気違い国家北朝鮮の核兵器妄想

昨日私はアメリカによる北朝鮮への軍事攻撃について書いたが、アメリカが北朝鮮を攻めた場合、北朝鮮が国境を超えて韓国侵略をするのはまず間違いないだろう。にもかかわらずこれまでの韓国の行動は非常に不可解である。依存症の独り言で、板さんも、今回の北朝鮮の実験は韓国のノムヒョン大統領に大きな責任があるとおっしゃっている。北朝鮮が核兵器を持つことで一番悪影響を受けるはずの韓国が、本来なら同盟国の米国や日本の意向を無視し、これまで北朝鮮を中国よりもかばってきた行為が北朝鮮をつけあがらせる結果となったのである。
以下はアメリカの外交問題評議会が9日の実験直前の3日に行ったインタビューだが、北朝鮮が実際に実験を行った場合、各国とも軍事行動を考えるだろうと予測している専門家の意見である。(Council of Forein Relations, CFR)の記事より。(陳胡痒のWorld view さん紹介、陳さんいつもお世話になってます。)

質問:(アメリカによる北朝鮮への軍事攻撃の)最大の害は北による南侵略ですね。

Michael A. Levi:そうです。なんらかの戦争につながるでしょう。しかし北朝鮮が実験を実行した場合、軍事行動となるでしょう。今一番そのような行動をためらっている韓国ですらもそのような対応をすでに何年も話してきていますから。(韓国は)今は姿勢が緩和してきているかもしれませんが、これは確かに話題に上っています。日本でも話題になってますし、アメリカでも話題になっています。人によっては軍事行動をするなら早い方がいいといいます。しかしこれも複雑です。なにしろ実験が行われるまでは北朝鮮が実際に実験をするかどうか分からないからです。

しかし実験は本当に行われた。実際に核兵器実験が成功したかどうかは問題ではない。北朝鮮がこのような行為にでたことで、世界各国は北朝鮮への厳しい対応を考えるようになった。
前記の板さんのブログより、

ニュースによると、日米は、国連安保理の議題として取りあげることで一致したと言う。ロシアも、安保理の“制裁決議”は避けられないと述べた。もはや、中国も、国連憲章第7章第41条(非軍事的措置)による全面的な経済制裁に反対できないであろう。北朝鮮が、それでも態度を改めない時は、41条から第42条の
軍事的制裁に移行することができる。
北朝鮮は、自らを追い詰めたということだ。もちろん、北朝鮮なりの計算はあるのだろうが、今のところ、どこに勝算を見出そうとしているのかは分らない。もっとも中国が、国連憲章第7章に基づく安保理決議に拒否権を行使する可能性は捨てきれない。が、そうなると、中国も北朝鮮と一緒に孤立することになる。
いま(16:50)聴いたANNニュースによると、日韓首脳会談で、安倍・盧の両首脳は国連憲章第7章に基づく新たな安保理決議が必要であるということで一致したという。やっと盧武鉉くんも目が覚めたということか。

しかしCFRのインタビューでレビ氏(Levi)が語っていたように、北朝鮮が実際に核兵器実験を実施すれば各国がこのような反応を示すことは容易に予測できたはずである。にもかかわらずいったい北朝鮮は何を思って実験を強行したのであろうか? 
その答えは私が昨日ちょっと紹介した金正日の非公式の報道官といわれるKim Myong Chol 氏のコラムを読んでみると理解できるかもしれない。以下Captain’s Quarters紹介のアジアタイムスより。

まず最初に金正日は朝鮮が生んだ類い稀なる歴史上最も偉大な国家的英雄であることを申し上げたい。金が独特なのは彼が朝鮮に米国大陸まで戦を持っていける十分な軍事力を備えたことである。彼の指揮により朝鮮人民共和国は核兵器を所持しそれを大陸間に届けられるまでの政権となった。金はアメリカの長い捕らえ所のない朝鮮への介入を中和する目的を果たし、北と南朝鮮をひとつの傘の下に統一した政権を作ろうとしている。

これまで朝鮮が戦ってきた戦とちがい、次の戦争はアメリカ戦争、または朝鮮人民共和国対合衆国戦争と呼ばれるべきであろう。なぜなら戦争の主な戦場は合衆国本土となり、主要な都市は火の地獄と化すであろう。朝鮮人民共和国はいまやアメリカ、ロシア、中国に次ぐ4番目の強力な大国となったのである。

Kim Myong Chol 氏は北朝鮮には原爆、水爆、長距離ミサイル、などなんでもあり、宇宙衛星も撃ち落とせると息巻いている。であるから今度戦争をやったらこれまでの戦争のように焼け野原になるのは朝鮮半島ではなくアメリカ大陸だと鼻息が荒い。興味深いのは氏が核兵器さえ持っていれば北朝鮮が世界列強の仲間になれると思い込んでいることである。まるで核兵器が魔法でもあるかのようないい分だ。自国の国民が飢え死にしている国が核兵器だけ持って何が大国なのか。氏はさらに北朝鮮が核武装をすれば、アメリカが尻尾をまいてアジアから撤退し、中国が台湾を攻めやすくなるなどと書いているのだから呆れる。
もし氏が金正日の考えを反映しているのだとすれば、金正日は私が考えていたよりずっと精神異常が進んでいるようだ。
このような気違い国家をこのままにしておくのは世界にとっても非常に危ない。アメリカのみならず、日本韓国そして中国も協力して、北朝鮮は今のうちに潰すべきである。


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アメリカは北朝鮮に核を落とすべきか?

