米共和党スキャンダルを超え巻き返す

この間からずっとバージニア州に出動じゃないや、出張している話は昨日も書いた。 カカシは自宅ではあまりテレビニュースを観ない。私はニュースはもっぱら朝の通勤中にラジオで聴くか職場でネットサーフしながらニュースを読むのが常である。たまにニュースをテレビで観るとしたら、職場の待合室にあるテレビで写しっぱなしなっているフォックスニュースくらいだ。
それで出張先のホテルでCNNニュースを観ていたらそのあまりの偏向放送におくちあんぐり! な、な、な、なんだこれは! とあきれ返ってしまった。普通のアメリカ市民はこんなニュースを毎日観ているのか、どうりでイラクは泥沼だとか共和党はもう終わりだとか思うわけだ。(たまには敵のプロパガンダも観てみるものだ。)
たとえば共和党が最近放映しだしたこのテレビコマーシャルについて、CNNはテロリストの脅威を誇示して、アメリカ市民を不必要に脅かしているというコメント入りで紹介。
さて、それで肝心の支持率だが、共和党はマーク・フォーリー議員のスキャンダルでてっきり支持率がた落ちと思いきや、そうでもない。 
ブッシュ大統領と共和党の支持率はスキャンダルの前まで少しづつではあるが、じわじわと上昇しつつあったことはこのブログでも何回か書いた。特に今年の9月11日以降、共和党の支持率上昇振りは結構見ごたえのあるものだった。ところが9月29日、ABCテレビ局とワシントンポストがフロリダのマークフオーリー議員のスキャンダルを暴露して共和党勢いが急停止してしまった。
共和党にとっては大打撃だった、、、はず、、、ところが、、ジャジャーン!
民主党はスキャンダルのおかげで支持率急上昇。ちょうど10月11日から12日にかけてこの人気は頂点を迎えた。この時点で取られた世論調査では民主党が断然有利だったため、主流メディアは1994年に共和党が上下院で多数議席を奪ったような大津波が起き、民主党が40から50の議席を取って、民主党が晴れて上下議会を再び支配するときが来ると歓喜の声をあげていた。
しかし選挙を二週間半に控えたいま、振り子はまた反対に振ろうとしている。スキャンダルの炎が燃え尽き、高揚する経済、低い税金、国防などが再考され、共和党の支持率が再び上がり始めているのである。イラク状況でさえ、対テロ政策として再び見直されてきている。それに引き換え民主党は勢いを失いかけている。
しかしおかしいではないか、通常ならば共和党は10月の中旬にそのピークを向かえ、後はだんだん支持率が落ちて民主党の支持率が上がるはずだ。 民主党が自分らの政策を打ち出し、共和党と対抗する考えを国民に訴えるという通常の選挙運動をしていれば、この次期支持率が向上するのは民主党のはずだった。しかし民主党はフォーリー議員のスキャンダルに力を入れすぎて選挙運動を怠ったため、この自然の振幅リズムを崩してしまったのだ。
つまり民主党は共和党が時期早尚にピークに達するのを防いで、反対に自分らのピークを早めてしまったのである!
さてさて、11月7日の選挙はどうなることやら。 ところで、私は選挙当日も出張中で投票できないので、投票を郵便で送れるよう手続きをしておいたのだが、「投票券きた?」とミスター苺にきくと「あ、君ね、もう投票したよ、全部民主党にいれといたから安心したまえ」とミスター苺。あ~た、ちょっと冗談きついわよ。(笑)


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日本の核武装とアメリカの思惑

北朝鮮の核実験の文脈で日本の核武装が話題になっている。 私もこのことについては北朝鮮核兵器実験と日本の核開発ええ~? 日本の核がアジアを救うって?でちょっと触れてきた。
実は私は日本が核武装をすべきなのかどうか、という問題に関してはまだはっきりとした結論を出していない。双方の意見を聞くたびに、「なるほど~、そうか~」と考えがあっちへいったりこっちへいったりするので、まだまだなんともいえないのである。そこで今回は賛成意見も反対意見も両方紹介して読者の皆さんと一緒にこの問題を考えてみたい。多分この問題は今後も何度も訪れることになるだろう。
先ずアメリカのブッシュ政権は日本の核武装には大反対である。このあいだアメリカのコンデリーザ・ライス国務長官がわざわざ日本へ訪れて、日本は安保条約でアメリカの傘下にあるから核兵器開発の必要はないと暗に日本核武装への釘をさした話は昨日もしたとおり。 どうしてブッシュはこうも日本の核武装を嫌がるのかねえ、とミスター苺と話していたら、「それは君、ブッシュはなんだかんだいっても外交面ではかなり凡人なんだね。昔堅気の気性だから核武装はよくないという先入観から抜けきれないんだろう。」という答え。
これまでにも日本が核兵器を持つべきかという話題が上ったことは何度もある。だが、それは常にアメリカが中国に北朝鮮の核開発をやめさせる圧力のひとつとして使ってきた脅しであった。つまり、もし中国が北朝鮮への財布の紐を締めないなら、日本が核武装して大変なことになるぞ、といういわゆるハッタリ核カードであった。 アメリカも日本も本気で日本を核武装しようなどとは毛頭考えていなかったのである。
しかし北朝鮮が実際に核実験を行ったことで、(いくら失敗とはいえ)この事情は大きく変わってしまった。アメリカでも昨日紹介したチャールズ・クラウトハンマー氏だけでなく、極わずかではあるが、他にも日本の核武装は実際に中国に圧力をかける実態のあるものとして考えるべきときが来ていると語る人たちがいる。
古森 義久氏は10月13日のコラムのなかでそんな意見を紹介している。(カツラギさん紹介)

