保守派イラン人、イランブロガーに異議あり!

昨日紹介したイラン人ブロガーのインタビューに対して、ヒューのところへ聴取者からメールが来た。メールの著者もイランからアメリカに移住した人だが、レーガン流保守派を誇りに思っているというこの聴取者はホセイン君のいい分にはかなり腹が立ったようである。この著者にいわせるとホセイン君の意見は一般のイラン人の見解とはほど遠く、あれが一般のイラン人の見解だと他のリスナーの人たちに勘違いされるのは叶わないとしている。

私はここミネソタのペルシャ語衛星放送をよく見ます。そこでアメリカの軍事行使によるイスラム共和政府への介入の話が出る度にイランの視聴者からかかってくる電話のほとんどが、アメリカの直接な軍事攻撃によってこの殺人的な政権を取り除いてほしいという意見です。科学的な世論調査をしたわけではありませんが、ほとんどの人々が後進的な機構を望んでいないことは明らかです…

としてこのメールは始まる。


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大爆笑! イラン、アメリカ軍のイラン政府ビル攻撃に抗議! 

この間アメリカ軍がイラン政府のビルを強制捜査した話をしたが、ミスター苺がそれについてミッシェル・モルキンの留守番エントリーに書いてるのでちょっと。
ついに先日クルド地方のアービルでアメリカ軍が捕まえた5人のイラン人はイラン軍特別部隊のクォード隊のメンバーであることが正式に発表された。

『拘束されている5人はイラン革命軍クォード特別隊(IRGC-QF)であることが初期の調査結果で明かになった。この組織は資金、武器、改良爆弾技術、訓練などを過激派グループに提供することによってイラク政府を不安定にしアメリカ軍を攻撃しようとしている組織である』とアメリカ軍当局は発表した。

まったく予想どおりの結果だが、これについてイランの外務大臣の報道官モハメッド・アリ・ホセイニ氏は怒りもあらわに声を震わせての抗議である。
ホセイニ氏は5人の職員が働いていたアービルのイラン政府施設は1992年にクルド人のビジネスマンや病人などがイラクからイランへ渡る手続きをするために設置されたと語っている。
「両国でこの施設を領事館の格に引き上げることで同意ができていた。」と氏は語る。「イラン領事館設立の同意は今年(イランのカレンダーで)交わされていた…」
ホセイニ氏はアメリカがイラクの安定化に失敗したことを認めたくなかったのでわざと「イラクの近隣国に対して敵対心と衝突」を起こしたのだと責めている。
「アメリカは5人の収容者をすべて釈放し、今後一切このようなことを防ぎ、損害賠償をすべきである」とホセイニは言う。
ちょっと待てよ〜。これは一考の価値ありだ。イランはアメリカ軍によるイラン人拘束に対してアメリカが「領事館の外交特権の尊厳を侵した」とほとんどヒステリー状態で反応しているわけだ。(大爆笑)
自分で言ってて歯がうかないのかね。
注:1979年以降に生まれたお若い方々にはこの皮肉さがお分かり頂けないかもしれないのでここで歴史をふりかえってみよう。
現在イランとアメリカの間には正式な外交関係はない。その理由は1979年にイランで宗教革命があり、テヘランにあったアメリカ大使館にイランの武装集団が押し入り占拠し、数人を殺害した後、外交官及び職員52人を444日に渡って拘束したからである。当時の大統領だった腰抜けカーター大統領は二回の救出作戦に大失敗して世界に恥の上塗りをしたあと、一期で落選。1980年に新しくレーガン大統領の代になってからやっと人質はかえってきた。ちなみにこの大使館攻撃に参加したメンバーの一人が、当時大学生だったアクマネナジャド大統領であることは意外と知られていない。


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イランのブロガー: イランのアメリカ軍攻撃は正当防衛

昨日ロサンゼルスのラジオDJがカナダのトロントに住むイラン人のブロガーにインタビューした話を、危険なのはブッシュ、アクマネナジャドではないで紹介したが、今日はその続きを紹介しよう。
このイラン人、ホセイン君、危険なのはイランの気違い大統領ではなくて過激派キリスト教徒に囲まれているブッシュ大統領のほうだといっていたが、ヒューはここで話題を変えてイラク戦争について質問した。イラクにおいて最近イランからの介入が入っていることが序々に明かになってきているが、そにについてヒューは、、


