政教分離はどうなった? イスラム教公立学校を認めるミネソタ州

ミネソタにはイスラム教徒が多く住んでおり、なにかと自分らの権利を主張して無理難題をふっかけ、それが拒絶されると人種差別だ宗教弾圧だ人権迫害だといって大騒ぎをしているという話はここでも何度かしてきた。下記はその一部である。
イスラム教スーパー店員ベーコンの販売を拒否!
イスラム教徒のタクシー運転手の乗車拒否
アメリカのイスラム化を狙うCAIR
ミネアポリス空港イスラム教タクシー運転手の乗車拒否に厳しく対処
そのミネソタで、今度は州民の税金で経営されている公立学校で、イスラム教学校が経営されているという話が地元の新聞のコラムニスト、キャサリン・カーストンによってスタートリビューンで暴露された
私が上記に挙げた例でも背後にモスラムアメリカンソサエティー(The Muslim American Society、MAS)という市民団体が存在する。この団体は実はモスラムブラザーフッド(the Muslim Brotherhood)というハマスなどのテロリストたちを生み出しているテロ養成グループのアメリカ版看板団体である。
MASは2007年の大会でシェイク・カリード・ヤシン(Shayk Khalid Yasin)という悪名高い男を講演者として招いた。この男は英国やオーストラリアで、妻に暴力を振るうのは許されるとか、同性愛者は死刑になるべきだとか、エイズはアメリカの陰謀だとかめちゃくちゃなことを言ってる過激なイスラム師教である。
このMASミネソタ支部は何かとミネソタでシャリア法を広めるのに熱心だが、カーストンは今回彼等が先導してなんとミネソタにイスラム教を教えるいわゆるマドラスを州の税金で経営される公立学校として州に認定させてしまったことを学んだのだ。
ツインシティーの郊外にあるこの学校の名前はTarek ibn Ziyad Academy、略してTIZA,
昔スペインを征服したモスラム将軍の名前からとったもので、生徒全員もしくはほとんどがイスラム教徒であり、校長はいイマームと呼ばれるイスラム師教、学校のスポンサーはイスラムリリーフUSA、学校の建っている土地はMASが持っている。
この小学校で5年生の臨時教員をつとめた女性の話によると、学校では一日に5回のお祈りの時間がもうけられており、その前には教師の指導で子供たちは足を洗う。イスラム教では聖なる日とされる金曜日には体育館で集会がもうけられそこでイスラム教の教えが説かれるという。
断っておくが、アメリカでは宗教学校そのものが存在することは違法でも何でもない。それが私立の学校であれば何を教えようと学校の判断に任せられる。だが、それが税金を使った公立学校となってくるとそうはいかない。教育と宗教は完全に分離しなければならないという最近の風潮から、公立学校では聖書研究部がひらけないとか、学校内では生徒たちが個人的にキリスト教のお祈りをするのさえいけないとか、うるさくいわれている。学校によっては十戒を取り除いたりクリスマスツリーを排除したりしているところさえあるのである。
そこまで宗教を公立学校から閉め出そうとしている教育委員会が、あからさまなイスラム宗教学校を公立学校として認定しているというのはどういうことなのだ?完全に州法に違反するはずである。
TIZAのザマン(Zaman)理事長はカーストンの「イスラム教徒への明らかな偏見」は心配であると意思表示をし、カーストンからの取材を拒んだ。そして記事が掲載された直後ザマン理事長はカーストンが個人的に自分と学校を宗教を理由に攻撃したとし「悪質で、文明社会では受け入れられない」と糾弾した。
こういう話になると必ず乗り出してくるアメリカのイスラム過激派グループCAIRがついに、キャサリン・カーストンへの猛攻撃をはじめるべくお出ましである。
人権擁護市民団体を装うCAIRのミネソタ支部はツインシティーの小学校に向けられた脅迫について刑事犯罪がおかされている恐れがあるとしてFBIに調査を求めた。CAIRは小学校の子供たちの安全が脅かされるおそれがあると心配しているのだという。「我々は人々にはまあだ明らかにされていないこの件に関して光をあてたいと思う」とCAIRの代表者は語った。
私はこの件が大っぴらになるのはいいことだと思う。なぜなら政教分離というのは単にキリスト教迫害に他ならず、イスラム教徒からの脅迫に恐れおののいて何でもかんでもいいなりになっているミネソタ教育委員会の情けない現状に「光を当てる」いい機会だからである。
こんなことがアメリカで許されるなら、アメリカも欧州やカナダのようになるのは時間の問題だ。キャサリン・カーストンはガードマンを雇って今後もミネソタのイスラム教暴虐を暴露し続けてほしい。本当に身の安全が心配されるのはイスラム批判をするジャーナリストたちのほうだろう。


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中共やらせ記事への読者の反応

先日、チベット人らしき男性がパリで聖火ランナーを襲ったのは、中共のやらせなのではないかというエントリーをカカシの英語ブログBiglizards.net/blogで紹介した話はしたばかりだが、そのエントリーに寄せられたコメントを見ていて非常に驚いてしまった。どれもこれもオリンピック開催を妨害しているのはチベットだ、聖火を襲うなどもってのほか、という批判ばかり。チベット人らしい人が中共の旗を持ったひとたちと並んで歩いている写真をみても、現場にいく途中にたまたま一緒の道を歩いただけ、特に意味はないと完全無視。
同胞が何百人も祖国で虐殺されているのに、その加害者である中共支持者と肩を並べて歩くなんてことが普通の神経でできるとは思えない。ましてや聖火を奪い取ろうなどと考えている過激派ならなおさらである。しかしここでカカシは気が付いた。アメリカの読者はこれまでの中共とチベットのいきさつを全く知らないだけでなく、中共がオリンピックに備えてどれだけ自国民の人権を迫害してきたか、政治犯の厳しい取り締まり、邪魔になる住民の強制立ち退きなど、何も知らないのではないかということだ。
日本では中共のこれまでの悪行がかなり報道されてきているし、毒餃子などでも象徴されるように、中国からのテロ攻撃の疑いさえあるくらいなので、中共がいくら情報規制をしてもチベットからのニュースは結構はいってくるし報道もされている。
ところが、アメリカでは2〜3年前には毒ペットフードや毒歯磨きの件があったり、去年は増血剤で何百人という死傷者をだしているというのに、日本で聞かれるのような中国批判の声がほとんどきかれない。直接的な被害だけを考えたらアメリカの方が日本よりもよっぽども激怒していいはずであるが、そのような雰囲気はまるでない。
どうもアメリカには中国に対する盲点があるように思えてならない。
私が掲示したチベット人らしき人の写真だが、彼がユタ州のソルトレイク市に住むチベット人だと本名まで書いて指摘したコメンターがいた。ちょっと検索してみたら、これが全くの人違いであると地元の新聞に載っていた。にも関わらずネット上の噂のみで、中国人ブログのサイトではこの人の住所氏名と電話番号まで掲載してしまったとうのだからひどい。
中国兵がチベット僧の袈裟を持って立っている写真についても映画の撮影の途中だという中国政府側の説明があったことはみなさんもご存じの通りなのだが、どの映画の撮影中だったのかという話ですでにカカシの英語ブログのコメントには三つの説が寄せられている。
ポピュラーな順に並べると「レジェンド 三蔵法師の秘宝」(2002)、次が天下無賊(2005)、そして一番新しいのが紅河谷(2005)となっている。
いったいなにを根拠にこういう映画の題名が出てきたのかわからないのだが、どうも確たる証拠があっての主張ではないようなのである。ただ、兵士たちの制服が2005年以前の規定のものであることや、冬なのに夏服を着ているという点については真実なので、この写真が今回の暴動の際に撮られたものではないということは事実なのかもしれない。
ミスター苺がチベット関係の雑誌の裏表紙に載ったというのを確認するため、その雑誌を購入しようとしたところ、出版社から2003年の文だけ売り切れだと言われたそうだ。売り切れるようなポピュラーな雑誌じゃないはずなのだが、必要な年の分だけ売り切れているというのも不思議なはなしではないかな?


