テキサスの高校、男子自認の女子生徒が男役から降ろされた事件、日本文化との違いを考える

アップデート:11月17日現在。この学校はあまりにも批判を浴びたため、女子生徒は主役に返り咲いた。Transgender student reinstated to role in Oklahoma the musical following uproar (msn.com)

11月11日

先日テキサス州の高校で、男子を自認する女子生徒が学校の演劇部で上演する「オクラホマ」の主役に選ばれたのもつかの間、最近出来たテキサスの条令で男子と女子の違いは生得的性で分けられるという規則に従って生得的女子である彼女は男役から降ろされるというニュースを読んだ。これはちょっとやり過ぎだろう。その規則はスポーツ競技やお手洗いや更衣室に関する規則であり、演劇部での配役にまで影響があるというのはおかしくないか?

実は私は随分前からアメリカの方が日本よりも男と女という性別のステレオタイプに拘りがあるように感じていた。特に同性愛について寛容であるようで、実はそうでもない。

この間も書いた通り私は高校時代に演劇部に所属していたが、うちの高校は女子の数が男子の数より圧倒的に多く、その比率は4:1だった。それでクラブ活動では男子はほとんどスポーツ競技に取られてしまい、演劇だの合唱だのといったクラブには男子が入ることは先ずなかった。しかし当時は宝塚が大人気の頃である。我々も宝塚のようなロマンチックなお芝居をしたいと思うと、どうしても女子が男役をやるしかない。それで声もひくく男っぽく見えた私は当然のことながら男役を演じる羽目になった。(別に嫌ではなかったが)日本には女子校や男子校が多いので、異性の役を演じることに違和感がない。だいたい歌舞伎や宝塚が日本の文化として受け入れられているのだから当然と言えば当然のことだろう。

ところが欧米社会にはこういう伝統がない。シェークスピアの時代には女性が舞台に立つのは破廉恥であるとして男性が女性役を演じていたが、それも次第に女優の登場で廃れていった。今やシェークスピアも女性役は女性が演じている。そして何故かそうなってしまうと異性を演じるのはオペラの少年役を女性歌手が演じる時以外はほぼタブーとなってしまった。何故なんだろう?

何十年も前のイギリスの映画で、主役の男性が恋に落ちた女性が実は男性だったという筋の話があった。私はその映画を観た時、この「女性」が最初にシルエットで登場した時から、この俳優は男だと解っていた。しかし非常に美しい人だったので女役を演じているのだろうと思っていた。そしたら映画の真ん中あたりで実は男性だったということが暴露され、主人公が大ショックを受けるというシーンが出て来た。私はこの役柄が女性だと思っていたので驚いたが、この俳優をずっと女優だと思い込んでみていた他の観客たちがハッと一斉に息をのむ声が聞こえ、彼等がいかに驚いたかが察せられた。後で一緒にいた男友達にその話をすると「いや、男が女役を演じるなんてあり得ないよ。僕はすごくびっくりした。てっきり女だと思っていた」と言われた。

アメリカでKPopが人気を博する以前は、日本のジャニーズのようなボーイバンドは「女々しくて気持ち悪い」と思われる傾向にあった。今ではあまりあからさまにそういう表現をする人はいないが、ちょっと前までは少しでもなよなよした男に向かって「ゲイ!」と言って蔑むのは結構普通だった。まだガラケイ電話が普通だった頃、私の同僚アメリカ人男性が日本人の恋人からもらった飾りを携帯に付けてもっていたら、他の同僚から「ゲイ!」といってからかわれていたくらいだ。

それでふと思ったのだが、もしかして今のアメリカのトランスジェンダリズムはこれらのステレオタイプに対する反動なのではないだろうか。男が女っぽかったり女が男っぽかったりすると何かおかしいという先入観が強すぎるから、ちょっとでもその枠に嵌らないと自分は異性なのではないかと思い込んでしまうのかも。いや、異性であると言い放てば自分の趣味を大っぴらにしてもゲイだのなんだのからかわれずに済むという考えなのかも。裏を返せばアメリカって今でも同性愛者に対する非常に根強い偏見を持っているという意味なのではないだろうか。最近同性愛者の間でトランスジェンダリズムほどホモフォビアの概念もないと言われるようになったのはそういうことなのかもしれない。

スポーツやトイレや更衣室で男女を分けるのは当然のことだが、演劇に関してはその役に一番合った人が演じればいい。トランスジェンダーだろうと何だろうと役柄として成立すればそれでいいのではないだろうか?


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キャンセルカルチャー推進者たちが突然言論の自由を言い出す偽善に騙されるな!

