核武装目前のアルカイダ、悪化する中東情勢に無頓着なオバマ王

選挙運動中オバマ王子はブッシュ政権のイラク政策について、アフガニスタン状況を無視してイラクに没頭しすぎたおかげでアメリカの対テロ戦争の戦況は悪化したと散々批判していた。だが、いったん政権を握ったオバマ王はアフガニスタンやパキスタンの状況が急速に悪化していることに完全に無頓着である。
スタン諸国の状況悪化を完全無視して、オバマは経済活性案の通過にばかり力を入れていた。しかしその割には下院のペロシ議長と上院のリード議員に法案を全面的に乗っ取られ、経済活性どころか、その無駄遣いだらけ法案はルーズベルトも真っ青になるようなニューディールまがいの社会主義活性案と化してしまった。
オバマが国内でその指導力のなさを見せている間に、先日お話したキルギスタンの議会では、正式にマナス米軍基地の閉鎖が承認された。この閉鎖に関してはロシアのプーチンの差し金があったことはこの間も説明した通りだが、なぜロシアは20億ドルという巨額の金を出してキルギスタンの基地を閉鎖させたのだろうか?
実は、最近オバマは、悪化するアフガニスタンに地元米将軍らの強い要請を受けて17000の増派をすると約束した。しかしこれだけの数の援軍を移動させるには、どの通路をつかってアフガニスタンに送り込むかということが問題になる。キルギスタンの航空基地が使えないとなると、アメリカの援軍は別の道を通って移動しなければならない。パキスタンからの入国は、最近パキスタン政府と交渉に成功したアルカイダ系タリバンが国境を塞いでいるので不可能。中国やイランからの入国は問題外だし、近隣のスタン諸国も皆、何故かアメリカ軍の通過を拒絶している。
ただひとつ、アメリカ軍に残された移動通路とはどこか? それはロシアである

2009年2月6日付けAPより:モスクワ — ロシアは金曜日、キルギスタンの米空軍基地閉鎖の決断を変更するまでの間、アフガニスタンへの殺傷目的以外の軍事物資の郵送にロシア領域の通過を許可すると発表した。 ….

ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相はロシアが提供するのが陸路か空路かは指定しなかったが、米軍とNATOはかさばる貨物の安価な輸送のため主に陸路に関心がある。
米軍の物資輸送を歓迎することによって、ラヴコフ外相はワシントンに、アメリカが中央アジアに関してモスクワと交渉するつもりがあるなら、ロシアはアフガニスタン対策に協力する用意があるというシグナルを送っているかに見える。

自分たちで他の通路をすべて塞いでおきながら、米軍の輸送を歓迎するだ?盗人猛々しいとはこのことだ。今は殺傷目的以外の物資輸送と限定しているが、ロシアはそのうち軍隊の移動も許可すると言ってくるだろう。だが、これには大きな問題がある。
アメリカ軍が援軍の移動にいちいちロシアの許可を取らなければならないとしたら、ロシアはアメリカ軍及びNATO軍のアフガニスタン戦略にいちいち口を挟めるということになるからである。先ず、ロシアには米軍の作戦が筒抜けになるだけでなく、ロシアが気に入らない戦略は阻止されることになる。つまり、ロシア通路を使うことになれば、アフガニスタン対策はロシアが采配を握ることになるのだ!
オバマ王はこの重大な状況変化に気がついているのだろうか?
だが、これにも増して恐ろしい状況がパキスタンで起きている。先日パキスタン政府はタリバンと和平合意を実現させた

パキスタン、武装勢力と和平合意 北西辺境州政府

 【イスラマバード16日共同】パキスタン北西辺境州政府は16日、イスラム武装勢力との戦闘が続く同州マラカンド地域で、裁判制度にイスラム法(シャリア)導入を認めることなどを条件に武装勢力と和平合意したと発表した。
 マラカンド地域内のスワト地区では激しい戦闘が続き、多数の避難民が発生していた。戦闘激化を受けて州政府側が妥協したといえる。マラカンドの周辺を含め、武装勢力の影響力増大が懸念される。隣国アフガニスタンで続く旧政権タリバン掃討作戦にも影響を与えそうだ。
 州政府が和平合意したのは同地域の2大武装勢力の一つ。もう一方の勢力とも交渉を進めており、攻撃されない限り反撃しない方針を示した。中央政府のザルダリ大統領も合意を承認した。

テロリストとの約束など署名した紙ほどの値打ちもない。タリバンは新しく獲得した領地を基盤としてアフガニスタンやパキスタンへの攻撃を激化するつもりなのは火を見るより明らかではないか。パキスタン政府には今の時点でイスラム武装勢力と戦う能力がないとすれば、今後ますます強化するタリバンがパキスタン全土にその勢力を拡大しようとしたら、どのように応戦するつもりなのだ?
オバマ王はこのパキスタンでの出来事にまったく関心を示していない。オバマは選挙運動中は今すぐにでもパキスタンへの武力行使をするようなことを言っていたのに、大統領になったらイランにへつらってみたり、アルジェジーラ紙でブッシュ時代のアメリカによる「悪行」を謝ったりするのに忙しくて、パキスタンの「パ」の字も言わなくなってしまった。
このままテロ軍団がパキスタンで勢力を拡大し、パキスタン政権を剥奪してしまったらどういうことになるのか、救世主オバマは考えたことがあるのか? パキスタンには実験済みの核兵器があるんだぞ!!
どうしてこんな馬鹿が世界最強の国アメリカの大統領になれたのか、カカシは不思議でしょうがない。なんでアメリカ市民の半分がこんなまやかし男に騙されたのだろうか。中東のイスラム武装勢力から世界平和をかろうじて守ってこれたのは、ジョージ・W・ブッシュという人がいてくれたからだ。ブッシュという目の上のたんこぶがなくなったテロリストどもは、弱体とみたオバマアメリカに容赦なく戦いを挑んでくるだろう。
オバマ王はその戦いがすでに始まっていることに気がついているのだろうか?


Comment

イスラエル、ネタニヤフは首相に返り咲けるか?

