すばやい日本の北朝鮮経済制裁

どこの国も差し置いて、日本がいち早く北朝鮮に経済制裁を強行したという記事を読んで、これまでずいぶん優柔不断だった日本もついに決断したかと安心した。経済制裁がどれだけ北朝鮮に効き目があるのかはまだ分からないが、少なくとも日本が音頭を取って北朝鮮制裁に踏み切ったことは歓迎すべきだろう。
国連も安保理で制裁決議がでたようだ。

北制裁決議最終案で合意、安保理で採択へ

ニューヨーク=白川義和】米国は13日午前(日本時間同日夜)の国連安全保障理事会非公式協議で、北朝鮮の核実験実施発表に対する制裁決議案を提出、安保理は14日午前(日本時間同日夜)に決議案を採決に付すことで合意した。
各理事国は基本的に決議案支持を表明し、北朝鮮に対する初の制裁決議が採択されることになった…
ボルトン米国連大使は、記者団に対し、決議案に船舶検査が盛り込まれたことについて、米国が主導する大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)が「(安保理決議で)成文化された」との認識を表明。北朝鮮への圧力強化で大きな進展になると強調した。これに対し、中国の王光亜国連大使は、中国としては米国が主張する「国際版PSI」との概念は支持できず、参加できないとの考えを明言した。
(2006年10月14日1時59分 読売新聞)

ブッシュ大統領もカカシのアドバイスは完全無視して北朝鮮に武力行使はあり得ないと言い切ってしまったし、国連は日本を見習って経済制裁で北朝鮮に対処しようという意図らしい。ま、いまのところは仕方ないだろう。
ところで、アメリカ大使館にコネのある木走日記のまさみずさんが、面白いインタビューを掲載しているのでちょっと紹介。
木走さんのコネのアメリカ大使館のスティーブさんは、北朝鮮の今回の実験は失敗かもしれないが、偽装ではないだろうと語る。そして近日中に北朝鮮は核実験を繰り返すだろうと語っている。

木「つまり、ここまでリスクの高い賭けに出ている北朝鮮からすれば、核実験を偽装する必然性は何もないということだね。」
ス「そういうことだ。あともう一つの理由は、アメリカ大使館側では、北朝鮮がかなりの高い確率で近日中に2回目、もしかしたらそれ以上の回数の実験まで行うであろうと危惧していること。続けて行うのだとしたら偽装する意味はないでしょ」
木「え? 高い確率で近日中に核実験を繰り返すと予測しているの? その予測の根拠は?」
ス「根拠というよりも常識だよ。パキスタンやインドの核実験の例を持ち出すまでもなく、1回の核実験だけで技術的に成功を収めることはあり得ないからだ。通常は複数回繰り返すことにより精度の高いデータも蓄積できるし、技術的課題も改良したりしながらはじめてクリアできる。あと、衛星写真からのやつらの動きや中国政府筋の北朝鮮情報などを総合して分析して、核実験を再度彼らが行うことはほぼ間違いないだろうとふんでいるんだ」

ふむ、北朝鮮がまた実験をやった場合は国連はどう対処するつもりなのだろう。ここ数日中に決めなければならないことだ。
ところで、スティーブさんは中国の反応について今後中国は北朝鮮への方針を大幅にかえる用意があるかもしれないと語る。

ス「我々の入手している情報によれば、正式な決定ではないが、現在、中国政府内で極秘裏に大きな外交政策の転換が図られている可能性があるとのことだ。詳細は不明だがそれは北朝鮮の将来に関わる重大な内容を含んでいるはずで、もしその政策転換が決定すれば、もしかしたら中国政府として金正日体制との決別を意味する明示的な行動が近いウチに示される可能性ですら、ゼロではないようだ」
木「中国政府として金正日体制との決別を意味する明示的な行動とは具体的には何を指すの?」
ス「もちろん軍事的行動では絶対ないと思うし、その真意とは裏腹に、外交的配慮がなされたゆるやかな表現に加工されるだろう。が、私たちの現在得ている情報はそこまで。今後の中国と北朝鮮の関係は極めて流動的だが、アメリカ政府としては、現在中国政府との北朝鮮に関する情報交換はかつてない良好な関係で推移している。大使館としても冷静に情報収集しながらその関係の推移を見守っているところだ」

さてコメンターのsouさんがいくつか面白い記事を紹介してくれているが、そのなかでもワシントンポストに載ったチャールズ・クラウスハンマー氏の論文は面白い。(What Will Stop North Korea、By Charles Krauthammer The Washington Post、訳:喜多龍之介さん)

『我が国の政策は、西半球のあらゆる国に対してキューバから発射されたあらゆる核ミサイルを、アメリカ合衆国に対するソビエト連邦による攻撃だとみなし、ソ連に対する全面報復を要請するものである。ー ジョン・F・ケネディ大統領、1962年10月22日』
おお、これこそ抑止力。
キューバからどんな核が発射されようが、アメリカはキューバなんぞ目もくれず、さっさと報復に突っ込んで、大規模な核攻撃でロシアをアポカリプスに突き落とす。ケネディはそう誓っていた。

これを見習ってブッシュ大統領は北朝鮮へも同じような警告をすべきだとクラウスハンマー氏は言う。

これほど無鉄砲に核の義務に違反する核保有国家は他に一切存在しない、という事実を考慮し、アメリカ合衆国、もしくはその同盟国における核爆発物のあらゆる起爆は、北朝鮮によるアメリカ合衆国への攻撃としてみなし、北朝鮮に対する全面報復を要請する事を、我が国家の方針とする。
これこそ金正日が拡散しちゃうのを留める方法じゃん?
自分のサバイバルは、自分が兵器を売ったテロ・グループの行動の人質だ、って奴に理解させるんだよ…
とはいえ、この政策も問題はあるんだな。これはね、一個しか、核保有ならず者国家がない世界でだけ、機能するんだよね。一旦クラブが2個に膨張しちゃえば、この政策はおしまい。だって、核テロ攻撃専用自動お返事先がなくなっちゃうんだから。
これなんだよ、イランが核保有国にならないようにする事が凄く重要な理由ってんは。北朝鮮が後戻りなんざしない。でもイランは未だそこに辿り着いちゃいないんだ。ならず者国家が1個ならなんとかなる。責任はこいつにある、って言えるんだから。でもならず者国家が2個だと、抑止不可は保証付き。
従って、核テロも不可避って事。

経済制裁にしろ、こうした警告にしろ、うまくいかなかった場合にはどうするかという覚悟は必要。本当に北朝鮮んが近日中に実験を繰り返すのだとしたら、アメリカを初め、中国、韓国、日本、ロシアはかなり真剣に対応策を練っておく必要がある。