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チベット暴動はやらせ、中共によるチベット弾圧の口実か

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昨日陳さんとこのサイトでパリで車いすの聖火ランナーを襲ったのは中共のまわし者で、あれはやらせだったのではないかという記事を読んだので、それをカカシの英語版ブログで紹介したら、すごい反響で日曜日だというのにアメリカのメジャーなブログにいくつもリンクされてしまった。陳さん、どうもね。
昨日もちょっと書いたが、あれだけヨーロッパや日本で評判になっている中国の聖火防衛隊についてアメリカのメディアは全然報道していない。それをいうならチベットに関する記事すらあまり読まない。だから私みたいな零細ブログの記事が突然スクープになってしまうとうわけだ。それだけアメリカメディアはこのことに関心がないという証拠。
日本の読者の皆様はもうご存じだと思うが、この写真は、中国ではいかにチベット独立運動家が暴力的であるかを証明する象徴だと報道され、これをもとに聖火防衛隊ひいては中国のチベット地区弾圧への正当化に利用されている。

Chinese Attacks Wheelchair Torch Bearer

車いすの聖火ランナーを襲うチベット人らしき男性


この男性がかぶっているバンダナの模様は明かにチベットの旗。

Tibetan flag

チベットの旗


参考までに中国の国旗はこちら。

Chinese flag

中共の国旗


最初の写真だけをみていると、確かにチベット独立支持者がかよわい障害者の女性を襲っているかのようにみえるが、この事件が起きる前にこの同じ男性が中共の国旗を誇らしげに翻している中共支持のグループに混じって仲良く歩いている写真が発見された。

Fake Tibetan -- actually Chinese -- with friends

本当のお友達と歩くチベット支持(?)の若者。 国旗に注目


もしかしてこのチベット人は本当は中国の工作員なのでは?中国のことだからあり得ないことじゃない。以前にも中共の軍人がチベット僧侶に変装して暴動をはじめ、それを口実に中国の武力行使による弾圧がはじまったという話を読んだことがある。
その証拠として、東洋の諸ブログでこの写真が評判になった。

Chinese soldiers holding fake Tibetan monks' robes

チベット僧侶の服をあてがわれた中国兵たち


中国政府はこの写真は映画のエキストラとして中国兵がチベット僧侶を演じた時のもので、今回の暴動とは全く関係がないという説明をしたが、実際に映画の撮影中だったという確たる証拠が発表されたわけではない。本当に撮影中の写真だったなら、ほかにも別のアングルからとった撮影所の様子などを写した写真があってもよさそうなものだし、エキストラとして映画に出演している兵士の写真などが指摘されてもいいはずだが、そのような写真は公開されていない。
また、2003年にチベット関係の雑誌(the Tibetan Centre for Human Rights and Democracy 、TCHRD)の裏表紙に掲載されたという話もあちこちのサイトに書かれているが、実際にリンク先の雑誌のホームページにいってみると表紙の写真はあるが、裏表紙の写真はどこをみても見当たらない。念のためPDFのファイルを”movei” “robes”などで検索してみたが、この写真はどこにも掲載されていない。
しかし、たとえこの写真が本当に映画の舞台裏を写したものだったとしても、チベットの暴動は中国政府によるやらせだという話はダライ・ラマさえ主張している説で、なまじデマとはいえないのである。
大紀元が転載した カナダの新聞記事 によると、英国の通信省GCHQ、( the Government Communications Headquarters)は中華人民共和国軍が 暴動を演出したと考えているとある。

世界の半分の電子通信を宇宙から監視している英国のGCHQと呼ばれる通信機関は、中華人民共和国軍(PLA)が僧侶に扮して何百というチベット人の死傷者を出すことになった暴動のきっかけを作った、とするダライ・ラマの主張が真実であると確認した。

GCHQの分析者は北京の指導者らは、すでに夏のオリンピックを前に好ましくない注目を浴びている、この地域にくすぶる不穏な状態を鎮圧すべく意図的に計画されたものであると考えている。

元記事のG2 Bulletinは購読料が必要なので転載記事のリンクを参照のこと。
というわけなので、たとえ僧侶の衣装を持つ兵士らの写真が単なる映画の舞台裏写真だったとしてもチベットの暴動が中共のやらせだったという疑いを拭うことはできない。
そしてもちろん、最初のチベット支持者とされる男性が犬猿の仲のはずの中共支持の人たちと仲良く歩いていた事実を説明することもできない。
それにしても中共の情報操作がこれほど裏目に出るとなると、中共もオリンピック開催国になどならなければよかったと今は後悔しているかもしれない。


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聖火防衛隊が暴露した中国の野蛮ぶり

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オリンピックの聖火はサンフランシスコに来たと思ったら訳の分からないうちにまたまたさっさと立ち去ってしまった。
サンフランシスコではパリやロンドンでの二の舞いを防ぐため、予定の走路を途中で変更したりしてデモや見物に現れた一般の観客のいる道路を避けて通り、なんとか暴力的な衝突は避けられたようだ。ニューヨークタイムスによると、市では武装した警備隊があらかじめ予定された走路の脇でものものしい警備体制をとりはじめ、あたかもそこへ聖火ランナーが走ってくるかのようにみえたに。ところがランナーは土壇場で走路を変更して見物に来ていた人たちのいる道路を迂回して別の道をとり見物客たちを失望させたとある。以下はロイターの日本語記事より。

