謎につつまれる聖火エベレスト登頂

昨日のエントリーで紹介したぼやきくっくりさんのエントリーでも、中国登山チームによる聖火登頂の秘密めいたやり方にはいくつかの疑問が残るというご指摘があった。登山チームの全員が無事生還したのだろうかというのもその一つだ。

…気がかりなことがあります。「全員」が無事にチョモランマ(エベレスト)山頂にたどり着いたのでしょうか?
…チョモランマでは通常の登山でも毎年死者が出ており、(アルピニスト・野口健)さん自身、昨年登頂した際に仲間を一人亡くされているそうです。
 日頃から訓練している登山家であっても死と隣り合わせの危険が伴うのに、聖火ランナーたちは日にちが厳命されているから、悪天候の中でも決行せざるを得ない。そういう厳しい条件下での登頂となったわけです。
 1960年代にチベット側からのチョモランマ初登頂を達成したのは中国隊でした。実はこの時、死者が出たのではないかと登山関係者の間で言われているそうです。公式記録には全く載っていないが、「初登頂記録」を輝かしいものにするために公にしなかったのではないかと、野口さんは言います。
 今回の聖火リレーで死者が出れば大変な騒ぎになります。…入山禁止の理由を中国側は「チベット側から入山したチベット人がネパール側に出てそのまま亡命することを防ぐ」としましたが、本当の理由は、聖火隊が遭難した場合に隠すためであろうと、野口さんは見ています。
 近くに別の登山隊がいれば、万一死者が出たらばれてしまう。そうなれば当然、世界中から非難を浴びることになるからです。

全員生還したのかという疑問もそうだが、その前にそもそも本当に登頂できていたのかさえかなり疑わしいと、カカシとは数年来のネット仲間、ハミッシュ・エディさんが指摘している。

聖火をエベレスト山頂に灯すというたいそう派手なイベントもその派手さのわりには、ずいぶんと分かりにくい。
登山隊は本当にエベレスト山頂に到達したのだろうか?
というそもそものところから失礼ながらも疑問を抱く人が少なからずおりまして…。国際的な宣揚という意味では、この聖火のエベレスト登頂はそれほどうまく目的を達成することができなかったのではなかろうかなどと心配になるわけです。

エディが紹介している4月30日ヘラルド・トリビューンの記事によると(翻訳はエディ):

中国国営テレビは、ベース・キャンプから世界最高峰のエベレスト登頂までの聖火リレーを生放送するという、技術的に極めて難しい初の番組を組む準備に取り掛かり始めた。同テレビによると、登山隊は出発地点から8,300メートル(27,390フィート)上を目指し、頂点の8,850メートル(29,035 フィート)を登頂するための準備を終えたという。

しかしながら、31人で構成されているという登山隊がエベレスト頂点のどこで聖火を灯すのか。登山隊はどこにいるのか。そして、いつ頂上に到達するのかなどについての情報がまったくもたらされてこない。北京デイリーのウェブサイトは、この情報の欠如を「ベース・キャンプを覆う不可思議なヴェール」とたとえた。
…新華通信はベース・キャンプにいる天気予報士のYang Xingguo氏が水曜日の遅くに、強い吹雪のため3日は登山できそうにないと語っていたことを紹介している。

中国側はオリンピック100日前を記念して連休中に登頂を達成させたかったようだが、結局達成のニュースがあったのは8日になってからだった。

【北京=竹内誠一郎】北京五輪の聖火を携えた中国の登山隊は8日午前9時(日本時間10時)過ぎ、世界最高峰チョモランマ(英名エベレスト、8848メートル)の登頂に成功、チベット族女性隊員の手で、頂上で聖火が掲げられた。
国営中央テレビが登山隊に同行し、実況生中継で伝えた。

中国チーム以外に目撃者が居ない以上、生中継とかいってもどこから映しているかなんてはっきり言ってわからない訳だし、かなり怪しいものだ。
私は二年連続してエベレスト登山のドキュメンタリーを観たが、サミットへの挑戦は並大抵のものではない。一歩一歩歩くだけでマラソンを完走したかのような疲労を感じるという。標高が高いため空気は薄く、酸素ボンベなくしてはたいていの人は歩けない。頂上で居られるのはほんの数分で、それ以上長居をすると脳に異常をきたすそうだ。だからこんな場所で聖火妨害なんてとてもとても出来るものではない。亡命をするにしてもわざわざ危険なエベレストなど登らずとも他に方法があるはずだ。
中国側のいい分は単なる言い訳に過ぎないことは明白。いったい中国は何を隠しているのだろうか?


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いつからレバノン政府にアメリカの後押しが付いたわけ?

