国務長官時代のヒラリー・クリントンと会見した政府関係者以外の半分以上の人々がヒラリーの夫、ビル・クリントンが設立した表向きは慈善事業のクリントン基金に寄付していたとアソシエイテッドプレス(AP)が報道している。
APの調査によれば、ヒラリー国務長官に面会した半数以上の人々が個人的にもしくは企業や団体として、一応表向きは慈善事業ということになっているクリントン基金に寄付していたという。公式業務上での会見ならクリントンに会うために基金に寄付をする必要などない。普段クリントンと面会不可能な人々が寄付した途端面会が許可されるというならこれは完全な政治献金であり賄賂である。まさしく職権乱用だ。このようなことを次期大統領を目指す人間がやっていたとなればこれは大問題である。
APはクリントンの面会者名簿とクリントン基金への寄付者名簿を照らし合わせ、どれだけの重複があるかを調べた。それによるとヒラリーが国務長官時代に電話や直接会って会話をした154人のうち85人までもがクリントン基金に寄付をしており、その金額もそれぞれ10万ドルから百万ドルで合計すると1億5千6百万ドルになる計算だ。
ヒラリーとの会見を授けられた中にはバングラディッシュ政府から自分が経営する非営利銀行からの辞任を迫られていた世界的に有名な経済学や、ビサ問題で困っていたウォールストリートの重役や大手化粧品メーカーのエステーローダーの重役など。基金への寄付自体は違法ではないが、もし寄付とヒラリー国務長官との会見が直接関係あったとすれば政治献金と疑われても仕方ない。
APの調査には外国政府の外交官や高官は含まれて居ない。外国政府高官と会見するのは国務長の職務のうちだからであるが、それでも少なくとも16人の外国政府高官が合計で同基金に1億7千万ドルの寄付をしている。何故彼らがクリントン基金に多額な寄付をしたのかは不明。もしクリントンがアメリカ政府の政策を賄賂を払った諸外国に都合のいいように変えていたとしたらこれは大問題である。もっともヒラリーの夫ビル・クリントンの時代にもクリントン前大統領が中国への方針を変えた過去があるので、ヒラリーがそうしたとしても不思議でもなんでもない。外国政府から多額の献金を受け取ったことが政策に何の影響も及ぼさないと考えるほうがおかしい。
これについて共和党の大統領候補ドナルド・トランプは「クリントンは公僕として全く適さない」ちと批判。「どこまでがクリントン基金でどこからが国務庁なのかの区別をつけるのは不可能だ。クリントンが公式な地位を悪用して私服を肥やすために基金を設立したことは間違いない。」とテキサスの演説で語った。
基金の会長であるビル・クリントン前大統領は、ヒラリーが大統領になった際は自分は基金からは辞任するといっている。あたりまえだ。大統領の夫が経営する基金なんぞが存在すれば企業にしろ市民団体にしろ外国政府にしろ、ヒラリーとの交渉は常に賄賂が必要と言っているのと同じだ。
しかし今更ビルが辞任してみても創設の2000年からすでに6000を超える寄付者による2兆ドルを超える寄付金がなくなるわけではない。一体彼らは何の目的で献金し、どのような見返りを得たのであろうか?いや、ヒラリーが大統領になることを見越して献金した人々へのお礼はこれからなのかもしれない。だとしたらヒラリー政権の方針はこれら献金者への方針ということになってしまう。


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