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北朝鮮を攻める方法、題して斬首作戦

実は私は北朝鮮の核兵器実験の話が持ち上がる前まで、イランをどう攻めるかというなが〜いシリーズものを書いていたところだった。来週から長期出張に出るのでネットアクセスのできない間、書きためたイランシリーズで埋めていこうという魂胆だったのだが(笑)、北朝鮮問題がおきてしまったのでイランを攻めるに当たり、考えた作戦のひとつ斬首作戦をここで北朝鮮にあてはめて考えてみたい。
ところで、私が二回にわたり、北朝鮮をいますぐ攻めるべきだという内容の記事を書いたため、長年ネットでお世話になってるアセアンさんからかなり手厳しいコメントをいただいた。アセアンさんは北朝鮮は今すぐ戦争を仕掛けなければならないほどの脅威ではないとお考えのようだが、私はその考えには全く同意できない。
しかしむやみやたらに市民の犠牲が大量にでるような攻撃は私も望んでいない。そのことを先ず最初にご説明しよう。
私はアメリカは北朝鮮に核を落とすべきか?と書いたが、私は決して今すぐ北朝鮮に核兵器を落として北朝鮮を人民諸共地球上から抹殺してしまえと言ってるわけではない。だがもし北朝鮮が核兵器を使った攻撃を日本やアメリカに仕掛けた場合にはこちらが核兵器を使う覚悟をしておかなければならないと言っているのだ。
ではいますぐ北朝鮮を攻撃するとしたら、どのような作戦が可能であろうか。
まずアメリカがイラクやアフガニスタンでしたような侵略占領作戦はバツである。実際アメリカにそのような軍隊を北朝鮮にまわす余裕はない。だから攻撃するとしたら空爆が主体となるだろう。だがやたらめったらに空爆をしても意味はない。やるなら標的をしぼった限定空爆となる。
普通は核兵器施設への限定的な攻撃を思い付くが、これは口でいうほど簡単なんことではない。北朝鮮の場合、かなりの秘密社会であるからいったいどこにこれらの施設があるのかアメリカや日本には確たる情報がないのではないだろうか? 少なくともイランの場合はあちこちに散漫して隠されている。我々は北にいくつの核兵器があるのかさえつかめていない。(実際にあればの話だが)下手に攻撃していくつかでも核兵器が残ってしまえば、報復としてそれを日本や韓国の米軍基地に撃ち込まないとも限らない。だから核兵器施設だけを限定して攻撃するというやりかたは十分とはいえない。
ではどうするのか。北朝鮮のような共産主義の国はトップダウンの社会であるから、上から命令が出なければ下は全く動きがとれない。軍隊でも個別の隊で指揮官が個々の判断をくだすようなことは許されていない。ということは頭さえたたいてしまえば胴体は身動きとれなくなるのである。これを利用して、社会の指導層、大統領から政府の官僚、軍の上層部の人間を集中的に攻撃することがまず第一だ。知られている軍基地、政府関係の建物、将軍様や閣僚の自宅などがまず最初の標的。同時に北朝鮮の発電所、テレビ・ラジオ局、といった国の中枢となる施設を全て破壊する。
こうすれば北朝鮮政権は崩壊する。北の脅威は消滅する。
さて、ここで話をもどして北朝鮮の脅威についてお話しよう。まずはアセアンさんのコメントより一部抜粋。

世の中、戦争をしたい人達がホント多いんだなぁ~

人間の進歩の可能性・・・という欧米文化を支える根本を捨て去ってでさえも
それ以上に、多くの国民を貧困や飢餓に晒して迄軍備に走る妙な国・・っと言うことは
核兵器は持っているかもしれないがマトモナ戦争等出来ないことを承知の上で尚且つ
精度も技術も不確かな可能性があることも承知の上で、世界最貧国の一つであることも承知の上で
寄って集って一国を潰してしまおう!っということですか?

アセアンさんはヒュマニタリアンなので、やたらに戦争で人民が苦しむことを憂いておられるのだろう。これは皮肉抜きで立派な感情だと思う。だがアセアンさんほどの人が、北の脅威を十分に理解していないということはちょっと驚く。
北朝鮮の妄想発言はなにも今にはじまったことではない。北朝鮮はクリントン時代から15年以上核兵器開発を豪語し、国際社会の説得も空しく、日本、中国、韓国、そしてアメリカをもうまく丸め込んで経済援助をさせ、その間に着々と核開発を進めてきた。その結果が今回の核兵器実験である。
北朝鮮が気違い沙汰の妄想だけをとなえて自分達の国だけで大人しくしていてくれるという保証があるなら、諸外国が神経を尖らす必要はない。だが、北朝鮮は韓国を占領し朝鮮を一つにするという野心を全く捨てておらず、いまでもDMZを越境して韓国へちょくちょく偵察員をおくっている。また日本海へも潜水艦をおくり日本の領海を何度も侵し、日本人市民を拉致するなどの暴虐をおかしてきている。
アセアンさんはアメリカが北朝鮮の脅威の直接な標的にならないとおっしゃるが、東洋にはアメリカ軍が何万人と駐留している。東洋の米軍基地を北朝鮮が攻撃すれば、アメリカ兵は直接被害をうけるだけでなく、基地のある韓国や日本も被害を被ることになる。北朝鮮には全面的な戦争をするだけの機能はないかもしれないが、近隣諸国にミサイルを打ち込むくらいの技術は所持している。
また、北朝鮮が国境をこえて韓国に侵攻してくるのは時間の問題である。彼等がそれをするとしたら、先ずDMZに駐留するアメリカ軍への空からの攻撃から始まるだろう。
北朝鮮が全面戦争をするだけの力がないからといって、彼等の脅威を過小評価するのは非常に危険である。それに、今は彼等が脅威でないからといって放っておいたら将来どうなるのか? 彼等がこれ以上の脅威にならないように国際社会が何か歯止めをすることができるというならいい。だがこれまでの歴史を振り返っても国際社会は北朝鮮の武器開発軍事強化をとめることに全く成功していない。
第一このまま北朝鮮を放っておくということは、北朝鮮内部で飢えている市民の苦労を半永久的に保つということになるのではないか? それこそヒュマニタリアンなアセアンさんなら彼等の悲劇を一時的な戦闘に耐えることで解放してあげようという気にならないだろうか?
ここでイギリスの元首相、ウィンストンチャーチルの言葉を引用して絞めとしたい。私のつたない訳で、申し訳ないのだが、一応意味は伝わるかと思う。

Still, if you will not fight for the right when you can easily win without bloodshed; if you will not fight when your victory will be sure and not too costly; you may come to the moment when you have to fight with all the odds against you and only a precarious chance of survival. There may even be a worse case. You may have to fight when there is no hope of victory, because it is better to perish than live as slaves.
敵を血を流さずに容易に倒せる時に戦わなければ、勝利を得ることが確実で損失が大きくない時に戦わなければ、いずれ、勝てる可能性がほとんどなく生きてかえれるわずかな希望しかない戦いをしなければならない時がくるだろう。もっとひどい場合には勝つ望みが全くない戦いをしなければならないときが来るかもしれない。なぜなら奴隷となって生きるくらいなら、果てるほうがましだだからである。
Sir Winston Churchill, the Gathering Storm, 1948

関連記事:グローバル・アメリカ政論、北朝鮮核実験と米国極東外交:イランも視野に!


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気違い国家北朝鮮の核兵器妄想

昨日私はアメリカによる北朝鮮への軍事攻撃について書いたが、アメリカが北朝鮮を攻めた場合、北朝鮮が国境を超えて韓国侵略をするのはまず間違いないだろう。にもかかわらずこれまでの韓国の行動は非常に不可解である。依存症の独り言で、板さんも、今回の北朝鮮の実験は韓国のノムヒョン大統領に大きな責任があるとおっしゃっている。北朝鮮が核兵器を持つことで一番悪影響を受けるはずの韓国が、本来なら同盟国の米国や日本の意向を無視し、これまで北朝鮮を中国よりもかばってきた行為が北朝鮮をつけあがらせる結果となったのである。
以下はアメリカの外交問題評議会が9日の実験直前の3日に行ったインタビューだが、北朝鮮が実際に実験を行った場合、各国とも軍事行動を考えるだろうと予測している専門家の意見である。(Council of Forein Relations, CFR)の記事より。(陳胡痒のWorld view さん紹介、陳さんいつもお世話になってます。)

質問:(アメリカによる北朝鮮への軍事攻撃の)最大の害は北による南侵略ですね。

Michael A. Levi:そうです。なんらかの戦争につながるでしょう。しかし北朝鮮が実験を実行した場合、軍事行動となるでしょう。今一番そのような行動をためらっている韓国ですらもそのような対応をすでに何年も話してきていますから。(韓国は)今は姿勢が緩和してきているかもしれませんが、これは確かに話題に上っています。日本でも話題になってますし、アメリカでも話題になっています。人によっては軍事行動をするなら早い方がいいといいます。しかしこれも複雑です。なにしろ実験が行われるまでは北朝鮮が実際に実験をするかどうか分からないからです。

しかし実験は本当に行われた。実際に核兵器実験が成功したかどうかは問題ではない。北朝鮮がこのような行為にでたことで、世界各国は北朝鮮への厳しい対応を考えるようになった。
前記の板さんのブログより、

