パレスチナ、戦いをやめよう! アッバス大統領の願い空しく

昨日パレスチナ自治政府(PA)の報道官が自己責任を追求する記事を書いたばかりだが、今日になってPAのアッバス大統領もイスラエル攻撃をいますぐやめるよう武装集団の前で演説をした

アッバス氏はイスラエルにロケット弾を打ち込んでいる武装集団こそがパレスチナの破壊と死の責任があると述べた。ラマラに集まった何千という群衆に向かってアッバス氏は「これまでにガザでは250人の殉教者が出た。何千という人がけがをし、何千という家屋が破壊された。何故だ? この理由は何だ? この理由を探そうではないか。」と呼びかけた。

アッバス大統領がいう250人の殉教者というのは、ハマスがイスラエルのジラードシャリット一等兵を拉致してからイスラエルの反撃によってガザで殺された人々のことをさしている。アッバス大統領は大分前からハマスおよび他の武装集団に対してイスラエルへの攻撃をやめるよう呼びかけていたが、これは直接ハマスとその政権への批判ととれる。
アッバス氏はガザから飛び交うロケット弾がイスラエルからの攻撃の口実となっているとハマスら武装集団の行動を強く批判しているのだ。
アッバス氏はハマスとファタとの同盟政府を設立し、国際社会からの経済制裁を取り止めてもらおうとしている。そのためにはパレスチナ市民が一体となってパレスチナの経済発展のために努力すべきであり、いつまでもイスラエルへの自爆テロを続けていてもらちがあかないと考えたのだろう。
だが、アッバス氏のこのような訴えも空しくハマスは今日も何十というロケット弾をイスラエルに打ち込んだ。イスラエル側はハマスとファタの同盟政府は成り立たないだろうと見ている。たとえシャリット一等兵が返還されたとしても、ハマスは国際社会に公式な政権として認められるために必要な三つの条件を拒否し続けるだろうというのがイスラエル側の見方である。そのみっつの条件とは、テロ行為をやめる、イスラエルが存在する権利を認める、過去のイスラエルとPAの合意を受け入れることである。
暴力的により過激になるハマスと穏健化するファタとが協力をしてひとつの政府をつくることはまず無理だろう。これはパレスチナにとって非常な悲劇である。だが、民主的な選挙でテロ軍団のハマスを政権に選んだ以上、パレスチナの悲劇は自業自得といわねばならない。
パレスチナの未来はパレスチナの民が握っている。壁の建設が完成すればイスラエルにとってパレスチナはもうどうでもいい存在である。パレスチナが主権国家として生まれ変わるためにはただイスラエルを憎んでいても何も生まれない。自分らの社会は自分らの手で作り出さねばならんのだ。だが、私にはパレスチナ人にそれができるのかどうかかなり疑わしいと感じる。
気の毒なのはアッバス氏や、彼の意見に同調する穏健派のパレスチナ庶民である。


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ヒズボラがイスラエル兵拉致の誤算を認める理由

最近になってヒズボラのリーダー、ナスララがイスラエル兵を拉致した後でのイスラエル政府の反応は予測外だったと認めているが、これは非常に興味のある展開である。

レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師は27日、地元テレビとのインタビューで、イスラエル軍との戦闘の発端となった同軍兵士拉致について、「これほどの規模の戦争になるとは1%も思わなかった。知っていれば、拉致を指示しなかっただろう」と述べ、イスラエルの攻撃が予想を大幅に上回る規模だったことを認めた。

同師は停戦直後の今月14日、自派テレビ「アル・マナール」を通じ、「勝利宣言」していたが、戦闘でレバノン側に1000人以上の死者が出たほか、同国南部を中心に甚大な被害をもたらしたことから、国民感情に配慮したものと見られる。
ナスララ師はまた、拉致したイスラエル兵2人の解放に向け「最近、接触が始まった」と述べ、イタリアと国連が仲介を表明したことを明らかにした。レバノン側は、ヒズボラではなく、ベリ国民議会議長が交渉を担当するという。
レバノン南部に増派される国連レバノン暫定軍(UNIFIL)について、同師は「ヒズボラを武装解除しようとしなければ、抵抗はしない」と述べた。

どうも勝ったといわれる勢力のリーダーがいうような声明ではない。ヒズボラは勝ったのかで下記のように書いた。

ヒズボラの人気がレバノン内部で高まったというが、はたしてこれもどこまで意味のあることなのか定かではない。シーア派で失うものが少ない連中はこれまで通りヒズボラを支持するだろう。だがヒズボラを応援することで家屋を失った一般庶民は今後もヒズボラを支持することの危険性を考慮に入れるのではないだろうか。

ヒズボラはもうすでにイランからの資金でレバノン再興のためにかなり資金投与をしている、それに加えて、イスラエルからの攻撃は自分たちの意図ではなかったとわざわざ言い訳じみたことをしているということは、我々の聞く報道はともかく、地元レバノン市民の間からはシーア派も含めてヒズボラへの批判が案外高まっているのではないだろうか。
ところで人質交換の交渉だが、イスラエルが戦闘中に逮捕したヒズボラ幹部と戦闘のきっかけとなった拉致されたイスラエル兵二人との交換ならば、ヒズボラはイスラエル兵拉致で得たものは全くなかったどころか、レバノン市民の恨みを買い、同胞を大量に殺され統治する領土も減らされ勢力をかなり弱まらされた。しかもナスララが国連軍に抵抗しないといってみたり、挑発されなければ自分達からイスラエルを攻めることはないとわざわざ公約しているところをみると、今回のイスラエルとの戦争は決してレバノン人の間でも人気があったわけではなさそうだ。以下デイリースターの記事より。(訳:妹之山商店街さん)