リレーは当初、午後1時から、サンフランシスコ湾沿いの約10キロのルートを走ると発表されていた。しかし、実際には出発地点となった海沿いの倉庫地帯で聖火を手にした走者は、道路に現れずにそのまま倉庫の中に姿をくらませた。

 その後、倉庫からは複数の車両に加え、水上スキーに警護された船舶までが出発したため、いったい聖火はどこに行くのか、待ち受けていた群衆や報道陣は騒然となった。…
沿道からは「市は臆病だ」などと批判が挙がったが、同市のニューソム市長は「負傷者が出ないことが最優先だった。その意味では、今回の聖火リレーは成功だった」と強気のコメントに終始した。

ニューヨークタイムスの記事ではニューソム市長が「イベントをキャンセルするか、聖火ランナーの身の安全を確保するか」という選択に迫られたために取った判断で、「簡単な決断だった」という発言が載っている。
しかし聖火リレーの目的はオリンピックを前にして世界各国が政治を乗り越えてスポーツ競技をお祝いしようという意志表明のはずだ。それを観客が待っている道をはずしてこそこそと走ってそそくさ飛行機に乗せてしまうのであれば、聖火リレーなどやる意味がないではないか。だったら税金無駄使いして大掛かりな警備体制のおとりまで使ってやらなくても、単純にキャンセルしてしまえばよかったのだ。ばかばかしい。
しかし面白いのは、世界各国ではすでに話題になっている中国の聖火防衛隊の話がニューヨークタイムスの記事には全く述べられていないことだ。どうもNYTは聖火防衛隊が各国で起こしている問題について何も知らないらしい。
ロンドンタイムスによれば、この防衛隊は中国から送られてきた特別戦闘部隊で、聖火をまもるべく世界中を聖火と共に旅しているという。彼等の乱暴ぶりはパリやロンドンではかなり問題になった。

その乱暴なやり方が国際的な非難を浴びている青い炎模様の運動着に身を固めた中国のオリンピック聖火防衛隊は中国陸軍に付属する特別警察機動隊のメンバー達である。

30人の若者からなるこの隊はエリート機動隊員を生み出す警察学校出身で、彼等の仕事は本国で暴動鎮圧、国内安全保証、外交官らの身の安全を守ることである。

Paramilitaries in San Francisco    Paramilitaries In Europe

中国特別聖歌防衛隊、左がサンフランシスコ、右がロンドン


問題なのは欧米のお手柔らかな警察などと違って、この中国の防衛隊はまるで戦闘でもしているような行動を取っていることだ。 デモをおこなっている人たちの言論の自由尊重だの意見の違う人々への寛容性などかけらも持ち合わせていない彼等は、抗議者であろうとただの観客であろうと聖火の邪魔になりそうな人たちを暴力でおしのけた。あたかも彼等はすでに聖火が北京にいるかのような振る舞いだ。しかし外国でこういう行動をとるようじゃ本土の中国では警備隊はいったいどういう振る舞いをするのか先が思いやられる。下記はこの防衛隊の暴虐ぶりについて諸外国での反応だ。AFPの日本語記事より。

聖火リレーの走者を務めた柔道の元世界王者ダビッド・ドゥイエ(David Douillet)氏はラジオ・テレビ・ルクセンブルク(RTL)に対し、中国側の警護隊を「ロボット」「攻撃犬」と呼んで非難、「かれらは押したり、中国語で文句を言ったり侮辱したりする」と語った。
 英メディアは、2012年に開催されるロンドン五輪の組織委員会のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長が、中国側の警護隊を「チンピラ」と述べたと報じた。
 コー氏は、パリに先立ち6日に行われたロンドン(London)での聖火リレーについて、中国側の警護隊が「わたしを3回もルートから押し出そうとした」と明かし、仏の聖火リレー主催者は「警護隊を排除するべきだ」、「かれらはひどい。英語を話さなかったし、かれらはチンピラじゃないか」と訴えた。
 また、同じく走者を務めた英女性タレントのコニー・ハク(Konnie Huq)さんは、タイムズ(The Times)紙に対し、中国側の警護隊と英警官隊の間で「小競り合い」があったことを明らかにし、「かれらはまるでロボットのようで、『走れ』とか『止まれ』とか怒鳴って命令した。私は『かれらは一体誰なの』と思ったわ」と語った。

それにしても、自然な疑問として、いったいこんなチンピラに聖火の警備をさせるという許可を出したのは誰なのだろうか?フランスにしろイギリスにしろ政府の許可なくして彼等が勝手な行動をとれるはずはないからだ。

デイビッド・デイビス影の内相(David Davis, the Shadow Home Secretary)は昨日ジャック・スミス内相に当てた手紙で中国委員の役割について明確な説明を求めた。「イギリス政府の誰が彼等の存在を許可したのか、彼等の身元についてどのような調査がおこなわれたのか」と質問した。

先のAFPの記事によると、五輪の規約では聖火を守るのは開催国の責任となっているとある。ということは開催国が防衛隊を派遣するのも五輪規約の違反にはならないということだろうか。
ロンドンタイムスの記事によると30人の防衛隊は一年くらい前に中国警察学校で訓練を受けていた卒業生で、何万という彼等の同級生たちはチベットに送られチベット人弾圧、、おっとチベット暴動の鎮圧にあたっているという。
上記の写真でもわかるように、防衛隊はサンフランシスコでも走者の周りを取り囲んでいたが、走路変更のため特に一般市民との衝突がなかったため、その存在はアメリカでは大きく取りざたされていない。しかし聖火を待っているオーストラリアでは首相のケビン・ラッド氏が、防衛隊が走者と一緒に走るのは許可しないと息巻いている。

中国政府は、北京オリンピックの聖火リレーが通過する国々に対して抗議行動から聖火を守るために、聖火リレーのランナーといっしょに走る「聖火防衛隊」の派遣を受け入れるよう求めています。これについて、オーストラリアのラッド首相は10日、訪問先の北京で記者会見し、首都キャンベラで24日に予定されている聖火リレーに触れ、「オーストラリアに来る聖火を守るため、あらゆる安全措置はオーストラリアの当局によって提供される」と述べ、聖火防衛隊の派遣は必要ないという考えを強調しました。さらに「彼らがもし北京オリンピック組織委員会の一員として来るなら、わたしの理解ではバスに乗って行動するだろう」と述べました。

