シリアが危ない? ヒズボラがイスラエル兵拉致

今週は朝早くから夕方遅くまでセミナーでしかも宿題まで出されてるんで、なかなかニュースを読む暇もなかったのだが、なんとレバノンのヒズボラがイスラエル兵を拉致してレバノンへ逃げこんだと聞いてびっくり。

エルサレム(CNN) レバノンのイスラム教シーア派武装集団ヒズボラは12日、イスラエルに越境攻撃してイスラエル兵2人を拉致し、3人を殺害した。これを受けてイスラエル内閣は、レバノンに対する厳しい報復を承認した。

イスラエルはただちに、越境攻撃と拉致兵士救出の責任がレバノン政府にあるとの見解を示した。イスラエル軍は閣議前から、レバノンへの砲撃や空爆で報復攻撃に乗り出した…
イスラエル軍関係者は、ヒズボラによる兵士拉致が戦争行為であるとの認識を示し、レバノン各地でヒズボラ掃討を実施するための包括的計画を作成したと述べた。対象地区はヒズボラの拠点であるレバノン南部に限定しない方針という。
また、別のイスラエル軍関係者もチャンネル10に対し、拉致された同国兵士が解放されない場合、「レバノンの時計を20年巻き戻す」とコメントした。

ハマスのテロリストが理屈がわからず自殺行為におちいったのはそれほど不思議ではないが、ヒズボラはいったい何を考えているのだろう。はっきりいって、中東のテロリストたちは自分らの歴史を知らな過ぎる。
イスラエルはその建国の日からアラブ諸国から仕掛けられた戦争に何度も打ち勝ってきた。イスラエルが「レバノンの時計を20年巻き戻す」といっているのは、1982年にイスラエルはいちどレバノンを侵略していることをさしている。後にイスラエルは自主的にレバノン南部から兵を引いたのだが、これは別にヒズボラなどのテロリストに追い出されたわけではない。だが、学のないテロリストや反ユダヤの人々は自分らでイスラエルを追い出したと歴史を書き換えてしまったのだろう。
このように自分の都合勝手に歴史を書き換えてしかも自分らもその嘘を信じてしまうと、時として致命的なことが起きる。今回ヒズボラがイスラエル兵を拉致したことでヒズボラはレバノンがイスラエルから攻撃されないか、されてもたいしたことにはならないと踏んでいるからだと思われる。
彼等の目的はイスラエルを別の方向から攻撃することで、イスラエルの注意を分散させようというものなのかもしれないし、またこの間からシリアのアサド首相の邸宅上空を飛んで威嚇しているイスラエルへの仕返しなのかもしれない。だが、彼等がイスラエルから報復がないと考えているとしたら、これは非常に危険な賭けだと思う。
私はレバノン自体がイスラエルの攻撃の標的になることは好ましいことだとは思わない。レバノンもシリアの手先ヒズボラに占領されて、いってみれば犠牲者なのだ。ヒズボラがいるというだけでイスラエルの攻撃のまとになってしまうのは大迷惑なことだろう。
ここで疑問なのだが、イスラエルがアサド首相の邸宅の上空をとんだ理由は、シリアがハマスの重要人物をかくまっているからなのだが、もしヒズボラに拉致されたイスラエル兵がシリアにつれていかれたとしたらイスラエルはどうするつもりなのだろう?

ヒズボラの指導者ナスララ師は、イスラエル兵拉致が「自然で理にかなった権利」だと主張。また、拉致されたイスラエル兵らを軍事行動が及ばない「遠い場所」で拘束していると述べた。ヒズボラは兵士解放の条件として、イスラエル国内に拘束されているパレスチナ人やレバノン人の受刑者の釈放を要求。イスラエルはこれに応じず、兵士を無条件で即時解放するよう求めた。

イスラエルのオルメルト首相はレバノンとヒズボラの双方の責任を追及する姿勢を表明。報復攻撃はテロではないと明言するとともに、ヒズボラがレバノン政府とのつながりを持つとしたうえで、「レバノン政府は域内の安定を揺るがせようとしており、結果を受け入れる責任がある」と述べた。

私はレバノン政府がヒズボラの行為に責任があるとは思わない。それより、ナスララのいう「遠い場所」とはシリアのことではないのだろうか? もしそうだったら、イスラエルはどうするのだろう?
ここで私はアメリカの立場にたって、非常に自分勝手に考えてみる。シリアからイラクへテロリストはもちろん武器弾薬が運び込まれてきていることは周知の事実だ。しかしアメリカがこのことを大げさにいわないのは、アメリカがシリアとの戦争を避けているためである。だがもし、イスラエルがシリアに怒って自分らの理由でシリアに攻め入れば、アメリカとして非常に好都合だ。
シリアのアサド大統領は弱体で、軍隊からの信用度は薄い。もしもヒズボラのイスラエル兵拉致事件いシリア政府が関連していたか、すくなくとも容認していたということになれば、それが原因でイスラエルによる攻撃でシリアが大打撃をうけるようなことになれば、アサド政権は倒れるだろう。そうなればシリアは内乱となり、イラクでテロなどやってる場合ではなくなる。
またこれはシリアのヒズボラで大迷惑をしているレバノンにとってもいいことだ。シリアが内乱となればレバノンにいるヒズボラもレバノンでの勢力を失うからだ。
もしかして、今回のイスラエル兵拉致事件は中東平和にとっては都合のいい方向へ向かっているのかもしれない。無論すべてはイスラエルの出方次第なのだが、、、


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置き換えられた人権擁護: アルカイダの米兵遺体冒涜に思う

