カイル・リッテンハウスは英雄だ!

二日続けてカイル・リッテンハウスは英雄ではないというエッセーを読んだので、何故カイル・リッテンハウスは英雄なのかという話をしたい。このエッセーを書いたのはナショナル・レビューなどで記事を書いていた保守系政治評論家のデイビッド・フレンチ。フレンチは体制派保守系でネバートランパー。私は今までフレンチの書いたものに同意したことがないが、今回も例外ではない。

まずフレンチはカイルはこの裁判で無罪になる可能性は高いが、トランピスト(トランプ派)達が彼を英雄として担ぎ上げるのは間違っていると始める。裁判が検察側にとって有利に進んでいない理由は、正当防衛法は事件が起きた直前の状況だけを考慮に入れるため、どんな愚か者にでも正当防衛の権利があるとするからだと語る。

フレンチは「ビデオや証言の証拠が見せたものは、危険な場所で混乱して孤立した大人の武器を持った17歳の少年だった。」とし、カイルが男たちに追いかけまわされてペド変態男ジョセフ・ローゼンバウムを撃ったこと、スケボ男のフーバーに殴られて蹴られそうになって撃ったこと、ピストル男のグロスガーツに銃を向けられてグロスガーツの腕を撃ったことを羅列し、直接的にカイルが危険にさらされていたことも、その時点でのカイルの行動は法律上正当であったことも認めながらも、カイルの行動は道徳的に正しくなかったと結論付ける。

フレンチ自身は市民が銃を持つ権利を支持しており、自分も危険にさらされた場合には銃を使ったこともあるという。だが銃携帯とオープンに銃を持ち歩く素人自警団とでは全く話が違うという。そして自分や家族の身が危険にさらされて最後の手段として使うのと、銃を威嚇のために持ち歩くのでは雲泥の差があるというのだ。

そしてフレンチはカイルを英雄のように讃えている右翼連中たちは自分らの子どもに銃を持たせて暴動に送り出すなんてことは全体にしないはずだと言い張る。

カイル君は確かに17歳だったが子供ではない。ウイスコンシンでは16歳以上の未成年がライフルを所持し持ち歩くことは違法ではない。しかもカイル君は大人としてこの裁判にかけられている。彼の犯したとされる罪が大人の犯罪だというなら、彼が地元の町を守ろうとしたことも大人の行動だと認めるべきだ。

アメリカでは18歳から軍隊への入隊が許可されている。第二次世界大戦中は17歳の少年たちが歳を偽って軍隊に入隊するなどということがよくあった。それは何故か?国が危険にさらされていると感じた正義感強い若者が我先にと立ち上がったせいだ。

フレンチはカイル君のような愚かな若者を英雄として崇めたてれれば、これからも多くの若者が同じようなことをするだろうと言う。(メディアが犯罪者のジョージ・フロイドを聖人のように崇めてるようにか?)州が暴動を放置したことは問題だが、訓練もうけてない一般人が武装して町を繰り出したらそれこそもっと危険な状況になるという。(警察がなにもせずに暴徒が町を二日間も火の海にしていたことはいいのか?)

カイル君は治安維持に貢献したり暴動を止めることに役立たなかった、そして二人の人間が死に一人が怪我をするという結果を招き、彼自身がアクティブシューターと化したのだとフレンチは言う。(アクティブシューターとは乱射人間のこを指す。カイル君は乱射などしていない)

フレンチは自分はアメリカ憲法補正案第二条で保証されている一般市民が銃を持つ権利を支持しており、自分も自分や家族を守るために銃を携帯していると自慢しているが、銃を持ってるだけでいざという時に使えなかったら何の意味があるのだ?

ここで憲法補正案第二条をもう一度読み返してみよう。

“A well-regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.” 

「自由国家の安全のためには統率された民兵が必要であるため、人々が銃を所持し携帯する権利は侵害されてはならない」

ここでいうミリシャ(民兵)とは正規軍や警察のことではなく、ごく一般市民のことを指す。つまりアメリカ人は、いざという時には銃を取って戦う義務を課された民兵とならなければならないという意味だ。このいざという時というのは外敵がアメリカを責めて来た時だけでなく、国内でBLM/ANTFAのような暴徒が暴れて町を焼き払ったり略奪したり殺人を犯したりする時も含まれる。

カイル君のやったことは、まさにこの第二条に書かれていることをそのままなのだ。フレンチが本当に第二条を支持しているならば、そのくらいのことは理解できたはずだ。

カイル君にとってケノーシャは地元だ。父親の家もあり親戚や友達も多く住んでいる。その地元たちが暴徒たちの手で焼野原にされ略奪され地元民の危険が脅かされているときに、正義感強い17歳の青年に黙って家でテレビでも観てろというのか?フレンチは自分にはそんな勇気がないから勇気あるカイル君は愚か者だとさげすむことで自己満足してるだけじゃないか。

多くの人が無視しているが、あの晩武装して町の警備にあたったのはカイル君だけではない。多くのボランティアが銃を構えて警備にあたっていたのだ。その中にはカイル君と組んで警備をしていた元陸軍兵のバルチなどもいた。そして、そのおかげでそれまで酷い暴動が起きていたケノーシャでは、略奪も大きな火災も起きなかったのだ。

ここで1992年に起きたロサンゼルス暴動を思い出していただきたい。あの時ロサンゼルス市内では警察の姿は全く見られなかった。韓国人街の商店は暴徒らに略奪の被害にあった。そこで店の経営者や親せきや家族などが店の屋根からライフルを構えて略奪者に向かって発砲するという事態が生じた。いわゆる「屋根の上の韓国人」たちである。

何日も続いたあの暴動で銃を構えて地元を守ったのは彼らだけではない。わがミスター苺も暴動の真っただ中で自分の住んでいたアパートが脅威にさらされていた。ミスター苺と近所の人たちは自分たちの住居に続く道の入り口にバリケードを作り、ラテン系や黒人や白人のご近所さん達が一緒になって銃を持って暴徒らが道に入ってこないように防衛したのである。

時のLA市長はこれ以上暴力が拡大しないようにと銃砲や銃弾の販売を一時停止した。銃弾が足りなくなったミスター苺の元に遠方から友達が危険を顧みずに銃弾を持ってきてくれた。カイル君よりずっと遠いところに住んでた友達だ。あの時のルーフトップコリアンたちもミスター苺やご近所さんたちも、みんな英雄だ。アメリカはそういう国なのだ。そうでなければならないのだ。

カイル君は英雄だ。そしてカイル君のような若者がもっと大勢街に繰り出して自警をしてくれたら、BLMやANTIFAも手が出せなくなる。左翼暴力団たちが何故我が物顔で略奪を繰り返すのかといえば、左翼政治家たちが警察の予算を削り、ちゃんと仕事をしている警察官たちを人種差別者であるかのように扱って、警察という組織を弱体化させたからである。

警察が頼りにならなければ、地元市民が立ち上がるのは当然の話だ。すべてのアメリカ人がフレンチみたいな腰抜けばかりだったら、アメリカは本物の国内テロリストであるBLM/ANTIFAに乗っ取られてしまうのだ。それでもいいのか?

カイル・リッテンハウスは英雄だ。17歳の青年が、アメリカ人が身をもってアメリカ人があるべき姿を見せてくれたのだ。カイル君が無実となることを切に願う。


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カイル・リッテンハウスに腕を撃たれた男、法廷証言の後テレビインタビューで嘘を垂れ流す

先日、カイル・リッテンハウスの裁判でカイルに撃たれたのは自分がカイルに銃を向けた後だったと証言したゲイジ・グロスガーツ(26歳白人)は、ここ2~3日あちこちのテレビに出演し、自分はカイルの犠牲者だカイルこそが攻撃者だと嘘を触れ回っている。

メディアは最初からグロスガーツのことをパラメディック(緊急医療隊員)と表現し、あたかも彼がケノーシャに居たのは抗議で怪我人が出た場合に手当にあたるために待機していたかのように紹介していた。NBCなどは未だにグロスガーツのことをパラメディックと表現している。

ゲイジ・グロスガーツ

「カイル・リッテンハウスは『アクティブシューター』と怪我をしたパラメディック」という見出しでNBCはここでもグロスガーツはあくまでもカイル君の犠牲者だという言いかたを変えていない。