聖火は今南米にあるが、すぐに日本の長野にくる予定だが、オーストラリア同様長野でも防衛隊の伴走は拒否する姿勢をみせている。

英仏米など北京五輪の聖火リレー「国際ルート」で、青色ジャージー姿の中国“聖火防衛隊”が伴走していることについて、泉信也国家公安委員長(70)は11日、閣議後会見で「警備は日本の警察がちゃんとさせていただくという大原則は崩すべきではない」と述べ、長野市で26日に予定されている聖火リレーでは受け入れを拒否する考えを示した。

 泉委員長は「ほかの国でも走ったから日本でも、という考え方は私自身としては歓迎しない」と語り、防衛隊によるリレー妨害活動への「警備」は「日本の主権の侵害にあたる」と指摘。「(警備は)長野県警を中心とするわれわれの役目」と強調した。

もちろん長野市はチベット問題に抗議するデモの人々も受け入れる気は毛頭ない

欧州各国で北京五輪の聖火リレーへの妨害が相次いだことを受け、警察庁は、長野市で今月26日に行われるリレーの警備態勢を増強することを決めた。

 過激な活動家の入国を制限するため、過去に逮捕歴がある人物の入国を認めない入管難民法の「フーリガン条項」の適用も検討する。中国側は聖火ランナーに並走する“聖火警備隊”2人の長野派遣も打診してきているが、同庁は日本の主権侵害にあたるとして警備には直接関与しないよう要請する。
 警察庁は、長野での聖火リレーについて長野県警約500人と、民間の警備員ら約1000人で沿道を警備する方針だった。しかし海外の活動家のほか、右翼の街宣や人権団体の集会も予想されることから、管区機動隊など応援部隊を派遣し、ランナーに機動隊員を伴走させるなどの厳重な警備を敷く検討を始めた。
 特に欧州の過激な活動家については、2002年5〜6月のサッカーワールドカップの際に新設された入管難民法のフーリガン条項の適用も視野に入国審査を厳格化する方向で入管当局と調整している。

オリンピック聖火は政治の違いを乗り越えて世界の人々が協力して個人のスポーツの才能を祝おうという象徴として大事な意味がある。その象徴を守るために中共が軍事的なチンピラを使うというのはなんとも滑稽だ。ここに中国の野蛮な本質が露呈したといえる。中国にとってオリンピックを開催するということは、文明国家として国際社会の一員として大人になった国だということを世界に表明するという大事な意味があった。だが中国は文明国家であることを証明するどころか、オリンピック開催に備える中国の数々の暴虐はかえって自分らがどれだけ未熟で未開で野蛮であるかを証明することになってしまった。天南門の虐殺こそが中国の本性なのだと全世界に知らしめる結果となってしまったのだ。
国際社会は遅蒔きながら中国の野蛮性に気が付きはじめている。それにしてもオリンピック委員会はなんだってこんな国を開催国に選んだのだ?候補都市にはトロント、パリ、イスタンブールなどいくらでもオリンピックにふさわしい都市があったではないか。それをいうなら1970年に万国博覧会を開いた大阪という選択もあったのだ。
中国のような野蛮な共産主義国にオリンピックを開催させようなどという決断をくだした時から、こうなるのは分かっていたはずだ。今さらゲームをボイコットすることはできないが、せめて各国の首相たちが開会式のボイコットくらいはしてくれることを望む。


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バスラのイラク軍作戦、マリキ首相の成功を認めない主流メディア

本日は昨日のイラク情勢好転に主流メディアの情報操作は続くに引き続いて、バスラで行われているイラク軍によるシーア取り締まり攻撃について、マリキ首相のこれまでの功績をみてみよう。
下記は例によってビル・ロジオから:

停戦後、イラク軍はバスラに援軍を出動させると発表し、翌日にはKhour al ZubairとUmm Qasrpushedの港に軍を送り込んだ。以来、バスラ内部ではイラク特別部隊と特別警察隊によるいくつかの手入れが行われている。その間イラク軍の一旅団は4月2日までマフディ軍の本拠地だった真髄に進行した。そしてサドルが停戦を呼びかけた二日後にはイラク政府はサドル市及びバグダッド内のシーア居住区に戒厳令を引くことに成功した。

マリキの共同政府はこの作戦に反抗は見せなかった。イラク政府の反対派がバスラ作戦に抗議して緊急議会を開いたところ、275人の議員のうち参加者はたったの54人だったと AFPは報道している。出席したのはモクタダ・アルサドルの党派とシーアファディラ党、世俗主義イラクナショナルリスト、the Sunni National Dialogue Councilといった零細党だけで、イラクの最大政党であるシーアイラク連盟(Shiite United Iraqi Alliance)とクルド連盟(Kurdish Alliance)の姿はみられなかった。イラク議会の主力な党派が緊急議会を無視したことはマリキ政権が危機に瀕していないということであり、政治的に大きな意味を持つ。

10日間の攻撃停止期間は民兵軍に武器解除をし降参する猶予を与える目的でされたものだ。しかしイランから訓練を受け、イランから直接命令を得ているマフディ軍JAMの一部は未だに戦闘をあきらめていないため、イラク軍による「騎士の突撃作戦」は続けられている。
ところで主流メディアがサドルが勝った証拠としてあげていたことのひとつに、サドルの従者たちはサドルの命令にちゃんと従っているということがあった。しかし現状を見ていると、サドルがいかにその影響力を失っているかが顕著となっている。実際にイラク軍に対抗して戦っているJAMのメンバーはサドルから命令を受けているというより、イランのクォド特別部隊から直接命令を受けていると言っていい。

新しいイラク軍がバスラに到着しはじめアメリカとイギリス軍がイラク軍の援軍として準備をはじめるなか、イランのクォド隊から命令を受けたサドルはマフディ軍に市街地から撤退するよう命令をくだした。サドルは攻撃停止を含む9条に渡る交換条件を要求したが、マリキはそれを拒絶。イラク・アメリカ連合軍はバスラ侵攻を続行しシーア民兵軍に対し、焦点をしぼったピンポイント攻撃を続けている。バスラでの6日間の戦いだけでも、すでに200人以上のマフディ軍戦闘員が殺され、700人が負傷、300人が捕獲されている。

サドルの撤退しろ抵抗するなという命令とやらはあんまり効果がないらしく、マフディ軍の一部は一向に戦いをあきらめる様子を見せていない。しかし戦えば戦うほど奴らは追いつめられていく。どこにも居何処のなくなった奴らはイランに帰るしか道はなくなるだろう。
主流メディアはこれまでマリキが政治的な進歩を遂げていないといって批判してきた。しかし、マリキが政治的な見解の違いを乗り越えてクルドとスンニに手をのばし、その協力を得られた今となっては、主流メディアはマリキの功績をほめたたえるかといえば、無論その答えは否である。マリキの努力の成果を評価するどころか、マリキには近視眼的な汚い動機があると批判する。イラクは10月1日に全国選挙を予定しているが、マリキの所属するダワ党は石油資源の豊かなバスラや宗教的中心であるナジャフやカルバラで苦戦が期待されている。