ニュースによると、日米は、国連安保理の議題として取りあげることで一致したと言う。ロシアも、安保理の“制裁決議”は避けられないと述べた。もはや、中国も、国連憲章第7章第41条(非軍事的措置)による全面的な経済制裁に反対できないであろう。北朝鮮が、それでも態度を改めない時は、41条から第42条の
軍事的制裁に移行することができる。
北朝鮮は、自らを追い詰めたということだ。もちろん、北朝鮮なりの計算はあるのだろうが、今のところ、どこに勝算を見出そうとしているのかは分らない。もっとも中国が、国連憲章第7章に基づく安保理決議に拒否権を行使する可能性は捨てきれない。が、そうなると、中国も北朝鮮と一緒に孤立することになる。
いま(16:50)聴いたANNニュースによると、日韓首脳会談で、安倍・盧の両首脳は国連憲章第7章に基づく新たな安保理決議が必要であるということで一致したという。やっと盧武鉉くんも目が覚めたということか。

しかしCFRのインタビューでレビ氏(Levi)が語っていたように、北朝鮮が実際に核兵器実験を実施すれば各国がこのような反応を示すことは容易に予測できたはずである。にもかかわらずいったい北朝鮮は何を思って実験を強行したのであろうか? 
その答えは私が昨日ちょっと紹介した金正日の非公式の報道官といわれるKim Myong Chol 氏のコラムを読んでみると理解できるかもしれない。以下Captain’s Quarters紹介のアジアタイムスより。

まず最初に金正日は朝鮮が生んだ類い稀なる歴史上最も偉大な国家的英雄であることを申し上げたい。金が独特なのは彼が朝鮮に米国大陸まで戦を持っていける十分な軍事力を備えたことである。彼の指揮により朝鮮人民共和国は核兵器を所持しそれを大陸間に届けられるまでの政権となった。金はアメリカの長い捕らえ所のない朝鮮への介入を中和する目的を果たし、北と南朝鮮をひとつの傘の下に統一した政権を作ろうとしている。

これまで朝鮮が戦ってきた戦とちがい、次の戦争はアメリカ戦争、または朝鮮人民共和国対合衆国戦争と呼ばれるべきであろう。なぜなら戦争の主な戦場は合衆国本土となり、主要な都市は火の地獄と化すであろう。朝鮮人民共和国はいまやアメリカ、ロシア、中国に次ぐ4番目の強力な大国となったのである。

Kim Myong Chol 氏は北朝鮮には原爆、水爆、長距離ミサイル、などなんでもあり、宇宙衛星も撃ち落とせると息巻いている。であるから今度戦争をやったらこれまでの戦争のように焼け野原になるのは朝鮮半島ではなくアメリカ大陸だと鼻息が荒い。興味深いのは氏が核兵器さえ持っていれば北朝鮮が世界列強の仲間になれると思い込んでいることである。まるで核兵器が魔法でもあるかのようないい分だ。自国の国民が飢え死にしている国が核兵器だけ持って何が大国なのか。氏はさらに北朝鮮が核武装をすれば、アメリカが尻尾をまいてアジアから撤退し、中国が台湾を攻めやすくなるなどと書いているのだから呆れる。
もし氏が金正日の考えを反映しているのだとすれば、金正日は私が考えていたよりずっと精神異常が進んでいるようだ。
このような気違い国家をこのままにしておくのは世界にとっても非常に危ない。アメリカのみならず、日本韓国そして中国も協力して、北朝鮮は今のうちに潰すべきである。


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北朝鮮核兵器実験と日本の核開発

北朝鮮がいよいよ核兵器実験を宣言した。

韓国の通信社、聯合ニュースによると、北朝鮮外務省は三日、朝鮮中央通信など北朝鮮の全メディアを通じ「科学研究部門で今後、安全性が徹底的に保証された核実験をすることになる」との声明を発表した。実験の具体的な日時、場所などには言及していない。北朝鮮が二○○五年二月の核保有宣言後、核実験の実施を公式に表明したのは初めて。これを受け、国連安全保障理事会は同日、北朝鮮の声明について非公式協議を行った。同国に自制を求める議長声明や報道機関向けの声明などを検討しているとみられ、四日午前(日本時間同日深夜)に協議を再開する。

実験に踏み切れば、昨年十一月以降中断している六カ国協議の崩壊は必至。国際社会は反発を強めており、韓国政府は四日に安全保障政策調整会議を緊急招集し、対応を協議する。ただ、今回の声明は米国から譲歩を引き出すためのカードとの見方もあり、実際に実験を強行するかどうかは明らかでない。
声明は「米国の反共和国(北朝鮮)孤立圧殺政策が極限を超え、最悪の状況をもたらし、これ以上、事態が進むことを傍観できない」とした上で、「自衛的戦争抑止力を強化する新たな措置をとる」として核実験実施を宣言した。
北朝鮮は米国の金融制裁を理由に核開発問題をめぐる六カ国協議への参加を拒み、孤立を深めている。今回の声明は国際社会の関心を引くとともに、十一月の米国の中間選挙をにらみ、ブッシュ政権の対北朝鮮政策の失敗をアピールすることも狙いとみられるが、真意は不明だ。

確かにいくら核兵器を持っていると豪語してみても、実際に実験を一度も行っていない以上、国際社会はかなり猜疑心を持ってしまう。この間のテポドン打ち上げも失敗したし、この実験も本当に成功する確率が低いのに実行に移すのはかなり危険な動きだといえる。それだけに実験を行うと宣言したことについて隣接国の日本は黙っているわけにはいかないだろう。
しかし北朝鮮のこうした動きはアメリカや日本を牽制するというより、韓国へ向けた行為だと脱・熱湯欲奮戦記さんは「核実験宣言の意図は?」で語る。

北朝鮮の核実験声明とあまりにもタイミングが良過ぎる事務総長当確の報。北朝鮮が韓国の外交権益拡大を誰よりも望んでいないのは明白なので、核実験も韓国へのけん制が狙いなのだろう。また、前述の日本が中韓への歩み寄りを見せ始めた事やロシアの北方領土返還が前進したことが北朝鮮が外交的孤立を更に深める事に繋がるので、経済制裁も含めそれに関連して核実験を持ち出したとも考えられる。それに加え、近い内に紛争当事者国になる危険性の高い国である事を知りつつも支持をした常任理事国も暗に北朝鮮を煽っている。

のぼせ上がった尊大な韓国人に北朝鮮による正義の鉄槌(笑)が下ることはまず間違いない。実験日時は恐らく日中or日韓首脳会談か事務総長選挙の前後。選挙前に起きた場合はもちろん事務総長の椅子はオジャンである。

北海道新聞の記事によると、挑戦の核実験は中国も面白くないようだ。以下北海道新聞の記事より、

北朝鮮「核実験」宣言 中国は全力阻止 

【北京3日佐々木学】中国政府は、北朝鮮が三日に宣言した核実験の実施を全力で阻止する意向だ。北朝鮮が核実験に踏み切れば、中国が議長を務める六カ国協議の枠組みが崩壊し、自らの経済発展に悪影響を与える北東アジア情勢の不安定化を招くとの考えからだ。
 北朝鮮が七月にミサイルを発射して以来、中国は北朝鮮が核実験を実施することを危惧(きぐ)し、高官の派遣などを通じて説得してきた。北朝鮮を六カ国協議に復帰させ、北朝鮮が最も交渉相手として重視する米国との集中的な協議に持ち込み、核問題を平和的に解決したいと考えている。
 日米など国際社会は、北朝鮮に食糧やエネルギーを支援する中国に対し、核実験阻止に向けた北朝鮮の説得をこれまで以上に期待するのは間違いない。中国は北朝鮮に友好関係の見直しも視野に入れた警告を発しながら働き掛けていく構えだ。

北朝鮮が本気で外交を考えるなら、この核兵器実験は愚かな考えであるが、彼等がアジア諸国にその勢力を誇示したいのであればこれなりの効果はあるかもしれない。だが、下手に実験をするとかえって日本のような国が核兵器開発に走る恐れがある。
保守派ブロガーの間ではこのような意見も見られる。

『日本も核武装やむなし!』Empire of the Sun太陽の帝国

日本の自称・平和主義者はあくまでも外交交渉で!あくまでも9条の平和主義で!などと言ってきたが、平和外交も憲法9条もついに北朝鮮の核開発を止めさせることができなかった!ではないか?