レバノンにおいて反政府側のシーア派と政府側のスンニ派との宗派間争いが続いている話は先日もした通りだが、それに関するアソシエートプレス(AP)の記事を読んでいて不思議な表現に気がついた。

イランに支持されたヒズボラとその仲間がベイルート政府のイスラム居住区を占拠し、その武力の強さを見せ、合衆国に支持された政府側と戦った。レバノンの1975-1990に起きた内乱以来最悪の事態となった。

ヒズボラはイランの工作員であり、イランから資金、人員、訓練を受けたイランの先鋭部隊である。しかしレバノン政府は民主的な選挙によって選ばれた正規の政府であり、アメリカとは無関係だ。レバノンの選挙にアメリカはなんら関与していない。
アメリカがレバノン政府を支持するとしたら、それは単にレバノン政府が正規な政府であると認めるということに過ぎず、それならフランスやイギリスも同じように現政府を独立国の正規政府として認めているのとなんら変わりはない。それなのに何故APは、あたかもレバノンがアメリカの統治下にあるかのような書き方をするのか。
その理由はレバノンのおける紛争はイラン対アメリカの代替え戦争だという印象を読者にもたせたいからだろう。イラクではイランの手先のモクタダ・アル・サドル率いるマフディ軍がイラク・アメリカ連合軍によってこてんぱんにされているので、無関係なレバノン紛争を持ち出してきて、イラクが収まってもレバノンではアメリカが押され気味だと言いたいのだろう。
そこまでしてアメリカの通信社がアメリカをこき下ろしたいというのも不思議でしょうがない。


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聖火エベレスト登頂の「オリンピック精神」

私の英語版のブログBiglizards.net/blogのほうで、いかに中共の留学生が長野や韓国で暴挙を働いたかということを紹介したが、その際に今回の聖火エベレスト登頂について冒頭に書いたところ、親中共のコメンターから、どこからも妨害されずに聖火が登頂できて良かったというコメントがあった。

OK…カカシ、君もミスター苺も反中国側を支持してることは知ってる。だからエベレスト山に関することだけコメントさせてもらう。

個人的に反中国(「親チベット」)の暴徒がオリンピック「精神」に対してやったことをみてきた後で(特に英国やヨーロッパの各地で)オリンピック聖火が邪魔されずにエベレスト頂上まで上るのを見られたのは気持ちよかったよ。

あ、そう。エベレスト登山のために大金かけて何週間も地元で訓練積んで、いざサミットへと挑もうとする登山家を9日間も足止めしておいて、「聖火が邪魔されず」に良かっただって?「チベット解放」という旗を持っていたアメリカ登山家がネバールから追放されたそうだが、中国国外での言論の自由まで圧力かけて阻止しておいて、何がオリンピック精神だ!
このコメンターは以前にもオリンピック聖火を政治に利用するなとチベット支持者達を批判していた。だが聖火を政治に利用しているのはいったい誰なのだとこっちが聞きたい。
ぼやきくっくりさんが紹介している登山家の野口健さんによるとエベレスト登山の現地の様子はこんな感じだ。

自然現象よりも人間社会のほうがよほど怖く、またたちが悪い。なにしろエベレスト街道には中国から私服に化けた公安、または情報機関などのいわゆる工作員ら約50人が潜んでいるとのこと。そしてベースキャンプにも中国大使館員と思われる人物がテントを張り監視活動を行っていた。メラピーク登山最中にもダークグリーンに塗られた軍用機がエベレスト上空を何度も旋回しているのを目撃した。

 やれ5月10日まで上部キャンプに上がってはならないだとか、信じられない事に登山隊付きの医師までもが「ベースキャンプから退却せよ」とのお達しがネパール観光省からあったとのこと。そして山頂を目指していたアメリカ人登山家が「フリーチベット」(チベット解放)と書かれた旗を持っていただけなのにエベレストから追放されてしまったとか。なにゆえに中国は越境までしてネパールにそこまで圧力をかける必要があるのか。そこまでしてなにを隠したいのか。中国はチベット問題を「内政干渉」と表現されるが、ネパールで行っている行為はどのように説明されるのだろうか。内政干渉どころかネパールを完全に支配下におき属国扱いしているではないか。
 「言論の自由」が一切許されない、まるで戦時中の日本の憲兵による、またはナチのゲシュタボのような異常な監視体制化下の中で山頂を目指さなければならない全ての登山隊がまことに不憫でならない。聖火リレーを走った日本人選手の中に「スポーツと政治は別ですから」とのコメントがあったそうな。いかにも綺麗な「正論」でしょう。しかし、もしチベットでの悲劇を目の当たりにしたら、その「正論」が通用しない世界があることを知るに違いない。なにしろ「ヒマラヤ登山」という「スポーツ」が中国の政治によって弾圧されているのだから。(強調はカカシ)

