カカシのブッシュ批判にミスター苺異議あり!

先日カカシはブッシュ政権がイスラエル西岸のパレスチナ人ファタハを支援することは愚かであると批判したが、そのことについてミスター苺から異議申し立てがあった。
厳密に言うとミスター苺はカカシの書いたことに直接反論しているのではなく、カカシと同じような意見をもっている別のブロガージョシュア(Joshuapundit)に反論しているのだが。

何か月という時間と何百万ドルという大金をかけてハマスを追い出そうとマクムッド・アバス率いるお気に入りテロリストファタハを武装し訓練してきたブッシュ政権だが、結局株でいうところの「見返りのない投資」という結果になった。
普通こういうことが起きた場合、投資家は損を拡大しないよう手を引くものだ。しかしそれだとブッシュ政権のアラブ仲間が機嫌を損ねるってんで俺たちは手を引くなんてことはしない。
そのかわり、ブッシュ政権はアバスとファタハというお気に入りテロリストにもっとお金を注ぎ込む計画だ。
ブッシュ政権が進めてる馬糞政策は、アラブ・イスラエル紛争はパレスチナとイスラエルという独立国家がいずれ共存することで解決するというものだが、かつてアラファトが作り出した人種浄化主義テロ集団がスイスでいくつかの書類に署名して不動産の一部を動かしたくらいで奇跡的に心をいれかえイスラエルと隣り合わせで住めるようになるというのだ。そしてこの妄想はマクムッド・アバスのファタハは、彼等の長期的な目的であるイスラエル征服と破壊もしくは西側に味方するということに関しては、ハマスとは多少違うという考えからくるものだ。

これに対してミスター苺はファタハを援助することが時間の無駄であるというジョシュアのいい分には同意するとはいうものの、ファタハのほうがハマスよりも扱いやすいということは事実な訳で、それを利用してファタハとハマスが同士打ちして両方で滅んでくれればこれ幸いという考えからみれば、ブッシュ政権の政策はそれほど愚かだとは思えないという。
ミスター苺はジョシュアのようにガザを破壊しガザの住民をガザから追い出すべきだとか、西岸のパレスチナ人をヨルダンに引き取ってもらうとかいう考え方は過激すぎると批判する。むろんそうなれば理想だがそんなことはアラブ諸国が承知しないだろう。

ブッシュ大統領が出来ないことに時間を浪費しないというだけで、ジョシュアはブッシュをサウジの操り人形だと批難する。ところで私はジョシュアはブッシュがイラク戦争をはじめたのはサウジからの命令で、サウジがアメリカの外交をコントロールしてると信じてることをもう申し上げていただろうか?さらにジョシュアはブッシュがイランに迎合するためにイラクでわざと負けようとしていると言ってることも?

ちょちょっと待ったあ!カカシはブッシュ政権のファタハ援護は批判したがサウジ云々てな話は知らない。ジョシュアの発言はいくらなんでも行き過ぎだ。しかしミスター苺が心配しているのはミスター苺が審査員のひとりである右翼ブログランキングで、この過激なジョシュアの意見が今週の勝者に輝いたという点である。「私は今週の審査には同意できない」というのがミスター苺の意見。
アメリカ右翼の弱点は全く妥協しないという点かもしれない。彼等の過激な方針がブッシュ政策と沿っているうちはブッシュを支持するが、ちょっとでもブッシュが妥協して方針からはずれると、すぐに「裏切り者」「非国民」と左翼さながらの批判を振り回す。もっとも過激派は左翼も同じだ。左翼としては一番理想の大統領候補者ヒラリーでさえ、イラク戦争からアメリカ軍を即刻撤退させることは懸命でないと言っただけで、ムーブオンなどといった左翼市民団体から総すかんを食うくらいだから。
過激派というのは常にオールオアナッシングというゼロサムゲームを行う。自分らの要求が100%完璧に通らないなら何もない方がましという非現実的な考えなのだ。外交や国内政策はそんなやり方では通用しない。なにしろ相手があることなのだから。
私もブッシュ政権を批判する前に、どうすることが現実的により効果があるのか考えなおすべきなのかもしれない。とはいうもののブッシュのやり方は理解できるが、やはりファタハ援助には賛成しかねる。


Comment

7連勝を狙うホットドッグ大食い王、小林君顎負傷で危機!

今日またまた浜村淳さんのラジオニュースで、毎年アメリカ独立記念日にニューヨークのコニーアイランドで行われるホットドック早食い競争で六年連続で優勝してきた小林尊が来月四日のコンテストでその記録を更新できるかどうか危なくなってきたと聴いた。
毎年ほぼ無敵の早食いを記録してきた小林君だが、去年の早食いコンテストでは二番になったアメリカ人青年チェスナット君が今年は優勝する可能性を去年私もリポートした

今年の挑戦者のなかには予選で50本を食べたアメリカ代表のチェスナッツ選手が、小林君においつけおいこせでしがみつき、なんと52本を食べた。小林君の去年の記録は49本だから調子次第では、小林君はまけていたかもしれないわけだ。
 