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イランのブロガー:危険なのはブッシュ、アクマネナジャドではない。

ロサンゼルスを基盤にしているラジオ番組の人気DJ、ヒュー・ヒューイットがカナダのトロント在住イラン人のブロガーにインタビューをした。その一部を紹介しよう。
ブロガーの名前はHossein Derakhshan, 生まれ育ちはイラン、イランで新聞記者をしていたが、彼のつとめていた新聞社が政権の保守派と対立する革新主義の政党を支持しているとして閉鎖されたのをきっかけに2001年イランを去ってカナダに移住した。ブログをはじめたのは911同時多発テロの直後で、一般市民の生の声を書きたかったからだという。
彼がブログをはじめた頃は英語以外のブログは珍しかったので、どうやってこの新しいユニコードを使ってペルシャ語でブログのブログを作るか彼自信が段階に分けて分かりやすい説明書を作成したのだという。

HH: さてホセイン、現在どのくらいの人がイラン国内でやってるんですか、そのブログですけど。
HD: イラン国内では少なくとも4つの会社がテヘランとかの大都市でブログサービスをしています。これらの会社が提供しているブログの数はというと概算で多分70万は超えるんじゃないでしょうか。これはもちろん、、、
HH: 現政権はこうしたブログに何か規制をかけてるんですか?
HD: イスラム共和主義はそれほど人気のないことにはあまり関心をしめしません。もちろん彼等は世論をコントロールしたいでしょう。これは明らかです。でも一日せいぜい60人程度の読者しかいないようなブログのことまで心配していません。それがたとえイスラム共和主義の最大のタブーをやぶっていたとしてもです。でもものすごい人気があって世論に影響を与えるようなブログで、それがタブーをおかしているとなれば、僕のブログなんかもそうですが、人気があって影響力があると心配なようです。僕もこのタブーとかの問題は話しています。だから僕のサイトはフィルターかけれたりブロックされたりしてもうかれこれ2年くらいはイランからアクセスできなくなっています。

ここでヒューはイランのアクマネナジャド大統領について質問をした。ホセイン君はアクマネナジャドは過激派で本当に12人目のイマムを再来を信じ込んでいるような狂信家だが、国内ではほとんど人気がないし、イランの実際の権力者である聖職者の間からも支持がないという。この間のイランの選挙でアクマネナジャド派が大敗したことを考えるとホセイン君の見方は正しいのかもしれない。
しかし話がイランの核開発になってくるとホセイン君の意見はやはり我々とは違う。そして話がブッシュ大統領の方針になってくると常識ではちょっと考えられないような不思議な意見がとびだしてくる。