中国国内で自国民を弾圧するのは中国の自由かもしれない。100歩譲ってチベットが中国の一部だという理屈が通って、チベット独立の言論が中国国内で許されないとしてもそれを我々がどうこういうのは内政干渉かもしれない。
だが、今回の聖火リレーで中国の見せた態度はどうだ?中国は世界のどこでも反中共の批判は断固許さない。中国から聖火防衛隊のような暴力団を送り込むか、出なければ地元の中国人暴徒を勧誘して外国で暴れさせ、中国への批判は世界中どこであろうと暴力で対処すると全世界に知らしめたのである。これはまだ度合いは違うとはいえイスラム過激派テロリストのやることと何の変わりもないではないか。
ところで12人の中国登山チームの8人までもがチベット人だったという。多分エベレストでガイドをやっている経験豊かな地元の人間を中国人として起用したのだろう。彼らも中国のプロパガンダに利用されてさぞかし悔しかったことだろう。
こんな国でオリンピック協会はオリンピックをやることを許可したのだ。そんな大失態を犯しておいて、今更政治とオリンピックは別だなんてきれいごとはいってられない。


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二つに一つじゃないんだけど、、、インテリジェントデザイン対無神論

アップデートあり:下記参照
先日ベン・スタインという俳優で保守派政治評論家が監督した、マイケル・ムーア風の進化論批判ドキュメンタリー、Expelled: No Intelligence Allowedという映画を見た。実はこの映画に関する評論はしようかどうかちょっと迷っていたのだが、本日、偶然にも左翼フェミニストの小山エミさんが無神論者について書いていたのを読んで、関連のある話題なのでちょっとお話することにしよう。
先ずはベン・スタインのExpelled…の映画評論をする前に、アメリカにおける進化論に関する問題について説明しておく必要がある。アメリカはユダヤ・キリスト教の信者が非常に多い。以前からアメリカは非常に宗教心の強い国だと書いているが未だに旧約聖書の「創造説」を文字通り信じている人が少数とはいえ結構な数居るのである。そういう人たちは進化論を受け入れることは神への信仰を捨てることにつながると誤解している。
困ったことに無神論者で科学作家のリチャード・ドーキンスなどが、進化論に代表されるように科学と信仰は相容れないと断言してしまっていることから、本来ならば対立する理由のない進化論受け入れ側と創造説側の二つのグループが不必要な争いを行う結果となっている。
しかし創造説側は最近、といっても20年くらい前だが、科学説である進化論に打ち勝つためには、旧約聖書を持ち出してきてもそれは宗教だと片付けられてしまい、説得力がないことに気がついた。そこで彼らは創造説に科学的根拠があることを説明するために新たに「インテリジェントデザイン(ID)」という説を紹介した。
これは自然哲学で神の存在を証明する論理としてウィリアム・ペイリーの「盲目の時計職人」という説をもとにしている。複雑な構成を持つ時計が荒野に落ちていたら、それを作った時計職人がどこかに存在するように、他の複雑な実態も意図的に作った誰かが存在するはずだという理論である。地上に存在する生物、特に人間は、あまりにも複雑すぎる生体であり、誰かの意図的な設計なくしては説明できないというわけだ。無論この理論にはかなり穴があいているが、ベン・スタインの映画はこの理論を元にしている。
Expelled…はマイケル・ムーアも真っ青になるほど不公平で理不尽な構成になっている。先ず映画は冒頭のテーマソングでベルリンの壁を映し、東側の共産主義が進化論側で西側の自由主義がID側であると象徴。
スタインは進化論説者をダーウィニストと呼び、あたかも進化論がダーウィンという教祖によって創設されたカルトか何かのような表現をしている。しかも進化論を受け入れたら単に無神論者になるだけでなく、ユージェニクスを推進したナチスや共産主義者になるとさえ示唆しているのである。
これほど根拠もなく相手側を侮辱するやり方もないだろう。私は保守派評論家としてスタインのことはこれまで尊敬していたが、今回の映画を見てその卑怯なやり方に非常に失望した。根拠も示さずに感情のみに訴えるなら、左翼やリベラルと何の変わりもない。スタインはムーアより頭がいいだけ質が悪い。
スタインのやり方が卑怯な例のひとつとして、スタインはドーキンスのような進化論説者のなかでも過激な無神論科学者だけを集めてきて、「神など存在しない」と何度も繰り返させる。スタインは敬虔なクリスチャンであり克つ進化論を受け入れている遺伝子学の第一人者であるフランシス・コリンズのような科学者がいるにも関わらず、そういう人を一人も紹介しない。
映画の中でも進化論と宗教は矛盾しないと唱える人を紹介しておきながら、その人たちがどういう説を持ってして矛盾でないことを説明しているのかを紹介せず、あたかも彼らが信仰者をだまして進化論を受け入れさせようとしているかのようなコメントを入れている。皮肉なことにその一番の手助けをしているのが、進化論を信じる者は無神論者であると言っているドーキンスなのである。
はっきり言ってドーキンスのような無神論者とスタインのようなID論者は一つの硬貨の二つの顔だと言っていい。
科学を信じたら神を信じられないなど一体誰が決めたのだ?種の進化という真実を学ぶことによって神の力を信じられなくなるなどと本気で信じるなら、スタインこそ神への信仰に自信がない無神論者なのではないか?彼の信仰とはそんなにも軟弱なものなのか?
私は神の存在を信じる。科学を学べば学ぶほどその神秘さに驚嘆しない科学者はいないだろう。これこそ偉大なる神の創造であると信じることに何の無理があるというのだ?種族の進化こそ神の設計であると考えれば進化論と創造説に矛盾はない。何故ここに無意味な矛盾を見いだす必要があるのだろうか。これこそ信仰者を科学的に無知にしておきたい無心論者の陰謀を感じるのは私だけだろうか?
ところで、小山エミが無神論者たちが、無神論という宗教の信者になってしまっているのではないかと書いているがそれはかなり的を射ていると思う。