今年の大会は、5月の国内予選で米国人最高の50個を記録した学生ジョーイ・チェスナットさん(22)と小林さんの事実上の一騎打ちとなったが、前半リードされた小林さんが終盤に入り猛追、逆転した。チェスナットさんは2位に終わったが、昨年の32個(3位)を大幅に上回る52個。大会後のインタビューでコバヤシは手ごわかった。来年また戻ってくる」と雪辱を誓った。

ということは来年は必ずしも小林君が優勝するかどうか分からなくなってきたということだな。

このチェスナット君、今月二日にアリゾナ州で行われた早食いコンテストでなんと小林君の記録を破ってしまった
 

米国のホットドッグ早食い競争で、長野県出身の小林尊(たける)さんが昨年7月に樹立した53個4分の3の最高記録がやぶられた。米アリゾナ州で2日あった競争で、米国人のジョーイ・チェスナットさんが12分間で59個半という新記録をつくった。AP通信が伝えた。

去年のコンテストでも小林君に食い付いて健闘したチェスナッツ君なので、今年のコニーアイランドの大会では小林対チェスナッツの一騎討ちとなるかと思いきや、小林君の身に新たな問題が生じた。小林尊君は来月四日のコンテストを目前に顎の関節を負傷するという大悲劇が起きてしまったのである!

【6月25日 AFP】ホットドッグ早食いの世界記録を持つ小林尊さん(29)が、トレーニングのし過ぎで顎関節症にかかり、次回タイトル獲得の見通しが困難になっている。

「ツナミ」の異名を持つ小林さんだが、24日のブログに「職業病」という記事を投稿。顎関節症と診断され、指が1本入るくらいにしか口を開けられなくなったことを明かし、「顎が戦線離脱しました」と書き込んでいる。
 小林さんは、米ニューヨーク市のコニーアイランド(Coney Island)で7月4日に開かれるネイサンズ(Nathan’s)主催のホットドッグ早食い選手権に向け、7連覇を目指してトレーニングに励んでいた。
「体の叫びに、耳を傾けてあげられなかった自分を恥じています。新記録で優勝することが目標だったため、大会間近でトレーニングを中断できませんでした。痛みをこらえながらトレーニングを続けてきましたが、とうとう自分で自分の顎の息の根を止めてしまいました」とブログには記されている。
 小林さんは日米両国で知る人ぞ知る有名人だが、今年死去した母親の喪に服し、ここ数か月は早食いを中止していた。しかし、それでもニューヨークの大会に出場し、「母の誇りになりたいのです」と意欲を見せる。

日本人の誇りのためにも頑張れ、といいたいところだが、たかがホットドック早食い競争のために怪我してどうする! 今年は諦めてゆっくり静養し来年を目指せばいいさ、小林君!


Comment

イラク米軍、元敵のスンニ反乱分子との協力は懸命か?

バクバでのアメリカ軍新作戦も一週間になるが、先日もお話したように米軍は地元住民からの通告によって貴重な諜報を得ている。このAPの記事によれば元アメリカの敵だったスンニ元反乱分子がいまや積極的に米軍の前衛偵察員として働いているという。

一万兵の強さを誇る米軍の五日目に入ったディヤラ地区の首都におけるアルカエダ戦士および爆弾製造者掃討作戦において、何百という元スンニ反乱軍の1920年革命旅団のメンバーは、米軍の前衛偵察員として諜報活動に当たっている。

もう2年以上も前からスンニ派種族がアルカエダに立ち向かう話は出てきていたが、最近になってこれまでアメリカを宿敵として戦ってきた元スンニ反乱分子までが次々にアルカエダから寝返って、アメリカ軍に協力を提供しはじめている。(下記は毎日新聞より

 11日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、イラク駐留米軍がイラク軍を通じ、同国内のイスラム教スンニ派勢力に武器類や資金を提供、国際テロ組織アルカイダ系組織と戦わせる新戦略を試行していると報じた。米軍司令官の話として伝えた。

 スンニ派勢力の中には過去、アルカイダと手を組み米軍を攻撃した疑いのある組織も含まれている。イラクの治安改善を目指した部隊増派の成果が十分に上がっていない中、米軍にとって苦渋の選択と言えそうだ。
 同紙によると、米軍はスンニ派が多数を占め、武装勢力の拠点とされるイラク中西部アンバル州で、スンニ派勢力への武器類供与を試験的に実施。中部など計4カ所でも同派勢力との提携に向けた協議を行った。

毎日新聞はもう二年以上も前からアメリカ軍がアルカエダに反旗を翻したスンニ派部族との交渉をつづけてきていることを知らないのか?スンニ部族を味方にする作戦はイラク安定化の一貫としてイラク軍養成と平行して行われてきた方針である。今頃『イラクの治安改善を目指した部隊増派の成果が十分に上がっていない中、米軍にとって苦渋の選択』などと何をとぼけたことを言っているのだ。ニューヨークタイムスの記事を焼き直して掲載して報道しているつもりだからこういうとんちんかんな感想がはいるのだ。まったく!
ま、それはそれとして、アメリカのブロガーのウエストホーク(Westhawk)という元海兵隊司令官はこの「敵の敵は味方作戦」にはかなり批判的だ。