しかしグロスガーツが実際にパラメディックであったという事実ははっきりしないだけでなく、ケノーシャでの暴動の当日、彼がパラメディックとして負傷者の治療に当たっていたという事実も見つからない。例えばカイル君はライフガードで実際に当日救急箱を担いで人々の治療に当たっていたビデオがいくらもあるが、グロスガーツがそういうことをしていた映像はまるでない。

実際にグロスガーツとはどういう人間なのか。

ゲイジ・グロスガーツ26歳は、ピープルオブレボルーションムーブメント(人民革命運動)というグループのめんばーと言われている。本人は自分はメンバーではないと言っているが、同団体の集会で「革命よ永遠に!」などといって演説をしたこともあるくらいなので、メンバーではないとしても親密なつながりがあることは確かである。

また、この男にはいくつも前科がある。2010年から2020年にわたり、DVをはじめ器物破損、窃盗、傷害、酔っ払い運転などなど、酔っぱらって銃を発砲したなど、少なくとも六つの犯罪歴がある。

カイル君がライフルを持っていたのが違法だという嘘報道が横行しているが、グロスガーツこそピストルを合法に所持する許可証を持っていなかった。これだけの犯罪歴のある人間が合法に銃を所持することが可能なはずはない。このことはグロスガーツ自身が法廷で認めたことだ。

メディアはグロスガーツのことを「一人だけの生存者」などと表現し、あたかもカイル君が乱射事件を起こして何十人も殺したなかで一人だけ生き残ったかのような報道だ。しかしこの男が死ななかったのは、カイル君の射撃の腕が良かったからで、あの状況では胸や頭を撃たれてもおかしくなかったのだ。

その瞬間のスローモーションビデオ。両手を挙げたグロスガーツから一旦銃を地面に向けたカイル。だがグロスガーツがその後すぐカイルの左側に行こうとして銃をカイルに向けるのがうかがわれる。

カイル君にピストルを向けてカイル君に撃たれた瞬間のグロスガーツ

弁護側:あなたが彼(カイル)に銃を向け前進した後で、彼は発砲したのですよね?

グロスガーツ:はい

ではいったいグロスガーツは何のためにテレビに出まくって嘘を垂れ流しているのだろうか?

まずグロスガーツはケノーシャ警察が自警団と協力したために自分は負傷したとして、市を相手取って損害賠償を請求する訴訟をおこしている。カイル君が無罪になれば彼の訴訟もおじゃんになるので、グロスガーツとしてはカイル君の無罪は非常に都合が悪い。

それだけでなく、カイル君が無罪なら、グロスガーツの方がカイル君を殺そうとした攻撃者ということになり、グロスガーツ自身が殺人未遂や違法に銃を所持していた件などで起訴される可能性もあるのだ。

たとえ刑事事件での起訴は免れても、カイル君から民事訴訟を起こされる可能性がある。私がカイル君なら絶対にグロスガーツを訴える。

つまり、グロスガーツは今必死に保身の状況にある。多々の訴訟が起きる前に自分は犠牲者なのだという印象を人々の心に植え付けておこうという魂胆なのである。


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カイル・リッテンハウス裁判、発狂する左翼メディア

中立な立場からこの裁判を見てる人からしたら、カイル君が無罪なのは明白なのだが、カイル君が白人至上主義の殺人犯だと思い込んでる左翼メディアには同じ裁判を見ていても全く違う印象を受けるようだ。

常に自分と同じ意見の人の話しばかり聞いていることをエコーチェンバーに居るという表現をするが、私もそうなってはいけないと思うので、今日はこのMSNBCの記者の意見を読んでみたいと思う。(Kyle Rittenhouse’s white crocodile tears hold value in America(アメリカの価値観を示すカイル・リッテンハウスの白いウソ泣き涙)ジョハン・ジョーンズ著)

ジョーンズはカイルが昨日証言したのは弁護側の自信を示すものだとし、その自信はブルース・シュローダー裁判長が弁護側に同情的な偏見を持っているからだと主張。すでに検察側がカイルが違法自警団員だったことを証明する多々の証拠をシュローダー判事は事件には無関係であり偏見を与えるものだとして提示を不許可したことを指摘。

抗議者の一人であるジョセフ・ローゼンバウムを撃った瞬間について証言した時、リッテンハウスは鼻水をすすり、震え、顔をゆがめ、頬をふくらませるなど、新米役者が悲しみを伝えるすべての表現を使った。一生懸命涙をだそうとしながら法廷を見渡す様子が映っている。写真では一粒の涙が顔をつたっているがこれは本当に泣いているのか、泣こうとして汗が出たのかわからなかった。

これはラズィー賞にふさわしい演技だ。もっとも私はこの病的なショーの対象観客ではないが。

ジョーンズはこの裁判がほとんど白人ばかりの陪審員の前で行われていること、そして裁判長も白人であることを指摘。白人の自警団員の罪が黙認され時として奨励されたりする国ではリッテンハウスの涙は価値があると言う。ジョーンズはこの裁判は最初から白人の暴力的な青年を英雄として扱う茶番劇であり、殺人を自慢するカイルをあたかも消極的な殺人犯であったかのように描写することに成功していると語る。

全くバカバカしい限りだ。もしアメリカがジョーンズの言うような社会だったのなら、カイル君が起訴されたこと自体がおかしいではないか。本来なら逮捕すらされるべきではない行為だ。

それに保守派を英雄に仕立て上げたいアメリカにしては許可証もないのに違法に銃を携帯し、カイル君に銃を向けたゲイジ・グロスワークが何の罪にも問われていないのは何故だ?それをいうなら、当日ケノーシャで暴動を起こして放火したり略奪したり器物破損をしたANTIFA/BLMの一人も逮捕されていないことをどう説明するのだ?

しかし、ジョーンズの意見の行間を読むと、ジョーンズ自身、この裁判はカイル君に有利に進んでいると認めていることになる。ジョーンズは裁判で提示された証拠を何一つ上げずに、単に裁判官や陪審員が白人だとか、カイル君はウソ泣きをしているとか読者に偏見を与える発言をしているに過ぎない。

これで陪審員が公平ならこの裁判はすでに弁護側の勝利は間違いないのだが、まだまだ結果は解らない。

おまけ:

CNN:ズーム会議中に下半身裸で自慰をして一時謹慎処分になっていた法廷アナリストのジェフェリー・トービンは、カイルにとって馬鹿なのは犯罪じゃなくて幸運だったと発言。「どこの17歳の馬鹿が暴動中に大きな鉄砲を持って出かけていくんだ?彼は銃所持許可証ももっていなかった、訓練も受けていなかった、AR-15で落書きを消そうとでも思っていたいのか?なんという馬鹿げた行為だ。何か悪いことが起きると思わなかったのか?いや、悪いことはたくさん起きた。「カイル・リッテンハウスにとって良いニュース彼は馬鹿であることで裁判にかけられてるわけじゃないってことだ。」トービン、馬鹿はお前だよ。

MSNBC:トービンに勝るとも劣らぬ馬鹿なのがジョイ・リード。彼女はカイルの件こそがアメリカに批判的人種理論が必要な証拠だと語った。カイルは新ジョージ・ズィマーマンだとし、白人の陪審員の前で泣いて見せて同情を買おうとしたと決めつけた。そして追悼されるべきはカイルに撃たれた三人だと主張。リードはカイルの撃たれたのが9歳から11歳の子どもを強姦したペドを含めて全員前科何犯の犯罪者だったことも視聴者に知らせたのかな?そしてカイルが撃った三人が三人とも白人だったこともお忘れなく。白人至上主義者が撃つにしては人種がちがうような?