ブッシュ政権で大統領補佐官を務めたデービッド・フラム氏がニューヨーク・タイムズ10月10日付に発表した寄稿論文での主張である。フラム氏はこの論文で北朝鮮とその背後にいる中国を厳しく非難していた。北朝鮮が米国をはじめ国際社会をだまして、核実験に踏み切り、しかも中国はその冒険を阻止できる立場にあるのに止めなかった、と糾弾している。だから米国は北朝鮮と中国にそんな危険な挑発行動への代償を払わせるために一連の断固とした措置をとるべきだ、と主張している。

フラム氏はそのなかで日本について次のように述べていた。
「米国は日本に対しNPTを脱退し、独自の核抑止力を築くことを奨励せよ。第二次世界大戦はもうずっと昔に終わったのだ。現在の民主主義の日本が、台頭する中国に対してなお罪の負担を抱えているとするバカげた、見せかけはもうやめるときだ。核武装した日本は中国と北朝鮮が最も恐れる存在である」。
「日本の核武装は中国と北朝鮮への懲罰となるだけでなく、イランに核武装を思いとどまらせるという米国の目標にも合致する。日本の核武装の奨励は、他の無法国家がその地域の核の均衡を崩そうとする場合、米国とその友好諸国がその試みを積極果敢に正そうとすることをイランに知らしめることになる。米国はイスラエルの核攻撃能力を高めることもできるのだ」

日本に関する同氏の主張で注目されるのは、米国にとって日本は核兵器開発を促せるほど信頼できる同盟国だとみなしている点であろう。米国からみて日本が敵に回りかねない不確定、不透明の国家であれば、そんな国の核武装を奨励するはずがない。

無論日本が核武装などとんでもないという意見の方がアメリカでも日本でもまだ大半を占めているようだから、今後これがどういうふうに発展していくのかは定かではない。このトピにもよくコメントを下さるアセアンさんはアメリカが日本の核武装「ブラフ(はったり)」を応援しようなど「ナンセンス以外のなにものでもない」とし、日本とアメリカの双方の国益にも全くプラスにならないと言い切っておられる。

五百歩以上譲って(・・・)日本が核武装したとして(その前段階をすっ飛ばしてますが)その核の目標は何処に向けられているのか?ですね

中国?韓国?ロシア?それとも米国?・・・日本の核武装には米国にとって大きなパラドックスを含んでいるんです。
つまり日本が核武装を行えば、当然現在の日米安保による「核の傘」は外されることになる・・・乱暴な言い方をすると米国はハワイ以西に米軍を駐留させる意味が消失する。
日米同盟が日本の核武装後も堅持される保障がそもそもなくなるんですよ。(米英同盟・・・ってのはその意味合いが違いますからね)。 現在の米国の国是でもある「核拡散を防止する」どころの話じゃなくなるのです。
当然、核武装の開発維持には膨大な費用を必要としますから、日本はGDP1%枠なんてことは言ってられなくなる。
(米国の国防予算4,236 億ドル:約42兆円:に対抗する?それとも現行約5兆円の防衛予算をDGP10%枠に拡大して約50兆円にでもする?)
だとするなら、当然、国民負担を軽減しよう、という話になって、日本は武器輸出三原則と非核三原則も廃止して、武器輸出国になる決意をしなくてはならない(日本のお家芸でもある、軽薄短小技術を最大限生かして低価格高性能な核兵器を輸出でもしないことにはね、MHIを筆頭に本音では武器輸出したい企業は五万とある:多分、儲けもあるだろうけど、自社製の戦闘機でもMBTでもが活躍する姿を見たい!ってな技術者の能天気な願望だけかも知れないですけどね)
つまり”世界の超大国であり続け、世界最先端の軍事技術大国であり続ける”という米国の基本が日本の核武装を容認することで崩壊する可能性が高くなるんです・・・許せますか?そんなこと米国が?

実はラムスフェルド国防長官はアメリカ軍の構成をかなり変革しようと努力してきた。これまでのような歩兵重視の物量作戦ではなく、小さな独立した部隊が臨機応変に対応できる軍隊つくりを目指してきた。そしてその一部として、地元同盟軍の大幅な起用がある。ラムスフェルド長官は世界で危機が起きるたびにアメリカ軍が大量に繰り出す昔風の戦争を嫌い、なるべく地元の軍隊を駆使しアメリカ軍は指導及び後方援助に回るというやり方を好んでいるのだ。イラクで圧倒的多数のアメリカ軍を動員してイラクを完全制圧してしまわず、わざわざ面倒くさいイラク軍養成などという回りくどいことをやっているのも、将来中東の安全は中東の国々に任せたいという思惑があるからである。
これは大げさには取りざたされてはいないものの、フィリピンや中南米などでも行われていることなのだ。そして東洋では韓国がいい例だろう。何故、最近アメリカは勧告に軍の総指令権を移譲しようとしているのかといえば、韓国の防衛はいい加減韓国にやってもらおうという考えからである。 
ではその延長として、極東の防衛はそろそろ日本に肩代わりしてもらってもいいのではないか、と考える人がでてもこれは一言でナンセンスとは言い切れないと思う。
アセアンさんがいみじくもおっしゃっているが、「日本が核武装を行えば、当然現在の日米安保による「核の傘」は外されることになる・・・乱暴な言い方をすると米国はハワイ以西に米軍を駐留させる意味が消失する。」というのは果たしてアメリカにとって悪いことなのだろうか?
アメリカが超大国で軍事最強国であるという事実が日本が核兵器を持ったくらいでそう変化するとは思えない。だが、たとえ日本が今よりもずっと経済的にも軍事的にも強国となることが実際に悪いことなのかどうかは、日本がどれだけ世界平和への熱意を真剣に保持しているかにかかっている。日本が昭和初期のような軍事独裁政権をいまだに奨励するような国だというなら話は別だし、共産主義に傾きつつあるというならこれも問題だ。
だが、クラウトハンマー氏やフラム氏が言うように、日本は過去60年にわたってもっとも安定した民主主義を保ち、太平洋戦争の壊滅状態から世界にほこる経済大国へと発展した。(その間諸外国を占領しようなどとは微塵も考えず。) アメリカが日本の核武装を容認するかどうか、それはアメリカがどれほど日本を信頼しているかにかかってくるだろう。
ただ、ひとつ心配なのは核武装が与える中国以外のアジア諸国への影響である。
アセアンさんは日本が核武装した場合の東南アジアへの悪影響は多大だとおっしゃる。中国を威嚇するどころかかえって彼らの危機意識を激化させる。またベトナムやタイなどのアジア諸国は太平洋戦争時代の日本への不信感と脅威がよみがえり、東南アジアに進出している日系企業を対象にテロ行為にでないとも限らない。そうなった場合、日本は海外の日本人や企業を守るために自衛隊を海外派遣するなどという軍事力などない。核兵器では正体のわからないテロリストを威嚇などできないのだと。
日本が核武装をするとなると、核兵器開発だけではことは収まらない。それに付随する政治的軍事的な影響も考えて、日本は日本の軍事を根底から覆して考え直さなければならなくなる。 もし日本が本気で核開発に挑むなら、日本もアメリカもその影響を充分に覚悟の上で始めなければならない。