アルカイダのテロリストたちはこの間拉致して拷問殺害したアメリカ兵の遺体を冒涜しているシーンをビデオに撮って公開した。(注:このビデオへのリンクではないのでご安心を)

バグダッド(CNN) イラク中部ユスフィヤで武装勢力に拉致され、殺害された米兵2人の遺体とみられる映像が10日、イスラム系ウエブサイトに掲載された。また映像に伴って、中部マハムディヤで米兵がイラク人女性に暴行を加え、家族ら4人とともに殺害したとされる事件との関連を示唆する声明が出された。

声明は「2人の米兵と同じ部隊の兵士に同胞女性が辱められたことへの報復として、このビデオを公開する」と述べている。

このビデオがアメリカ兵らによるイラク家族4人殺害疑惑(真実かどうかかなり疑わしい)と関係があるなどというアルカイダのプロパガンダを信じるひとなどいないだろう。アルカイダはイラク戦争の前からアメリカ人ジャーナリストを拉致して斬首したビデオを公開した過去がある。イラク戦争中も日本人の若者、香田さんを含み何人もの無抵抗な非戦闘員の首をかっ切るなど残虐な所行をビデオに撮って公開してきた。同じイスラム教徒であるシーア派の人々を拉致しては拷問虐殺し続けているアルカイダ。そんな奴らがイラク女性が一人二人強姦されたからといって気にしたりするものか。これは明らかに文明諸国の反戦派を狙った宣伝行為だ。
アルカイダの連中がこういう行為にでることは特に不思議でもなんでもない。野蛮なテロリストが野蛮行為をしたからといっても別に今さら騒ぎ立てるほどのことでもないだろう。だが問題はこのようなニュースを取り扱うメディアや、自称人権保護団体の反応だ。
アメリカ兵やアメリカ政府がやったとされる行為は、まるで鷹の目のように鋭い目で監視する彼等は、テロリストの悪行にはあまり関心がない。キューバのゴンタナモ収容所での囚人への扱いが人権迫害だのジニーバ条約に違反するなどと大騒ぎする割には、ジニーバなんてどこにあるかも知らないようなテロリストが女子供もかまわず虐殺し、拉致した戦闘員を拷問の上虐待して遺体を冒涜するような行為にでてもアムネスティーインターナショナルがこれはジニーバ協定に反するなどと抗議することはない。それどころかCNNの記事など詳細がはっきりしていない米兵による『悪行』と結び付けることによってテロリストの行為と米兵との疑惑を同率に並べている。
アルグレーブで米兵の看守らによる囚人への嫌がらせが大々的に問題になったとき、私は同僚とその話をしたことがある。同僚は米兵のやっていることを「虐待だ」といって強く批難していたが、私は囚人を裸にひんむいて写真を撮ったり犬をしかけるふりをしておどかした程度のことを「虐待」などと呼んで騒ぐのは行き過ぎだと反論した。なにしろアルグレーブの囚人たちはアメリカ兵を路肩爆弾でふっ飛ばしたり、イラク市民を自動車爆弾で大量殺害しているようなテロリストのあつまりだ。そんな奴らが多少看守からセクハラを受けた程度で騒ぐほどのことはない、というのが私の意見だった。
誤解のないようにいっておくが、たとえテロリストといえども、アメリカ兵が囚人を不必要に虐待しても良いなどと私は考えていない。アルグレーブのけしからん看守どもが軍法会議の末禁固刑数年の罰をうけることになったのも、監視役の准将が不名誉の除隊をよぎなくされたのも政党な罰だと考える。
どんなやり方をしても勝てばいいとおもっているテロリストらにしてみれば、西側諸国のこうした反応はきっと理解できないとおもう。そして我々が考える人権とか道徳というものを我々の弱さだと考えることだろう。さもあらん。彼等が侵略者の立場なら非戦闘員も抵抗軍も無差別に徹底的に虐待しているだろう。イラクの人々ももしアメリカ兵に本当に虐待を受けたとしてもアメリカメディアが騒がなければ特に驚かなかったろうと思う。
私も英米や連合軍は片腕を後ろ手に縛られて戦争をしているような気がしてならない。皮肉なのはアメリカほど敵や非戦闘員の人権を尊重している国はほかにないだろうに、アメリカが一番責められているということだ。敵側がプロパガンダを利用して我々を責めるのは納得がいくが、どうしてアメリカのメディアや西側の市民団体が我々を目の仇にするのか不思議でしかたない。
対テロ戦争に中立はあり得ない。英米の対テロ戦争をサボタージュするということは、テロリストの味方をすることになるのである。どれだけアメリカが嫌いかもしれないが、ここはテロリストのほうがよっぽども危険だということに重点をおいて、むやみやたらにアメリカを責めるのはいい加減にやめてもらいたい。


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なぜパレスチナはロケット弾をうち続けるのか?