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カイル・リッテンハウス、検察側の厳しい反対尋問を生き延びる

さて、昨日の裁判後半は検察側によるカイル君への厳しい反対尋問だった。弁護士の基本として、被告に証言をさせないのが定番だ。たとえ被告が無罪だとはっきりしている場合でも、有能な検察官の巧みな話術にひっかかって、被告人が変なことを言う可能性は多いにありうるからだ。今回の裁判でも、すでに検察側の証人によりカイル君の無罪は証明されているようなものなので、このまま弁護側は無難な作戦で押し通すべきという考えが観覧席の弁護士たちの意見だった。

なので昨日、カイル君が証言台に立った時は私は非常に不安だった。最初の弁護側の質問にすらカイル君はかなり緊張気味に答えていたし、一時は感情に負けて泣いてしまったりもしたので、このまま検察側の意地の悪い尋問に耐えきれるだろうかと本当に心配だった。しかし、蓋を開けてみると、カイル君は歳と風貌に似合わずかなりタフな青年であることがわかった。

今日も弁護士のリチャード・ブランカのリポートから読んでいこう。弁護士はマーク・リチャード、検察側は服検察官ビンガー。最初にお断りしておくが、私は日本語の法律用語を良く知らないので、一応英語で書いておく。後で時間のある時に正しい邦訳を付け加えることにする。

まず最初に冒頭で検察側は違法に近い質問をして裁判官から警告を受けるという場面があった。日本でもそうだがアメリカでは黙秘権というものがある。つまり自分に都合が悪くなるような証言は弁護士の立ち合いなしにしなくても良いと言う法律だ。だから容疑者が逮捕されるときにはミランダライツといって警官は「あなたには沈黙を守る権利がある。もし何か証言すればそれがあなたに不利になるように使われる可能性がある。」とはっきり容疑者の権利を宣告しなければならないのだ。

にも拘わらず、検察側は幾度となく「あなたが自分の立場を説明するのは事件以来これがはじめてですね」と質問した。ビンガーはカイル君が逮捕されてからこれまで色々なビデオを観たり他人から話を聞いたり、この裁判での証言の数々を聞いた後で、自分の話と辻褄を合わせているのではないかと問いかけたのである。これはあたかもカイル君が逮捕されてから沈黙を守っていたことが違法であるかのように陪審員に印象付ける質問である。

これは場合によってミストライアルになる可能性のある反則である。ミストライアルとは、裁判中に規則違反が起きて、それ以上公平な裁判が不可能となった場合に裁判を打ち切りにすることだ。しかしこの場合、もう一度裁判を最初からやり直す場合と、ウイズプレジャディスと言って裁判はこれで終わり、被告は無罪放免となり同じ罪でまた罪に問われることはないという場合とがある。

弁護側は検察側の規則違反はこのミストライアルウイズプレジャディスの該当すると訴えた。

ビンガーはカイル君が事件後に雑誌のインタビューに答えていることから、彼はすでに黙秘権を棄権したと主張した。しかしこのインタビューでカイル君が事件について語ったかどうかという詳細について裁判官がビンガーを問い詰めるとビンガーは口を濁した。ブランカによると、もし検察側がこのインタビューの内容を反対尋問で使うつもりであったなら、その証拠を陪審員の居ない場所で裁判官に提出して使用許可を得るべきだったが、それをしなかったのはビンガーがいうような内容ではなかったのではないかということだ。

もうひとつ裁判官が怒った理由となったのは、ビンガーがカイルがCVSドラッグストアの前で略奪を目撃した時のビデオを使おうとしたことだ。この時カイルは車の中におり、「今ライフルをもっていたら、奴らの方にぶっぱなしてやれるのに」と仲間と話している動画だ。しかしカイルはその時銃をもっておらず、単に911(警察)に電話しただけだった。事件には無関係なので裁判官がこれを証拠として使うことは許可していなかった。

何故弁護側は普通被告に証言させないのかというと、一つ目は、たいていの被告は有罪であり、しかもそれまでにも色々犯罪を犯しているため、反対尋問でぼろが出てしまう可能性が高いことが挙げられる。二つ目はたとえ無罪だったとしても品行方正な善人でもない限り、他人から見るとおかしいと思われる過去がある、南部軍の旗がガラージにおいてあるとか。三つ目に、たとえ上記のようなことがなくても検察官が被告の証言を歪曲して次の質問に使い、陪審員にあたかも被告がおかしな発言をしたかのように印象付ける可能性がある。また、意地悪な質問をして被告が感情的になり、自分に不利な発言をしてしまう可能性がある。

だから多少弁護側に有利になるような情報が得られるとしても、被告の証言は益より害の方が大きいため、危険を犯してまでやる価値はないと思われているのだ。しかし幸いなことに、カイル君の証言では上記のようなこと危険は免れた。

まずカイル君には前科がない。また17歳の子どもにありがちな生意気な発言があったとしても、ぼろが出るようなことはしてきていない。シュローダー裁判官は陪審員に偏見を持たせるような事件と関係のない証拠は認めなかったため、1と2はクリアできた。しかし三番目の検察官による歪曲や煽りに関してはカイル君の反応次第だった。

ビンガーの反対尋問はなんと三時間にもわたった。しかしブランカによれば、この長ったらしい尋問の間、事件の核心となるようなものは何も出てこなかった。

まずすべての質問に関してビンガーは上から目線でカイルを見下した態度に満ちていた。明らかにカイルの感情を掻き立てようという魂胆が見え見えだった。ビンガーは何度もカイルが人殺しをしたかったんだろうと問い詰めた。

検察:あなたが撃ったすべての人を殺すつもりでしたね。

カイル:殺すつもりはありませんでした。僕を攻撃している人たちを止めるつもりでした。

検察:殺すことによって。

カイル:相手を止めるためにやらなければならないことをしただけです。

検察:殺すことによって。

カイル:二人は亡くなりました。僕を脅かしていた脅威を止めました。

検察:致命的な力を使うことによって。

カイル:致命的な力を使いました。

検察:それが相手を殺すことになると知っていてですね。

カイル:相手が死ぬかどうかは解りませんでした。致命的な力を使って僕を攻撃していた脅威を止めたのです。

とまあこんな感じだ。またビンガーはカイルがAR-15を持っていたことが違法であると強調した。しかしカイルはこれに関してかなり効果的に反論した。

まずウイスコンシンの州法では18歳未満による銃購入は違法ではあるが持ち歩くこと自体は違法ではない。カイル君は知り合いに銃の購入を頼んだが、カイルが18歳になるまで所有権は銃を購入した人が預かるという約束だった。

ビンガーはさらに何故カイルがライフルではなく、もっと使い勝手のよいピストルを購入しなかったのかと詰問。カイルはそれにも未成年がピストルを所持するのは違法だからだと答えた。

往々にしてカイルの反論は非常に良かったのだが、一つだけ問題になる可能性があるのは、カイルが昔アップしたTikTokのアバターがARを掲げたカイルの写真に「有名になろうとしてるだけ」と書かれたものがあったこと。検察側はカイルが有名になりたくてライフルをもってケノーシャに来たのだと印象付けようとしたのだ。

その後ビンガーはカイルが消火作業や怪我人の手当に当たっていたことに関しても、そういうことは普通警察や消防署の仕事ではないのか、なぜ911に電話しなかったのかと問い詰めた。ケノーシャはその前日から暴動で警察も消防署も人手が足りずに手一杯になっていたことは周知の事実であり、こんな時にボヤを消すために消防隊が出動する余裕があったわけない。カイルは冷静にその事実を説明した。

この時点でビンガーの質問は巧妙になった。もしカイルがひとりで消火作業に携われるほど周りが安全だったならライフルは要らなかったはず。もし状況が危険だったならわざわざライフルを持って出かけていくべきではなかった。どっちにしろライフルを持ってカイル君が現場に向かったのは判断が足りなかったと印象付けようとしたわけだ。この手の質問が延々と続いた。

また一時は、カイルが歩いているときに、誰かが「俺に銃をむけただろ!」とカイルに言い寄ってきた時に、カイルが口論を避けようとして「ああ、向けたよ」と皮肉っぽく言って立ち去ったことを、実際にカイルがその男性に銃を向けたと白状したような言い掛かりまでつけた。

そしてビンガーはさらに、ローゼンバウムがカイルのライフルを掴んだことに関しても、だからといってローゼンバウムがカイルに危害を加えるつもりだったとは限らないと主張。しかしカイルはローゼンバウムはカイルが一人になったらぶっ殺すと何度も脅迫していたことを指摘。

またグロスガーツを撃ったことに関してもグロスガーツはピストル、カイルが持っていたのはライフルなので、ライフルの方が強力な武器ではないかなどとアホみたいな質問をした。ピストルを至近距離で撃たれたら確実に死ぬ。どっちがパワフルかなんてことは問題ではない。

そのほかにもどうしてカイルはローゼンバウムやヒューバーやグロスガーツの手当をしなかったのかとか、何故事件現場から逃走したのかと詰問。さて、どうしてでしょうね、何十人という怒った暴徒たちが追っかけて来たってことがヒントじゃないですかね。しかもカイルは両手を挙げたまま警察官たちの居るほうへ走っていったビデオがちゃんと残っているのだ。なにが事件現場から逃走しただ、あほらし!