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ええ~? 日本の核がアジアを救うって?

龍之介さんがまたまた面白い訳で、ミスター苺がサワークラウトと呼んでいるチャールズ・クラウトハンマー氏のコラムを紹介してくれているので、こちらでもお借りしてしまおう。
この間米国のコンデリーザ・ライス長官が北の核実験後の訪日で、日本は核兵器を持つなどという大それたことは考えないようにと釘を刺して帰ったのに対して、クラウトハンマー氏は何故日本ほど頼りになるアメリカの同盟国で経済大国である日本が、おふらんすやインドは愚か、すぐテロ国家になりそうなパキスタン、「そしてそれから『親愛なる首領様』が生まれて初めてゴルフをお楽しみ遊ばしたのに5回もホールインワンをお決めになられ、6つもオペラをお作りにもなられた、なんぞと伝えられる、宇宙一キチガイ国家、北朝鮮」までが核を持ついま、日本が核兵器を持って何が悪いのかと問いかける。

日本は模範的な国際的市民、ってだけじゃねーんだよ。ダイナミックな経済。安定した民主主義。目立たず騒がずの外交政策。しかもアメリカにとって最も重要で最も信頼出来る、同盟国だろうが。その上ってのはイギリスしかないんだよ。わかってるか?最近のアメリカ外交政策の、もちょっと地味な成功の一つ。それは米日同盟の強化だ。日本政府はミサイル防衛システムの開発と配備に参加した。神経痛みたいな台湾問題において、アメリカと手を握り合って、万が一にも紛争が起こっても団結するぞ、と誓ったんだぞ。

日本の核保有検討は、中国が北朝鮮非核化に集中、という効果を即座にもたらすだろう。 中国は計算している。 自分とアメリカ軍によって補強されたダイナミックで資本主義の南朝鮮の間にはさまった、北朝鮮は便利バッファーね、と。 中国は、我々にとっちゃ悩みの種の手下国家に、結構満足してる。 アジアの余白で野望を広げないように、我々を抑え込んでいるからだ。 結局の所だね、金王国の核兵器なんてのは、東じゃなくて西向きに狙いを定めているんだよ。
けど、日本が「おらおら、核保有するぞ」と脅せば、この計算は狂ってくるだろう。それどころか、中国に金正日を絞り上げさせる事すら出来ちゃうかも知れないよ。だって奴等は日本に核兵器を持って欲しくないんだから。この日本カードってのは、金正日の核兵器開発を逆戻りさせる、なんて超ウルトラCすら可能に成っちゃうかも知れない、唯一無二のカードであり続ける。
日本のさ、北朝鮮の脅しへの対応ってのもさ、結構強力だし、厳しい制裁だって結構断固としてやるって言ってるし。これは勿論、自己利益の為ね。利他的なもんじゃないよ。でもそこが味噌なんじゃん。 日本の当然の国益ってのは、アメリカの太平洋環の国益と一緒な訳。 軍事的安定性を維持して、政治的安定性を維持して、遠慮なくブクブクでかくなる中国を平和的に封じ込めて、平壌のヤクザ国家に対抗して、んでもってアジア中に自由民主主義モデルを拡大する、と。
この世間にはタダ乗りしようとする同盟国が山ほどいるじゃないか(一番とんでもないのは、あの宥和常習犯の南朝鮮だろ)。その中でだよ、この安定した信頼も出来る民主主義的な同盟国は、我々が重荷を担ぐのを手伝おうとしてるんじゃないか。
なんだって我々はそう必死こいて、手伝う方法に「反対反対」って言ってるんだよ?

私はずっと日本は核アレルギーがあるから核所持国にはなれないのではないかと考えていた。しかし最近になって安部総理が日本の憲法を改正する必要があるとか、麻生外相が核の話もすべきだと言い出したことは、日本もそろそろやる気が出てきたのかなという気はする。
この間の日曜日、飛行機で隣に座った男性は海軍で空母艦の仕事をしている人だった。横須賀では今停泊しているキティホークと入れ替わりに新しい空母艦が行くことにいなったのだが、この後継船は原子力軍艦である。「あれ、日本は原子力船の乗り入れは禁止しているのでは?」と聞いたら、その人は肩をすくめていた。 どうやら米軍と神奈川県との話し合いで、安全訓練を定期的に行うということで新しい船の乗り入れを日本は認めたらしい。 ま、いくら反対してもアメリカではもう原子力軍船以外の空母艦を製造していないから仕方ないのだが。
こんなことを書くとまた神奈川県民を不必要に怖がらせることになってしまうが、この艦には核兵器を積む機能が配備されている。無論港に停留中の船には武器を積まないことになっているから日本に停泊中に核兵器がこの船に積まれているということはないだろうが、私は日本政府のこの譲歩の姿勢は今後日本が核所有国になるためのベイビーステップなのではないかという気がしないでもない。
はっきりいって、アメリカはあまり日本にきついことはいえないはずだ。クラウスハンマー氏もいっているように、日本はアメリカにかなり恩を売ってるし、日本が極東を守ってくれることはアメリカにとっても都合のいいことのはずだ。 その守りに核が必要だというなら、アメリカが日本にとやかくいう筋合いではない、、と私はおもうけどね。


