道徳の羅針盤を見失うな!ベン・シャピーロの訴え

デイリーワイヤーの共同編集長でありポッドキャスターのベン・シャピーロの今日のポッドキャストは非常に重たいものだった。彼はハマスが自慢のためにソーシャルメディアに上げた数々の悪行をそのままツイッターで報道した。あまりにも残酷なので目をそむけたくなる。だが我々はこれらの映像を見るべきだ。そして心に焼き付けろ。これがハマスの悪だ。これを見ても未だイスラエルとハマスを同列に並べられるのか?

シャピーロはオーソドックスジューといって、ユダヤ教の中でも特に伝統的な宗派の敬虔なる信者である。9月の終わりからヨン・キプールというユダヤ教にとっては聖なる祝日だったことから、シャピーロ一家はイスラエルに居る親戚を訪ねており、金曜日にフロリダに帰宅したそうだ。次の日の土曜日にハマスによるガザ襲撃が始まったのだが、オーソドックス教徒のしきたりで土曜日はサバスといい、金曜日の日没から土曜日一杯文明の利器を使うことは禁止されているため、オーソドックスの信者たちはテレビもインターネットもスマホも使っていなかった。それで彼等がガザの悲劇を知ったのは、ユダヤ教徒ではない周りのひとたちからの口伝えである。

ポッドキャストは一時間半もあるのでまとめることはちょっと無理だが、デイリーワイヤーに彼のコラムがあったのでこちらで紹介しておこう。翻訳はDeepLに多少私が手を加えた。

引用はじめ =================

道徳の羅針盤を失い、赤ん坊の首をはねることにニュアンスや複雑さがあると信じる社会は、生きる運命にある社会ではない。そのような社会は、いかなる圧力にも耐えることができない。CNNやMSNBCのインタビューでは、イスラエル人と、自宅で家族を惨殺し赤ん坊の首をはねたハマスのテロリストとの間に道徳的同等性があると主張する人々がいた。

ああ、洗練されたニュアンス。灰色の影が見えないのか?

メディアにはうんざりだ。本当にうんざりだ。真実を求める者もいる。求めていなくても、時折つまずく者もいる。でも中には自分らの似非洗練さと道徳的同率にしか興味がなく、それが他の何より大事だという動機で動く奴らがいる。

テロリズムとは定義上、民間人を巻き込む残虐行為である。民間人の後ろに隠れれば、その民間人の死に責任がある。それがハマスのやり方だ。ハマスが軍事司令部を置いたのは、文字通り病院の地下だった。これが彼らの正体だ。彼らはモスクの中に司令部を置く。武器庫を教会やモスクに隠すことで、イスラエルがそれらを爆破しなければならなくなったときに、ある種の人権侵害だと主張できるようにしている。

これが彼らのやり方だ。彼らは、西側のマスコミがどのようにこのゴミを流すかを理解している。彼らは、欧米のマスコミがハマスとイスラエルの間にある種の道徳的同等性があるように装っていることを理解している。

ハマスには、民間人が犠牲になった双方の責任がある。ハマスが、これらの地域から移動しないよう積極的に働きかけているのだ。私はこの事実を知っている:イスラエルは過去30年間、数え切れないほどの空爆を中止してきた。

イスラエルがガザを空爆したとき、ビデオには二次爆発が映っていた。二次爆発は、イスラエルが攻撃した建物の下に武器庫がある場合にのみ発生する。二次爆発は、武器を地面の下に隠した結果であり、パレスチナ自治政府、ハマス、イスラム聖戦がやっていることだ。

イスラエルはガザ地区の支配権をエジプトに渡そうとしたがエジプトは興味を示さなかった。イスラエルはユダヤとサマリアのパレスチナ・アラブ地域の支配権をヨルダンに渡そうとしたがヨルダンは「とんでもない」と言った。

アメリカは、ハマスが犯したような大虐殺には決して耐えられないだろう。今、南の国境を越えている人たちが全員武装していて、無差別に村々を訪れ、3万人のアメリカ人を殺害していると想像してみてほしい。メキシコとの国境は現在、誰にも管理されていないと思うか、アメリカ軍がそこにいると思うか?メキシコ政府が機能していると思うか?

イスラエルはなすべきことをし、メディア(すでに道徳的な臆病者である)が、自分たちの赤ん坊がテロリスト集団に斬首されるのを目撃した人々に銃口を向けるのを見守るしかないだろう。

この時点で道徳的な明確さが見えないと主張する人を私は信じない。赤ん坊を斬首する人々と、赤ん坊を守ろうとする人々との区別がつかないのであれば、それがあなた自身の似非詭弁であろうと、もっと卑しく暗い下心があろうと、あなたには下心があるのだ。

ひとつ言えることは、西側が勝つということだ。そして今、イスラエルは西側の使者として、人間の破片に立ち向かっている。

=========================引用終わり

ハマスにしろシリアのヒズボラにしろイスラムテロリストたちは西洋社会の偽善的なメディアをどう利用できるか熟知している。欧米にもすくなからず反ユダヤ思想は根強くある。だからどれだけイスラムテロリストによる悪行を見せつけられても、欧米メディアは何とかイスラエルにも非があるはずだと考え公平を理由にどっちもどっちだと報道するのである。だから双方平和を目指せとか、イスラエルに自制しろとか、いい加減なことばかり言うのだ。

繰り返す、ハマステロリスト対イスラエルではハマスが一方的に悪い。ガザでパレスチナの一般市民が犠牲になったらそれはすべてハマスに責任があるのだ。


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ユダヤ人が一方的に強姦され誘拐され殺されているにもかかわらずイスラエルにも非があるとするのはまさにユダヤ人差別