検察の尋問が延々と続いたため、この日はこれでお開き。

ブランカの個人的な意見としては、この裁判は裁判官によってディスミスウイズプレジャディスで終りにすべきだというもの。検察官の違法行為は目に余るものがある。これを許しておいては法廷の尊厳が保たれない。

DISMISS WITH PREJUDICE (裁判所が“dismiss with prejudice”をしたとすれば、確定力を以て請求を棄却するということであり、原告が同じ請求ができないことを意味する)事実はすでに明白であり、検察側が疑いの余地なく有罪であることを証明するには全く至っていないとして、この裁判を棄却すること。

私もブランカの意見に賛成だ。この裁判はどうみても検察側に理はない。だが、もし決定権を陪審員にゆだねた場合、証拠はどうあれ、陪審員たちが自分たちの身の危険を感じたり暴動の心配をしたりしてカイル君に有罪判決を下す可能性があるからだ。


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カイル・リッテンハウス裁判、カイル君証言台に立つ

裁判は二週目に入り、昨日で検察側の証人証言が終わった。今日から弁護側の証人証言が始まった。先ずはカイル君の証言から始まったが、その話をする前に二日前の衝撃的な証言についてお話しよう。

五日目の証人の一人ゲイジ・グロスカーツ。この男はローゼンバウムを撃った後のカイル君をおいかけて襲い掛かった三人組の一人で、カイル君に腕を撃たれて負傷した。

カイル君はジョセフ・ローゼンバウムから身を守るためにローゼンバウムを撃った後、ローゼンバウムの様子を見ようと近づいたが、他の人間がカイルを追いかけ始めたので、命の危険を感じたカイルは警察のパトカーがある方向に向かって逃げ始めた。その時三人の男たちがカイル君を追いかけた。カイル君が躓いて転ぶと一人の男がカイル君をスケートボードで殴った。もう一人がカイル君の銃を取り上げようとしカイル君はその男に発砲。そこへグロスカーツがピストルを抜いて接近。

グロスガーツは左翼革命とかいう市民団体の一味で、ケノーシャ市を相手取って100万ドルの賠償金訴訟を起こしている。であるからカイル君が有罪になるかどうかで、かれの訴訟が先に進むかどうかが決まるのである。

しかしグロスガーツは自分の証言で、自分がカイル君に近づいたこと、カイル君に向かって銃を向けたこと、カイル君は自分がカイル君に銃を向けるまで発砲しなかったことなどを証言してしまった。この中でも検察側にとってもっとも決定的な打撃となったのはグロスガーツがカイル君に銃を最初に向けたという証言である。

この状況はビデオにも撮られているのだが、グロスガーツはカイル君にライフル銃を向けられ一瞬ピストルを持ったまま両腕をあげ降参するかのように見えた。その瞬間カイル君はグロスガーツに向けた銃を地面に向けた。グロスガーツの証言では、カイル君が銃に新しく弾を詰めているかのように見えたので、自分はカイル君に銃を向けたと証言している。しかしながら、カイル君はグロスガーツに銃を向けられるまで発砲しなかった。こんなはっきりした正当防衛があるだろうか?

さて、本日のカイル君の証言だが、私はカイル君は証言するべきではないと思っていた。なにしろ彼はまだ18歳。いくら事実が彼に有利だとしても、ベテラン検察官にあってはどんな風に証言を歪曲されるかわからないからだ。しかし弁護側の質問に関していえば、カイル君の証言はカイル君に同情を集めるという意味で意義のあるものだったかもしれない。

この事件が起きた直後から、メディアはカイル君を極右翼団体のメンバーで白人至上主義の過激派であるかのように言い続けて来た。17歳の少年が州境界を越えて違法にライフル銃を持って黒人を殺しにケノーシャにやってきて、乱射事件を起こしたかのように表現し続けてきたのだ。いくつものビデオで彼の発砲が明らかに正当防衛であったことがわかっても、「何故彼はそんな場所に銃を持っていたのだ!」と怒鳴り続けて来た。ケノーシャで暴動をおこして 略奪や放火をしていた奴らには何一つ批判的なことを言わなかったにも関わらずである。

しかもビッグテックは彼がオンラインで弁護士費用を募るためのゴーファンドミー口座を閉鎖。フェイスブックや他のSNSでカイル君を弁護するような書き込みはすべて削除。ともかくカイル君が白人至上主義のテロリストだというイメージを植え付けて来た。

しかし、今回の彼の証言で、カイル君が何故あの夜にケノーシャに居たのか、そしてカイル君はそこでなにをしていたのかがはっきりした。

まずカイル君が州を越えてケノーシャにやってきたと言うのも、彼は州境を隔てた車で20分というところに住んでおり、自宅は州外でも働いていたのはケノーシャだった。彼の通勤距離はカリフォルニア州内で働く私の通勤距離よりずっと短い。彼の親戚も多くケノーシャに住んでおり、州が違うとは言っても、ほんの隣町の市なのである。

また、カイル君は銃を家から持参したのではなく、ケノーシャに着いてから彼の知り合いのカーディーラーから銃を渡されている。だから未成年が銃を持って州境界を越えたという話も嘘である。

カイル君は事件が起きる前に何時間にもわたって落書きを消したり、怪我人の治療にあたったり、放火された教会や学校の消火作業にあたるなどのボランティア活動を行っていた。この状況は先日お話したデイリーコーラー誌の記者が密着取材でずっと録画していたが、今日の証言でカイルはまた自分が何をしにケノーシャに行ったのか、その詳細について語った。こんな善良な好青年が他にいるだろうか?

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グロスガーツが撃たれた瞬間。赤い円内にグロスガーツの銃が見える。

カイル君の証言が三人の男たちに同時に襲われたところに差し掛かった時、カイル君は沸き起こる感情に耐え切れずに泣き出してしまった。考えても見てほしい。彼はたったの17歳。回り中が燃えてるなか「あいつを捕まえろ!」「ぶっ殺せ!」と怒鳴りながら追いかけて来る暴徒たち。いくら自分を守るためとはいえ二人の命を奪ったことに関して、彼がどれだけのショックを受けたことか。そしてその後の執拗なまでのメディアの攻撃。私も観ていて涙が止まらなかったよ。

私はもうこれまでに、この事件については十分すぎるほどの情報を持っていると思っていたが、カイル君の証言で私が知らなかったことが明らかになった。それはまず、カイル君が男たちから逃げて警察官たちが居る方向へ走っていた最中カイル君はなんどか躓き最後にころんでしまう。それというのも誰かが彼にコンクリートの塊を投げつけ、それが彼の頭の後部にあたって、頭がクラっとしたからだという。

転んで尻もちをついた状態になっているところにフーバーという男がカイル君に乗りかかり、ライフルの筒を掴んで銃を取り上げようとしたのをカイル君が発砲。男は即死。次にスケートボードを持った男がカイル君の頭をスケートボードで殴る。そこへグロスガーツがピストルを抜いてカイルに覆いかかる。

カイル君の凄いところは、このような状況にありながら、自分に脅威となる人とそうでない人との区別をしっかり付けたことである。グロスガーツは一旦カイル君に降参するような姿勢を取った。その時グロスガーツはカイル君がジャムした銃をクリアしたと証言していたが、カイル君はそんなことはしていないと証言。グロスガーツが両腕を挙げたので銃の向きを変えたというのだ。これはこれまで報道されていたこととは違う。

カイル君の証言が正しいとすれば、カイル君は自分に銃を向けて来た人間に対してまで、相手が自分を撃つ気がないと判断した途端に銃を下方に向けるという冷静な判断を下したのである。カイル君がグロスガーツを撃ったのは、グロスガーツが再びカイル君に銃を向けたからだ。これはグロスガーツ自身がそう証言している。

今度は検察側の反対尋問がはじまる。


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まるで映画「情婦」みたいな検察側の証人、カイル・リッテンハウスの無罪を証明?