アメリカ軍がやっとアルカエダの隠れ家を発見する方法を見つけだしたというのはいいことであるが、問題なのはイラクの80%以上を占めるシーア派とクルド派はアメリカ軍がやっていることを面白く思っていないことである…

ウエストホークはワシントンポストの記事から引用し、他のイラク人たちがアメリカ軍が「テロリストを信用している」と苦情をいっていることを指摘している。

イラク政府のある高官はスンニと協力関係を持つアメリカ軍事作戦について「ばかげている」と語った。

「三か月ごとに彼等の作戦は変わります。我々の方針の邪魔になるだけでなく全ての人々を不安にさせます。このような作戦は目前の便利さだけが先行して、十分な配慮がされていないと思います。」と匿名希望の高官は語った。
「事実上アメリカ軍はイラク政府並びにシーア派やクルド族にサダム派と仲直りしろと強制しているようなものです。」と高官は付け加えた。「これは1865年に(注:米南北戦争終結の年)南部に北部とすぐさま和解せよと強制しているようなものです。出来っこありません」

出来っこない例としては南北戦争は不適切だな。(笑)南部再建という名目で北部政府の共和党による南部への暴虐が数年に渡っておき、南部アメリカ人の中にはその恨みから未だに共和党には絶対に投票しないとがんばっている人たちがいることは確かだ。しかしその反面、アメリカは南北戦争の結果南部と北部の宗派間争いは終わり二つの国となったりはせず、最終的には一つの国家として南北が平和共存することができた。
スンニ派、特に元サダム・フセイン派の市民と他の市民らがすぐさま仲良くなるということは不可能でも、いずれはそれぞれの部族が部族主義を乗り越えてイラク人として共存していかなければならない。アルカエダという同じ敵と戦うことがきっかけでその協力関係をが今はじめられるなら歓迎されるべきことであり批判されるべきことではない。
第一自分達はシーア民兵の悪行を取り締まれずに内部争いばかりしているイラク政府の高官が、アメリカ軍の作戦を「ばかげている」などといえた義理か、それこそばかばかしい!
もちろん元敵のスンニ反乱分子を無闇矢鱈に信用し武器供給などすることについてはかなりの注意が必要だろう。こういっちゃなんだがアラブ人の傾向として強い方に味方する日和見主義があることも忘れてはならないからだ。
しかし私はウエストホークがいうシーア派とクルド族がスンニ派を絶対に許さないという考えには賛成できない。フセイン時代でもスンニ派とシーア派、およびクルド族は結構平和に共存してきた。フセインが自分の勢力を守るために宗派間の敵対心をあおっていたことは確かだが、部族同士はそれほど殺しあいをしたいほど憎みあっていたわけではない。今起きている宗派間争いにしたところで、スンニとシーアの一部の人間が混乱を利用して勢力を得ようとしているだけのことであり、一般のイラク市民たちは宗派間争いなど望んでいないのだ。
イラク人たちがイラクという国の国民として自意識を持つことができず、宗派だけを強調するというウエストホークの考え方は間違っていると私は思う。スンニ元反乱分子もイラク人である。今後彼等が生き延びたいのであれば、今こそ彼等にとっても正念場だろう。アメリカ軍がそれをうまく利用して良い方向へもっていくことができれば儲け物である。


Comment

米軍イラク新作戦、いよいよ本格的に開始

ことイラク作戦に関しては右も左も「増派、増派」というだけでいったい実際にどんな作戦がとられているのかメディアは詳細を報道しない。それでイラク戦争に関してきちんと注意を払っていないと、アメリカ軍はやたらに兵士の数だけ増やして訳の分からないことをやっては殺されているという印象を受けかねない。
しかしありがたいことに、主流メディアがきちんと報道しない現地での状況をアメリカのミルブロガーと呼ばれる人々が詳しく説明してくれているので、そのうちの一人、ビル・ロジオのブログThe Fourth Railを参考にイラクにおけるアメリカ軍の新作戦を考えてみよう。
現在イラクで行われている作戦はバグダッド治安安定を目的としたファンタムサンダー作戦である。五日目にはいったこの戦闘はアメリカ軍とイラク軍の複数の隊によるもので、細かく分けてダイヤラーの首都バクバー市で行われているアローヘッドリッパー作戦、南バグダッド地域で行われているマーントーチ作戦とコマンドイーグル作戦、そして名前は分からないがアンバー地区の東部で行われている作戦との四つの戦線を持つ広範囲の戦闘作戦である。
アローヘッドリッパー作戦(Operation Arrowhead Ripper)
メディアから一番注目を浴びているのがバクバーの戦闘だろう。下記は朝日新聞の記事より

イラク駐留米軍は同日、中部ディヤラ州バクバ周辺で1万人を動員した大規模なアルカイダ掃討作戦を始めた、と発表した。「フセイン政権崩壊後で最大規模の作戦の一つ」だという。

西部アンバル州やバグダッド周辺では米軍などの掃討作戦が続く。地元系のスンニ派部族や武装勢力もアルカイダ系に反旗を翻したため、アルカイダ系はディヤラ州に流入。バクバ周辺の治安は悪化していた。19日に外出禁止令が発令され、激しい銃撃戦が続いている模様だ。米軍は同日午前中までに戦闘員22人を殺害したと発表した。