 
しかし日本が核兵器を持つとなると、アメリカがいい気がしないのではないかという意見もある。

安倍新政権、核兵器開発に着手?? グローバル・アメリカン政論

日本が核保有に踏み切ろうものならアメリカにとって歓迎されざる事態である。そうなると日米同盟にひびが入り、スエズからパールハーバーに至るアメリカの戦略に支障をきたす。オーソドックスな理解からすれば、日本が核兵器開発に踏み切る可能性は低い。それではマーキュリー・ニュースはなぜそのような記事を載せたのか?

これは以前にこのブログにもよく投稿してくれるアセアンさんがおっしゃていたのだが、どうも世界には核兵器をもってこそ一人前の国と考える風潮がある。いまや核以外の兵器でも広島/長崎におちた原爆よりも意欲のある爆弾が存在している以上、なにも核兵器を持つだけが能ではなかろう。日本が北朝鮮の核兵器に脅威を感じて軍備強化したいのであれば、もっと弾道ミサイル防衛システム(BMD)の開発に励むべきだろう。
しかし、韓国、北朝鮮、中国への牽制という意味では核開発も悪い考えではない。私は特にアメリカがどうのこうのいうとは思わない。日本が核兵器をもったからといってまさかアメリカに宣戦布告などするわけないし、かえってアメリカの核兵器を積んだ空母艦を受け入れやすくなってアメリカには都合がいいかもしれない。
ともかく、北朝鮮の脅威が刺激になって日本が軍事に力を入れるというなら、それは歓迎すべきことだろう。


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米議会の慰安婦決議案の裏にあるものは?

アメリカの議会で起きたことなのだが、私はぼやきくっくりさんのこのポストを読むまでこの事実を全く知らなかった。
以下産經新聞の記事より:

【ワシントン=山本秀也】中間選挙(来月7日)前の審議が9月末に実質的に終了したことで、米下院国際関係委員会を通過していた慰安婦問題に関する対日非難決議案は、本会議では議案にならないまま、採択されない見通しが強まっている。米議会関係者に対する日本側の説得が功を奏した格好だ。

決議案の旗振り役、レーン・エバンス議員(民主党)の事務所は産経新聞に「決議案を支持する24人の議員と下院議長に採決を求めている」と述べ、中間選挙後に招集される残り任期の消化日程を使ってなお採択を目指す考えを示した。(略)
慰安婦問題に関する対日非難決議案はこの10年間、米議会に提出されては立ち消えになってきた。今回はエバンス議員の“引退議案”となり、人権問題に関心の強いクリストファー・スミス議員(共和党)が共同提案に加わるなど超党派の支持を集め、9月13日の委員会通過にこぎつけた。
駐米日本大使館の議会担当者は「決議案が提出された今年4月から注視し、関係先に働きかけてきた」と打ち明ける。委員会では議会の思惑が絡む採決を省略して複数の議案を一括する形で採択されたが、最後の関門となる本会議では議案にもなっていない。
決議案の採択を訴える韓国系移民グループは、下院議長らに請願の手紙を送る運動を全米規模で展開した。米政府が8月に公表した昨年の人口統計によると、韓国系移民は全米で約125万人に膨れ上がっており、80年代半ばからほぼ倍増。今回の決議案を支持したマイク・ホンダら3議員はいずれも韓国系移民が急増しているカリフォルニア州選出だった。

決議案の内容はぼやきくっくりさんが紹介してくださっているが、この決議案が日本に求めていることは次の四つだ。

  • (1)1930年代から第二次世界大戦までアジアと太平洋諸島を植民地支配した期間、世界が「慰安婦」として知るようになる、若い女性を性奴隷としたことの責任を公式に認め、受け入れること。
  • (2)この人道に反する恐ろしい犯罪について、現在と未来の世代に教育すること。
  • (3)慰安婦強制連行はなかったとする主張に、公式に、強く、繰り返し反駁すること。
  • (4)「慰安婦」問題に関する国連、及びアムネスティー・インターナショナルの勧告に従うこと。
  • 私はあえてここで慰安婦強制連行が実際に起きたかどうかという議論は避ける。だが実際に起きたことかどうかは別として、私にはどうも合点がいかない。どうして今さら60年以上も前の出来事、しかも日本の前政権時代に起きたことを掘り起こして対日非難決議など通さなければならないのだろう。第一、慰安婦問題は韓国と日本との問題であってアメリカには関係がないはずだ。このような決議を米議会が通せば日米間の関係に亀裂を及ぼすことになり、前政権の過ちを現政権につぐなわせるようなことになれば、イランや北朝鮮の問題で重要な同盟国である日本の協力を失いかねない。このような議決はアメリカにとって害あって益なしである。
    在米韓国人の間で地元の議員に圧力をかけての議案だというが、いったい在米韓国人の目的は何なのであろうか?日本に慰安婦問題を認めさせ学校などでそれを教えることで、いったい韓国と日本との間でどのような利益があるというのだろう?
    そんな話をミスター苺としていたら、「そりゃあ、君、明白だよ。北朝鮮の陰謀だ。」と言われた。確かにアメリカと日本の間に亀裂が生まれることで利益を得る国は北朝鮮だろう。北朝鮮は韓国はなんとか丸め込んだが、アメリカと日本からの圧力をそう簡単に振払うことができないでいる。だから日本とアメリカの間を冷たくすることで、二か国の協力関係による圧力を弱めようという魂胆なのだろう。だから在米の韓国人たちは北朝鮮の工作員にうまく利用されているのかもしれない。
    そして民主党の下院議員は地元移民たちからの票欲しさに、日本を生け贄にしようというのである。政治とはいえなんとも汚いやり方だ。とにかく決議案が見送られたことは幸いだった。今後もこのような議決が通らないように心して見守る必要がありそうだ。


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    米左翼による言論弾圧手法

    この間私は『言論弾圧をする危険な日本右翼の台頭』で、外務省の日本国際問題研究所の英文編集長の玉本偉氏のオンラインジャーナルの内容について抗議した産経新聞の古森義久氏の行動を例にあげて、ワシントンポストが日本では右翼台頭による思想弾圧が横行しているという記事をかいたことを紹介した。
    このワシントンポストの記事については依存症の独り言さんが詳しい分析をしておられる。

    ワシントン・ポストに寄せられた批判論文の内容は、「言論封殺」などというレベルのものではない。タイトルからして、「日本の思想警察の台頭」である。つまり、今の日本が言論や思想を統制する方向に進んでいると警告しているのである。

    この批判論文の筆者・Steven Clemons氏は、今の日本の政治について、「1930年代の軍国主義と天皇崇拝と思想統制を熱望する暴力的な極右活動家グループが、更なる主流の中へと移動を始めた」と書く。加藤紘一氏の実家が放火された事件も、この流れの中で捉えている。つまり、Clemons氏にかかると、日本の「普通の国」になろうとする動きも、行動右翼(街宣右翼)のそれと同じになってしまうのである。そしてClemons氏は、産経新聞や古森氏が行動右翼を刺激し、彼らによる言論封殺を勇気づけているとまで書いている。
    まったくの誤解、というより無知と偏見に基づく的外れな誹謗にすぎないのだ