HH: ホセイン、あなたはさっきアクマネジャダドは12人目のイマム再来を本気で信じてると言いましたが、イラン政権に核兵器を持ってほしいとも言いましたね。
HD: ええ、ええ。
HH: アメリカが、多くのアメリカ人が、それは許せない気持ちはわかりますか?
HD: ここにひとつ重要な事実があります。あまり多くのひとに知られてないことですが、メディアはほとんど報道しませんし、でもアクマネジャドの脅威なんて全然現実的ではありません。なぜって彼には軍隊を指揮する権限なんてないんですから。だから彼がヒットラーみたいになるなんてkとはあり得ないんです。よく彼とヒットラーを比べるひとがいますけど。イランの大統領で軍隊をコントロールできた人なんていないんです。これは非常に大事なことです。
HH: それは私も知っています。でも最高統治者のKhameneiがまだ生きているとしても、アクマネジャドと同じ考えを持つAyatollah Yazdim みたいな人と交替される可能性もあるわけでしょう。だとしたら我々がイランのYazdiのような最高統治者のもとにある核開発を、なぜ心配すべきではないというのですか?
HD: なぜならそれはほぼあり得ないことだからです。この間ほぼ民主的な形でリーダーの候補を選ぶ選挙がありました。ガーディアンと呼ばれるこの委員会において Ayatollah Yazdiは一番の候補者よりもずと離れた二番でした。この委員会は Council of Expediencyとも呼ばれていてペルシャ語ではMajlis-e Khobregaanといわれています。この一番候補になった人はかなりリベラルなひとです。彼はカターミの前に大統領だったひとで名前を、、
HH: ラフサンジャニ。
HD: ラフサンジャニ。
HH: 我々西側の人間からいわせるとラフサンジャニはリベラルでも穏健でもないですが、まそれはいいとしても、もしあなたが間違っていたらYazdiが最高統治者になる可能性もあるわけでしょう、そうなったら心配じゃないですか?
HD: それはそうですが、そんなことは先ずあり得ません。なんといっても色々問題はありますがイランは基本的には民主的な国ですから、この少数派で影響力も小さいグループの勢力は限られています。
HH: でもホセイン、たとえ僅かとはいえその可能性が多少でもある以上イランの核開発を否定する理由になりませんか。我々は12番目のイマムなんかに核爆弾のスイッチを握ってられちゃ困るわけですから。
HD: でもそれは、正直な話、ブッシュの側近に過激なキリスト教徒がいるのとたいした違いはありません。彼等がいたことがブッシュが最初のときも二回目も当選した理由のひとつですし。彼等も救世主の存在を信じてるわけですからそれと大して変わりませんよ。
HH: ホセイン、ちょっと待った。待った、待った、待った。ジョージ・ブッシュの周りには混乱による最期の時を信じてる過激派キリスト教徒なんていませんよ。それは真実ではありません。誰か名前があるんですか、、
HD: でも証拠がそれを示しています。
HH: 示してません。そんな人はいません。ひとりとして。そんな過激派がいるというなら一人でも名前をあげてみて下さい。
HD: 誰がブッシュに近いか近くないかということが問題なんじゃありません。彼等の政策が、例えばイラク侵略とか、味方につかなけりゃ敵だとかっていう言い方とか、他の方針とか色々なことがそのイデオロギーからきてることから言って、彼等がそれを信じていることを示唆しています。これはもっと危険なことです。なぜなら彼等はアクマネナジャドや彼を支持してる小さなグループなんかよりずっと人気があるんですから。
HH: ホセイン、もし事実この世の終わりを唱えるような人たちがいたとしたらもうすでに6年間もあったんですから、今頃はもうはじめてるはずですよ。
HD: わかりません。でもブッシュ政権のやり方をみているとアクマネナジャド政権からでてくるどんな方針より危険だと思いますよ。

アメリカのキリスト教徒がイランの気違い大統領と同じレベルだという考えには驚いたが、ブッシュ大統領のほうがアクマネナジャドなんかよりはずっと驚異的な存在だというのは私も同意する。もっともこれは民主主義を敵に回したらという意味だが。
ヒューのインタビューはその後イラクにおけるイランの介入に移るがこれに関するホセインの見解もまた面白いのでその話は続けて明日しよう。


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イラク多国籍軍イラン政府ビルを強制捜査

ラジオではイラクの多国籍軍がイラクにあるイランの領事館に攻め入ったという話だったのだが、米軍の話ではこれは領事館ではなく、単にイラン政府の所有しているビルであって外交官特権のある場所ではなかったそうだ。もしこれが正式な領事館だったらイラクはイラン領土に攻め入ったことになるので、もっと深刻な問題となる。
CNNのニュースから抜粋:

バグダッド──イラク国営テレビ局アルイラキアは11日、米軍主導のイラク駐留多国籍軍が、北部アービル市内のイラン領事館を強制捜査したと伝えた。
現場はクルド人居住地区で、多国籍軍は複数の領事館職員を拘束したうえ、事務機器を押収した。

この事務機器のなかにはコンピューターや多種の書類が含まれている。また建物につとめていたイラン人職員も数人拘束された。APの記事ではイラン側からスイス領事を通して問い合わせと抗議がきていると報道している。

