まだ始まって数日しかたっていないバグダッド掃蕩作戦がすでに失敗だ〜と騒いでる人たちがいる。このマシュー・イグレシアスなんてのがその典型だろう。
マシューはファルージャから多くのアルカエダ高官メンバーが戦わずして遁走してしまったことを指摘して、2004年のファルージャ闘争の時も全く同じことが起きたとし、テロリストどもは戦闘が終わればまた戻ってくることの繰り返しで、アメリカ軍は過去の間違いから何も学んでいないと語る。
これに対して、このような意見を述べるマシューこそイラクにおける新作戦を理解していないのだと指摘するのはブラックファイブのグリムである。

アルカエダのリーダーたちは戦いになると先ず逃げる。これは2004年にファルージャでも起きたことだ。しかしアルカエダの全体的な作戦である、アメリカに対抗して自分達が「勝ち馬」であるとするやり方に影響を与えるためには、彼等の本拠地を破壊することは非常に大切なことなのである。なぜなら彼等が逃げることによって本拠地が破壊されれば彼等はなんとしても失ってはいけない面子を失うからである。….

まずこの現象が起きたファルージャの例を考えてみよう。ファルージャでは敵は敵意まるだしの地元市民に勝利を勝ち取ると納得させた。その結果ファルージャはイスラミストに指導権を委ね、訓練をともにした。そして彼等がいう通り海兵隊はここで埋められると信じたのである。
しかしこれは幻想だった。アメリカの海兵隊と騎馬隊が現れると、テロリストの指導者たちは遁走してしまった。神話を信じたファルージャ市民は取り残されて自分らだけで戦うはめになったのである。ファルージャからの帰還兵の話によれば深い信念にもとづきファルージャ市民は激しく戦ったという。 しかし最後には彼等は生き残れなかった。ファルージャでおきた二つの戦闘の間にはイラクでは選挙があり、テロリストの攻撃は40%も減少した。敵の本拠地の真ん中であったこの土地で、選挙そのものも比較的問題なく行われた。

イラクのスンニ派反乱分子らがアルカエダに対する信用を失いはじめたのはこの頃からだとグリムは言う。確かに私の記憶でもイラクで最初の選挙があった頃から、スンニ派の寝返りが少ないながらも除々に起きはじめていた。いくらアルカエダが強気なことを言ってみてもいざという時に仲間を見捨ててすたこらさっさと逃げ出し地元民だけを犠牲にすることを繰り返していては、いずれはアルカエダの人気も落ちる。そしてアルカエダが逃げる度にアメリカ軍やイラク軍が勝利を遂げれば、いつかはスンニ市民にもどちらが「勝ち馬」かが分かるようになるわけだ。無論それは一夜では起きない。スンニ市民の大多数がアルカエダを見放しアメリカ・イラク連合軍を信用するようになるまでには時間がかかる。しかし今やその時が来たと私は思う。
ブラックファイブが受け取ったファルージャの司令官からのメールでも、このことが確認されている。

イラク警備軍は成功を遂げています。我々が戦っている敵のテロリスト達ですは風向きがかわりつつあることに気が付いています。い楽市民の支持が連合軍側に向けられているのです。それで敵側は殺人などの脅迫作戦をつかっていますが全く効果があがっていません。イラクの人々がテロリストに立ち向かって戦っているのを見るのはうれしいものです。

イラク新作戦はうまくいっていないどころか、かなりうまくいっているように思える。このまま辛抱強くアルカエダの神話を潰し、イラク市民の信用を勝ち取っていけば我々がイラクで勝てる日も近い。


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