無神論者たちのふるまいは、信仰者のそれと何ら変わらないのではないかーーすなわち無神論者たちは、無神論という新しい宗教の信者であり、その他の宗教の信者と本質的に何ら変わらないのではないかーーという問いかけは、多くの人が直感的に感じるものだ。…

…ユートピア思想と選民思想(自分たちこそ最も優れた人間であるという思い込み)は、わたしが参加しているグループにおいても頻繁に感じた。かれらから見れば、宗教を信仰している人はそれだけでかれらより非理性的であり、冷笑するしかない対象なのだ。このままいくと、迷える子羊=信仰者を救うために無神論の布教活動でもはじめかねない。

進化論専門の科学者のなかに無神論者が多いことは確かだが、無神論を唱えるひとが必ずしも科学的な考えに基づいて無神になったというわけではない。進化論進化論と大騒ぎして創造説を馬鹿にする人々の間でも進化論が科学的に証明されているという事実だけを鵜呑みにしてその科学的な学説を何も理解せずにまるで信仰のように受け入れている人々がどれほどいることだろう。つまり、進化論そのものが信仰となっている人々が無神論を唱える人々のなかに少なからずいるのだということも念頭に置いておく必要がある。
科学は真実を求めるものにとってすばらしいものである。だが科学は中立だ。科学は道徳的判断を下さない。それを見誤ると無神論者も創造説者も同じ間違いを犯すのである。
神を信じるか信じないか、進化論では二つに一つの答えは見いだせないのだ。
アップデート: 本文中に引用した小山エミさんがこのエントリーへの返答をこちらでしている。それに対する私の返答はこのエントリーのコメント欄でさせてもらった。


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レバノンでも、シーア対スンニの宗派間争い

シーア対スンニの宗派間争いといえば、イラクかと思うとそうではない。シリア系のシーア派ヒズボラがレバノンで地元スンニ派と熾烈な戦いを繰り広げている。
木曜日ベイルート市街地でシーアヒズボラはスンニ派レバノン政府軍によるシーア派武装解除に抵抗してロケット弾やマシンガンを使って応戦した。この戦いで4人が死亡、8人が負傷した。
スンニのリーダーであるサアード・ハリリはヒズボラの頭であるハサーン・ナスララに戦闘員を撤退させ「レバノンを地獄から救うよう」に呼びかけている。
今回の暴動のきっかけは、政府がヒズボラの取り締まりを強化すると発表し、その第一段階としてヒズボラ同士の交信ネットワークを違法と断定、ヒズボラとつながりがあるとされたベイルート空港の警備部長を交替させたことにある。
ナスララは全国放映のテレビ演説でヒズボラの交信ネットワークが2006年夏のイスラエルとの戦争の際に多いに役立ったとし、「対イスラエル・アメリカ抵抗運動への挑戦」だとして次のように宣言した。

「我々を逮捕しようとするものは我々が逮捕する。」「我々を撃つものは我々が撃つ、我々に上げられた腕は我々が切り落とす」

まったくいつもながらイスラム教過激派の言うことは勇ましい。やることはいつもお決まりの野蛮なテロ行為だが。
パレスチナでもイラクでもそうだが、中東で暴力沙汰が起きるたびに、常にイスラエルやアメリカが原因であるかのようにイスラム過激派は責任転嫁をするが、結局彼らのシーア対スンニという宗派争いに外部からの手助けなど必要ないのだ。彼らのぶつかるところ常に戦ありである。平和な宗教が聴いて呆れる。
とはいうものの、レバノンにおける宗派間争いにはシーア対スンニの勢力争いであることに違いはないが、その背後にはイランとサウジアラビアがいることも無視できない。
ヒズボラはシリア系のテロリストだが、その裏にイランがいることは周知の事実。イラクでサドルを使って宗派間争いを激化させようと色々工作をしているイランはレバノンでも同じようなことをやっているわけだ。
スンニ派のリーダーは近隣のスンニ派諸国に援助を訴えかけているが、サウジやエジプトは口は達者だが政府が直接介入することは先ずあり得ないだろう。ただしレバノンがシーア派国になるのはサウジやエジプトにとっても好ましいことではないので、対スンニテロ行為の資金援助くらいはしてくれるかもしれないが。
ヒズボラはいまのところベイルート空港を占拠しているが、レバノン政府軍は本格的な攻撃は始めていない。