先日ちょっとお話したカイル・リッテンハウス青年の裁判が現在進行中である。カイル君は2020年の8月にウイスコンシン州のケノーシャで起きた暴動で、友人のビジネスを守るためにAR-15ライフル持参で警備にあたっていたが、そのビジネスに火をつけようとした暴徒ら計4人に襲われ、三人に発砲。二人が死亡し一人が重傷を負った。下記はその時の一部が映ったビデオ。

「群衆が発砲者とみられる人を追いかける。男(カイル君)はつまづき転ぶ、そして銃を何発か発砲。あちこちから銃声が聞こえ、発砲者は複数いたという情報と一致する。」

この事件は多々のビデオがすでに拡散されており、ビデオを観る限りは完全なる正当防衛に見えるが、ウイスコンシン検察はカイル君を殺人罪などで起訴。事件当時17歳だったカイル君を大人として裁判にかけ、カイル君は有罪となれば終身刑も免れない罪状に瀕している。

さて、カイル君の裁判が始まって一週間だが、先ずは検察側の証人が呼ばれた。しかし検察側の供述を証明するための証人たちの証言が全然検察側の役に立っていないという不思議なことが起きている。リーガルインサレクションの記事から読んでみる。

まず同記事の著者アンドリュー・ブランカは正当防衛専門の弁護士。ブランカは検察側は最初の二日間でカイルの有罪を証明するような証拠を全く提示していないとし、検察としては悲惨な状況であるとしながら、にもかかわらず三日目はその二日間よりもさらにひどかったと指摘する。

この日の証人は当日カイル君にインタビューしたジャーナリストのリチャード・マックギニスと、元陸軍歩兵軍人のライアン・バルチの二人。著者のブランカは検察側の証人がどのような証言をすべきなのかをまず説明する。

マックギニスとバルチは二人とも検察側の有罪説を強め、弁護側の無罪説を弱める証言をすることが期待されている。この場合、弁護側による正当防衛説を破壊することだ。

カイル・リットンハウスは有罪が証明されるまでは無罪とみなされているため、検察側が疑いの余地なく正当防衛ではなかったと証明する必要があるのである。

しかし検察側はカイル君の正当防衛を全面的に否定する必要はない。弁護側が正当防衛の根拠としている四つの点だけ否定できればいいのだ。この四つの要点はすべてが真実でなければならない。であるからこの四つの要点の一つでも真実ではなかったことが証明されれば、カイル君の正当防衛説は崩壊するのである。

では正当防衛を成立させるための四つの要素とはなにか、そして検察側はそれをどう崩すべきなのかというと、、

無実:検察側はカイル君が攻撃者であったことを証明する。あの晩に最初に暴力行為に及んだのはカイル君のほうだったと証明する。

緊迫性:カイル君が自分を守ろうとしていたとされる攻撃が実際に起きていなかった、もしくは起こる寸前ではなかったことを証明する。

比率性:検察側はカイル君に受けた攻撃は命に係わるような危険性はなかった、カイル君による死を及ぼす反応は過剰であったことを証明する。

適切性:カイル君が自身が真実正当防衛が必要だとは信じていなかった、もしくはこの状況において正当防衛が必要だと考えること自体が非常識であり、適切ではないことを証明する。

検察側がどの要素について否定するにしても、常識ある人が疑いの余地がないほど真実ではないことを証明しなければならない。ブランカによれば、最初の二日間における証人の証言には、この要素を崩すに足るものは全くなかった。しかし三日目はそれよりもっとひどかったと言う。

リチャード・マックギニスはデイリーコーラー誌の記者にビデオを提供しているビデオグラファー。彼の仕事は現場でビデオを撮り、後で記者たちがそれを使って色々分析するのを援助することだ。マックギニスは当日もケノーシャで暴動を追っていたが、彼の取材の対象となっていたのがカイル・リッテンハウスと仲間のライアン・バルチだった。

マックギニスは事件前にカイル君にインタビューをしたりしていたが、特に重要なのはジョセフ・ローゼンバウムがカイル君に撃たれた時に、マックギニスはふたりの至近距離におり事件の一部始終を目撃したということである。この時の模様はマックギニスによっては録画されていないが、監視カメラや警察のヘリコプターカメラでは録画されている。

法廷ではマックギニスが録画した事件前のビデオが何度も放映されたが、どれもこれもカイル君やバルチが誰に対しても親切で、攻撃的な様子は全く映っておらず、二人に攻撃的な態度をしめした黒人数人に遭遇した時も、二人は何も言わずに立ち去り、怪我の手当が必要な人はいないかと人々に呼びかけていた。ブランカはこのビデオで解ることはカイル君が物腰がやわらかく攻撃性などまるでないことで、このビデオが検察側に何の役にたつのか全くわからないと語っている。

検察側がカイル君が危険な男であるとマックギニスに言わせようとしたが、そうだとすれば武装しているカイル君とバルチに密着取材などするわけはないので説得力がない。またカイル君が銃を持ち歩いていたことに対しても、当地ではそういう人を見かけるのは珍しいことではないので、別におかしと思わなかったとマックギニスは証言している。

しばらくしてマックギニスはカイル君とはぐれるのだが、カイル君が消火器を持って走っている姿に出くわす。誰かがダンプスターに放火し、それをガソリンスタンドの方におしているのを見つけたカイル君が消火作業を始めようとカーソースというビジネスの駐車場向けて走っていた。

この時画面にジョセフ・ローゼンバウムとジョシュア・ズィミンスキーの姿が映る。ズィミンスキーはグロックピストルを持っており、この後で空に向かって発砲する。それがローゼンバウムが撃たれるきっかけとなる。

ローゼンバウムは車の影に隠れてカイルを待ち伏せし、カイルに襲い掛かる。この時マックギニスはカイルに追いつこうと後ろから走っていたのだが、ちょうどカイルを追いかけるローゼンバウムの後ろにを走ることになった。そしてカイルとローゼンバウムの後ろにはジョシュア・ジミンスキーが居た。

この時ジミンスキーが空に向けて発砲。後ろから銃声が聞こえたため振り向いたカイルが観たものは、カイルにおそいかかろうとしていたローゼンバウムだった。

マックギニスはこの時の模様を詳細に証言している。ローゼンバウムは全速力で走っていた。カイルは必死に駐車場の端の方に向かって逃げながら「フレンドリー、フレンドリー、フレンドリー」と叫んでいた。しかしローゼンバウムはカイル君の訴えを無視して追いかけた。この時カイルは退きながらローゼンバウムの方を向いた。カイルが持っているライフルはローゼンバウムには見えていたはずだがそれでも彼は怯まなかった。

ローゼンバウムはかがんでカイルに襲い掛かりカイルから銃を取り上げようとした、その時カイルはローゼンバウムに向かって4発発砲。致命傷となった弾はかがみこんだローゼンバウムの背中に当たった。検察側はそれをもってして、カイル君がローゼンバウムを後ろから撃ったとマックギニスに言わせようとしたがマックギニスは頑としてそれを拒んだ。

検察:あなたはローゼンバムさんの真後ろに居たのですね。

マックギニス:リッテンハウスさんが振り返って、ローゼンバウムさんがリッテンハウスさんに飛び掛かってライフルの先の方を掴もうとしたので、すこし位置を変えました。

(略)

検察:あなたは今ここでローゼンバウムさんが何を考えていたか解りませんよね。

マックギニス:発砲があった時ですか?

検察:そうです。いやいつでもいいです。あなたはローゼンバウムさんが何を考えていたか全くわかりませんよね。(略)

マックギニス:ローゼンバウムさんと話したことはありません。そういう意味なら。

検察:ということは、あの時ローゼンバウムさんがなにをしようとしていたのか、あなたの解釈は完全に想像ですよね。

マックギニス:ただ、彼がファックユーと叫んで銃に手をかけようとしたので、、

マックギニスは検察側の証人であるにもかかわらず、検察側はまるで弁護側の証人を尋問するような質問を何度もした。「被告はローゼンバウムさんが転ぶところを撃ったんですね?」「いいぇ、転んだのではなく飛び掛かったのです」という会話が何度か繰り返され、いい加減裁判長が中に割って入った。

リチャード・マックギニス

ライアン・バルチは元陸軍歩兵でカイル君と一緒にカーソースという知人のビジネス警護にあたっていた男性。カイル君は17歳の少年であるのに比べ、彼は元軍人としてアフガニスタンやイラクに出動したこともあり、何万回とARライフルを撃った経験のある男性だ。しかもバルチはライフル射撃競技にも参加しており、常にライフルを使っている。

この人も検察側の証人なのだが、なぜか弁護側に都合のいい証言ばかりしてしまった。

例えば、バルチは防弾チョッキを着てAR-15ライフルとグロックピストルを携帯していたが、彼やカイル君のように武装した民間人が警護に当たっていただけで、前日に起きたような暴動を防ぐことができたと言う。つまりカイル君が銃を持ってケノーシャに居たのは地域のためになったのであり、人殺しのためにカイル君がケノーシャまでやってきたという印象が壊れてしまったのだ。

バルチのカイル君に対する印象も好感度の高いもので、怪我をしている人は誰でも助けようとしていた。ただ、その風貌や年齢から暴徒の攻撃の対象になりやすかったかもしれないと語る。大してローゼンバムに関する印象はというと、彼は常に攻撃的で暴力的な態度を取っていたという。現にデモに参加していた他の人たちから、ローゼンバウムは彼らの仲間ではないと言われたという。

検察側にとって致命的な証言となったのは、バルチがローゼンバウムがバルチとカイル君の二人に迫ってきてバルチに顔をつけんばかりに近づき大声で「今夜また顔を合わせたらぶっ殺してやる!」と叫んだことである。ローゼンバウムがこの脅迫をしたその数分後に、ローゼンバウムはカイル君を全速力で追いかけることになるのだ。カイル君が命の危険を感じたのも無理はないと思わないか?