テヘランではイランの外務大臣がイラクとスイスの外交官を呼び寄せ、事件に関する「説明を要請」しているという。イランにはアメリカの大使館がないため、スイスがアメリカ政府の代行をしている。
イラン外務大臣の報道官、モハメッド・アリ・ホセイニ氏は国営ラジオにおいて「アービル市内でのイラン人職員の存在は合法であり」強制捜査は「合法な施設」にたいする「外交上違法行為である」と述べ連合軍の行動はイランに対する「圧力の続行」でありかえってイラクと近隣諸国の間に「緊張を深める」ことになると述べた。

昨日の演説でブッシュ大統領はイランやシリアからイラクに入ってくる援助を阻止すると宣言したばかりのことであるから、この捜査の結果次第ではアメリカ軍によるイランへの強行手段がとられる可能性は十分にある。どうやらブッシュ大統領は外国からのテロ資源流入をやっと真剣に止める政策にはいったようである。


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イスラエルのイラン攻撃はちょっと無理?

この間、イスラエルはイランにちかぢか限定的な核攻撃をする計画があるらしいとイギリスの新聞、サンデータイムスが報道したという話を紹介したが、いつも読者に貴重な記事を紹介してくれている 陳さんは、こんなことをおっしゃっている。

再三述べるように、イランに対する軍事力行使のタイムリミットは今年春頃に予定されているブシェール原発への燃料棒搬入前にならざるを得ません。外交的に原発の稼動が阻止できないとなれば、イスラエルは内政的に動きが取れないアメリカを差し置いて単独攻撃を行い、ブッシュ政権はそれを黙認する可能性がありますね

さて、その陳さんの紹介で宮崎正弘の国際ニュースでは、サンデータイムスはガセ情報を流す常習犯なので、そう簡単には信じないほうがいいと警告している。

英紙『サンデー・タイムズ』はどうやら常習犯らしい。
 イスラエルがイランのウラン濃縮施設を空襲する計画を練り上げた、という世界を驚かせたニュースである。同紙は昨年三月にもおなじ内容の報道をして「これはシャロン首相(当時)も同意している」などと報じた。
 イスラエルの奇襲それ自体は既に言い古されたことで、とりたてての驚きではない。
げんに著名ジャーナリストのセイモア・ハーシェが老舗マガジンの『ニューヨーカー』(06年4月)でも同様な計画を「アメリカが」立案したと書いて物議をかもし、ホワイトハウスは、「セイモアは病的」とまで酷評して否定した事件もあった。…
イスラエル外務省はただちに会見し「あれは荒唐無稽」「そもそもイスラエル軍幹部の匿名情報などというニュースソウスもあやしい」とした。テルアビブの首相府は「荒唐無稽で、反論する必要もない」とする態度だった。

シーモア・ハーシェは有名は有名だが保守派の間では嘘つきハーシで通っているほど信用のない男なので、これと同じレベルだとしたらサンデータイムスもあまり信用できるとはいえないだろう。
これにたいしてイランはいつもどおり、奇襲などしたら後悔させてやる、これはシオニスト国家がわざと核兵器の存在を示しての威嚇だと鼻息があらい。自分達は核兵器が完成し次第イスラエルを攻めると常に豪語しているのだから、イスラエルからこのくらい威嚇されたからといって腹をたてるのは筋違いというものだ。
しかし、イスラエルがイランに奇襲攻撃をかけるという話そのものは大いにあり得ることなので、問題はそのタイミングとその効果力だろう。陳さんもおっしゃるようにイスラエルにはあまり時間がないからである。