本日11月11日にはアメリカはVeterans Day、イギリスではArmistice Day といい第一次世界大戦の終結に連合軍とドイツとの間で休戦条約が結ばれた日を記念して戦没者追悼をする日である。この日は欧米の民主主義が独裁主義から守られた日であるといってもいい。そういう日にモスリムを中心に反ユダヤ人の抗議運動が計画されている イギリスの内務省長官はこのデモは禁止されるべきだと発言。でも主催者側は言論の自由をかかげて許可されるべきだと主張している。

先日ピアース・モーガンの番組でモーガンとダグラス・マレーがこれについて話していたが、マレーは言論の自由はすべての言論を許容するものではないとし、他人への暴力を扇動する行為は言論の自由では保証されていないと語った。世界各地(特に欧米)で起きているパレスチナ支持のデモ行進は薄く隠された反ユダヤ人運動である。いや薄くも隠されていない。彼等はあからさまに「川から海へ、パレスチナに自由を!」”From the river to the sea, Palestine will be free”と叫んでいる。この川とはヨルダン川のことであり海とは地中海だ。つまりこれはイスラエルの領土全般を指すのだ。彼等はあからさまにイスラエル国家殲滅を唄っているのである。

本日テレグラフに掲載されたコラムから読んでみよう。Yesterday’s cancel culture zealots are today masquerading as free speech warriors. Don’t fall for it (msn.com)著者はトム・スレーター。

私は夢を見ているのだろうか?覚醒した(WOKE)左派が突然、表現の自由を心配している。キャンセルカルチャーを神話と呼び、検閲の台頭を真珠を握り締めるような道徳的パニック(被害妄想)として退けて何年も過ごしてきた人たちが、いまや異論や抗議への締め付け、とりわけスエラ・ブレイバーマン(イギリス内務省長官)による明日の「親パレスチナ」休戦記念日の行進を禁止しようとする動きに憤慨している。

う~ん、DeepLの翻訳はなんかぎこちないなあ。イギリス人の話方は皮肉っぽい表現が多いから翻訳は難しい。要するに何かにつけて自分らが気に入らない発言をヘイトスピーチだと言って発言者のキャリアを奪うような攻撃をしておきながら、キャンセルカルチャーなんてものは存在しない、すべて保守派の被害妄想だ、フリースピーチはヘイトスピーチだとまで言っていた左翼連中が、ブレイバーマン内務省長官が休戦記念日のデモ行進はやめさせるべきだと言った途端、言論の自由弾圧だと文句を言い出したという意味だ。

極左翼活動家でガーディアンのコラムニスト及びテレビタレントでもあるオーウェン・ジョーンズは行進を禁止するのは「意図的なヒステリックな運動だ」と批判している。オーウェンは普段は左翼が言論の自由を脅かす危険な権威主義者だと言ってる人たちが、平和的なデモ行進を自分らが気に入らないからといって禁止せよといっていると語った。

ノヴァラメディアのアシュ・サーカーは「なぜイスラエル支持者は違う意見にこうも不寛容なんだろう」とツイートしている。

最近政府が支援金を出している研究革新省(UK Research and Innovation)でEDI(平等・多様性・包括性)のアドバイザーとして任命された二人がハマスを支持するような発言をしたとして政府から警告の手紙が出されEDIグループが解散したことについて、大学の組合UCUのジョー・グレイディー組合長は「言論の自由と学問の自由に対し恐ろしい影響」を及ぼすと科学省長官に手紙を書いている。

これまで言論の自由を鼻で笑っていた連中が、自分らが好き勝手な暴言を言えなくなると、突然言論の自由が大切だと言い出したわけである。

これまで散々他人の言論の自由を踏みにじってきたオーウェン・ジョーンズは昨晩、自分らは真の言論の自由の熱意を持っていると述べ、左派に対して「実際の言論の自由」を求めるキャンペーンを展開するよう呼びかけた。UCUはこのビデオの一部をソーシャルメディアに掲載したが、大量の批判コメントが殺到したため削除した。

このビデオが炎上したのも当たり前だ。これまで大学組合は左翼以外の違う意見を全く受け入れてこなかった。散々違う意見をヘイトだなんだと悪者扱いしておいて、大学構内における言論弾圧の批判に対しては、大学ではそのような問題は生じていないとすっとぼけてきたのである。

2020年、ジョーンズはサーカー組合長に関する批判をツイートしたオックスフォードの従業員を首にしようとした。UCUはイスラエル支持学者や教授をブラックリストに載せるBDS運動に支援金を出していた。またトランスジェンダー概念に批判的な教授らへの攻撃もすさまじく、サセックス大学のキャサリーン・ストック教授は.何か月にもわたる嫌がらせに耐え切れず辞任に追い込まれた。

抗議運動をする権利に関しても、左翼連中はコロナ禍でロックダウンに反対する人たちの運動が制限された時に何も言わなかった。政府による市民の行動の制限という歴史始まって以来の弾圧への抵抗は左翼にとっては支持する価値はなかったらしい。それでいて「川から海へ」というイスラエル殲滅を唄いながらテロリスト集団のハマスの旗を振りながら行進する運動は自由の戦士として尊敬されるべきだというのである。