先日イスラエルでは待望の総選挙が行われ、元首相のネタニヤフが首相に返り咲く可能性が高まって来た。
選挙結果の詳しい議席数をflagburner’sさんが掲載しているので参考にさせてもらうとこうなる。
・Kadima カディーマ:28(23%)
・Likud リクード:27(21%)
・Yisrael Beitenu 我が家イスラエル:15(12%)
・Labour Party 労働党:13(10%)
・Shas シャス(トーラーを遵奉するスファラディー同盟):11(9%)
・United Torah Judaism ユダヤ教連合:5(4%)
・National Union 国家宗教:4(3%)
・Hadash(The Democratic Front for Peace and Equality):4(3%)
・United Arab List-Ta’al:4(4%)
・Meretz:3(3%)
・Jewish Home:3(3%)
・Balad(National Democratic Assembly):3(3%)
下記は河北新報の社説より。

選挙では、女性のリブニ外相(50)が率いる現与党の中道カディマが第一党を維持したものの、ネタニヤフ元首相(59)が党首を務める野党のリクードなど右派勢力の台頭が目立ち、右派6党で定数120のうち計65議席と過半数を獲得した。

右派が50から65に議席を増やし、左派・中道は70から55に退潮した。
右派の躍進は、イスラム原理主義ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザへの空爆と地上攻撃の強硬路線が成果を上げ、国民の支持を受けたからだとされる。武力でハマスを制圧し、イスラエルの都市部へのロケット弾攻撃などを抑え込み、安全な日々の生活を確保したい、という選択なのだろう。

ま、オルメルトはレバノン戦争でも大失敗をしたり、いまだに彼の弱腰のおかげでガザからは毎日何百というロケット弾が飛んでくるしでカディマの人気が落ちていたから、この間のガザ攻撃でも強攻にならざる負えなかったわけだ。
上記の議席数でもわかるように、どの一党も過半数を超える議席を獲得していないので数党による連立政権を作らなければならない。ネタニヤフ元首相が首相に返り咲くためにはリクード党を筆頭として、別の党との連盟を結ばなければならない。だが、カディマのリブニ外相はリクードとの同盟を実現させるなら自分が首相になるべきだと主張している。彼女はオルメルトにも増して鳩派だから、よしんば首相の座を諦めたとしても、彼女がそのまま外相としての座を保った場合、ネタニヤフの強攻外交をことごとく阻止しようとすることは目に見えている。
となるとリクード党はカディマ抜きで、労働党やシャスやユダヤ教連合と手をむすばなければならなくなる。これらの党にはそれぞれアジェンダがあり、必ずしもリクードと意見が合うかどうか疑問だ。


Comment

反イスラム過激派映画がイギリスで巻き起こした波紋

イギリスではすでにイスラム過激派がかなりの幅を効かし、多くのイギリスの政治家たちがディミー(イスラム教徒に仕える低い身分に甘んじている民)に成り下がっているという話はすでに何度もしてきたが、この度オランダの国会議員でイスラム過激派を批判したフィトナという映画を製作したガート・ワイルダース(Geert Wilders)氏がこの映画の試写会にイギリスから招かれたことでイギリスでは大変な旋風が巻き起こった。パジャマメディア、ロジャースルール紹介
それというのも、イギリスの上院議員労働党のナズィアー・アクメッド(Nazir Ahmed)という名前からしてイスラム教徒の議員がワイルダース氏のイギリス訪問はイギリスの秩序を乱すとして抗議をしたことからはじまる。気に入らないことがあると何かと騒がしいことで悪名高いアクメッド議員はもしワイルダース氏の訪英が実現したら一万人からのイスラム教徒を動員して大騒動をおこしてやると英国政府を脅迫したらしい。本人はそんな脅迫をした事実はないと否定しているが、自分がワイルダース氏の訪英及びフィトナ試写会を阻止し英国国会に恥をかかせてやったとガーディアン紙で自慢している

ガート・ワイルダースが英国を訪れ、コックス男爵夫人とピアーソン侯爵がこの映画を上映したいと望んでおられることを知った時、私は内省に手紙を書き、上院のリーダーとブラック・ロッド氏に、ワイルダースの訪英は宗教と人種嫌悪を刺激し、公共秩序を乱すものとなると抗議しました。….

ワイルダースの映画フィトナは、コーランの文節を文脈を無視して引用し、あたかもコーランがひどいテロ事件と関係があり、(イスラムの)教えがテロ行為と結びついているかのように描いています。私はこの訪問はBNP(英国ナチグループ)のような極右翼やイスラム過激派の双方から彼を応援する結果になると考えました。
私のこの手紙により、内政省長官はワイルダースに彼の訪問は「地域社会の調和ひいてはイギリスの公共安全を脅かす」と手紙を送り、国土安全を脅かし公共秩序もしくは市民の安全を乱す人員の入国を禁じるというヨーロッパ連盟の法律に基づきワイルダースの入国は拒否されました。私は長官の考察に賛同します。….
スペクター紙において、メラニー・フィリップスは私がイスラム教と一万人を動員してワイルダースに反するデモ行進をおこなうと脅迫したと虚偽の記事を書きました。その結果私は何百という苦情のメールや電話や世界中から私や私のスタッフに対して脅迫状を受け取ることになりました。

アクメッド議員が実際に一万人のイスラム教徒を動員して大騒ぎしてやると脅迫したかどうかは別として、ワイルダース氏の存在が公共秩序を乱す可能性があるとか、過激派による嫌悪や暴力を誘発する恐れがあるなどと言うことこそ、これまでのイスラム教徒の行動から考えて脅迫と取られても文句はいえない。ワイルダース氏はテロリストでもなければイギリス敵国のリーダーでもない。自分たちと考えが違うという理由でこのような人の訪問や映画上映を阻止するのであれば、英国には言論の自由などないと判断されても仕方ないだろう。
そして英国は暴力を恐れて少数派のイスラム教のいいなりになろうというのである。かつて帝国としてそ名を世界におののかせた偉大なるブリテンはいったいどこへいったのだ?
しかし言ってみれば内政省の判断こそ、ワイルダース氏の映画フィトナのメッセージを裏付けるものになっていると、イギリスの評論家チャールス・ムーア(Charles Moore)は書いている

(内政省のスミス長官が言ってるのは)「イスラム教徒を怒らせると暴力が起きますよ」という意味だ。ということはスミス女史の関連づけこそ、それ自体イスラム教徒を侮辱するものだ。彼女はキリスト教徒やユダヤ教徒、及び農民や社会主義社や菜食主義者を怒らせることについて同じことを言うだろうか?もちろんそんなことはない。イスラム教徒だけが彼女を怖がらせるのである。つまり彼女はガート・ワイルダースが言っていることとほぼ同じことを言っているのだ。

ところでスミス女史が必死にまもろうとしている『地域の調和』だが、アメリカにも地域の調和を強調するムザーミ・ハッサン(Muzzammil Hassan)なる「穏健派イスラム教徒」がいる。彼は有線放送で好意的なイスラム教徒像を描く番組つくりに力を入れていたが、ワイルダース氏がオランダに強制送還を食ったその日、ハッサンは離婚申請をしていた妻の首を切り取った罪で逮捕された。
ロジャー曰く、「イスラム教徒ってどうしてこう他人の首を身体から切り離すことを好むんだろうね?」


Comment

手放しで喜ぶな!ヒラリー国務長官の東洋訪問、消去法で選ばれた日本

ヒラリー・クリントン国務長官の最初の訪問国が日本になったことで、今後アメリカは日本並びに東洋を重視する政策なのではないか、と外務省は喜んでいるようだが、実は真相はそんな単純なことではないと、産經新聞の古森義久さんは警告する。先ずは読売新聞の記事から。(強調はカカシ)