北朝鮮の核実験成功発表が本当だったとしたら、近隣諸国の日本、韓国、中国はかなり深刻な立場におかれることになる。日本がどうすべきかということについては多分今日明日中にも多くの日本のブロガーさんたちの意見を聞くことができるとおもうので、在米のカカシとしてはアメリカの立場からこの事件を考えてみたい。
もし、北朝鮮の発表が本当だったとしたら、我々は現在北朝鮮について下記の事実を確認したことになる。

1. 北朝鮮は核兵器技術を所持している。
2. 北朝鮮は長距離ミサイルを持っている。
3. 金正日の非公式な報道員であるキム·ミョング·チョイ(Kim Myong Chol)は北朝鮮が核兵器開発をするのはアメリカの都市を火柱で覆うのが目的だと語ったばかり。

では我々アメリカはどうすればいいのか? アメリカ軍が北朝鮮の核カードを使ったゆすりを受け入れて東洋から撤退するなどあり得ない。かといってなにもせずただじっと座っているわけにもいかない。東洋には何千何万というアメリカ兵が駐在しているのだ。弾道ミサイル防衛システム(BMD)がいくら効果的だといっても守りにばかり頼っている作戦は懸命とはいえない。
北朝鮮から核兵器による威嚇を直接受けている以上、我々の現実的な作戦は今すぐ北朝鮮に攻撃を仕掛けることである。イランと違って北朝鮮国民は決して親米とはいえない。北朝鮮を攻撃することで北朝鮮国民の気分を多少害したとしても我々が気にとめる必要は全くない。
今の段階では攻撃をせずBMDに頼って北朝鮮の出方を待っていたとしても、北朝鮮が実際に核兵器でアメリカ軍を攻撃してくれば、核兵器使用のタブーはそこで終わる。
自国が核兵器によって攻撃された場合、核兵器によって反撃できるということをアメリカは国際社会に見せなければならない。それをしなければ、アメリカは核兵器は持っているが使うだけの根性がないと他の敵から見下される可能性があり、非常に危険である。たとえ核兵器使用がどれほど「残念、無念、遺憾」な行為であろうとも、アメリカはアメリカ国防に最適の対策をとらねばならない。
だが、もし、この実験が核兵器実験でなかったとしたら、、、
アメリカは不思議な立場に立たされることになる。国際社会が北朝鮮を信じたとして、アメリカだけがあれは核兵器ではなかったと主張したならば、世界はアメリカをなんと判断するだろう?
たとえ、国際社会が今回の実験は偽物だったと納得したとして、世界中から糾弾され、諸外国から攻撃の危機にさらされるとわかっていながら、偽の核兵器実験をするような気違い国を世界は放っておくわけにはいかない。やはりこのような気違い国には攻撃をしかけるしかない。
北朝鮮が偽の核兵器実験をするほどの気違いで、しかも核兵器を所持する技術を持ち合わせていないのだとしたら、今こそ北朝鮮を攻める絶好のチャンスではないか。確かチャーチルだったと思うが、もし敵が弱いうにち攻撃する意志がなければ、敵が強くなってから攻めることなどできない。 
北朝鮮が核兵器をもっていようといまいと、アメリカは北朝鮮を今すぐ攻めるべし! ぐずぐずしている暇はない。
アップデート:

北朝鮮の核実験、国際社会への挑発的行為=ホワイトハウス
 [ワシントン 9日 ロイター] 米ホワイトハウスは9日、北朝鮮の核実験は挑発的行為であり、国連安全保障理事会が早急な行動をとることが予想される、との見解を示した。
 スノー報道官は「米国と韓国の情報機関は9日、北朝鮮の核実験場所とみられる地点で地震性の動きを観測した」との声明を発表。「北朝鮮は地下核実験の実施を発表した。北朝鮮の核実験は、国際社会の意志と、北東アジアの緊張を増大させる行為の自制の呼びかけを無視した挑発的行為である」とし、「国連安保理は、この行為に対して速やかな行動をとるだろう」と述べた。
 北朝鮮はこの日、地下核実験が成功したと発表した。
 さらに同報道官は「米国は状況を注視しており、周辺地域の同盟国の防衛に対するコミットメントを再確認する」と述べた。(ロイター) – 10月9日15時43分更新


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ついにやった? 北朝鮮核実験成功を発表!