ウクライナがロシアから侵略された時、人々は全面的にウクライナに同情し、一方的にロシアが悪いと批判した。確かに軍事的に侵略したのはロシアだからそう思って当然だろう。でもだとしたら、なぜ戦争中でもないのに突然イスラエルに攻め入って、軍事拠点ではなく故意に民間人を標的に無差別殺戮をおこない女子供を凌辱し誘拐し男女構わずその遺体を引きずり回して雄たけびを上げている野蛮人たちに対して、世界の人びとはロシア人に対してしたような一方的な非難の声を上げないのだ?パレスチナ人だけでなく、それどころか欧米に住むイスラム教徒たちが歓喜の声をあげ街中に繰り出している姿を黙認しているだけだ。ウクライナ侵攻の際に欧米のロシア人たちが徒党を組んで繰り出したなんて話は聞いたことがないし、もしそんなことをしていたら、ロシア移民たち全員がひどい反感を買ったことだろう。だが欧米の政府からもメディアからもそんな批判の声は上がらない。犠牲者がユダヤ人ならどんなことが起きても構わないとでもいうように。

ことイスラエルとパレスチナの問題に関しては私は全面的にイスラエルの味方だ。パレスチナには一ミリも同情しないし彼らには正義など全くないと考える。よく中東紛争などと言って、これは単なる領土問題でどちらにも非はあるという人がいるが、それは間違っている。イスラエルに非はない。いますぐアラブ人がユダヤ人を殺すのを止めれば中東問題など一瞬にして収まるのだ。イスラエルはパレスチナ側の攻撃無しにパレスチナ領内を攻撃したことは一度もない。そのことが今回の件でも理解できないのであれば、ハマステロリストによる誘拐や強姦や虐殺を見てもまだイスラエルにも責任があるとおもなら、そういう人はよっぽどの馬鹿なのかユダヤ人差別者だ。申し訳ないがそれ以外に言いようがない。

イスラエル建国にまつわる話は、コメント欄でかんぱちさんが教えてくれた上念司さんの動画が非常に簡単にまとめてくれているので是非ご覧になって頂きたい。

ところで今日及川幸久さんがイスラエルにも挑発行為はあったという動画をあげていて非常に失望した。イスラエルの兵士がパレスチナの子供を射撃練習に使ってるとか、ガザは監獄だとか、アメリカのパレスチナ活動家の言い分をそのまま鵜呑みにしている。私がこのブログを始めた当初、イスラエルによるガザへの空襲に関してかなりの嘘情報が流れているのを沢山見た。

たしかにイスラエル兵がパレスチナ人の子供を撃ったことはあるが、パレスチナ人は子供を人間の盾に使うのなんか普通にやっている。また行進するイスラエル兵の頭にレンガより大きいコンクリートの塊を落とすとか、子供達にやらせているのだ。及川さんともあろう人がそんなことも知らないとは思えないんだが。

彼はどうしてもどちらかだけが善でどちらかだけが悪なんてことはないという公平でありたいと思う心が先走って、本当の悪が存在することを見失っているのではないだろうか?イスラエルとパレスチナは絶対に同列に並べることはできない。同列にして公平であろうと努力しすぎると、それがイスラエルへの偏見となってしまうのだ。


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ハマステロリスト、イスラエルを奇襲攻撃、戦闘員も民間人も無差別殺戮と誘拐、犠牲者はすでに六百人を超える

二日前にガザのパレスチナ領を統治するテロリスト軍団ハマスがイスラエル領内に潜入し、イスラエル軍の基地及び民家を無差別襲撃した。襲撃の様子はあちこちのソーシャルメディアに上げられており、ハマス暴徒たちが女子供も容赦なく射殺したり誘拐し、殺した兵士や半裸の女性の遺体を引きずり回すという蛮行に及んでいる。ハマスは兵士や民間人を何百人と誘拐し人質に取っている。ハマスの野蛮人共がこれらの人質を非人道的に虐待することは明らかなので、イスラエル軍は迅速に彼等を救出しなければならない。

イスラエル、1973年以来の宣戦布告を閣議決定 フォックスニュース(10/8/2023)
イスラエルの安全保障内閣は今週末、1973年のヨム・キプール戦争以来初めて、正式に戦争を開始することを決議した。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相はすでに土曜日にイスラエルが「戦争状態にある」と宣言していたが、ハイレベルの安全保障閣議決定によって「重要な軍事活動」が解禁された、とネタニヤフ首相の事務所は『タイムズ・オブ・イスラエル』紙に発表した。

ハマスのテロリストは、今週末の奇襲ロケット攻撃で少なくとも600人のイスラエル人を殺害し、少なくとも2000人以上を負傷させた。同グループはまた、ガザ内で数十人の人質を取っており、イスラエル軍は交戦の準備を進めている。

パレスチナによるイスラエルへのロケット攻撃は珍しいことではないが、実際に国境を越えてイスラエル領内に侵入して多数のイスラエル市民を虐殺するという攻撃は珍しい。それに国境沿いの警備は特に厳しくゴキブリが入り込む隙も無いと言われていたのに、なぜまるで前触れもなくハマス暴徒が何百人とイスラエル側のインテルに気付かれずに国境を侵害できたのであろうか?