日本が最初の訪問国…クリントン国務長官、16日来日

 クリントン米国務長官が16日に来日する。クリントン氏の外国訪問は就任後初めてで、新任の国務長官が最初の訪問国に日本を選ぶ初のケースともなる。
 17日に行われる麻生首相、中曽根外相、浜田防衛相との会談では、日米同盟の重要性を再確認するとともに、北朝鮮問題などアジア情勢を中心に、国際社会の懸案について幅広く協議する見通しだ。(中略)
 日本政府は最初の訪問国が日本となったことを「日米同盟重視を示す象徴的意味がある」(外務省幹部)と歓迎している。
  …クリントン氏は滞在中、小沢民主党代表、北朝鮮による拉致被害者の家族とも会談する。(2009年2月15日00時53分 読売新聞)

外務省の歓迎ぶりとは裏腹に、古森さんによると、オバマ大統領は中東や南米にはすでに別の代表を送り込んでいるため、クリントン国務長官の行ける場所は北東アジアのみとなったのだと説明する。

オバマ大統領は外交の出発点でジョージ・ミッチェル元上院議員を中東担当特使に、リチャード・ホルブルック元国連大使をアフガニスタンやパキスタンのイスラム過激派がらみの西南アジア担当特使に任命した。いずれも国務長官の管轄下におかれるとはいえ、大統領と直接、協議する権限も与えられた。

中東、イスラム、対テロと、米国政府にとってみな切迫した主要課題を国務長官とは別個の特使が扱うのだ。だからクリントン国務長官とすれば、中東には直接に関与できず、アフガニスタンやパキスタン、インドにもすぐに手を出すこともできなくなった。
しかも欧州は6日からのミュンヘン安全保障会議に米国代表としてはバイデン副大統領が参加し、短期にせよ、欧州やロシアの担当の形になっていた。
そうなると、クリントン長官に残された地域は中南米と北東アジアだけとなった。だが中南米は国によっては激しい反米感情があり、国務長官の来訪でどう爆発するかわからない。
となると、残された訪問地域は北東アジアしかないことになってくる。…「クリントン長官がアジアを最初の訪問の対象に選んだのは『消去法』の結果だといえる。

もともとカカシはオバマ政権にとって外交政策が真っ向から対立しているヒラリー・クリントンを国務長官としたことには問題があると考えていた。これは別にヒラリーに国務長官としての技量がないという意味ではなく、ヒラリーとオバマとでは考え方が違いすぎるからで、国務長官は大統領の意志を代弁する立場である以上、あまりにも意見の対立する人間を起用するのは賢いやり方とは言えないという意味だ。
しかし、オバマはこの問題を解決するために、ヒラリーを無難な国々に送り込んで、『大切な国々』は自分の信用出来る配下を送り込むことにしたらしい。
正直な話、オバマの各部署への人選はお粗末としかいいようがない。ホルブルックはまだしもミッチェルなど中東の専門家ではないし、これ以前にもオバマはイラク大使選考の際に一端は大使の座をイラク問題では信用の厚いアンソニー・C・ズニーニ将軍(Gen. Anthony C. Zinni)に依頼しておきながら、後で軍人ばかりで大使の座を埋めるのはよくないと考えを変え、本人に何の断りもなく数日後ベテラン外交官のクリストファー・R・ヒル(Christopher R. Hill)をイラク大使に任命してしまった。ズニーニ将軍は任命に変更のあいさつも受け取らなかったと、そのあまりの失礼さに怒って公に抗議するという一幕があったばかりだ。オバマの人選は候補者のスキャンダル続きで候補を辞任する人が多いなか、ズニーニ将軍には脱税や他のスキャンダルが全くなかったので、オバマ政権には適さなかったのだろう。
ヨーロッパにバイデン副大統領を送り込むのもどうかと思う。バイデンは口を開けば馬鹿なことばかり言って、ほんの数週間で何回オバマに恥をかかせたかわからない。そういうノータリンにロシアの行動が気になるこの時期にヨーロッパを任せていいのかねえ、、
というわけなので、東洋諸国としてはヒラリーに来てもらってありがたいかもしれないが、そう手放しで喜んでもいられないということらしい。


Comment

何が経済活性だ! 民主党だけで通したオバマの無駄遣い八千億ドル社会主義法案

アメリカの議会では去年の暮れあたりからアメリカ及び全世界を襲っている経済危機からアメリカを救うべく経済活性案なる予算案がオバマ大統領によって提案され、その審議が行われていた。法案は下院では共和党議員全員の反対を押し切って民主党のみで通過し、上院でも三人ほど裏切り者が出たが以外は共和党の支持はほとんどえられないまま、60-38票で通過した

【2月14日 AFP】米上院は13日、総額7870億ドル(約72兆円)規模の景気対策法案を賛成60、反対38で可決した。バラク・オバマ(Barack Obama)大統領は同法案を、「不況に陥った米経済を救済する取り組みの始まり」と位置づけている。

オバマの『活性案』にはACORNを始め、オバマや民主党議員たちが個人的に気に入っている企業や団体などへの基金や、議員達の代表区へのインフラ援助や、経済には何の関係もない芸術、教育、福祉といったルーズベルトのニューディールさながらの社会主義的なプログラムへの予算が含まれており、経済活性案というより、社会主義活性案と言った方がいいような議案になっている。こういう贅肉だらけの無駄使いのことを米語では『ポーク』と呼んでいるが、これが実現されれば、アメリカは経済危機から抜け出るどころか、さらに多額の負債を抱えることになりインフレが上がり大変なことになると専門家たちの間でも批判が出ている。
ここ数日、オバマ大統領は記者会見を開いてみたり、地方都市に出かけて行っては、この『活性案』を今すぐ通すことがどれだけ大事かという演説をぶっていたが、その内容が広くしられるにつれ、国民からの支持は減っていた。民主党が多数議席を握る議会では、共和党の票などなくても法案を通すことは可能なので、オバマ大統領は何も国民にこの法案の必要性を訴える必要はない。だが、オバマは選挙前に、自分はブッシュ大統領とは違って党を超えた両党政策を取ると言い張っていた手前、多少なりとも共和党の支持を得たかった。(第一失敗した場合、民主党だけで責任取りたくないもんね〜。)それで共和党の代表区へ出かけて行っては、市民に代表議員に働きかけて議案が通るように呼びかけてほしいと訴えたわけだ。
そんな共和党地区イリノイ州において、先日オバマ大統領は経営が傾き経済救済の対象となっているカタピラー社の社員らを含む有権者たちを前に法案の必要性を訴えた。オバマは、この活性案が通ればカタピラー社は一時解雇になっている2200人を再雇用する計画があると語った。(カタピラーの社長はそんな約束をした覚えはないと否定している。)
大統領自らが有権者に地区代表議員のアーロン・ショック(共和)下院議員(Rep. Aaron Schock)に法案の通過を訴えるよう呼びかけたが、それについてショック議員は議会において次のように語った