イスラエルからひどい報復があると分かっているのに、パレスチナ庶民がハマスによるイスラエルへのロケット砲打ち込みをなぜ支持するのかという記事(英語)を読んだので、そこからちょっと引用したい。(訳:妹之山商店街さん)

パターンは数年間何度も何度も繰り返されてきました:パレスチナ人は、ガザ北部からのロケットを発射して、ガザのパレスチナ人は、戦争の論理よりむしろ全て紛争の感情に基づいた多くの理由を提供します…

「私達は軍事的な対等を達成することができないことを知っています」
サラー Bardawil、議会でハマスの報道官を勤めるパレスチナの議員。「しかし人が強い痛みを経験する時、どうにかして返答しなければなりません。これは私達がどのように私達自身を守るかということです。これは私達が世界にどのように私達がここに存在しているかということです」
たとえイスラエルの兵器に適うことができないとしても、パレスチナ人はロケットと自爆攻撃がイスラエルとの「恐怖のバランス」を生み出すとしばしば語ります。
「何故私達だけが恐怖の下に生きなければならないのですか」ムハンマッド・アブ Oukal、ガザ市のイスラム大学の学生が言いました。「これらのロケットで、イスラエル人も同じく恐怖を感じます。
私達は一緒に平和に暮らすか、あるいは一緒に恐怖に生きなければならないでしょう」

イスラエルにロケット弾をうち続けることでしか、自分らの存在価値を見いだせないと公言してはばからないような政治家も情けないがそれ以上にこの学生の言葉は象徴的だ。昔誰かが、パレスチナ人が自分らの子供たちを愛する気持ちが、イスラエルを憎む気持ちに勝るようにならなければこの紛争は終わらないだろう、と言っていたのを思い出す。パレスチナ人はイスラエルと平和共存するくらいならイスラエルと共に恐怖のなかで生きることを選ぶという。敵を不幸せにすることのほうが自分達が幸せになることよりも大切だというのである。

ガザのパレスチナ人は、2001年から2005年までに、数千発の迫撃砲弾とロケット弾を発射しました。12人のイスラエル人を殺害しました。イスラエルで八人、ガザで四人、イスラエル軍が述べました…

イスラエルのガザ撤退以降、パレスチナ人はイスラエル南部に約700発のロケット弾を発射しました。
負傷者と損害を引き起こしましたが、死者は出していません…
火曜日に、通常の一つの代わりの二つのエンジンを持つロケット弾が約7.5マイル飛行して、街の中心部、人気がない高校に着弾しました。それは、去年撤去を命じられたガザの境界上のユダヤ人入植地 Dugit から発射されたように思われると軍が発表しました。(カカシ注:学生はこの時ちょうどロケットが着弾した後者の反対側の校庭に集まっていたため難を逃れた)

世界のメディアは過去一年半ハマスはイスラエルに対して自主的に停戦を守っていたと報道していた。だがこの記事によればハマスはその『停戦中』になんと数千発のロケット弾をうってきたのだという。まったくあきれた停戦だね。これではイスラエルにどんな応戦をされても文句などいえないではないか。はっきり言って、人質をとられるまでガザ侵攻にでなかったイスラエルの自制心にこそ感心する。
先ほどうしゃこふさんのブログを読んでいて、なるほどなと思うところがあった。

第一に戦いは交戦者双方に相手を殺す権利と殺される義務を課す、第二に戦いは無限に強度を増す、という原理が明らかになる…
私は問う。北朝鮮と戦うというならば、あなたがたは彼らに攻撃され死に苦しむ事を認めるのか? 闘争の原理を甘んじて受け入れ暴力の応酬により決着をつける事に異存は無いか? その暴力を無限の強度で、我々の持つ総ての手段を以って、また彼らの持つ全ての手段を受け入れて、それで絶対的な戦いを繰り広げる覚悟はあるのか?

お分かりのようにうしゃこふさんは日本と北朝鮮のことについてお話しておられるのだが、先ほども書いたように、これはパレスチナとイスラエルにもあてはまる。イスラエルがガザから撤退した時からいずれこういう日が来ることは予測できた。なぜならパレスチナ人の唯一つの目的は主権国家として平和に暮らすことではなく、自分らの幸せを犠牲にしてもイスラエルを撲滅することにあるからだ。
私にはパレスチナがうしゃんこふさんのおっしゃるような覚悟をもってこの戦いに挑んだとはどうしても思えない。なぜならこの後に及んでまだ人質返還以外に交渉はしないというイスラエルに向かって軍事的に何の意味もないカッサム砲をうち続けて、侵攻をやめなければ学校や病院をもっとねらうぞと息巻いているからだ。
パレスチナの行為はイスラエルを撲滅するどころか、パレスチナの完全崩壊へとつながる。圧倒的に優勢な軍事力を持つイスラエルを挑発し続ければいずれはイスラエルも本気で戦うことは十分に予測できた。イスラエルがその気になれば、それこそ本当にイスラエルによるパレスチナ民族の、民族浄化、ジェノサイドが可能なのである。
パレスチナはまだ国連の条例などがイスラエルの強行手段を阻止できると信じているかもしれない。だが本当にパレスチナ人がイスラエルによって皆殺しの目にあったとしても、国際社会にできることはイスラエルを激しく非難することだけだ。だがそんなことなら国連はこれまでにも何十という条例を発令してきたが、イスラエルがそれをきにした気配は全くない。
「イスラエルは国際社会に良く思われるために集団自決をするつもりはない。」とはイスラエルの賢者の言葉だ。