バクバはディヤラ地方の首都にあたり、アルカエダがイラクイスラム国家の本拠地と宣言した場所であり、1000人以上のアルカエダ戦闘員が待機しているものと思われる。このあたりは路肩爆弾や地雷、狙撃兵などで武装されている。従軍記者のマイケル・ゴードンによればアメリカ軍は西バクバにて医療体制の整ったアルカエダ戦場病院を発見したという。この病院ではなんと酸素マスクだの手術用の機械を作動する発電機などが備え付けられていたという。まったくアルカエダはいったいどっからこんな立派な病院を設置する資金や器具を取得したのだろう?
この作戦により、少なくとも41人のテロリストが殺され、5つの武器庫のなかから25の路肩爆弾、爆弾装備の家屋などが発見され破壊された。
マイケル・ゴードンも体当たりフリーランス記者のマイケル・ヨンもバクバの陸軍に従軍しているが、地元庶民からアルカエダに関する情報がかなり入ってきているらしい。マイケル・ヨンによると地元市民はアメリカ軍によってアルカエダが殺されていることをうれしくおもっているらしく、アメリカ軍への協力に積極的だという。「市民は路肩爆弾の場所や敵の陣地の場所などを指摘してくれるため、アルカエダにとってはうまくいっていません」とヨン記者。
マーントーチ作戦とコマンドイーグル作戦(Operations Marne Torch and Commando Eagle)
南バグダッド地帯に新しくできた多国籍軍の二つの司令部がそれぞれ行っている作戦。マーントーチはバグダッド南東部、コマンドイーグルはバグダッドの西南部の担当である。
すでにマーントーチとイラク軍はチグリス川において武器輸送をしていた17隻のボートを破壊し、多国籍軍当局の発表によればアメリカ軍は5人のテロリストを殺害し、12の改良爆弾を破壊、13人の指名手配テロリストを拘束したとある。
コマンドイーグルのほうでは21日、ヘリコプターとハンビーを駆使した攻撃により29人のテロリストを退治、多数の武器庫を発見破壊、75枚のCDにおさめられたプロパガンダおよび拉致や拷問の仕方やヘリコプターの撃ち落とし方などの教科書を発見した。
東アンバール地域、名無し作戦
東アンバールで行われている戦闘の作戦名はまだ公開されていない。米軍報道官のジョン・アレン准将によると、現在ファルージャ、カーマ(Karma)、ターター(Thar Thar)のみっつの地域に焦点が当てられているという。ファルージャでは11地区において市民による隣組み風の組織がつくられ警察と協力関係にあるという。ファルージャ地域の治安維持作戦はアルージャ(Alljah)と呼ばれているそうだ。これはラマディで成功した作戦を取り入れているのだという。
ファルージャは8月頃にはほぼ安定するものと思われる。カーマとターターは7月以内にはなんとかなりそうだ。しかしカーマにおける改良路肩爆弾の攻撃は毎晩あちこちで起きており、まだまだ油断のできない地域である。しかし米軍によればファルージャは日に日に状況が向上しているということだ。
マフディ軍との戦い
アルカエダに対する戦いが激化する一方、アメリカ軍はモクタダ・アルサドルの率いるマフディ軍への圧力も引き続き強めている。
6月20日、アメリカ軍特別部隊はサドル市への手入れにおいて誘拐や攻撃を企んでいた民兵の司令官とその仲間二人を逮捕した。逮捕された三人はこれまでにもイラク市民の誘拐や殺害に必要な警察の制服、身分証明書などを供給していたという。イランが援助しているマフディの秘密グループは、先月におきたイギリス民間人5人を誘拐したと考えられている。また今年の一月に5人のアメリカ兵を殺したのもこのグループであるとされている。
ペトラエウス将軍によれば、イギリスの民間人が拉致される数日前にアメリカ軍は秘密グループの指導者を逮捕していたのだが、作戦はすでに部下によって進行されていた。 この秘密グループはジャイシアルマフディ( Jaish al-Mahdi [al-Mahdi Army])軍と呼ばれるマフディ軍の一部だが、直接サドルの支配下にあるとは限らず、アメリカ軍が必死に崩壊しようと努力しているイラン系カーザリネットワークの仲間らしい。
ほかにも色々な戦闘があちこちで起きているが、その成果はまずまずといったところだ。イラク戦争の新作戦は決して単なる意味のない増派ではない。増加された軍隊は能率的に対テロリスト作戦に起用されているのである。今年の8月下旬頃までにはかなりの成果が期待されるであろう。


View comment

米・イスラエル、繰り返される愚かなパレスチナ対策

ガザにおけるハマスによるクーデターで、パレスチナ難民はガザのハマスと西岸のファタハ勢力と二分することとなった。米国およびイスラエルは、イスラエル撲滅を公言しているハマスに対して少なくとも表向きはイスラエルとの平和共存の交渉を唱えているファタハに肩入れして、ハマスを孤立させたい意向だ。(以下産經新聞の記事より