イスラエル軍の発表によると、ハマスは軍事基地ではなく民間人を主に標的にしたという。確かに民間人は易しい標的ではあるが、それだけに卑劣である。地上での戦闘と同時にガザからは何百というロケット弾が撃ち込まれている。イスラエル軍も迎撃を始め、すでにパレスチナ人側にも200人近い死亡者が出ているという。

実はヨム・キプールの戦争もほぼ今と同時期に勃発した。イスラム教徒は記念日が好きなので、10月6日を選んだのは偶然とは思えない。それにしてもなぜ今のタイミングでハマスはイスラエルを攻撃したのか。

実はちょっと前にバイデン政権はイランが拘束していたアメリカ市民数人の釈放の報酬として凍結されていたイランの資金60億ドルを解除した。イランはイスラエルの宿敵であり、常にイスラエルの撲滅を目指している。イランがヒズボラやハマスを使ってイスラエル攻撃をしていることは周知の事実だ。テロ行為には金が必要だ。ミサイルもただではない。ハマスはイランからまとまった資金援助を得たと考えるのが自然だろう。

G.O.P.候補者、バイデン大統領のイラン取引批判にイスラエル攻撃を利用 ニューヨークタイムス
共和党は、バイデン大統領が最近の人質解放交渉の一環として人道的目的のために60億ドルの凍結解除を決定したことに改めて反対した。

共和党の大統領候補者たちは、土曜日にイスラエルで起きたハマスの襲撃事件を取り上げ、バイデン大統領に責任をなすりつけようとし、この奇襲事件と、ハマスの長年の支援者であるイランとアメリカとの間の最近の人質解放取引との間に関連性を引き出そうとした。

ドナルド・J・トランプ前大統領は、自らをイスラエルの揺るぎない盟友として示し、2018年にアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転させたが、バイデン氏を非難した。

土曜日にアイオワ州ウォータールーで選挙運動をしていたとき、彼は攻撃が起きたのは 「我々が弱く、非力で、本当に弱い指導者だと思われているからだ 」と述べた。

トランプ氏はさらに何度か、人質取引が攻撃のきっかけになったと述べた。「戦争が起きた理由は2つある。「アメリカはイランに60億ドルを人質のために与えている。

バイデン政権は8月、テヘランで拘束されていた5人のアメリカ人を解放する代わりに、凍結されていたイランの石油収入資金60億ドルを人道的目的のために解放することに合意した。同政権は、この資金は「軍事的な二重用途に使用されることのない食糧、医薬品、医療機器」にのみ使用されることを強調している。

バイデンがトランプから何を言われても言い訳はできない。トランプ大統領の頃は中東でイスラエルに表立って盾をつく国はなかった。パレスチナの連中も大人しくしていた。ところが2021年のミサイル大攻撃に始まってトランプが居なくなった途端に、にわかにパレスチナのイスラエル攻撃は激化したのだ。バイデンがイスラエル軍に援助などするはずがないと鷹をくくられているのである。

しかもイスラエルの宿敵イランに60億ドルも手渡している。これではイスラエル攻撃へのグリーンライトが付いたものと解釈されても不思議ではない。

さてCNNは今後バイデン政権が直面するいくつかの問題点についてあげている。

  • バイデンとイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は数十年来の友人だが、イスラエルではネタニヤフ首相の極右連立政権によって緊張状態にある。
  • パレスチナ人の政治環境が分裂しているため、アメリカ政府関係者が信頼できる交渉相手を見極めるのは難しいだろう。
  • アメリカでは、すでに活発化している共和党の大統領予備選挙キャンペーンが、イランとの最近の取引を通じてイスラエルへの攻撃を助長したバイデンに非難を浴びせる運命にあるようだ。
  • その背景には、バイデンがゴールが近いと期待していたイスラエルとサウジアラビアの歴史的な国交正常化合意が迫っている。

昨日カナダ人ニュースさんでも聴いたのだが、イスラエルのネタニヤフ政権はいまかなり鷹派の右翼が勢力を握っているとのことで、今回のハマスからの攻撃にはハマス壊滅を目指してかなりの強硬手段に出るのではないかと考えられている。


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「バイデンは弾劾ではなく軍法会議にかけられるべき」元イギリス軍司令官

「バイデンは弾劾ではなく、軍法会議に賭けられるべきだ」マーク・レビンのトークショーに出演した元イギリス軍のアフガニスタン司令官、リチャード・ケンプ大佐(退役)は強い口調で語った。

アフガニスタン政府崩壊はNATOにも大打撃を与えた。それについてケンプ大佐は怒りを隠せない。

バイデン大統領は一人で(NATO)の信頼度を破壊してしまった。アフガニスタンにおいてアルカイダやイスラム国は強い。彼らは自由に行動するだろう。そして911以前よりも自由に行動できるのだ。世界中のジハーディスト達がアフガニスタンに集まり訓練を受けるだろう。

ロシアや中国ほどこれを喜んでる国々はないだろう。私は他の誰についてもこんなことを言ったことはない。他のどんな指導者についてもだ。バイデン大統領を弾劾しようという動きがあるようだが、私はバイデン大統領は弾劾されるべきだとは思わない。彼はアメリカ軍の総司令官として、タリバンに降伏してしまったようなものだ。彼は弾劾されるべきではない。彼はアメリカ合衆国とアメリカ軍を裏切った罪で軍事会議にかけられるべきだ!

イギリスがバイデンにどれだけ怒っているかといえば、イギリス議会はバイデンをConptempt の処すと決議した。これは日本語にするとどういう風になるのかよく分からないのだが、要するにイギリス議会はバイデンを侮蔑すると表明したのである。イギリス議会がよその国の指導者に対してこのような決議を下すとは由々しき状況だ。しかもアメリカとイギリスは長年の同盟国である。こんなことは前代未聞だ。

しかしイギリスが怒るのも無理はない

「政府関係者によると、米国は英国に撤退方法や撤退ペースを伝えていなかったという。

大きな外交政策上の決定に直面したとき、同盟国は真っ先に連絡を取り、コミュニケーションを取るべきだ。しかし、バイデンは英国を無視してアフガニスタンを災害に陥れたように見えた。

さらに、アメリカ軍をアフガニスタンから撤退させるという決定は、イギリスにも直接的な影響を与えた。水曜日、英国はタリバンの支配下に入ったため、「6,000人の英国人と資格のあるアフガニスタン人」の避難を急いでいたと、英国の「Daily Mail」紙が報じた。

しかし、バイデンがアメリカのヨーロッパの同盟国を鼻であしらうのはそれだけではなかった。The TelegraphのBen Riley-SmithがTwitterで伝えたところによると、バイデンは、アフガニスタンのカブールが陥落した後も、英国のボリス・ジョンソン首相の呼びかけを無視していたという。