 専門家は次のように言う。
 「イラクのオシラク原子炉攻撃は、一箇所に集中していたうえ、イラクまでは距離が近いという条件に恵まれた。だからイスラエルは81年4月のオシラク原子炉攻撃を成功させた。
イランの場合はナタンズ、イスファファンなど十二箇所以上に核施設は分散している上、地中深くのトンネルのなかである。イスラエルからの飛行距離も長く、ジェット戦闘機がレーダーに捕捉されないで、空中給油を受けながら飛ぶ可能性は高くない。
米軍との協力があろうとも、奇襲の成功は容易ではない上、攻撃できたとしても効果が疑わしいだろう」。
 とはいえイスラエル情報筋は「イランの濃縮ウラン施設の完成は2010年」と踏んでいる。
外交努力が2010年までに実を結ぶことがないとすれば、最後の選択肢はかならず浮上するだろう。
ペルシア帝国の復活をおそれるアラブ穏健派のくにぐに(エジプト、サウジ、ヨルダンなど)が、この騒ぎに沈黙を守っているのも奇妙である。

私がイラン人ならかなり神経を尖らせているところだな。


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イスラエル、イランへ核兵器攻撃の計画あり!

本当かなあという感じの記事ではあるが、一応紹介しておこう。今日のサンデータイムスによると、イスラエルはイランの核兵器開発基地を狙い核兵器を使って限定攻撃をする計画があるという。題して「イスラエルの対イラン核攻撃暴露さる!
この記事の内容はイスラエルの空軍の2中隊がバンカーバースタータイプの小規模な核兵器を使ってイランの濃縮ウラン施設を攻撃する訓練を行っているというもの。
この計画によると通常のレーザー援助の爆弾を撃ち込んで標的に向かって穴をあけ、そのなかに「ミニ核」を撃ち込もうというもの。地下深くで爆発するため放射能の散らばりなどを防ぐという考えらしい。
「命令が下り次第一回の任務、一回の攻撃でイランの核兵器開発計画は崩壊されます」と関係者は言ってるらしい。これはイランが核兵器開発に2年以内に成功するという情報がモサドによって明らかにされたことからたてられた計画だという。
イランの核兵器開発施設は地下深くにうめられているという話だから、イスラエルとしては通常の武器での攻撃ではこれらの施設を破壊することはもはや不可能であると判断したらしい。しかしながら、この計画が遂行されるためには、アメリカがこの攻撃を邪魔しない場合に限る。
イスラエルが攻撃の標的としている施設は:

  1. ナタンズ(Natanz)濃縮ウラン精製に必要な遠心分離機が何千とあるといわれている。
  2. イスファハン(Isfahan) ウラニウム還元施設。250トンにわたる濃縮に必要なガスが保管されているという。
  3. アラク(Arak)の原子炉、将来に核爆弾を作るに必要なプラトニウムが保存されているという。

イスラエル当局はこの三つの施設を破壊することでイランの核兵器開発を半永久的に遅らせることができると語る。これでイスラエルが「第二のホロコースト」を恐れる理由がなくなるというのである。
サンデータイムスによれば、イスラエルとアメリカはすでに何度もイランへの軍事攻撃に関する会談を繰り返してきたという。イスラエルがこの計画をあえて発表した理由はイランに圧力をかけ、アメリカに攻撃を促すこと、及びイスラエルの攻撃に先駆けてアメリカに予告しておくことにあるのではないかという意見もある。それというのも、新しい防衛長官ロバート・ゲーツ氏はイラン攻撃は最後の手段だと語っており、イランへの武力行使にあまり積極的な意見を述べていない。イスラエルとしてはこうなったら自分達次第だという考えがあるのかもしれない。しかしイスラエルがそのような攻撃に出れば昨日も書いたようにイランはペルシャ湾の原油輸送を阻止することは必定。となってくると、アメリカは否応なくイラン攻撃に巻き込まれるだろう。
私はアメリカによるイラン攻撃には賛成だが、その時期をイスラエルによって決められるというのは好ましい状況とは思えない。もしイスラエルがイランを攻めるのであれば、アメリカと前もって打ち合わせをした合同作戦であるべきだ。こちらが用意ができていないうちに状況が進んでしまうというのは決してよいことではない。
イスラエルのパイロットたちはすでにジブラルタルまで飛んでおり、イランまでの往復2000マイル飛行への訓練をしているものと思われる。またイスラエルからイランへの三つの飛行航路もすでに敷かれているらしい。
どうもイスラエルの訓練といい、アメリカの空母艦派遣といい、イスラエルとアメリカの合同イラン攻撃の布石がおかれているような気がしてならない。


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今こそイランを攻めるチャンス!