バスラ攻撃の成功はマリキのダワ党と彼の味方であるイスラム最高評議会(the Supreme Islamic Iraqi Council, SIIC)が選挙で成功する確率を引き上げるはずだった。SIICのバーダー旅団(Badr Brigade)はマフディ軍の宿敵である。

ノーリ・アル・マリキはもともとモクタダ・アルサドルの後押しによって首相となった人である。ダワ党といえば歴史的にサドルのマフディ軍である JAMの味方でありバーダー旅団とはライバル関係にあった。(バーダー旅団は民兵軍というイメージを脱ぎ払うために、最近はバーダー組織と改名した。)
そのマリキが従来のライバルであったSIIC従属のバーダーのライバルであり自分の所属するダワ党の元スポンサーであるマフディ軍を攻めることが、いったいどうやってダワ党への票集めにつながるというのだ? ま、降参降参といって逃げまどっているサドルが大勝利をとげたと平気で言えるAPだから、こういう不思議な理屈も成り立つのかもしれないが。こんな理屈にだまされるのはリベラルくらいだろう。
マリキ首相並びにイラク政府はさらに マフディ軍を孤立させるべく、10月の選挙にはサドル派を参加させない意向だ。 マリキ首相はサドルがマフディ軍を解散しない限り、サドル派の政治参加は許可しないと発表した。これに対してサドルの報道官はナジャフのシスタニ大教祖に相談すると語っていたが、シスタニ自体はサドルから相談を受けた覚えはないとしながら、マフディ軍は解散すべきだという意志を表明している。
となってくるとサドル派はかなり苦しい立場に追い込まれたことになる。マフディ軍を解散してしまえば、サドル派は単なる弱小政党に成り果てる。しかし解散しなければ政治力のないただの民兵軍に成り下がってしまう。そうなればマリキの力はさらに増幅しマフディ軍はマリキによって完全に抹消されてしまうだろう。マフディ軍はいってみればイラン版のイラクのアルカイダとなってしまうのだ。
しかしこの後に及んでも主流メディアはまだバスラの戦いではモクタダ・アルサドルが大勝利を納め、マリキ首相は政治的に滅ぼされたと言い張っている。
どうしてもイラク情勢の好転を認めたくない主流メディアは日に日にそのうろたえぶりがひどくなるようだ。


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イラク情勢好転に主流メディアの情報操作は続く

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イラク情勢に関しては主流メディアに真実を頼ることは完全に無理だ。アメリカの主流メディアも、そしてそれを誠実にコピペしまくる日本メディアも含めて、まるでかつてのバグダッドボブのように、アメリカは負けているイラク政府は混乱状態というニュース以外は流したがらない。しかし中国の大本営放送のように情報操作に余念のない主流メディアでも時々間違って真実を報道してしまうことがある。
この間からお話しているように、バスラのイラク軍によるシーア民兵退治作戦「騎士の突撃作戦」ではノーリ・アル・マリキ首相が大成功を収めているが、それに付け加えてマリキ首相はこれまで対立していたクルド派やスンニ派の支持も得ることができた。APが嫌々ながら報道しているこの記事 によると、、、

ノーリ・アルマリキ首相の弱まるシーア派民兵への取り締まりは、スンニアラブとクルド党から支持を勝ち取った。両党とも強力な民兵ともろいイラク政府の失敗による悪影響を恐れてのことであった。

双方の共通目的がイラクの政治的溝を埋める橋渡しになりそうだ。
クルド自治区の首領であるマスード・バールザニ(Massoud Barzani)は反米聖教師のモクタダアルサドルのマフディ軍との戦いにクルド軍を派遣すると提案した。
もっと意味があるのはスンニアラブのタリーク・アルハシミ副大統領がクルド人のジャラル・タラバニ大統領の声明文を承認しクルドおよびシーアの副大統領アディル・アブドール・マフディとともに石油資源の豊かなバスラにおける民兵退治を支持する意志を表明した。

この間も紹介したが主流メディアはマリキがマフディ民兵軍(またの名をJaish al Mahdi、または JAM)退治に他党との協力を得られていないと批判していた。確かにハシミ副大統領とマリキ首相は馬が合わないライバルではある。そんなそのハシミ氏が主流メディアがいうように「失敗が鮮明」になった作戦を応援したりするだろうか? はっきりいってアラブ人はダークホースを応援するような民族ではない。明かにマリキを勝ち馬と見たから応援する気になったのだ。
もちろんAPニュースはとにかくバスラはイラク軍の大敗だという主張を続けている。

バスラの「無法者」や「犯罪者集団」を対象に行われた取り締まりは激しい抵抗と政府軍の不満分子などに面して行き詰まりをみせている。先週の日曜日、アルサドルが戦いをやめるように民兵たちに呼びかけて以来、主な戦闘はおさまっている。

しかしアルマリキはバグダッドにあるマフディ軍の本拠地への取り締まりも続けると強気の口調を弱めていない。しかしアルサドルが復習をほのめかすと、マリキ首相は若い聖教師の従者を対象とした取り締まりや手入れを中止した。

なんで敵が降参を唱えている戦いが行き詰まっているなんてことになるのだ?お決まりの「泥沼」といわないだけましかもしれないが。確かにマリキは民兵軍攻撃を一時停止すると発表したが、それはサドルの復讐を恐れたからなどではない。そんなことが恐かったら最初から民兵の取り締まりなど始めるわけがないし、一旦JAMが予想以上に強いと分かった時点で戦いをやめているはずだ。しかしマリキは戦いをやめるどころか攻撃を激化させ、援軍まで呼んで戦い続行している。マリキは民兵軍が武装解除をして降参する時間を与えるために一時攻撃は停止すると発表したに過ぎないのだ。バスラをパトロールしているのはいまやマフディ軍ではなくイラク軍なのだということを忘れてはならない。
マリキの成功はまだまだあるのだが、今日は時間がないので詳細は次回に続く。


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「性転換」手術後に妊娠した女性を「男性」扱いするな!

