無念、ホットドック大食い大将小林君7連覇ならず!

昨日行われたニューヨークはコニーアイランドの毎年恒例ホットドック大食いコンテストで、過去6連勝してきた日本代表小林尊君は自己記録も世界記録も更新する63個の健闘にも関わらず、現在の世界記録保持者のアメリカ人、ジョーイ・チェスナット君に惜しくも破れるという結果となった。これで小林君が6年守り続けたホットドック王の王冠は再びアメリカに返還されることとなった。(以下CNNの記事より。)

米学生が優勝、小林さん7連覇逃す ホットドッグ早食い

ニューヨーク(CNN) 米独立記念日の4日、ニューヨークのコニーアイランドで、毎年恒例のホットドッグ早食い大会が開かれ、米国のジョーイ・チェスナットさん(23)が12分間で世界記録の66個をたいらげ、大会6連覇中の小林尊さん(29)を破って優勝した。…
カリフォルニア州のサンノゼ大の学生で、「ジョーズ」のニックネームがつけられたチェスナットさんは、優勝後のインタビューで「体がうまく機能した」と話した。大会スポンサーからは、1年分のホットドッグが贈られた。

小林君は大会前に顎の関節を痛めるなどして出場すら危ぶまれていたのがこの間宿敵チェスナット君が記録した世界記録を更新する63個を食べたというのだからすごいものだ。もし小林君が怪がをしていたせいで実力が発揮できずいつもより少ない数を食べたとか、チェスナット君の食べた量が小林君の最高記録より少なかったというのであれば、チェスナット君も正々堂々と勝ったという気にはなれなかったかもしれないが、どちらも世界記録更新という快挙をとげたことで、チェスナット君はれっきとしたホットドック大食いチャンピオンと言えるだろう。
昨年の大会では、チェスナット君が小林君よりたった1 1/3 個の差で負けたので、今年の大会では小林君の楽勝というわけにはいかないだろうと私は踏んでいたのだが、やはり心配した通りに結果となってしまった。
しかし小林君も6年間も王座を保つという立派な記録を制覇したことでもあり、この際だから顎の関節負傷を理由に引退したらどうなのだろう?いつまでもホットドック大食いだけで身を立てテイクのはちょっと体にもきついし、、なんて思うのは老婆心かな?
それにしても今日ラジオできいたところによると、この大食いコンテストというのは最近賞金も大きくなってきたこともあって、まるでアスレート並にコーチがついたり主治医がついたりとかなり大げさなことになってるらしい。それではおいそれと引退できないのかもしれない。


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人手不足のアルカエダ、イギリスの連続テロ失敗事件に思うこと

ロンドンとグラスゴーで起きた自動車を使った爆弾テロ未遂事件だが、寸前のところでテロが未然に防げたことでほっと胸をなで下ろすと同時にテロ計画そのものにも何か信じられないほどずさんな部分があると感じる。
以前に私は爆発物は点火が一番難かしいと聞いたことがある。最初にナイトクラブの前に駐まっていたメルセデスからは煙が立っていたとあるが、これは携帯電話を使ったリモコンの点火が失敗したことを意味する。
二台目においては自動車を駐車違反していて牽引された後に爆弾が発見されている。もしこのメルセデスが点火に成功して爆発したとしても、牽引された先の人間のいない駐車場で駐車違反の車を数台ふっとばしてみても意味がない。交通安全のお巡りさんの目にとまるような場所に車を駐めるなどプロのテロリストとしては考えられない失敗だ。
グラスゴー空港で起きた事件にしても、きちんと下調べをしておけば空港のドアの前には車の出入りを阻止する柱がいくつも立っていることに気が付くはずだし、送り迎えの車線は建物とは平行に走っているわけだから直角の角度でドアに全速力で突っ込むことが不可能なことくらい子供でもわかる。
このようにどの件をみてもプロのテロリストが計画したにしてはあまりにも素人的間違いが多すぎる。まるで三馬鹿トリオがテロをやってるみたいだ。いったいプロのテロリストは何をやっていたのだろう?
昨日紹介したニューヨークタイムスの記事でも、イギリスの対テロ当局が監視していたテロリスト達が最近一斉に姿を消したとあった。その多くが国外へ逃走したと思われるともあった。アルカエダのリーダーたちは下っ端に実行は任せて警備体制がかわらないうちにとんずらしたらしい。つまりイギリス内に残ったテロリスト達は下っ端の素人だけで自分らが何をやってるかちゃんとわかってないチンピラだけだったのかもしれない、などと考えを巡らせていたらストラテジーページのこんな記事に出くわした。

アルカエダの活躍はメンバーが減りリーダーたちが殺されたり捕まったりする数が増えるにつれ、その威力は衰えつつある。アルカエダのプロパガンダ活動もそうだ。ほんの昨年の秋までは93パーセントのインターネット活動はビデオだった。それが今では音声だけになり、その声すらも日に日に弱気になっている。彼等が自信を失うのには理由がある。過去二年に渡るアフガニスタン国境沿いのアメリカやパキスタン軍の主にミサイルやスマート爆弾による攻撃によって殺される外国人戦闘員の数は増える一方だ。…しかしアルカエダが心配しているのはそのことよりも、対テロ勢力による諜報の正確性がどんどん高まっていることにある。あまり取り沙汰されていないが、アルカエダはアメリカの諜報技術が信じられないほど高まったのか、もしくはアメ公の金に目がくらんだアルカエダのメンバーたちが情報提供をしているのかのどちらかだろうと主張している。