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イスラエルから学ぶ北朝鮮問題

日本の右翼系の政治ブログを読んでいて気が付くことは、この間の北朝鮮のミサイル実験や竹島を巡る韓国とのいざこざなどに対して日本は北朝鮮に先制攻撃をすべきであるとか、韓国に武力でも立ち向かうべきだとかいうひとたちが、なぜかパレスチナに対するイスラエルの応戦となると、行き過ぎだと批判する傾向があるということだ。
左翼の自称平和主義の人々がイスラエルの強行手段を批難するならまだなっとくもいくのだが、普段自国の防衛に敏感な右翼の人々がなぜイスラエルの応戦に批判的なのか私には理解に苦しむ。
イスラエルとパレスチナの紛争は一見日本には無関係のようであるが、防衛問題ということで考えるなら、日本もこの紛争から学ぶことは多々あると思う。
ここで私はあえてイスラエルがあの土地にイスラエル国を建国するにあたった経過が正当であったとか不当であったとかいう話を避ける。何故ならばもともとあの土地は誰のものであったなどという議論をはじめれば、世界中のどこを探しても決着のつく国など存在しないからである。ヨーロッパなど何世紀にもわたって国境がいくらも書き換えられ、元ソ連傘下にあった東ヨーロッパなどはいまだにそれが続いている。
私は最初に領土を手に入れた過程が侵略であったにしろ、買収であったにしろ、単に空き地で陣取りした結果だったにしろ、最終的に住民を統治し、外敵から国を守ることができる政府こそ主権国家といえるのだと考える。
イスラエルは1948年の建国当日からその主権を試されてきた。そしてその後の外敵による度重なる攻撃にたいしてことごとく勝利をおさめ、イスラエル国を死守してきた。外敵から国をまもることこそが主権国家たるものの第一条件である以上、世界中においてイスラエルほど何度もその主権国家の権利を証明した国はない。
だからイスラエル建国の経過がどうあれ、イスラエルには国を持つ権利があるのであり、その国をどんなやり方をしてでも守り通す権利と責任があるのである。
それにひきかえパレスチナは歴史上一度もパレスチナ国という主権国家をもったこともなければ、主権国家設立のために努力したこともない。それどころか主権国家を持つ機会を何度も与えられながらそれをすべて拒絶してきた。1967年の6日戦争でイスラエルがパレスチナ領を占領したので、それ以後彼等にできることは抵抗はテロだけだったのだという人もいる。だが、圧倒的武力を有するイスラエルに対して長年に渡るテロ行為はパレスチナを独立の道に導くどころか、貧困と崩壊へと導いているだけだ。
一年前にイスラエルがガザから撤去した時、パレスチナには主権政府を設立し独立国家への道を歩み始める絶好のチャンスがおとずれた。にもかかわらずパレスチナ市民はイスラエル憎しが先走りして、ハマスなどというテロリストを政権に選び、停戦を宣言しながら、ひたすらイスラエルの民間人をめがけてカッサムミサイルを打込み、ついにはイスラエル領内に潜入してイスラエル兵2名を殺害し一名を拉致するにいたった。
昔テレビの動物番組をみていて、馬場で走っている馬の後ろを追いかけている犬をみたことがある。最初はこの犬、馬を追いかけてうるさく吠えていただけだったのだが、そのうち犬は興奮して馬の足首に噛み付いたりしてじゃれていた。馬は足並みを早めることでうるさい犬から逃れようとしたが、あまりに犬がしつこいので、ついに後ろ足で犬を蹴っ飛ばした。犬はキャーンと悲鳴をあげて数メートルふっとんでしまった。
ここで犬はただじゃれていただけなのに、蹴るなんて馬はやり過ぎだといってみても意味がない。自分よりもずっと図体のでかい動物にちょっかいを出してなにも起きない思っているほうが悪いのである。
さてここでイスラエルの行為が行き過ぎであるとお考えの皆様にイスラエルを日本、パレスチナを北朝鮮と置き換えて考えてみていただきたい。北朝鮮が日本の学校、レストラン、遊園地などといった民間施設を標的に毎日数発のノドンを打ってきたとしよう。ミサイルが当たって被害があることもあれば、空き地に落ちて無害なこともある。それが一年以上も続いたとする。そして何週間に一度の割で北朝鮮の工作員による自動車爆弾や自爆テロ未遂が東京だの大阪だのの都市でおき、時々警備員や民間人が巻き添えになって一回に数十人の死傷者がでたとしよう。また、浜辺をあるいている女学生が拉致されるなどの事件が続出したとしよう。(あ、これはもう起きてたんだっけ?)
それに対して日本が北朝鮮に抗議をすれば、北朝鮮は日本は過去に朝鮮民族にたいしてひどいことをしたのだから、この程度のことは当たり前だ。拉致被害者を返して欲しかったらもっと経済援助しろと開き直り、なまじ応戦などしたらもっとノドンを打ち込み、日本人を拉致するぞとおどかしたとしよう。
この段階で日本が北朝鮮のミサイル発射装置を爆破し、軍事基地にミサイル攻撃し、軍首脳部が固まっていると思われる場所に戦車で侵攻して日本の圧倒的軍事力で北朝鮮のインフラを半壊したとして、日本のやり方は行き過ぎだなどと批判するひとはいるだろうか? 北朝鮮の攻撃による日本人の被害など日本の人口のほんの一部なのだから、北朝鮮への応戦はほどほどに自制すべきだなどと諸外国から口を出されて納得する日本人がどれほどいるだろうか? いったいどこの世界に戦闘行為を仕掛けてきた敵が軟弱であったら、こちらもそれにあわせた軟弱な応戦しかしてはいけないなどという取り決めがあるのだ? 
イスラエルが自国への戦闘行為を多少なりとも許せば、イスラエルを憎んでいるパレスチナだえでなく、近隣諸国にもイスラエルは弱いという印象をあたえてしまう。イスラエルが主権国家をまもるためには、どのような些細な攻撃も許してはならないのだ。たとえ拉致されたのが一等兵ひとりだとしても、イスラエルは徹底的に反撃しなければならないのである。そうしないことは敵を奮い立たせ敵の攻撃を激化させ、いずれ国の存続を脅かすこなるからだ。それが主権国家の防衛というものである。
日本が北朝鮮のミサイル攻撃や韓国の竹島のっとりを、指をくわえてみていてはいけないのと同じである。


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米国ホットドック大食いコンテスト、小林君またも優勝!