大統領の演説の後私は居残りましたが、興味深いことにカタピラー社の誰一人として私に近づき法案に投票しろと言うひとは居ませんでした。それどころか、私はこの法案に反対票を入れろという電話やメールや手紙を、カタピラー社の社員だけで1400も受け取りました。

ショック議員はイリノイ代表を二年勤めたこともあるエイブラハム・リンカーン大統領の言葉を借りて「スカンクを殺したのは、その評判からだ。」と締めくくった。
残念ながらスカンクは殺されることなく、アメリカ全土にその悪臭を振りまくことになる。この先アメリカ人はかなり財布の紐を締めてかからなければならない。なにしろ政府が人々の財布をこじ開けて税金をふんだくろうというのだから。
ところで民主党議会の無駄使いが行き過ぎて破産状態になっているカリフォルニアでは、共和党の知事のシュワちゃんが一生懸命がんばった甲斐もなく、無駄使い予算を全く削らないまま、税金引き上げで帳尻を合わすことになった。怒ったシュワ知事は州公務員を毎週金曜日、給料なしで自宅待機させることにした。しかしシュワちゃんが一人でいくら頑張ってもカリフォルニアの民主党は腐敗しきっているし、弱小共和党は民主党からのおこぼれをせびるので精一杯。
南カリフォルニアはハリウッド近郊に済むカカシも気がついたことだが、最近になってこのあたりの市では、これまでは時間制限はあったが無料駐車が出来た道路脇がすべて有料駐車になっただけでなく、夕方6時以降や日曜日は無制限で無料だった地区も夜10時を過ぎないと無料にならず、日曜日も例外に入らなくなった。
今後は州民税やガソリン税や消費税がすべて上がるそうだ。カリフォルニアはそれでなくても企業への税金が高い。ハリウッドの映画会社ですら撮影を外注するくらいだ。大企業はこれまで以上にどんどん税金の低いラスベガスやテキサスやアリゾナに移転してしまうだろう。そうなれば残された州民の間での失業率がさらに増える。それに加えて税金の値上げだと?失業者からどうやって税金取るんだ、このアホ!
だから民主党に政治を任せちゃいけないってカカシはずっと言ってんだよ!


Comment

イランに鼻であしらわれたオバマのナイーブな直接外交

ブッシュ大統領の『ならずもの国家とは直接交渉はしない』という強行姿勢とは対照的にオバマ新大統領は選挙の時から、イランとは条件抜きでサシで交渉に及ぶと公約してきた。アルアラビアとのインタビューでも先日行われたオバマ大統領最初の記者会見においてもオバマはイランと交渉をするつもりだという柔軟な姿勢を見せた。下記はアルアラビアとのインタビューでの一部。

(オバマ)はイランの指導者たちの行動は「地域の平和と経済向上に貢献していない」と批判した。これには核兵器開発の疑惑やイスラエルへの脅迫、そして「過去におけるテロ軍団への援助」も含まれていた。

しかし、大切なのはイランと会話をする意志であるとし、双方の違いを表現した上で「発展の道につながる地点」を探すべきだとした。

ロシアを始めヨーロッパ諸国は、アメリカがイランとの交渉に積極的に参加してくれることは好ましいことであると語っているが、ヨーロッパ諸国はイランと利害関係があるためブッシュの強硬政策を煙たく思っていた。
しかし、イランのような独裁国にとってアメリカが友好的であるかどうかなどということは余り意味がない。彼らにとって意味があるのは、アメリカが強国か弱国かのどちらかということだけだ。イランの態度が全く変わっていないにも関わらず、イランに何の条件も付けずに、こちらから歩み寄りの姿勢を見せれば相手がどう解釈するか、これは火を見るより明かなはず。

テヘランのアザディ(自由)広場で、旗を翻している何万という群衆を前に、アクマディネジャドはバラク・オバマが月曜日に発表したイランとの「新しい窓口を探している」という供述について初めての応答をした。

「明らかなことは、(アメリカからの)変革は単なる戦略的なことではなく、根本的な変革でなければならない。イランが根本的な変革を歓迎するのは言うまでもない。」とアクマディネジャドは述べた。「イラン国家は交渉をする用意はあるが、それは公平な環境におけるお互い尊敬しあえるかたちでなければならない。」
交渉へのうなずきとは裏腹に、国営テレビでのメッセージは容赦ないものだった。IRIBチャネルで夕方のニュースでは、テヘランはじめイラン全土各都市で行われたデモ行進の様子が25分間にわたって放映されたが、どの市においても人々が「アメリカに死を」を叫ぶ声に焦点があてられていた。

オバマは条件抜きでサシで面と向かって交渉しようと提案しているのに、イラン側は交渉するにあたっては「公平な環境におけるお互い尊敬しあえるかたち」を条件としてつけてきたのである。彼らのいう「お互い尊敬しあえるかたち」がどんなものか察しがつくというもの。
アメリカはブッシュ時代に、イランが核兵器開発を諦めない限り、イランとの交渉など無意味だという強行姿勢をみせてきた。もしイランがアメリカに交渉を求めるのであれば、イランのほうがその姿勢をあらため、アメリカにひざまずいて交渉を嘆願するのが筋だった。イランが強気に出て核兵器開発を続行すれば、アメリカからの攻撃も覚悟しなければならないとイラン政権はかなり恐れおののいていたはずである。
それが、オバマ政権になったら、イランの姿勢は変わってないのにオバマ政権は無条件で交渉を求めると言って来た。これが弱さでなくて何だ?この間の衛星打ち上げにしてもそうだが、イランはオバマの器量を試している。オバマはそこでイランの衛星打ち上げにとことん抗議するどころか、イランと交渉をする意志を変えていない。こんな弱腰の大統領ならイランは自国の核政策を変更する必要は全くない。こんな弱腰大統領がイランに攻め入ってくるなんてことはありえないと踏まれたのである。
つまり、オバマは完全にイランに鼻であしらわれたのである!
これは、アメリカにとって大統領が情けないというだけでは済まされない。イランの核兵器開発だけでなく、過去どころかイラク戦争の間も、現在はイスラエル攻撃に際しても、イランのテロリスト軍団への援助は続行している。オバマはそれに関しても全く批判の声を述べていないのだ。これではイランは核兵器開発もテロ支援もアメリカからは何の邪魔も入らないと判断するのは当たり前のことだ。となればもともとイランと仲良くしているロシアや中国が対米政策に強気になるのはもとより、同盟国であるはずのヨーロッパや日本もイランとの裏取引を始め、今後イランの勢力を弱めることがさらに難しくなることだろう。


Comment

プーチン、オバマに一発かます

今回はキルギスタン(Kyrgyzstan)という元ソ連圏にあった「スタン諸国」のひとつについてお話したいと思う。ミスター苺が詳しく説明してくれてるので、それを元に紹介しよう。この先はミスター苺口調でいくのであしからず。
尻の青い政治家が大統領などになって「世界の市民」とかナイーブなことを言っていい気になっていると、アメリカは海千山千の諸外国にいいようにおもちゃにされる。外交官として何の経験もないオバマは何が起きたのかさっぱりわからず狐につままれたような顔できょとんとしている。だから言っただろうが、こんな青二才を大統領にしたらアメリカは大変なことになるって。

キルギスタン(Kyrgyzstan:キルギスタンの大統領は火曜日、アフガニスタン軍事作戦の援助に使われて来た 米国の空軍基地の使用を終了させる と発表した。

え — ? 何だって?  どっからそういう話が出てくる訳?