    依存症さんは、クレモンス氏が「無知と偏見」にもとずいた「的外れな誹謗」をしているとおっしゃるが、クレモンス氏は十分に自分が書いていることが「的外れな誹謗」であること心得ている、いわゆる確信犯なのである。彼には反対派を「右翼テロを促進している」と攻めることによって黙らせようという魂胆があるのである。
    この間もちょっと書いたが、アメリカの左翼連中は自分らの意見を批判されるとすぐに反対派から「脅迫状を受け取った」と騒ぎ立て、自分達の言論の自由が迫害されていると主張する傾向がある。彼等は自分らに反対するひとたちは暴力的な過激派であるという印象を作り出したいのである。だから反対派の正当な反論を「言論の自由を迫害する」「人種差別」などと批判し、挙げ句の果てには「ファシスト」などというレッテルを貼って黙らせようとするのである。
    言論の自由とはなんでも好き勝手なことをいって誰からも批判されないという意味では決してない。おおやけの場所で意見を述べたならそれが公に批判されるのは当たり前だ、それを受けて立てないなら最初から発言すべきではない。
    以前にも元カントリーウエスタンの人気バンドで、イラク戦争前夜にロンドンで大統領の悪口をいって人気がた落ちになったデキシーチックスという女性たちの話をしたことがある。彼女たちは人気バンドであるという地位を利用してコンサート会場で政治声明を発表した。にもかかわらず、その後に集まった批判の声に大して彼女たちは「言論弾圧だ」と大騒ぎをした。その例として「脅迫状を受け取った」という決まり文句があったことはいうまでもない。
    またイラク戦争で息子を亡くしたシンディ·シーハンという女性は、息子の戦死を利用して反ブッシュ政権のプロパガンダをまき散らしておきながら、ちょっとでも批判されると「戦争で息子を亡くしたかわいそうな母親を攻める冷血非道な保守派」というレッテルを相手に張って反対意見を弾圧する。保守派の政治評論家アン·コルター女史などは、シーハン夫人ほど息子の死を楽しんでいるひとも少ない、と辛辣な批判をして左翼連中から「不謹慎だ」ど大避難を浴びた。
    思想警察だの言論弾圧だのを本当にしているのは、このような言葉を使って右翼を黙らせようとしている左翼連中である。これは昨日も911ドラマ、民主党が放映妨害で書いた通り、911事件のテレビドラマ放映の妨害に躍起になっているのは右翼ではなく、クリントン元大統領をはじめ民主党の左翼連中であることが物語っている。
    日本が「普通の国」になろうとしている今日、今後もこのような米国左翼による本格的な攻撃がされることを覚悟しておくべきだろう。このような攻撃に立ち向かうためには、米国左翼メディアの言論弾圧手法を十分に心得ておくべきである。アメリカでこのような左翼の言論弾圧に長年苦しめられてきたアメリカ保守派として、私が少しでもお役に立てれば幸いである。
    日本にとってもアメリカにとっても、本当の敵は左翼による思想統制である、右翼台頭などではない。
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    『言論弾圧をする危険な日本右翼の台頭』

    最初にいっておくが、私は日本国内の政治的な動きや世論というものを正しく把握していない。だからこれから話すことはすべてワシントンポストのSteven Clemons氏の記事をもとにしたものである。
    はっきり言って、クレモント氏の書き方には日本の右翼に対する偏見を感じるので、できることならば、日本の保守派の人々から反論を伺いたい。翻訳はChupika Szpinakさんのサイトからお借りしたが、カタカナ表示になっていた人名と英語のままになっていた組織名や肩書きは検索可能な範囲で漢字に変換させてもらった。

    8月12日に、古森義久氏(ウルトラ保守派の産経新聞のワシントン駐在論説委員)が、の玉本偉氏による記事を攻撃した(Commentary という日本国際問題研究所のオンラインジャーナル英文編集長)。その記事は、反中国で(中国への)恐怖をあおり、日本の戦没者に敬意を表している神社への公式訪問に表れる、日本の声高な新しい「タカ派的ナショナリズム」の出現に対する懸念を表明していた。古森はその文章を「反日」ときめつけ、その主流派の著者を「過激な左翼知識人」として攻撃した。(カカシ注:産經新聞をウルトラ保守派と呼ぶところに著者の左翼よりの偏見がちらつく)
    しかし、古森はそこで止まらなかった。古森は、靖国が第二次大戦の戦犯たちを称賛してるとする中国の抗議に逆らって靖国神社を毎年訪問する小泉純一郎首相に、あえて挑戦するように疑問を呈する著者を、税金を使って支援したことに対して、研究所の理事長である佐藤に謝罪を要求した。
    注目すべきことに、佐藤はそれに応じてしまった。24時間以内に、彼はCommentaryを閉鎖し、過去のすべてのコンテンツをサイトから消去してしまった。Commentaryは、日本の外交政策とナショナル・アイデンティティへの挑戦についての率直な議論の場でなければならない、という佐藤自身の声明すらも消してしまった。そしてまた、佐藤は、許しを請い、Commentaryの編集管理の完全なるオーバーホールを約束する手紙を産経論説部に送った。

    ワシントンポストはこのようなことは日本の過去の歴史を考えれば驚くべきことでもなく、1930年代の軍国主義が復活しつつあり、意見の違う人間を暴力をつかって威嚇する右翼勢力が台頭しつつあると語る。クレモンズ氏は犬養首相が1932年に右翼活動家によって暗殺されたことを例にあげ、日本にはこのような風潮が昔からあったと書く。

    ちょうど先週、それらの過激派の一人が、今年、小泉の靖国訪問の決断を批判してきた、以前は首相候補でもあった加藤紘一の実家を焼き払った。数年前、フジゼロックス重役で会長の小林陽太郎氏の自宅が、小泉は靖国訪問をやめるべきとの意見を表明した後、手製の焼夷弾のターゲットにされた。爆弾は処理されたが、コバヤシは死の脅迫を受けつづけた。その圧力は効果的だった。彼が率いる大きなビジネス団体は、小泉の中国に対するタカ派的姿勢と靖国訪問への批判を撤回した。そして、現在も、小林はボディガードなしでは移動しない。
    2003年、当時の副外相の田中ヒトシ氏は、自宅で時限爆弾を発見した。彼は、巷で北朝鮮に対して軟弱だと言われていたのでターゲットにされた。その後、保守派の東京都知事、石原慎太郎氏はスピーチで「田中は『自業自得』だ」と主張した。
    自由な思考が脅迫に遭遇する」またの事例は、国際的に尊敬されている慶応大学名誉教授の小岩澄子に関わるもの。去年の二月に、彼女が、日本の大多数は女系天皇を支持する準備ができてると示唆する記事を発表した後、右翼活動家たちは彼女を脅迫した。彼女は撤回を表明し、現在伝えられるところでは、うずくまっている…。

    クレモント氏は、ほかにも多数の政治学者や評論家から右翼団体から脅迫を受け自由に意見を発表できないという訴えを聞いたという。
    ここではっきり言っておく。私はどんな場合でもテロ行為は絶対に許されないと考える。それがたとえ私の大嫌いな左翼非国民マイケル·ムーア監督にたいして行われたものであったとしても、私は絶対に支持しない。断固非難する。だからこの間の加藤氏の自宅と事務所が放火された件いおいて、一部の右翼ブログなどで犯人の行動を擁護するような意見が述べられたことははなはだ遺憾である。
    しかし、日本において右翼団体による暴力的な威嚇がどれだけ行われているのかその実態を私はよく知らない。私は日本の右翼の人たちとはかなり相通ずる気持ちを持っているので、このようなことは極々一部の例で、クレモント氏が大げさにかき立てているのだと思いたい。
    だが、もしクレモント氏の書いていることが真実であったとして、私が一番驚くことは、過激派右翼の暴力行為よりも日本の左翼の腰抜けぶりである。これはクレモント氏自身も書いている。

    今日の右翼による脅迫について、何が危険信号を発して(alarming)て問題かというと、それが効果的だということと、そして、右翼を相互補完するようなもの(mutualism)がメディアに存在すること。