米、パレスチナ援助再開 ハマス封じ込め イスラエルと協議へ

 【ワシントン=山本秀也】ブッシュ米大統領は19日、ホワイトハウスでイスラエルのオルメルト首相と会談する。パレスチナ自治政府のアッバス議長が、イスラム原理主義組織ハマスを排除した非常事態内閣(ファイヤード首相)を発足させたことを受け、アッバス議長率いるファタハと新内閣への本格的な支援と、ガザ地区を事実上制圧したハマスをどう押さえ込んでいくのかが協議される。
 ブッシュ大統領は、会談に先立つ18日、アッバス議長との電話会談で、ハマス主導政権が発足した後、1年余り停止していたパレスチナ自治政府への直接援助を再開する方針を伝えた。記者会見したライス国務長官が明らかにした。
 米側の援助再開はルクセンブルクで行われた欧州連合(EU)外相理事会がアッバス議長への「全面支持」を表明し援助再開を固めたのに歩調を合わせた格好。ハマスを押さえ込みたい欧米諸国の決意を示したものだ。

しかし援助再開は西岸のファタハのみならず、ガザ地区でも再会されるという。ライス国務長官はハマスに対して「パレスチナの分断を狙っている」と強く非難する一方で、ガザに4000万ドルの援助金を拠出することを決めたという。パレスチナ人が貧困に陥ることでかえってハマスへの支持が高まるのではないかという懸念からくるものらしい。
はっきり言って私はこの援助再開は大間違いだと思う。ハマスが事実上パレスチナの統治権を獲得して以来、西側諸国はテロリスト政権は支持できないとして援助を中断していた。それがその当のハマスがファタハ勢力を武力で制してガザ完全制覇を達成したらそのご褒美に西側諸国は援助を再会? これでは話が逆ではないか!
また、ハマスに比べれば多少はましという理由だけでファタハに肩入れし過ぎるのもどうかと思う。ファタハはつまるところ故アラファト率いる悪名高いパレスチナ解放機構(PLO)の成れの果てだ。アラファト議長はパレスチナ独立にもイスラエルとの平和交渉にも口先だけ応じるような体を見せながら、実際には何の努力もせず、のらりくらりと西側の要求をかわして援助金だけはちゃっかりもらって私服を肥やし、ノーベル平和賞までもらっていた。(最近その勲章が盗まれたという話。罰があたったな。)
だが、アメリカもイスラエルもこのだらしないPLOに、その腐敗と不能によってハマスという過激派を生み出したこのどうしようもない機構に、再び期待して何億ドルという金を無駄に注ぎ込もうというのである。過去何十年にも渡る間違いから何も学んでいないのか? とデイリースタンダードで問いただすのはトム・ローズ。(A Bad Week for the Good Guys, Hamas, Fatah, and the new Palestinian reality. by Tom Rose, 06/22/2007)

PLOは1964年、イスラエルがガザと西岸を占領する三年前に設立された。この機構は22番目のアラブ国家を作るためではなく、イスラエル国家を破壊する目的で設立されたのである。ハマスがガザのPLOを覆したのはPLOの夢を変更させるためではなく、その夢を実現させるためだ。


(この援助は)外交上の不能ぶりを宣伝することになるのもさることながら、さらにより悪いことにこのぶざまな反応はそれが求めるのとは反対の結果を生むことになる。PLOへの強制援助はハマスを弱体化させるどころか、PLOの二重機構を再び明らかにしかえってハマスの勢力を助長することとなるだろう。PLOへの援助はパレスチナの穏健派勢力を強めるどころか、再び腐敗と不能に満ちた組織との関係が明らかとなり穏健派への不信につながるだけだ。
パレスチナ社会を生まれ変わらせるためにはその崩壊の責任者を救出するなどという方法では出来ない。テロリズムを作り出した組織に報酬をあたえることでどうやってテロリズムと戦うのだ?「ファタハ優先」派はすでに予算も武装も十分にあったファタハへさらに経済援助をすることで、ハマスの武装勢力を前にぶざまに尻尾をまいて逃げ出したファタハの「警備」戦闘員が、ワシントンから小切手を受け取ったからといって奪われた拠点をとりもどせると本気で考えているのか?彼等は20万人もの不能な役員(そのうちの6万はやくざやテロリストで、13にも渡る「警備隊」を含む)を再契約することがPLOの腐敗と戦うのに一番いい方法だとでも思うのか?