インターファックスとRIAーノヴォスティ(Interfax and RIA-Novosti )によると、この声明はKurmanbek Bakiyev(キルギスタン大統領)によって、ロシアがこの元ソ連圏の貧乏な国に何億ドルという資金援助をすると発表した数分後に出された。

その金額というのは、キルギスタンに先ず直接一億5千万ドル($150 million)の支援金が払われ、それプラス20億ドルの借款を保証するというもの。これに比べたらアメリカが毎年支援金として払って来た1.5億ドル (基地使用料の6千3百万を含む)なんて雀の涙みたいなもんだ。
ソビエト連邦ロシアがキルギスタンに資金援助をすることと、キルギスタンがアメリカを基地から追い出すのとどういう関係があるのかというと、

キルギスタンの、中央アジア国の首都ビシケク(Bishkek)外側に位置するマナス(Manas)基地の米軍による使用を終わらせるという決断は、米国とNATO(北大西洋同盟)のアフガニスタンにおける軍事行動に大きな影響を及ぼす恐れがある。アフガニスタン・イラク米軍司令官のデイビッド・ペトラエウス将軍は、先月中央アジアを訪れた際、マナス空軍基地はここ数ヶ月のうちにアフガニスタンに3万ほど兵力を増派するために鍵となる場所であると語った。…..

米国は2001年9月のテロ攻撃の後、アフガニスタン作戦の後方援助のためキルギスタンのマナスとその隣国のウズベクスタンに空軍基地を設置した….
ロシアは自国の戦略上の裏庭と考える地域に米国の存在があることをずっとうさんくさく感じていた。

The 'Stans

スタン諸国


キルギスタンは中国の左隣(政治的にではなく地理的に左)にある小さな緑色の国で、キルギスタンにつきささってるような小さな緑色の国がウズベクスタンだ。そのすぐ下にある二つの国はタークマニスタン(薄緑)とタジキスタン(紫)。そしてもちろんアフガニスタン(茶) 言うまでもないがロシアは地図の頭部にあるだだっぴろいオレンジ色の国。
ではここでどういう課程でこういうことになったのかおさらいしてみよう。
2001: 911同時多発テロ発生。ジョージ・W・ブッシュ大統領がどう説得したのか、孤立主義で悪名高いキルギスタンとウズベクスタンというふたつの国に、このイスラム圏で元ソ連衛星国家だったふたつの国に、アフガニスタンにおけるアルカイダとタリバンの独裁を破壊すべく、『永続する自由作戦』(Operation Enduring Freedom)において空爆援助に必要な空軍基地設立を承諾させてしまった。
2005: ウズベクスタンにおいてイスラム過激派のテロリスト容疑者の裁判が行われた。人に依ては彼は単なるビジネスマンで政府にぬれぎぬを着せられたと言う人もあるが、誰と話すかによってこれは異なる。ともかく、この裁判に怒った地元市民がAndijan市で暴動をおこした。ウズベクスタン政府はイスラム過激派を鎮圧するという口実でしょっちゅう自国民を弾圧してきていた。武装した群衆は容疑者の収容されていた留置場を攻撃し、容疑者を解放し、建物に放火し政府役人を人質にとった。これに対応してウズベク軍は群衆に発砲し400人から5000人の市民が殺された。ウズベク政府は殺したのは187人だと主張しているが。
このウズベクスタン政府の強行な手段を西側諸国はこぞって糾弾した。しかしブッシュ政権だけは、もっと公平な調査をすべきだと主張した。 そもそも事件の発端は武装した群衆による攻撃だったわけで、政府役人が人質にとられたり政府の建物が放火されたりしているのである。この際、イスラムテロリストを含む多くの犯罪者が解放されてしまった。政府の対応が行き過ぎだったとしても、一方的な糾弾は早計だという理屈からである。
ところがここで、おせっかいにも元共和党大統領候補ジョン・マケインを含む穏健派共和党上院議員4人と現副大統領のジョー・バイドンを含む二人の超リベラル民主党議員が、ブッシュ政権に対してウズベクスタンに半永久的に米空軍基地を設けるというウズベクスタンとの交渉は即打ち切るべきだと声明文を出した。 これに怒ったウズベクスタン政府は米軍を自国から追い出してしまった。おかげでアフガニスタンへの後方援助のできる米軍空軍基地はキルギスタンのみとなったのである。

議員たちはブッシュ政権にウズベクスタンに常時基地を設立することを考え直すように陳誠し、また合衆国はウズベクスタンとの関係を変更する柔軟性をもたせるために、キルギスタンのような別の隣国に基地を建てることを考えるべきだと主張した。

「戦略的に重要な地域において、政府との関係を断ち切るかどうかが難しい質問であることは理解できます。」「しかしながら、Andijanでの惨殺の結果、アメリカはウズベクスタンとの関係を変更しないわけにはいかないのです。」

2005: この間、三月におきた「チューリップ革命」にも関わらず、キルギスタンはジョージ・W・ブッシュが大統領である限り、米国に空軍基地の使用を許可した。
2005-2008: 2008年まで大統領をつとめその後は首相となったプーチン(Vladimir Putin)は急激に西側諸国に攻撃的な姿勢をとるようになっていった。イランのムラー達やアクマディネジャド大統領と親密な交際をはじめ、カスピアン海の自然ガスや原油のパイプライン独占権を強化する方針をとるようになった。 偶然だがカスピアン海といえばスタン諸国に一番近い海であり、バク→ティビリシ→セイハンのパイプライン(Baku-Tbilisi-Ceyhan pipeline)はキャスピアン海から始まって、アザバジャンとグルジアそしてトルコを通って地中海にそそぐ。バク→サプサ、バク→ノボロシスク(Baku-Novorossiysk)原油パイプラインも、いま提案されているトランスキャスピアン自然ガスパイプラインも同様だ。この自然ガスはキャスピアン海からタークメニスタンの地下から掘られることになり、スタン国としてロシアの影響をうけずに独立した発掘ができるはずのものである。