    脅迫者は弱い相手を標的にする。テロリストに妥協をすればテロはより激しくなるだけである。小森氏に謝罪をもとめられた程度でオンラインジャーナルを廃止してしまうなど、佐藤氏の腰抜けぶりにはあきれる。自分の書いたことに信念をもっているなら、コメントを書いた玉本さんも抗議の声明文くらい出すべきだ。
    たとえ命の危険を感じても正しいことは貫き通さねばならない。もし脅迫状をもらったのなら警察に届け出てボディガードを雇うくらいのことはすべきであるし、脅迫状をもらった事実を公表すべきであろう。もし日本で学者が政治評論家が暴力的報復をおそれて自由にものをいえない状況になっているのだとしたら、これは由々しき事態である。
    そして良識ある右翼の人々は、このようなけしからん過激派が暴力行為に出た場合、石原さんがいったような「自業自得」などといってないで、断じてテロ行為を批難すべきだ。日本の右翼は軍国主義などめざしていない、暴力で他人を威嚇するやり方は支持しないと国民に訴えるべきである。
    ところで片方だけのいい分を載せるのは不公平なので、ここで小森氏の声明ものせておこう。

    外務省管轄下の日本国際問題研究所(JIIA)が今春から始めた英文での「JIIAコメンタリー」は時宜を得た発信だと思った…
    ところがその論文のいくつかを読んで、びっくり仰天した。日本の政府与党や多数派の考え方を危険として一方的に断罪し、中国などの日本攻撃をそのまま正しいかのように位置づける論旨なのだ。
    5月記載分の「日本はいかに中国を想像し、自国を見るか」という題の論文をみよう。冒頭に以下の記述がある。

    (外国の)日本ウオッチャーたちはますます日本の対中政策を愚かで挑発的、独善、不当だとみなし、中日関係の悪化を日本のせいだと非難している。しかし日本国内では日本がナショナリスティックで軍国主義的でタカ派的だと(諸外国で)認識されていることへの意識がほとんどない

    この論文はいまの日本で多数派の意見といえる日本の安全保障面での「普通の国」らしい方向への動きを「タカ派的ナショナリスト」の危険な策動と断じ、非難することが主眼となっている。
    その英語の文章は靖国神社の参拝支持を「靖国カルト」と評するような偏向言語に満ちている。カルトとはオウム真理教のような狂信的宗教集団を意味する断罪言葉である。
    同論文には日本の現実派の思考を「反歴史的想像」と呼び、戦後の日本国民の戦争観を「記憶喪失症」と断ずるなど、全体として米欧の左派系や中国の日本たたきに頻繁に使われる扇情的、情緒的なののしり言葉があまりに多い。この点では「反日」と呼べる論文なのである。
    元国連大使の外務官僚だった佐藤行雄氏を理事長とする日本国際問題研究所は日本政府の補助金で運営される公的機関である。その対外発信は日本の政府や与党、さらには国民多数派の公式見解とみなされがちである。
    この論文の筆者の名をみて、さらに仰天すると同時に、ある面、納得した。国際問題研究所の英文編集長の玉本偉氏だというのだ。玉本氏は在住の長い米国のその筋では知る人ぞ知る、日本政府の対外政策をたたいてきた過激な左派学者である。
    2003年のワシントンでのセミナーで「北朝鮮の拉致問題というのはすでに解決ずみであり、日本側は対外強攻策の口実にしているだけだ」とか「日本の自衛隊はイラクに派遣されるべきでなく、また派遣は絶対に実現しない」などと断言するのを私もまのあたりに聞いた。

    この声明文を読む限り、小森氏のいってることがそれほどおかしいとは思えない。クレモント氏も小森氏が直接佐藤氏を脅迫したなどとは書いていない。だが小森氏の言葉が過激派を元気づけるというのである。はっきりいってそういういい方そのものが右翼を黙らせようという左翼の陰謀のようにも聞こえるがね。
    アメリカの左翼の手口にかなりならされてる私なので、この記事はかなり眉唾だと私は考える。だが、事実を知らない以上いまはなんともいえない。できれば読者の皆様からのご意見でこの疑問に光をあてていただきたいものだ。
    付け足し: ミスター苺によると、左翼はなにかと右翼から「脅迫状」をもらったと言い張るのが常套手段なので、実際に脅迫状が公開され警察の取り調べが行われているという証拠でもない限り信じないそうだ。だからこの新聞記事にかかれている右翼による脅迫もどこまで本当か疑問である。
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    小泉首相アジアの圧力に立ち向かう!

    昨日の小泉首相の靖国神社参詣の話をミスター苺に説明していたら、ミスター苺が我々苺畑夫婦で経営している英語のブログ、Big Lizardsに書けというので、色々調べものなどをしているうちに、なんだ、なんだこれは〜!というほど日本はアジアに貢献しているという事実をまたまた改めて学んでしまった。せっかく英語で書いた記事、このままではもったいないので日本語に訳してこちらにも載せることにする。ただアジアの事情に詳しくない人のために書いているので、読者のみなさんはすでにご存じのことも多いと思うが、ご了承いただきたい。題して「小泉首相アジアの圧力に立ち向かう」。
    *******
    さる月曜日、日本の小泉首相は問題多い靖国と呼ばれる神道の神社に戦没者の霊を慰めるべく参詣した。この神社が問題が多いといのも、靖国は大日本帝国のシンボルであり、ドイツのビットバルグ霊園のように戦犯者を含む多くの英霊が眠る場所だからである。
    APニュースより

    東京(AP)小泉純一郎首相は退任を一か月後に控え、火曜日東京にある戦争記念碑で軍国主義のシンボルと忌み嫌われる神社への参詣をし、近隣諸国との崩壊する関係をさらに悪化させた。
    今回で6回目になる靖国神社への小泉首相の参詣は8月15日という日本にとっては悲しい第二次世界大戦降参記念日であるが、日本の占領から解放された日としてアジア諸国では祝われる日であることから, 強い反響を呼んだ。
    早朝の参詣は日本の占領によって深く苦しんだ中国と韓国からの抗議を促した。(カカシ注:もっとも1950年から60年にかけての中共の自国民に対する虐待とは比較にならない)これらの諸国は日本の250万の英霊のをまつる神社は戦犯を美化すると見ている。(天南門の犠牲者を美化しているように?)

    いつもどおり中国と韓国は怒っている。

    韓国のノムヒョン大統領はこれを「日本が過去の過ちを繰り返さないと保証すべき」と日本の大使を呼び寄せて公式に抗議した。

    北京では旗を降りながら抗議をする人々が日本大使館の前で集まり、中国のリ·ザオシング外相は小泉首相が「頑固」に神社訪問したことを批判した。外相はさらに日本大使を呼び寄せ抗議を発表した。

    ここでは触れられていないが、北朝鮮もなにかいい分があるだろう。いつも何かしらいってくるから。1945年に完全崩壊した日本の軍事独裁政権が1930年かから1940年にかけて諸外国で行った暴力行為に対して、日本政府が謝ったことがないとか賠償金をはらったことがないという考えは東洋社会では信仰のようになっている。
    日本は悔い改めたことがない、と彼等はいう。日本はアジアを制覇しようという大志を捨てていない。機会さえあればまた武装して近隣諸国を脅かすだろう。靖国神社参詣は東洋諸国へのさらなる侮辱である、というのだ。
    だが中京や北朝鮮の人権迫害の歴史を考えると、彼等が日本のことをどうこう言えた義理ではない。また最近の韓国の竹島にかんする侮辱的な振る舞いからして、彼等が気分を害したからといって同情の涙など流す気分にはなれない。
    だがそれは別として、日本が謝罪したことがないというのは完全に嘘である。それどころか、日本の指導者たちは、現天皇も含め、これまで何回も謝り続けてきているのである。

    1990年5月: 韓国のロ大統領は三日に渡る日本訪問の旅から帰国した。この間アカヒト天皇は1910年から1945年までの日本軍による挑戦占領について後悔の念を明らかにした。海部首相もまた「正直な謝罪」を表明した。