カイル・リッテンハウス

ライアン・バルチ

ブランカは結論として、三日目の証言で検察側は自分たちの立場を返って弱めてしまったという。四日目のリポートもあるが、特に検察側の説が強くなるような証言は全くなかったそうだ。陪審員に偏見さえなければカイル君は無罪放免になるべきではあるが、この陪審員というのが曲者なのだ。

ま、それに関してはまた新しい情報が入ってくるまで待つとしよう。

今日はこのへんで終わりにしておく。


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親たちの声が反映したバージニア州選挙、共和党が知事・副知事・司法長官議席を総なめ

昨日はアメリカ各地で色々な選挙が行われたが、なんといっても特筆すべきはバージニア州の知事選だ。なにしろバージニア州は近年民主党に傾く傾向があり、2020年の大統領選挙でも多くの郡が圧倒的差でバイデンに投票していた。そのバージニアで州知事はじめ副知事や司法長官までも共和党が勝つということは画期的な出来事である。いったい何故そんなことになったのだろうか?

マッカリフは以前にバージニア州の知事をやったことがある。バ州の法律は良く知らないが、以前に知事をやったことのある人でもまた何年か後には立候補できるらしい。マッカリフが民主党候補に選ばれた理由は、以前にも知事をやったことがあり人気もあったし、資金集めキャンペーンも得意だし、ということで他の黒人女性候補二人よりも勝ち目があると思われたようだ。しかし民主党の中でも、マッカリフは今の状況に適した候補だろうかと疑問視する人もいた。

読者諸氏もご存じのように、バージニア州と言えば、自称トランスジェンダーの女装男子が女子トイレで女学生を強姦し、学校側がその事実を隠ぺいしていたラウドン郡があるところ。あの事件が起きる以前から、ラウドン郡及び各地の教育委員会の方針は親たちの間でかなりの不満を生んでいた。そんな中で起きたあの事件、人々の間で教育に関する州政府の方針に非常な関心が集まっていたのだ。

実はマッカリフとヤンキンの討論会前の支持率はマカリフ46.9%、ヤンキン43.4%とマカリフが優勢だった。しかし、討論会においてヤンキンが挙げた二つの点が子供を持つ有権者たちの心に響いた。一つはコロナ禍における親たちの不満だ。ヤンキンは20か月もの間学校側は親たちとの対話を拒んできたこと指摘。もう一つは、学校の図書館にある性的に過激な本などについて、親たちには子供の教育に対してもっと影響力があるべきだと主張したことだ。

これに対してマッカリフはヤンキンは無知であり、政治家としての経験がないことなどを指摘。「私は親たちが学校に乗り込んで、本に関する決断を下すなどということを許す気はない」と付け加えた。それだけならまだよかったのだが、マカリフは決定的な次の言葉によって決定的な墓穴を掘ってしまった。「学校において何が教えられるべきかを親たちが学校側に指図すべきではない」

ヤンキンの選挙陣営はこの二人のやり取りを選挙コマーシャルに起用。「今はこれは選挙運動ではない。立ち上がって我々の子どもたちの教育という基本的権利のために発言する運動なのだ!」と発言。またヤンキンは過激なLGBT方針や批判的人種理論の禁止なども取り上げ、親たちの意見が教育に反映されるべきだと述べた。

明らかにこの作戦は功をなし、2020年にバイデンが10ポイントの差で勝ったバージニアは、一年足らずで共和党支持に変わったのである。

ところで今回の選挙では郊外に住む白人女性達が前回の選挙よりも12%も多く共和党に投票したという。トランプ大統領が一番人気を得ることができなかったのが郊外の白人女性達だったことを考えると、やはり子供の教育となると共和も民主もない。親の意見が尊敬する候補が強いということだ。

これに関してリベラルメディアは完全なメルトダウン(溶解)を見せている。

ヤンキンはトランプべったりの候補だとか、白人至上主義の郊外の女性たちが多く投票したとか、白人の親たちが学校で人種について教えられるのを嫌がったとか、あたかもヤンキンに投票したのは白人至上主義の親たちだとでもいいたげである。しかし圧倒的多数で当選した副知事はウィンサム・シアーズは黒人女性。だいたいテリー・マッカリフは白人だ。なんでここで白人至上主義とかって話が出てくるのだ?

子どもの教育に関心のある親たちを国内テロリスト扱いしたり、白人至上主義者扱いしたりして、彼らの票が得られると思うならどんどんやればいい。そうやって来年の中間選挙で民主党はぼろ負けすればいい。

最後に、ニュージャージーの知事選挙は、現役のフィル・マーフィー知事が再選間違いなしと言われていたが、昨晩遅くまで共和党のジャック・スィタレリ候補に追い詰められ、昨晩100%開票済と言われた時にはスィタレリ候補が優勢と言われていたが、朝になったらなぜか85%開票に減っていて、マーフィーが当確となっていた。どうやら夜中にバイデンジャンプがあったらしい。

しかしながら、マーフィーは楽勝するはずだったのい、ここまで共和党に追い詰められたということは、共和党にとって決して悪いことではない。来年の中間選挙では共和党にもっと追い風がかかって、上院下院とも共和党が挽回する可能性は多いにある。

がんばってもらいたいものだ。


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BLM/ANTFA暴徒に襲われ正当防衛で二人を射殺し一人を負傷させた少年の裁判始まる

去年の9月、ウイスコンシン州のケノーシャ市で、黒人男性リチャード・ブレイクが警官に撃たれ重傷を負った事件がきっかけとなりBLM/ANTIFA暴徒たちが大暴動が起こした。数日間にわたる暴動で小さなケノーシャ市は大打撃をうけた。そんなケノーシャ市で働いていたカイル・リットンハウス少年(当時17歳)はAR-15ライフルを持って知人のビジネスを守るべく護衛に当たっていた。しかし暴徒らはカイル君に襲い掛かり、腕の立つカイル君は襲い掛かった二人の男を射殺、一人を負傷させた。この時の模様はすべて色々な角度からビデオで撮られており、彼の正当防衛は一見にして明白であるにも関わらず、ジョージ・ソロス後押しのある超過激派左翼検察官はカイル君を過失致死や銃砲罪違反の罪で起訴。本日からその裁判が始まった。

この話は現在進行形なので、私のツイートを一応記録としてここに載せておく。何か起きる度にここに書き足して行こうと思う。

11月2日2021年付け

去年ケノーシャの暴動で友人のビジネスを守ろうとして暴徒に襲われ、正当防衛で二人を射殺一人を負傷させたカイル君の裁判が今日から始まる。カイル君を襲った暴徒らは合わせて前科何十犯というプロの犯罪者たち。カイル君は品行方正のお手本みたいな好青年。起訴などされるべきではなかった事件。

カイル君はボランティアで落書き消したり、ライフガードとして怪我人の手当したり、警察官にも感謝されていた。本来なら市から感謝状もらってもいいくらいの青年だ。彼を逮捕してる暇があったらBLM/ANTIFAの連中を退治しろよ!