しかし、スレーターはジョーンズらの行動が一貫していないというのは正しくないと言う。いやむしろ非常に一貫している。「二重基準」という点において。彼等の言う言論の自由とは自分らに賛成する言論なのであり、反対意見には言論の自由などないという姿勢は一貫しているというわけだ。

スレーターはハマス支持者の言論もまもられるべきだという考えで、悪いスピーチに対抗するのは良いスピーチだという。パレスチナ支持者の本音を暴露し、それに対抗していくことこそ真の言論の自由を守るということになるというのである。

しかし、表現の自由に関するトーリー党の二重基準は、覚醒した左翼の偽善に比べれば屁でもない。彼らは言論の自由を信じていない。彼らは言論の自由を信じている。そして我々は、彼らがそうでないふりをするのを許してはならない。

私はハマス支持の行進は禁止されるべきだと言う内務省長官の意見に賛成だ。まずArmitice dayはイギリスの戦没者を追悼する日であり、イギリス国家への尊敬心を表わす日である。パレスチナ支持なら別の日にやればいいのであって、なぜこのような神聖な日にやらなければならないのか。これはイギリスという国家を侮辱する行為だ。それにダグラス・マレーも言っているように、他民族の絶滅を唱えテロリストを讃える運動は言論の自由で守られていない。このような脅迫運動が正当なものであるという扱いをされれば、ユダヤ人差別をイギリス政府が認めているということになってしまう。そんなことを許したら、今後ソーシャルメディアでも「ユダヤ人を殺しに行こう」「ユダヤ人経営のビジネスを破壊しよう」などという発言が横行し、ユダヤ系市民の身が危険にさらされることになる。

イスラエルから拉致された人質の写真ポスターを剥がしている人たちだが、最近Twitterではこうした人の顔を晒すアカウントがある。最近の顔面認証アプリが性能が良く、自分顔をネットで掲載したことのある人はすぐに誰なのか特定されてしまう。私は一度主人の同窓会に同席して団体写真に加わったことがあったが、その写真が私のフェイスブックのタイムラインに上がってきたときは驚いた。

というわけでポスターを破ったり、自分のソーシャルメディアでハマス支持をしたりユダヤ人差別をしたりしている人たちが次々に解雇されている。私はこれらの人びとに同情は微塵も感じない。今までちょっとしたことで人種差別者の汚名を着せられてキャンセルされたひとたちのことを思えば、実際にテロ支持をしている人たちがキャンセルされるなど当然である。ダグラス・マレーやディサンティス知事が言っているように、これらの人びとが移民であるなら、さっさと本国へ強制送還すべきだ。帰化人であれば国籍も剥奪すべきだ。何故ならアメリカ国民になる条件としてアメリカ政府を覆すような団体を支持していないことが含まれているからで、テロリストを支持するということは、その条件を満たしていないからである。


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イスラエルは植民地政策やアパルトヘイトを実施している国際法に違反するならず者国家、という神話

元々イスラエルに憎悪を持っている人たちは別として、欧米諸国や日本ではイスラエルに関して誤った見解を持っている人が多いのは仕方ないことだと思う。しかしここ数週間Twitter(X)を読んでいて日本人でもこの問題に非常に詳しい人が結構いること、しかも専門家と言われる東大の大先生方なんかよりもずっと博学で洞察力のある人たちが多くいることを知って非常に感動している。そのなかのおひとりミルトスさんのノート(「パレスチナ問題」を考える際に押さえておきたいポイント|ミルトス (note.com)「パレスチナ問題」を考える際に押さえておきたいポイント|ミルトス (note.com))を紹介したい。彼のプロファイルは下記の通り。

東京都足立区にある出版社ミルトスです。イスラエル、ユダヤ、中東、聖書、ヘブライ語などに関連する書籍を出版しています。https://myrtos.co.jp/

先ずノートの目次を見てみよう。

  1. パレスチナ難民問題の背景
  2. 過疎地パレスチナ
  3. 増加したアラブ人口
  4. 難民定義の問題点
  5. 領土問題の捉え方
  6. 1. シオニズムは植民地主義か
  7. 2. 西岸地区の法的な帰属
  8. 3. 入植活動は国際法違反か
  9. イスラエル国防軍の対応
  10. ガザの戦闘員と非戦闘員の関係

どれも非常に興味深い内容で、これはイスラエルとパレスチナについて学びたい人は是非とも押さえておきたいポイントだ。しかし今日は最初の見出しにもあるようにイスラエルが植民地政策をとっておりアパルトヘイト国家であり国際法に違反しているという三つの点に焦点をあてたいと思う。

以下引用

1. シオニズムは植民地主義か

 一般的に「植民地主義」と言うとき、次の3つの特徴がある。

 ①宗主国、つまり郷土が別の場所にある。
 ②入植した地とは歴史的に関係がない
 ③入植地を搾取し、その富を宗主国に持ち帰る。

 これらがシオニズムにあてはまるかというと、

  • ①ユダヤ人に宗主国はなく
  • ②イスラエルの地との歴史的関係は現存する他のどの民族よりも古く、そして、
  • ③入植地を搾取するどころかユダヤ人の開拓が発展と余剰を生み、アラブ人を含むより多くの移民流入を可能にした

従って、どの特徴にも当てはまらない。実際、シオニスト会議がウガンダ案を否決(つまり歴史的関係のあるイスラエルの地にしか帰還するつもりはないと決議)した時点で、シオニズムが植民地主義ではないことを表明したことになる。

6.1.イスラエルはアパルトヘイト国?