    1998年11月: 日本の小渕首相は日本を訪問中の中国のジャングゼミング大統領に「過去の歴史において中国を侵略し中国に損害と苦しみをもたらしたことに責任を感じ心が痛む。日本側から深い後悔の気持ちを表明したい」と述べた。
    2005年4月:日本の首相は金曜日第二次世界大戦における日本のアジア侵攻について謝罪した、、、

    日本がこのような事実を指摘すると、中国や南北朝鮮は「謝ったことがない」からいままでしたことがないといっていた謝罪から「誠実性が感じられない」となるのである。口ではなんとでもいえる。態度で示せ、態度で、というわけだ。
    だが「態度で示す」とはどういうことか。これは決して靖国神社参詣云々のことではない。彼等が苦情をいう本当の動機はもっと腹黒いものである。彼等を問いつめれば彼等は言うであろう。日本が60年前に破壊したものを賠償しろと。日本は中国や韓国、北朝鮮にたいしていままでなにもしていない、本当に、本当に、申し訳ないという態度をしめしていない、と。
    その通り。賠償。金である。これはすべて金の問題なのだ。だが読者が日本が賠償金を全く払ったことがないと思うなら再考いただきたい。
    日本は外国への資金援助においては1980年初期から世界でアメリカに次いで二位の国である。そしてこのODAと呼ばれる日本からの援助資金を二番目に多く受け取っているのが誰あろう中共なのである。

    2003年9月のアジアタイムスより、

    1999年度、日本からのは中国への援助金は10億2千ドルをこえた。中国はこれでインドネシアに次いで最高の受けとり国となった。しかしインドネシアにくらべ中国は国際社会の一員としての存在を拡大するために資金を使っている。
    しかし中国は融資された金額のほとんどをすでに強力な軍事をさらに拡大するために使っていることから、日本の経済学者らによって構成される委員会は政府による中国へのODA政策を考え直すよう強く薦めた。
    当時の塩川外相も中国をはじめ核兵器を持つ諸国へのODAを削減する計画を提案した。「核兵器で日本を攻撃する可能性のある国を援助するのはおかしい。」と氏は語った。

    近年における中国の反日感情の高揚はもしかして日本からの資金援助が減ることへの懸念からくるものではないのだろうか?
    さらに韓国はというと、同記事には朝鮮半島の平和と富を高めるため日本はアメリカがヨーロッパでおこなったマーシャル計画のようなものをもうけるべきだと韓国の経済学者は提案したとある。 マーシャル計画で運用された資金は130億ドル。現在のお金に換算すると1300億ドル! (それだけ払ったら竹島は返してくれるのかね。)
    これに加えて日本はすでに北朝鮮に人道的な資金援助をしているが、北がそれを何に使っているのかはだいたいの想像がつく。
    これらの諸国がやっていることは単なる恐喝である。日本の国民がすでに遠い先祖が作ったツケを払わされ、その事実を認識すらされてないという事実にはいい加減うんざりしてきていることを彼等は知っているのだ。東洋諸国は日本が援助を完全に中止することを恐れているのである。なにせ中国や韓国、朝鮮などでは子供たちは日本がどれだけ悪い国で一度も謝ったことがなく、(61年も前にアメリカ軍の落とした二つの核爆弾で完全崩壊した)政権の破壊したものへの賠償金すら払っていないと教えられ、自分らの町にある道や橋が日本のお金によってたてられたことなどなにも告げられていないのである。
    日本はもうなにも謝ることなど残っていない。世界中のすねかじりに金をはらってやる義理もない。日本の首相が自国の英霊に祈りを捧げたければ彼の好きな時にやるべきである。日本は自由の国なのだから。
    日本を何かと批判する諸国とは違ってね。


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    当惑する韓国の反日感情

    私の日本情報はどこで得るかというとこれがなんと浜村淳さんの、「ありがとう浜村淳です」という毎日放送のラジオ番組。私の出身は関東なので日本にいた頃はきいたことなどなかったのに、ここ数年インターネットのラジオですっかり浜村さんにはまってしまった。ははは、、
    そんなことはどうでもいいのだが、本日の放送で浜村さんが韓国のノムヒョン大統領の異常なまでの反日ぶりに首を傾げておられた。このあいだの朝鮮戦争開戦56周年にあたる25日に歴代大統領は北朝鮮の脅威を述べるのが伝統となっていたのに、ノムヒョン大統領は突然豊臣秀吉の朝鮮侵略の話をはじめた。

    「毎年、この日が来ると我が国の歴史を振り返って複雑な心境になる」と述べ、「例えば1592年、我が国は日本に踏みにじられ、あらゆる侮辱を受けた。中国からも2000年の間、何度となく侵略を受けた」と、豊臣秀吉が朝鮮半島を攻めた「文禄・慶長の役」までさかのぼって「受難の民族史」を強調した。

    また韓国で公開された反日映画「韓半島」は韓国政府の御墨付きで韓国軍の全面的な協力があるなど、最近の韓国政府の親北反日ぶりは本当に当惑する。

    『韓半島』
    監督:カン・ウソク、製作:シネマサービス、主演:チョ・ジェヒョン、チャ・インピョ、アン・ソンギ、カン・シンイル

    南北統一の日が近づく近未来。だが日本は妨害に出て韓半島(朝鮮半島)を危機に陥れる。カルチャーセンターを転々としていた歴史学者、チェ・ミンジェ (チョ・ジェヒョン)はその荒波の渦に100年以上隠されて来た歴史の秘密を暴かなければならない責任を負うことになる。後輩の歴史学者イ・サンヒョン (チャ・インピョ)と勇気ある大統領(アン・ソンギ)も危機に陥った韓半島を救うために立ち上がる。

    共産主義の国、北朝鮮と手を結ぶのにこれまで韓国映画をたくさん買ってくれて韓国の観光産業をいっぺんに潤わせてくれた日本は敵に回すというわけね。うちの母などなんとかいう韓国人俳優のポスターを自家用車のダッシュボードにはりつけて毎日運転しているというのに、韓国映画界は日本様様ではないか、それがこの裏切りはなんだろう。
    いや映画がこうなるのも指導者たるノムヒョンさんは、日本の拉致被害者の家族が韓国へいっても冷たい態度をとるし、韓国の拉致被害者家族への配慮もない。このあいだの北のミサイル発射だってノムヒョン大統領は日本やアメリカの反応が過剰だとすら批判していた。こうした大統領の態度には朝鮮日報の社説が強く批難している。

    19日に開かれた安保関係長官会議において、盧武鉉大統領は北朝鮮ミサイル対策に関し、「実際の状況以上に過剰に対応したり、不必要な緊張と対決局面を作り出す一部の動きは問題解決にプラスにならない。特にわれわれが置かれた立場に照らして留意すべき部分だ」と述べた。

    また、盧大統領は「現在は状況の本質を冷静に分析し、関連国の間で認識の共有を進め、根本的な解決のためのアプローチ方法を講究するのが何よりも重要だ」とも述べた…
    しかし、一体何を指して過剰対応だとしているのだろうか。日本の首相が自国の領土を射程に収める北朝鮮のミサイルが発射されたのを受け、早朝から状況を点検したのが過剰対応だというのであろうか…
    大統領は北朝鮮ミサイル問題に対し、関係国の間で認識を共有しなければならないと述べた。だが、北朝鮮ミサイル問題は韓国と北朝鮮を除けば、類例を捜し出すのが難しいほど関係国間の認識共有がうまくいっている。現在、ミサイル問題について独りよがりな変わった認識をしているのは韓国と北朝鮮だけだ。北朝鮮の「兄弟国」である中国さえも国連安保理決議案に賛成し、中国主席はこの決議案を支持するという意志を再度表明している。
    大統領の発言は事実を正反対にひっくり返すものだ。現在、韓国が北東アジアでのけ者にされ、世界の迷子になってしまった原因は、韓国が北朝鮮ミサイル発射の第一の当事者であるにもかかわらず、拱手傍観で一貫してきたことにある。その結果、韓国と北朝鮮、言い換えれば「わが民族同士」を叫ぶ南と北だけが世界で孤立してしまったのだ。それにもかかわらず、大統領は世界の過剰対応が問題だとしている。