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エリート意識まるだし、ミッシェル・オバマの悲観的なアメリカ像

ジェラマイアー・ライトもさることながら、民主党大統領候補のバラク・オバマのミッシェル夫人の毒舌はかなりなもんである。
先日からロサンゼルスのラジオDJ、ヒュー・ヒューイットの番組でミッシェル夫人が先週から行っている選挙演説の抜粋を放送しているが、聴いていて信じられないような内容である。
先ずミッシェル夫人はオバマの民主党大統領候補指名が決定していない理由は常に周りの人間によって、目標の高飛びの棒が不当に上げられているからだと文句を言ったのにこじつけて、アメリカ庶民の生活も常に目標の棒が不当に上げられて人々は、どれだけ苦労しても目標に届くことが出来ないのだと語った。オバマ夫婦には庶民の苦労がよくわかる。何故なら自分たちも苦労している庶民だからだと言う訳だ。
ミッシェル夫人は自分たち夫婦が苦労人であることを強調したいらしい。
この間からバラク・オバマがペンシルベニアの有権者を卑屈になっているといって馬鹿にして以来、ライバルのヒラリー・クリントンがオバマをエリート意識に凝り固まり庶民の気持ちが理解できない人間だと言い続けているので、なんとかしてオバマ夫婦はこのイメージ打開をしようと必死なのである。エリート意識まるだしのヒラリーにエリート扱いされるんじゃオバマもおしまいだ。
バラク・オバマはケニアで白人のアメリカ女性とケニア男性の間に生まれた。両親はすぐ離婚し6歳まではハワイで育つ。その後母親の再婚相手のジャカルタの実家で4年間暮らす。その後はハワイへ戻って一流大学のコロンビア大学卒業後、これもまた一流のハーバード法律学校へ進み、弁護士となった。コミュニティーオーガナイザーとかいう訳の分からない仕事を数年した後、地方議員になり上院議員になりと、とんとん拍子で出世してきた人間である。
これがミッシェル夫人になると、もうエリートコースまっしぐらである。
ミッシェル・オバマ、1964年1月17日、イリノイ州シカゴ生まれ。 プリンストン大学を卒業後、ハーバード法律学校へ進み、シドニーオースティン法律事務所に勤務。年収楽に40〜50万ドルは稼いでいるエリート弁護士だ。
オバマ夫婦は二人の年収を会わせたら、楽に百万ドルは行くだろう。こんな金持ち夫婦の苦労とはいったいどんなものなのか、ミッシェル夫人の話を聴いていると思わず笑ってしまう。
ミッシェルは大学卒業後学生時代に借りたローンの返済額が月々の住宅ローン支払いよりも高かったと愚痴る。大学卒業した人間が借金だらけになる世の中は良くないと言いたいらしい。だが、一般家庭の人間はそんな借金してまで学費の高い名門校へなど行ったりはしない。何故ならそんなことをして卒業しても返せる当てがないからだ。ミッシェルがそこまでするからには返せる当てがあったということだ。それに普通の若い夫婦は大学卒業してすぐに百万ドルの住宅を購入するような余裕もない。
ミスター苺は学力ではプリンストンに受かったが、学費が高すぎてとうてい行かれなかったので、州立の大学へ行った。ミッシェルが借金したくなかったなら、無理して私立の名門校へなど行かず学費の安い州立のシカゴ大学へ行けばよかっただけの話。プリンストン大学へ行った人間が学生ローン返済に苦労したなんて、一般人にはばかばかしくて聴いてられない愚痴だ。エリート意識に凝り固まっているからこそ言える戯れ言である。
またミッシェルはバラク・オバマの母親の苦労話をする際に、彼女がカンザスの田舎町に生まれたにも関わらず大きな夢を持っていた、と語った。おいおい、カンザスの田舎町で生まれたら夢をもっちゃいけないのかよ、それってカンザスを馬鹿にしてないかえ?
ミッシェルは都会生まれなので常に地方の人間を馬鹿にする傾向があるが、こういうところにミッシェルのエリート意識が顔をのぞかせるのだ。この間のオバマのペンシルベニア州民への侮辱といい、今回のカンザス州民を田舎者扱いする態度といい、エリート意識まるだしだ。
しかもミッシェルはバラク・オバマが子供のころケニアやジャカルタといった第三世界に住んでいたことや、大学卒業後シカゴの貧民窟で住民救済活動をしていたことなどをあげて、バラクは「なにもかも見てきた」と自慢した。
ちょっとちょっと、ミッシェルさん、海軍の戦闘パイロットに志願して行かなくてもいい危険な任務に出かけていって北ベトナムの捕虜になり4年も捕虜生活をして拷問を受けたのに仲間を売り渡さずに帰ってきた人よりも、バラク・オバマは苦労人で何もかも見てきたって言うんですかえ?
ところでミッシェルはこの演説のなかで面白いことを言った
労働階級の庶民はどれだけがんばっても中々成功しない、自分も本来なら成功できない立場にあった。という文脈でミッシェルは自分は学校の成績は良くなく、全国の学力テストでも低い点数を取ったという。だから本来ならばプリンストンへも行かれないはずだったというのだ。ハーバードへも進めないはずだったと。
おかしいなあ。どうして点数が足りない人間が名門校に入れたのだろうか?もしかしてミッシェル・オバマは黒人優遇制度のアファーマティブアクションに救われたのでは?
そういえば、ミッシェルは学生時代にどうも自分が教授や同級生たちからよそ者扱いされてるように感じたと書いていた。自分はここに属しないという実感があったと。私はこれは彼女の被害妄想だと考えていたが、もし彼女が学力が足りないのにAA制度のおかげで身分不相応な大学へ進んだとすれば、周りから白い目で見られたとしても不思議はない。彼女が自分はこの大学に属しないと感じたのは実際彼女が属しなかったからなのではないだろうか。
ミッシェルが卑屈なのはアファーマティブアクションで不当に優遇されなければ成功できなかったという後ろめたさがあるからなのかもしれない。