Hydrocarbon pipelines originating at the Caspian Sea

キャスピアン海から始まるパイプライン


これはすべて地理的な基礎知識、少なくともそうあるべき知識だ。ブッシュはきちんと理解していた。ヒラリー・クリントン国務長官も理解しているし、その陰でヒラリーを操ってるビルも理解している。議会の議員たちの多くですらも、ちょっと頭のいい連中なら、このくらいの知識はあるだろう。
2009: しかしバラク・H・オバマ新大統領にはこんな知識に時間を浪費している暇はない。ロシアによる資金援助がマナス空軍基地からアメリカ軍を追い出すことにつながるかもしれないなんてことは寝耳に水だったようで、この話を聞いてオバマは大ショックを受けている。もちろんこれによってアフガニスタンに駐留するアメリカ陸軍は戦略に必要不可欠な空からの援助がうけられなくなり孤立してしまうという影響もあるわけだが。
俺(ミスター苺)はブラジミール・プーチンはソ連がアフガニスタンを失ったことを未だに根にもっていると考える。プーチンはプーチンが夢見る新しいロシア帝国に旧ソ連配下にあったウクレーン、グルジア、ポーランド、旧チェコスロバキア、ユーゴスラビアなどと供にスタン諸国もロシアの配下に取り入れようとしているのだ。アフガニスタンはその自然な一部と考えらえられるだろう。まずいことにアフガニスタンのハミッド・カルザイ大統領はブッシュの時のようにアメリカ政権との関係に安心感をもっていないらしい。 上記にリンクしたAPの記事より。

アフガニスタンのハミッド・カルザイ大統領はこの数週間ロシアへの接近を強めている。大統領事務所は両国の間で交わされた手紙を公表し、ロシアはアフガニスタンの防衛に協力する用意があることを発表した。

この数週間」というのはどうやら「11月4日から」つまり、オバマが次期大統領になると決まった日から今日までの13週間を意味するようだ。

デイビッド・ペトラエウス将軍は、先月中央アジアを訪れた際、マナス空軍基地はアフガニスタンに米軍を増派するために鍵となる場所であると語った。将軍はまた合衆国はキルギスタンにマナスの使用料6千3百万を含む1臆5千万ドルを毎年つぎ込んでいると語った。

ロシアは火曜日、キルギスタンに20億ドルの借款に加えて1億5千万ドルの資金援助をすることに合意した。

…そしてキルギスタンはその直後、、ほんの数分後、、アメリカを追い出すと発表したのである。ペトラエウス将軍もペンタゴンのジェッフ・モレル報道官もキルギスタンのこの行為はアメリカからもっと金をせびり取ろうという、ただのゆすりくらいにしか思っていないようだ。

(アフガニスタンのトップ米軍報道官)グレッグ・ジュリアン大佐は、キルギスタンがマナス米軍基地へのアクセスを閉鎖するという脅しは「政治的位置づけ」にすぎないと語った。アフガニスタンとイラクの戦闘を監督するデイビッド・ペトラエウス将軍は、先月キルギスタンの高官と会見し、「すべて順調であるという印象をもって帰って来た」と大佐は語った。

「我々には契約があります。彼らは我々が居ることで何百万ドルというお金儲けをしているのです。基地を閉鎖する予定は当面全くありません。」と大佐はアソシエートプレスに語った。

契約があるからなんだというのだ?ロシアが約束している金額は、我が国の議会が承認し国民が納得できる金額なんかとは桁がちがうんだぞ。キルギスタンがお前ら出てけ、とやったら我が国はどうするのだ?国際法廷にでも訴えるのか? そんなことをすれば他のスタン諸国と供に余計にキルギスタンをロシアの胸元に追い込むことになるだろう。 これはアフガニスタンも含めてだ。カルザイがプーチンと何かと接近してることでもわかるよういにね。
まったくミスター苺はうれしいよ!オバマがブッシュの古くさい政策を廃棄して、イランやアルカイダに敬意を表する政策に変更してくれてさ。 これはブッシュ大統領が『アメリカはイスラム教と戦争をしているのではない、イスラムは「平和な宗教」だ』と何百回と繰り返してきたのとは大違いだもんな。
俺たちは過去8年にわたって 世界のいじめっこだったらしいけど、オバマがそれを止めてシリア、パキスタン、ロシア、そして北朝鮮や中国とも協力しようってのにはうれしくて涙がでるよ。
オバマはブッシュみたいに40国の有志軍を募ってひとりで行くようなことはしないもんな。そのかわりオバマは条約とか安全保障契約に署名してくれるんだ。オバマは過激派イスラム戦闘員や再台頭する共産主義国家と契約書を交わしさえすれば平和が保てると保証してくれてるもんな。なにしろブッシュ政権で抜けてたのは直接外交だけだったんだからね。
俺は一生のうちで何一つ采配をふるったことがない経験不足の大統領が、戦争とか、軍隊とか、殺しなんていう古いしきたりに頭が固まってないってことをすばらしいと考えるべきなのかもしれない。自国の利権を優先させてばかりいる経験豊かな年寄りの政治家なんかよりオバマが見せた「勇気」に陶酔すべきなのかもしれない。俺はこの希望の変革や国際主義や先見者や崇高な 世界の利権優先を心配する替わりに、奇跡を信じるべきなのかもしれない。
多くの保守派共和党支持者らは俺たちが『投票にはいかなきゃいけない』と言った忠告を無視した。俺たちの、『国の安全を守るためには、オバマは大統領になってはいけない、鼻をつまんでもマケインを大統領にしなければならない。これは我が国の存続に関わることなのだ』という警告に耳を貸さなかった。保守派は前回の選挙はどちらの候補者も理想ではなかった、それでもまだましな候補であるジョン・S・マケインに投票すべきだったのだ。
ま、今更だけどね、 だから言ったじゃねえかよ〜


View comments (2)

ケンタッキーの大雪被害、一週間以上経ってやっと非常被災地指定に

アメリカ中南部を襲った大寒波で、オバマ政権による救済活動が大幅に遅れているという話はこの間もしたが、27人の死亡者を出したケンタッキー州では(ほとんどが危険な暖房による一酸化炭素中毒)、一週間以上たった今でもまだ停電がつづいており、飲み水もろくにない状態である。バシアー知事の嘆願をうけてオバマ大統領はやっと重たい腰をあげ、ケンタッキーを非常被災地域と指定した。それでやっと必要な物資配給が可能になったが、オバマのこの対策の怠慢さはハリケーンが上陸する前からルイジアナ州を非常被災地区に指定してFEMAや赤十字を待機させていたブッシュ大統領の敏速な対応とはえらい違いだ。
ところが困ったことに米連邦緊急事態管理局(FEMA)から配給された非常食品にサルモネラ菌がはいっている可能性が明らかになり、すでに被災地で配給されたピーナッツバターを廃棄するようにと呼びかけが会ったりして、救済活動がさらに複雑になってしまった。
ケンタッキーのバシアー知事は、被災地に配給された非常食品は安全だと、自分でピーナッツバターを食べたりして州民を安心させようとしているが、救済の遅れている州でこんな問題はまさに泣きっ面に蜂である。
それにしても、これだけの被害が出ているにも関わらず、アメリカのメディアはオバマの無対策に何の批判もしないどころか、被災についてほとんどと言っていいほど報道がされていない。リンクしたニューヨークタイムスの記事も2月6日付けのA18面にちらっと載っただけで、関連記事の報道はこれが初めて。ほぼ毎日第一面で報道されたカトリーナの時とは取り扱いに雲泥の差がある。
メディアの関心が薄いもうひとつの理由に、被災地が中南部の共和党支持の州だからではないかとシニカルなミスター苺は言う。エリートメディアは田舎の保守派州がどんな天災を受けようと興味がないのだと言う。カカシはメディアが単にオバマの無能ぶりを隠そうとしているだけだと思うが、何にしても困ったことである。


