昨日もアメリカのイスラム教徒テロリスト、、おっと市民団体のCAIRがブッシュ大統領の「イスラマファシスト」という言葉使いに抗議をした話をしたが、今度は英国のイスラム教グループと数人の議員がブレア首相に宛てた手紙を公開した。
その内容は、ブレア首相のイラクやイスラエル政策を批判したもので、このままその政策が続けばかえてイスラムテロリストを怒らせ、市民へのテロは増えるだろうというものだ。一見イスラム教徒からの親切な警告のようではあるが、実際には自分らのいう通りにしなければ英国人へのテロを増やすぞというあからさまな脅迫ともとれる。(訳:カカシ)

英国のトニーブレア首相に宛てた公開手紙において、英国イスラム教徒の代表的団体らや政治家などがブレア首相の外交政策、特にイラクやイスラエル/ヒズボラ戦争などの対策が英国内外での攻撃をうける危険性を増加させたと抗議した。

「イラクにおける大失態や中東において市民への攻撃を即座に終わらせることができなかったことは、現地における一般市民への危険を増加させただけでなく、我々を威嚇する過激派に攻撃の口実を与えてしまった。」と、タイムス誌に載った手紙には書かれている。
イスラム教徒の多くがブレア首相が2003年の米国の指揮したイラク侵略に軍を派遣したことに批判的であり、イスラエルとヒズボラゲリラとの戦いを即座にやめさせることを訴えていた。(カカシ注:国連も認めるテロリスト団体、ヒズボラをゲリラとしか呼べないロイターに注目)
「我々は首相にテロと過激派への対策にさらに力を入れることを訴えるとともに、わが国の外交政策を変更することを訴える」とある手紙にはブレア首相の党である労働党の議員6人の署名も含まれている。
この手紙の返答として、交通局のダグラスアレキサンダー局長は、英国の4チャンネルテレビで、「テロリストが行うどのような行為も正当化されない」と語った。

私は今日、あるネット掲示板において、イスラエルの行動を批判する人と話をしていたのだが、「もとはといえばイスラエルがアラブ人を追い出して建国したのが悪い」という話になった。それで私は「あなたはイスラエルが存在する権利を認めるのか? 認めないならあなたはイスラエルの滅亡を望んでいるのか? そのためならテロも支持するのか?」と質問をした。この人は正直にも最初の二つにはイエスと答えた。テロについては支持しないとはいったものの、自分の親や恋人が殺されたら自分がテロリストになる可能性は100%あると言った。
こういう人がイスラエルにする「助言」がイスラエルのためになるはずはない。もし彼女がイスラエルに謝罪しろとか兵を撤退しろとかいえば、それは決して中東の平和を望むからでも、今後イスラエルへの攻撃を減らすためでもない。なぜなら彼女の目的はイスラエル撲滅だからである。
イギリスでブレア首相に抗議の手紙を出したイスラム教徒たちは自分らの間だけでは常にイギリス滅亡を語り合っているに違いない。かれらが本気でイギリスの平和を望んでいるなどと考えるのは大間違いである。彼等の最終目的はイスラム過激派による世界制覇なのであり、彼等の忠誠はイスラム過激派テロリストと同じジハーディストの思想なのだ。
ブレア首相がそれを知らないはずはないが、ブレア首相の政治家としての寿命はもうそう長くない。次の首相がブレア氏ほど根性の座ったひとかどうかは分からない。ブレア首相はイラク戦争でブッシュ大統領を支持したことでずいぶんと自分の勢力を犠牲にした。次の首相は世界平和のために、イギリスの未来のために、自分のキャリアを犠牲にしてまで対テロ戦争にとりくめるだろうか?
イスラムジハーディストの警告に化けた脅迫にイギリス市民は怖じ気づいてはいけない。


4 responses to 警告それとも脅迫? 英国のイスラム教徒からブレア首相に宛てた手紙

アラメイン伯18 years ago

民主的な選挙で選ばれた政府の政策がテロにより変更されることがあってはいけません。
テロリストは民主主義の不倶戴天の敵なのです。
英国がテロに屈することは絶対にないでしょう。

