数年前、早朝のロサンゼルス空港でスターバックスの列に並んでいたら背の高いパイロットの制服を着た人が前に並んでいた。空港だからパイロットが居るのは珍しいことではないが、私が気になったのはその人が長髪の髪の毛を雑なポニーテイルにしていたことだ。パイロットで長髪って珍しいな、まさかこの長身で女性ってことはないだろうなどと思っていたら、その人の番になり図太い男性の声で注文しているのが聞こえたので、あ、やっぱり男だと思ったのだが、振り向いたその人は顔に全く似合わない厚化粧をしていた!Oh, one of those! ああ、あっち系の人ね、と合点が行った。でもまあ腕さえよければパイロットが化粧をしていようとどうしようと構わんか、などと自分に言い聞かせてその場を去ったのだが、実はこの「腕さえよければ」というのがかなり怪しいという記事を読んでしまった。

デイリーワイヤーのマット・ウォルシが昨晩遅くXに「FAA(連邦航空局)のフライト・プログラム・オペレーション部門(航空機の運航全般を担当)の高官が、航空業界における白人男性の数を減らす計画を練っている内部映像を入手した」といって始めた長いスレッドには今の連邦航空局では多様性を重視するあまり空の旅の安全が軽視されていると書かれていた。

ウォルシは前々から最近のFAAのDEI(多様性、平等性、包括性)方針は職員の能力よりも人種や性別や性嗜好を優先させ乗客を危険にさらしていると指摘していたが、その確たる証拠を入手したようだ。非常に興味深い記事なので最初から読んでみよう。

先ずウォルシはFAAの航空機運航全般を担当するオペレーション部門のビデオ会議の映像を紹介する。この映像は、FAAの黒人女性のアンジェラ・マッカロー副最高執行責任者代理が、より多くの労働者が 「ランプからコックピットへ 」移動する必要がある、つまり、より多くの手荷物取扱者が航空会社のパイロットになることを望んでいる、と語るところから始まる。

会議が進むにつれ、マッカローは 「少し不快になる 」ことが重要だと宣言する。彼女は、フライトオペレーションが 「白人男性優位」であることを訴え、マネージャーたちに 「将来がどうなるかを話し合う」 必要があると言う。

これに対し、FAAのフライト・プログラム・オペレーション担当副社長であるデビッド・ウィル・リギンズは、「正直言って、素晴らしいことだ。この言葉は、私たちが本当に時間をかけて掘り下げて考えなければならないものです。」と答えた。

この映像は2022年4月のものだが、ウォルシはこの会議はもっと重大な問題が始まる兆候だったという。ここ数週間、ウォルシは航空業界の内部の人たちからDEIが一般市民を危険にさらし、彼らの仕事の邪魔になっているという話を聞いていた。

デルタ航空で働いているパイロットから得た情報によると、デルタ航空は最近、機長から繰り返し悪い評価を受けたトランスジェンダーであるパイロットを昇格させたという。その情報筋によると、このパイロットはトランスでなければ「おそらく研修期間を乗り切ることはできなかっただろう」という。

この情報源はまた、デルタ航空はトランスジェンダーであるパイロットの身だしなみや行動基準に関して、日常的に例外を設けているとも指摘している。社内では、デルタ航空は、自分が間違った体で生まれたと考えるパイロットのために、長いガイドを出版しているほどだ。

この部分を読んでいて私が冒頭で述べたポニーテイルの厚化粧男のことが頭をよぎった。男性パイロットの長髪など言語道断だが、女性でも長い髪の毛は後ろでお団子にしなければならないはずでポニーテイルはプロとしてだらしなさすぎる。それでも許されるのは彼がトランスだからなのだろう。

ウォルシは「このように業界全体があからさまな精神病を受け入れていることは、航空業界のあらゆる側面を苦しめている。」という。

彼が得た別の情報筋によれば、先進的な軍事システムを設計する仕事をしているエンジニアが、ことだが、「ジェンダーを考慮したシートベルト 」のようなDEIの提案に常に振り回されているという。このエンジニアの話では、大学を出たばかりの新入社員がやたらとDEIに関するアイディアを提案してくるというのだ。

このエンジニアによれば、彼の職場には二つのタイプの人間がいるという。一つは寝ても覚めてもDEI/ESG (Environmental, social, and governance 環境社会統治)しか念頭になく電子メールにわざわざ代名詞付きのサインをするような人達、もう一つは黙って仕事をするタイプだ。職場ではしょっちゅう白人以外のあらゆる人種や性嗜好グループを祝う行事が行われ、週に二回はDEI/ESG関係の訓練だの講習だので時間を割かれ、それがない時でも社員全員参加の会議と称してDEI関係の講義に強制参加させられるという。実は私も海軍の民間エンジニアリング部門で全く同じ体験をしている。毎月のようにラテン系だ黒人だ太平洋諸島民族の歴史といった催しがあり、そうでない時はLGBTや女性の月だなんだとゲストスピーカーが招かれて、オールハンズという全員強制参加の講演会があった。このエンジニアの職場では時間外でもDEIの名目でやれ昼食会だ、飲み会だ、映画鑑賞だ、と付き合わされているという。(強制飲み会参加とかまるで日本の職場みたいだな!)

またウォルシの元にはいくつかの情報源から、「eFast」と呼ばれるFAA最大のプログラムのひとつに関する文書も送られてきた。このプログラムでは、「インディアンの部族が所有する企業」と「社会的・経済的に不利な立場にある企業」を優先し、何十億ドルもの重要な助成金を提供している。FAAのeFASTに関する基本発注契約書には、1万ドルから15万ドルのFAA契約は、「社会的・経済的に不利な立場にある企業」のために「自動的に排他的に予約される」と記載されている。

いやあ、これも私の体験と同じだ。私は時々仕事で使う部品を購入することがあったが、軍隊なので近所の電気屋さんにちょっと買いに行くということはできない。ケーブル一本でも軍隊が指定した業者から注文しなければならず、少数派経営とか女性経営とかいったビジネスが最優先される。長年信頼関係を築いてきた業者が居ても、少数派経営の業者以外から注文する場合はいちいち正当な理由を提示しなければならず、それでも却下されることは多々あった。一度など、通常の業者からの購入が却下され、リストに載っていた少数派経営の業者への注文を余儀なくされたことがあったが、約束の納期を大幅に遅れて届いたと思ったら中国製の偽物商品。現場で使おうとしたエンジニアがどうもおかしいと気づいてくれたからよかったものの、気付かずに使っていたらどんなことになっていたか、、ここは軍隊だぞ、まったく!なんで中国製偽物を扱うような業者がリストに載っているんだ!

今年初めに羽田空港で起きた事故にしてもそうだが、あれは明らかに管制塔と湾岸警備隊パイロットとのコミュニケーションの行き違いによるものだ。あの事故は誰の落ち度かはまだはっきりしていないようだが、実はアメリカの空港では大事故には至らないまでも、ああいったニアミスは結構起きているという。管制塔職員やパイロットが能力よりDEIが優先されて採用されていた場合、今後はもっと大変なことが起きるのではないだろうか?

この無能と白人差別の組み合わせが、大規模な航空事故につながるのは時間の問題だ。多くの人々が命を落とす前に、航空業界にはまったく新しい任務、つまり安全性だけに焦点を当てた任務が必要なのだ。

とウォルシは締めくくる。


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *