コメンターのNさんから非常に興味深いメールを頂いたので、少しづつご紹介していきたいと思う。メールの本題とは少しずれるのだが、女性としてちょっと気になった部分があったので少し書きたいと思う。
先ずはNさんのメールからの抜粋:
カカシさんが、来日されて、実際にしばらく滞在されながら、訪日アメリカ人の様子を眺められると、かなり印象を悪くされると思います。裏で日本人に対する悪口など少なくありませんから。多くは、交際日本人女子の悪影響です。日本人を殆ど信用していない事が見て取れます。
アメリカに行く女子は、折角渡米して、日本の正確な情報を提供してくるかと思いきや、白人男と寝ることばかり考える輩が減らない事です。その上、日本人男子の悪口を酒の肴にしたがります。これは、噂話では無く、民主党側になりますが、国会議員支援者で米駐在員経験者と、秘書を含む外務省経由の情報なので、ある程度信憑性が認められると判断しています。
帰国後に経験談として渡米して、あたかも才色兼備であるかのごとく宣伝しアメリカでは実際はお荷物渡米だったという事情が少なくありません。(略)
この事から、未だ例えば、米人女子の態度は極めて悪く日本に伝わっています。分かりやすく言えば、日本人が会話をしようとしても、睨み付けて一言も会話をしないか、英語で悪口ばかり言って相手にしないとか、自分で相手にされないのだから、一般日本人は完全落第生であるとかを、コソコソ裏で吹聴するため企業管理職は真顔で信じてやはり噂を広める一役を買います。
実はこの内容には二つの誤解がある。ひとつは日本人女性は白人男性に対して節操がない、もうひとつは白人女性は日本人男性を馬鹿にして一瞥もくれない、というもの。私はこのどちらにもNさんの無理解があると感じるので、それぞれ反論したいと思う。
- 日本女性は白人と寝る事ばかり考えている
1980年代に家田荘子とかいう似非ノンフィクション作家が日本女性は誰とでも寝る尻軽女でアメリカでは俗に「イエローキャブ」と呼ばれているとかいう大嘘を書いて評判になった。当時アメリカにすでに住んでいて多くの白人男女とつき合って来たカカシは一度もそんな話をアメリカ人から聞いた事がなかった。この本が出た後ですら、日本人からは「日本女性はそういう評判があるそうですが、、」と聞かれることはあっても、アメリカ人からは日本女性のそんな悪い評判をきいたことはない。
Nさんも家田荘子の嘘にたぶらかされた一人なのではないだろうか。アメリカ人男性とつき合う日本女性が多いからと言って、それ自体は日本女性の節操とは無関係である。アメリカに居るのだから比較的人口の多い白人の男女とのつきあいが増えるのは当然。あえて白人を避けない限り、つき合う相手が白人になるのはそれほど不思議なことではない。
ただ、ひとつ言えることは、アメリカ軍人が他所の国に渡航したり駐留したりした時、米軍基地付近で米兵相手に集まって来る商売女はどこの国にもいる。特に東洋の港はフィリピンにしろ韓国にしろ日本にしろ米兵は大人気である。そういうふうにしか東洋女性との接触のなかったアメリカ人は、東洋女性を性の対象として見る節があるのは否めない。 - 白人女性は日本人男性を馬鹿にしている
白人女性が日本人男性にそっけない態度を取るのは、必ずしも彼女達が日本人男性を馬鹿にしているからとはいえない。
実は日本にいる多くの白人女性が昔から体験していることなのだが、彼女たちがジョギングや自転車に乗ったりして普通の道を通っている時に、日本人男性から無造作に触られたり抱きつかれたり、ひいては抱きかかえられてラブホテルに連れて行かれそうになったりすることがある。そして回りの日本人はそれを目撃しても被害者が白人女性だと完全無視して警察も呼んでくれない、なんて話はよくきく。
日本人男性が白人女性を性の対象としてしか見ず、失礼な態度でナンパばかりしていれば、白人女性が見知らぬ日本人男性を警戒するのは当然。日本人男性が話かけても睨み返されるのは彼女たちのそういう体験が過去にあるからなのではないだろうか?
それからもうひとつ、日本に居るアメリカ人が日本の悪口ばかりを言っているという件。実はこれは別に今に始まったことではない。私が子供の頃、東京の丸の内のビジネス街あたりで、アロハシャツにバミューダショーツの出で立ちで、頭には麦わら帽子を被った白人の中年男が、通りをへだてた所に居た別の同じような恰好の白人に声をかけた。「ヘイ、ジョージ!何買ってんだ?」みたいなことをいったんだろうと思う。昔はアメリカからハワイ経由で日本に来るアメリカ人が多かったので、多分ハワイで2〜3日観光した後その気持ちを引きずって日本に来たのだろう。そういう人の多くが日本人の店員に英語で話しかけて通じないと、「英語の解る奴はいないのか?」と怒鳴り散らしたりしていた。私は子供心に「なんてアメリカ人て行儀が悪いんだろう」と思ったものである。
でも、それを言うなら1970年代中頃に土地成金になって海外旅行を始めた日本人も行儀が悪いという点では結構悪名高かった。海外駐在になった日本人ビジネスマンやその細君らが、仲間が集まればアメリカ人の悪口で花が咲くなんてことはしょっちゅうだった。今でもそういうことはあると思う。
私自身は、自分を受け入れてくれたホストカントリーの悪口を言うべきではないと思うが、外国に住んでいれば自国が懐かしいこともあるし、ホストカントリーをきちんと理解できずに苦情をいうこともある。ま、いってみれば外国人の愚痴みたいなものなので、そう真剣に批難すことでもない。外国で暮らすということはなかなか難しいこともあるのでね。
ただ、何年もその国に住んでいながらその国の悪口ばかりいい、ホストカントリーに自国の習慣を押し付けようという輩にはうんざりする。そんなに嫌なら帰れ!と言いたくもなる。
この次はNさんのコメントの本筋に触れようと思う。今回はちょっと気になったことだけ感想を書かせてもらった。