私はこの間、北朝鮮よりイランのほうが心配だとかいたばかりだったのだが、北朝鮮は本当にイランの先をこしたのだろうか? 私は口で何をいっても、まさか本当にやれるとは思っていなかった。いまでも実際にやったのあどうか私はかなり半信半疑である。もうすでに読者のみなさまは色々なところで読んでおられると思うが一応朝鮮日報の記事より:

北「核実験成功」発表

2006/10/09 12:17
北朝鮮は9日、朝鮮中央通信社の報道を通じ、核実験が成功したと発表した。
中央通信は「わが国の科学研究部門では2006年10月9日に地下核実験を安全に成功させた。科学的計画と綿密な計算により行われた今回の核実験は、放射能流出などの危険は全くなかったことが確認された」と報じた。
これにともない、韓国政府は盧武鉉大統領主宰の緊急安保長官会議を開き、対策を協議しているという。この日の会議には、潘基文(バン・ギムン)外交、イ・ジョンソク統一、尹光雄(ユン・グァンウン)国防長官、ソン・ミンスン大統領府安保政策室長などが出席したと伝えられた。
国家情報院はこれと関連、「咸鏡北道奥地で3.58規模の地震波が探知された」とした。政府の高位当局者は「北朝鮮が9日午前、核実験をしたという情報があり、現在探知している」と述べた。
韓国大統領府「咸鏡北道ファデで地震波感知」
北朝鮮が核実験をしたという情報と関連し、(韓国)大統領府は「韓国地質資源研究院が9日午前10時35分、北朝鮮の咸鏡北道ファデで震度3.57から3.7の地震波を感知した」と確認した。
ユン・テヨン報道官は「この内容はすぐに盧武鉱大統領に報告され、現在緊急関係長官会議が開かれている」と説明した。
ユン報道官はさらに「今回の内容が核実験であると確認された場合、会議は国家安全保障会議に変わることになり、現在関連局と緊急に情報交換している」と付け加えた。

しかし震度で核爆発が本当に起きたのかどうかを分析するのはそう簡単にはいかないようだ。毎日新聞のほうがもう少し詳しい情報を報道している。

<北朝鮮>核実験を実施 中央通信報道 地震波も探知 [ 10月09日 12時52分 ]
北朝鮮外務省は今月3日、「科学研究部門が今後、安全性が徹底的に保証された核実験を実施することになる」と宣言していた。80年代から浮上した北朝鮮の核開発疑惑は核実験によって現実のものとなった。核保有国としては、米英仏中露、インド、パキスタンに続いて8カ国目になる。国際社会は北朝鮮への制裁に踏み切るとみられ、北朝鮮の核問題は緊迫した局面を迎えた…
北朝鮮が実験で使用した核爆弾は、平安北道寧辺(ピョンアンプクドニョンビョン)の実験用黒鉛減速炉(5メガワット)で生成したプルトニウムを原料にしたものと見られる。
北朝鮮は86年1月に黒鉛炉の運転を開始、核兵器開発に着手した。89年春以後に燃料棒を再処理し、核兵器1〜2発分に当たる6〜12キロのプルトニウムを抽出したとみられている。94年10月の米朝枠組み合意を受け、北朝鮮は同炉の運転を停止したが、03年1月に核拡散防止条約(NPT)脱退を宣言したのを機に再稼働させ、同年10月、05年5月の2回、8000本の燃料棒を抜き出して再処理、プルトニウム抽出作業を実施している。
米民間研究機関の分析によると、北朝鮮は核兵器4〜13個分に当たる「20〜53キロ」のプルトニウムを保有していると見られ、今回の実験では、これらのプルトニウムが使用された可能性が高い。
北朝鮮は核兵器の開発、改良に不可欠な核実験に踏み切ることで「核保有国」になり、米国など超大国と交渉する際の「核カード」を持ったことになる。

ミスター苺は、こうなった以上アメリカによる北朝鮮への核兵器攻撃も考慮に入れる必要があるといっている。まさか本当にそんな時期がきたのだろうか?
関連記事:北朝鮮核兵器実験と日本の核開発


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米民主党、アメリカ兵とカナダ兵の制服を取り違える

ちょっと笑える話を読んだので一言。
アメリカ民主党のホームページには、「アメリカ軍人とその家族」というページがある。このページのトップにある横帯の写真の下にGet Involvedと題された写真が載っている。いまいくとこれは星条旗になっているが、昨日までここには軍人の写真が載っていた。しかし軍人は軍人でも軍服がおかしいなあ、と気が付いた人たちがいた。
アメリカ軍人を支援するページだからアメリカ軍人が読んでてすぐに気が付いたのだろう。当たり前だが、、、
LGFによると、この制服はカナダ軍のものなんだそうだ。(笑)アメリカ軍を支援するというページでアメリカ兵の写真も見つけられずに間違えてカナダ兵の写真を載せたとしたら、かなり恥かしい。
民主党が軍隊から支持されないわけだ。