アルカエダは中東の事情をよく知らない欧米のメディアや西洋に住むイスラム教徒らをだますことには成功しているが、それでも欧米の警察は内部通告を受けメンバーの逮捕を続けているためアルカエダのメンバー勧誘は殺されたり逮捕されたメンバーを補うのに追い付くかない状況にある。必死のアルカエダに必要のなのはここで衝撃的な911並の自爆テロを派手にドカーンとやって成功させることだろう。そのためにこの間のニューヨークのケネディ空港爆破未遂事件だのイギリスの連続テロ行為などが計画されたわけだ。
しかしその失態を見れば西洋におけるこうしたテロ計画の多くがアマチュアによってされていることは明らかである。欧米諸国でテロ計画をたてている連中はテロリストといっても雑魚ばかりで、中東の本部にいるプロのアルカエダテロリストの指導を受けているとは思えない。エキスパートたちはすでに世界各国の対テロ政策により殺されたり逮捕されたりしていて手下の指導に当たれる人員が大幅に不足しているからなのだろう。
ところで敗北を感じているのはアルカエダだけでなく、アルカエダを受け入れたアフガニスタンのタリバンたちも同じである。ストラテジーページに載ったタリバンが敗北を認めたというこの記事は興味深い。

2007年6月25日、タリバンは彼等特有のやり方で自分達の負けを認めた。最近行われたメディアのインタビューで、タリバンの報道官は(タリバンの攻撃が)自爆テロ作戦に重点をおくようになったことをを発表した。タリバンはまたアメリカ人がタリバンの上昇部に潜入したと認めタリバンの上層部が何人も殺されるか逮捕されるかしており、下層部のメンバーもまた逮捕されていると語った。また最近はかなりのタリバン実力者による寝返りが続いているがタリバンの報道官はこれについては語りたがらなかった。

タリバンはもともとテロリスト組織ではない。彼等は最初はパキスタンの難民キャンプで組織された武装勢力だったのだが、パキスタンの諜報部員にそそのかされアフガニスタンに戻って帰ってアフガニスタンで起きていた内乱を利用して政権を乗っ取った。しかしテロリストではないとはいえただの暴力団だったタリバンに統治などできるはずもない。
そこでタリバンは当時スダーンから避難してきたアルカエダを受け入れ1990年代にはアフガニスタンの他の部族を弾圧するための用心棒としてアルカエダ戦闘員を使うようになっていたのだが、アルカエダのようなテロリストと手を結んだのが運の付き。2001年の911事件に反応したアメリカ軍のほんの一握りの特別部隊にあっという間に政権を倒され、パキスタンへ逃げ帰る始末となった。以後6年間タリバンは必死に勢力の復興をめざしてきたが、資金集めもうまくいかず、時々行ったNATO軍への攻撃ではさんざんな惨敗が相次ぎ、去年だけで3000人の戦闘員が戦死するという大打撃を受けた。
タリバンは今や自爆テロ以外に何の戦略のないただのテロリストにまで落ちぶれてしまったのである。タリバンがテロ行為作戦を宣言したということは自分達の敗北を認めたようなものだ。しかし、自爆テロはタリバンにとって二重の自殺行為だ。戦闘員が自爆するだけでなく、自爆の犠牲者が地元民であることから地元民からも見放され組織としても自爆してしまうからだ。
こうしてみてみると私は我々の対テロ戦争は勝ちつつあるという希望が湧いてくる。時間はかかるかもしれないが辛抱強く戦い続ければテロリストなど滅ぼせる。そのためには無論イラクで勝たなければならないが、イラクでの勝ち負けに将来の存続がかかっているのはむしろアルカエダのほうなのである。


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米共和党が馬鹿党といわれる理由: 移民法改正案阻止が共和党の崩壊へとつながる可能性

