韓国在住(だと思う)のアメリカ人のブログ、the Marmot’s Holeのロバート(Robert Koehler)によると、韓国のメディアはもしアフガニスタンでタリバンに捕われの身となっている韓国人宣教師23人(一人殺されていまは22人、8人が解放されたというニュースはガセネタだったおようだ)が殺されたなら、これはすべてアメリカのせいにするつもりらしい。
韓国のメディアのいい分は、アフガニスタン政府がタリバンとの人質交換交渉に応じない理由は西側、、つまりアメリカとその忠犬イギリスから圧力がかかっているからだというものだ。なにしろアフガニスタンは外国からの資金援助を非常に必要としているため、ハミッド・カルザイ首相はアメリカや連合軍に遠慮しているというのである。つまり全てアメリカが悪いという結論だ。
しかしロバートはカルザイ首相が交渉に消極的な理由はほかにあると指摘する。それは韓国政府がアフガニスタン政府に影響を及ぼせるほど、アフガニスタン戦争に貢献してきていないということにある。
ヨンハップ紙は考慮にいれていないが、カブールがタリバンの要求を無視しているのは a) 誘拐を利益のある商売にしたくないということもあるが、それよりも b) 韓国の対タリバン戦争における貢献はゼロに近いということがある。たかが200人の非戦闘員、しかも今年末にはそれすら撤退することになっている。囚人たちは解放されればその足で学校や病院やその他のインフラを破壊し、アフガン市民を殺しやアフガン軍および同盟軍を攻撃しはじめるに違いない敵である。そんな危険な敵をアフガン政府が入国すべきでないのに無責任に入国して違法ともとれる好ましくない活動(キリスト教の布教)をしていた人たちを救うために解放する理由など全くない。今年のはじめアフガニスタン政府がイタリア人記者を救うために5人のタリバンテロリストを解放したのは、カルザイやブッシュの真心からの行動などではない。アフガニスタン政府がそうしたのはイタリアから2000人の兵を即撤退させると脅かされたからである。影響力とは稼ぐものだ。残念ながらソウルはそれを全くしていない。
では韓国はどうすればいいのだろうか?ロバートは韓国はアメリカを責める暇があったら、アフガニスタンから200足らずの非戦闘員を撤退させるなどといってないで、反対に数千人の兵を治安維持や警察官として派遣すべきだという。韓国がアフガン政府に多少でも幅をきかせたいとおもうのであれば、その権限は稼がねばならない。無論そのような行為はタリバンを怒らせ、人質は皆殺しにされてしまうかもしれない。だが、アフガン政府が交渉に応じない以上、何もしなくても人質の運命にはあまり希望は持てない。
しかし韓国が誘拐や脅迫に怯まず力で応答すれば、すくなくともタリバン及び全世界に韓国は馬鹿にできないと分からせることが出来る。なにしろアフガニスタンにはまだ150人からの韓国人宣教師やボランティアが活動しているのである。将来韓国人の拉致を防ぐ意味でも、韓国は今、断固たる姿勢をとり腰抜けではない姿をタリバンに見せつけておく必要がある。