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米共和党:スキャンダルで支持がた落ちと思いきや、、、

アメリカの世論調査を集計しているリアルポリティクス(Real Clear Politics)のジョン·マッケンタイヤー(John Mcintyre)の分析によると、わいせつメールスキャンダルは確かにブッシュ大統領の連続演説のメッセージから話題をそらし、共和党の選挙運動の勢いを弱めはしたが、それほどひどい悪影響は見せていないようだとある。
このスキャンダルで影響を受けた共和党候補者は意外にも保守派ではなく比較的穏健派の候補者のようだ。それというのも、穏健派の出ている地区はもともと民主党支持の強いところであり、共和党候補が勝つとしたら共和党のメッセージが幅広く投票者の耳に届く必要がある。にもかかわらず、大事な選挙運動の2週間がくだらないセックススキャンダルにとられてしまって、彼等の選挙運動がメディアから閉め出されてしまったからだ。もともと苦戦をしていた上院議員候補リック·サントラム(Rick Santorum)氏と マイケル·スティール(Michael Steele)氏の勝てる可能性はほとんどなくなってしまったとマッケンタイヤーは書いている。
しかしこれらの議席はもともと危なかったものなので、このスキャンダルが直接の原因ともいえないらしい。残りの数週間でサントラム氏とスティール氏が挽回できるかどうか、勝利はそれにかかっている。
さて、わが姉妹ブログBig Lizardsのミスター苺(Dafydd)によると、スキャンダルの影響はメディアが騒ぐほどひどいものではないとある。
このスキャンダルで一番民主党やメディアからやり玉に挙げられている共和党議員といえば、下院議員のトム·レノルズ(Tom Reynolds)氏である。フォリー議員のメールについて連絡を受けた最初の二人めがレノルズ議員であり、影響を受けるとしたら彼が一番危ないといえる。ところが最近の世論調査では彼の支持率に動きは見られない。
ただ先週と比べてレノルズ議員は挑戦者デイビス氏に優勢を奪われているので、一見するとスキャンダルがデイビス氏を有利にしたような錯覚を受けるが実はそうではない。
この地区にはもうひとりグリーン党の候補者、クリスティーン·マーフィー( Christine Murphy)氏が出馬していた。彼女を含めた前回の世論調査では、レノルズ氏 (共和)45% , デイビス氏(民主)43%, マーフィー氏(グリーン)8%だった。それがマーフィ氏が事情があって失格したため、レノルズ氏とデイビス氏の一騎討ちとなった今回の世論調査によると、レノルズ45%, デイビス50%と、グリーン党支持者の票が7%もデイビスに移行したことがわかる。
つまり、レノルズ氏の支持率はスキャンダル前後全く変化がないということだ。無論、マーフィー氏の失格によってレノルズ氏が劣勢になたことは問題だ。しかしこの地区はもともと共和党寄りで2004年の選挙では圧倒的にブッシュが勝った地区である。だからレノルズ氏が残りの数週間、基盤である共和党投票者からの支持率を引き上げることに力を入れれば勝てる可能性は多いにある。
今朝カカシの家に知事のシュワちゃんから電話があった。(録音テープだけど、、笑)あのドイツ語訛りの口調でのメッセージ。シュワ知事は圧倒的に優勢なので再当選間違いなしだが、最後の追い込みに励んでいるようだ。
私は声を大にしていいたい、『共和党のみなさん、スキャンダルなど無視してがんばりましょう! 民主党が勝ったらテロリストが勝つことになるのです。』
候補者も投票者も目先のスキャンダルではなく将来のアメリカのことを考えて行動していただきたい。


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日本とイランの石油

イランの核開発は北朝鮮の核開発よりも国際社会には心配だ。北朝鮮は気違いが首相をやっているので、何をやるか分からないという心配はあるが、経済的に行き詰まっている北朝鮮で実際に核兵器開発を成功さえることなどできないと私は踏んでいる。また、北朝鮮が核兵器を使用すればそれは北朝鮮の終わりを意味する。将軍様は気違いでもその参謀らがそれを許すと思えない。金正日が自滅的な行動をとればクーデターになりかねない。
しかしイランの場合、彼等のやり方はかなり周到である。レバノンのヒズボラがイランの先攻特別部隊であることは明らかだし、イラクのサドルもイランの鼻息がかかっている。アフガニスタンやパキスタンで最近勢力を取り戻してきたタリバンも、かなりイランからの支援を受けているという。911にもイラクの関わりよりイランの関わりのほうが大きかったという説もあるくらいで、イランがテロリストを使って世界に及ぼす脅威ははかり知れない。このような国が核兵器を所持するのを自由社会が放っておくのは非常に問題だ。アメリカやイスラエルも核を持っているからいいじゃないか、などという単純な理屈では片付けられない問題なのである。
しかしもしアメリカやイスラエルがイランと戦争をするなどということなったら、日本はかなり苦しい立場に追い込まれる。いや、イランへの経済制裁だけでも日本は大影響を受けるのである。それは日本はイランと共同で油田開発をしているからだ。
私は3年くらい前に日本がイランと油田開発をすることになったという記事を読んで、いや〜な予感がしたのである。これは決していい考えではないとその時思った。しかしそもそも日本が何故イランで油田開発をするようになったのか、このことを毒吐き@テックさんが分かりやすく説明して下さっているので引用したい。(句読点のみ付け加えた)

まず、なんで我が国がイランの油田開発をするようになったか、これはね、覚えてる人もいるかもしれないけど、アラビア石油ってとこが持ってた、カフジ油田(サウジアラビア・クウェート沖)の採掘権、これの延長交渉が2000年に失敗した。ここは1957年からずっとアラビア石油が採掘権を持ってた…
で、その頃はまだ9.11の事件の前だった。アメリカ様はイランのハタミ政権の穏健路線を評価し、イランへの敵視を止める可能性があった。
実は、既にネオコンが力を付け始めてたんで、強硬路線もあるってことに気付かなかったのね、日本はそんなこんなで、日本政府はイランにこだわり、石油業界をアザデガンの開発に参加させることを決めた。
そこに起こったのが、例の9.11事件。ブッシュは小泉さんに対し、イラン? んなもんは、捨て置け、油田開発には調印するなと命令した…イランは、油田の開発権を中国やEUに譲ってしまうと脅した.
さて、ここで国益重視・・・というか、石油業界の意を受けた経産省と、媚米派の外務省の暗闘が始まる。
結果、戦後初めて? それまでアメリカ様に逆らったことのない日本が、エナジー確保という「国益」というか、錦の御旗を掲げて、イランと調印するに到った。