先日ブッシュ大統領と民主党のジョージ・ケネディ上院議員が協力して発案した移民法改正案が上院議会で否決された。現在崩壊状態にある移民法を改正しようとしていた大統領の希望は共和党の反対によって阻止されてしまった。
実はここ数週間アメリカではこの話題で持ち切りだった。特に保守派の間ではこの改正案は「違法移民に対する恩赦である!」として大の不人気。政治ブログでも朝の右翼系ラジオ番組のトークショーでも「反対、反対、とにかく反対!」の繰り返しで、私はいい加減うんざりした。
ここで日本のみなさんは、どうして共和党の大統領であるブッシュと民主党のケネディ議員が共同で法律を提案するのか、そしてどうしてそれをブッシュ大統領と同じ政党の共和党が反対するのか不思議に思われることだろう。
アメリカはもともと移民の国なので移民が多いのは当たり前なのだが、最近の移民はおとなりのメキシコをつたって南米からの移民が圧倒的多数を占めている。しかし現在の移民法は非常に複雑でその手続きにはお金も時間もかかり、貧乏で教養もないラテン系外国人には手におえない。多くの移民が合法にアメリカ国内での労働ビサを得ることができないため違法に移住してくる。しかしアメリカ国境警備は人手不足で大量に侵入してくる違法外国人を取り締まることができない、完全なお手上げ状態になっている。
アリゾナやカリフォルニア、テキサスといった国境ぞいの州では、警備の甘いところを選んで密入国者が民間人の私有地に入り込んでくるため、地域の民間人がミニットマンと呼ばれる民兵軍を組織して自ら国境警備にあたるという状況がもう数年に渡っておきている。
アメリカ保守派の間では国境ぞいに塀を建設して違法移民を閉め出し、現在アメリカ国内に在住する違法移民を片っ端から国外追放すべきであるという感情が高まっている。
しかし少子化の進むアメリカでは正直な話、違法移民の労働力なくしては経済が成り立たない状態だ。ここでも私は何度も書いているように、私の住んでいるカリフォルニアの地方では果物や野菜の農業が主な産業である。毎朝カカシが通る苺畑で日が昇らないうちから腰をまげて苺を積んでる農家の労働者は皆メキシコ系違法移民である。このあたりでは人手不足がひどく、マクドナルドのアルバイトでさえ一般のアメリカ人を雇うことができない。建設現場や大手マーケットなどで下働きをする労働力のほとんどが移民で補われていることは無視できない現実なのである。
このようにアメリカの経済の大きな一部を支えている違法移民を突然すべて国外追放になどしたら、国境沿いの州は経済破たんし、アメリカ全土でも食料不足で多大なインフレが起きること間違いなしである。アメリカ国民はハンバーガー一個千円などという物価にどれだけ我慢できるだろうか?
ブッシュ大統領はこうした問題を解決すべく、民主党も共和党もお互い妥協しあっていこうという趣旨の法案を提案したのだが、過激派右翼のトークラジオやブロガーが中心となり保守派コラムニストなども一緒になってものすごい反対運動へと広がってしまった。
議論がエスカレートすればするほど、移民法改正法案に反対している人々のいい分は、違法移民だけでなく合法移民まで受け入れるべきではないというような印象を受けた。特にラテン系の移民は白人ではないため、「変な色の外人は入国させるな!」とでも言いたげな人種差別すれすれの発言があちこちで聞かれるようになり、白人でない合法移民の一人として私は非常に不愉快な思いをした。これが私がこれまで同胞と考えていたアメリカ保守派の正体なのか? これが共和党の本質なのか?
ばりばり保守派の私ですらそのような疑心を持つようになったとしたら、もともと共和党に不信感をもっていたラテン系アメリカ人が今回のことでどれだけ共和党に不信感を持つようになったから想像に難くない。もともと共和党は少数民族には同情的でないとリベラル派は常にアメリカ市民に印象づけてきた。今回の右翼連中の大騒ぎを見ていると保守派の私としても返す言葉がなくなってしまうほどだ。
右翼過激派連中はこの法案が否決されたことで自分達が大勝利を得たと思っているかもしれないが、このことで共和党の得た打撃は計りしれない。まず第一にブッシュ大統領はラテン系投票者の40%の票を得て当選した。ブッシュ大統領はスペイン語が堪能でテキサス知事の時代からラテン系市民から人気があった。しかし現在の共和党はラテン系の11%程度の支持しか受けていない。もしもこのままラテン系にそっぽを向かれ続けたなら2008年の選挙で共和党が議席を増やすことなど先ず不可能だし、共和党大統領が選ばれることなど夢のまた夢だ。
そうなれば2009年からヒラリー大統領と民主党議会がアメリカを牛耳り、対テロ戦争などおさらばだ。テロ対策の愛国法もさようなら。911などとは比べ物にならないようなテロがアメリカ各地で頻発し、その度ごとにリベラルは「ジョージ・Wがイラク戦争などしたからこういうことになったのだ!」と大騒ぎをするだろう。
うれしいかアメリカの馬鹿ウヨ達よ!誇りに思うのか過激派右翼!
貴様らの過激なレトリックと運動で共和党が中庸な意見を持つアメリカ市民に見放され過激派左翼に政権を握られる結果になることがそんなにうれしいのか! この愚か者たち!
民主党は悪、共和党は馬鹿、といわれるゆえんが明確になるここ数週間だった。
こうなったらイラク戦争で圧倒的な勝利を得ることによって市民が今回の騒ぎを選挙までに忘れてくれることを祈るのみである。イラク戦争には勝ったのに、過激派右翼の移民法貝瀬案阻止が原因で民主党に政権と議会を握られるなどという結果になったらそれこそ目も当てられない。


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スコットランドでもテロ攻撃!