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イラク軍シーア派民兵との戦い、壊滅状態のマフディ軍

The English version of this entry can be read at Biglizards.net/blog
3月25日、イラクのノーリ・アルマリキ首相はバスラのサドル派民兵に向かって驚くべき抜き打ち攻撃をおこなった。そのあまりの抜き打ちさにマリキ首相は攻撃が始まって二日後になるまでアメリカ軍にシーア派退治を始めたことを知らせるのを忘れていたほどだ。
アメリカ軍はあわててイラク軍に追いつくべく近距離空援助や必要な後方援助を送り込んだ。当初はバスラの戦いはかなり危なっかしい状態に見えた。ケツの青いイラク軍の一隊など敵に圧倒されて退散するという一幕もあったが、マリキ首相は即座に援軍をおくりこんで開いた穴を塞いだ。バグダッドのスラム街であるサドル市で別の前線が展開されたが、そこではアメリカ軍が先導してマフディ民兵らに立ち向かい大勝利を得た。
熾烈な戦いが繰り広げられたが、イラク軍の指揮のもと、最終的にはアメリカ民主党がイラクが独立国として成立するに必要不可欠として挙げていた条件が満たされる結果となった。モクタダ・アル・サドル率いるシーア民兵に断固立ち向かうことによってシーア多数派はシーアだけでなくイラク全土を統治する資格があることを証明したのである。民兵軍をサドルが率いるとはいっても、サドルがイランに逃げ隠れしてからすでに一年近くなる。実際にサドルがどれだけマフディ軍に影響力をもっているのかかなり疑問だ。
一ヶ月以上になる戦いだが、マリキが賭けに勝ったことはかなり明らかになってきた。

  • サドル派はバスラをはじめ他の市や地区で完全に撤退状態で、サドル市では壊滅状態にある。
  • サドル派への攻撃によってマリキ首相をついに信用することにしたスンニ派のタリーク・アルハシーミ副大統領がスンニ派政党に政権に戻るように呼びかけた。
  • サドル自身は完全にその不能さをみせ、イラク政府に対して全面戦争の脅しをかけておきながら、マリキの騎士の突撃作戦の勢いが全く弱まらないのに腰を抜かして数日後には再び停戦を嘆願するという弱さをみせている。
  • マリキ首相は引き続き攻撃をすすめており、今や後片付けの段階にはいっている。イラク軍は兵站(へいたん)と近距離空軍の援助さえあれば独自に軍事作戦が行えるということを証明した。そして全党参加の政権統一も含め、アメリカの民主党がイラク政府に要求していたすべの条件が整いつつある。

その詳細を吟味してみよう。


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韓国人もびっくり、聖火リレーで見せた中国人の野蛮ぶり

先日聖火リレーが長野を発って韓国のソウルで行われたという新聞記事を読んだが、そこでも中国留学生が一万人あまり現れて中国国旗を振りまくって脱北者やチベット支持者と小競り合いがあったと書かれていた。浜村淳さんのラジオ番組では、中国人に平和的にデモをしていた韓国人や外国人が殴る蹴るの乱暴をうけるケースもあったときいたが、太田述正さん紹介の朝鮮日報の記事では在韓中国人の理不尽な行動に韓国の世論が反中国へと急変したと書かれている。

韓国の対中世論の劇的な変化

・・・北京五輪の聖火リレーが行われた27日、五星紅旗(中国国旗)がソウルの都心部を覆うと、市民の間で「どこからあれほど多くの中国の青年が現れたのか」と いう驚きの声が上がった。ソウル市民は中国の青年たちによる行動を「愛国心」と理解した。しかし、翌朝には彼らを見る視線は冷淡なものに変わっていた。