それにしても調印をしたのはすでにイラク戦争が始まってからのことだったと記憶しているが、世界の情勢が見えてないとしか言えない愚かな決断だったと思う。もっとも油田開発という長期計画の必要な企画ではそうそう世界情勢に臨機応変に対応するというわけにはいかない。リビアに経済制裁を加えていたアメリカも、リビアが大量破壊兵器開発をあきらめたことをきっかけに、リビア対策を緩和している傾向がある。それで日本へもリビアとの契約を示唆しているという。そこで日本もリビアと接近しているらしい。

で、日本が何したか知ってる?
去年の3月に、高市センセの元カレと噂されてたりする・・・もと閣僚経験者がリビアに飛んでる
で、結果として、翌月の4月にカダフィの息子のセイフが来日して、小泉さんと会ったんだけど、この間に取った我が国の行動が・・・ちくっとみんなには理解できないかも
何したか・・・
セイフの絵の個展を日本が開いてやった(笑)
こいつの来日にあわせてね
寛仁親王殿下までが駆り出されたんだよ、まったく・・・

ま、オプションは色々あったほうが日本のためだ。悪いことではないと思う。しかしリビアとの交渉がどういう封に進むかまだ完全に未知数である今、イランから原油を買えないという状態になった場合、日本はかなり困るはずだ。
ではイランをどうするのか、次回にその具体策を考えてみたい。


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北朝鮮核兵器実験と日本の核開発

北朝鮮がいよいよ核兵器実験を宣言した。

韓国の通信社、聯合ニュースによると、北朝鮮外務省は三日、朝鮮中央通信など北朝鮮の全メディアを通じ「科学研究部門で今後、安全性が徹底的に保証された核実験をすることになる」との声明を発表した。実験の具体的な日時、場所などには言及していない。北朝鮮が二○○五年二月の核保有宣言後、核実験の実施を公式に表明したのは初めて。これを受け、国連安全保障理事会は同日、北朝鮮の声明について非公式協議を行った。同国に自制を求める議長声明や報道機関向けの声明などを検討しているとみられ、四日午前(日本時間同日深夜)に協議を再開する。

実験に踏み切れば、昨年十一月以降中断している六カ国協議の崩壊は必至。国際社会は反発を強めており、韓国政府は四日に安全保障政策調整会議を緊急招集し、対応を協議する。ただ、今回の声明は米国から譲歩を引き出すためのカードとの見方もあり、実際に実験を強行するかどうかは明らかでない。
声明は「米国の反共和国(北朝鮮)孤立圧殺政策が極限を超え、最悪の状況をもたらし、これ以上、事態が進むことを傍観できない」とした上で、「自衛的戦争抑止力を強化する新たな措置をとる」として核実験実施を宣言した。
北朝鮮は米国の金融制裁を理由に核開発問題をめぐる六カ国協議への参加を拒み、孤立を深めている。今回の声明は国際社会の関心を引くとともに、十一月の米国の中間選挙をにらみ、ブッシュ政権の対北朝鮮政策の失敗をアピールすることも狙いとみられるが、真意は不明だ。

確かにいくら核兵器を持っていると豪語してみても、実際に実験を一度も行っていない以上、国際社会はかなり猜疑心を持ってしまう。この間のテポドン打ち上げも失敗したし、この実験も本当に成功する確率が低いのに実行に移すのはかなり危険な動きだといえる。それだけに実験を行うと宣言したことについて隣接国の日本は黙っているわけにはいかないだろう。
しかし北朝鮮のこうした動きはアメリカや日本を牽制するというより、韓国へ向けた行為だと脱・熱湯欲奮戦記さんは「核実験宣言の意図は?」で語る。

北朝鮮の核実験声明とあまりにもタイミングが良過ぎる事務総長当確の報。北朝鮮が韓国の外交権益拡大を誰よりも望んでいないのは明白なので、核実験も韓国へのけん制が狙いなのだろう。また、前述の日本が中韓への歩み寄りを見せ始めた事やロシアの北方領土返還が前進したことが北朝鮮が外交的孤立を更に深める事に繋がるので、経済制裁も含めそれに関連して核実験を持ち出したとも考えられる。それに加え、近い内に紛争当事者国になる危険性の高い国である事を知りつつも支持をした常任理事国も暗に北朝鮮を煽っている。

のぼせ上がった尊大な韓国人に北朝鮮による正義の鉄槌(笑)が下ることはまず間違いない。実験日時は恐らく日中or日韓首脳会談か事務総長選挙の前後。選挙前に起きた場合はもちろん事務総長の椅子はオジャンである。