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ブッシュ大統領、ベトナムとイラクを比較

昨日も私はああベトナムよもう一度でこの話はちょっとしたが、ミスター苺が同じ件についてもっと詳しい記事をBigLizards.netで書いていた。 さすが夫婦気持ちが通じるなあ。(笑)
実は私は今週はじめからバージニア州へひとりで出張にきている。以前にも書いたと思うが私は長期出張が多いため、一年のうち何ヶ月もホテル住まいとなる。 それでミスター苺との交流はメールや電話が主だが、仕事のいそがしさにかまけて自分の英語のブログはミスター苺に任せきりになっていてろくろく読んでもいなかった。「君ねえ、自分のブログに書かないだけならまだしも、たまには読むくらいしなさいよ」、とミスター苺に叱られそうだ。
というわけで私が取り上げた記事をミスター苺がどのように取り上げたか、こちらでも紹介しておこう。

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ブッシュは正しい! イラクはベトナムのようだ 
ミスター苺著
…とは言ってもジョージ・スナファルパガスや民主党の奴らが騒いで言ってるのとはちょっと違う意味でだけどね。 僕が何の話をしてるかって? えっと、なんだっけ? あ、そうだ。 このインタビュー、ABCテレビで大統領と司会者のスナファルパガスとのやりとりの一部にこんなのがあったんだ。 (カカシ注:司会者の名前はGeorge Stephanopoulos, でステファノポロスと発音するが、ミスター苺はいつも間違って発音している。)

ブッシュ大統領はABCニュースでジョージ・ステファノポロスとの一対一のインタビューにおいて、ある新聞記事によるイラクの現在の戦況と1968年のベトナム戦争の岐路となったテット攻撃の比較は的確であるかもしれないと語った。

ステファノポロスは大統領はニューヨークタイムスにイラクの状況は40年前のベトナムでのテット攻撃に匹敵するものだと書いたコラムニスト、トム・フリードマンの意見に同意するのかと質問した。
「彼は正しいかもしれません。」と大統領は答えた。そして加えて、「確かに、選挙を前に暴力が増加しています。」

なんてこった! ブッシュがイラクとベトナムを比べている! ブッシュでさえも戦争は絶望的だと考えてるってことだ。だよね? 他にどう取り様があるんだよ?
実はあ~、 ジョージW・ブッシュはベトナム戦争の歴史をかなり良く知ってるって意味なのだ。 少なくともジョージ・スナファルパガスやハワード・ディーン、ナンシー・ポロシ、ハリー・「土地取得汚職事件」リードや馬鹿サヨブログの連中なんかよりはね。
先ず基本から始めよう。俺達はみんなすべてひっくるめて考慮してベトナム戦争には負けたってことで同意だよな。だが左右両方全員で同意できるのはそこまでだ。
民主党の連中とってはこれはすでに信仰のようなものだが、信じられないほど強力な北ベトナム軍(NVA)と南の同盟軍である無敵の南ベトナム解放戦線(ベトコン)がレニングラードやスターリングラドで強靭な赤軍に追い返され命からがら逃げ去ったナチス軍のように、アメリカ軍を破壊し完全崩壊したのだと深く信じ込んでいる。
言ってみれば民主党はきリスト教徒がイエスキリストの復活を信じているのと同じくらいの意味で、我々ファシストで帝国主義のアメリカ軍が人民革命に打ちのめされ、それが理由でベトナムでは負けたのだと信じている。
民主党の持っているベトナムのイメージは何百何千という臆病者のアメリカ兵がパニックに陥って遁走し、何千という単位で脱走し、背中から勝ち誇るNVAに後ろから撃たれながら逃げる姿だろう。これは大げさな表現なんかじゃない、民主党員のだれとでもベトナム戦争について話してごらん、だれでもすぐに彼らの脳裏にはこのイメージがくっきりと刻み込まれていることに気がつくはずだ。
この「証拠」は不思議なNVAとVCによるテット攻撃の幻想にある。以下ウィキペディア はこう説明する。:

テット攻勢とは (1968年、1月30日 – 1969年6月8日)ベトナム戦争中におきた連続攻撃作戦のことで、南ベトナム解放戦線(ベトコン) の強力な数部隊と北ベトナム軍(PAVN)の部隊が南ベトナム軍とアメリカ軍に対して計画的一斉に行った攻撃だった。(略)攻勢は旧正月の祝いのなかで輝かしくはじまり、1969年の6月まであちこちで分散的に続いた。

NVA の強力部隊が国境を越えてなだれ込み、同時にベトコンが激しい攻撃をベトナムの主要都市を一斉に攻撃した。彼らの思惑は(共産主義者はそう信じていたのだが)アメリカ人も南ベトナム政府もベトナムでは人気がないので、このような攻撃によって人々は蜂起し国を挙げての革命にまでつながり、資本主義の豚どもを海に追い込めるというものだった。
ここで民主党が「イラクは今世代のベトナムだ」というのはこのことを意味する。つまり、イラクはベトナムがそうであったように、「勝ちようがない」、そしてイラクの解放軍はファシストアメリカ軍に戦闘に次ぐ戦闘で大勝利を挙げているという考えなのだ。 もうあとすこしで、と民主党は熱烈に願う、アメリカは負け、(911でしたように)恐縮する。そして貧乏に生まれなかったことや、黒人でないことへの罪悪感に包まれるだろう。
悪いけど、本当のテット攻勢はアカの奴らが企んだような訳にはいかなかったんだよね。民主党の信仰ともちがってね。