PLOへの援助がこれまでに試されたことがないというのであればまだ話もわかる、とローズは言う。しかし米国もイスラエルもこれまでにも一度ならず二度、三度とPLOを援助し、その度に散々な目にあってきているのである。

1970年に時の大統領ニクソンはヨルダンのフセイン王にヨルダン崩壊に失敗したPLOを非武装させるよう圧力をかけた。しかしPLOは反対にレバノンを崩壊した。1982年にアメリカは再びイスラエルによるレバノン侵略の折りPLOをレバノンから救い出した。三回目はもっとも打撃的な救援である1993年のオスロ平和合意。これはアメリカによるものではなくイスラエルによるものだった。

ローズはPLOはすでに終わっているという。パレスチナ人もアラブ人もPLOなど毛沢東にから中国を取りかえそうとしていた蒋介石くらい全く無能な勢力なのだということを知っている。なぜかアメリカとイスラエルだけが未だにそれに気が付いていないのだ。ファタハが勢力があるとされる西岸ですらPLOなどすでに幻想の存在だという。リーダーのアブ・マゼンなど西側の想像的存在にすぎない、とローズは断言する。西岸に存在する13の民兵隊もアブ・マゼンの統治下にはない。パレスチナにはマゼンに従うものなどいないのだ。そんな人間をファタハの代表者として持ち上げてみても成功などにはつながらない。
今、イスラエルにとって一番危険なのはガザだ、西岸ではない。ハマスはガザを拠点として今後イスラエルにたいしてさらに危険な攻撃をしかけてくるだろう。ハマスはイランから多額の資金援助を受けており、不能で腐敗しきったファタハと比べてやる気満々だしイスラエル妥当精神はもその組織力も抜群だ。またアルカエダのテロリストもガザにその魔の手をのばしている。アメリカやイスラエルが本気でテロと戦うつもりならば、ガザにこそ注意を払うべきなのである。
しかし、アメリカはなんとアメリカにもイスラエルにも危険なテロリスト政権の市民に資金援助をするという!そんなことでパレスチナ市民がアメリカに感謝などすると本気で思うのか?ハマスへの支持が減るとでも?
以前から私は何度となく繰り返してきたが、ガザ市民はハマスの統治によって苦しまねばならないのだ。そうなってこそ初めてパレスチナ人はハマスが市民の代表なのではなく、パレスチナの独立などにも興味がなく、自分達の勢力を強める以外なんの興味もない暴力団の集まりだということを悟るからだ。
ハマスへの支持を減らすためにガザ市民に資金援助など全く本末転倒である。
ことイスラエル・パレスチナ対策においては、アメリカの外交は常に間違いだらけである。


View comment

花を盗むと不能になる、、、花泥棒防止に苦肉の策

釘で打ち付けてないものはなんでも持っていかれるという中国では、スーパーの前に飾ってある鉢植えの花がしょっちゅう盗まれて店主は困り果てていた。そんな折り、彼がおもいついたのがこの警告看板。スーパーの壁に掲げられた看板には何がかいてあるのかというと、、

この警告文……
曰く
「科学は証明している:花を盗む者は脳溢血で半身不随になりやすく、花を盗む者の家族が病院に行くのは花の盗難と関連があり、盗んだ花を送り返す者は災い転じて福となる。」

カカシは考えることが汚いのか半身不随と書いてあったのになぜか下半身不随と読んで「不能になる」と解釈してしまった。そして面白いのがこのオチ。

この告知文を掲げてからというもの、盗まれた花の一部が本当に帰ってきたのみならず、盗んでもいない花を送り届けてくる者まで出現

この話をミスター苺にしたら、「信じられない!」というので「中国人て迷信深い人がおおいのかもね」と言ったらそうじゃなくて「そんなに多くの中国人が字が読めるとは信じられない、、、」だとさ。


Comment

高波たてるイージス艦

イージス艦

米イージス艦、デストロイヤー、正面から


イージス艦

米イージス艦、デストロイヤー、横から


View comment

危険物を含む中国製のおもちゃアメリカ全土で次々にリコールされる!