ニューヨークのコニーアイランドで毎年独立記念日に行われている由緒正しき伝統あるホットドック大食いコンテストにおいて、日本代表の小林選手が6年連続で優勝した。私は過去三年ほどこのコンテストの模様を中継でみてきたが、小林君の体系の変ぼうぶりにはおどろいてしまった。5年前に優勝した時はひょろっとしたやせた男の子だったのに、今回は筋肉もりもりの立派な男性。
このコンテストのルールは簡単で12分間の間にどれだけ多くのホットドックを食べられるかを競いあうのだが、小林君のこれまでの記録はたしか53.75本。しかしこれまで小林君の一位と二位の差は12本で、ほとんど独走状態だった。
しかし今年の挑戦者のなかには予選で50本を食べたアメリカ代表のチェスナッツ選手が、小林君においつけおいこせでしがみつき、なんと52本を食べた。小林君の去年の記録は49本だから調子次第では、小林君はまけていたかもしれないわけだ。

 今年の大会は、5月の国内予選で米国人最高の50個を記録した学生ジョーイ・チェスナットさん(22)と小林さんの事実上の一騎打ちとなったが、前半リードされた小林さんが終盤に入り猛追、逆転した。
チェスナットさんは2位に終わったが、昨年の32個(3位)を大幅に上回る52個。大会後のインタビューでコバヤシは手ごわかった。来年また戻ってくる」と雪辱を誓った。

ということは来年は必ずしも小林君が優勝するかどうか分からなくなってきたということだな。
しかし早食い大食いコンテストというのは洋の東西を問わずどの国でもあるらしく、今回の挑戦者も非常に国際色豊かで、しかも彼等はそれぞれの国で不思議な食べ物の早食いコンテストに優勝している手強い相手ばかり。中継も他のスポーツと全くかわらない真剣さだった。
来年はそろそろアメリカが勝つ晩かな?


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熊が運転席でピザを食べてるって?

こういうニュースは説明いらないかな?

ネバダ州西部タホ湖近辺の当地でこのほど、街中に止めてあったオープンカーに、その辺を「ぶらぶら」していた子グマが乗り込み、後部座席に置いてあったピザを食べ、ウオツカを飲んで立ち去る騒ぎがあった…

子グマはバーベキュー・チキン・ハラペーニョのピザを食べ、クーラーボックスに入れてあったビールとウオツカ、ジャック・ダニエルを飲み、運転席に座り込んだ際に鳴り続けたクラクションの音にもたじろがず、悠々とした様子だったという。
真っ赤なビュイック・コンバーティブルの持ち主、デイビッド・ジーロさんによると、車に被害はなかった。ただ、車内にピザのチーズとハラペーニョが、少しこぼれていたという。

熊がピザを食べて酒を飲んでる姿を想像するとなんともいえない。(笑)しかし未成年が昼間っから酒を飲んでいいのか?
ところで、ヨセミテにミスター苺とキャンプにいった時も車の中に絶対に食べ物を残しておかないようにと何度も注意を受けた。熊は鼻がきくので、車の窓を壊して侵入し中身をすべて食べてしまうからだ。ハイキングやキャンピングの際も食べ物は熊があけられない缶にいれておいて、夜はキャンプから離れたところに置くようにいわれた。
そんなある晩、真夜中にどうもキャンプの周りをどすどすする足音がするので、ミスター苺がお手洗いにでもたったのだろうと思っていたら、翌日ミスター苺は夜中には歩き回っていないという。近くのテントで寝ていた女性が熊に歯磨きを食べられてしまったと騒いでいた。どうやら私の枕元を歩いていたのは熊さんだったらしい、、、
おおこわ!


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ニューヨークのテロ捜査情報漏えいでやむなく逮捕へ

今日、ニューヨークのトンネルを爆破するテロ計画をしていたテロリスト数人が未遂で逮捕されるというニュースがあった。

米連邦捜査局(FBI)は7日、ニューヨーク市のマンハッタン島とニュージャージー州間の地下列車トンネルを標的とした自爆テロ計画の捜査を進めていることを明らかにした。同計画には米国外の8人の関与が確認されており、このうち国際テロ組織アルカイダの信奉者とされるレバノン人の男1人を含む3人が外国当局に拘束されているという…

FBIは約1年前に計画を察知、関係者の監視を続けていたが、標的偵察や武器入手を始める兆候が確認されたため、関係当局が容疑者の拘束に踏み切った。捜査には「3大陸の6カ国」(同局)が協力、残る5人の行方を追っている。米CNNテレビはカナダ、パキスタン、イラクが捜査に参加していると報じた

テロが未遂に終わり、犯人グループが逮捕されたのはいいことなのだが、FBIはもっと犯人グループを泳がして、関連しているかなり大掛かりな組織を潰すことを考えていたらしい。ところが進行形の捜査がメディアに漏れて捜査の事実がニューヨークデイリーニュースのすっぱ抜き報道によって公になってしまったので、急きょ逮捕に踏み切ったのだという。残ろ5人の行方がわからなくなったのも、時期早尚な逮捕で犯人グループの行動をすべて把握することができなかったのが原因だという。
フォックスニュースの記事によるとFBIは捜査途中で捜査内容が漏えいされたことに関して、かなり腹をたてているようだ。(訳:カカシ)