    韓国にとっては日本やアメリカのほうが中国や北朝鮮などよりずっと頼もしい同盟国のはず。血がつながっているからなんていうくだらない感情に負けて自由主義を捨てるような危険をおかすべきではない。
    私の同僚に以前韓国の非武装地帯で戦車を運転していた元米軍陸軍兵がいる。彼らの戦車にはアメリカ兵3人と韓国兵が一人乗り込むのが通常だったが、韓国兵はよく北朝鮮の兄弟に攻撃をしかける気はないといったという。それで私の同僚はもし打ち合いが始まったら最初に韓国兵を戦車から追い出すといっていた。敵をのせたまま戦争はできんからね。
    しかしそんな韓国も今回の国連決議には日本がめずらしく背骨をみせたおかげで、諸外国の圧力に負けてしぶしぶながら同意せざるおえなかったが、これをうけて北朝鮮はすぐさま離散家族再会事業の中断を一方的に宣言した。
    いくら韓国がご機嫌をとって北朝鮮を「我が民族」などと呼んでみて、北朝鮮は韓国など屁とも思っていないのであろう。ノムヒョン大統領のお人好しを利用して韓国を乗っ取ってやろうというくらいにしか思っていないはずである。北朝鮮の兄弟愛などしょせんこんなもんである。韓国は本当の味方をみきわめるべきだ。


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    イスラエルから学ぶ北朝鮮問題

    日本の右翼系の政治ブログを読んでいて気が付くことは、この間の北朝鮮のミサイル実験や竹島を巡る韓国とのいざこざなどに対して日本は北朝鮮に先制攻撃をすべきであるとか、韓国に武力でも立ち向かうべきだとかいうひとたちが、なぜかパレスチナに対するイスラエルの応戦となると、行き過ぎだと批判する傾向があるということだ。
    左翼の自称平和主義の人々がイスラエルの強行手段を批難するならまだなっとくもいくのだが、普段自国の防衛に敏感な右翼の人々がなぜイスラエルの応戦に批判的なのか私には理解に苦しむ。
    イスラエルとパレスチナの紛争は一見日本には無関係のようであるが、防衛問題ということで考えるなら、日本もこの紛争から学ぶことは多々あると思う。
    ここで私はあえてイスラエルがあの土地にイスラエル国を建国するにあたった経過が正当であったとか不当であったとかいう話を避ける。何故ならばもともとあの土地は誰のものであったなどという議論をはじめれば、世界中のどこを探しても決着のつく国など存在しないからである。ヨーロッパなど何世紀にもわたって国境がいくらも書き換えられ、元ソ連傘下にあった東ヨーロッパなどはいまだにそれが続いている。
    私は最初に領土を手に入れた過程が侵略であったにしろ、買収であったにしろ、単に空き地で陣取りした結果だったにしろ、最終的に住民を統治し、外敵から国を守ることができる政府こそ主権国家といえるのだと考える。
    イスラエルは1948年の建国当日からその主権を試されてきた。そしてその後の外敵による度重なる攻撃にたいしてことごとく勝利をおさめ、イスラエル国を死守してきた。外敵から国をまもることこそが主権国家たるものの第一条件である以上、世界中においてイスラエルほど何度もその主権国家の権利を証明した国はない。
    だからイスラエル建国の経過がどうあれ、イスラエルには国を持つ権利があるのであり、その国をどんなやり方をしてでも守り通す権利と責任があるのである。
    それにひきかえパレスチナは歴史上一度もパレスチナ国という主権国家をもったこともなければ、主権国家設立のために努力したこともない。それどころか主権国家を持つ機会を何度も与えられながらそれをすべて拒絶してきた。1967年の6日戦争でイスラエルがパレスチナ領を占領したので、それ以後彼等にできることは抵抗はテロだけだったのだという人もいる。だが、圧倒的武力を有するイスラエルに対して長年に渡るテロ行為はパレスチナを独立の道に導くどころか、貧困と崩壊へと導いているだけだ。
    一年前にイスラエルがガザから撤去した時、パレスチナには主権政府を設立し独立国家への道を歩み始める絶好のチャンスがおとずれた。にもかかわらずパレスチナ市民はイスラエル憎しが先走りして、ハマスなどというテロリストを政権に選び、停戦を宣言しながら、ひたすらイスラエルの民間人をめがけてカッサムミサイルを打込み、ついにはイスラエル領内に潜入してイスラエル兵2名を殺害し一名を拉致するにいたった。
    昔テレビの動物番組をみていて、馬場で走っている馬の後ろを追いかけている犬をみたことがある。最初はこの犬、馬を追いかけてうるさく吠えていただけだったのだが、そのうち犬は興奮して馬の足首に噛み付いたりしてじゃれていた。馬は足並みを早めることでうるさい犬から逃れようとしたが、あまりに犬がしつこいので、ついに後ろ足で犬を蹴っ飛ばした。犬はキャーンと悲鳴をあげて数メートルふっとんでしまった。
    ここで犬はただじゃれていただけなのに、蹴るなんて馬はやり過ぎだといってみても意味がない。自分よりもずっと図体のでかい動物にちょっかいを出してなにも起きない思っているほうが悪いのである。
    さてここでイスラエルの行為が行き過ぎであるとお考えの皆様にイスラエルを日本、パレスチナを北朝鮮と置き換えて考えてみていただきたい。北朝鮮が日本の学校、レストラン、遊園地などといった民間施設を標的に毎日数発のノドンを打ってきたとしよう。ミサイルが当たって被害があることもあれば、空き地に落ちて無害なこともある。それが一年以上も続いたとする。そして何週間に一度の割で北朝鮮の工作員による自動車爆弾や自爆テロ未遂が東京だの大阪だのの都市でおき、時々警備員や民間人が巻き添えになって一回に数十人の死傷者がでたとしよう。また、浜辺をあるいている女学生が拉致されるなどの事件が続出したとしよう。(あ、これはもう起きてたんだっけ?)
    それに対して日本が北朝鮮に抗議をすれば、北朝鮮は日本は過去に朝鮮民族にたいしてひどいことをしたのだから、この程度のことは当たり前だ。拉致被害者を返して欲しかったらもっと経済援助しろと開き直り、なまじ応戦などしたらもっとノドンを打ち込み、日本人を拉致するぞとおどかしたとしよう。
    この段階で日本が北朝鮮のミサイル発射装置を爆破し、軍事基地にミサイル攻撃し、軍首脳部が固まっていると思われる場所に戦車で侵攻して日本の圧倒的軍事力で北朝鮮のインフラを半壊したとして、日本のやり方は行き過ぎだなどと批判するひとはいるだろうか? 北朝鮮の攻撃による日本人の被害など日本の人口のほんの一部なのだから、北朝鮮への応戦はほどほどに自制すべきだなどと諸外国から口を出されて納得する日本人がどれほどいるだろうか? いったいどこの世界に戦闘行為を仕掛けてきた敵が軟弱であったら、こちらもそれにあわせた軟弱な応戦しかしてはいけないなどという取り決めがあるのだ? 
    イスラエルが自国への戦闘行為を多少なりとも許せば、イスラエルを憎んでいるパレスチナだえでなく、近隣諸国にもイスラエルは弱いという印象をあたえてしまう。イスラエルが主権国家をまもるためには、どのような些細な攻撃も許してはならないのだ。たとえ拉致されたのが一等兵ひとりだとしても、イスラエルは徹底的に反撃しなければならないのである。そうしないことは敵を奮い立たせ敵の攻撃を激化させ、いずれ国の存続を脅かすこなるからだ。それが主権国家の防衛というものである。
    日本が北朝鮮のミサイル攻撃や韓国の竹島のっとりを、指をくわえてみていてはいけないのと同じである。


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