この間イギリスのブレア首相が英国内のイスラム教市民団体から警告にみせた脅迫状をもらった話をしたばかりだが、その時イギリス在住のななっちさんがこんなコメントをくだすった。
住んでいる感覚として、イギリスは「親アラブ」の左翼が強い国ですから、いくらテレビでコメンテーターがそう発言しても、ブレアと国民の間に深く暗い溝があるのと同じで、一般の国民はかなり違います。
いまだにヒズボラは「レジスタンス」であり、ハマスにいたっては「悪魔のイスラエルに対抗する英雄」みたいに捕らえている人が多いのが現状です。 ブレアが何をいおうと、テレビで中東専門家が何を発言しようといったん刷り込まれた価値観というのは消えません。
こんなこといいたくありませんが、かなり本気でイギリスの将来を心配しています。
イギリスではこの間のテロ未遂事件でかなり積極的なテロ捜査が行われ犯人はほとんんど逮捕されたようだ。しかしこの後に及んでも、イギリス政府のイスラム教徒一般への遠慮には度を超したものがある。これは決してイギリスに限ったことではない。以前にも私は過激化する欧州のイスラム教徒について少し触れたが、アメリカでも少なからずその傾向があるが、イスラム教の移民の多い欧州では移民にたいして人種差別をするまいという気持ちが非常に先立ち、イスラム教徒の横暴について見てみないふりをする節がある。この遠慮が一部のイスラム教徒に悪用され時には暴力で脅迫されるため、政治家も正当性のある批判ですら報復を恐れ大きな声ではいえなくなっている。
また欧州ではイスラム暴徒による暴力的犯罪が後をたたない。フランスで起きたイスラム教徒の暴動やユダヤ人誘拐拷問殺人事件。オランダで起きたイスラム教の悪習を批判した映画監督への暗殺など、一般の欧州市民はイスラム教徒らによる脅迫におびえている。
これらの国々には穏健派イスラム教徒を装いあたかも国内のイスラム教徒全体を代表するかのように、なにかと政治に口出ししてくるうさんくさいイスラム教団体がいる。 彼等は表向きは自由社会の一員であるかのようにふるまいながら、仲間うちが集まる聖廟やリベラルな大学のキャンパスをつかって、厳しい回教徒の掟、シャリアで欧米を支配しようと考えている過激派なのである。その事実を我々自由社会が政治的に正しい政策をしようという気持ちだけが先に立って、この危険を十分に見極めていないという人がいる。そのおかげで我々の社会はテロ攻撃にたいして非常に無防備になっているというのである。
この危険な状態を警告しているイギリス女性はメラニー·フィリップ(Melanie Phillip)さん。(訳:カカシ)
911でアメリカがイスラムジハーディストによって攻撃された時、これは西側諸国の滅亡への警鐘だと言われた。しかしそのすぐ後、英国民のほとんどが911が起きたのはアメリカとイスラエルが悪の根源なのだと決めつけた。
英国が去年の7/7でイスラムジハーディストに攻撃された時、イギリス滅亡への警鐘だといわれたが、これもすぐにイギリスの「イスラム恐怖症」とイラク戦争が悪いのだということになってしまった…
しかしあらゆる人々によって語られている英国への脅威が英国の外交政策に原因があるという議論ははかり知れなく馬鹿げている。バーミンガムを爆破しようというアルカエダの計画は911以前の2000年にされていた。イラク戦争のずっと前である。同じようにジハーディストのアメリカへの攻撃は911より22年も前の1979年にイランの大使館での人質事件で始り(カカシ注: カカシが渡米した年で、この事件はテレビで見ていた記憶がある)以後20年以上も続いているのである。
フィリップさんイギリス国民は英米イスラエルの罪を問うことに夢中で、本当の危険に気が付いていないという。イランの核兵器開発が世界の危機であるということすら理解していないと。そして彼女も昨日紹介したスペンサー氏と同じように欧米諸国の人々がテロの根源がイスラム教にあることを無視するのは危険だと強調する。
しかし多くの英国民の直面する脅威の根源がイスラム教であることを認めようとしない。これは決してイスラム教徒全体がこの悪行に参加したということではない。何百何千という英国イスラム教徒は参加していない。世界中イスラム教徒が一番この所行の犠牲となっているのだ。
しかし納得いかないほど多くの人たちがこの考えに共感している。最近の世論調査によれば英国のイスラム教徒の三分の一もの人々が7/7攻撃は正当であると考えているということがわかった。多くの若者はアジア亜大陸の文化と堕落し落ちぶれた英国の文化との間で宙ぶらりんの存在なのである。そんななかでジハードの恐ろしいメッセージはサイレンの歌のごとく精神の砂漠に置き去りに去れ生きる意味を探し求める若者たちに響きわたるのだろう。
このメッセージは彼等に自尊心を与える、なぜなら神の国を守るために戦う英雄の型に彼等をはめ込むからだ。
この自意識は濁りのない憎しみと、嘘、被害妄想、大量殺人、そして人種浄化という思想の上に築かれている。
これは殺しの思想である。そしてこれは思想であるから、裏道の聖廟や寺院で勧誘がおこなわれるのではなく、学会や大学のキャンパスなどが今やジハード勧誘の主な場所となっているのだ。
フィリップさんによると、イギリスはイスラム教徒にたいして世界でもまれにみるほど敬意を示しているにもかかわらず、イギリス在住のイスラム教徒が一番イギリスを憎んでいるという。それというのも、世界中に影響を及ぼすイギリスのメディアが日がな夜がな、いかにアメリカが悪い国か、イスラエルの自衛行為をことごとくわい曲して報道し、イギリスがアメリカやイスラエルのいいなりになっているなどという報道を執拗にしている。このようなことばかり聞かされればすでにアラブ諸国からのプロパガンダを吹き込まれている感応しやすい若者が過激化するのも無理はないというのだ。
イギリスの警察はテロリストの陰謀を暴くだけではイギリスをテロの危険から守ることはできない、とフィリップさんは言う。イギリス政府はイギリス国内のイスラム教徒の多くは穏健派であるという考えから、イスラム教市民団体のメンバーをアドバイザーとして政府に取り入れたりしているが、政府がとりいれた人々は穏健派どころかイギリスを滅亡させようという過激派である。こうした人々による影響でイギリス国民は60年にわたるイスラエルの自衛戦争を完全に誤解し、イギリスを危険を及ぼすイランを強化するような国連の停戦決議を支持してしまった。
イギリスが早急に誰が自分達の本当の味方で誰が敵なのかを見極めない限り、イギリスは非常に危ない状況にあるとフィリップさんは結論付ける。
イギリスだけではないが、欧米諸国が国内のイスラム過激派による政治的な圧力に負けずに、本当お穏健派イスラム教徒を応援して、国民がジハードに走らないよう努力してもらいたいものだ。