ナスララ師は、ヒズボラが「イスラエルの刺激」を無視するであろうから、レバノン人が戦いの新しいラウンドを恐れる必要がないと付け加えました。

「もし我々がこれらの刺激に返答したなら、我々は国連安保理決議1701に違反することになるでしょう。
そしてそれは、[アメリカ大統領ジョージ・W]ブッシュが望む、レジスタンスを武装解除することと結び付けられた二番目の解決の論議を開くことができました…
イスラエルは「レバノンをそれらの要求に身を任せさせる第二ラウンドの脅迫をしています。もしイスラエルが第二ラウンドを開始するつもりであったなら、部隊を撤退させる代わりに、部隊を増やしていたでしょう」とナスララ師が言いました。
「避難民は故郷に戻りつつあります。そして彼らは北部を再建し始めました。そのように行動をする誰が戦争へ向かうように思われません。我々は第二ラウンドに向かっていません」と彼が付け加えました。
戦闘が既に終わったという保証にもかかわらず、ナスララ師は、ヒズボラがレバノン領内のイスラエル軍を攻撃する権利を保留する。しかし今の所、抑制を見せるであろうと言いました。

イスラム教のジハーディストの語彙に「抑制」などという言葉があったとは初耳だ。もちろん私はナスララの公約など花から信じているわけではない。だが不本意でもこのような声明を公表しなければならない状況にナスララが置かれているのだということには深い意味があると考える。


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米軍海兵隊志願者は本当に足りないのか?

昨日ラジオで米軍海兵隊の予備兵2500人が呼び戻されるという話をきいた。無論ワシントンポストはこれを、戦争への支持が大幅に減って若い男女が戦争へいく可能性の一番高い海兵隊へ志願する人間が極端に減っているせいだと解釈している。

軍隊が若い男女を集められないことや、一般市民がイラク戦争を大幅に拒絶していることで、やっとアメリカは本当の変化を促すかもしれない。

59000人いる海兵隊の予備兵のなかから、そのごく一部にあたる2500人が呼び戻されたのは予備軍から募ったイラク出動への志願兵の数が十分に集まらなかったからであって、海兵隊自体への入隊志願兵が減っているという理由ではないのだ。このへんのことをワシントンポストは完全に誤解しているのである。
海兵隊の公式発表によると正規軍新規志願兵の数は過去13か月にわたってどの軍もずっと目標数を達成しているか目標数をこえているかしている。しかも志願兵のレベルも高く、皆高卒で、軍人適応試験(Armed Services Vocational Aptitude Battery test)において全員50%以上の点数をとっているという。
特に戦場へ行く可能性が一番高い陸軍と海兵隊では6月の志願率は102%と105%と目標数を上回った。また海兵隊予備軍への志願兵も目標を1%上回った。
つまり、海兵隊員になりたい若者は十分足りているのである。
足りないのは戦闘経験のある兵士でまた自主的にイラクへ出動すると志願した人の数なのである。戦争が長引くにつれ、すでに海兵隊員のほとんどがイラクへ二度三度と出動している。戦争がはじまって三年間に三回も出動となると一年のうち半年はイラクにいっていることになり、これでは本人も家族も大変だ。そこでなんとかこのローテーションで本国にいる時間をのばすために、ローテーションに加わる人間の数を増やそうというのが今回の予備軍呼び戻しの意図である。
たしかにアメリカ軍の規模が小さく、昔のようにみっつの戦争を同時にできる軍隊というわけにはいかなくなった。ということは現在存在する軍人の間ですべてまかなわねばならないという難かしさが生じる。だが軍隊の規模を拡大するしないは防衛費の問題であって、志願兵が足りる足りないという問題ではない。ましてイラク戦争が国民の間で人気があるとかないとかいうこととは全く関係がないのである。
アメリカの主流メディアはなんとかイラク戦争を勝ち戦から負け戦に持っていきたいようだ。それでこういう意味のないことで軍隊を批判する。だがイラクで軍人の数が足りないとは報道しても、軍隊が小さすぎからもっと防衛予算を増やして軍を拡大せよなどとは死んでもいわない。
彼等の本心は反アメリカ軍。それだけなのだ。


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英国の危険な自虐政策

この間イギリスのブレア首相が英国内のイスラム教市民団体から警告にみせた脅迫状をもらった話をしたばかりだが、その時イギリス在住のななっちさんがこんなコメントをくだすった。

住んでいる感覚として、イギリスは「親アラブ」の左翼が強い国ですから、いくらテレビでコメンテーターがそう発言しても、ブレアと国民の間に深く暗い溝があるのと同じで、一般の国民はかなり違います。

いまだにヒズボラは「レジスタンス」であり、ハマスにいたっては「悪魔のイスラエルに対抗する英雄」みたいに捕らえている人が多いのが現状です。 ブレアが何をいおうと、テレビで中東専門家が何を発言しようといったん刷り込まれた価値観というのは消えません。
こんなこといいたくありませんが、かなり本気でイギリスの将来を心配しています。