View comments (2)

マサチューセッツの同性結婚を導いた夫婦が離婚

マサチューセッツ州で同性結婚の合法化運動を先導したレズビアンカップルが今月三日(2/3/09)離婚を申請したことがあきらかになった。
離婚を申請したのはジュリー・グッドリッジとその夫人のヒラリー。(どっちがどっちとも言えないが、、)ジュリーとヒラリーは2004年にマサチューセッツで結婚の合法化を巡って訴訟を起こした7組の一組だった。もっともこの二人は2006年にすでに別居を発表しており、離婚は時間の問題だったらしい。訴訟まで起こして結婚させてもらったのに、たった二年で別居、5年もしないで離婚。馬鹿馬鹿しいったらないね。
2006年にもマサチューセッツで合法に結婚した同性カップルがロードアイランド州で離婚届けを出すという事件があった。ロードアイランドでは同性結婚は認めていないので、認めていない結婚の離婚を認めることが出来るのかどうか問題となった。
で、結局離婚は認められたのかというと、2008年7月のロサンゼルスタイムスにこんな記事がある。
2004年の5月、カサンドラ・オーミストン(Cassandra Ormiston)と長年の伴侶マーガレット・チェンバーズ(Margaret Chambers)は同性結婚が合法化されたばかりのマサチューセッツ州で結婚した。
しかし2年後、10年来の付き合いは何故か破局を迎え、二人は居住していたロードアイランド州で離婚を申請した。しかし、家庭裁判所の裁判官は前例のない同性結婚の離婚について、ロードアイランド州の最高裁に自分に離婚を許可する権限があるのか意見を求めた。ロードアイランド州最高裁は、州が同性結婚を認めていない以上離婚も認められないと判決を下した。
チェンバーズ夫妻はその後ロードアイランド最高裁に直接離婚届を申し出たが、2008年6月、最高裁からも離婚は認められないという採決が出た。なぜ二人が結婚したマサチューセッツ州で離婚届けを出さないのかというと、マサチューセッツでは一年以上居住している州住民のにみ離婚が認められるからだそうだ。
離婚を認められなかったカサンドラのいい分がおかしい。

「彼らは永遠に結婚している他に選択の余地を与えてくれないのです。」とオーミストン、「彼らの最悪の悪夢です。」

同性結婚を認めない州が同性夫婦に一生結婚していることを強制するというのは皮肉だとカサンドラは言いたいのだろう。しかし、ずっと一緒にいるのが嫌なら最初から無理して結婚などしなければよかったのではないか。
アメリカは連邦制度を敷いているから法律も各州でかなり異なる。しかし結婚だけは特別で、異性同士のカップルの場合はネバダ州のラスベガスでエルビスもの真似牧師を前に即席結婚しても、テキサス州でもアーカンサス州でもその結婚は認められる。だから同性結婚も一州で合法化してしまうと、そこでの結婚を全国で認めなければならなくなる恐れがあった。そこで慌てた各州の州民はは、カリフォルニアも含め「結婚は一夫一婦の間でのみ認める」という憲法改正案をここ数年のうちに次々に通してしまった。州の憲法を改正するためには州民の2/3の同意を必要とする大事業なのだが、リベラルのカリフォルニアですらこの法案がしっかり通ってしまったところを見ると、アメリカ人の同性結婚への抵抗は相当なものだと言えるだろう。
ロサンゼルスタイムスの記事では、同性離婚は結婚よりもずっと複雑だとし、延々とその問題点を挙げているが、はっきり言ってカカシには興味がない。あれだけ大騒ぎして州民の意志を踏みにじって法廷により州民に無理強いしたマサチューセッツでの同性結婚は、合法化されて、まだ5年もたっていないのだ。もともと結婚などすべきでなかった人々が社会の祝福も受けずに一緒になっておいて、離婚が大変だなどといってみても全く同情の余地はない。
それにしても、ロサンゼルスタイムスは同性離婚の問題点を掲げることで何を言わんとしているのだろうか?「全国の結婚制度が違いすぎて離婚が大変なので、同性結婚が離婚しやすくなるように、全国で同性結婚を合法にすべき。」とでも言いたいのかな?
複雑な離婚が嫌なら安易に結婚などすべきでない。それだけのことだ。


