November 25, 2007

悲劇的な封切り、ディパルマ監督の反米映画「リダクテド」

このあいだも反戦映画が不入りなのはなぜか?でも書いたが、アメリカで次々に公開されている対テロ戦争への批判メッセージを多分に含んだ反戦映画が全く人気がない。しかしその中でもアメリカ兵がイラク少女を強姦しその家族を惨殺するという話を描いたブライアン・ディパルマ監督の「リダクテド」には観客は全く近寄らない。ニューヨークポストによれば、封切りの週末の売り上げ成績はなんとたったの$25,628、全国でこの映画を見た人はたった3000人という計算になる。 これは興行上まれにみる大惨事となった。プロデューサーのマーク・キューバンはディパルマに経費だけで売り下げたいと提案したが、周到なディパルマは断った。

映画評論家のマイケル・メッドビッドは「私が見たなかで最悪の映画」と批判。...「Aリストの映画監督、大規模な宣伝、タイムス、ニューヨーカー、左よりのサローンのようなサイトなどでの高い評価にもかかわらずです。もっと少ない劇場で公開されたジョー・ストラマーのパンクロックバンド、クラッシュのドキュメンタリーの三周目より少ない客入りです。」とある映画関係者はメールで語った。「映画の反戦テーマに賛成してるひとたちですら観にいく努力をしなかったということになります。」

反戦だからといって反米とは限らないと私は何度も強調しているのに、まだ映画関係者は分からないらしい。

私が心配するのは、アメリカ国内でこのような映画がいくら不人気でも、これが諸外国で公開された場合の悪影響である。特に言論の自由のないイスラム諸国では、真実でない背信映画を国が政策を許可するはずがないと考える。だからこのような映画がアメリカ人の手でつくられたということは真実に違いないと勘違いしてしまう可能性が高い。それでなくてもアメリカへ嫌悪の意識が高いこれらの国へ、アメリカ人自らの手で反米プロパガンダをつくることの愚かさ。これでテロリストへの志願者が増え、アメリカ人が一人でも多く殺されたら、彼等の血はマーク・キューバンとブライアン・ディパルマの手に塗られていると自覚してもらいたいものだ。


November 25, 2007, 現時間 10:41 AM

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» 学習力ないハリウッド、「ストップロス」反戦映画がまたも不入り from In the Strawberry Field
観てない映画の批評をするのも何だが、映画館で予告編を見ただけで十分にどういう映画かという予想はついたので観にいっていないし、観る気もない。と考えたのはどうやらカカシひとりではなかったようである。 ニッキー・フィンクの週末客入り情報サイトによると、キンペリー・ピアス監督の反イラク映画、ストップロスの売り上げはかなり悪いようだ。 金曜日7番で始まったストップロスの売り上げは8番に下がり、金曜と土曜の売り上げをあわせてもたったの170万ドル。これまでの合計はわずか460万ドルという情けなさ。この映画はMT... [Read More]

トラックバック日付け March 30, 2008 3:49 PM

コメント

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下記投稿者名: アレン

最後のほうはまさしくその通りです。私はこれらの反戦プロパガンダ(プロパ画?)のそれぞれの監督たちがイスラム教徒への影響をはかりながら制作してみたほどシニカルじゃないんですけどね。。。

とにかくこれらのプロパガンダはアメリカ人を対象に絶対に制作されていないでしょう。ハリウッドときたら報道陣と同じく自分をアメリカ人ではなく、えらい世界人だと思っているだろうとしか思えませんよね。アメリカに関する低い海外の世論という波に乗ればアメリカでの売り上げがすごく悪くてもその穴を埋めることができ、こんなプロパガンダを世界中撒き散らす余裕がありそうですね。

ま、おまけに海外の大衆向けの映画をたまに作り出してやらないと不公平ではありませんか?

上記投稿者名: アレン Author Profile Page 日付 November 29, 2007 7:08 AM

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