イギリスではこの間のテロ未遂事件でかなり積極的なテロ捜査が行われ犯人はほとんんど逮捕されたようだ。しかしこの後に及んでも、イギリス政府のイスラム教徒一般への遠慮には度を超したものがある。これは決してイギリスに限ったことではない。以前にも私は過激化する欧州のイスラム教徒について少し触れたが、アメリカでも少なからずその傾向があるが、イスラム教の移民の多い欧州では移民にたいして人種差別をするまいという気持ちが非常に先立ち、イスラム教徒の横暴について見てみないふりをする節がある。この遠慮が一部のイスラム教徒に悪用され時には暴力で脅迫されるため、政治家も正当性のある批判ですら報復を恐れ大きな声ではいえなくなっている。
また欧州ではイスラム暴徒による暴力的犯罪が後をたたない。フランスで起きたイスラム教徒の暴動やユダヤ人誘拐拷問殺人事件。オランダで起きたイスラム教の悪習を批判した映画監督への暗殺など、一般の欧州市民はイスラム教徒らによる脅迫におびえている。
これらの国々には穏健派イスラム教徒を装いあたかも国内のイスラム教徒全体を代表するかのように、なにかと政治に口出ししてくるうさんくさいイスラム教団体がいる。 彼等は表向きは自由社会の一員であるかのようにふるまいながら、仲間うちが集まる聖廟やリベラルな大学のキャンパスをつかって、厳しい回教徒の掟、シャリアで欧米を支配しようと考えている過激派なのである。その事実を我々自由社会が政治的に正しい政策をしようという気持ちだけが先に立って、この危険を十分に見極めていないという人がいる。そのおかげで我々の社会はテロ攻撃にたいして非常に無防備になっているというのである。
この危険な状態を警告しているイギリス女性はメラニー·フィリップ(Melanie Phillip)さん。(訳:カカシ)

911でアメリカがイスラムジハーディストによって攻撃された時、これは西側諸国の滅亡への警鐘だと言われた。しかしそのすぐ後、英国民のほとんどが911が起きたのはアメリカとイスラエルが悪の根源なのだと決めつけた。
英国が去年の7/7でイスラムジハーディストに攻撃された時、イギリス滅亡への警鐘だといわれたが、これもすぐにイギリスの「イスラム恐怖症」とイラク戦争が悪いのだということになってしまった…
しかしあらゆる人々によって語られている英国への脅威が英国の外交政策に原因があるという議論ははかり知れなく馬鹿げている。バーミンガムを爆破しようというアルカエダの計画は911以前の2000年にされていた。イラク戦争のずっと前である。同じようにジハーディストのアメリカへの攻撃は911より22年も前の1979年にイランの大使館での人質事件で始り(カカシ注: カカシが渡米した年で、この事件はテレビで見ていた記憶がある)以後20年以上も続いているのである。

フィリップさんイギリス国民は英米イスラエルの罪を問うことに夢中で、本当の危険に気が付いていないという。イランの核兵器開発が世界の危機であるということすら理解していないと。そして彼女も昨日紹介したスペンサー氏と同じように欧米諸国の人々がテロの根源がイスラム教にあることを無視するのは危険だと強調する。

しかし多くの英国民の直面する脅威の根源がイスラム教であることを認めようとしない。これは決してイスラム教徒全体がこの悪行に参加したということではない。何百何千という英国イスラム教徒は参加していない。世界中イスラム教徒が一番この所行の犠牲となっているのだ。
しかし納得いかないほど多くの人たちがこの考えに共感している。最近の世論調査によれば英国のイスラム教徒の三分の一もの人々が7/7攻撃は正当であると考えているということがわかった。多くの若者はアジア亜大陸の文化と堕落し落ちぶれた英国の文化との間で宙ぶらりんの存在なのである。そんななかでジハードの恐ろしいメッセージはサイレンの歌のごとく精神の砂漠に置き去りに去れ生きる意味を探し求める若者たちに響きわたるのだろう。
このメッセージは彼等に自尊心を与える、なぜなら神の国を守るために戦う英雄の型に彼等をはめ込むからだ。
この自意識は濁りのない憎しみと、嘘、被害妄想、大量殺人、そして人種浄化という思想の上に築かれている。
これは殺しの思想である。そしてこれは思想であるから、裏道の聖廟や寺院で勧誘がおこなわれるのではなく、学会や大学のキャンパスなどが今やジハード勧誘の主な場所となっているのだ。