記者会見の冒頭において元FBI局長補佐のマーション氏は進行中の捜査が金曜日のデイリーニュースによって漏えいされたことへの怒りをあらわにした…

捜査について漏えいした人物は、「明らかに国際関係がどれだけもろいものか理解できていない人だ」とマーション氏は語った。
「公表は捜査をより困難にした。こんなことがなければ、スムーズだった諸外国の味方や施設との関係が非常に複雑になってしまった。」と氏は付け加えた。
ニューヨーク代表の共和党上院議員で国内安全保障委員会のピーター·キング会長も「情報が公表されないほうがよかった。」と語っている。

ニューヨークタイムスといい、ニューヨークデイリーニュースといい、ニューヨークの新聞記者には常識ってものがないのか? これらの新聞社の本社は911があったグラウンドゼロのすぐそばだというのに、また911みたいな大規模なテロの犠牲になりたいのだろうか。
この漏えい記事によって、どれだけ多くのテロリストがアメリカ脱出を試みたことだろう。まだ暴露されていないほかのテロ捜査にもきっとひどい影響を与えたことだろう。これで将来どれだけのニューヨーカーがテロの犠牲になるのかを考えると背筋がぞっとする。
アメリカは海外でテロリストと戦争をすると同時に、国内でも進んでテロリストの応援団を買って出る非国民メディアとも戦争をしなければならない。どうしてこんなことになるのやら、腹が立つ前にあきれてしまう。


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ワタダ米陸軍中尉の出動拒否に思う

先月22日にイラクに出動したストライカー旅団に所属して出動命令を拒否して国内に留まったワタダ米陸軍中尉は昨日出動拒否、将校としてあるまじき態度などの罪に問われて起訴された。有罪となれば7年の禁固刑のすえ、不名誉の除隊となる重罪である。それについて彼の母親が発表した手紙を読んだ方もおられるだろう。
ワタダ中尉が命令に背いて出動拒否をした理由として声明を発表した。しかし彼の声明にはどうも腑に落ちないことがある。

私はエレン・ワタダと申します。アメリカ合衆国陸軍中尉であり、3年間服務しています。

合衆国陸軍の将校として、重大な不正義に対して声を上げることは自分の義務であると考えます。私の道徳と法的義務は、憲法に対するものであり、無法な命令を下す者に対して負うものではありません…
米国軍隊の将校として、イラク戦争は道義的に過ちであるばかりでなく、合衆国の法をも手荒く侵害する行為であるという結論に達しました。私は抗議のために退役しようと試みましたが、にもかかわらずこの明白に違法な戦争に加わることを強制されています。違法行為に参加するようにという命令は、間違いなくそれ自身が違法です。私は、名誉と品性を重んじる将校として、この命令を拒否しなければなりません…

ワタダ中尉の入隊は3年前というから2003年の6月頃だったということになる。ということはアメリカのイラク戦争はすでにはじまり、主な戦闘は終わったとブッシュ大統領が宣言した直後だった。もし彼の声明文のとおり、イラク戦争が「イラク戦争は道義的に過ちであるばかりでなく、合衆国の法をも手荒く侵害する行為である」と考えるなら、なぜそのような戦争をやっている真っ最中に最前線に行く可能性が非常に高い陸軍などに志願したのであろうか? そのような戦争を行っている軍隊に抗議のため反戦運動の市民団体にでも参加すべきだったのではないか? 
イラク戦争はすでに3年半も行われてり、ワタダ中尉がこの戦争に反対だったのなら、そしてそれについて抗議することが自分の義務だと考えていたなら今まで黙っていたというのもおかしい。 今年12月には任期がおわり出動の危険が大きい陸軍に3年もいたのに戦闘経験をせずに除隊できるとおもっていたら、突然出動命令がでて、しかも任期が来年の中頃まで延長されるということになったのが、突然都合良く反戦意識に芽生えた理由だというのは私のかんぐりすぎかな? (笑)
軍人は軍の規制に反する不法な命令を受けた場合命令を拒否する義務がある。だがその拒否のしかたにはきちんとした取り決めがあり、上官から違法命令を受けた場合部下は即座に当局へ訴え出る義務があるが、そのやりかたに一般メディアを集めて記者会見するというやりかたは含まれていない。これは私の勘だがこの行為は多分違法だろう。

平常であれば、軍隊にいる人間も、自分の思うことを話し、自分の利益になるよう行動することは許されます。そうした時代は終わってしまいました。私は上官に対して、われわれの行動の意味するところを大局に立って判断するよう求めました。しかし、まっとうな回答は得られそうにありません。
私は将校に就任するとき、アメリカの法と民衆を守ることを宣誓しました。違法な戦争に参加せよとの違法な命令を拒むことにより、私はその宣誓に従います。

アメリカ軍法、Universal Code of Military Justice (UCMJ) についてご存じない方も多いと思うが、軍人は軍隊に入隊した時、民間人にあてはまる憲法からの庇護から解かれ、軍の法律によって行動を規制される。であるから軍人が罪をおかした場合一般の裁判にはかけられず軍法会議にかけられる。 
このなかで、特に現役軍人による政治活動は禁止されており、現政権の政策についての批判は公の場ではしてはいけないことになっている。つまりワタダ中尉がいうような「平常であれば、軍隊にいる人間も、自分の思うことを話し、自分の利益になるよう行動することは許され」た時代など過去にも存在していないのである。それどころかアメリカには三権分立の法則があり、軍隊は国の政策に口出しをしないことになっている。だから軍の総司令官は民間人なのであり、戦争をするしないの決定権は議会にあるのであり、軍隊にその否決権はない。だからワタダ中尉が個人的にどう思おうと、彼にこの戦争が違法か合法かを判断する権限はないのである。
ワタダ中尉は将校であるので、彼の下には当然部下がいる。将校たるもの率先して部下を指揮して戦場の赴くのが普通であるにもかかわらず、彼はその任務を拒否した。はっきり言って、こんな臆病者がイラクにいったりしてくれないで助かったと私は思う。こんな指揮官に指揮される部下たちこそはた迷惑である。きっとワタダ中尉がこないでくれて助かったと息をついてる部下も多いのではないだろうか。
私はワタダ中尉の母親のいいわけがましい手紙など読む気は全くしないのだが、その手紙を検索していておもしろいサイトに行き渡った。
このサイトの名前uruknet.infoの下に、「占領下のイラクからの情報」と副題がありイラクのフセイン政権下の旗の写真が載っている。ワタダ中尉の命令拒否の話題はなんとイラクのバース残党抵抗軍のホームページでプロパガンダとして使われているのである!
「将校に就任するとき、アメリカの法と民衆を守ることを宣誓」したはずのアメリカ将校が自分の部下が命がけで戦う敵に自分の行動がプロパガンダとして使われ、敵に勇気を与えたことをワタダ中尉はさぞかし誇りに思っていることだろう。
そうやって軍の牢屋で冷や飯を長〜い間食ってもらいたいものだ。