ここ数日男性が妊娠した、奇跡だという話題が持ち上がって大騒ぎになっていたので、いったい何のことなんだろうと不思議に思っていたら、何のことはない、性器整形手術とホルモン治療で外見が男に見えるようになったというだけの、生物学的には女性が妊娠したという話。奇跡でもなんでもない。(カカシ注:2022年9月現在。ここで性器整形手術と書いたが、女子の性器の整形手術はこのエントリーを書いた当時まだ普通には行われていなかった。しかもそんな手術を受けていたら子供を産むことは不可能だったので、彼女が受けていたのはホルモン治療のみである。)

【4月5日 AFP】トーマス・ビーティー(Thomas Beatie)さんは、女性として生まれた後、性転換手術を受けて法的に男性となったが、現在妊娠中。雑誌で妊娠が告白されるや性同一性障害者の権利をめぐり、米国で議論が白熱している。

ビーティーさんは、胸部の整形手術を行い、男性ホルモン療法を受けながらも、女性生殖器を残すことを決心していたという。性転換後に結婚した妻が子宮を摘出したため、人工授精で自分が妊娠することにしたという経緯を公表して以来、数々の雑誌が「彼」を取材した。

人気のテレビ司会者オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)のトーク番組にも出演した。うっすらとあご髭を生やしたビーティーさんは、子供をもうけたいと思うのは性を超えた人としての欲求であり、当然自分にも血のつながった子供をもうける権利があると訴えた。

ビーティーさんの妊娠は、前月米国のゲイ雑誌「Advocate」に投稿した「愛の労苦(Labor of Love)」と題するエッセイのなかで告白された。

このLaborという言葉はだじゃれで、Laborには「労苦」という意味と「出産」という意味があるのでそれを掛けているのだ。ま、そんなことはどうでもいい。私は性器整形をしただけで生物学的に全くなんの変化も遂げていない女性を「男性」と呼ぶのには非常な抵抗がある。見かけがどうあれ、彼女はいまでも女性なのだ。しかも、子供を生むという女性として最高の役割をあきらめていない人が自分を男だなど呼ぶのは矛盾も甚だしい。

男女双方の性器及び染色体を持って生まれたいわゆる両性体質の人が、幼い頃に医者が便宜上選んだ性別にどうしても馴染めず反対の性別を選ぶという例はあってもおかしくないと思う。こういう体質の場合はホルモンの関係もあって見かけと中身が一致しないことはあるからである。

しかし、生物学的に何の異常もなく、はっきりとした性を持って生まれた人間が、大人になって「自分は常に異性であると感じていたので整形手術をして異性に見えるようになりたい」と言うのはどうもいただけない。

それでもまだ、自分は異性ではなく同性に愛情を感じるというのであれば、自分は間違った性で生まれてきたのだと感じたとしても、まあわからなくはない。

だが、私に分からないのは、普通の性を持つ異性愛者として生まれ、異性に対する欲望は全くかわっていないのに自分は異性であると主張する人である。手術後にも女性としての妊娠機能を保ちたいと思っているひともそうだが、手術後も元の性の特質をそのまま保っておきたいと考えるなら、なぜ「性転換」手術などする必要があるのだろうか。

よく、ジェンダーフリーを売り物にする人たちはジェンダーは持って生まれた性に捕われないものだと主張する。もしそれが本当なら、「性転換」という概念自体が成り立たない。つまり、持って生まれた性と自分のジェンダーのアイデンティティーが矛盾してもよいというのであれば、生物学的には女性でも自分は男性だと主張するのは個人の勝手だし、特に男性に見えるような手術をしたり戸籍を男性に変えたりして周りの人間に無理矢理自分は男だと認めさせる必要はないはずである。しかも女性として子供を生むという機能を保ちたいならばなおさらだ。

私は男性から女性への「性転換手術」を行った人物が女性のマウンテンバイクトーナメントに参加したカナダの例テレビのドキュメンタリーでみたことがある。この人物の私生活は常に野外でするスポーツに始終しており、特に女性らしい生活をしているとはいいがたい。しかもデートする相手は特に男女どちらとは特定していないというのである。だとしたらどうしてこの人が「女性」に「性転換」などする必要があったのだろうか?(レースに勝つための性転換だったとしたらこんな人間を参加させるカナダのスポーツ業界にも問題がある。)

また女性として生まれながら乳ガンでお乳を失ったのをきっかけに男性ホルモン治療を受けながら、男性に魅力を感じるとして男性とつきあっている「元女性」の例も読んだことがある。どうしてこの人は単に男っぽい女性として好きな男性とつきあう普通の生活を望まないのであろうか?女性でもいくらでも男性顔負けの運動神経の人は存在するし、男性が多い学問でも才能を見せる女性はいくらでもいる。(ちゃんと縦列駐車できる女性もいるし、、)それなのになぜあえて男性の同性愛者という異常な生き方を選んだのであろうか?

男女双方の性の特性を両方持って生きたいのであれば、元々持って生まれたジェンダーをそのままにしておいても何の差し支えもないはず。それをわざわざ整形手術で見かけを変えたいというなら、これは美容整形の域を出ない。そんな安易なファッション感覚で「性転換」手術を受けるなど、あまりにも無責任すぎはしないか?

私はこれらの問題は現在の医学会に大きな責任があると考える。いくら最新の整形技術のおかげで、見かけだけはなんとなく異性に見えないこともないという手術が可能だとしても、可能だからやってもいいという理屈は道徳に反すると思う。自分が特定の性に生まれながら異性であると信じ込むひとたちに必要なのは性器整形ではなく精神治療のはずである。

これもテレビのドキュメンタリーでみたのだが、男性として生まれ異性愛者として妻子もある人が、女性になりたいという幻想を拭え切れないので精神科のお医者さんに診てもらったところ、このヤブ医者は彼に性転換をすすめたというひどい例があった。男性は医者に説得され妻子を捨てて性転換手術を受けてしまったのである。捨てられた妻は医者を夫を洗脳したとして訴えていたがその訴訟がどうなったのかその後のことは私は知らない。

性器整形は鼻を高くしたり目をぱっちりさせるような美容整形とは訳が違うのだ。妻子を持ち自らも異性愛者と認めている男性に性転換をすすめるなど医者としてあるまじき行為である。この男性は明らかに精神異常を煩っておるのであり、いかにして男性として生きることが正しい行為であるか理解させるのが医者としての義務である。それを怠って安易に「性転換手術」を治療として施すなど医者の風上にもおけない人物だ。訴えられて当然だろう。

私は原則として「性転換」という名前の性器整形手術には反対だ。整形して見かけを異性に変えることを考えるまえに、自分の個としての自我の確率に力をいれるべきだ。男として女として生きるということは、見かけだけで決まるのではないのだから。


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イラク情勢:サドル対マリキ、バスラの戦いに勝ったのはどちら?