いま改めて当時のビデオを観たけど、カイル君の自制心と銃の腕には感心する。二人の男に同時に攻撃され、スケートボードを持ち上げた一人を撃ったあと、自分に銃を向けた二人目の男の腕を撃つなんてそう簡単にできるもんじゃない。しかも一瞬両腕を挙げた男をすぐには撃たなかったのもすごいわ。

カイル君に殺された一人目の男は連続小児強姦魔。なんと5人の少年を強姦した過去を持つ男だった。男はカイル君を追いかけながら「あいつを捕まえろ!」と言いながら花火を投げつけ、別の男が発砲したのを受けてカイル君が発砲。


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トランスジェンダー狂気から正気をとりもどしつつあるイギリス

今年の7月に、いち早くトランスジェンダーに迎合して男女共同トイレをあちこちに設置してしまったイギリスでは、公共施設において男女別トイレ設置を義務付ける法律が通ったという話を紹介したが、最近になってすでに設置されていた男女共用のユニセックストイレが次々と排除され、男女別トイレに取り換えられるようになった。イギリス政府は男女共用の公衆トイレから男女別トイレ設置に移行する計画を明らかにした。ツイッターで奥田幸雄@yukiookudaさんがデイリーメールのこの記事を紹介してくれていたので、彼の翻訳を引用させてもらう。

「ジェンダーニュートラル」な施設からの脱却を目指す政府の計画では、男性と女性は別々のトイレを使用することになります。この提案は、プライバシーを求めるすべての人のために独立したトイレを提供するというものです。 世論調査では、性別に関係なくトイレを設置することを支持する女性は20人に1人にも満たなかった。

関係者は法務省に次のように語っている。 「尊厳、安全、安心のために、男女別のトイレを適切に提供することは重要です。そのため、セパレートトイレが標準であり続けるためのオプションを検討しています」と述べています。

障がい者用のトイレだけでなく、プライバシーを求めるすべての人のために独立したトイレを提供することが提案されています。 性別を問わないトイレの問題は、トランスジェンダーの権利を主張する運動家と、女性に「不利益」をもたらすと主張するフェミニストとの間で争点となっています。

性別関係のないトイレ設置を支持した女性は5%どころか1%でも居たら私は驚く。しかしともかく女性の大半は男女共用トイレなど求めていなかったということがイギリス政府にもやっと理解できたということだろう。だいたいなんで最初からこれが良いアイディアだなどと思ったのだろうか?

以前に私はイギリスで男女共用トイレを強く推進していた人たちがことごとくペドフィリアで幼児ポルノ所持やわいせつ行為で捕まったという話を紹介したが、(男を女子施設に入れさせようとしてるのはどういう男たちなのか? – Scarecrow in the Strawberry Field (biglizards.net))問題なのは何故一部の変態男たちのごり押しに常識あるはずの他の政治家たちが同意して、一番影響のある女性達の声に耳を傾けないまま強行してしまったのかということだ。トイレや更衣室を男女共用にして女性達が喜ぶわけがない。そんなこと考えなくても解ったはずだ。どうして女性の意見を聞きもせずにおかしな政策を実行して、苦情が殺到してから元に戻すなどという無駄なことをやったのだ?

しかし最近のイギリスはトランスジェンダリズムの狂気から正気を取り戻してきているような気がする。トランスジェンダー政策で一番規模が大きく影響力のある政治ロビーイストのストーンウォールから政府機関や企業がどんどん距離を置いてきていることや、BBC内部からストーンウォールの異常な影響力を告発する報道があったり、先日の女装男たちによるレズビアン虐待記事など、だんだんと主流メディアがトランスジェンダリズムのおかしさに気付き始めているように思えるのだ。

トランスジェンダリズムは欧米諸国を襲った集団狂気だ。これは中性の魔女狩り同様理屈では説明がつかない。大多数の人間がこの狂気を受け入れたわけではないが、なぜか政治権力のある連中がこの狂気を奨励し、狂気を人々に押し付けることで自分らの権力をより強硬なものにしていく。

アメリカでも行き過ぎたトランスジェンダリズムが教育界に広がり、それに気が付いた親たちが中心になって大きな抗議運動が始まっている。これまでトランスジェンダー活動家(TRA)達が優勢だったのは、彼らの目的があまりにも奇想天外で一般人はそんなことを推進する人がいるなど信じられないと思っていたからだ。だからTRAは水面下でこっそりと色々訳の分からない政策を進めていくことが出来た。

しかし今や人々が彼らの陰謀に気が付き始めた。TRAは闇に隠れてのみ行動できるバンパイアのような奴らだ。太陽の光の元、人々がその正体に気付いたら、長くは生き残れない。

どうかこれがトランスジェンダリズム狂気の終焉の始まりであってほしい。

追記:昨日の日本の選挙で、ジェンダー平等だの選択的夫婦別姓だの同性愛結婚だのと騒いでいた野党がぼろ負けしたことから解るように、日本人はそういうくだらないことに全く興味がない。やたらと欧米のおかしな思想を日本に持ち込んだところで、日本人が受け入れると考える方が浅はかだ。このままLGBTなどという思想が日本で広がらないうちに、欧米諸国でこれらの問題が下火になり、日本では根がはらずに終わってしまうという結果になることを切に願う。


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レズビアンたちが女装男達から性交を無理強いされている!BBCが画期的な特集を報道

この間のストーンウォールによるBBCへの異常な影響に関する内部告発に続き、今度はレズビアンたちが自称女のトランスジェンダーたちから無理やり性交を迫られているという記事を報道した。’We’re being pressured into sex by some trans women’、 拙ブログをご愛読の読者諸氏は覚えておられることと思うが、以前から自称女の男性たちからレズビアンたちが虐待されているという話は何度か紹介したことがある。しかしBBCのような主流メディアがその事実を報道するということはかなり画期的なことだと言える。

この記事では女装男たちから虐待された女性達の体験談がいくつか掲載されている。

ジェニー(24歳):彼女は女性体の人間にのみ魅力を感じる女性だが、トランス「女性」とのセックスを拒んだことから、トランスジェンダー活動家(TRA)やその一味(アライ)たちからひどく暴力的な脅迫を受けたという。

ヒットラーより私を殺したいと言われたことがあります。もしヒットラーと私が同じ部屋に居たら、ベルトでわたしの首を絞めてやると。私がトランスウーマンとセックスしないというだけで、信じがたいほど暴力的です。

彼女がよく言われたことは、例えばバーで会った女性と意気投合してそういう雰囲気になった時に、相手がトランスウーマンだとわかったらどう思うかというものだった。しかし、ジェニーからしてみれば、相手が生得的女性ではないと解った時点で性欲は失せてしまうという。そりゃそうだろう。私も男だと思って付き合い始めた人が実は女だったとなれば、千年の恋も冷めてしまうだろうから。

記者のキャロリン・ローブリッジがこの記事を書くきっかけとなったのは、ローブリッジがsex, lies and legal consent(セックスと嘘と法律上の同意)という記事を書いた後、何人かの人たちから連絡があり、レズビアンにとってこれは非常に大きな問題になっていると伝えられたことだった。

ローブリッジはこの話題は実態を知るのが非常に難しいことを知っていた。それというのも、レズビアンがこれについて大っぴらに苦情をいったりすると、トランス界隈やアライ達からひどい嫌がらせを受けるからである。ローブリッジ自身も記事を書くにあたり、インタビューを募るツイートをした際にひどい嫌がらせを受けたという。

エイミー(24歳):彼女は自分の両性愛指向の恋人から虐待を受けた。恋人の未オペのトランスウーマンを含めた三人でセックスをしようという提案をエイミーが断ったのが原因。

「最初に彼女は私をトランスフォビックだと呼びました。そしてすぐ、私が誰かと寝たくないと思う気持ちに罪悪感を持たせようとしたのです。」

「その人に魅力を感じる可能性はゼロだとわかってました。男性の声が聞こえるし、男性の顎が見えます。服の下には男性器があるのです。これは物理的な現実です。女性が好きな女として、これは無視することは出来ません。」

「彼女が凄いショックを受けて怒ったことを覚えてます。そして私の考えは過激なプロパガンダでありトランス界隈に暴力をもたらすものだと言いました。そして私を過激派右翼と同じだとも言いました。」

しかしエイミーはたとえトランスウーマンが手術をしていたとしても気持ちは変わらないと語る。

コリー(26歳):彼女は大学で出会ったトランスウーマンから何度も言い寄られ、その度に断っていたが、あまりにもプレッシャーをかけられてついに男女のセックスをしてしまったという。二人の学生寮が近かったせいもあり、ある日お酒を飲んだ後の勢いで、うまく断れなかったという。

「とっても気持ち悪くて、一刻一刻が嫌でした。私たちが魅力を感じるのはセックスではなくジェンダーだという考えですが、私にはそうは感じられなかったからです。でもそう感じられないことが後ろめたかった」

コリーは恥かしくて、この体験を誰にも話さなかったという。

『トランス女性は女性であり、レズビアンはデートすべき』と言われてますが、トランスだという理由でその人を拒絶したら私は悪い人間なのだろうか、もうLGBT界隈には入れてもらえなくなるのだろうか、何か仕返しされるんじゃないか、そう思ったら誰にも言えませんでした。

実はこの女性、ツイッターで誰かが「こんな体験談の寄せ集めなんか、何の証拠にもならない」といったのに対して、自分はすくなくとも他に三人のレズビアンが大学でトランスウーマンから虐待されたのを知っていると答えていた。どうやら彼女の大学にはレズビアンを餌食にしている悪どい自称女の男がいるらしい。

アンジェラ・C・ワイルド:拙ブログでも以前に紹介した Get The L Out というレズビアン団体の創設者のひとり。この団体は現在のLGBT活動のなかでレズビアンの権利が無視されていると感じている人たちの集まり。彼女たちは以前にイギリスのプライドパレードで抗議したことがあるが、その時も同団体は「偏狭、無知、そして憎悪」だと攻撃された。

レズビアンたちは話すのをとても怖がっています。なぜなら信じてもらえないかもしれないと思ってるし、トランス概念がみんなを沈黙させてるからです。

アンジェラはソーシャルメディアを通してレズビアンたちにアンケートを配った。そのうち80人の女性が返答したが、回答者の56%の女性達がトランスウーマンからセックスを迫られたり、嫌々同意させられたりしたと答えている。(調査結果はこちら.