昨日のロンドン同時多発テロ未遂事件に続き今度はスコットランドのグラスゴーでも自動車爆弾を使った自爆テロが起き、これは未遂ではなく実際に爆発がおきたが、幸いにしてけがをしたのは犯人の二人だけという失敗で終わった。
APの記事によると、スコットランドはグラスゴー空港で、乗客が搭乗手続きを行うカウンター近くのガラスドアにジープチェロキーが全速力で突っ込でガラスドアを破壊、カウンター前でまっている乗客のほんの数メートルのところで止まるという事件が今日、土曜日におきた。この攻撃は先日発見された二つの爆弾テロ未遂事件と直接関係があるとみられている。
これによってイギリスで警戒態勢を最高レベルに引き上げた。またアメリカのブッシュ大統領もアメリカの空港など公共交通機関の警備体制をより厳しくすると発表。
犯人の一人は大やけどを負って重傷。もう一人は警察に拘束されている。スコットランド警察所長ははっきりとは断言していないが、負傷した犯人は爆弾ベルトを締めていたらしく、ベルトは除去され別の場所で破壊された模様。警察署長はハッキリとは発表していないが、この攻撃は明らかに自爆テロが目的だったようだ。
攻撃に非常に似ている点があることから、本日の攻撃と先日の事件とは確実なつながりがあると思われる。
緑のジープはグラスゴー空港のメインターミナルに向かって午後三時頃に突撃したが、正面玄関前に設置されているいくつかの警備用のコンクリート柱によってスピードを落とされ車の鼻先がドアにあたってガラスドアを破壊した。もしジープが建物の中に通過していれば何百人という人が殺されたであろう。
目撃者によると車の運転手はガード柱に突っかかったジープをなんとか前にすすめようと必死にもがいていた様子で車輪が空回りしていたという。車が前に進まないと分かったのかジープのなかから一人の男がガソリン容器を持っておりてくると、液体をジープのしたにまいて火をつけたという。
警察は運転手と乗客の二人を取り押さえたが、目撃者の話では二人は「南アジア系」の人種だったという。南アジアとはインド、パキスタン、アフガニスタンといった地域を指す。犯人の一人は火をつけたとたん燃え上がって凄まじい光景だったと語っている。
犯人以外のけが人はひとり足をけがして病院に運ばれた。
まだ詳細は分からないが、このジープには爆弾は仕掛けられていなかったのだろうか?もしこれが自動車爆弾だったのならたとえ車がビルの中にはいれなかったとしても、正面玄関で爆破すれば近くで列をつくっていた乗客の多くを殺すことができたはずだ。それに自動車爆弾を運転している人間がわざわざ爆弾ベルトをつけているというのも変な話だ。
もしかすると自動車爆弾の引火がうまくいかない時のことを予測して最後の手段として爆弾ベルトを爆破させる予定だったのかもしれない。ま、詳細は数日中に明かになるだろう。
ブラウン首相は明かにアルカエダによって試されている。ここでイギリスが怯むかそれともついに一大奮起して対テロ戦争に真剣に取り組むか、ブラウン首相正念場である。


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間一髪!ロンドンにて大型自動車爆弾テロを寸手のところで阻止

なんと本日ロンドンの真ん中で爆弾いっぱいに詰まったメルセデスベンツが二台、偶然近所で無関係の救急活動を行っていた観察力ある救助隊員によって発見され、間一髪のところで大型テロが阻止されるという事件があった。(以下6月30日付け読売新聞の記事より)

ロンドンのテロ未遂、“爆発物”積んだ2台目の車見つかる

 【ロンドン=本間圭一】ロンドン中心部で29日発覚したテロ未遂事件で、ロンドン警視庁は同日夜、テロ未遂事件に使用されたと思われる2台目の車両が見つかったことを明らかにした。
 同警視庁のピーター・クラーク対テロ部長らによると、ロンドン中心部のコックスパ通りから撤去された青色のメルセデス・ベンツから強烈なガソリンのにおいが漂ったため、同警視庁が調べたところ、車中から、燃料、ガスの容器、くぎが見つかり、不発の処理が行われた。
 車中で発見された爆発物と見られる積載物は、繁華街ピカデリー・サーカス近くで見つかった灰色のメルセデス・ベンツから発見された積載物と同様で、犯行が自動車爆弾を使った同時テロだった可能性が浮上した。複数のメディアは、事件の背後に国際テロ組織・アル・カーイダが存在するとの見方を示している。

この二台の車が発見されたのは両方とも偶然だった。以下ニューヨークタイムスの記事より。

最初の件では救急車の救助職員がハイマーケットにあるタイガータイガーというナイトクラブの外に駐車してあった緑系銀色のメルセデスから煙が出ているのを発見して警察を呼んだのがきっかけだった。 警察は爆発物を処理したがこの早朝の出来事を数時間後まで公表しなかった。

二つ目の爆弾が発見されたとの報道で緊張の一日がたってから金曜日の夜、警察はやっと高級住宅街のパークレーン通りで違法駐車していた青いメルセデスに爆弾がつまっていることが、罰金書が発行された上牽引されてから発見されたと確認した。交通係の職員は車からガソリンの臭いがしたと語っている。
この車が牽引されたのは午前3時30分のことで、最初の車が発見されてから約2時間後のことだったと警察は言っている。