北海道新聞の記事によると、挑戦の核実験は中国も面白くないようだ。以下北海道新聞の記事より、

北朝鮮「核実験」宣言 中国は全力阻止 

【北京3日佐々木学】中国政府は、北朝鮮が三日に宣言した核実験の実施を全力で阻止する意向だ。北朝鮮が核実験に踏み切れば、中国が議長を務める六カ国協議の枠組みが崩壊し、自らの経済発展に悪影響を与える北東アジア情勢の不安定化を招くとの考えからだ。
 北朝鮮が七月にミサイルを発射して以来、中国は北朝鮮が核実験を実施することを危惧(きぐ)し、高官の派遣などを通じて説得してきた。北朝鮮を六カ国協議に復帰させ、北朝鮮が最も交渉相手として重視する米国との集中的な協議に持ち込み、核問題を平和的に解決したいと考えている。
 日米など国際社会は、北朝鮮に食糧やエネルギーを支援する中国に対し、核実験阻止に向けた北朝鮮の説得をこれまで以上に期待するのは間違いない。中国は北朝鮮に友好関係の見直しも視野に入れた警告を発しながら働き掛けていく構えだ。

北朝鮮が本気で外交を考えるなら、この核兵器実験は愚かな考えであるが、彼等がアジア諸国にその勢力を誇示したいのであればこれなりの効果はあるかもしれない。だが、下手に実験をするとかえって日本のような国が核兵器開発に走る恐れがある。
保守派ブロガーの間ではこのような意見も見られる。

『日本も核武装やむなし!』Empire of the Sun太陽の帝国

日本の自称・平和主義者はあくまでも外交交渉で!あくまでも9条の平和主義で!などと言ってきたが、平和外交も憲法9条もついに北朝鮮の核開発を止めさせることができなかった!ではないか?

 
しかし日本が核兵器を持つとなると、アメリカがいい気がしないのではないかという意見もある。

安倍新政権、核兵器開発に着手?? グローバル・アメリカン政論

日本が核保有に踏み切ろうものならアメリカにとって歓迎されざる事態である。そうなると日米同盟にひびが入り、スエズからパールハーバーに至るアメリカの戦略に支障をきたす。オーソドックスな理解からすれば、日本が核兵器開発に踏み切る可能性は低い。それではマーキュリー・ニュースはなぜそのような記事を載せたのか?

これは以前にこのブログにもよく投稿してくれるアセアンさんがおっしゃていたのだが、どうも世界には核兵器をもってこそ一人前の国と考える風潮がある。いまや核以外の兵器でも広島/長崎におちた原爆よりも意欲のある爆弾が存在している以上、なにも核兵器を持つだけが能ではなかろう。日本が北朝鮮の核兵器に脅威を感じて軍備強化したいのであれば、もっと弾道ミサイル防衛システム(BMD)の開発に励むべきだろう。
しかし、韓国、北朝鮮、中国への牽制という意味では核開発も悪い考えではない。私は特にアメリカがどうのこうのいうとは思わない。日本が核兵器をもったからといってまさかアメリカに宣戦布告などするわけないし、かえってアメリカの核兵器を積んだ空母艦を受け入れやすくなってアメリカには都合がいいかもしれない。
ともかく、北朝鮮の脅威が刺激になって日本が軍事に力を入れるというなら、それは歓迎すべきことだろう。


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冗談だった? わいせつメール!!!

今日になってドラッジリポートというオンライン新聞に、フォリー議員とのわいせつなチャットは、当時18歳だったページがフォリーをからかうためにオンラインでフォリーを誘惑。わざとフォリーにわいせつチャットをやらせたのだという。IMを保村して友達同士で後で読んで楽しんでいたのが、どういうわけか敵の手に渡ってしまったというのである。
共和党議会が本格的な捜査をはじめると昨日発表したので、恐くなったページの元同僚が新聞に公表したらしい。チャットの相手の男性は自分は同性愛者ではないと言っているそうだ。どうやらすでに弁護士を雇ったようでもあり、近いうちに記者会見でもしてくれると助かるのだが。
もしこれが本当だとしたら、フォリー議員は全く違法行為などしておらず、うまくティーンエージャーにおちょくられてしまった間抜けなおっさんではあるが、性犯罪者などでは全くないことになる。
民主党や左翼メディアが騒ぐのはともかく、保守派の連中まで事実関係もまだハッキリしないのに、ハスター下院議会議長に辞任しろだのと大騒ぎしているのをみて、我々中道派は、「お黙んなさい! 民主党の銃弾与えてどうするの? 選挙に負けてもいいのか?」と叫んできたが、どうやらこのスキャンダル。ことの起こりはジョークだったのかも、、、
だから慌てて騒ぐなっていったでしょうが!
とにかく、フォリー議員が未成年を誘惑したどころか、18歳の大人の男性にからかわれたというだけなら、フォリー氏の面目は丸つぶれだが、共和党には何の責任もない。それなのにまるで共和党全体が性犯罪を隠ぺいしていたかのうような報道や発言をしていた民主党。このおとしまえはどうしてくれるんだ! と共和党は開き直るべきだ。
極右翼の連中も、議長にいますぐ謝罪すべし。