ちょっと〜、中国、いい加減にしてよ、もう!
昨日も賞味期限が二年前に切れた冷凍食品をラベルだけかえて出荷しようとしている中国の冷凍食品会社の話をしたばかりだが、今日のニューヨークタイムスの見出しに中国製のおもちゃがアメリカで大規模にリコールになったとあるのが目についた。
リコールされているおもちゃは「トーマスとお友達」という機関車のおもちゃで、その塗料になんと服用すると脳障害を起こす鉛が含まれていることがわかった。このおもちゃは三歳から五歳程度の幼児の間で人気があるが、このくらいの歳の子供はなんでも口に入れるからこれは大変に危険だ。
中国製おもちゃは先月にも偽目玉のおもちゃに灯油が含まれていることがわかってリコールされたばかりであう。これまでにも鉛の塗料は中国製のぬいぐるみの熊や太鼓などからも発見されており、乳児用のおもちゃにのどに支えるような小さな部品が含まれてリコールされた例など、中国製の危険なおもちゃがリコールされた例は数知れない。
ニューヨークタイムスによるとアメリカ国内でリコールされる中国製品の数はここ5年間でそれまでの倍に増えたという。去年アメリカでリコールされた中国製品はなんと467種にものぼりこれまでの記録で最高だという。つまるところ、現在アメリカでリコールされる製品のうち60%が中国製であるという計算になる。
もっともこれは中国製品が最近危険になったというよりも、中国による世界のおもちゃ市場拡大が直接の原因となっている。いまや中国はアメリカ国内で販売されるおもちゃの70から80%の製造元となっているからだ。
中国の製造元の品質管理がずさんであることは、これまでにもあった一連の毒物入りペット食品や、偽グリセリン使用の歯磨きや医薬品などからも分かるように、明らかなはずである。とすれば中国に品質管理を期待しても無駄だ。輸入する側の国が中国製の製品には特別に厳しい監視の目をむけるべきで、中国が姿勢を改めない限り中国製品の輸入を大幅に規制すべきである。
先日も紹介した毒性のある偽グリセリンによる中毒にしろ鉛にしろ、欧米社会では何十年も前からその危険性は知られており、自分達の得た痛い経験からこうした製品は厳しく取り締まわれている。アメリカの食品薬品局が設立された直接の原因は毒性の偽グリセリン使用により大きな被害がアメリカで出たことだったのだから。
いまでこそ品質管理という点では非常に神経質で定評のある日本製品だが、日本はいつもこのように高度な製品を製造していたというわけではない。1950年代から60年代にかけて、安価な日本製品がアメリカ市場に出回ったが、その時はメイドインジャパンと言えば「安かろう悪かろう」というあまり好ましくない評判だった。それが多々の失敗を繰り返しそこから学ぶことによって今や世界中から日本製品は安全でしかも質がいいと信頼されるようになったのである。
つまり、日本も含め欧米社会も決して最初から今のように公害対策だの品質管理だのに心掛けてきたわけではない。18世紀後期から19世紀の初期に始まった産業革命は欧米社会にこれまでにない富をもたらした。しかしそれとともに工場性機械工業を取り入れることによる公害の悪影響はひどいものだった。我々はイギリスの首都を「霧のロンドン」などというが、ロンドンの霧はほとんどスモッグだったという話である。
日本でも水俣病など知られるように、工業用廃水垂れ流しによる環境汚染が改善されるまでずいぶん時間がかかった。
欧米諸国や日本がいまのようにきちんとした安全対策をとれるようになったのも、我々が道義上中国より優れているからというよりも、自分らの住む環境を破壊したり消費者を殺してしまうような近視眼的な利益主義は長い目でみて決してよい商法ではないと学んだからである。
しかし我々先進国がそうした勉強をしていた時代には前例がなかった。だから我々は被害が出て初めてその危険性を学び対策を考える以外に方法がなかった。それにひきかえ中国や他の発展途上国は先進国の間違いから学ぶという非常に有利な立場にあるといえる。公害や事件がおきてしまってから対策を練らずとも先進国の公害対策や品質管理をそのまま受け入れれば後進国は先進国が出したような多大なる被害を出さずに産業革命の恩恵だけを受けることが可能という恵まれた環境にあるのである。
にもかかわらず中国は欧米社会が百年前に犯した間違いをそのまま繰り返している。産業の発展に長年の共産主義の悪影響で政府は臨機応変に対応できていない。
中国が資本主義を取り入れ、このまま経済を発達させればいずれは中国も先進国のように公害対策や陰湿管理の大切さを学ぶであろう。問題なのはそれまでに何十年かかるかわからないということと、その間に出る被害の数々である。現在のようなグローバル経済では中国の間違いは中国だけではおさまらない。中国の危険物は世界中の市場に出回って多大なる被害を及ぼすからだ。
中国そのものが大人になるのを我々は悠長に待っているわけにはいかない。中国が早く19世紀のメンタリティーから抜け出られるように、我々諸外国が中国に圧力をかける以外今のところ方法はない。諸外国からの注文が極端に減って利益に直接悪影響を受ければそのときこそ中国も品質管理の大切さを学ぶであろう。資本主義こそが最高の安全対策だからである。


Comment

中国、二年前に期限切れのちまきを販売?

中国食品の品質管理が問題になっている昨今だが、またまたこんな記事を読んでしまった。

「ちまき」悪臭ふんぷん、賞味期限切れ2年の偽装発覚

賞味期限切れの「ちまき」を販売しようとしているという通報に基づき、安徽省品質技術監督局が合肥皖毛毛速凍食品有限公司への立ち入り調査を16日に行ったところ、2年前に賞味期限が切れた製品をパッケージを交換しただけで出荷しようとしていたことが判明した。
 賞味期限切れの「ちまき」を販売しようとしているという通報に基づき、安徽省品質技術監督局が合肥皖毛毛速凍食品有限公司への立ち入り調査を16日に行ったところ、2年前の2005年に賞味期限が切れた製品をパッケージを交換しただけで出荷しようとしていたことが判明した。18日付で新華社が伝えた。
 調査により新たなパッケージに詰め替えられて出荷されようとしていた「ちまき」約2000キログラム相当が押収された。賞味期限は2005年内で、悪臭が立ち込め、既に米粒の形状がなくなっていたという。
 同局は合肥皖毛毛速凍食品に対して市場に出回っている全ての「ちまき」の回収を命じた。これまでに1400キログラム相当が返品された。中国では「端午の節句」は旧暦の5月5日。2007年は6月19日に相当し、その前後は多くの人々が「ちまき」を買い求める。

