかは分からない。ブレア首相はイラク戦争でブッシュ大統領を支持したことでずいぶんと自分の勢力を犠牲にした。次の首相は世界平和のために、イギリスの未来のために、自分のキャリアを犠牲にしてまで対テロ戦争にとりくめるだろうか?
イスラムジハーディストの警告に化けた脅迫にイギリス市民は怖じ気づいてはいけない。


View comments (4)

英米間の旅客機多発テロ計画すんでのところで未然に阻止

レバノン戦争もイラク戦争も対岸の火事と油断をしていると、どうして私たちが常に対テロ戦争に厳しく取り組まなければならないのか、今回のこのような事件で思い知らされる。まずは毎日新聞の記事より。

米国行き9機同時爆破? 21人逮捕 [ 08月10日 21時14分 ]

 【ロンドン小松浩、ワシントン和田浩明】英警察当局は10日、英国発米国主要都市行きの複数の旅客機の同時爆破を狙った大規模テロを未然に阻止し、容疑者21人を逮捕したと発表した。米国を狙い、旅客機を使った手口から国際テロ組織アルカイダの関与が疑われている。英政府は5段階のテロ警戒度を最高度の「危機的」に引き上げ、厳重な警戒態勢を敷いている。英国の各空港は安全確認のため離着陸が一時禁止されるなど大混乱し、欧米を中心に世界各国に影響が広がった。
 AP通信は米当局者の話として米国のユナイテッド、アメリカン、コンチネンタルの3社のワシントン、ニューヨーク、カリフォルニアなど行きの便が標的になったと伝えた。英BBC放送は容疑者が週明けに3機ずつ3回に分けて計9機を爆破する計画だった可能性を報じている。爆発物に転用できる液体を使って飛行中に旅客機を爆破しようとしたとみられる。
…米CNNテレビは米政府高官の話として「実行段階に極めて近かった」と伝えた…
 容疑者グループの主犯格は英国生まれで、多くはパキスタン系英国人だという。警察当局は数カ月前から捜査を進め、10日未明にロンドン、バーミンガムなど3カ所を捜索して逮捕に踏み切った。動機などはまだ明らかでないが、米英の中東政策に対する怒りが背景にあるとの見方が強い。
 ロンドンのヒースロー空港をはじめ英国内の空港では離着陸や手荷物の持ち込みの一時禁止措置がとられ、欧州各国などからの英国行き便もしばらく運航を見合わせた…
 ロンドンでは昨年7月にパキスタン系英国人らが地下鉄・バスを同時爆破する自爆テロが発生、52人が犠牲になった…