「ジョンソン氏は月曜日の朝から、カブール陥落について話し合うためにバイデン氏を電話で呼び出そうとしていた」と書いています。「最終的に二人が話したのは火曜日の午後10時近くだった」

つまり、バイデン氏は自分の計画を事前に英国に伝えなかっただけでなく、その計画が災害につながった後、24時間以上も首相の呼びかけを無視していたのである。

怒っているのはイギリスだけではない。アメリカと共にアフガニスタンで戦った他の同盟国もかんかんに怒っている。ロシアや中国は大喜び。そしてアジアの中立国は今後アメリカよりロシアや中国につくかもしれない。少なくともアメリカは頼りにならないと思っているだろう。日本や韓国や台湾などは非常に微妙な立場に立たされている。特に台湾は戦々恐々としているのではないか?香港に続いて台湾まで中国に取られたら、東アジアは大変なことになる。日本もうかうかはしていられない。

アフガニスタンに残されている邦人救出のために自衛隊が出動したという話を聞いた。バイデンの大失態がなければ、日本人も徐々に安全に避難が可能だったのに。これで自衛隊員一人でも死んだら、日本は今後アメリカに協力することにそう積極的にはなれないだろう。


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アフガニスタンからの全面撤退は必要なかった

アメリカにとって歴史上最長の戦争だと言われるアフガニスタン戦争だが、我々はアフガニスタンでタリバンと20年間ずっと戦ってきたわけではない。確かに最初の数か月は戦闘状態にあった。しかしタリバンはことのほか容易に鎮圧され、アフガニスタン市民はタリバンの弾圧から解放された。この事態で戦争は終わっていたのだ。

ではなぜアメリカ軍はその場ですぐ撤退しなかったのか。アメリカの目的はタリバン制圧からアフガニスタンにおけるテロ組織の再燃を防ぐことにあった。そのためアメリカ軍が去った後でもアフガニスタンをタリバンの侵攻から守るためにアフガニスタン軍を設立することになった。困ったことに国という意識のないアフガニスタンでアフガニスタン国家に忠誠を誓う軍隊を作り上げることは困難だった。

アフガニスタンの政治家たちも国家に忠誠を誓うなどという気はさらさらなく、いかにしてアメリカ政府から金を吸い取り私腹を肥やすかしか興味のない連中ばかりだった。またアフガニスタンに駐留していた米将軍たちの中にも、アフガニスタンで一儲けしようという腐った奴らがいくらも居た。だからアフガニスタン軍がアメリカ兵のレベルに達していないにもかかわらず、いざという時には自分らだけで戦える軍になっているとアメリカ国民に嘘をつき続けて来たのだ。

オバマ大統領はブッシュ政権のイラク・アフガニスタン政策には批判的で、どんどんとイラクからは撤退していったが、なぜかアフガニスタンからは撤退しなかった。それどころか2009年には3万人の増兵を行った。いわゆるサージと呼ばれたもの。それはタリバンの台頭を防ぐための一時的な作戦であるとされていた。

しかし結局その後もアフガニスタンには2.5万から3万の兵が在留しトランプ大統領の代になった。毎年巨額の軍事費をつぎ込んでいるにもかかわらず、アフガニスタン政府の腐敗しきった様子に、これ以上軍事費をつぎ込んでも意味がないと判断したトランプは、直接アルカイダと交渉し条件付きで撤退を約束した。

その交渉が行われたのが2020年の2月のことである。その後トランプは25000から居た兵を2500にまで減らしていた。にも関わらずタリバンは領域を広げるようなことはなかった。それというのもトランプ大統領はかなり厳しい口調で、もしアメリカ軍および民間人の撤退においてタリバンが多少なりとも邪魔した場合には、タリバン本拠地のリーダーたちを殺すと釘を刺しておいたからだ。その時トランプはリーダーの名前と彼の隠れ家の場所まで言って相手を黙らせた、と本人がインタビューで語っていた。

ここからは私の勝手な想像だが、もしバイデン政権に代わらずトランプ政権が継続していたら、多分この2500兵はそのまま残留しただろう。何故かというと、今の状況から察するにアメリカ兵が皆無になったアフガニスタンは崩壊してしまう。これはトランプ大統領も十分承知だったはずだ。いくらアフガニスタンには米軍に協力した民間人が多くいるとはいえ、その人たちを全員アメリカに避難させるなどということは不可能である。第一、そんなことを言ったら実際に米軍に関与したしないにかかわらずアメリカに移民しようとやってくる人間が殺到することは間違いないからだ。

米軍撤退後もタリバンの侵攻を防ぐためには、頼りにならないとはいえアフガニスタン軍が機能しなければならない。アフガニスタンに居た元軍人の話では、アフガン軍は米国の指揮と空爆援助があれば十分タリバンと闘えるという話だった。バイデンはあんなに簡単にアフガン軍が崩壊するとは思わなかったと言っているが、それは彼らが米軍の指揮がなければ動けない軍隊だったからで、彼らを見捨てて真っ先に米軍が逃げてしまったので、アフガン軍も士気を失ってしまったからだ。もし2500の米軍が駐留し指揮を続けエアサポートを続けていたなら、アフガン軍もタリバンの侵攻を阻止できたはずなのである。

裏を返せば、トランプ大統領がどう思おうと、最後の2500兵はアフガニスタンに残るしかなかったと思う。しかしそれでもトランプ大統領は大半の米軍兵を帰還させたということで十分評価されただろう。たった2500兵の駐留などもう戦争とは言えないからだ。しかも戦死者が全くでなければなおのことだ。