Comment

オバマ大統領就任たった二週間で犯した失態の数々

カカシもこのブログで何度か取り上げた歴史学者のビクター・デイビス・ハンソン教授が、オバマの大統領就任二週間をふりかえって痛烈な批判をしている。
オバマの経済や外交対策の失態をみるにつけ「だから言ったじゃないの」と言いたくなるのはやまやまなのだがアメリカの国土安全を考えたら、そんなことをいってるばやいじゃないのである。オバマのせいでアメリカが危機にさらされて困るのはアメリカに済む我々なのだから!
では今回はこの二週間でオバマの経験不足が災いして、彼がどんなに悲劇的な失態を犯してしまったかを説明しよう。そして次回はこの危機を乗り切るためにオバマ新政権がなにをしなければならないのか、ハンソン教授の提案を紹介したいと思う。
第一:自分は道徳的に崇高であると宣言したこと。
もちろんオバマのグルーピーとなり下がったアメリカメディアもこの宣言にひれ伏してしまっているが、オバマのどこが道徳的に崇高なのだとハンソン教授は問いただす。オバマ最初の政治界への挑戦である下院議会への出馬は失敗に終わった。その後の当選は二度に渡ってライバル候補の離婚スキャンダルが選挙直前に何者かによって暴露され、二度ともライバル候補が辞退してしまったため、挑戦者なしでオバマが当選。人種差別牧師のジェラマイヤー・ライトや、左翼テロリストのビル・エヤーズなどとの付き合いを考えると、オバマは道徳なんて言葉を真顔で口に出来るような人間ではないはず。ハンソン教授は書いていないが、選挙違反で悪名高い左翼過激派団体のエーコン(民主党の経済救済法案のなかにエーコンへの援助金が含まれている)や上院議員の席を競りに出したイリノイ知事との深い関係なども考慮にいれると、オバマの道徳観念など、とても自慢できるものではない。
選挙前の公約で、ワシントンDCにはびこるロビーイスト(企業や団体に雇われて、特定の政策を政治家たちに陳誠する人たち)を一掃するとか言っておきながら、ロビーイストの代表みたいなトム・ダッシェル脱税家を始め、次々に10人以上もロビーイストたちを自分のスタッフに加えているオバマ王室。それに加えて各省の長官候補は脱税や汚職疑惑で次々に辞退。辞退していない候補でも疑惑の陰が深く陰っている。そんな奴が前代のブッシュ政権の道徳観念を批判し、自分は前代よりも善良だなどと言ってみても説得力皆無である。
第二:アメリカ歴代政権の悪口を言い、諸外国の反米偏見を確証してしまったこと。
無知というのは恐ろしいもので、経験もないくせに自分は聡明だと思い込んでいるオバマは、歴代政権の政策を外国でこき下ろすことで自分の株があがると思い込んでいる。外国にとってはオバマ政権もブッシュ政権もアメリカに変わりはない。アメリカの悪いイメージは大統領がブッシュでもオバマでも全くかわりはないのである。前政権の悪口はアメリカへの悪口と理解されるだけなのだ。しかも自国の歴史に疎いオバマ王はこれまでアメリカがトルコやレバノンやサウジといったイスラム諸国に数々の資金援助をし、コソボやボスニアそしてクエートを始めイラクやアフガニスタンの例でも解るように、時には戦争して自国兵の命を犠牲にしてまでイスラム庶民の命を救ってきたことを恩に着せるどころか、イスラム圏でアメリカが不人気なのは一方的にアメリカに責任があるとほとんど謝罪口調なのだ。イスラム諸国との交流を強調していたカーター時代にイランがアメリカ人をどう扱ったか、オバマにはもう一度歴史の勉強をやり直してほしいもんだ。
イスラム諸国では歴史を無視した「アメリカは悪」という先入観がすでに存在している。オバマが彼らの偏見を真実だと認めてしまった以上、いくら自分は歴代の大統領とは違うなどと言ってみても、すでに反米意識で凝り固まったイスラム諸国の人々はアメリカに好意を持つどころか、は「アメリカは悪」という自分らの主張が正しかったことが確認されたとし、それを糧にさらに反米攻撃に奮起することは間違いない。
第三:ブッシュの対テロ政策は憲法違反だったと宣言したこと。
ブッシュ大統領が911同時多発テロの後に新しく設立したFISAやグアンタナモテロリスト収容所や愛国法やイラク戦争や外国人テロリストのアメリカへの強制移動など、アメリカ本土を守るためにやってきた政策をすべて憲法違反だと宣言し、ブッシュが911以後アメリカ本土はもとより外国でもアメリカを標的にした攻撃を阻止し、アメリカの安全を守って来たことを完全に無視していることだ。オバマは他の公約を次から次に破っていることでもあり、これらアメリカを守って来たブッシュ政策はの変更は、単に選挙に勝つために憲法違反だと宣言しただけで実際に変更する気など全くないことを祈りたい。
第四:オバマの発案した経済活性法案は単に民主党の社会主義活性法案となり替わり、税金の無駄使い政策にすぎないこと。
オバマ及び民主党が発案した経済活性救済法案は、経済を活性するどころか、経済とは何の関係もない教育だの芸術だのエーコーンのような民主党の応援団のような政治団体への資金援助だの、民主党が長年夢精してきた社会主義政策に満ち満ちている。こんな予算案を承認したら、将来アメリカは取り戻せない巨額の負債を負うことになる。なんで経済低迷中に経済活性になんの役にもたたない政策の予算を増やすのだ?
オバマのエマヌエル参謀総長は「危機を無駄にしてはいけない。」と語ったという。これはどういう意味かといえば、国が危機に瀕している時こそ、「緊急事態だから、、」という言い訳で政府の力の増長に利用することを怠ってはいけないという意味である。第二次世界大戦中に国の危機を口実に時のルーズベルト大統領が極端に政府の権力を増幅したことをエマヌエル総長は念頭においているのだ。
第五:全く無能なロバート・ギブスを報道官として起用したこと。
ハンソン教授はオバマの報道官はどうしようもなく無能だと手厳しい。そのひどさんはクリントン大統領のマクレラン報道官よりもひどいかもしれないと語っている。カカシはマクレランはそれほどひどかったという記憶はないのだが、ハンソン教授に言わせるとギブスは裏表があり、あいまいで、オバマ政権の党を超えた方針とやらを全く反映していないという。オバマに友好的な記者団だからまだ救われているが、彼が共和党大統領の報道官だったら、もうとうの昔に八つ裂きにされていたことだろうという。
第六:副大統領のジョー・バイドンにやたらと演説をさせてしまったこと。
だいたいジョー・バイドンのように思いつきで訳の馬鹿げたことを語るので悪名たかい人間を副大統領になどしたことに問題があるわけだが、バイドン副大統領は予測どおり、副大統領になってもオバマに恥をかかせるような発言ばかり連続で放っている。すでに最高裁判官の宣誓式での間違いをおちょくり、前副大統領の悪口を声高く唱え、自分は国務庁長官の候補にも上がっていたのだなどとヒラリーを侮辱するような発言までしている。外交の面でも何の経験も実力もないバイドンが、ヒラリーの悪口をいえた義理か、あほ!などと今さら言っても無駄だろう。
オバマ連続失態のもたらしたもの
私は以前からオバマはアメリカの敵国から試されるだろうと指摘してきたが、すでに北朝鮮は長距離弾道ミサイルの発射を予定しているし、イランは人工衛星を打ち上げるし、ロシアはヨーロッパの弾道ミサイル防衛は終わったと宣言し、近隣のキルギスタン(Kyrgyzstan)国に多額の支援金を約束し、アメリカ空軍基地をキルギスタンから追い出そうという魂胆だし、自然ガスのヨーロッパへの販売についてもかなり強気の保護主義をみせている。アフガニスタンのカルザイ大統領もオバマ政権のことは全く信頼していないらしく、オバマが時期大統領となった去年の11月から宿敵ロシアと交渉をはじめたと言われている。
つまり、諸外国はオバマ政権の実力を全く信頼していないのだ。私は何度も強調してきたが、アメリカは諸外国に好かれる必要はないのである。それよりも強いアメリカとして諸外国に恐れられていたほうが、アメリカの安全を保つためには好ましいことなのだ。
オバマのおかげてアメリカは危険な敵国を含め諸外国から見下されてしまった。今後アメリカがこれ以上恥じをさらさないためにも、オバマは早急に政策を変更する必要がある。どのように変えるべきなのか、それは次回改めてお話しよう。


Comment