さらにABCニュースによれば、警備カメラにメルセデスから飛び下りる男の映像がはっきり写っているという話だ。ロンドン警察当局によるとここ数カ月テロリストとして当局が見張っていた容疑者が何人か行方不明になっており、ほとんどは外国へ逃げたらしいと思われていたが、今回の事件の犯人はすでに当局によって知られている行方不明になっていたテロ容疑者の一人ではないかという疑いがある模様。
アルカエダの連中はあきらかに以前の2004年の7.7事件を記念して同時多発テロを狙っていたのだろうが、イギリスは新首相にかわったばかりでもあり、ブラウン新総理大臣の実力を試そうという動機もあったのかもしれない。
爆発物が見つかったタイガータイガーというナイトクラブには同時間少なくとも500人の客でにぎわっていたという。成功していれば何百人という死傷者がでたことは確実だ。
今回の事件が未然に防がれた理由は二つある。偶然にも注意力のある救急隊員や交通係の警察官が不振な車に気が付いたということが第一だが、もうひとつは爆弾そのものの不備だ。爆弾は携帯電話を使ってのリモコン操作になっていたようだが、車から煙が出ていたのに引火しなかったことや変なにおいがしていたという報告から考えて引火装置に問題があったと思われる。
ここ最近イギリスの対テロ政策により容疑者の動きが厳しく規制されていたことから、イギリスにいた上層部のテロリストが国外へ逃亡したとなれば、イギリス国内に残ったのは下っ端だけだったため自動車爆弾をきちんと設置できなかったのだと考えることもできる。だが発見が偶然だったというニュースはイギリス市民にはかなりの不安をもたらすことだろう。
ところでインタビューを受けたロンドンっ子たちのなかには、イギリスがイラク戦争で示した姿勢を考えればアルカエダの標的になるのは自然だと答えているひとがいたが、もしそれが原因だとしたら、アメリカこそがアルカエダテロの標的になるべきだ。しかしアメリカ国内で仕掛けられた爆弾が発見されたというニュースはきかない。それというのもアメリカ国内でのテロ組織の発見はテロリストたちの計画がそこまでいかないずっと早期のうちに皆発見されてしまうからだ。
例えば以前にも携帯電話を大量に購入しようとしたイスラム系移民が店員に怪しまれたことがきっかけで逮捕された事件や、国内の陸軍基地を攻撃しようと企んでいたテロリストたちがテロビデオをDVDに移そうとしてビデオ屋の店員に通報された事件、ニューヨークのケネディ空港を爆破しようと企んでいたテロリストが勧誘を受けた市民の通報で爆発物購入のずっと以前に逮捕された事件など、アメリカ国内でのテロ行為はどれも計画の早期で発見されている。
民主党やリベラルメディアがなにかとアメリカの対テロ政策を邪魔しているにも関わらず、911以後アメリカ国内でテロ攻撃が一度もおきていないことから考えて、我々には詳しいことは知らされていないが、アメリカの国土安全省は裏でかなり綿密な監視を行っているものと思われる。イギリスもアメリカに見習って対テロ政策にもっと力を入れるべきだろう。
それにしてもアメリカ国内のテロが未然に防がれたいくつかの事件や、今回のロンドンでの事件でも、偶然に居合わせた一般市民の注意力が幸いしている。ということは対テロ政策は政府だけに任せていてはいけないということだ。自動車爆弾や自爆テロの犠牲になりたくなければ、我々一般市民が常に注意深く自分らの環境を見守る必要があることをつくづく感じる。


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アメリカ公共放送から閉め出された穏健派イスラム教徒の訴え

アメリカにはPublic Broadcast System (PBS)という公共放送ネットワークがある。これは日本のNHKとは違って視聴料は見たい人だけが払うことになっているが、ケーブルなどと違って払っても払わなくても受信できるため、ただ観をしてる人が結構いる。私も昔はよく観ていたので一時期受信料を払っていたが、その政治的に左より偏向に嫌気がさして「協会を止めろ!」というカトリック教会バッシングのドキュメンタリーを最後にほとんど観なくなっていた。
さて、そのPBSがAmerica at the Crossroads(岐路を迎えたアメリカ)というドキュメンタリーシリーズで、イスラム教を特集する企画がありMoslims Aginst Jihad(聖戦に立ち向かうイスラム教徒たち)という二部作もその一部として制作された。ところがその編集段階に入ると、その内容がイスラム教に対して批判的過ぎるという理由で何度もPBSからクレームがつき編集につぐ編集がおこなわれた。しかしPBSはそれでも満足せず、もともとのメッセージがかわってしまうほどになったため、制作者はこれ以上の変更はできないと主張すると、PBSはシリーズの一部としての報道は拒否するという結果となった。私はクロスロードの一連のシリーズをみたわけではないのだが、どれもこれもイスラム教に同情的なものばかりだったという話である。
制作者のフランク・ギャフィー氏とマーティン・バーク氏(Frank Gaffney and Martyn Burke)はここ数カ月の間、右翼系のラジオ番組やブログなどを使っていかにPBSが不均衡な番組つくりをしているかを批判しながら、同時にこのドキュメンタリーを放映してくれる放送局を探していた。その努力の甲斐あって「公平で均衡」をうたい文句としているフォックスニュースチャンネル(FNC)が「PBSに閉め出された番組!」と完全に挑戦的な姿勢で先週の土曜日と日曜日に二部作の後編一時間を放映した。(前編のIslam vs Islamイスラム対イスラム、は当初予定されていた全国放映ではなくPBSオレゴン局のみで放映となった。)
このドキュメンタリーでは、欧米に移住したイスラム教移民たちの間で、地元の法律とは全く相容れない厳しいイスラム法が多くのイスラム教徒(特に女性)を虐待しているというもので、イスラム教えを守りながら欧米社会で生き抜こうとする穏健派イスラム教徒の苦労が描かれている。
ドキュメンタリーのなかでは、イスラム過激派が信者に強要する「名誉殺人」が取り上げられているが、デンマークでイスラム教徒でない男性とかけおちした若い女性が実の兄弟に殺された話や、夫との離婚を望む妹を実の父親から殺せと命じられ、それを拒んだ兄が父のやとったチンピラに半殺しの目にあった話などが描かれている。
またカナダやアメリカで発覚したテロ未遂事件なども、ヨーロッパの各地で聖廟やインタネットで聖戦主義の過激な教えに洗脳された若者たちの仕業だったことなどが暴露されている。完全に西洋化していたデンマークのイスラム系移民女性はデンマーク生まれの息子が過激派に感化されイラクへ行って戦いアメリカ軍に取り押さえられたことを「自分の息子とは信じられない」と嘆いている図は悲劇的である。
そんななか、このドキュメンタリーはフランス生まれのイスラム系ヒップホップ歌手が過激派イスラム教徒に聖戦のために警察署を爆破しろと命じられたりイスラム教のために音楽をあきらめろと言われて聖戦主義を見限ったという話をする。ドキュメンタリーはこの若者が音楽を通じてイスラム教が本来あるべき姿をフランスの若者たちに訴えているという希望的な旋律で終わる。
こういう番組を閉め出したアメリカの公共放送とはいったいどういうものなのだろうか?リベラルな思想を持つならこれだけ弾圧的な聖戦主義は真っ向から反対するのが道理というものではないだろうか。それがイスラム教過激派と一緒になって穏健派を黙らせようとするPBSとは自由の国アメリカの風上にもおけない放送局。
ハッキリ言ってアメリカのリベラルがいくらアメリカ保守派に対抗するためとはいえ、過激派イスラム教徒と手をくむということ自体どっかおかしい。回教の厳しい規制がもしアメリカで実施されたならば一番最初に苦しむのはリベラルだ。
リベラルが謳歌しているセックスと暴力に満ちたハリウッド映画や歌謡曲も、同性愛者が幅をきかすファッション界など、シャリア法の下ではすべて廃止されるのだ。これらに関わった人々はみな生き埋めだの投石の刑に処されるのだ。どうしてそんな宗派を支持しそれに立ち向かう人々を黙殺するのか?
私には不思議でしょうがない。