つまりバイデンは何もしないで居れば自分が常に言い続けて来たアフガニスタン撤退を成功させることが出来たのだ。トランプ政権のお膳立てをそのまま継続していればよかったのだ。それをアフガニスタン撤退は自分の功績であることを誇示するためにトランプ政権の避難実行グループを解散させ、自分勝手に撤退の時期を変え、世界中で誰も理解できない最悪な方法で軍を撤退させたのである。

これはすべてバイデンのせいだ。誰のせいにもできない。

追記:2009年のオバマ大統領の増兵について書いたエントリーを読み返していて面白い部分があったので引用する。全文はこちら。すっきりしないオバマ王のアフガニスタン増兵作戦 – Scarecrow in the Strawberry Field (biglizards.net)

私がこの演説を聞いていて一番腹が立ったことは、オバマの口から「勝利」という言葉が一度も発せられなかった事だ。どうやって戦争を終わらせるかという「出口手段」ばかりが先走って、勝利作戦について全く触れられなかったのだ。

戦争をやるからには勝たねばならない。負ける戦争なら最初からやらないほうがよっぽどもましだ。勝つ気がないなら兵など送り込むな!

(中略)

オバマ王にとって問題なのは、リベラル派の支持だけでは次の選挙で勝つことは出来ないということだ。リベラル派の支持だけで次回の選挙に勝てるなら、オバマはアフガニスタンなど見捨てて今すぐ完全撤退をしたいところだ。しかし無所属の支持なくして再選はあり得ない。無所属派は必ずしも反戦ではない。いや、それどころか、アフガニスタンでは勝たなければならないというオバマの公約を正直に信じた人々が沢山いる。となると、オバマ王は自分の公約をおいそれと無視するわけにはいかないのである。

アフガニスタン戦争に勝つことはリベラル派が許さないが、何もしないで負けることは無所属が許さない。オバマが次の選挙で勝つにはリベラルも無所属も無視できない。つまり、アフガニスタンは勝っても負けてもいけない戦争なのである。

勝っても負けてもいけない戦争を何年も続けて来たことのツケが今回ってきたということだ。


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放映されなかったABCのバイデンインタビュー、バイデンの混乱をカットしていた

先日拙ブログでもちょっとご紹介したABCのバイデンインタビュー。実はABCはバイデンがインタビュー中に混乱して訳の分からないことを言いだした部分をカットしていたことが暴露された。私はインタビューは部分的にビデオで観たが、後は書き起こしを読んだだけで全部観たわけではない。だが、インタビューの最後の方は同じことの繰り返しのように思えたので、あまり注意をして読まなかった。しかしフォックスニュースのタッカー・カールソンは、ABCが編集してカットしていた部分には問題があると指摘する。

インタビュアーのジョージ・ステファノポウラスが、もっと威厳のある撤退は出来なかったのかと聞くとバイデンは、下記のように答えた。

よいか、それはわしの死んだ息子のボウに聞くようなもんじゃ、ボウは六か月コソボにイラクには一年、海軍の大佐としてじゃな、、あ、違った陸軍の少佐としてじゃな、、

それでじゃ、よいか、奴もアフガニスタ、、じゃない、イラクから出た時は後悔もあったじゃろ、

奴も後悔はあったじゃろ。しかしその考えがだな、、いや他の選択肢はなんじゃ?選択肢は何故アフガニスタンに留まるべきなのじゃ??なぜわしらはまだあそこにいるのじゃ?

先日、バイデンインタビューの書き起こしを訳していて思ったのは、バイデンは一つの文章をきちんと言い終わらないうちに、気が散って別のことを言い出したり、言い間違えを直したりするので、一体何が言いたいんだと思うような部分がいくつもあった。上記の部分は特にひどく、自分の死んだ息子が海軍に居たか陸軍にいたのか、どこの戦争に出動していたのか混乱してしまっている。しかもジョージの質問は、なぜアフガニスタンに残らなかったのかということではなく、どうしてあんなに無様な逃げ方をしたのかということだ。なんでそこで何故アフガニスタンに留まるのかなどという見当違いの答えが出て来るのか?

バイデンの混乱の理由ははっきりしている。なぜバイデンがちゃんと文章を完了できないのか、なぜ言ってる傍から何を言っていたのかを忘れるのか、なぜ突然頓珍漢なことをいいだすのか、年寄りが家族に居るひとなら誰もが見たことのある現象だ。

バイデンは認知症なのだ。いくらABCがその事実を隠そうとしても、彼の言動を見ていれば一目瞭然ではないか。この大事な時に世界最強国家の指導者が認知症だということの恐ろしさをメディアは隠している場合ではない!この耄碌爺のために何千何万という人々が犠牲になろうとしているのだ。

私はジョー・バイデンは大嫌いだが、これをすべてバイデンのせいにするのは酷だ。こんな老いぼれ爺さんを、そうと知っていながら担ぎ出した奴らにこそ責任がある。去年の選挙で大規模不正を行って正規の大統領を追い出した民主党の活動家にこそ責任があるのだ!

ことは一刻を争う。多くの元軍人や諜報部員が、今でもまだ民間人の避難は可能だと語る。やり方はあると。実際にイギリス軍やドイツ軍やフランス軍は少人数の部隊で自国民の救出を行っている。

アメリカも今すぐやらなければ手遅れになる。民主党がバイデン耄碌爺さんに構ってるあいだにも、多くのアメリカ人やアフガニスタン人が犠牲になってしまうのだ。なぜ世界最強の軍隊が11世紀の未開人から自国民を守れないのだ?はらわたが煮えくり返る思いである。


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トランプ大統領の民間人避難作戦はバイデンによってキャンセルされていた!