アンジェラはサンプル数はレズビアン全体からしたら少ないかもしれないとは認めながら、それでもこういう事実があるということを記録しておく必要があると感じた。

回答者の中には、トランスウーマンとヌードの写真を交換しないのはトランスフォーブと呼ばれるのではないかと思ったとか、若い女性はトランスウーマンと寝ることで、自分はターフではないと証明できると思っている節があるというものもあった。またある女性はオンラインで「同性愛など存在しない、トランスシスターズのために自分の性器混乱を捨て、トランスに性器を挿入させるべきだ」と言われたと答えている。

回答者の一人は、もしトランスウーマンんとセックスをすれば男性器を受け入れられるようになるのではないかと思ったという。欧米諸国ではコンバージョンセラピーと言って同性愛を「治す」という野蛮な治療法が施行されていた時代があった。トランス活動家によるレズビアンたちへの男性器を受け入れさせる圧力は、まさに現代版のコンバージョンセラピーである。

ある女性はトランスウーマンとデートをした際に無理矢理セックスを迫られ、断ったらターフとして世間にさらし、仕事も首なるようにしてやると脅迫されたという。

無論この調査結果を発表したことで、アンジェラはトランス界隈やその一味たちからトランスフォーブと批判されたことは言うまでもない。「トランスウーマンすべてが強姦魔であるかのように書いている」などが典型的だ。しかしアンジェラは一人でもこういう被害を受けた人がいるなら、それについて話す必要があると語る。しかも被害者は一人ではない。実態はもっと広域に広がっているものと思われる。

ローズ・オブ・ドーン(MtF):トランスジェンダーのなかでは珍しくまともなことを言ってるユーチューバー。ローズも自分のチャンネルで「レズビアンがトランスウーマンとデートしないのはトランスフォビックか」という動画を作ったことがある。かの悪名高い偽女のレイチェル・マッキノンは以前「性器による性指向はトランスフォビックだ」とツイートしていたことに関し、ローズはそういう考え方は非常に害毒であると言う。

ローズは自分の仲間うちのトランスジェンダーたちも、レズビアンは自分の好きな人たちとデートすべきであり、デートの相手にトランスウーマンを含まないのは差別でもなんでもないと考えているという。しかしトランスジェンダー達ですら、そのような発言をするのが憚られる状況があるという。

私のような者はトランス活動家やそのアライたちからかなりの虐待を受けます。トランス活動家は同意しないと思われる人たちに対して非常に攻撃的ですから。

デビ―・ヘイトン(MtF):科学の教師で2012年に性転換をし、トランスに関する情報を書いている。デビ―は多くのトランスが転換後の交際がどれほど大変か考えずに転換していると語る。きちんとした調査があるわけではないが、トランスウーマンと呼ばれる男性たちの殆どが女性に性愛を感じているとデビ―は言う。男子が女子に性愛を持つのは生物学的に自然な状態だからだ。

ですからトランスウーマンがパートナーを探す時、レズビアン女性達は「女性が欲しい」といい、異性愛者女性達が「異性愛男性が欲しい」というと、トランスウーマンは取り残されてしまいます。そして社会から失望させられたと感じ、怒り、感情的になり、社会が自分たちを攻撃していると感じるわけです。

生得的女性にしか性愛を感じない人々を恥かしめ、あたかもそれが悪い感情であるかのような攻撃は酷いものがあるとデビ―は語る。

リリー・ケイド:レズビアンポルノ専門のポルノ女優。写真を見て一旦は合意した相手役が実はトランスウーマンだとわかって共演を断ったことで批判された。彼女自身はツイッターで過激なひとに批判された程度だったと話しているが、これがきっかけでコットンシーリングという言葉が聞かれるようになった。これは人工妊娠中絶専門クリニックのプランドペアレントフッドで開かれたワークショップのタイトルに使われたことで広まった言葉だ。これはトランスウーマンが女性とセックスするために障害となっているものという意味で使われる。リリーに言わせれば、女性が社会的地位を得られない透明な障害があることをグラスシーリング(ガラスの天井)と言ったのを生理用ナプキンと比べるのは「気持ち悪い」。

ストーンウォールとLGB Alliance:LGBT団体でもっとも規模が大きく影響力のあるストーンウォールにインタビューを要請したが断られた。だが一応声明文だけは受け取ったと言う。ストーンウォールは誰もデートの相手を強制されるべきではないとしながらも、人種や障碍者や肥満の人やトランスといった、ひとつの属性全体を取り除くのであれば、それは社会による偏見がどのように人々の指向に影響を与えているのか考えるべきであるとし、まだまだLGBT内部でも偏見はあるので、そういうことはオープンに正直に話し合われなければならないという答えだった。

もともとストーンウォールはイギリスの同性愛者への差別に抵抗するために作られた団体だったのだが、最近はトランス一本やりで、LGBたちが無視されるようになってきた。そこで新しくLGBAlliance(LGB同盟)というグループが設立された。

LGB同盟の創設者のひとりは、まさか同性愛者が同性を愛する権利のために再び戦う日がくるとは思わなかったと語る。「もうこの戦いには勝ったとおもってたんですが、またこの戦いを始めなければならないと考えると恐ろしいです。」

ライリー・J・デニス:ローブリッジのインタビュー要請には応じなかった。こいつは自称トランス女性のユーチューバー。未オペでホルモン治療すらしていないただの偽女。普通にヘテロ男性で性愛は女性指向。私はこいつはトランスジェンダーなどではないと確信している。いつもタンクトップからいかつい肩まるだしで人にお説教ばかりする気持ち悪い奴。今は消してしまったらしいが、こいつはヘテロ男性やレズビアンがトランスウーマンとデートしないのはトランスフォビアだというビデオをアップしていた。ストーンウォール同様、ここでもこの偏見は人種や肥満の人への差別と同じだと主張していた。

アニ・オブライアン(30歳):ニュージーランドのSpeak Up For Women(女性のために発言せよ)というグループの創設者。ティックトックを使って若いレズビアン女性達に呼びかけている。

アニはまたレズビアンたちが昔のように「試しても居ないのに男性器がきらいだなんて何故わかるのだ」といわれていると語る。性器を通り越して人を受け入れろと、だがそれは同性愛とは言えない。

トランス男性がゲイ男性にそれほど興味がないので問題になりません。しかしトランスウーマンの多くが女性に興味があるため、我々が不公平に影響を受けているのです。(略)私はティーンエージャーで同性愛を隠していた時、なんとかストレートになろうと努力しました。それだけでも大変でした。(若い子が)やっと自分が同性愛者であることに納得してカムアウトしたら、男性体の人は男性ではなくレズビアンだから、それを受け入れろと言われたらどんな気がするでしょうか?

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当然のことながら、この記事に対してトランス界隈とそのアライたちからBBCに抗議する声明文が発表された。その内容についてはまたいずれ紹介するが、一応リンクだけ張っておこう。

Open letter signed by 16,000 calls for BBC apology over trans article – BBC News

トランスウーマンと名乗る男たちの大半は単なる女装男であり性指向も女性が相手だ。こんな男たちを女性として社会が受け入れることがどれだけ危険なことか、この記事を読んだだけでも解るはずだ。これまでに私は女装男たちによる性犯罪についても色々書いてきたが、自称女の男たちは一般の正常な男性たちよりも女性にとってはずっと危険な存在なのである。


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