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地元司令官はしゃべり過ぎを反省イラク戦況に口をつぐむ

体当たり従軍記者ビル・ロジオ(Bill Roggio)マイケル・ヨン (Michael Yon)は二人とも現在イラクにおり、ファンタムサンダー作戦を従軍して取材している。双方のリポートをまとめようと思っていたら、ベルモントクラブ(The Belmont Club)のレチャードがそれをやってくれてるので読んでみよう。
ロジオもヨンも地元アメリカ軍司令官たちは地元に隠れているアルカエダを捕まえるための大作戦について、これまでよりもちょっと無口になったという。それというのも今まであまり詳しく話すぎて肝心のアルカエダ上層部は戦闘を前に遁走してしまったと批判されたのが原因らしい。 以下バクバに居るマイケル・ヨン。

アローヘッド・リッパー作戦の当面の目標はこの地域にひそむアルカエダを捕まえて殺すことにあるが、現場の将校らによると軍の上層部の高官らの戦闘前の公言がアルカエダ連中の大量流出を生み出してしまったのではないかと語る。この苛立たしい大きな後退にも関わらず、アローヘッド・リッパーはバクバーをイラク政府の管理下に移譲するという最終目的に向かって着々と進んでいるようにみえる。すくなくともアルカエダ指導者を地元の似非統治の座から追い出すという意味では。

先日も述べた通り、バクバでの作戦はもっと大きなファンタム・サンダー作戦の一部である。アルカエダが逃げ出すのはいつものことで、バクバから逃げ出すのも時間の問題だっただろう。問題なのは彼等をどうやって追い出すかということにある。以下ビル・ロジオ。

アメリカ・イラク軍はディヤラ地域の北と西であるサラハディン、カークック、ニネワ地区の戦場を形付け続けている。これらの地域でアルカエダが勢力を再構成すると思われる。

ディヤラ地域の戦闘と同時にモスール、ティクリート、ファルージャ、そしてバグダッド南部のモクタダ・サドルの本拠地でも掃蕩は行われている。
「アルカエダは縫い目から攻撃してくる」とビル・ロジオ。

イラクと連合軍がファンタムサンダー作戦でバグダッド帯を押し進めるにあたり、アルカエダは最初の反撃を試みた。バグダッドとバビルで五つの自爆テロ攻撃があり、45人の死者を出した。一番効果があった標的はバグダッドで会合中のアンバール・サルベーション・カウンシル(the Anbar Salvation Council)のメンバーたちだ。

このような反撃の目的は二つある。ひとつは連合軍を防衛体制に余儀なくすることで自分らの動きやすい隙間をつくること、二つ目は彼等にはまだまだ攻撃する余裕があるという意思表示をすることだ。アルカエダは追いつめられるにつれ、時々はこうした攻撃をすることで追跡者の気を散らす必要があるのである。
ところでアメリカ・イラク連合軍の攻撃が激しくなる中、イラン軍が国境を越えてイラクで軍を整えているという話がある。

火曜日のイギリスの週刊誌サンによると、イギリス軍はイラン革命軍(Iranian Revolutionary Guard)が国境をこえてイラク内部に入り込んだのを目撃したと伝えている。

イギリス国防省はこの報告を否定もしなければ肯定もしないとし、報道官は「諜報に関わることなので」とコメントを拒否した。
匿名の諜報関係者が同誌に語ったところによると「たいへんなことにつながる非常に警戒すべき状況がおきています。これは事実上我々とイランは本格的な戦争をすることを意味するからである。だれも公式な宣言をしていないのにです。」

英米イラクが好むと好まざるとこに関わらず、イランとの戦争はよもや避けられない状態になっているのかもしれない。それにしても敵側がすたこらさっさと逃げ出す状態が我々の失敗だという考えはいったいどこからきたのだろうか?
イラク戦争とは本当に摩訶不思議である。