・・・世論が急変したきっかけとなったのは、ソウル市中区のプラザホテルで起きた無差別暴行をとらえた動画だった。動画には中国人とみられる100人余りがホテルのロビーに押し寄せ、チベット支援団体のメンバー数人を壁側に追いやり、国旗のポールや手足で暴行を加える場面が映っていた。止めようとした制服姿の義務警察(兵役中の男性が行う警察業務)が殴られもした。中国人らは「殺せ」「謝れ」などと叫んだ。・・・ある大学教授は「外国で自国の聖火を迎える立場ならば、五星紅旗だけでなく、太極旗(韓国国旗)やオリンピック旗も持参するのが常識的な行動だ。五星紅旗だけを持参し、暴力行為まで見られた今回の事態は、民主主義を経験していない中国人が異なる意見を受け入れられないことも原因ではないか」と話した。

中国国内で反政府意見を弾圧するという行為だけでも問題なのに、外国でまで自国民のボランティアを募って反中国意見を暴力で弾圧しようというのだから中国という国は本当にしょうがない。それにしても中国がオリンピック開催国として国際社会の一員であることを証明したかったのであれば、これほど裏目に出る行為はないだろう。
独裁国家ではよくあることなのだが彼らは自分らの力を過大評価してやり過ぎる傾向がある。独裁社会の性質として支配階級は反対意見を受け入れないから建設的な助言を支配者にする政治家も存在しない。もし外交のプロが中国の政治家のなかに存在していれば、諸外国でチベットシンパの暴力的なデモが起きているなら、諸外国の警備体制にその対応を任せ中国はあくまでも被害者を気取るべきであることに気がついていたはずだ。そうすれば「こういう過激派が中国の治安を乱すので中国もその鎮圧に苦労してるんですよ。」と諸外国に訴えることができたからだ。
ところが中共はチベット人に扮した中国人に騒動をおこさせたところまでは良かったのだが、外国へ聖火警備隊を送り込んで平和的に抗議をしている地元民に暴力をふるったり、警備隊を受け入れない国では在外の中国人を募って暴力行為をさせたりと、やり過ぎな行為が仇となってかえって諸外国の反感を買うこととなってしまった。
こういうところに中国の外交の未熟さが歴然と現れてしまったのである。中国はオリンピック開催国として交際社会の一員であることを証明するどころか、一連の事件を巡って、いかに中国が国際社会進出にはまだまだほど遠いかということを証明するに至った。
しかし問題なのは、日本を初めアメリカでも格安の品物はほとんどが中国製。中国製品をボイコットしようにもあまりにも多すぎてとてもボイコットは無理。せいぜい食料品くらいは中国製品を避けているが、ズボンのベルトから石けんの受け皿や電気のコードに至まで中国製品に頼らなければ生きていけないこの情けなさ。我々消費者は安価に惑わされて中国の人権迫害に長年目をつむってきた。しかしここ最近日本からの中国野菜輸入はなんと40%も減ったという。これは政治家が出来ないことを消費者自らがボイコットという形でおこなったすばらしい例だろう。
韓国でも北朝鮮からの避難民のことなどもふまえて、決して中国が韓国の友人などではないことに気がつくべきだ。中国と一緒になって日本を責めているより、韓国と日本は協力しあって中共や北朝鮮の独裁政権と立ち向かうべきなのである。今年のオリンピックが全世界に中国の野蛮ぶりを見せる機会となるのであれば、なまじオリンピックも悪くないかもしれない。


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地元民の神経を逆撫でした中国愛国者たちのオリンピック熱

日本での聖火リレーの模様を朝日新聞で読んでいたら、在日中国人留学生たちが中国政府からあてがわれたそろいのジャージーを着て中国国旗持参で聖火ランナーを取り囲み、リレーも式典も地元日本人には全く見えなかった書かれている。
確かに中国は開催国だが、聖火は中国の所有物ではない。諸外国での聖火リレーでリレーに関われるのが中国人だけなら、外国で走る意味がないではないか。だったら聖火リレーなんか中国国内だけでやればよかったのだ。
しかし、中国政府はこれで宣伝効果を得たと考えているかもしれないが、日本在住の中国人たちはちょっと自分らの立場を軽々しく考えすぎていないだろうか?私が在日中国人ならかなりのバックラッシュを心配するところだ。
2〜3年前だが、アメリカで移民法改正案が提案されたとき、カリフォルニア在住の違法移民が何万とロサンゼルスのダウンタウンに繰り出しメキシコの旗を掲げてデモ行進をしたことがある。このデモ行進の目的がアメリカの違法移民の立場を向上させることが目的だったとしたら、それは完全な逆効果だった。
地元のアメリカ市民たちは大量のメキシコ国旗を振り回しながらスペイン語で抗議をしている外国人たちを見て、彼らを野放しにすれば自国はメキシコ人に乗っ取られてしまうという脅威感を持ってしまったからである。
それでなくてもカリフォルニアの各地では英語が通じない場所が増えている。中南米のひとたちは働きものなのでアメリカ人がやりたがらない低賃金の職につく。それはそれでいいのだが、カリフォルニアのファストフードやガソリンスタンドの店員はほとんどがメキシコ人でまともな英語がはなせるひとが非常に少ない。自然と伝達に障害が生じるため元々外国人に偏見をもっている地元民からしてみれば外国人労働者は忌々しい存在なのである。その人たちがメキシコ国旗を振り回して我が物顔で町に繰り出して反感を得ない訳がない。
すでに日本では中国からの毒餃子に関する中国の不誠実な態度が非常な反感を買っている。それにあわせて在日外国人への参政権などといった理不尽な提案までだされている。そのときに中国人留学生が中国政府の命令通り大量に集まって制服を着てのデモ行進をおこなったら、日本人の在日中国人に対する感情は逆撫でされるだけである。これが在日中国人にとっても日本と中国との交流関係にもプラスにはるとはとても考えられない。
中共のやり方が気に入らなくて中国を出たひとたちまでが、オリンピックフィーバーに浮かれて安易に中国政府プロパガンダの片棒を担ぐ形になっているのは非常に嘆かわしい。中国政府は中国市民のことなどなんとも思っていない。そんな政府に利用されて自分らの外国での立場を悪くしてしまうことは愚かな行為だ。中国文化を誇りに思い中国という母国を愛することには敬意を表するが、その愛国心を中国共産党にいいように利用されていることに在日中国人たちは気がつくべきだろう。