 イスラエルは、南アフリカのような「アパルトヘイト国家」だという主張をよく見かける。逆説的ながら、仮にイスラエルが南アフリカのような人種差別政策を実行していたなら、パレスチナ人による市営バスやレストランでの自爆・殺傷テロは起こらなかっただろう。アパルトヘイト国家では出自別のバスやレストランを使用しなければならず、パレスチナ人はユダヤ人が使うバスやレストランには入れないことになるからだ。

 また、イスラエルにはアラブ系の大学教授国会議員最高裁判事がいることも、この紛争の本質人種差別ではないことを裏付けている。なおパレスチナ民族運動は、南アフリカのアフリカ民族会議の目標とは異なり、イスラエルの市民権獲得を望んではいない。と言うのも、市民権獲得はイスラエル国の正当性を承認することになるからだ。同運動が市民権獲得を拒否していること自体、イスラエルがアパルトヘイト国家でないことを意味している。

8.3. 入植活動は国際法違反か

 西岸地区のユダヤ人入植活動は国際法違反と言われることがある。その根拠としてジュネーヴ第4条約の第49条が示されるが、実はこの条項は占領地への強制移住に関するもので、国民が自らの意志で集落を築く入植活動には本来該当しない。同条項は、第二次大戦中にドイツ、ソ連、ウクライナ、ポーランド、ハンガリーの住民が経験したような強制移住が繰り返されないために定められたからだ。

アラブ側はこの条項をイスラエルの入植活動に当てはまるよう巧みに解釈して、ロビー活動によって国連や国際刑事裁判所などに普及させた経緯がある。この解釈の問題は、その正当性を厳密に検証することなく用いていること、およびユダヤ人にだけ適用されていることだ。自発的な入植活動は、例えば北キプロスを占領したトルコ、レバノンを侵攻したシリア、西サハラを領有したモロッコの国民がそれぞれの地域で行なっているが、この解釈が用いられたことは一度もない。そもそも、占領地に関する条項を「係争中の地域」である西岸地区に適用すること自体に問題がある

ーーー引用終わりーーー

Twitter(X)でイスラエルの入植行為は継続的に長年にわたってなされており、これは国際法違反であるからハマスの蛮行よりも罪が重いなどというバカげたことを言っている人がいた。こういう人は口で何と言おうと本心はユダヤ人憎しの偏見で話しており、なんとかイスラエルを悪者にしようと必死なので議論は無駄な行為だ。しかし上記のことを良く弁えておくと、のちのちイスラエルは~と言い出す人たちとの議論には役に立つだろう。

カウボーイが教える「イスラエルがパレスチナの土地を奪った」と主張する人に返す言葉

これに関連して先日面白い動画を見つけたのでその内容をちょっと紹介する。

1500人近いイスラエル人が襲撃された地域は酪農地だったが、ハマスやそれに混じってやってきたガザの民間人が農園を荒らし家畜を盗んでいた。そこでアメリカのオクラホマやアーケンサス州が酪農のプロのカウボーイたちがイスラエルに助っ人に出向いた。そのカウボーイの一人がイスラエルはパレスチナの土地を奪ったという人にどう対応すればよいかという教えを説いているので引用しよう。

読者諸氏もよくご存じの通り、パレスチナ人などという民族はイスラエルが建国されるまで存在しなかった。あの土地にはユダヤ人や多種のアラブ人が住んでいたが、イスラエル建国直後アラブ連合軍がイスラエルに攻め入り、戦乱に巻き込まれたくないアラブ人の多くが一時的に避難した。しかしイスラエルが勝ってしまったので避難したアラブ人は帰ってこれなくなり、彼等は難民となってしまったわけだが、アラブ諸国は彼等をパレスチナ難民と呼び、イスラエルに問題を起こすために、イスラエルによって土地を追われた可哀そうな民族という建前で残されたのだ。

だから今度誰かがイスラエルは違法にパレスチナの土地に居座っているのだという人がいたら、いくつかこんな質問をしてみようとカウボーイは言う。

  • パレスチナ国家が設立されたのは西暦何年のことですか?
  • パレスチナの国境はどこまでで、何時失くなったのですか?
  • パレスチナの通貨は何だったのですか?何故どの歴史にも残っていないのですか?
  • アラファトの前のパレスチナのリーダーは誰ですか?