フィリップさんによると、イギリスはイスラム教徒にたいして世界でもまれにみるほど敬意を示しているにもかかわらず、イギリス在住のイスラム教徒が一番イギリスを憎んでいるという。それというのも、世界中に影響を及ぼすイギリスのメディアが日がな夜がな、いかにアメリカが悪い国か、イスラエルの自衛行為をことごとくわい曲して報道し、イギリスがアメリカやイスラエルのいいなりになっているなどという報道を執拗にしている。このようなことばかり聞かされればすでにアラブ諸国からのプロパガンダを吹き込まれている感応しやすい若者が過激化するのも無理はないというのだ。
イギリスの警察はテロリストの陰謀を暴くだけではイギリスをテロの危険から守ることはできない、とフィリップさんは言う。イギリス政府はイギリス国内のイスラム教徒の多くは穏健派であるという考えから、イスラム教市民団体のメンバーをアドバイザーとして政府に取り入れたりしているが、政府がとりいれた人々は穏健派どころかイギリスを滅亡させようという過激派である。こうした人々による影響でイギリス国民は60年にわたるイスラエルの自衛戦争を完全に誤解し、イギリスを危険を及ぼすイランを強化するような国連の停戦決議を支持してしまった。
イギリスが早急に誰が自分達の本当の味方で誰が敵なのかを見極めない限り、イギリスは非常に危ない状況にあるとフィリップさんは結論付ける。
イギリスだけではないが、欧米諸国が国内のイスラム過激派による政治的な圧力に負けずに、本当お穏健派イスラム教徒を応援して、国民がジハードに走らないよう努力してもらいたいものだ。


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イスラム教はテロリズムを奨励するのか?

『イスラム教は平和の宗教だ、ジハーディストはイスラム教を乗っ取った一部の過激派だ』といういいかたをよく耳にする。ブッシュ大統領も、クリントン元大統領も、同じようなことを言っている。だが、『そうではない、イスラム教の教えそのものがテロを生み出す原因となっている、その事実に目を向けなければ文明社会はジハーディストとの戦いに勝つことはできない』と語る人がいる。
ロバート·スペンサーなる人がそれである。彼はジハードウォッチというブログを書いているひとだが、何冊かイスラム教に関する本も書いていて、最近はイスラム教の危険性を唱えるドキュメンタリーにも出演している。著書に”Islam Unveiled” と”Onward Muslim Soldiers”がある。
スペンサー氏は生まれはアメリカだが、祖父の代に現在のトルコにあたるあたりから移民してきた。メルカイトグリークカトリック(Melkite Greek Catholic)というローマンカトリックと似たヨルダン、レバノン、パレスチナ地方で信じられている宗教を信仰している。ノースカロライナ大学で宗教の修士を持つ。
彼が出演したC-SPANのインタビュー番組から要点を少しまとめてみよう。

イスラム教は世界でただひとつその教義、神学、法律が不信心な者への暴力を要求する宗教であり、イスラム教が独裁する社会を世界中に広めるために戦争をすべきだととなえる宗教である。
コーランを読み、イスラムの歴史を勉強し、イスラム法のテキストを読めばこれが真実であることが誰にでも明白である。
しかしイスラム教が暴力を要求するからといって、すべてのイスラム教徒がテロリストであるとか、テロリストシンパであるというわけではない。ほかのどの宗教でもあるように、人によってはイスラム教のこのような教えを知らない人も入れば、その部分に特に注意を払っていない人もいるし、また知っていて拒絶している人もいる。
しかしイスラム教のなかにテロリストに悪用されやすい要素が含まれていることは否定できない。イスラムの伝統がこのような行為を正当化しているのである。であるからテロリストはイスラムのこのような教えを指摘して自分達の行為こそが本当のイスラム教なのだと主張することができるのである。
イスラム教徒にとってコーランはアラーの神の言葉そのままなのであり、完璧で神聖な本である。そしてこの完璧な本は本の母であり天国に永遠に存在している。それを23年間かけてすこしづつ予言者モハメッドを経てアラーがこの世に届けたもうたのであると信じられている。
欧米にすむイスラム教徒にとってやっかいなのは、テロリストがコーランが暴力を要求する部分を強調してそれだけで突き進んでいることにある。イスラム教徒であればテロリズムがイスラム教の教えに反するとは議論しがたい。
特にイスラム教では「信じないもの、インファデル」を剣で改宗させ、拒絶するものは奴隷にして虐げてもいい、特にユダヤ教徒やキリスト教徒は殺してもいいとさえされている。つまりイスラム教はインファデルの程度によりどのような差別行為をするべきかという掟さえあるのである。これは信じないものは地獄に堕ちるというキリスト教のような生易しい教えではない。