English version of this entry can be read at Biglizards.net/blog.
先日もお話したように、イラクのバスラとバグダッドにおいて、イランの飼い豚モクタダ・アルサドル率いるシーア武装集団マフディ軍を撲滅すべくイラク軍による激しい攻撃作戦「騎士の突撃作戦」が行われている。マフディ軍がこれ以上は抵抗はしないと停戦交渉を求めてきたことから、一応この作戦は峠を超えたといえる。
しかし、本来ならばマリキ首相の大手柄としてイラク軍の大勝利が讃えられてもいいような結末であるにも拘らず、アメリカの主流メディアはなんとかしてこれをサドル派の勝利だと印象づけたいらしく日夜情報操作に余念がない。だが、反戦派の左翼メディアがサドルの勝利を唱えるのは分かるとしても、右翼側のメディアですらマリキ首相の勝利を認めたがらないのだから不思議である。
保守系人気ブログのパワーラインカウンターテロリズムブログ(Counterterrorism Blog) はこれだけ勝利がはっきりしている戦いなのに未だに「で、どちらが勝ったのか」と問いかけている。何もかもすぐに信じないのは良い性格かもしれないが疑い深いのもここまでくるとちょっと考えものである。
軍事知識豊富なブロガーオースティン・ベイ大佐(Col. Austin Bay)ビル・ロジオ(Bill Roggio)を読んでいれば、どちらが勝ったのか明白であるのに、、、


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対シーア民兵にイラク軍大勝利! 降伏するサドルに狼狽えるメディア

現在イラクではバスラを本拠地とするモクタダ・アルサドル率いるシーア派民兵軍に対して、イラク軍による猛攻撃が行われているが、イラク軍の圧倒的な勝利にサドルは悲鳴をあげ、なんとか生き残ろうと必死になっている。
以下ビル・ロジオより。

イラク政府がバスラのマフディ軍及びイランに援助されたシーア恐怖団体に対して挑んだ、騎士の突撃作戦(Operation Knights’ Charge)が始まって六日後、マフディ軍の指揮者モクタダ・アルサドルは戦士らに武器を捨てイラク警備群に協力するようにと呼びかけた。サドルによるマフディ軍への戦いを終わらせよという呼びかけは作戦が始まって以来マフディ軍に多大なる損害が出たことからきている。

「サドルは彼の忠誠者たちにすべての武力行使をやめるよう訴える伝言を送った。」とアル・イラキヤテレビ局は報道した。サドルはまた「政府や政党のオフィスや事務所…などを攻撃する者は勘当する。」と語った。
サドルの従者への戦いをやめるようにという呼びかけは、6日に渡ってマフディ軍が多くの死傷者を出したことが原因である。火曜日に戦いが始まって以来、358人のマフディ戦士が殺され、531人が負傷、343人が捕虜にとられ、30人が降伏した。米・イラク連合軍はバグダッドだけでも125人のマフディ戦士を殺している。イラク軍はバスラで140人のマフディ兵を殺した。
3月25日から29日の間でマフディ軍は平均毎日71人の割で殺されている。69人がすでに捕虜となり、ほかに160人が戦闘中に負傷したと報告されている。米・イラク連合軍は2007年の夏に行われたアルカイダとの戦いで、このような多大なる打撃を敵に与えたことはなかった。

ところがこの大勝利がニューヨークタイムスにかかると‘ こうなっちゃうんだからおそろしい:

シーア聖教者モクタダ・アルサドル師は日曜日、バスラとバグダッドで彼の味方である民兵軍とイラク・米軍の間で行われている六日間に渡る激しい戦闘を終わらせるべく第一歩を踏み出した。師は従者への提言でイラク軍が自分達の要求を飲む条件で銃を置くようにと呼びかけた。

 …..
米軍の戦闘機に援助されたイラク軍はサドル師関係のシーア民兵軍とバスラにおいて過去六日間に渡って引き分け状態を続けている。この作戦はノーリ・アル・マリキ首相への厳しい批判呼び起こしている。
南部を民兵の統括から取り戻そうとするマリキ首相の作戦は当初の予測よりもずっと激しい抵抗にあっていると先週イラクの防衛大臣アブドゥール・アル・オベイディ氏は認めた。
……
サドル師の今回の行動は2004年にナジャフで死ぬまで戦えと命令した態度とは対照的であり、サドル師の軍事指導者としての技能が過去数年で成長したことを意味する。

死ぬまで戦えと強気だった人間が、抵抗するな、抵抗する人間は勘当するぞ、などといきりたってることが指導者として成長した証拠だ?バカも休み休み言え!勝ってる人間がなんで降参の条件を提案したりするのだ?勝ってるなら戦いを止めろなどといわず、このまま相手が怯むまで突き進め!攻撃はやめるな、というのが筋ではないか。なんで勝ってる人間が相手に協力しろなんていうのだ?
そしてこれが日本の産経新聞になるともっとひどい!

【カイロ=村上大介】イラクのマリキ政権が南部バスラで開始したイスラム教シーア派民兵に対する掃討作戦は29日、5日目に入り、イラク政府軍の威信をかけた「単独作戦」の失敗が鮮明となりつつある。米軍は29日も前日に続き、空爆、昨年12月にバスラの治安権限をイラク側に移譲した英軍も作戦・情報面で政府軍への支援を開始した。しかし、民兵側は依然、バスラ中心部を支配下に置き、戦闘は中南部シーア派地域に広がっている。治安能力の限界を露呈したマリキ政権が自力で争乱を収拾できる可能性は少ないとみられる。

 政府軍は25日、イラク第2の都市、バスラのかなりの部分を支配下に置くシーア派の反米強硬派指導者、ムクタダ・サドル師派の民兵組織マフディー軍の影響力排除を目的に掃討作戦に着手。だが、マフディー軍側は予想以上に強固な抵抗を見せ、マリキ首相は28日、「同日深夜まで」とした民兵側への武装解除の最後通告期限を4月8日まで延期せざるを得なかった。
 バスラ攻略戦への関与を控えていた米軍は28日、戦闘機による限定的な空爆で直接介入に踏み切り、民兵に押され気味の政府軍の支援を始めた。イラクのジャーシム国防相は28日の記者会見で、「抵抗の強さに驚いている」と認めた。
 マリキ首相は27日、バスラの部族長を集め、「無法者とは最後まで戦う。話し合いも交渉もしない」と言明。これに対しサドル師側は「平和的解決を望む」としているが、徹底抗戦を続ける構えで、武装解除に応じる気配は全くない。