ところで話はちょっと変わるが、この間ロンドンで親パレスチナの行進に参加していたイギリス人大学生二人が街角でこんなインタビューを受けていた。

質問「10月7日にハマスがイスラエルに侵略した際、あなたの最初の感想はどのようなものでしたか?」

女学生1「え?そんなことしてないでしょ?したの?ハマスが?」

女学生2「してないんじゃないの?このことについて良く知らないから、私にはその質問に答える資格はないと思う。」

おいおいおい、イスラエルが何故ガザに侵攻しているのか知らないで何に抗議してるんだ?全く近頃の大学生はしょうがないな。実はこのような学生は珍しくない。ヒジャブを被ったムスリム女性や髭面のムスリム男性のようにあからさまにイスラエルを憎んでいる人は別として、ごく普通のイギリス人やアメリカ人が街角に貼られたイスラエルの拉致被害者のポスターを剥がす理由を聞いてみると、「これはイスラエルがでっちあげたプロパガンダだ」とか「これは実在人物ではなくAIの写真だ」とか「ハマスは人質などとっていない」とか平気でいう人がいるのだ。ハマスは10月7日の攻撃を誇らしく思い自慢げに自分らでソーシャルメディアに掲載したくらいなのだ。それなのにこれらの人びとはそうした事実を全くしらないのである。

しかし知らずにイスラエルが悪いと思い込んでいるのだとしたらまだ希望はある。つまりメディアがきちんと真実を報道すればいいのである。しつこいくらいに10月7日の悲劇を報道し続けるのだ。女子供が凌辱した上に焼き殺されたり拉致されたりしたこと。男たちは首をはねられた手足をもぎ取られたり首をはねられたりしたこと、赤ん坊がオーブンで焼かれたこと、妊婦の腹がかっさばられて退治の首をはねられたこと。などなどなどを何度も繰り返して報道すればいいのだ。そうしたら今イスラエルが一方的に悪いと思っているひとたちもハマスの極悪さをしることになるだろう。

毎日のようにガザでがれきの下で下敷きになる子供の写真ばかり報道していないで、イスラエルの学校や病院に撃ち込まれているハマスのロケット弾の話をちゃんと報道しろ。そうすればほとんどの人はハマス支持などしないはずだ。


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お爺ちゃん、なぜか本名が!

お爺ちゃん、「おい」じゃなくてちゃんと私の名前をよんでちょうだい。「ふむ」私の名前で呼んでね。「ふむ」ふむじゃなくて、まさか私の名前忘れたの?「忘れとらん!」じゃあ私の名前はなんですか?「あ~、あ~」はあ、遂にそこまで来たのか。私はカカシですよ。カカシちゃんって呼んでご覧。「かかか」かあかあしい「かあかあ煩いわい!」。

お爺ちゃん自分の名前言える?「言える」お爺ちゃんの名前はなんですか?「言えるわい!」名前は何ていうの?「○○じゃ!」え?

とまあ今朝はこんな会話を交わしていたのだが、お爺ちゃんが自分の名前だと言った叫んだのは、実はお爺ちゃんの本名。いや、本名を言って何が悪いと思われるかもしれないが、お爺ちゃんは本名がありきたり過ぎだということで親者とを離れて独立した時に改名したのである。そのことを知っているのは家族でも私を含めて2~3人だ。若い世代は全くしらない。それなのに今日は名前を聞かれて本名で答えているのだ。いったい記憶はどこまでさかのぼってしまったんだろう?

改名後の名前も覚えてはいた。その名前で呼んだらちゃんと答えていたから。でもこうやってどんどん若い頃の記憶だけになっていくんだろうか?


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アメリカ主流メディアのカメラマンはハマスメンバーだった?

先日Honest ReportingというアカウントがAPやCNNやロイターのカメラマンがハマスによる10月7日の虐殺行為に加担していたとして写真を何枚か暴露した。ハマスに拉致される女性の写真を撮ってる主流メディアのフォトグラファーたち。

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10月7日の映像が沢山あるのは、ハマスのテロリストどもが自慢げに自分らの悪行を撮影していたからだが、そのほかに実は西側メディアに雇われていたプロのカメラマンも混じっていたとこの記事は報じている。これらのカメラマンはガザに拠点を置くアソシエテドプレス(AP)やロイターやCNNと契約していたというのだ。もしそうだとすれば、彼等は事前にテロが起きることを知っていたことになり非常な問題だ。

APの写真提供者として名前を連ねているのはHassan Eslaiah, Yousef Masoud, Ali Mahmud, そして Hatem Ali。CNNと契約しているEslaiah(エスライア)は当日ガザからイスラエル領のキビツクファーアザKibbutz Kfar Azza)にはいりイスラエル軍の燃えている戦車を撮影している。エスライアは当日Xの自分のアカウントにイスラエル軍の戦車の前に立っている自撮り写真を掲載していた(今は削除されている)エスライアは記者のベストもヘルメットも被っていなかった。彼はアラビア語で「ガザ入植地の内部から生放送」と書いていた。