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米軍隊志願兵が減っているという嘘

先日アメリカ軍に志願する黒人の若者の数が減っているという記事を読んだ。(下記は24日付けのAPより)

WASHINGTON (AP) – 黒人のなかで軍隊に志願する人の数が最近極端にへり、アフガニスタン・イラク戦争が始まって以来三割以上の減少となった。他の仕事への可能性が急増しまた親戚などから志願を止められることが多いのが原因だ。
APが取得した統計によると志願者は四つすべての正規軍で減っており、州兵、予備軍になるとその数は劇的な落下をみせている。
この調査結果は(二つの)戦争への不人気が増えていることを反映しており、特に家族やほかの大人たちが軍隊志願を考えている高校生や大学生に(軍隊よりも)教養を高めるかキャリアを目指すべきという意見が影響を与えていると思われる。

ペンタゴンの統計によると2001年には51,500人が正規軍に志願したとある。しかしその数は2006年には32,000人と38%の減少となった。

この記事を読んでいて先ず最初にわき起こる疑問は「黒人の志願兵が減っているというが、白人やその他の人種の志願兵も減っているのだろうか?」というものだろう。で、この記事には書かれていないが、いやこの記事には書かれていないからこそ、他の人種の志願数は減っていないとほぼ確信できる。反戦偏向丸出しのAPが米軍の志願兵の数が全体的に減っていたらその事実を記載しないはずがないからである。
イラク戦争が始まって以来、アメリカの主流メディアが何度も何度も繰り返してきた嘘に、アメリカ軍人の間で戦争は不人気であり士気が落ちているというものがある。だが実際に現役軍人たちに直接「イラク戦争について士気は高いか?」などというアンケートをとれば「高い」という答えが圧倒的にかえってくることが分かり切っているため、志願兵が減っているという二次的な現象を報道することで軍人の間で戦争は不人気という世論操作に余念がないのである。
さてそうなってくると実際にアメリカ軍の志願兵はどうなっているのかという話をせねば片手落ちだろう。 The Countervailing Force6月12日付けワシントンポストに載ったこの記事を紹介している。

陸軍五月の志願兵目標数に満たず。二年ぶりに最初の大幅減少。

昨日公開された統計によると海軍、海兵隊、空軍は五月の志願兵ゴールを超えたが、陸軍と空軍の州兵隊はゴールに満たなかったことが明らかになった。
陸軍は5,101 の志願兵を得た。これは目標数の5,500に満たない数であるが、2006年10月1日に始まり2007年9月30日に終わる今年度中の目標である8万人は満たせそうだとある。
「五月は歴史的にいって志願には難かしい月なんです。」と陸軍報道官のアン・エッジコム少佐は説明する。高校の卒業式や他の春のイベントが多いため志願兵の注意を引くのが難かしいという。
陸軍州兵隊は目標の88%を、空軍州兵隊はその77%を達成した。
海兵隊は五月2,225の志願兵が入隊しており、目標の1,665人を大幅に上回った。また海軍は目標ぴったりの2,709人、空軍は目標の 2,451人を獲得した。

ワシントンポストの記事によれば、正規軍の目標は陸軍が400人ほど満たなかったことを除けば、後は目標を達したか超えたかしている。ということは黒人志願兵が減った分、他の人種がその穴を埋めたことになる。軍隊には一般人口に比べると多少黒人の割合が多い。その原因は色々あるだろうが、経済的な理由がよく取り上げられている。APの記事にもあるように、最近のアメリカは経済状態が良いため、若者がつける職業も選択の余地が高い。ということは軍隊への人気が下がっているのは経済面の影響が大きく、戦争が不人気であるためだと断言することはできない。
APほどではないが、ワシントンポストの記事でも印象操作が行われていることに気付かれた読者は多いだろう。この記事で一番注目されるべきなのは陸軍の志願者が減ったことではなく、海兵隊への志願者が大幅に目標を超えたことにある。陸軍報道官のアン・エッジコム少佐も指摘しているように、5月と6月に軍隊志願兵の数が減るのは普通の状態である。それというのもアメリカの学校は6月に卒業式があるので、学校を卒業した高校生や大学生は若者として最後の自由な夏を楽しむため夏休みが終わる9月になってから志願しようと考えるからである。
また、陸軍への志願兵は多少減ったとはいえ、他の正規軍のほうは目標に達しており、減っているのは州兵である。もし上記にあげた二つの記事がいうように、イラク戦争が不人気なため志願者の数が減っているというのが本当だったとしたら、戦場へかり出される可能性が一番高い隊が一番不人気になるはずであるが、実際はその逆である。
戦争において一番危ない戦場へ送り込まれるのは誰かといえば、それは圧倒的に海兵隊だろう。その次が陸軍でむろん空軍は常に危険な空を飛ぶことになる。海軍は比較的安全だが、それでも中東で戦争が起きていれば長期にわたる出動が期待される。また正規軍と比べて予備軍や州兵隊は後方の援護が主な任務であり最前線にいく可能性は低い。それを考えると現在軍隊に志願した若者の傾向は実際に戦場へいく可能性の高い部署ほど人気があるということになる。
結論からいうならば、不人気な戦争とか不人気な軍隊というのはアメリカメディアが作り出した幻想であり、実際にはアメリカの若者はメディアが考えるほど腰抜けではないということだ。
私は仕事柄、軍人さんたちと会う機会が多いが、このあいだ何気なく女性の下士官らとテレビ番組の話をしていた。その時1980年代後半に人気のあったアニメの話が出て、ひとりの子が「あ、それ私が生まれる前」というので「え〜?何年生まれ?」と聞いたら「1989年」といわれて愕然となった(笑)。現在18歳の彼女は911当時まだ12歳。明らかにイラク戦争が始まってから志願したわけだが、そう思って回りを見ていたら一緒にいた軍人さんたちはみんなほとんどが18〜9歳。
頼もしいなあ、と改めて感じてしまったのであった。


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アルカエダは禁煙主義、罰則は煙草を持つ指を切断!