これは噂でまだ実際のことははっきりわかっていないが、イランの大教祖様であるアヤトラ・アル・コメイニーが病死したかもしれないという情報がある。イランで実際に権力を握っているのはなんといってもグランドアヤトラと呼ばれる聖職者。この間の選挙でもイランではかなりの権力争いが起きているようだから、今後も激しいお家騒動が期待できる。だとすればアメリカがイランを攻めるなら今がチャンスである。
先日アメリカ軍はイラクにいるイラン軍の高官数人を一時的に拘束したという話をしたが、彼等の持っていた書類にはどうやらイラク侵略計画が緻密につづられていたようである。パジャマメディアのマイケル・ラディーンによればイラク、シーア派の勢力者ハキム氏の自宅に集まっていたテロリストのなかにイラン革命軍のAl Quds部隊という特別に凶悪な部隊の高官がまじっていたという。しかもこの男のもっていた書類にはイランがイラクにおいてシーアとスンニ両方のテロリストを使って攻撃する壮大な計画が描かれていたというのである。イランがイラク情勢にちょっかいを出しているとは薄々勘付いてはいたものの、アメリカ諜報部が握っていたよりもずっと大規模なイランによるイラク攻撃計画が着々と進んでいたようである。
この情報はすでにブッシュ政権の耳にはいっているとのことだが、折も折り、すでに出動されている空母グループに続いて二つ目の空母とその護衛隊がペルシャ湾に出動されることになった。今回出動になるのはUSS John C. Stennis とそのストライクグループで、先に出動したUSS Dwight D. Eisenhower空母グループとあわせると16000人の水平がペルシャ湾に待機することになる。
だが、大事なのは水兵の数ではなく、戦闘機の数だ。これによってアメリカ軍は普通の戦闘機とヘリコプターをあわせて180機をペルシャ湾に出動させることになる。
ペルシャ湾の右端にあるホルムズ海峡は幅約32kgの狭い海峡でタンカー用の幅1.6kmの航路が二本引かれている。なんと世界中に供給される石油の1/4がこの道を通って輸送されるのである。イランを攻めるにあたって一番の脅威はイランがホルムズ海峡でテロを行うことだ。ヘズボラが石油タンカーをこの狭い航路で攻撃して船を二つ三つ沈めるようなことがあったら、この航路は一年は封鎖され世界中で石油大幅不足が起きるという大惨事につながる。原油もれによる環境破壊も世界最悪の規模となるだろう。
これは単にカカシの被害妄想ではない。歴史家のアーサー・ハーマン氏によると、イランは2006年の4月に大掛かりな海軍演習をやっており、その際いくつも対船ミサイルの試射を行いイランに楯を突けばタンカーなどいくらでも沈められるというデモンストレーションを行ったという。この演習は称して「聖なる予言者の戦争演習」また8月にはイラン軍はルーマニア所属の船に発砲した上乗船した。船の持ち主が誰か確かめるためという口実だったが、実際には西洋にイランにはどの国の船も安全ではないぞという警告を発することが目的だったことはいうまでもない。
ホルムズ海峡は確かにイランからの石油輸送にとって非常に大事な場所である。だが、それをいうならイランにとってもこの海峡は非常に重要な航路だ。イランはホルムズ海峡を手に取って世界をコントロールしようとしているが、アメリカはこれを逆手にとってイランをコントロールできるとハーマン氏は語る。それをどういうふうにするのか、下記がハーマン氏の提案だ。

  1. まずホルムズ海峡を通る石油輸送を阻止する国はどこであろうと容赦しないと発表する。
  2. その脅しを証明するために対潜水艦船、戦闘機、じ来除去装置、イージスBMDシステムなどを含む空母艦バトルグループをペルシャ湾に派遣する。むろんこちらの潜水艦も含む。
  3. アメリカ一国によるイランの石油タンカー通行を封鎖。イランから出る石油、イランへ入るガソリンなどを完全阻止する。ほかの国の船は自由に通過させる。
  4. イランの空軍基地を徹底的に攻撃し、イランの空の防衛を完全に破壊する。
  5. イランの核兵器開発地及び関係基地、インフラなどを攻撃する。
  6. そしてこれが一番大切なことなのだが、イランのガソリン精製施設の徹底破壊である。
  7. アメリカの特別部隊がイラン国外にあるイランの油田を占拠する。