テト攻勢は 共産主義勢力にとって軍事的には大惨敗だった, ベトコンも北ベトナム軍も作戦の目的を何一つ達成することができなかった。さらに、作戦の損害は多大で南ベトナム軍及び同盟軍によってベトコンは事実上機能不能となった。

しかし1968年には侮ってはならない大きな親共産主義勢力が存在していた。それがアメリカのエリートメディアだったというわけ。 彼らは北ベトナムと解放戦線にアメリカ軍が圧倒的に惨敗することを切に願っていた。ウォルトおじさんの指揮にしたがって、ニュースメディアは嘘をつきまくった。抵抗軍が同盟軍によるすさまじい攻撃で崩壊したという事実を報道するかわりに、敵側の攻撃は共産主義勢力の歴史的な勝利だったという大嘘を報道したのだ。

当時もそしてその後も、戦争一般、特にテト攻勢のアメリカメディアの悲観的な報道を批判する声は多くきかれた。アール・ウィラー氏、当時のChairman of the Joint Chiefs of Staff,はテット後の 「アメリカメディアの間でみられる絶望と失望」について不満をもらしていた。

アメリカメディアのなかで一番有名で影響力のあった反戦運動といえばウォルター・クロンカイド司会で行われた1968年2月27日放送のスペシャルニュース番組である。テット攻勢語の戦場を一回り見学し、 現場の落胆した兵士や将校らにインタビューした後、クロンカイド氏は直接軍上層部とジョンソン政権を批判した。「私たちはアメリカの指導者らによって、ベトナムでもワシントンでもこの暗雲の向こうに銀色の日差しが見えるという楽観的な見解に何度も失望させられました。」この引き分け状態を終わらすためアメリカは交渉[降参] すべきだと語った。

テット攻勢は共産勢力にとっては軍事的には悲劇的で圧倒的な大惨敗だった。 だがアメリカメディアはそれを共産主義の大勝利だったと執拗にプロパガンダを流し続けた。
テト攻勢がベトナム戦争と岐路といわれるのは、このメディアプロパガンダ宣伝により、それまで戦争を支持していた人々の心が反戦へと動いて、それがアメリカ軍撤退への道へとつながったからである。
この歴史を踏まえれば、ABCが選んで放映した部分だけみても、ブッシュ大統領はテト攻勢の意味を良くわきまえた上で、上記のような発言をしたことがわかる。

「ジョージ、私の腹の勘では敵はずっと、我々に充分な損害を与えさえすれば我々が引き上げると考えてきたのです。」ブッシュは言った。「アルカエダのリーダーたちはそれを明らかにしてきました。いいですか、私はこのように見ています。先ず、アルカエダはいまでも非常に活動的です。彼らは危険です。彼らは致命的です。彼らはできるだけ多くのアメリカ兵を殺そうしているだけでなく、イラク国内で宗派紛争も起こさせています。 彼らはイラクで充分な混乱を起こすことができれば、アメリカ人は嫌気がさしてイラク戦争に疲れて、アメリカ政府に(アメリカ軍を)撤退させることができると信じているのです。」

つまり大統領は敵がイラクで「勝っている」としたら、それは反米のアメリカメディアが執拗に繰り返すプロパガンダにおいてだけだと正しく把握しているのだ。そのいい例が元クリントン大統領の報道官だったジョージ・スナフルパガスなのだ。敵の勝利が可能なのはアメリカの馬鹿サヨメディアがアメリカ市民を脅かして恐怖におののかせ、目的未達成のままアメリカ軍を撤退させるような状態になった時だけなのだ。民主党はその時が来たらどのくらい早い時期にイラクをアルカエダに手渡そうかとテロリストと交渉したくてうずうずしている。
だからブッシュ大統領は全く正しい。イラク戦争という覆面をかぶったこの政治の裏芝居はまさにベトナムの時とそっくりだ。


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非国民CNNのテロリスト狙撃ビデオに怒る米兵達

昨日私はCNNがテロリストプロパガンダのPR会社と成り果て、テロリストがアメリカ兵を狙撃して殺す映像ビデオを放映し、そのウェッブサイトにビデオリンクまでつけているという話を書いたが、このCNNビデオに関してアメリカ兵の間から激怒の反響が起きている。(当たり前だ!)
私がよく読んでいるミルブログ(現役退役米軍兵及びその家族などの米軍関係の人たちが書いてるブログ)ブラックファイフでも米兵らからの怒りのメールが殺到しているという。ここでその一部を紹介しておこう。(元記事にはかなり激しい表現があるので、訳も多少乱暴な言葉を含むがご了承願いたい。)
以下Black Five, CNN – Plays Into the Hands of the Enemy (Knowingly)より。

CNNは狙撃者がアメリカ兵を殺すビデオを載せている。記事にはこのような前書きがある。

イラクではすでに2800人に及ぶアメリカ兵が殺されています。そんななかで抵抗軍による一番の危険な攻撃は狙撃です。CNNはイラクでも一番活動している抵抗組織、「イラクのイスラミック軍」から狙撃班がアメリカ兵を標的にしているビデオを入手しました。イスラミック軍はアメリカと話がしたいといっており、イスラム系インターネットにビデオを載せることでPRキャンペーンを行ってアメリカ市民に影響を与えたいとしています。 このビデオを見るのは不快ですが、CNNは衝撃的とはいえ語られる必要のある記事だと信じます。
ああ、そうだろうとも、CNNはテロリストがアメリカ兵を殺すビデオを放映するかどうか葛藤の苦しみだっただろうよ。
だが結論として、CNNは承知の上敵の手の内にはまったってことだよ。