 (強調カカシ)
毎日新聞の記事には書かれていないが、この「実行段階にきわめて近かった」というのがどれほど近かったかといえば、APのニュースでは2〜3日の間だったとある。また液体爆発物を使っての計画だったことで、機内持ち込みの荷物は全面的に一時さしとめ。子供の哺乳瓶などはその場で試食など厳しい中身の検査がおこなわれた。このセキュリティーチェックの列が4時間にもなったという。
私はこの間のニューヨーク旅行でコンティネンタルでかえってきたばかり。ハワイ出張ではいつもユナイテッドだし、本当に他人事ではない。
しかし、今後の警備を考えた時、いったいどういう方法が一番能率的で安全なのか、ここでしっかり吟味する必要がある。まさか機内持ち込みの荷物を全面的に禁止するわけにもいかないだろうし、水やお茶を持ち込んではいけないなどということになったら、私は長時間に渡る渡航にたえられない。
まず、最近の渡航において、スーツケースに鍵をかけることはほとんど不可能になった。目の前でスーツケースをあけて中身を調べてくれる空港もあるが、たいていの空港では人手不足なためひとつひとつのチェックはしない。それで無作為抽出で選ばれたスーツケースだけ荷物を預けた乗客がすでにいないところで開けるから、鍵がかかっていたらその鍵はきられてしまう。私はこれでもうすでに三つも鍵を壊されてしまった。
それで最近ではもうスーツケースに鍵などかけない。(規定の鍵をかけてあれば壊されないという話だが、航空会社の係員があけられるなら鍵などかけていてもあまり意味はない。)そういう事情だから私はスーツケースに大事なものなどいっさい入れていない。だが、これでもし機内持ち込みの手荷物を禁止されたらどうなるのか。
我々が大切なものを預けたくない理由はいろいろあるが空港係員による窃盗、移動中の破損、紛失、遅れなどがあげられるだろう。そう考えるとラップトップやCDプレーヤーなどの貴重品や、常備薬などスーツケースに入れて預けるのは気が引ける。つまり、手荷物持ち込み禁止は非現実的な対策だ。
ではいったいどうすればいいのか。政治的に正しい言い方ではないが、この際乗客のプロファイリングが必要になってくると思う。先の記事で私が強調した部分をもう一度読んでいただきたい。これまでイギリスでテロ容疑で逮捕された犯人たちはイギリス国籍はもっているものの皆外国、特にパキスタン出身の若者がほとんどである。そしてその名前も、モハメッド、アクメッド、オマー、アリなどといった明かなイスラム教徒ばかりだ。ヨーロッパ系のピーター·スミスだのケビン·ブッシュなんて名前のテロリストは先ずいない。どうやらテロリストによる非イスラム教徒の地元若者リクルートはあまりうまくいってないようだ。
こういうことをいうと人権擁護市民団体などが、人種差別だの人権侵害だの騒ぎだすだろうが、この際そんなことをいっている場合ではない。誰が考えてもオクラホマ出身の70歳になるセルマおばあちゃんと、パキスタン出身の19歳のオマー君とでは、どちらがテロリストの可能性が高いかなど明白なはず。それを人権云々を心配してセルマおばあちゃんのおこしの中身までいちいち調べるのは時間の無駄というものだ。
決して人種でプロファイルしろというのではない。だが乗客の元の国籍、名前、年齢、性別など十分にヒントとなる項目はあるはずだ。警備が厳しくなればそれにかかる人件費も時間もかかる。それでなくても空の旅は難かしくなっているのだ。今後飛行機での渡航が安全かつ能率的に行われるためには、プロファイリングは必要不可欠になってくるだろう。
関連ブログ記事:
アメリカ行き航空機10機の同時爆破
英でテロ計画、摘発


View comments (4)

八百長やっても勝てないおふらんす

アメリカ人のランスアームストロングに7年も連続して優勝を盗まれた世界最高の競輪、おふらんすのツアーデフランス。ツアーデフランスの実行委員会はもうずっと地元のフランス人が優勝できないことを歯ぎしりしてくやしがっていた。そこで引退したアームストロングにドーピングの汚名を着せ、過去のトロフィーをとりあげようとしたりしていた。それだけではない。今年はアームストロングの後、なんとか優勝トロフィーをフランスにとりもどそうと、今回の委員会は世界中の優勝候補になんだかんだといいがかりをつけて全員失格させてしまった。
ドーピングの言いがかりで失格させられた優勝候補選手は、ドイツのイアン·オーリック、イワン·バッソ、スペインのフランシスコ·マチェボ、2005年5位だったアレキサンダー·ヴィノコウロヴ率いるアスタナワースチーム全員。
これだけ強力な競争相手をすべて抹殺してしまったのだから今度こそフランス人が優勝とおもいきや、このニュース。アメリカ選手、フロイド·ランディス優勝! (大爆笑)
ランディスは2003年の事故で腰をけがしており秋には手術を予定している。彼は全くのダークホース。誰も彼が勝つなどと期待していなかった。
委員会からドーピングの汚名を着せられてきたアームストロングは、「フロイドを誇りに思います。うれしい。」と語り、「彼は自分が最強だと証明しました。みんなが見放していたのに。」そして「またアメリカ人が勝って鼻が高い」と付け加えた。は! ど〜んなもんだい! おふらんす! や〜い!
ちなみに二位はスペインのオスカー·ペレイロ、三位はドイツのアンドレア·クローデンだった。またまた大爆笑!


Comment