この記事の発表後すぐにエスライアがハマスのリーダーで10月7日のテロ攻撃の首謀者であるYahya Sinwarと並んで撮った写真も見つかっている。

ニューヨークタイムスと契約しているYousef Masoudもテロリストたちがイスラエル領内に入った時点で戦車の写真を何枚も撮っている。

Ali Mahmud と Hatem Ali はドイツ人女性が拉致された瞬間の写真を撮っていた。マフムッドはハマスが人々を拉致する様子を幾枚も撮影している。

現場からの写真を起用したロイターの記事。

この記事が公開されてから、APは事前にテロ攻撃があるという情報を得た事実はないと主張している。しかし記事のなかでは彼等が知っていたとは書かれていない。APは11月9日の時点で彼との契約は打ち切ったと発表している。

イスラエル首相官邸のパブリック・ディプロマシー総局は声明を発表し、ハマスの残虐行為を報道するジャーナリストを “人道に対する罪の共犯者 “とレッテルを貼り、その現象を “厳しく “見ていると述べた。声明はさらに、イスラエル政府報道局が、関連メディア各社に説明と「早急な対応」を求める公式の訴状を送ったと付け加えた。

エルサレム・ジャーナリスト協会は、関連する国際メディアに対し、この暴露から生じた疑問について徹底的な調査を開始するよう求めている、

拙ブログを昔からお読みくださってる聡明なる読者諸氏はすでにご存じのことだが、ジャーナリストを送り込むには危険すぎる場所や、また地元民でないと入れない場所などからの取材は、メディアは地元に通じたストリンガーと呼ばれる地元民に外注することがある。しかし地元に通じているだけに、ストリンガー達の素性も怪しいことが多いのだ。

下記は2006年にイラクにおいてAPが雇ったストリンガーに関する話。あまりにも昔の話なので元のリンクは剥がれているが、拙ブログで記録しておいたので引用する。

APのカメラマンとして賞までとったことのあるイラク人、ビラル・フセインという男がテロリストとしてアメリカ軍に取り押さえられた話は、去年の暮れ頃ここでも紹介した
彼はアメリカの記者の代わりに現地で取材をする所謂(いわゆる)ストリンガーだが、彼が撮ったテロリストの写真は、どう考えてもテロリストの協力を得て撮ったものが多々あった。フセインは去年アメリカ軍に逮捕されテロリストとしてイラクで拘束されている。(米軍、APのストリンガーを正式にテロリストとして起訴 – Scarecrow in the Strawberry Field (biglizards.net)2006年11月20日)

こういうことは珍しくもなんともないので今更驚きはしない。


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アメリカ、ユダヤ系民主党議員たちのジレンマ

Tag: 世論調査

前回民主党下院議会が民主党のラシーダ・ティライブ議員を公式批判したと言う話をしたが、さきほど我が選挙区の代表民主党のアダム・シフ下院議員のスピーチを見かけて、あれ?となった。それというのもアダム・シフ議員はアメリカ国内や大学のキャンパスで起きている反ユダヤ運動にショックを受けているという話をしていたからである。アダム・シフと言えばドナルド・トランプの弾劾裁判を先導していた議員であり、マガ共和党支持者からしたら宿敵である。しかし今回ばかりは彼もイスラエルの正当防衛を支持している。もしかしてシフ(Schiff)議員はユダヤ系なのか?

それで私はSchiffという苗字はユダヤ系なのかどうか調べてみたところドイツやオーストリアに多い名前だが、ユダヤ系にも見られるということ。ドイツやオーストリアからアメリカに移住してきたユダヤ人はかなり多いので、シフ議員がユダヤ系でもおかしくはない。そこで思ったのがアメリカ議会にはどのくらいのユダヤ系がいるのだろうかということ。それで調べて観たところ、上下合わせて37人のユダヤ系がいる。上院に10人(100人中)下院に27人(435人中)。下院の27人中25人は民主党2人が共和党。上院の10人は全員民主党だ。アメリカ全体でユダヤ系は2%だがアメリカ議会では6%を占める。圧倒的に多いのは無論クリスチャンである。

アメリカはもともとイスラエルの強き同盟国である。民主党も共和党もイスラエルを同じように支持してきた。しかし昨今イスラエルを支持する保守派キリスト教徒が増え、どちらかというと共和党の方がイスラエルを支持するようになってきた。

10月13日に行われた世論調査(As Israel-Hamas war continues, Americans remain supportive of Israel in new poll : NPR)によるとこの戦争でアメリカはイスラエルを支持すべきかという質問にすべきだと答えた共和党支持者は77%、民主党は69%、全体で65%のアメリカ人がイスラエル支持である。しかしこれがGENーZと呼ばれる20代前半の若者になってくると支持すべきが48%、なにもしなくていいが37%、イスラエルを批判すべきが12%となっている。