ブラックファイブにはこの記事に関するコメントが100以上も載っているが、文中で引用されているコメントも含めここでいくつか紹介したいとおもう。 

共産主義(コミュニスト)ニュースネットワーク(CNN) の吐き気のするビデオに出くわした。 局はイラクの抵抗軍からビデオを入手したといっている。ビデオでは抵抗軍の狙撃兵がアメリカ兵を撃ち殺す映像が写っている。こういうのを抵抗軍の奴らは俺達に見せつけたいんだ。アメリカで誰かの両親や恋人がこんなもんを観る必要はない。これは牛の糞だ!!!これでまた主流メディアを信頼できない理由がひとつ増えたぜ。今度から記者とかかれてない車にのせて、ボケナスどもが好んでかぶる青ヘルメット抜きでイラクへ送り込んでやれ。(後略) -Staff Sergeant ,OIF III (イラク戦争体験者の准尉)

もう俺はこんなことでは驚いたり腹が立ったりさえもしないね。ため息をついて自分の仕事に戻るのみだ。なぜってこんなことはもう珍しくもなんともない。主流メディアが本国での戦争支持意識を崩させようとしてるのは既成事実だからだ。 主流メディアがイラクでの長期軍事作戦に反対だってことも、おやじや爺さんが使ってたベトナム時代の主流メディア手引きをつかってるってことも、泥沼だ、勝てない状態、 切捨て撤退、なんだかんだとやってることも、これもう常識。奴らは敵を援助することになってもかまわないんだ。奴らは兵隊や海兵隊員が死んでもかまわないんだ。もちろんこれは兵士の死をニュースハイライトで使って、戦争が「絶望的」だとアメリカ市民に訴えるとき以外はの話だが…ーSGT Torgersen

もう我々はニュースメディアが客観的だなどという前提は捨てるべきだ。奴らは積極的に抵抗軍を支持し我らの現政権に反抗しているのだ。 明らかに彼らは情報源ではなく我らの敵となったのだ。今後一切やつらを敵としてみなすべきである。すべての兵士が(記者の)質問に対して、「あっちいけ、くそったれ、おめえらは抵抗軍との戦いに邪魔なんだよ。」と答えれば奴らにもそれがわかるだろう。こっちの言い分など解ってもらおうとするな。どうせ奴らは報道しないんだから。ーMike O

CNN殿:どの神の名によってテロリストがアメリカ兵を狙撃するビデオなど掲載したのでしょう?イラクで負傷し帰国を余儀なくされた一兵士の母親として、また一水兵の母親として、私はこのアメリカ軍とその家族への無神経さに激怒し、テロリストのプロパガンダを宣伝するなどという常識を超えたその行為には完全にあきれます。単にテープを観たとだけ報道すればよかったのです。我々は見る必要などありません。テロリストにいくら払ったのですか? アメリカ兵の血でいくら金儲けをしたのですか? ー兵士の母 (カカシ注:文章からいってこの女性は二人のお子さんをイラクに送っているようだ。)

アメリカのメディアが、アメリカ兵が何人死んだとか、テロ爆発でイラク人が何人死んだとかいうニュースの代わりに、アメリカ兵がテロリストを何人退治し、イラク軍の能力がどれだけ進歩し、どれだけの地域が平穏化し、どれだけの病院や学校が建てられ、どれだけの子供たちが救われたかという話を報道していたなら、アメリカ市民が戦争から受ける印象はまったくちがったもになっていただろう。
あるテレビ局は一時期、アメリカ兵が死ぬたびに追悼と称して戦死した兵士のプロフィールを紹介していたが、いつも紹介するのは兵士になる前の若者がどんなふうだったとか、帰ってきてからどうするつもりだったとか、いかにもあたら若い命を無駄になくしたという印象を与えるものばかりだった。同じ戦死者への追悼でも、この兵士の勇敢な最後の戦いや、彼が戦時中にどのような立派な仕事をしたかを紹介したなら、名誉の戦死をした兵士の魂や家族がどれほど慰められるかわからない。観ているほうも悲しいがそれでも感謝の気持ちでいっぱいになるだっただろう。この兵士の死を無駄にしてはいけないという気持ちになっただろう。
私はミスター苺と共同で書いている英語版のブログ、Big Lizards.netで、戦場からのいいニュースシリーズを時々書いている。ある時いつものようにイラクやアフガニスタンでのアメリカ軍の功績を書いていたら、アメリカ軍中央司令部(CENTCOM)の広報部の人からメールが来て、いつもアメリカ軍について良いニュースを書いてくれてありがとう、ついてはアメリカ軍に関するニュースレターを定期的に送ります、とあった。我々のような零細ブログをアメリカ軍広報部は読んでいるとはちょっと驚いた。しかしアメリカには第二次世界大戦の時のような大本営放送はない。だから軍の広報部はこうした地道な活動で軍の功績をアメリカ市民に知らせるしかないのだろう。
アメリカのメディアがアメリカ軍に味方してくれれば軍もこんなに苦労しなくて済むものを。 全く嘆かわしい。