たしかにバイデン政権にはアメリカ民間人の避難に関する計画は全くなかったことがはっきりしてはいるが、では今年の五月一日までに全面的に撤退すると言っていたトランプ政権は、いったいどんな計画を立てていたのだろうか?もし、トランプもただ撤退すると言っていただけで、避難計画を立てていなかったとしたら、バイデンのいう混乱のない撤退などありえなかったのだという主張もまんざら嘘とは言えないからだ。

ところが実際にはトランプ政権には避難計画はちゃんとあったのに、それをバイデン政権のブリンケン国務長官がキャンセルしていたという情報が入ってきた。

トランプ政権は「有事危機対応省」(Contingency and Crisis Response Bureau)という機関を作り、外国にいるアメリカ人への医療、外交、兵站(へいたん)などの援助をする計画を立てていた。ところがバイデンは大統領就任後ブリンケン国務長官にこのプログラムを取りやめさせていた。この書類は国務省から漏れたもので、バイデン政権はこの賞に充てられていた予算を他所へ回してしまったのである。

トランプ政権の当初の目標は五月一日までに撤退を終わらすというものだった。8月の終わりまで延期したのはバイデンの考えだ。五月までの撤退は無理だったとバイデンは言うが、それまで何もしていなかったのに三か月以上延長し、突然アフガニスタン軍との連携もなく撤退した理由は何だったのだろうか?これは単にタリバンがアフガニスタンを制覇する時間を無駄に与えてしまうことになった。

興味深いのはこの情報がバイデン政権の国務省から漏れたということだ。ということはバイデン政権内にもバイデンに反対する人が存在しているということだ。

バイデンは何を言っていた?自分はトランプの作戦を引き継いだだけだから自分には責任はないとか言ってなかったか?本当にトランプ作戦を忠実に引き継いでいたらこんなことにはならなかったはずだ。

無論批判をするのは簡単だ。ではいったいアメリカに何が出来たのか?

素人の私でも考えられるのは、

  1. 避難しなければならないアメリカ人同盟国の名簿を作る。
  2. 避難しなければならないアフガニスタン民間人の名簿を作る。
  3. バグラム空軍空港(アメリカ軍が武器を置いたまま無様に去った空港)からこれらの人々を避難させる。
  4. 空港へ自分たちで来れない人たちはヘリコプターで迎えに行く。
  5. もし民間人の避難中にタリバンが邪魔をしたら、タリバンリーダー達が隠れている本拠地を空爆する。

バイデンには五月一日まで四か月もあったのだ。一日100人避難させるだけでも12000人の避難が可能だった。トランプ政権下ですでにこれらの名簿は出来ていたという話もあるので、バイデンはそれに従っていればよかっただけなのだ。

バイデン政権のやることはすべて同じだ。トランプがやって成功していた政策をすべてキャンセルして何もかも台無しにしてしまう。こんな奴を大統領に選んだ民主党には責任を取ってほしい。


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アメリカ史上最悪な外交、アフガニスタンの惨劇に完全にクルーレスな耄碌バイデン爺

先日のバイデン爺の演説は何もかも他人に責任を擦り付けるひどいものだった。今までトランプ大統領の成功していた政策をすべて覆して台無しにしてきたくせに、今回の作戦はトランプ政権のものを引き継いだものだった、あんなに早くアフガニスタン軍隊が崩壊すると思わなかったなどと見苦しい言い訳の数々。しかも記者からの質問には一切答えなかった。昨日になってやっとバイデンに同情的と思われるABCのジョージ・ステファノポウラスの一対一インタビューを受けたが、このインタビューにおいて、バイデンが如何に大統領として、そして米軍総司令官として失格であるかということが明らかになった。ステファノポウラスの名前は長すぎるのでジョージと呼ばせてもらう。

ジョージは先ず、去る7月にバイデンがタリバンによる制覇は先ずあり得ないと断言したことに言及。「諜報が間違っていたのですか、それとも単に過小評価していたのですか」という質問に対しバイデンは、諜報部でもそれに関しては同一の見方はなかった。そういうことがあったとしても年末までには起きないだろうと予測していたと回答。だがジョージはバイデンが期限について何も述べず、そういうことは先ずあり得ないと断言したではないかと追及。

そこでまたバイデンはアフガニスタンの30万の兵が戦わずに崩壊するとは予測していなかったと言い訳。しかしこれも、マコーネル上院議員(共和党)が多いに予測できることだと言っていたと問い詰めると、、

爺:なんじゃ?誰が予測できると言ったって?

ジョージ:マコーネル議員がタリバンによる制覇は予測できたことだと言ってました。

爺:あ~、年末くらいにはそいうこともあるかもと言ったのじゃ。だが誰もあの質問の時にそんなことはいっておらんかった。

ジョージ:ではこの一週間で起きたことを見て、諜報と計画と実行もしくは判断に失敗があったと考えますか?

爺:よいか、、わしはそのだな、これは単純な選択じゃったのじゃ。ジョージ、タリバンが、、ああちょっと言い方をかえるとじゃな、、

と、ここでもアフガニスタン首相がさっさと逃げ出したり30万のアフガン兵が戦わずして降参するなど考えられないことだったと繰り返す。そしてトランプの計画通り5月で引き揚げるのは無理だったので9月まで延長したと説明。

ジョージ:軍事アドバイザーの誰も「2500兵は残すべきだ。ここ数年安定しているから、それが出来る」と言わなかったのですか。

バイデン:いいや、誰からもそんなことを聞いた覚えはない。安定していたのは先の大統領が「五月までには出ていくからそれまでおとなしくしていろ」と交渉したからじゃ。

この後バイデンは、アフガニスタンからは何時か撤退しなければならなかった、それが10年前でも今でも混乱は避けられなかったのだと主張。

昨日私が聞いたトランプのフォックスでのインタビューによれば、トランプ政権は5月までに撤退するとは言ったが、それはタリバンがトランプの出した数々の条件を守るという前提で行われており、もしタリバンがその約束のひとつでも破ったら容赦なく攻撃するということになっていた。だからトランプが2万から居た兵を2500兵に減らしても、タリバンは手を出さなかったのである。

ジョージ:しかし最善の時がないとしても、いずれ撤退しなければならないとわかっていたのなら、アメリカ人の避難やアフガンの味方や同盟国の人の安全を確保するべきだったのでは、今カブールで起きているような混乱が起きないように。

バイデン:第一にじゃな、君もしってのとおり、諜報部は去年の6月や7月頃に、アフガン政府が崩壊するなどとはいっておらんかったのじゃ。それがまず第一。

ジョージ:タリバン制覇はあるが、こんなに早くに起きるとは思っていなかったということですか?