イランは今非常に厳しい状況にある。ハーマン氏は我々はそれを最大限に利用すべきだという。

イランは非常に大きな石油輸出国であるにもかかわらず、なんとガソリンの40%を湾岸諸国を含む外国からの輸入に頼っている国なのである。精製施設がなくなり保存施設も破壊されれば、イランの自動車、トラック、バス、飛行機、戦車および軍事機器がすべて乾いてしまう。これだけでイランはイラン軍による反撃など不可能となってしまうのである。(イランの海軍は年老いて破損が激しい。一番の財産であるロシア製キロ級潜水艦は港を出る前に破壊してしまうべきである。)

これでイランをコントロールすることが可能だとハーマン氏はいう。ミスター苺は同時にイスラエルがヘズボラをたたくことを提案している。
さて、ハーマン氏のこの提案は2006年の11月に発表されたものだが、これを念頭において先に紹介したロイターの記事を見直してみよう。すでに派遣した一つのバトルグループについで二つ目のバトルグループを送り出すということはブッシュ政権は本気でイランを攻めるつもりだとは考えられないだろうか? 我々はBMDや潜水艦の派遣などという機密情報は知る由もないが、分かっているだけでもかなりきな臭い状況になっていると想像できる。
都合のいいことにこの作戦は議会の承認を必要としないため、ブッシュ大統領がその気にさえなれば彼の一存で実然させることができる。
第一この作戦における利益は膨大なものがある。

* イランの台所はすでに火の車、これで経済破たん間違いなし。
* この攻撃がきっかけで支配者層のムラーたちに対する国民の奮起がるかもしれない。
* イランの資金援助なくしてはシリアのアサード政権も長持ちしない
*イランの援助なくしてはヘズボラは行動できなくなる。
* イランの援助なくしてはイラクのサドルも資金不足で人気がた落ち。
* アメリカがほんの数年で、アフガニスタンのタリバンを倒し、フセインのバース党を倒し、イランの支配階級を倒したということになれば、イスラム教過激派のジハード信教者の士気も萎えて志願者の数も減るだろう。

イスラム教社会は強者に付く社会だ。アメリカ文化のように弱い者の味方をするという慣習はない。だからヨーロッパ風の妥協は全く通用しない。だが、アメリカが圧倒的な勝利をおさめれば彼等も感服するだろう。
この作戦は今すぐにでも可能だ。問題は我々にその意志があるかどうかということだけである。


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イラン核兵器開発に夢中で石油生産をおざなりに

喜多さんとこでイランの石油生産状態がよくないという記事を読んだ。以下ワシントンポストに載ったこの記事によると、全米科学アカデミーが発表した情報ではイランの石油輸出の売り上げは激減しており、このままだと2015年には石油輸出による収入はほとんどなくなってしまうというのである。(訳はもちろん喜多竜之介さん)

イランは毎年石油輸出で約&500億を稼いでいる。減少は年間10-12%と予測されている。5年を経ずして、輸出は半減し、2015年には消滅するだろう、と(ジョン・ホプキンス大学の経済地理学者ロジャー・)スターンは予測した。
彼は、石油生産は減少傾向にあり、ガスも石油も高額の補助金を付けて国内では販売されているのだ、と語った。同時に、イランは石油生産施設に再投資を怠っている。
イランは一日に約370万バレルを生産しており、OPECが定めたイランの割当量よりもおよそ30万バレル少ない。
この不足分は年間約$55億の損失となる、とスターンは言った。2004年のイランの石油売上は、政府収入の内65%だった。