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なぜ人権擁護審議会を単に無視できないのか?

カナダの人権擁護審議会(HRC)に訴えられているジャーナリストのエズラ・レバント(Ezra Levant)氏が、カナダのHRCに与えられている多大なる権限について説明している
日本で提案されている人権擁護法が同じような権限を持つかどうかはわからないが、国連の法律をモデルにしているならありえることだ。いつもながら、カナダの悪例を反面教師として読者の皆さんと一緒に勉強したいと思う。
HRCは普通の法廷ではないので、単純にHRCの訴えを無視して特に出頭命令や書類提出などの要請に一切応じなかった場合どうなるのか、高い金額を出して弁護士を雇ってまで弁護にあたる必要があるのかどうか、といった疑問は誰でも持つ。それに対してレバント氏は、このように説明している。
確かにHRCの苦情を無視することはできるが、だからといってHRCが無視してくれるとは限らない。いや、それどころかHRCには警察にすら与えられていない信じられないような多大なる権限が与えられているという。
例えばアルバータ市のHRCはレバント氏の職場に令状なしで立ち入り捜査及び書類押収をする権限があるという。アルバータの法律23条ではHRCにはレバントしの自宅への立ち入り捜査も許可されているのだという。

あなたが出頭しなければ、あちらからやってきます。

HRCは正式な法廷ではない。従って法廷の命令に従わなくても「法廷侮辱罪」には問われない。 しかしHRCの判決は正式な法廷に提出される。そうなるとHRCの判決を無視することは法廷を無視することと同じであり、これを繰り返すと禁固刑が言い渡されることになる。
HRCが課す罰金には二通りある。ひとつは政府に支払うものと、もうひとつは苦情を訴えた原告側に払う場合だ。レバント氏は定かではないが、こうした罰金は普通の借金などと同じように最終的には法廷命令がでるだろうから、支払いを無視しても、銀行口座が凍結されたり給料から強制的に差し引かれることになるだろう。
弁護士ぬきでHRCに出頭することは無論可能だ。日本の法廷がどうなっているのか私にはわからないのだが、カナダやアメリカには2〜3十万円くらいまでの低金額の民事訴訟を取り扱うスモールクレイムスコートという法廷がある。こういう裁判では原告も被告も弁護士抜きで当人だけで裁判官の前でお互いの陳述をし、裁判官が判決を下す。問題になっている金額そのものが低いので裁判官に仲裁を頼む形になっている。
ところがHRCはこのような法廷とは違う。先ず第一に取り扱われる金額が高額であること、HRCの委員は原告と裁判官を兼ねており、およそ中立的な立場にはないこと、彼らには限りない資源があり、疑わしきは罰せずといった原則は存在しないこと、どういった証拠が取り入れられるかといった厳格な規則がないことなどが大きな違いだ。HRCとの公聴会できちんとした議論を提示できないと後の正式な裁判での控訴で不利になる可能性もある。
日本で人権擁護法が通れば、カカシのようなブロガーが「中国聖火防衛隊のやり方は野蛮だ」といったことが、在日中国人の気に障り、中国人への人種差別だと人権擁護審議会に苦情が訴えられた場合、私の職場や自宅に審議会の役員による手入れ捜査が令状もなくおこなわれ、私は自費で弁護士を雇い仕事を休んで審議会に出頭し、それでも負けたら銀行口座は差し押さえられ給料から罰金を天引きなんてことが簡単に起きてしまうとレバント氏は警告しているのだ。
これが言論弾圧でなくてなんだろう?これこそ人権侵害でなくてなんだろう?
人権擁護法絶対反対!


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