ではイスラム教はテロリズムを奨励する宗教なのか、テロリズムのみがイスラムの定めなのか、世界がイスラム教に改宗するかイスラム教徒の僕としてイスラム征服に甘んじるかするまでジハード(聖戦)を続けるよりないのだろうか?
私はそうは思わない。暴力を奨励したり時と場合によっては要求する宗教はなにもイスラム教に限ったことではない。ユダヤ教も他宗教をジェンタイルと言って拒絶する教えがあるし、キリスト教の軍隊であった十字軍の悪行は多く記録されている。日本や中国でも仏教徒による僧兵など当たり前だったくらいだから、決して何時の世でも平和的な宗教だったとはいえない。
だが、現代社会においてこれらの宗教は暴力を奨励しない。聖書やお経の下りが書き換えられたわけではないのに、信者たちは暴力を拒絶した。同じことがイスラム教にもできるはずだ。イスラムにも変化する希望があると私は考える。
スペンサー氏も語るように、イスラム教徒のなかにも、コーランに書かれている暴力的な部分は無視している人たちが大多数を占める。ということはイスラム教徒も現代の文明社会の一員として、コーランの教えを文字どおりに受け入れるのではなく、比喩的に解釈し、現代社会にそった教えへと変化させることが可能なはずだ。
問題は暴力を拒絶したイスラム教徒たちが、暴力を奨励するジハーディストにどうやって武器を捨てさせるかにかかっている。我々インファデルには彼等を説得させて武装解除することはできない。彼等はインファデルのいうことになど興味がないからである。我々インファデルによるジハーディストの武装解除は暴力でしかなしえない。
ブッシュ大統領をはじめ、欧米の指導者たちがイスラム教全体を非難せず、過激派だけをとりあげて非難している理由は戦争をイスラム教対自由主義国というふうに拡大したくないからだ。そんなことをすれば双方で莫大な数の犠牲者を出す大戦争になってしまう。そして結果的にはイスラム教は完全に滅びてしまうだろう。
もし穏健派のイスラム教徒たちが生き延びたいのであれば、彼等が彼等の手でジハーディストをそれこそ「インファデル」として拒絶すべきだ。彼等のやっていることはイスラムの教えを誤って解釈していると世界のイスラム教徒に訴えるべきだ。そのためには常にテロリズムを非難しなけらばならない。テロリズムを批判する他宗教の人々に対して人種差別だの宗教弾圧だのといった抗議をしていては駄目なのだ。
イスラムをテロリズムと同義語にされたくなければ、イスラム教徒みずからが立ち上がって、自分達の中に潜むテロリストを駆除すべきである。
ちなみに、スペンサー氏のこの番組出演について、アメリカのイスラム教市民団体のCAIRがまたまた理不尽な抗議をしている。穏健派のイスラム教徒はCAIRのようなテロの表看板団体を糾弾することからはじめるべきだろう。


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ニコール·キッドマン、ヒズボラを糾弾!

ハリウッドの俳優たちといえば、圧倒的にリベラル派が多く、保守派への偏見も多い。ハリウッドでは同性愛者であっても仕事を失うことはないが、共和党員だったら雇ってもらえないなんてこともある。(結構隠れ共和党が多かったりして、、)
そんな中で、本日歓迎すべきニュースを読んだ。
女優のニコール·キッドマンを中心にハリウッドのスター、映画監督、スタジオ主などのメディアの大物合計84人が署名してロサンゼルスタイムスに反ヒズボラの広告を出したというのだ。(訳:カカシ)

私たちここで署名をしたものは、皆イスラエルとレバノンにおいて、ヒズボラやハマスのようなテロリスト集団がはじめた行為によって、イスラエルとレバノンで市民の皆様が犠牲になったことで打ちのめされ心が痛んでおります。

もし私たちが世界のテロリズムをとめることに成功しなければ、混乱が支配し無実の人々が死に続けるでしょう。
私たちは民主主義社会を支持しどのような犠牲を払ってもテロリズムをとめる必要があります。

普通ハリウッドのスター達が抗議をする場合には、「暴力を即座にやめよう」とか「憎しみの連鎖をとめよう」とか抽象的で、テロに反対しているともとれるし、政府の反応に批判的だともとれるようなものが多い。そんな中で今回の戦争の責任が明らかにテロリストであるハマスとヒズボラにあると断定しているところが注目される。
署名をしたなかにはマイケル·ダグラス、デニス·ホッパー、シルベスター·スタローン、ブルース·ウィルス、ダニ·ーデビトなどの大物スターの名前がずらっと並んでいる。
これらの人々は鷹派とはいい堅いひとたちがほとんどだが、文明人としてテロリストとの戦いに中立はないと判断してくれたようだ。久しぶりにいい話をきいた。


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警告それとも脅迫? 英国のイスラム教徒からブレア首相に宛てた手紙

昨日もアメリカのイスラム教徒テロリスト、、おっと市民団体のCAIRがブッシュ大統領の「イスラマファシスト」という言葉使いに抗議をした話をしたが、今度は英国のイスラム教グループと数人の議員がブレア首相に宛てた手紙を公開した。
その内容は、ブレア首相のイラクやイスラエル政策を批判したもので、このままその政策が続けばかえてイスラムテロリストを怒らせ、市民へのテロは増えるだろうというものだ。一見イスラム教徒からの親切な警告のようではあるが、実際には自分らのいう通りにしなければ英国人へのテロを増やすぞというあからさまな脅迫ともとれる。(訳:カカシ)

英国のトニーブレア首相に宛てた公開手紙において、英国イスラム教徒の代表的団体らや政治家などがブレア首相の外交政策、特にイラクやイスラエル/ヒズボラ戦争などの対策が英国内外での攻撃をうける危険性を増加させたと抗議した。

「イラクにおける大失態や中東において市民への攻撃を即座に終わらせることができなかったことは、現地における一般市民への危険を増加させただけでなく、我々を威嚇する過激派に攻撃の口実を与えてしまった。」と、タイムス誌に載った手紙には書かれている。
イスラム教徒の多くがブレア首相が2003年の米国の指揮したイラク侵略に軍を派遣したことに批判的であり、イスラエルとヒズボラゲリラとの戦いを即座にやめさせることを訴えていた。(カカシ注:国連も認めるテロリスト団体、ヒズボラをゲリラとしか呼べないロイターに注目)
「我々は首相にテロと過激派への対策にさらに力を入れることを訴えるとともに、わが国の外交政策を変更することを訴える」とある手紙にはブレア首相の党である労働党の議員6人の署名も含まれている。
この手紙の返答として、交通局のダグラスアレキサンダー局長は、英国の4チャンネルテレビで、「テロリストが行うどのような行為も正当化されない」と語った。