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わいせつメール、はしゃぎ過ぎ民主党は裏目に出るかも

先週の金曜日に暴露された共和党下院議員のマーク·フォリー議員のわいせつメールスキャンダルは下院議会議長の辞任問題にまで発展しそうな雰囲気である。
保守派のブロガーや政治評論家までが民主党や左翼メディアと一緒になって、「共和党は知っていて黙認していたなら、リーダー格が責任をとるべき」などと騒ぎ出す始末。まったくこういう時やたら道徳観念に敏感な保守派はリベラルよりも始末がわるい。これが民主党議員なら、「たかがわいせつメールで騒ぐな、性交渉があったわけでもなし、」と開き直り、共和党がそれでも責め立てれば「ゲイバッシング」と今度は共和党を守りの姿勢に追い込んでいただろう。
また、コメンターのMike Rossさんもおっしゃっているように、もし一年前にあのたわいない内容のメールのみで、共和党がフォリー議員にあれ以上厳しい対応をとっていれば今騒いでいる民主党やメディアが一緒になって共和党を「ゲイバッシング」「同性愛恐怖症」などといって責め立てていたに違いない。
しかし、民主党も左翼メディアのこのはしゃぎすぎなやり方はかえって彼等にとって裏目にでるのではないかと私は思う。
昨日も話したように民主党と左翼メディアは何気ない内容のメールと、わいせつな内容のIMとを故意に混同し、ハスター議長らがフォリー議員のわいせつ行為を見て見ぬ振りをしていたと印象づけようとしている。しかしこの事件はあまりに騒がれたため、保守派ブロガーやラジオDJやテレビ討論会などでも、ハスター議長らが知っていたのは最初の何気ないメールのみであり、しかもその場で適切な処置を取っていたことなどもかなり詳しく報道された。
そして比較の意味もあって、民主党の汚い過去もどんどん蒸し返されている。
例えば、1973年に、ゲリー·スタッズ(Gerry Studds)という民主党議員は未成年の少年との性交渉が違法であるアメリカを出て、わざわざ当時17歳だった少年をモロッコに連れ出して性交渉を持ったという事件がある。それがばれたのは1983年のことで本人も認め、議会から勧告は受けたが議員をやめるでもなく民主党から追い出されるでもなくその後6期も任期を努めた後引退した。
また1989年、バー二ー·フランクというゲイの民主党議員が同棲していた愛人男性がフランク氏の自宅で何人かの売春夫を使って売春宿を経営していたなどということがあった。フランク議員はそれを知っていて黙認していたのである。それでもフランク議員はいまだに現役の議員をつとめているし、民主党はフランク議員に何の対処もとらなかった。
民主党は今回のことであんまり大騒ぎをし過ぎると、共和党は民主党のこのような過去を持ち出し、ダブルスタンダードを指摘しはじめるだろう。セックススキャンダルが大好きなメディアは、過去のこうした民主党のスキャンダルを蒸し返さないはずがない。そうなってくると、民主党の偽善ぶりがアメリカ国民にもじょじょにではあるが浸透していくのではないかという気がする。
それに昨日もコメント欄で書いたように、メディアはフォリー議員が未成年とわいせつメールを交わしているという違法行為を知っていたにもかかわらず、「犠牲者」の少年の安否よりも政治的なタイミングを待って犯罪行為を隠していたという事実がある。このことをアメリカ投票者が消化する時間があれば、このスキャンダルはかえって民主党と左翼メディアが仕組んだ汚い陰謀だという印象をアメリカ国民に与えることになる。
フロリダのフォリー議員の席を共和党が維持するのはもう手遅れかもしれないが、この事件で他の共和党議員が巻き込まれるにはスキャンダルの暴露は早すぎたかもしれない。共和党支持者やおせっかいな純粋主義の保守派連中がこれ以上騒いでハスター議長の辞任を叫んだりするのを今すぐやめてくれれば、この事件の影響は最低限に食い止められるだろう。
問題は極右翼にかかっている。


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仏テレビやらせ報道訴訟:経過報告 その2

この話が途中になっていたので、裁判の続きを話たいと思う。前回までのお話は下記参照:
仏テレビやらせ映像を指摘され訴訟起こす
仏テレビやらせ報道訴訟:経過報告 その1
ところでパレスチナによるやらせ映像について顕著にとらえたビデオを最近見つけたので、最初に紹介しておきたい。リンクがうまくつながらないので下記のアドレスをコピーして見ていただきたい。特に悲惨な映像はないのでご心配なく。ただ音がでるので職場で御覧になる方々はご注意のほどを。
イスラエル軍の拠点近くにおいて撃ち合いを演出するパレスチナ庶民。6分目くらいに葬式に運ばれる担架にのせられたホトケさんが担架から落ちて歩き出すという珍妙な映像もある。約20分。
http://video.google.com/videoplay?docid=-2152006111729790314
アルドゥーラ親子のやらせ映像はこちら。約14分。
http://video.google.com/videoplay?docid=-8500578539219029740
さて、では証人たちの証言を聞いてみよう。
フィリップ·カーセンティ、被告人のひとり、メディアレイティングの創設者。
カーセンティが最初にアルドゥーラ親子事件がやらせではないかと考えはじめたのは引導学の検査の結果、イスラエル軍の位置から直接に球が飛んでくることは不可能であると学んだ時からである。そのことが明らかになると、その反論としてパレスチナ側のみならずフランセ2からも跳弾によるものだと言い訳が出てきた。しかし父親のジャマールは9回も撃たれ、息子のモハメッド坊やは3回撃たれたという。12発の跳弾? 不可能だ。
フランセ2は数人の専門家をとジャーナリストを招いてNGビデオを披露したが、カーセンティは招待されなかった。裁判官と次のようなやりとりをした。