しかしモスリム有権者の数が増えるにつれ、彼等は圧倒的に民主党支持であることもあって、民主党としてはモスリムの票を失いたくはない。かといってラシーダ・ティライブやイルマ―・オマルのように、あからさまにイスラエル殲滅やユダヤ人虐殺を支持するような議員を放っておくわけにもいかない。すでに多くの民主党支持有権者の間からはバイデン政権は十分に激化するユダヤ人差別に真剣に取り組んでいないとしてかなり失望の声があがっている。このままでは民主党はユダヤ系の支持を失うことになる。

皮肉なことにモスリム有権者も実はバイデン政権には不満の声をあげている。それというのもバイデン政権はイスラエルを支持しており、イスラエルに軍事費用援助をすることを明らかにしているからだ。

ユダヤ系だからといって必ずしもイスラエル政府の方針を全面的に支持しているわけではない。アメリカのユダヤ系は非常にリベラルが多いので、イスラエルはパレスチナに譲歩して二か国解決に努めるべきだと考えている人が多い。しかし今回のことでパレスチナやパレスチナ支持者たちが平気で「川から海へ、パレスチナ解放へ」と叫ぶのを聞いて、大学構内でユダヤ人を追いかけまわす学生たちを見て、イスラエルとパレスチナに平和共存はありうるのだろうかと疑問を持つ人々も増えたことだろう。そして自分らはガザの人びとに同情しているのに、パレスチナ支持者たちはイスラエルの犠牲者には全く同情を見せないどころか、それこそユダヤ人の民族浄化を本気で唱えていることに大きな衝撃を覚えている。

民主党はこんな憎悪に満ちた人々に党を乗っ取られていいのだろうか?ユダヤ系民主党員は正念場である。


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ハマス支持の下院議員ラシーダ・ティライブはアメリカを代表していない

先日、ハマス支持の発言を繰り返しイスラエル殲滅演説を続けていたミシガン代表民主党の下院議員ラシーダ・ティライブ(Reps. Rashida Tlaib)が下院議会で公式非難された。これによってティライブ議員はいくつかの委員会から外されることとなる。問題となったティライブ議員の発言について議会はこうまとめている。

これは基本的に、ヨルダン川から地中海まで広がるパレスチナ国家を求めるもので、イスラエル国家を含む領土であり、ユダヤ人国家の解体を意味すると、名誉毀損防止連盟のウェブサイトは述べている。ユダヤ人を祖国から追い出すことを含め、ユダヤ人の自決権を否定する反ユダヤ主義的な告発である。

ティライブ議員はパレスチナ系アメリカ人でありモスリムである。彼女が代表する地域はパレスチナ系移民の多い地域である。下院議会でこの公式非難の決議がされる前に、彼女を弁護していた同じくイスラム教徒のイルマン・オマル議員は甲高い声で「彼らの誰も何千何万というパレスチナ人が死んでいる事実を認めていない。にもかかわらず彼等は我々が人間性を認めていないという。ラシーダはパレスチナ運動を支持し(時間ですと言われているのを無視)解放のために尽し続ける。すべてのパレスチナ人が自由になるまで!」と叫び続けた。

私はこれを聞いていて、一体この人たちはどこの国の議員なのだと呆れてしまった。イスラエルの空爆によってガザの民間人が巻き添えになっていることは確かだ。しかし彼女たちはアメリカの議員だ。ハマスは未だにアメリカ人を10数人人質に取ったままなのである。10月7日の虐殺でアメリカ人も口に出来ない残酷なやり方で殺されたのである。それに対する怒りはないのか?パレスチナ人に対して涙する暇があったら、その一滴の涙でもハマスによって殺されたり拉致されたアメリカ人のために流さないのか?

ティライブ、オマル、そしてアンドレ・カーソン(民主、インディアナ)の三人の議員は民主党も共和党も「反モスリム、対パレスチナ人へのヘイト」を広めていると責めた。

はっきり言います。特定の民族や国籍を標的にし、迫害するために国家権力を全面的に行使することは、ファシズムであり、純粋な偏見です。残念ながら、この法案は、偏見に満ちた反イスラム、反アラブ、反パレスチナのヘイトが政治に蔓延する潮流の一部です。

なにが反イスラムだ、何が反アラブだ、何が反パレスチナだ!アメリカ国土内で大規模テロを起こしたのはイスラム教徒ではないか!それでもアメリカ人はこれまでアメリカに住むすべてのモスリムを追放せよなどと言ったことはない。911以降でもどんどんモスリム移民を受け入れて来た。移民であるティライブやオマルは権力ある下院議員にまでなっているではないか!これだけアメリカの恩恵を受けておきながら感謝もせず、アメリカがモスリムを差別しているだ?いい加減にしろ!