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で、イージスは何をしてたの?

さて、期待のテポドンがうたれたというのに、日本やアメリカは何故手をこまねいて見ていたのか、折角日本近郊へ呼び戻した日本のイージス艦は何をしていたのか、いくらスカッドやノドンとはいえ、日本に届く可能性は多いにあったのだし、弾頭に武器が積まれていないという保証もないのに、どうして迎撃しなかったんだあ、、、という素朴な質問が生まれる。
しかしよく書かれたSF小説のように、実はこれらの質問に関する答えはきちんと存在すると思われる。日本のイージス艦も含まれるミサイル迎撃システム(BMD)について詳しく説明している記事をみつけたのでそこからちょっと読んでみよう。(Jettaさん紹介)

韓米の情報当局がテポドン2号発射の兆候を把握したのは先週末ごろ。発射台周辺の液体燃料タンクやトラックなど発射の障害となる物がきれいに片付けられた様子をKH-12偵察衛星がとらえていたとのことだ。
 発射に先立ち、発射場沖合の民間の船舶に被害が出ないよう設定する「航海禁止区域」も東海(日本海)上に511日の予定で設定されていた。両国の情報当局は二日前の3日、通信傍受により北朝鮮が実際にミサイルを発射しようとしているとの決定的情報を確保したといわれる。
 5 日午前3時32分、北朝鮮が第1発目のミサイルを発射したとき、これを最初に把握したのはアメリカの早期警報衛星DSP(Defense Support Program)だった。DSPは高度3万6000キロの静止軌道上から北朝鮮を24時間監視、高性能赤外線感知器でミサイル発射の際に出る熱を感知して、発射の有無が直ちに分かる。

これは私の想像なのだが、この時の推進の力とスピードで、多分弾道に武器が積まれているかどうかの確認ができるのではないかと思われる。発射した時点でその角度やスピードからミサイルの経路は用意に計算できるであろうから、ミサイルが日本海に落ちるということもすぐに判断できたのであろう。

ミサイル防衛システム

ミサイル発射直後には、東海上を巡回中だった米国のRS-135Sコブラボール戦略偵察機がミサイルの軌跡を追跡した。東海上に配置されていた米日のイージス艦や、米国のミサイル追跡艦オブザベーション・アイランド号もテポドン2号などを追跡した。韓米情報当局がテポドン2号の発射後40秒での失敗を確認したのは、主にこれら艦艇のレーダーの力に負うところが大きい。

もともとミサイル迎撃システムのなかでイージス艦の役割は直接の迎撃ではなく、ミサイルの監視である。この記事を読む限り、日本のイージス艦は立派にその役割を果たしたといえる。
こうして考えると、日韓米による北朝鮮ミサイル発射監視は教科書どおりにうまくいったと言える。これらの国々が何もしていないどころか、北の同行はすべてお見通しのうえで、迎撃の必要なしとの判断が下されたようである。
ところで、北のテポドン2がなぜ日本海へ落ちたのかだが、本当にこれが北の失敗だったのかどうか不思議に思っていたら、毎日新聞の記事では本当に失敗だったらしいとある。

 北朝鮮は5日午前4時59分に北東部の舞水端里(ムスダンリ)のミサイル施設から、テポドン2号を発射した。同日発射した7発のミサイルの3発目で、約400キロ飛び日本海に落下したとみられているが、発射後、日米両政府が偵察衛星などで状況を確認したところ、テポドン2号の一部と見られる物体がミサイル施設の数キロ以内で確認された。

 小規模爆発など新型ブースターに何らかの燃焼異常があり、ミサイル自体が損壊したと分析している。米政府は、新型ブースターが正常に燃焼を続けたのは約40秒間とみている。
 このテポドン2号をめぐっては、専門家の間には「米国などを刺激しないために故意に短距離で撃った」との見方もあったが、ミサイルの損壊が確認されたことで、日米両政府は発射に失敗したとの見方を固めた。

うまくいけば、日本列島の上空を乗り越えて、ハワイあたりへいく予定だったようだが、最初のブーストフェイズで失敗したため、日本にも届かなかったというみじめな結果を生んだわけだ。北朝鮮にはまだもう一発テポドンん2号が残っているという話だが、もし構造上の問題なのだとしたら、2発目も失敗する可能性はあるので、北もそう簡単には打てないだろう。だが、燃料注入から一か月という制限期間がある以上打つ気なら急がなければならない。
聞いた話では金正日はすぐに2発目をうちたいということだ。一発なら失敗しても今回だけともいえるのだが、2発目も失敗したらこりゃ駄目だわ〜ということで世界中に北朝鮮の恥をさらすことになるのだが、そのへんのところを金正日はわかっているのだらうか?


