January 13, 2007

イランのブロガー:危険なのはブッシュ、アクマネナジャドではない。

ロサンゼルスを基盤にしているラジオ番組の人気DJ、ヒュー・ヒューイットがカナダのトロント在住イラン人のブロガーにインタビューをした。その一部を紹介しよう。

ブロガーの名前はHossein Derakhshan, 生まれ育ちはイラン、イランで新聞記者をしていたが、彼のつとめていた新聞社が政権の保守派と対立する革新主義の政党を支持しているとして閉鎖されたのをきっかけに2001年イランを去ってカナダに移住した。ブログをはじめたのは911同時多発テロの直後で、一般市民の生の声を書きたかったからだという。

彼がブログをはじめた頃は英語以外のブログは珍しかったので、どうやってこの新しいユニコードを使ってペルシャ語でブログのブログを作るか彼自信が段階に分けて分かりやすい説明書を作成したのだという。

HH: さてホセイン、現在どのくらいの人がイラン国内でやってるんですか、そのブログですけど。

HD: イラン国内では少なくとも4つの会社がテヘランとかの大都市でブログサービスをしています。これらの会社が提供しているブログの数はというと概算で多分70万は超えるんじゃないでしょうか。これはもちろん、、、

HH: 現政権はこうしたブログに何か規制をかけてるんですか?

HD: イスラム共和主義はそれほど人気のないことにはあまり関心をしめしません。もちろん彼等は世論をコントロールしたいでしょう。これは明らかです。でも一日せいぜい60人程度の読者しかいないようなブログのことまで心配していません。それがたとえイスラム共和主義の最大のタブーをやぶっていたとしてもです。でもものすごい人気があって世論に影響を与えるようなブログで、それがタブーをおかしているとなれば、僕のブログなんかもそうですが、人気があって影響力があると心配なようです。僕もこのタブーとかの問題は話しています。だから僕のサイトはフィルターかけれたりブロックされたりしてもうかれこれ2年くらいはイランからアクセスできなくなっています。

ここでヒューはイランのアクマネナジャド大統領について質問をした。ホセイン君はアクマネナジャドは過激派で本当に12人目のイマムを再来を信じ込んでいるような狂信家だが、国内ではほとんど人気がないし、イランの実際の権力者である聖職者の間からも支持がないという。この間のイランの選挙でアクマネナジャド派が大敗したことを考えるとホセイン君の見方は正しいのかもしれない。

しかし話がイランの核開発になってくるとホセイン君の意見はやはり我々とは違う。そして話がブッシュ大統領の方針になってくると常識ではちょっと考えられないような不思議な意見がとびだしてくる。

HH: ホセイン、あなたはさっきアクマネジャダドは12人目のイマム再来を本気で信じてると言いましたが、イラン政権に核兵器を持ってほしいとも言いましたね。

HD: ええ、ええ。

HH: アメリカが、多くのアメリカ人が、それは許せない気持ちはわかりますか?

HD: ここにひとつ重要な事実があります。あまり多くのひとに知られてないことですが、メディアはほとんど報道しませんし、でもアクマネジャドの脅威なんて全然現実的ではありません。なぜって彼には軍隊を指揮する権限なんてないんですから。だから彼がヒットラーみたいになるなんてkとはあり得ないんです。よく彼とヒットラーを比べるひとがいますけど。イランの大統領で軍隊をコントロールできた人なんていないんです。これは非常に大事なことです。

HH: それは私も知っています。でも最高統治者のKhameneiがまだ生きているとしても、アクマネジャドと同じ考えを持つAyatollah Yazdim みたいな人と交替される可能性もあるわけでしょう。だとしたら我々がイランのYazdiのような最高統治者のもとにある核開発を、なぜ心配すべきではないというのですか?

HD: なぜならそれはほぼあり得ないことだからです。この間ほぼ民主的な形でリーダーの候補を選ぶ選挙がありました。ガーディアンと呼ばれるこの委員会において Ayatollah Yazdiは一番の候補者よりもずと離れた二番でした。この委員会は Council of Expediencyとも呼ばれていてペルシャ語ではMajlis-e Khobregaanといわれています。この一番候補になった人はかなりリベラルなひとです。彼はカターミの前に大統領だったひとで名前を、、

HH: ラフサンジャニ。

HD: ラフサンジャニ。

HH: 我々西側の人間からいわせるとラフサンジャニはリベラルでも穏健でもないですが、まそれはいいとしても、もしあなたが間違っていたらYazdiが最高統治者になる可能性もあるわけでしょう、そうなったら心配じゃないですか?

HD: それはそうですが、そんなことは先ずあり得ません。なんといっても色々問題はありますがイランは基本的には民主的な国ですから、この少数派で影響力も小さいグループの勢力は限られています。

HH: でもホセイン、たとえ僅かとはいえその可能性が多少でもある以上イランの核開発を否定する理由になりませんか。我々は12番目のイマムなんかに核爆弾のスイッチを握ってられちゃ困るわけですから。

HD: でもそれは、正直な話、ブッシュの側近に過激なキリスト教徒がいるのとたいした違いはありません。彼等がいたことがブッシュが最初のときも二回目も当選した理由のひとつですし。彼等も救世主の存在を信じてるわけですからそれと大して変わりませんよ。

HH: ホセイン、ちょっと待った。待った、待った、待った。ジョージ・ブッシュの周りには混乱による最期の時を信じてる過激派キリスト教徒なんていませんよ。それは真実ではありません。誰か名前があるんですか、、

HD: でも証拠がそれを示しています。

HH: 示してません。そんな人はいません。ひとりとして。そんな過激派がいるというなら一人でも名前をあげてみて下さい。

HD: 誰がブッシュに近いか近くないかということが問題なんじゃありません。彼等の政策が、例えばイラク侵略とか、味方につかなけりゃ敵だとかっていう言い方とか、他の方針とか色々なことがそのイデオロギーからきてることから言って、彼等がそれを信じていることを示唆しています。これはもっと危険なことです。なぜなら彼等はアクマネナジャドや彼を支持してる小さなグループなんかよりずっと人気があるんですから。

HH: ホセイン、もし事実この世の終わりを唱えるような人たちがいたとしたらもうすでに6年間もあったんですから、今頃はもうはじめてるはずですよ。

HD: わかりません。でもブッシュ政権のやり方をみているとアクマネナジャド政権からでてくるどんな方針より危険だと思いますよ。

アメリカのキリスト教徒がイランの気違い大統領と同じレベルだという考えには驚いたが、ブッシュ大統領のほうがアクマネナジャドなんかよりはずっと驚異的な存在だというのは私も同意する。もっともこれは民主主義を敵に回したらという意味だが。

ヒューのインタビューはその後イラクにおけるイランの介入に移るがこれに関するホセインの見解もまた面白いのでその話は続けて明日しよう。

January 13, 2007, 現時間 4:26 PM

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