はっきり言って産經新聞の記者や編集部には現代の軍事作戦がどういうものか分かってる人間がいるのかと聞きたい。現代の戦闘では先ず地上部隊が戦いに挑み、敵に陣地をしっかり把握した時点で空軍の援助を呼ぶのは普通に行われている。地上部隊と空軍の協力行動は今や当たり前の作戦となっている。だが、イラク軍には空軍はない。また諜報部もない。だからイラク軍に足りない部分をアメリカ軍が補うのは当たり前だ。
これまではアメリカ軍が地上の先鋭部隊を送り込み、イラク軍は後部からの援助に参加する程度だったのが、いまではイラク軍が率先して先鋭部隊として地上で行動し、空軍援助を要請する立場となったのである。これはイラク軍が単独で行動できないことを証明したのではなく、イラク軍がどれだけ現代戦闘のやり方に慣れてきたかその成長ぶりを証明する状況が起きているのだ。それを産經新聞の馬鹿記者は全然わかっとらんのだ!よくもこんな無知蒙昧な人間がエリートメディアでジャーナリストですなんて顔をしてられるものだ、頭くるなあ!
従軍経験豊富なビル・ロジオはこういうことに関しては専門で、カカシは彼のサイトをもう5年くらい読んでいるが、彼がとんちんかんな分析をしたことは一度もない。そのビル・ロジオがサドルが必死に降伏交渉に入っていると言っているのに、ニューヨークタイムスや産経新聞(産経の記事はハッキリ言ってロサンゼルスタイムスの焼き直し)は引き分けだのイラク政府の不能を示しているだの滅茶苦茶なことを書いてる。
ニューヨークタイムスはしょうがないとしても、せめて産経新聞くらいは独自の取材をして真実を書いて欲しいものだな。かなり失望した。


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学習力ないハリウッド、「ストップロス」反戦映画がまたも不入り

観てない映画の批評をするのも何だが、映画館で予告編を見ただけで十分にどういう映画かという予想はついたので観にいっていないし、観る気もない。と考えたのはどうやらカカシひとりではなかったようである。
ニッキー・フィンクの週末客入り情報サイトによると、キンペリー・ピアス監督の反イラク映画、ストップロスの売り上げはかなり悪いようだ。
金曜日7番で始まったストップロスの売り上げは8番に下がり、金曜と土曜の売り上げをあわせてもたったの170万ドル。これまでの合計はわずか460万ドルという情けなさ。この映画はMTV Filmsでは今週末一番評判がよかったにもかかわらず、制作会社のパラマウントはあまり期待をしていなかったようだ。パラマウントの重役によると、イラク戦争をテーマにした映画はこれまで成功した試しがないからだという。「イラク戦争の映画なんて誰もみたくないんですよ。どれだけ才能のあるタレントを起用しても、すばらしい予告編をつくってみても、人々は全く興味をもってくれません。これはまだ決着のついていない戦争にたいして市場がこの葛藤のドラマを受け入れる用意ができていないということでしょう。良い映画なので非常に残念です。ちょっと時代に先駆けしすぎているのでしょう。」
アホか!このパラマウント重役はアメリカ市民の軍隊に対する心情も愛国心も全く理解できないらしい。アメリカ人はイラク戦争の映画をみたくないのではなく、アメリカ人がいつも悪役になる戦争映画を拒絶しているだけだ!イラクで英雄として活躍するアメリカ軍人を主役に映画をつくってみろ!ボックスオフィス売り上げナンバー1は間違いない。
一応どういう映画なのかということを説明しておくと、イラクで活躍し英雄となって故郷のテキサスへ戻ってきた主人公は、戦場にいく前の平凡な生活に戻ろうとするが、突然かれの意に反して再びイラクへ呼び戻される。せっかく普通の生活に戻ろうと思っていた主人公の生活はめちゃくちゃになる、、といったもの。
だいたいこの筋の背景からしておかしい。アメリカは志願制なので、赤紙の召集令状がくるわけじゃない。一応特定の年数で契約して入隊するが、年期が切れても時と場合によっては年期が延期されることもあるし、一応正規軍からの除隊はしてもその後しばらくは予備軍として残るので緊急事態が発生すれば呼び戻される。これは軍隊に入隊する人はすべて覚悟の上ですることなので、戦争が続いている以上、また呼び戻される可能性はいくらでもある。軍人は戦争をするのが仕事なのだから、そんなこと当たり前ではないか。そんなことでいちいちひっくりかえっていては軍人など勤まらない。
私はイラクへ二回行き、三回目の出動が決まっている海兵隊員と話をしたことがあるが、イラクでの体験はどういうものだったかという私の質問に対してかれは、「よかったですよ。文句をいうことは何もありません。」と笑顔で答えていた。
イラクに呼ばれる可能性がかなり高い陸軍予備軍で軍医をつとめている若い男性と、イラク出動の可能性について話したときも、「命令が出ればいきますよ。任務ですから。」とたんたんとした口調ではなしていた。
自分は除隊しいまや予備軍にいて、二番目の子供ができるのを待っていた同僚の海兵隊員はイラク戦争そのものには反対だったが、「もちろん呼ばれれば行くよ。マリンだからね。」と語っていた。
つまり、私の周りにいる軍人でイラクにいきたくないよ〜、やだよ〜、とやってる人は一人もいないってことだ。うちの職場では自分の息子がイラクに行っていると自慢げに写真を同僚に似せて回るおやじさん達は何人かいるが、、、
ところで面白いのは、フィンクのサイトに寄せられたコメントだ。フィンクはこの映画だけでなく、ほかにもいくつか映画を紹介しているのに、700以上も寄せられたコメントはほとんどがストップロスに関するものばかり。しかもその意見はほとんどがカカシと同じ。下記はその一部。

反戦プロパガンダばかり作くるのをやめれば観客はみにいくようになるよ。スタジオの奴らにそんなことがわからいってのは本当に驚きだね。損失続きなのに同じような反戦映画を包装しなおして作り続けるハリウッドにはあきれるよ。—ジョー

ハリウッドが今製作する「戦争」映画をみたら、ジョン・ウェインは草葉の陰で泣いているだろうよ。もし彼が生きていたらハリウッドのばかどもに一発かましているところだ —ジェフ
ストップロスだって?今頃なにいってんだ?1950年代の初期の兵役は朝鮮戦争のおかげで、みんな一年以上のばされた。1952年になって多少延期が減り、自分の任期は1952年の8月16日のはずだったが、実際に除隊したのは11月のことだった。なんて情けない泣き虫どもだ。—Jpjm

このようなコメントをハリウッドの重役や監督たちはどう受け止めるのだろう。ま、多分馬の耳に念仏で、保守派のアホどもがなにをぬかすか。映画作りの複雑さを理解していない田舎者のいうことなど聞く耳持たん、てな調子だろう。彼等は典型的なバカサヨなので(久しぶりにこの言葉をつかったな)自分らは無知でバカな観客を教育してやらなければならないというナルシシストな使命に燃えている。だからいくら作る映画作る映画が不入りでも、こりもせずにプロパガンダ映画を作り続けるというわけだ。
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