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テポドン発射は失敗で恥をかいた北朝鮮

今日はアメリカは7月4日の独立記念日だったので、昼過ぎからミスター苺や友達とパサディナの球技場で出店などでバーベキューを食べた後、花火を見てかえってきた。
しかし今日うちあがった花火はアメリカの独立記念日のためだけではなかったようだね。スペースシャトルが打ち上げられたというニュースを期待していたら、北朝鮮がミサイルを6発も発射したというではないか。しかもその中にテポドンも含まれているというのだから驚いた。本当にやったのかね、北朝鮮は、それで日本やアメリカは手をこまねいてみていたのか? と思ってニュースを探しまくった結果、打たれたミサイルはほとんどスカッド式の短距離のもので、一発うたれたテポドン2号は発射40秒で失敗したという。毎日新聞の記事より:

【ワシントン及川正也】米政府は4日、北朝鮮が米本土の一部に到達すると推定される長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射したが、墜落し失敗したことを確認した。またホワイトハウスはテポドン2号を含め短・中・長距離弾道ミサイル合わせて6発が発射されたと発表した…

大統領と協議したハドリー米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は4日、記者団に対し、北朝鮮も同意しているミサイル発射の「凍結措置に違反する」と指摘。「国際社会の要請を無視した。挑発行為だ」と批判した。ただ、米本土にも到達するとされるテポドン2号の発射については「発射後40秒で失敗に終わり、米国領土への脅威ではない」と指摘した。
 ホワイトハウスによると、発射された弾道ミサイルはテポドン2号が1発、それに中距離のノドンと短距離のスカッドの計5発を合わせた全6発。CNNなどによると、コロラド州にある北米航空宇宙防衛軍司令部がミサイルの探知、追尾情報を集約し、分析した。ハドリー補佐官はこうした情報をもとにテポドン2号の性能や北朝鮮の意図の分析を進める意向を明らかにした。
 米軍はミサイル発射に備え、本土防衛のかなめとなる北方軍司令部も警戒を強化。アラスカ州とカリフォルニア州の基地にあるミサイル防衛システムを「実戦モード」に切り替えたが、テポドン2号の発射が失敗したため、迎撃発射はなかった。

私は北朝鮮が長距離ミサイルを打つならアメリカは撃ち落とす用意があると以前に書いた。しかし私は北朝鮮に本当に長距離ミサイルがうてるかどうかかなり疑わしいとも考えていた。ミスター苺と昨日話ていたのだが、もしかして北朝鮮は秘密でこっそり長距離ミサイルの試験をするつもりだったのに、アメリカや日本に燃料注入を見破られてしまい、世界の注目を浴びたことで大慌てしてしまったのではないだろうか。
つまり、北朝鮮は最初からこのミサイルが成功する確率は非常に少ないと考えていた。まだまだ核兵器を積んでアメリカに打ち込むなどという段階ではないことを彼等は十分に知っていたのではないだろうか。だが世界中に北朝鮮が打つのは今か今かと待ち構えられては打たないというわけにはいかない。かと言って打ったとたんに落ちてくるようでは大恥を掻く。北朝鮮にとってはかなりのジレンマがあったのではないかと思う。
これについてみやっちblogさんが感想を書いておられるが、彼はちょっとアメリカや日本政府に厳しすぎるような気がする。

現状のミサイル監視能力では発射準備をしていることは分かっても、後何時間後に発射するとかといったところまでは分からず、発射したこととそのコースを計算してどこに着弾するかを予測することしかできないことが明らかになったわけだ。
現在、ミサイル防衛システムの配備を行うことが決まっていて米軍もミサイル防衛能力の増強を行っている最中ではあるが、迎撃ミサイルの命中精度には疑問も多く、弾道ミサイル発射に対する抑止力がどれほどあるのか懸念されている。

イージスなどを使ったアメリカの迎撃ミサイルシステム(BMD)の命中精度が疑わしいという考えは日本では普通になっているようなのだが、米海軍はこのテストを何度も行っており、この間も成功をおさめたばかりである。どうしてこの制度への信用度が低いのか分からないが、今回のことでアメリカや日本のミサイル監視が不十分であったと考えるのはちょっと早計だと思う。
毎日新聞の記事でも分かるように、アメリカは監視の結果テポドン2号の発射は失敗だったと確認したため、迎撃をしなかったとある。テポドンは発射40秒で海へ落ちてしまったわけだから、(通常ならば20分は飛ぶはずである)アメリカの監視は発射時点からずっとされていたことになる。日本がどのくらいこの監視に関わっていたのかは明らかではないが、そのような防衛秘密を日本が明らかにする必要もないし、またすべきでもない。
ハッキリ言ってこのミサイル発射は北朝鮮の完全な失態といえる。なぜならば、彼等は世界中に北朝鮮の長距離ミサイルは使い物にならないことを披露してしまっただけでなく、日本からの経済制裁など世界中から政治的圧力をかけられる羽目となってしまった。
本音をいえば、北朝鮮のミサイルをアメリカのBMDが見事迎撃、などというシナリオを期待していたのだが、北朝鮮のおかげでそれは無理だったようだ。しかしこんな不能なミサイルを北朝鮮はイラクに売り付けようとしていたのだからあきれるね。北のいう核兵器開発なんてのもこの程度のものなのではないだろうか? だとしたら日本をはじめ世界にはいいニュースなのだが、、
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