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ああベトナムよもう一度

アイゼック・アシモフが書いたファウンデーションというSF小説のなかにミュールという超能力者が出てくる。 ミュールには敵対する側の戦士や国民の戦意を戦わずして喪失させてしまう心理的操作の能力があった。 だから彼の率いる勢力に対抗する敵は圧倒的武力を所持していても絶望に陥り大敗してしまうのである。
今のアメリカメディアを観ていると、彼らは明らかにアルカエダのためにアメリカに大してこのミュールの役目を買って出たとしか考えられない。私はアメリカメディアの愛国心を疑ってはいない。彼らには愛国心などない。彼らは裏切り者であり、非国民である。彼らの目的はアメリカに敗北をもたらせることにある。 だから彼らはテロリストプロパガンダのPR会社としてせっせと働いているのだ。
このCNNの記事はまさにその典型だ。
「ビデオが捕らえた狙撃者の凍りつく所業」( Video shows snipers’ chilling work in Iraq)と題されたこの記事ではCNNがテロリストから入手したというビデオテープの紹介がされており、ビデオのなかでカメラマンと狙撃者がどこから撃てばいいかとか相談しあっている声が入っているとある。そしてこのページにはアメリカ兵がテロリストによって狙撃され殺されるビデオへのリンクまでついている。
CNNはテロリストが人質を斬首するビデオは残虐すぎると放映しない。911事件直後タワーから人々が次々に飛び降りる姿も悲惨だといって放映しなかった。だがアメリカ兵が無残にも殺される姿を報道することには問題がないというのか? 
CNNにとって放映するビデオの内容が悲惨かどうかなどということは問題ではないのだ。アメリカ市民はテロリストが無実の市民を惨殺する姿や、テロ攻撃によって大量の市民が殺される姿をみれば、テロリストとの戦いに戦意を燃やすだろう。だが、アメリカ兵がいとも簡単にテロリストに狙撃される姿をみれば、アメリカ軍は勝てないのではないかと戦意を失う効果がある。CNNはそれを承知の上で、いやそれが目的でこのテロリストプロパガンダをわざわざ放映しているのだ。
アメリカがニクソン大統領とフォード大統領の時代にベトナムから屈辱の撤退をしたことで、アメリカ民主党及び左翼は共和党がアメリカを望みのない戦争に引きずり込んだとして30年以上も共和党バッシングに使ってきた。彼らは今回もイラク戦争に負けることで、再び政権を民主党のものに取り戻そうと考えているのだ。
我々は長い間アメリカはベトナムで大敗し引き上げざる終えなかったと教えられてきた。だが実際にはアメリカはベトナムで軍事的な勝利をあげていた。アメリカ軍は北ベトナム軍との戦闘で一度も敗れたことはなく、あの悪名たかいテット攻撃ですらも、アメリカ軍の圧倒的な勝利だった。
だがテット攻撃の直後、アメリカで一番人気だったニュースキャスターで「ウオルトおじさん」と国民に慕われていたウォルター・クロンカイド氏がベトナムから中継で「アメリカ軍はベトナムで大量に戦死している。戦況は悲惨でアメリカは大敗している。アメリカ市民は政府に騙されている」と報道したのがきっかけとなり、それまでベトナム戦争を支持していたアメリカ市民までが、戦争に背を向けるようになったのである。
イラクのアルカエダたちはこの歴史をよくわきまえている。だからアメリカは戦争が長引き血みどろの戦いが続けば戦意を失って絶望して撤退すると踏んでいるのである。そしてアメリカのメディアは血を求め残虐なニュース、(特にアメリカ兵が殺される)が好きだということをテロリスト達は知っているので、ジャーナリストの集まっているバグダッド付近、特にジャーナリストが泊まっているホテルの目の前で人殺しや自爆テロを行うのだ。 この間ラムスフェルド長官も話していたが暴力がひどいのはバグダッド周辺ほんの直径10キロ円周の中だという。
本日ブッシュ大統領もイラク戦争とベトナム戦争の共通点について述べた。だが、ブッシュはイラクがベトナムのように負けるという意味でいったのではなく、今年のラマダンでは紛争が激化したのは、アルカエダがベトナムのテット攻撃を再現させようというものではないかという問いに対して、それはそうかもしれないと同意した後、アメリカの中間選挙に向けてアルカエダは戦いを激化させて選挙に影響を与えようとしている可能性はあると述べた。 テロリスト達が「切捨て退散」の民主党に勢力を持たせようとしていることは言うまでも無い。
今度の中間選挙は現実などお構いなく、非国民メディアがどれだけアメリカ市民に悲観的な戦争像を売りつけることができるかそれを試す試験だといえる。もし共和党が圧倒的に議席を失い民主党が多数議席を獲得したならば、これだけブログやトークラジオががんばっても、まだまだ主流メディアの影響力には及ばないということが顕著になるからである。


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米中間選挙: 共和党よ今こそ踏ん張る時!

私がアメリカ保守派に対して文句があるとすれば、どうも多くの人々が悲観的な考えを持ちすぎていることだ。メディアの報道は偏向だといいながら、メディアが共和党はもう負ける、イラクは泥沼だ、アフガニスタンは大失敗だと大騒ぎするのを真に受けて、「もうだめだ~」と選挙もやってないのにあきらめるやからが多すぎることだ。 私はこの共和党の敗者思想が大嫌いである。
アメリカではワシントンDCで政治関係社会をベルトウェイと呼んでいるが、ベルトウェイの分析は政治家の内輪による分析であり、アメリカ内部のハートランドと呼ばれるアメリカ国民の意見を必ずしも反映していない。 ミスター苺の下馬評によると、共和党が民主党に撮られる議席は下院で12議席、上院では4議席にとどまり、どちらも共和党が多数議席を保つだろうと予測する。 この意見にはブッシュ大統領もホワイトハウストップアドバイザーのカール・ローブ氏も同意している。(White House Upbeat About GOP Prospects、ワシントンポストより。)

中間選挙を目前に共和党の間ではパニックが広がっているなかで、ある二人の共和党員は側近の味方からも行き過ぎと思われるほど楽観的だ。その二人とはブッシュ大統領とトップ政策アドバイザーのカールローブ氏。
共和党員の中には下院で25議席以上失うのではないかと覚悟している人たちもいる。しかし党の運動員たちによるとローブ氏は最悪の場合でも8から10議席程度の損失で住むだろうと予測しているという。民主党が1994年ぶりに多数議席となりブッシュ政権の第二期のバランスを揺るがすのに必要な数より15席も足りない。

上院ではローブ側近は民主党が勝つためにはよっぽどのことが無い限り必要な6議席を勝ち取ることはできないだろうと語る。
というわけだからそう悲観的になる必要はないと我々は考える。問題は共和党支持者があきらめて投票日に自宅にひきこまらないように、共和党選挙運動家たちは積極的に共和党登録者に投票を促すことだ。いくら共和党の働きぶりに不満があっても、だからといって民主党に多数議席をとられてもいいと考える共和党員はいないだろう。
いまこそ踏ん張って中間選挙に挑むべきときである。


