二日前にガザのパレスチナ領を統治するテロリスト軍団ハマスがイスラエル領内に潜入し、イスラエル軍の基地及び民家を無差別襲撃した。襲撃の様子はあちこちのソーシャルメディアに上げられており、ハマス暴徒たちが女子供も容赦なく射殺したり誘拐し、殺した兵士や半裸の女性の遺体を引きずり回すという蛮行に及んでいる。ハマスは兵士や民間人を何百人と誘拐し人質に取っている。ハマスの野蛮人共がこれらの人質を非人道的に虐待することは明らかなので、イスラエル軍は迅速に彼等を救出しなければならない。

イスラエル、1973年以来の宣戦布告を閣議決定 フォックスニュース(10/8/2023)
イスラエルの安全保障内閣は今週末、1973年のヨム・キプール戦争以来初めて、正式に戦争を開始することを決議した。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相はすでに土曜日にイスラエルが「戦争状態にある」と宣言していたが、ハイレベルの安全保障閣議決定によって「重要な軍事活動」が解禁された、とネタニヤフ首相の事務所は『タイムズ・オブ・イスラエル』紙に発表した。

ハマスのテロリストは、今週末の奇襲ロケット攻撃で少なくとも600人のイスラエル人を殺害し、少なくとも2000人以上を負傷させた。同グループはまた、ガザ内で数十人の人質を取っており、イスラエル軍は交戦の準備を進めている。

パレスチナによるイスラエルへのロケット攻撃は珍しいことではないが、実際に国境を越えてイスラエル領内に侵入して多数のイスラエル市民を虐殺するという攻撃は珍しい。それに国境沿いの警備は特に厳しくゴキブリが入り込む隙も無いと言われていたのに、なぜまるで前触れもなくハマス暴徒が何百人とイスラエル側のインテルに気付かれずに国境を侵害できたのであろうか?

イスラエル軍の発表によると、ハマスは軍事基地ではなく民間人を主に標的にしたという。確かに民間人は易しい標的ではあるが、それだけに卑劣である。地上での戦闘と同時にガザからは何百というロケット弾が撃ち込まれている。イスラエル軍も迎撃を始め、すでにパレスチナ人側にも200人近い死亡者が出ているという。

実はヨム・キプールの戦争もほぼ今と同時期に勃発した。イスラム教徒は記念日が好きなので、10月6日を選んだのは偶然とは思えない。それにしてもなぜ今のタイミングでハマスはイスラエルを攻撃したのか。

実はちょっと前にバイデン政権はイランが拘束していたアメリカ市民数人の釈放の報酬として凍結されていたイランの資金60億ドルを解除した。イランはイスラエルの宿敵であり、常にイスラエルの撲滅を目指している。イランがヒズボラやハマスを使ってイスラエル攻撃をしていることは周知の事実だ。テロ行為には金が必要だ。ミサイルもただではない。ハマスはイランからまとまった資金援助を得たと考えるのが自然だろう。

G.O.P.候補者、バイデン大統領のイラン取引批判にイスラエル攻撃を利用 ニューヨークタイムス
共和党は、バイデン大統領が最近の人質解放交渉の一環として人道的目的のために60億ドルの凍結解除を決定したことに改めて反対した。

共和党の大統領候補者たちは、土曜日にイスラエルで起きたハマスの襲撃事件を取り上げ、バイデン大統領に責任をなすりつけようとし、この奇襲事件と、ハマスの長年の支援者であるイランとアメリカとの間の最近の人質解放取引との間に関連性を引き出そうとした。

ドナルド・J・トランプ前大統領は、自らをイスラエルの揺るぎない盟友として示し、2018年にアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転させたが、バイデン氏を非難した。

土曜日にアイオワ州ウォータールーで選挙運動をしていたとき、彼は攻撃が起きたのは 「我々が弱く、非力で、本当に弱い指導者だと思われているからだ 」と述べた。

トランプ氏はさらに何度か、人質取引が攻撃のきっかけになったと述べた。「戦争が起きた理由は2つある。「アメリカはイランに60億ドルを人質のために与えている。

バイデン政権は8月、テヘランで拘束されていた5人のアメリカ人を解放する代わりに、凍結されていたイランの石油収入資金60億ドルを人道的目的のために解放することに合意した。同政権は、この資金は「軍事的な二重用途に使用されることのない食糧、医薬品、医療機器」にのみ使用されることを強調している。

バイデンがトランプから何を言われても言い訳はできない。トランプ大統領の頃は中東でイスラエルに表立って盾をつく国はなかった。パレスチナの連中も大人しくしていた。ところが2021年のミサイル大攻撃に始まってトランプが居なくなった途端に、にわかにパレスチナのイスラエル攻撃は激化したのだ。バイデンがイスラエル軍に援助などするはずがないと鷹をくくられているのである。

しかもイスラエルの宿敵イランに60億ドルも手渡している。これではイスラエル攻撃へのグリーンライトが付いたものと解釈されても不思議ではない。

さてCNNは今後バイデン政権が直面するいくつかの問題点についてあげている。

  • バイデンとイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は数十年来の友人だが、イスラエルではネタニヤフ首相の極右連立政権によって緊張状態にある。
  • パレスチナ人の政治環境が分裂しているため、アメリカ政府関係者が信頼できる交渉相手を見極めるのは難しいだろう。
  • アメリカでは、すでに活発化している共和党の大統領予備選挙キャンペーンが、イランとの最近の取引を通じてイスラエルへの攻撃を助長したバイデンに非難を浴びせる運命にあるようだ。
  • その背景には、バイデンがゴールが近いと期待していたイスラエルとサウジアラビアの歴史的な国交正常化合意が迫っている。

昨日カナダ人ニュースさんでも聴いたのだが、イスラエルのネタニヤフ政権はいまかなり鷹派の右翼が勢力を握っているとのことで、今回のハマスからの攻撃にはハマス壊滅を目指してかなりの強硬手段に出るのではないかと考えられている。


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