バイデン:こんなに早くとは思いもよらんかったのじゃ。もうすでに何千というパスポートをじゃな、ほれ、なんじゃあ、あの、あ~、あ~、通訳の人とかにじゃな、、わしが就任した時に、、8月末と交渉するまえに、、

この言い訳も本当に見苦しい。タリバンによるアフガニスタン全土制覇はたった数週間で起きたのではない。明らかにアメリカ軍が撤退した後のことを考えて、タリバンは色々根回しをしていたのだ。そのことをアメリカの諜報部が知らなかったのなら完全に彼らの失態だが、こんなことは子供でも予期できたはずで、それを軍諜報部が知らなかったなど信じられない。バイデンはこうなってしまった以上アメリカ人や関係者救出のために6000兵を動員すると語った。

ジョージ:それにしても空港の外では大騒ぎですよ。

バイデン:たしかにそうじゃが、いいか、まだ誰も殺されておらん。(略)すでに1000人、いや1200人じゃったか、昨日すでに去った。今日も2千人くらいじゃ。その数は増えておる。

ジョージ:でも私たちはみんな観ましたよ。何百二ンという人たちがC-17に詰め込まれ、乗れない人が飛行機から振り落とされるのを、、

バイデン:そりゃ4日か5日前のことじゃ!

これは二日前のことで4~5日前のことではない。だがそれがなんだというのだ?二日前でも4~5日前でもパニックが起きてることは同じではないか。

ジョージ:ではこの撤退はもう少しうまくやることは出来なかったとお考えですか?間違いはなかったと?

バイデン:そうじゃ。後から考えてより良い方法はあったかもしれんが、全く問題なくやるなどということは、どうやったらそんなことが出来るのかわからん。

どうやったら問題なく撤退できたか解らないって?それが米軍総司令官の言うことなのか?そして爺の周りにいる軍事アドバイザーの将軍どももどうしていいか解らんのか?だったらわかる人に代わってもらえ。きっとペトラエウス将軍ならもっと良い方法を知っているはずだ。

先ず第一に、民間人の避難が終わらないうちに軍隊を撤退させるなど、どういう頭をしていれば考えられるのだ?一般市民の避難に適している空港を、アメリカ軍の武器弾薬やハンビーやロケット弾などで詰まったまま、地元政府やアフガン軍隊に連絡もせずに一晩で捨てて撤退した理由を教えてくれ。どうやったらそれがいい考えだと思えたのか教えてくれ。他の司令官でも同じことをしたと言えるのか?

これでは混乱したアフガン兵が逃げ出すのも当然だ。アメリカ兵が慌てて真っ先に逃げ出してしまったのだから。

元軍人や元CIA諜報部員らが口を揃えて、これ以上の愚策は考えられないと言っている。こんな奴がホワイトハウスを占拠してると思うと情けないったらない!アフガニスタンにまだとり残されているCNNの女性リポーターは、「これが失敗ではないというなら、何が失敗と言えるのか教えてほしい」と憤りを隠しきれなかった。

中国共産党とタリバンの関係

私は知らなかったのだが、タリバンと中国共産党とは2001年の911テロより昔から関係があった。中国はだだっぴろく色々な国と国境があるが、アフガニスタンとも国境がある。ウイグル人の居住区もこの国境沿いだ。中共はタリバンが国教を超えてウイグル人の独立運動を扇動することをずっと恐れている。だから実はアメリカがアフガニスタンに侵攻しタリバンを制圧していてくれたのは都合が良かった。しかし中国もアメリカが永遠にアフガニスタンに駐留するとは考えていなかったのだろう。それでアメリカが撤退した後に、タリバンの目が中国に向かないように、中国は一帯一路の一貫としてタリバン支援を始めたのだ。カブールには中華料理店まであるというからすごいもんだ。

アフガニスタンにはレアアースがあるらしく、中国にとってはおいしい国。しかし中共もタリバンの恐ろしさは知っているので、中共がタリバンを支援する代わりに中国には手を出さないという約束を取り付けたわけだ。もちろんタリバンが中共との約束を守るという保証は全くないので、中共としても不安なところだ。


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弱いアメリカをあざ笑う中国共産党

先ずは産経新聞の記事より。

【北京=三塚聖平】アフガニスタンでイスラム原理主義勢力タリバンが実権を掌握したことにより、同国で中国が影響力を増すことは必至だ。中国には、アフガンを巨大経済圏構想「一帯一路」の中継点とする思惑があり、米軍撤収後をにらみタリバン側とのパイプも強化。習近平政権は今後、アフガン情勢をめぐり米国が国際影響力を低下させる隙を突くとみられる。

中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は16日の記者会見で「タリバンが各党派や各民族と団結し、国情に合致した政治的枠組みを築くことを望む」との考えを示した。タリバンと意思疎通を保ってきたことも強調した。

中国にとりアフガンは地政学的に重要だ。中東など西へと延びる一帯一路の中継点となることが見込まれるほか、隣接する新疆(しんきょう)ウイグル自治区の安定にも影響を与えかねないからだ。

そのため先手を打つ形で、7月下旬に王毅(おう・き)国務委員兼外相が中国天津市でタリバン幹部と会談。王氏は、タリバンを「アフガンの和平、和解、復興プロセスで、重要な役割を発揮するだろう」と評価。タリバン側はタリバン側は「中国がアフガンの復興や経済発展においてより大きな役割を果たすことを望む」と応じた。