であるからアメリカがイランを今すぐ攻めたりしなくても、数年ほうっておけばイランは自滅するだろうとスターン博士はいう。はっきりいってこれは興味深い発見である。イランは核兵器開発やテロリスト援助に夢中になりすぎて古くなった石油生産施設へのメインテナンスも技術高進もしていないため、生産が他国より遅れているのだろう。それに加えてイランには石油精製工場が極端に少ない。だから石油産出国でありながら精製後のガソリンはほとんど輸入に頼っているという皮肉な状態がおきている。
とするならば、スターン博士のいうようにじっと待っていなくてもこちらから意味のある経済制裁を施してイラン崩壊をお手伝いするという手もある。以前にも書いた通りイランに出入りする石油タンカーを完全封鎖してしまうことだ。原油は売れないガソリンは手に入らないとなればイランの経済崩壊は2015年まで待つまでもない。
国際社会が真剣になれば、イランの核開発を阻止することは案外容易にできるのかもしれない。問題はその意志が国連にあるのかどうかということだが、、、
追伸:ミスター苺にいわせるとイランに12番目のイマームが訪れてイランをすくってくれる日は近いので、2015年の心配などする必要はないと、アフマネジャド大統領は考えているのだろうとのこと。これだから狂信国は恐い、、


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イラクにてイラン軍高官4人を米軍が拘束

シーア派のマフディ民兵軍の親玉はサドルは、イランの飼い犬ならぬ飼い豚(どうみても豚にみえるな、あの顔は)であることは周知の事実。イランはアルカエダと民兵のどちらも煽ってイラクの宗派間争いを企んでいる。陰謀があるとすれば、まさにイランこそがその裏に潜む悪玉である。
その根拠となりそうな情報を昨日米軍は発表した。以下産經新聞の記事より:

12月26日8時0分配信 産経新聞
 【ワシントン支局】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は25日、イラクの治安部隊を攻撃する計画にかかわっていた疑いで、イラクの駐留米軍が少なくとも4人のイラン人を拘束したと報じた。拘束者の中にはイラン軍高官や外交官も含まれているという。
 ブッシュ米政権は、混迷するイラク情勢打開のため、超党派グループからイランを含む周辺国との直接対話を勧告されているが、イランが米国に反発を強めるのは確実で、米国のイラク戦略に何らかの影響を与える可能性もある。
 報道によると、米軍は21日夜、バグダッドのイラン大使館近くで、公用車を停止させ、イラク人護衛を含む同乗者全員を拘束した。イラン人外交官2人はイラク政府に引き渡された後、保釈された。また22日未明には、イラク連立政権を構成するイスラム教シーア派の「イラク・イスラム革命最高評議会」指導者、ハキーム師の施設内を捜索、イラン軍高官を拘束したとしている。
 イラン外務省スポークスマンは25日、「拘束は国際規範に反しており、深刻な結果を招くだろう」と米国を非難した。(強調はカカシ)

イラクで革命を起こそうという連中と会議をしておきながら、「高速が国際規範に反している」などとよくいえたものだ。ま、国連の条例など無視して核兵器開発をやってるならず者国家だからこの程度の反応は別に驚きはしないが。それにしてもニューヨークタイムスは、いったいイラン高官がシーアの政治家と一緒になって何をやっていたのかという質問をする前に、イランがアメリカに反発する可能性などを心配している。全く本末転倒だ。アメリカをぶっつぶすといっているイランがこれ以上アメリカを嫌ったからって何がかわるというのか、ばかばかしい。
ま、それはいいとして、これまでイランがイラクの内政に裏から口をだしていることはさんざん話題にはのぼっていたものの、確たる証拠が提示されたことはない。この拘束されているイラン人によってイランがイラクをどのようにコントロールしようとしているのかが明かになってくれるといいのだが。
しかし、この時期にアメリカ軍がイラン高官を拘束しているという事実をわざわざ公表したというのは興味深い。ベーカー氏のイラク研究会の推薦にはイランとの対話が含まれていたが、もしやアメリカはイランと交渉をするとして、その際上手にでられるような布石を投じているのかもしれない。なにやら緊張した空気を感じる。


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