私は今日、あるネット掲示板において、イスラエルの行動を批判する人と話をしていたのだが、「もとはといえばイスラエルがアラブ人を追い出して建国したのが悪い」という話になった。それで私は「あなたはイスラエルが存在する権利を認めるのか? 認めないならあなたはイスラエルの滅亡を望んでいるのか? そのためならテロも支持するのか?」と質問をした。この人は正直にも最初の二つにはイエスと答えた。テロについては支持しないとはいったものの、自分の親や恋人が殺されたら自分がテロリストになる可能性は100%あると言った。
こういう人がイスラエルにする「助言」がイスラエルのためになるはずはない。もし彼女がイスラエルに謝罪しろとか兵を撤退しろとかいえば、それは決して中東の平和を望むからでも、今後イスラエルへの攻撃を減らすためでもない。なぜなら彼女の目的はイスラエル撲滅だからである。
イギリスでブレア首相に抗議の手紙を出したイスラム教徒たちは自分らの間だけでは常にイギリス滅亡を語り合っているに違いない。かれらが本気でイギリスの平和を望んでいるなどと考えるのは大間違いである。彼等の最終目的はイスラム過激派による世界制覇なのであり、彼等の忠誠はイスラム過激派テロリストと同じジハーディストの思想なのだ。
ブレア首相がそれを知らないはずはないが、ブレア首相の政治家としての寿命はもうそう長くない。次の首相がブレア氏ほど根性の座ったひとかどうかは分からない。ブレア首相はイラク戦争でブッシュ大統領を支持したことでずいぶんと自分の勢力を犠牲にした。次の首相は世界平和のために、イギリスの未来のために、自分のキャリアを犠牲にしてまで対テロ戦争にとりくめるだろうか?
イスラムジハーディストの警告に化けた脅迫にイギリス市民は怖じ気づいてはいけない。


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うさん臭いアメリカのイスラム教市民団体

いつものことではあるが、イスラム教諸国はアメリカのことを鬼だ畜生だといっても、アメリカに住むイスラエル教徒たちが、アメリカへの偏見だなどとイスラム諸国に抗議などしない。そのくせアメリカ大統領がテロリストのことを「イスラムのファシスト」と呼んだらすぐさま「人種差別だ、宗教弾圧だ」と大騒ぎ。

「イスラムのファシスト」 米大統領発言に反発の声
– CNN/REUTERS

英国で発覚した航空機爆破テロ計画について、ブッシュ米大統領が「イスラムのファシストとの戦い」と発言したことに対し、米国内のイスラム教徒らが強い反発を示している。
ブッシュ大統領は10日、訪問先のウィスコンシン州で、テロ未遂についての短い声明を発表。その中で、「イスラムのファシスト」が「あらゆる手段を使って自由を愛するわれわれを倒し、わが国を傷つけようとしている」と述べ、その相手と「戦争状態にあることをはっきりと再認識させられる出来事だ」と語った。
これに対し、イスラム教市民団体「米イスラム関係評議会(CAIR)」のニハド・アワド事務局長は、ワシントンでの記者会見で「無分別な言葉遣いだ。イスラム教や同教徒をファシズムと結びつける考え方は非生産的だ」と、強い不快感を表明。「ブッシュ大統領や政府当局者に自制を求める」と述べた。
大統領や当局者らはこれまでにも何度か、国際テロ組織アルカイダやイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラなどを指して「イスラムのファシスト」という言葉を使っている。イスラム教徒の間からは、「信仰を独裁や抑圧、人種差別などのイメージと結びつける不当な表現」とする反発の声が上がっていた。

テロリストと一緒にされたくなかったら、イスラム系テロリストがイスラムの名のもとにテロを行う度にテロリストを非難すればいいではないか。テロリストのメッセージはイスラム教を代表しないと声明を発表すればいいではないか。911直後にアメリカの大通りにくり出してお祝い騒ぎをしていては、テロリストと同類だと思われても仕方ないはず。
ところで、このCAIR(ケアと発音する)という団体がどうもうさん臭い団体なのである。表向きは市民団体だが、実際はイスラム教テロリストと深い関係がある団体。幹部がテロ団体への資金集めをして何人も逮捕されたりしている。以下は2005年4月14日ワールドネットデイリーの記事より。(訳:カカシ)

非常に影響力のある米国イスラムロビーグループのテキサス支部創設者がテロリズムを援助したとして有罪となった。

兄弟二人と共に昨日ダラスで有罪となったガサーム·エラシ氏はパレスチナのテロリストグループ、ハマスの高官、ムサ·アブ·マーズークに資金を横流ししていた罪に問われていた。
エラシ氏はワシントンDCに本部のある米イスラム関係評議会(CAIR)のテキサス支部の委員で、911以後テロリズムの罪で有罪となったCAIR関係者では3人目となった。