習政権にとり、対立する米国のプレゼンス低下につながる千載一遇の好機にもなる。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は16日付の社説で「米国の一切を顧みない撤収計画は、(米国が結ぶ)同盟国との約束も信頼できないことを示した」と強調。複数の中国メディアが、カブール陥落をベトナム戦争時のサイゴン陥落になぞらえており、環球時報は「ベトナム戦争の失敗以上に、米国が無力であることを明瞭に示した」と主張した。

トランプ時代の中国なら、ここまで傍若無人にアメリカを侮辱したりはしなかったのだろうが、バイデンなら何もしないとタカをくくっての発言だ。アフガニスタンでのあの失態ぶりでは何を言われても仕方ないだろう。

この記事にもある通り、実はアフガニスタンのタリバン台頭は中国にとっても心配なことなのだ。なにしろ自国でイスラム教徒のウイグル人を弾圧してきた中国。イスラム原理主義のタリバンに敵意を向けられたら面倒なことになる。

とはいうものの、タリバンは別に同胞のイスラム教徒に同情心など持っていない。もし持っていたらアフガニスタンのイスラム教徒らを虐殺したりはしないだろう。タリバンにとって大事なのは自分らによる世界制覇なのであり、モスレム同胞が外国でどうなろうと知ったこっちゃないのだ。であるから中国共産党がタリバンを支援し金や武器を提供してくれるなら、そんなありがたいことはない。

中国政府も別にイスラム教徒が憎いわけではない。単に共産党に盾を就くやつらは誰であろうと容赦しないというだけに過ぎない。宗教家が狙われる理由は信心深い人たちは共産党より神に忠誠を誓うからで、それがモスレムでもクリスチャンでも同じことだ。

これに関しては改めて色々書きたいと思う。


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独立を拒んできたパレスチナの歴史

多くの人々が誤解しているが、イスラエルとパレスチナの問題は土地ではない。イスラエルはパレスチナ全土を占領しているわけではない。すでにガザはパレスチナに譲渡したし、ウエストバンクの一部を除けば、ほぼすべてがパレスチナの管轄内にあるのだ。パレスチナがその気になれば、パレスチナは独立国として存在できる。そうなったら今後一切イスラエル政府と戦争などする必要はなくなるのである。なのに何故パレスチナはイスラエルと交渉しようともしないのか?

この話は過去にも数回していると思うが、デニス・プレーガーがパレスチナが過去に何度も独立の機会があったのに、それをことごとく拒んできた歴史をまとめてくれているので紹介しよう。デニス・プレーガーはラジオトークショーホストでユダヤ教研究の著者でもある。無論本人はユダヤ系。

拒絶一回目:1937年。イギリスのピール委員会がアラブ人に80%、ユダヤ人に20%の土地を与えることでパレスチナの独立を提案。アラブ人は拒絶した。

拒絶二回目:1947年。アラブ人は国連のアラブとイスラエル分離計画を拒否。

拒絶三回目:1967年。エジプト、シリア、ヨルダンの同盟軍がイスラエル打倒のため戦争を仕掛けたが、かえってイスラエルに任されイスラエルはウエストバンクとヨルダンそしてガザをエジプトから奪い、ゴーランハイツをシリアから奪った。イスラエル人はガザにもウエストバンクにも興味がなかった。例外は東エルサレムのみ。ここにはユダヤ人がモハメッドが生まれる1400年も前からユダヤ人が3000年にわたり住んで来た土地。ここでもアラブ人はイスラエルとアラブの分離政策を拒否。

拒絶四回目:2000年。キャンプデイビッドでイスラエルのエフード・バラクがパレスチナのヤサー・アラファトにガザ全土と94%の東エルサレムを含むウエストバンクを提供すると提案。アラファトは拒否した。

拒絶五回目:2008年。イスラエルのオルメルト首相がバラク首相よりも多くの土地を提供すると提案したが、パレスチナは拒否した。

この間も話したように、ツイッターで私に絡んで来たパレスチナ出身らしきイスラム教徒は、私がイスラエルから攻撃を受けたくないのなら、和解して和平を結んではどうなのかと聞くと、イスラエルが今までパレスチナに対してやってきたことを考えたら和平などありえないと言っていた。しかし戦争を永遠に続けることでパレスチナに得るものなど何もない。にも拘わらず彼らはイスラエルとの和平はあり得ないと主張するのだ。いったいそれは何故なのか?

その理由は簡単だ。パレスチナが自分たちの独立を犠牲にしてでも戦わなければならない理由は、イスラエルというユダヤ教徒国家が存在していることにある。パレスチナにとって大事なのは独立でも平和でもなく、ユダヤ人の国であるイスラエル撲滅なのである。

プレーガーはイランが執拗にイスラエルの破壊を目指す理由はひとえにイスラエルがユダヤ教徒の国であるという宗教にあるという。イランはパレスチナなどどうなっても構わない。もしイランが同胞のイスラム教徒に関して多少でも興味があるなら、イスラム教徒であるウイグル人を弾圧している中国と付き合えるはずはないからだ。

考えてみれば、イスラム教というのは他の宗教と違って憎悪で成り立っていると言える。ま、創設者のモハメッドがユダヤ人を心から憎んでいたことから始まっているのだから当然と言えば当然だが。

なぜ国際社会はこの明らかな理由を無視してイスラエルとパレスチナの紛争は土地を巡って起きていると主張するのか。それは西洋社会はおもに世俗主義であり、世俗主義の我々は他の宗教を信じる社会を破壊しなければならないなどとは思わないから。第一、もしこれが土地を巡る紛争ではないとしたら、西洋社会はイスラエルを一方的に悪者にすることが出来なくなる。

いや、もっと困るのは、イスラム教の過激思想を責めなければならなくなることだ。


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