June 21, 2006

アメリカにテポドンは撃ち落とせるか?

アップデート: 下記参照。

先日日本にテポドンは撃ち落とせるか?については書いたので、今日はアメリカにテポドンを撃ち落とせるかどうかかんがえてみたいと思う。

アメリカはミサイル防衛システムを試験状態から戦闘状態へと切り替え、イージス護衛艦二艦を日本海に派遣した。いざという時には撃ち落とせる用意をしているようである。

ワシントン=五十嵐文】20日付の米紙ワシントン・タイムズなど複数のメディアは、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した場合、ブッシュ政権はミサイル防衛システムでの迎撃を選択肢として検討している、と報じた。

この2週間以内に、アラスカ州などに配備している地上発射型迎撃ミサイルを「試験モード」から「実戦モード」に切り替えたという。

地上発射型迎撃ミサイルは、高高度を飛行中のミサイルを迎撃するミサイルで、アラスカ州フォートグリーリー基地に9基、カリフォルニア州バンデンバーグ基地に2基の計11基が配備されている。

また、日本海には2隻のイージス艦が警戒航行中で、北朝鮮による発射を探知し次第、迎撃可能な体制が整うという。

この状態を見て北朝鮮は怖じ気づいたのか突然アメリカと刺しで交渉したいといいだした。アメリカは無論、自分から脅迫状を叩き付けておいて交渉も何もあるかとつっぱねている。

ボルトン米国連大使もこれに先立ち、北朝鮮からの提案に対し「威嚇は交渉を導き出すための方法ではない」と拒否する意向を示している。大陸間弾道ミサイル発射という脅威の中で正常な対話に臨むことはできないと述べ、万一行き過ぎた行動を黙認すれば同じことの繰り返しを助長するだけで、対話を導きだす方法にはならないと主張した。ボルトン大使はまた、国連安全保障理事会の理事国なども北朝鮮のミサイル発射対応策について協議を続けていると明らかにした。また、1998年のテポドン1号発射当時とは異なり、北朝鮮が再びミサイルを発射するならば安保理は強力な対応を取るとし、広範囲からの支持を得ていると強調した。

ボルトン大使の発言はいつもながら気っぷがいいねえ。ほれぼれするよ。

ところで北朝鮮がミサイルを撃つとしたら、いったいどこへ向けて撃つのであろうか。まず試験といえども中国やロシアの上空を飛ぶような撃ち方はしないだろう。ということはやっぱりこれまでに何回かやってきたように、日本の上空を飛び越える形になるか、台湾やフィリピンの上空ということが考えられる。そうなった場合、やはりアメリカがすべきことはこのミサイルを撃ち落とすことだろう。

しかし前記の読売新聞の記事によると、、、

ただ、地上発射型ミサイルの迎撃実験はこれまで少なくとも3回、失敗しており、信頼性は確立されていない。国防総省当局者は20日、本紙の取材に対し、「(迎撃体制に関する)報道は承知しているが、作戦に関することについては答えられない」と述べた。

日本でもアメリカの防衛システムには自信がない人が多いようだ。『ぼくら党」の言論ブログなどではMDを無駄だといいきっている。

米軍退役将軍で軍事分析者の話によると成功率は60%程度だという話である。迎撃を試みて失敗したのでは、なにもしないよりも始末が悪い。それでも断固やるべきである。私はアメリカのミサイル防衛システムを信頼している。成功率の予測はは公式に発表されている数値よりも高いと私は考える。成功率のほうが失敗率よりも高いのであればアメリカは試しにやってみるべきだ。成功すればこれまでアメリカのミサイル防衛システムが無駄金だといっていた民主党や諸外国の諸君の鼻をあかせるし、北への大打撃にもなる。

アメリカの民主党や諸外国に比べて、北朝鮮はかなりアメリカのMDへの信頼度が高いように思える。もうひとつ考えられる理由として、奴ら自身自分らの長距離ミサイルが実際に成功するかどうか自信がないのではないだろうか。撃つぞ、撃つぞ、とおどかすことでアメリカや日本から何かを得ようとしているとも考えられる。しかし振り上げた拳がおろせなくなり実際に撃って失敗するなり、撃ったミサイルがアメリカの迎撃によって撃ち落とされるなりしてみろ、北朝鮮の面目は丸つぶれである。

失敗を恐れるなかれ。アメリカは断固北のテポドンを撃ち落とすべきである。

アップデート:

さっき退役将軍がBMDの成功率は60%だと語ったという話をしたが、ちょっと修正。このひとは元空軍の三ツ星のトム·マックネニー将軍(Lt. Gen. Tom McInerney)である。下記は彼がヒュー·ヒューイットのラジオインタビューで語ったものだ。(ラジオブロガー提供)

They have a probability of kill, Jed, of around .6. And they've just been made operational. That means you have to fire two of them to get a high probability. I used to have those, the Sparrow missiles, at .6. You fire, fire, rather than fire, look, fire. So that's the process that we'd have to use with those missiles.

(訳:『スタンダードミサイルの』命中率は6割です。つい最近作動開始されました。ということは高い確率を得るためには二つ撃たなければなりません。スパローミサイルというのがありましたが、この命中率も6割でした。撃って、様子見て、また撃つじゃなくて、発射、発射とやるんです。このミサイルもそういうやり方しなければなりません。)

つまり、一発撃っただけでは完全な迎撃にはならないが、二発連続すれば命中率はかなり高いものになるというわけだ。BMDによる迎撃はかなり期待できそうだ。

June 21, 2006, 現時間 9:36 PM

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