CAIRはアメリカ国内でイスラム教徒に都合の悪い発言をする人間にはすぐに食い付く節があり、その影響力は非常に大きい。ハリウッドの映画界ではイスラム系テロリストを描写するとCAIRからクレームがつくので原作ではイスラムテロリストが悪役なのに映画の悪役をニオナチに書き換えるなどCAIRに迎合したりしている。(The Some Of All Fears) 最近のアメリカ映画でイスラムテロリストが全く登場しないのも、この団体の影響がすくなからずあるのである。
幹部が三人以上もテロリストとして有罪になっている団体なら、テロ団体といわれてもしょうがないはず。こんな奴らのいうことをいちいち気にとめるアメリカメディアにも腹がたつ。CAIRの抗議を取り上げるなら、この団体の正体もついでに書き加えるべきだ。そうでなければ読者はただの市民団体の抗議だと誤解してしまうだろう。無論アメリカメディアの狙いはそこにあるのだが。


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イギリスのテロ摘発で、テロ監視プログラムの大切さを考える

本日のAPニュースによれば、今回のテロが未然に防げたのも、数日前にパキスタンで逮捕されたパキスタン系イギリス国籍の男二人が重要な鍵を握っていたからだとある。(訳:カカシ)

パキスタンはパキスタン、英国そして米国の諜報部による積極的な協力によって陰謀は阻止され、英国における24人の逮捕につながったとかたった。

「事実、パキスタンは今回の国際テロネットワークの陰謀を暴露し破壊するのに重要な役割を果たしました」と(パキスタン)外務省のタスニム·アスラム報道官は語った。

興味深いのはここに米国諜報部による協力があったということである。米国諜報部はどのような方法でテロリストたちの動きを察知したのだろうか? アメリカの民主党が人権無視だとかプライバシーの侵害だとかいってさわいでいる国家安全保証局の盗聴プログラムなのではないかな? 下記は2005年12月26日つけのCNETJapan、「市民を監視する米国–波紋を広げる国家安全保障局のスパイ活動」より:

先ごろ、NSA(National Security Agency:米国家安全保障局)が米国内でスパイ活動を行っていたことが明らかになったが、その詳細はまだ謎に包まれたままだ。
Bush大統領は米国時間19日の記者会見で、NSAの活動を強い調子で擁護したが、実際の活動内容に関する情報はほとんど明かさなかった…
しかし、一部の技術者や自由擁護論者らは、記者説明会やニュース記事から得たヒントを手がかりにしながら、このスパイ活動で監視された米国外との電子メールや電話によるやりとりは数百万件に上ると結論づけている。
Electronic Frontier Foundationの共同設立者であるJohn Gilmoreは22日、「強力な捜査網が争点になっていることを示唆する情報が集まっている。おそらく、米国受発信の国際通信すべてがNSAに傍受されている」とメーリングリストへの投稿のなかで述べている。
NSAは長年「通信情報収集」と呼ぶ活動を行ってきた。これは、電波中継装置や衛星通信信号、海底ケーブルの傍受によるデータ収集を意味する。NSAの関係者はこれまで、神経過敏な政治家や一般大衆に対し、大規模で機密性の高い電子傍受活動は米国市民をターゲットにしたものではない、と述べていた。
ところが現在では、Bushが秘密裏に指令を出し、NSAによる米国市民と国外居住者との通信傍受を認めるたのではないかとの疑問が出始めている。

この見出しの「市民を監視する」という表現が正しくないことは後になってずいぶんとブッシュ政権から説明があったが、簡単にいえば、盗聴される電話や電子メールは外国でテロリストと認識された人間がアメリカ国内に連絡をした場合、受け取り人がアメリカ在住の人間であればそれなりの監視がされるということであり、アメリカ国内でアメリカ市民の電話や電子メールが礼状もなく盗聴されるというプログラムではない。
ブッシュ大統領いわく、外国のテロリストから電話がかかってきたら、我々はそれを知りたい、ということだ。
私は以前にカナダでのテロが未然に防がれた時にもこのように書いた

この犯人たちは先にアメリカで逮捕されたテロリストともつながりがあった。アメリカの諜報がカナダに提供されたことが、カナダのテロリスト逮捕にも役に立っていただろうことは容易に推測できる。もし、アメリカのテロリストが米民主党が批判的なNSAのテロリスト盗聴作戦によって捕まっていたとしたら面白いことになる。カナダ政府はなにかとアメリカの対テロ戦争に批判的だが、今回のことで多少は目をさましてくれただろうか。

アメリカだけではないが、ヨーロッパ諸国なども、テロ防止のための手段をことごとく人権無視だ、人種差別だ、プライバシーの侵害だといって効果のないものにしようとする傾向がある。我々が人権や自由を謳歌できるのも、国が安全であってこそではないか。テロリストにおびえて空も飛べないような状況が自由といえるのか?
私が先にあげたプロファイリングもさることながら、NSAの盗聴プログラムなどで、どんどんテロリストの陰謀を暴きテロリストたちを摘発してもらいたいものだ。
ところで、株式投資のための注目情報によれば、テロリストたちは8月11日と16日のユナイテッド航空の航空券をすでに購入していたのだという。予行演習のためだったのか、本番だったのか分からないが、テロが本当にすんでのところで防がれたのだということがよくわかる。


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英米間の旅客機多発テロ計画すんでのところで未然に阻止

レバノン戦争もイラク戦争も対岸の火事と油断をしていると、どうして私たちが常に対テロ戦争に厳しく取り組まなければならないのか、今回のこのような事件で思い知らされる。まずは毎日新聞の記事より。

米国行き9機同時爆破? 21人逮捕 [ 08月10日 21時14分 ]