裁判官:デニスジャンバーとダニエルレコンテの両氏が27分のNG映像をみた。フランセ2の記者会見においてジャンバー氏は、ビデオのなかで父親が撃たれた証拠として傷跡を見せたと語っている。
カーセンティ:私はフィルムをみていません。記者会見への参加を許可されなかったからです。レコンテ氏はあとになって私にこの事件に興味があったので捜査したいと考えていたが、アルテ(フランス/ドイツ/スペイン共同の芸術テレビチャンネル)から捜査をやめなければ、今後彼のプロダクションとは一緒には仕事をしないといわれたとはなしてくれました。(略)たくさんの人たちが個人的に場面はやらせだと思うとはなしてくれましたが、公には語っていません。

カーセンティのいうことを信じるならば、国営テレビ局から独自の捜査に対するかなりの脅迫があったということになる。
フランシス·バレ (Francis Balle):メディア学の教授。元フランス公共放送委員会CSAのメンバー。
カーセンティのフランセ2暴露ビデオは説得力があること、元のアルドゥーラビデオは怪しげで、その効果は劇的だったと語った。
カーセンティの弁護士、Maître Dauzierは、フランセ2がNG映像を見せなかったのは情報源を守るためではないかと聞くと、バレ氏は「いえ、映像は公開されるべきです。真実は語られるべきです。」と答えた。
これは日本やアメリカでは考えらないことなのだが、フランスの名誉毀損裁判では、被告側が原告に対して言ったことが事実でも、いい方が過激だったということでも責められるというのである。そこで、カーセンティの弁護士はバレ氏にカーセンティの批判は「過激だった」のではないかと質問した。バレ氏はそうは思わないとし、このような状況の場合、強い言葉使いをする必要があったと語った。
ルーク·ロセンズウェイグ (Luc Rosenzweig) 元(Libération, Le Monde)のジャーナリスト/テレビ批評家。
彼はアルドゥーラ事件についてl’Express誌に載せるため独自の捜査を行おうとした。 l’Express誌の編集長は当時 デニス·ジャンバー氏(Denis Jeambar)だった。ジャンバー氏は Jacques Attali 氏から圧力を受けたため捜査を打ち切った。このAttali という人間がどういう立場の人なのか、カカシには分からない。
Rosenzweig氏は実際に何が起きたのかという推論を持ってはいないが、フランセ2の映像は怪しげだと語った。当初はRosenzweig氏はNG映像を見せてもらえなかった。ビデオは金庫にほかの書類と一緒にしまってあるという訳の分からない言い訳をされたという。 やっとNG映像を見せてもらった時はフランセ2がいっていたような27分ではなく、24分だったという。 この3分の差だが、フランセ2のエンダーリンが嘘をついていたのか、記憶違いだったのかちょっと気になるところである。
Rosenwzeig氏は本格的な取材をしようと、イスラエル側から色々な情報を集めた。しかしパレスチナ側を取材しようとするとカメラマンは病気でパリで治療を受けていると言われた。伝言を残しておいたが返事はなかった。つてを使って父親のジャマールへの会見を求めたが断られた。仕方なく親子が運ばれた病院の医師を取材に行った。病院の医者は事件が起きたのは午後3時だったのに、アルドゥーラ親子は午後一時に運び込まれたと証言していたからだ。しかしガザへの入るのは拒絶された。それでRosenweig氏はパレスチナ側での取材は不可能だとあきらめた。
映像がやらせだという確認することはできなかったが、エンダーリン氏がいうよりもこの映像がやらせである可能性はずっと高いと判断すると氏は語った。後にRosenzweig は la Ména’s のウェッブサイトに「チャールズエンダーリンはどの言葉でも嘘つきだ」というコラムを書いた。
ところで、先に紹介した最初のビデオのなかで、病院での取材の場面が出てくる。病院へ「取材」に行くパレスチナのジャーナリストたちは、病院へつくと患者と話をする前に医者と相談をして、患者にはカメラの前でどういう証言をすべきかを打ち合わせしている場面がある。病院で無難に出産した若い母親とその夫に医師は、道が危険で病院へたどり着けず、夫がひとりで妻に車のなかで子供を生ませたと証言するよう指導していた。
私は昔からイラク戦争などでも、「病院の医師の話によると、、」とか「地元救援隊員の証言では、、、」という話はあまり信用できないと思っていたのだが、このビデオを見てはっきり確信した。敵側の一般市民の証言は全くあてにならないのである。
この裁判ではまだまだ似たような証言が続くが、結局、フランセ2の放映したアルドゥーラ親子の襲撃事件は完全なやらせだということがこの裁判において明らかになった。フランセ2はその事実を言い逃れることはできない。
名誉毀損がなりたつとすれば、それはフランスが国営テレビ局の放映は今後一切内容の真偽を問わず批判してはいけないというメッセージを国民に送ることになる。言論の自由などどこへ行くである。フランスのメディアはそれでいいのだろうか、いやもっと大事なのは、フランス国民はそんな偽物の大本営ニュースを毎日文句もいわずに受け入れるのだろうか。自由精神の最たるものといわれたフランス文明は今危機にさらされている。
フランスは今試されているだ。


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