『柱の傷は一昨年の、五月五日の背比べ、ちまき食べ食べ兄さんが、はかってくれた背の丈』なんて歌が聞こえてきそうだが、中国にも「端午の節句」があったとは知らなかった。
ま、それはともかく、二年も前に賞味期限が切れて悪臭もぷんぷんしてるような「ちまき」表示を変えただけで本気で売るつもりだったとは、
だいたいちまきというのは餅米を使っているはずで、冷凍しても餅米というのは普通の米よりも餅が、、じゃない持ちが悪い。古くなると固くなって食べられてたものではないはずなのに。いくら冷凍食品だからといって二年前に賞味期限の切れた臭いちまきなんていくらなんでも買う人がいるとは思えないのだが。
恐ろしい国だなあ中国は。


View comments (2)

アルカエダに狙われるフランス新政権

先日行われたフランスの議会選挙ではサルコージの与党が大勝利を遂げた

フランスで国民議会決選投票、サルコジ与党が圧勝へ

 【パリ=島崎雅夫】フランス国民議会(下院、定数577)の決選投票が17日、行われた。
 保守与党・民衆運動連合(UMP)の圧倒的優位は変わらず、サルコジ与党が歴史的大勝を収めるのは確実となっている。即日開票され、17日夜(日本時間18日早朝)には、大勢判明の見通し。
 第1回投票後、社会党候補は、与党の付加価値税(VAT)引き上げ案を批判する戦術を取ったが、サルコジ与党の勢いは衰えていない。直前の世論調査によると、UMP(現有議席359)は選挙協力候補を含めて380—420議席を獲得する見通し。
 社会党(同149)は153—195議席にとどまると見られている。
 サルコジ新政権は圧勝した場合、26日から特別国会を開き、週35時間労働制の弾力運用や、公共輸送ストの際の最低運行保証、犯罪者・不法移民の厳罰化などの法案を提出し、公約実現に向けた抜本改革を加速させる方針。

保守派で改革派というサルコージ政権が設立されるということは非常に好ましいことではあるが、それと同時にフランスには古くて新たらしい頭痛の種が生まれている。14日付けのロサンゼルスタイムスにはフランスがアルカエダから狙われているという記事があった。(Working in Algeria, the terror group has been laying the groundwork for attacks. By Bruce Riedel, BRUCE RIEDEL)
フランスにとってアルジェリアといえば昔ながらの敵である。フランスはアルジェリアを植民地として昔はかなり虐待していたから独立戦争が起きたのは仕方ないとしても、独立してアルジェリアを支配するようになったのはイスラム教の独裁政権。このアルジェリアでは最近オサマ・ビンラデン率いるアルカエダがその魔の手をのばしつつある。アルカエダはアルジェリアを拠点として北アフリカ及びヨーロッパで聖戦テロを行おうという魂胆だ。
ビンラデンとその副官のアイマン・ザワヒリはすでに過去二年間に渡ってアルジェリアのサラフィスト集団にアルカエダに参加するよう働きかけてきたが、去年ビン・ラデンは正式にグループの名前をイスラミックマグレブのアルカエダ(Al Qaeda in the Islamic Maghreb)と改名させ、その名の下に西側の警察などへの一連の攻撃を開始した。
今年の4月12日には、これまでアルジェリアではあまり知られていなかったこのグループがアルジェリア政府高官を狙って複数の自爆テロを行い40人近い市民を殺害している。

しかしザワヒリは本命の標的はフランスであることを明らかにした。2006年9月11日のマグレブ支部発足宣言にあたり、ザワヒリは「アルジェリア政府の背教者の無念や欲求不満そして悲しみの根源は裏切り者のフランスの息子たちにある。」と宣言し、「アメリカとフランスの十字軍たちの喉につまる骨になるように」と呼びかけた。 フランス諜報部では北アフリカにあるフランス関係施設が攻撃の標的になるだろうと予測しており、フランスそのものも遅かれ早かれ攻撃されるものと見ている。現にヨーロッパの聖戦主義者ウェッブサイトではサルコージが勝利を得て以来、フランスへの攻撃が予言されている。

旧サラフィスト集団によるフランスへの脅迫は何も今にはじまったことではない。2005年2月のメディアリポートによれば、フランス国内の諜報部はフランス国内に約5000人のシンパと500人近い過激派民兵が存在するものと推定している。フランスのアルジェリア系市民はすでに2005年貧民窟で起きた暴動の際のサルコージによる厳しい取り締まりに腹を立てている。またサルコージは先代よりもイスラエルに同情的だと考えられている。(注:シラクに比べれば誰でもそうなる)

フランスはイラク戦争に真っ向から反対した国であり、アルカエダはフランスに恨みなど持つ理由は特にないはずだ。しかしアルカエダの目的は復讐ではない。アルカエダにとってはヨーロッパが対テロ戦争に参加しているかどうかなどということはどうでもいいことなのだ。彼等の目的はただ一つ、自分らに狂った宗教で世界制覇をすることにある。そのためにフランスにもともと恨みのあるアルジェリアのサラフィストを利用しているに過ぎない。
ところで1994年に未然に防がれたアルジェリア系テロリストによるテロ陰謀は、エアフランセ旅客機を乗っ取ってエッフェル塔に突っ込むという計画だった。これが後にアメリカでおきた貿易センターテロの下敷きになったことは想像に難くない。


Comment