 【ロンドン小松浩、ワシントン和田浩明】英警察当局は10日、英国発米国主要都市行きの複数の旅客機の同時爆破を狙った大規模テロを未然に阻止し、容疑者21人を逮捕したと発表した。米国を狙い、旅客機を使った手口から国際テロ組織アルカイダの関与が疑われている。英政府は5段階のテロ警戒度を最高度の「危機的」に引き上げ、厳重な警戒態勢を敷いている。英国の各空港は安全確認のため離着陸が一時禁止されるなど大混乱し、欧米を中心に世界各国に影響が広がった。
 AP通信は米当局者の話として米国のユナイテッド、アメリカン、コンチネンタルの3社のワシントン、ニューヨーク、カリフォルニアなど行きの便が標的になったと伝えた。英BBC放送は容疑者が週明けに3機ずつ3回に分けて計9機を爆破する計画だった可能性を報じている。爆発物に転用できる液体を使って飛行中に旅客機を爆破しようとしたとみられる。
…米CNNテレビは米政府高官の話として「実行段階に極めて近かった」と伝えた…
 容疑者グループの主犯格は英国生まれで、多くはパキスタン系英国人だという。警察当局は数カ月前から捜査を進め、10日未明にロンドン、バーミンガムなど3カ所を捜索して逮捕に踏み切った。動機などはまだ明らかでないが、米英の中東政策に対する怒りが背景にあるとの見方が強い。
 ロンドンのヒースロー空港をはじめ英国内の空港では離着陸や手荷物の持ち込みの一時禁止措置がとられ、欧州各国などからの英国行き便もしばらく運航を見合わせた…
 ロンドンでは昨年7月にパキスタン系英国人らが地下鉄・バスを同時爆破する自爆テロが発生、52人が犠牲になった…

 (強調カカシ)
毎日新聞の記事には書かれていないが、この「実行段階にきわめて近かった」というのがどれほど近かったかといえば、APのニュースでは2〜3日の間だったとある。また液体爆発物を使っての計画だったことで、機内持ち込みの荷物は全面的に一時さしとめ。子供の哺乳瓶などはその場で試食など厳しい中身の検査がおこなわれた。このセキュリティーチェックの列が4時間にもなったという。
私はこの間のニューヨーク旅行でコンティネンタルでかえってきたばかり。ハワイ出張ではいつもユナイテッドだし、本当に他人事ではない。
しかし、今後の警備を考えた時、いったいどういう方法が一番能率的で安全なのか、ここでしっかり吟味する必要がある。まさか機内持ち込みの荷物を全面的に禁止するわけにもいかないだろうし、水やお茶を持ち込んではいけないなどということになったら、私は長時間に渡る渡航にたえられない。
まず、最近の渡航において、スーツケースに鍵をかけることはほとんど不可能になった。目の前でスーツケースをあけて中身を調べてくれる空港もあるが、たいていの空港では人手不足なためひとつひとつのチェックはしない。それで無作為抽出で選ばれたスーツケースだけ荷物を預けた乗客がすでにいないところで開けるから、鍵がかかっていたらその鍵はきられてしまう。私はこれでもうすでに三つも鍵を壊されてしまった。
それで最近ではもうスーツケースに鍵などかけない。(規定の鍵をかけてあれば壊されないという話だが、航空会社の係員があけられるなら鍵などかけていてもあまり意味はない。)そういう事情だから私はスーツケースに大事なものなどいっさい入れていない。だが、これでもし機内持ち込みの手荷物を禁止されたらどうなるのか。
我々が大切なものを預けたくない理由はいろいろあるが空港係員による窃盗、移動中の破損、紛失、遅れなどがあげられるだろう。そう考えるとラップトップやCDプレーヤーなどの貴重品や、常備薬などスーツケースに入れて預けるのは気が引ける。つまり、手荷物持ち込み禁止は非現実的な対策だ。
ではいったいどうすればいいのか。政治的に正しい言い方ではないが、この際乗客のプロファイリングが必要になってくると思う。先の記事で私が強調した部分をもう一度読んでいただきたい。これまでイギリスでテロ容疑で逮捕された犯人たちはイギリス国籍はもっているものの皆外国、特にパキスタン出身の若者がほとんどである。そしてその名前も、モハメッド、アクメッド、オマー、アリなどといった明かなイスラム教徒ばかりだ。ヨーロッパ系のピーター·スミスだのケビン·ブッシュなんて名前のテロリストは先ずいない。どうやらテロリストによる非イスラム教徒の地元若者リクルートはあまりうまくいってないようだ。
こういうことをいうと人権擁護市民団体などが、人種差別だの人権侵害だの騒ぎだすだろうが、この際そんなことをいっている場合ではない。誰が考えてもオクラホマ出身の70歳になるセルマおばあちゃんと、パキスタン出身の19歳のオマー君とでは、どちらがテロリストの可能性が高いかなど明白なはず。それを人権云々を心配してセルマおばあちゃんのおこしの中身までいちいち調べるのは時間の無駄というものだ。
決して人種でプロファイルしろというのではない。だが乗客の元の国籍、名前、年齢、性別など十分にヒントとなる項目はあるはずだ。警備が厳しくなればそれにかかる人件費も時間もかかる。それでなくても空の旅は難かしくなっているのだ。今後飛行機での渡航が安全かつ能率的に行われるためには、プロファイリングは必要不可欠になってくるだろう。
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