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米左翼、共和党議員をホモと「暴露」したのはいいけれど、、、

わが姉妹ブログのBig Lizardsでミスター苺がかいた記事Quick, Somebody Find Mike Rogers a Mapが傑作なんでこっちにも同時掲載しよう。
左翼の工作員ディーン・バーネットが共和党の上院議員ラリー・クレイグ氏が同性愛者であると「暴露」した。 クレイグ氏も妻(女性)も家族も絶対そんなことはないと否定している。
実際にクレイグ氏が同性愛者であるかどうかなど議員の仕事振りには無関係のはず。しかし今度の中間選挙を野球の番付みたいに表まで作って予測しているミスター苺も、クレイグ氏の名前が話題に上ったのを聞いたことが無い。いったいクレイグ議員はどの選挙区から出馬しているのだろうと調べたところ、クレイグ氏は今度の選挙に出馬していないことがわかった。なぜなら2002年に再選されたクレイグ議員の任期が切れるのは今年ではなく2008年だからだ!
宗教右翼は絶対に同性愛議員を支持しないと踏んで保守派議員をホモだなんだと騒ぎ立てる汚い手を使うなら、せめて選挙に出馬している議員に限ってやってもらいたいもんだ。(笑) 汚い選挙活動もここまで来ると間抜けとしか言いようが無い。


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YouTube聖戦に挑む保守派ブロガー達

続いてオンラインビデオの話をしよう。 YouTubeのアップロードされた映像に旗が立てられる仕組みはこの間YouTube、グーグルになって情報操作強化!で説明したとおりだが、要するに自分が気に入らないビデオがあったら、友達と共謀して苦情ボタンをクリックしまくればそのビデオには苦情殺到の旗が立ち、検閲官がその苦情に同意すればビデオはブロックされてしまうわけだ。
特にイスラム教を批判したビデオは世界中の教徒がネットで呼びかけを受けて一斉攻撃をするから、あっという間にブロックされてしまう。それに引き換えイスラム教過激派のテロリストプロパガンダはレーダーの下をくぐってアップされたままになる。全く不公平なシステムだ。
このような苦情攻撃の標的となったあるブロガーThe Jawa ReportはこのYouTube聖戦に真っ向から立ち向かうべく宣戦布告をした。 彼の作戦は非常に簡単だ。
1. 反聖戦(ジハーディスト)ビデオを大量にアップロードする。
2. ジハーディストのビデオに苦情攻撃を加え旗を立てる。
向こうが数で来るならこっちも数で反撃してやるというわけである。
Jawa Reportのビデオは下記。 私はビデオリンクはうまく付けられないのでURLをコピーしてみていただきたい。
最初のはこれまで捏造、やらせとわかったジハーディストによる映像を早いカットでリズミカルな音楽にあわせて編集してある楽しいビデオ。
All Your Fakes Are Belong to Us
http://www.flurl.com/item/All_Your_Fakes_Are_Belong_to_Us_u_190855_original
次のはミサイルに当たると車はどういう損害を得るか、実際にミサイルの当たった車とヒズボラがミサイルに撃たれたと騒いでいた赤十字の車などを比べて面白おかしく写しているビデオ。私は大笑いした。
Rocket Ride (Hezbollywood Remix)
http://www.flurl.com/item/Rocket_Ride__Hezbollywood_Remix__u_190782
はっきりいって、YouTubeは苦情が殺到しても規約に反しないビデオをブロックすべきではない。だが民間の企業である以上YouTubeには自分達が不適当であると判断する映像を差し止める権利はある。自由社会ではYouTubeの放映拒否の権利も尊重されなければならない。
であるから、この問題を解決するためにはYouTubeに抗議をするよりも、保守派や言論の自由を愛する人々が集まってYouTube に対抗するビデオアップロードサービスを始めるしかない。それぞれのサービスが自分達の嗜好にあった規約をつくり、外部からの苦情だけでは放映をブロックできない仕組みにしておけばいいのである。
ネット技術は目覚しい発展を遂げている。YouTubeが放映を規制しすぎれば、ライバル企業が現れるのは時間の問題だ。自由社会の問題は市場が解決してくれるものなのである。


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ネットビデオ、EUの言論弾圧陰謀

この間私はYouTubeの検閲が最近とみに厳しくなり、特に保守派のビデオが次々にブロックされている話をしたばかりだが、今度はヨーロッパ連合がネット上の活動写真(古い言い方だけどこれが最適な表現)はすべて、公共放送と同じような規約に従わなければならないという法律を作ろうとしている。現在これに反対しているメンバーはイギリスだけ。
テレビ、ラジオ、映画など、は放送規約というものがあり言葉使いやその他の内容まで厳しく取り締まられている。だが、このような規約をアマチュアビデオにまで拡大するとなれば、必ずこれは言論弾圧へとつながる。特にPC(政治的に正しい=左よりの意見)に気を使うEUが取り締まるとなれば、「北朝鮮を攻撃せよ」などというビデオは一発でお陀仏である。また私がここで繰り返しているような、ヨーロッパの過激派イスラム教批判などは、「憎しみを増発する言葉使い」(Hate Speech)として許可されないに決まっている。(その代わりイスラム教徒がユダヤ人はすべて海に追い込むべし、などとやるのは素通りすること間違いなし。)
個人個人が自分の意見を勝手にビデオにしてアップロードし友達の間だけで見ているものまでEUが取り締まることになったら、それぞれの国で保障されている言論の自由など投げキッスをしておさらばしなければならなくなる。冗談ではない!
EUのやることなので、アメリカや日本は口出しできないが、イギリスにはぜひともがんばってこのような言論弾圧提案はつぶして欲しいものである。
参考: EU wants to stifle videobloggers, By Michelle Malkin


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