マイケル・ヨンがリポートしたなかにアルカエダが乗っ取った地元民に強制した不思議なシャリア(イスラム法)が紹介されている。アルカエダの連中は特定の地域を制覇すると似非政府を設立し不思議なシャリアをもって地元民を苦しめるらしい。下記はパワーラインの記事から紹介。
アルカエダは禁煙法に違反した違反者の二本の「禁煙指」を切断する罰を設置した。ほとんどのイラク人はたばこを吸うのでこの法律は特に地元民の反感を買った。アメリカ軍が地域を掃蕩すると地元民は水や食料よりも煙草をせがんだという。解放されたバクバ地区では地元民がお祝いに煙草に火をつける行為があちこちで見られたという。
またアルカエダはひげを生やしていない男たちを殴ったり、性的な暗示をするような行為は死刑。で、その性的暗示とは何かといえば、トマトとキュウリを同じ袋にいれてること、、といったような「ふしだらな行為」だそうである。なんじゃこれ? いうまでもないがこのような厳しい規則は地元民のなかでかなり不人気だったそうである。
どうりで地元民が積極的にアメリカ軍にアルカエダの居場所を教えてくれるわけである。


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イラク新作戦を理解できない反戦派たち

まだ始まって数日しかたっていないバグダッド掃蕩作戦がすでに失敗だ〜と騒いでる人たちがいる。このマシュー・イグレシアスなんてのがその典型だろう。
マシューはファルージャから多くのアルカエダ高官メンバーが戦わずして遁走してしまったことを指摘して、2004年のファルージャ闘争の時も全く同じことが起きたとし、テロリストどもは戦闘が終わればまた戻ってくることの繰り返しで、アメリカ軍は過去の間違いから何も学んでいないと語る。
これに対して、このような意見を述べるマシューこそイラクにおける新作戦を理解していないのだと指摘するのはブラックファイブのグリムである。

アルカエダのリーダーたちは戦いになると先ず逃げる。これは2004年にファルージャでも起きたことだ。しかしアルカエダの全体的な作戦である、アメリカに対抗して自分達が「勝ち馬」であるとするやり方に影響を与えるためには、彼等の本拠地を破壊することは非常に大切なことなのである。なぜなら彼等が逃げることによって本拠地が破壊されれば彼等はなんとしても失ってはいけない面子を失うからである。….

まずこの現象が起きたファルージャの例を考えてみよう。ファルージャでは敵は敵意まるだしの地元市民に勝利を勝ち取ると納得させた。その結果ファルージャはイスラミストに指導権を委ね、訓練をともにした。そして彼等がいう通り海兵隊はここで埋められると信じたのである。
しかしこれは幻想だった。アメリカの海兵隊と騎馬隊が現れると、テロリストの指導者たちは遁走してしまった。神話を信じたファルージャ市民は取り残されて自分らだけで戦うはめになったのである。ファルージャからの帰還兵の話によれば深い信念にもとづきファルージャ市民は激しく戦ったという。 しかし最後には彼等は生き残れなかった。ファルージャでおきた二つの戦闘の間にはイラクでは選挙があり、テロリストの攻撃は40%も減少した。敵の本拠地の真ん中であったこの土地で、選挙そのものも比較的問題なく行われた。

イラクのスンニ派反乱分子らがアルカエダに対する信用を失いはじめたのはこの頃からだとグリムは言う。確かに私の記憶でもイラクで最初の選挙があった頃から、スンニ派の寝返りが少ないながらも除々に起きはじめていた。いくらアルカエダが強気なことを言ってみてもいざという時に仲間を見捨ててすたこらさっさと逃げ出し地元民だけを犠牲にすることを繰り返していては、いずれはアルカエダの人気も落ちる。そしてアルカエダが逃げる度にアメリカ軍やイラク軍が勝利を遂げれば、いつかはスンニ市民にもどちらが「勝ち馬」かが分かるようになるわけだ。無論それは一夜では起きない。スンニ市民の大多数がアルカエダを見放しアメリカ・イラク連合軍を信用するようになるまでには時間がかかる。しかし今やその時が来たと私は思う。
ブラックファイブが受け取ったファルージャの司令官からのメールでも、このことが確認されている。

イラク警備軍は成功を遂げています。我々が戦っている敵のテロリスト達ですは風向きがかわりつつあることに気が付いています。い楽市民の支持が連合軍側に向けられているのです。それで敵側は殺人などの脅迫作戦をつかっていますが全く効果があがっていません。イラクの人々がテロリストに立ち向かって戦っているのを見るのはうれしいものです。

イラク新作戦はうまくいっていないどころか、かなりうまくいっているように思える。このまま辛抱強くアルカエダの神話を潰し、イラク市民の信用を勝ち取っていけば我々がイラクで勝てる日も近い。


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