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ななっち18 years ago

昨日、「子連れ自爆テロ未遂」のニュースが放送された後、この件についてイギリスのテレビではムスリムの代表を招いての討論会になっていました。 その代表はこの手紙とまったく同じことを繰り返していたのですが、他にも主張しているポイントがありました
ざっとあげるとこんな感じでした。<>に書いてあるのはイギリス人の反応です
7.7のテロを3分の一のイギリス在住のムスリムが支持していることを深刻に捕らえて政策を変更すべき <テロによって政策を変えることはできない。>
イスラム系のMP(国会議員)は3人しかいないにもかかわらず、ユダヤ系のMPはたくさんいる、これは不公平で人種差別だ。<それはユダヤ系の政治家が選挙に立ち、おそらくはユダヤ人を含めた人々の投票を得た結果であり人種差別でも不公平でもない。イスラム系の投票率は以前他のエスニシティと比べて格段に低く、投票に行かない、または選挙に立たなければ国会に議席は得られない。テロを支持する前に考えるべきことでは?>
ブレアにはユダヤ系の中東専門家がついていてユダヤに操られている<ユダヤの陰謀を繰り返せば人の共感を得られるとおもうところが間違い。ブレアの中東関連のブレーンはユダヤ系ではないし1人の人間ではなく複数。もうほとんど無視状態でした>
イスラムの人口が多いのだからシャリーアを法律にしてほしい。またイスラム教徒の半数近くがシャリーアを法律にすることを支持している。<であるならば、移民してくるのが間違いで、シャリーアが法律の国に移民するのが筋というもの。最近のイスラム系の移民のほとんどは経済目的の移民か難民であるけど、イギリス社会で生きていくというのはイギリス側の「受け入れ努力」だけでなされるものではなく、彼らの「なじむ」努力もあってこそだ。それを忘れないで欲しい>
イギリスはユダヤばかりを大切にしてイスラムを差別している! ユダヤ系の学者、政治家、実業家の数を見よ! イスラム系より多いではないか! <ユダヤ人差別というのは残念ながらイギリスに存在する。 ユダヤ人は信仰は違えど、政治的にはイギリス人と同じように振る舞い投票にいき、選挙にたち、民主主義にのっとった形で自分の主張を展開している。テロや暴力という形での主張をしない。過去にイギリスがイスラエルを非難したときも、テロという形でユダヤ側からレスポンスが返って来たことはない。学者の数は学校に行き教育を受けた結果のキャリアであって、ユダヤ人だから特別扱いするということは決してしてない。実業家も同じ。 なぜあなたたちがそう主張するのか我々は理解できない>
これを見て思うのは、(個々人の話ではなくて政治的な話で)彼が主張する『民主主義』というのはアナーキズムのことであって、権利には義務が伴うという概念がすっぽり抜け落ちているなぁと・・・「今すぐ、何が何でも」欲しい、それをかなえるのは自分達や自分達の努力ではなくて、相手の仕事だ。相手ができない、しないのならテロしかない・・そんな焦燥感が全面に出ていました。
そして「ユダヤ」(笑)彼は本当にユダヤ系の市民が民主主義の中で生きているのがまったく理解できていないんだとつくずく実感しました。
で、そのイスラム系のコメンテーターいわく、これらのポイントが「是正」されてこその民主主義なんだそうです。もちろん彼が全イスラムを代表しているわけではないので反対するムスリムも大勢いるでしょうし、賛成するムスリムもいるでしょう。
もうこうした社会意識の乖離というのは加速がバンバンついていて止まらないというのがイギリスの現状で、これからどうなるんだろうと思ってしまいます。 長くなりましたが。

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scarecrowstrawberryfield18 years ago

ななっちさん、
非常に面白いお話をありがとうございます。これは私のブログ仲間のアセアンさんというイスラム社会にすんでらっしゃる方のおっしゃていたことと共通するものがあります。
今夜よく考えてブログに書きたいと思います。
アラメインさん、
ななっちさんのお話によれば、イギリスがテロに屈することはないと思います。少なくともほかのヨーロッパ諸国とはかなり違いますね。
カカシ

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ななっち18 years ago

ぶっちゃけていうと、イスラム教徒の大半がシャリーアの法律化を望んでいるというのは、おそらく、イスラム側の組織プロパガンダだと思います・・・。 そんなみんなが望んでいるというようには肌で感じることはありません。
が、住んでいる感覚として、イギリスは「親アラブ」の左翼が強い国ですから、いくらテレビでコメンテーターがそう発言しても、ブレアと国民の間に深く暗い溝があるのと同じで、一般の国民はかなり違います。
いまだにヒズボラは「レジスタンス」であり、ハマスにいたっては「悪魔のイスラエルに対抗する英雄」みたいに捕らえている人が多いのが現状です。 ブレアが何をいおうと、テレビで中東専門家が何を発言しようといったん刷り込まれた価値観というのは消えません。
こんなこといいたくありませんが、かなり本気でイギリスの将来を心配しています。
今日発表されたニュースでテロでつかまったうち3人は白人のイスラム改宗者であると発表されていました。 テロに屈しなくてもテロに飲み込まれては結果は同じ・・(涙) 

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