三人はさらにティライブへの非難はモスリムやアラブ系やシークなどへの攻撃に繋がると言って批判した。

共和党のズィンク議員は「合衆国の議員ともあろう人達がアメリカ人の安全よりもパレスチナのテロリストのことを心配するとは信じられません」と怒りを表明した。

下院議会は民主共和の双方の票を集めティライアブ議員を公式に非難した。

前々から言っているように、民主党にはユダヤ系の議員も多くいる。イスラエル支持に関しては民主党も共和党もずっと同じ立場をとってきた。しかしモスリムが議員になった途端にこのような発言をする議員が出て来るのを許していたら、アメリカ議会では非情な混乱を招く。しかしこれで明らかになったことは、こう言っちゃなんだがモスリム議員は信用できないということだ。彼等の忠誠心はアメリカにあるのではなくイスラム教にある。今は未だティライブとオマルだけだが、今後モスリム議員が増えたらもっとひどいことになるだろう。彼等はアメリカのためにアメリカ議会に参加しているのではなく、アメリカを内側から破壊しようとしているのだから。


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とうとう殺人犠牲者が出る、激化するアメリカ国内のユダヤ人差別

先日非常に痛ましい事件が起きた。カカシが住む南カリフォルニアにある、ウエストレイクビレッジ(Westlake Village)というロサンゼルスから北西に40マイルくらいいったところにある町で親イスラエルのユダヤ人グループが平和的なデモ行進をしていたところへ、カウンターとして親パレスチナの数人が現れ、メガホンを使って大声でユダヤ人グループのデモの邪魔を始めた。親パの男がユダヤ人男性の一人と口論になり、親パ男が男性の頭を持っていたメガホンで殴った。殴られた男性はその場で気を失い救急車で運ばれたが、間もなく病院で死亡した。被害者の男性は近くのサザンオークス市住まいのポール・ケスラーさん(65歳)。

親パレスチナの暴力的なデモ行進とは正反対に、イスラエル支持の人たちの行進や集会は非常に静かで平和的であり、唯一音がでるとしたら、それは彼等が歌を歌う時くらいだ。そういえばハマス支持の集会では怒りに満ちたスローガンや罵声はいくらも聞かれるが歌は全く聞こえてこない。

この事件だけでなく、あちこちでハマスに拉致された人質のポスターがハマス支持者たちによって剥がされているが、昨日ポスターを剥がしている黒人の女を咎めた若い白人女性がこの黒人女に乱暴になぎ倒される動画を観た。さすがハマス支持者だけあって暴力的である。

イギリスでもパレスチナ支持行進ちかくでイスラエルの旗やイギリスの旗を振っていた人たちが追いかけまわされて殴られるなどという事件が後を絶たない。警察はパレスチナ旗を掲げている暴徒たちを逮捕するのではなく「あなたの安全のために」と言ってイギリスの旗を持っていた軍服姿の退役軍人を立ち退かせたりしていた。「なんでイギリスでパレスチナの旗を振り回すのはよくて、イギリスの旗を掲げてはいけないんだ」と軍服姿のお年よりが警官に聞くと、若い警官は同情した顔で「あちらの数の方がずっと多いので」と答えた。

そうなのだ。イスラム教徒は数で勝負する。彼等には異民族の人権など全く意味がない。自分らが少数派であった頃にどれだけ多数派が少数派の人権を守ってくれていても、自分らが権力を握った途端に少数派を弾圧するのだ。彼等には味方と敵という概念しかない。

欧米は自由な移民政策であまりにも多くのイスラム教徒を受け入れてしまった。彼等は欧米に欧米人になりたくてやってきたわけではない。彼等は単に欧米の富を略奪し土地を占領するためにやってきたのだ。大量の侵略者を大手を広げて迎え入れてしまった欧米諸国の政府はほんとうに愚かであったとしか言いようがない。今更これらの人びとを国から追い出すとしたら大変なことになるだろう。欧米諸国で内乱が起きることは先ず間違いない。

このままではイスラエルで起きたようなことが欧米諸国でも必ず起きる。問題なのはイスラエルと違って我々の敵な国内にいる。地域で分かれているわけではない。今イスラエルに停戦停戦と騒いでいる連中は自分らが攻撃の対象になった時、どんな反応をしめすのだろうか。


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ナッシュビル小学校乱射事件トランスジェンダー犯人のマニュフェストをスティーブン・クラウダ―が暴露する、ソーシャルメディアは隠ぺいに必死

8か月前にテネシー州ナッシュビル市の小学校で起きたトランス自認の女による乱射事件で3人の小学生と3人の職員が殺害された事件で、犯人のマニュフェスト(声明文)の一部がポッドキャスターのスティーブン・クラウダ―によって暴露された。クラウダ―は正規のルートを通じてこの情報を入手したのではなく、ナッシュビル警察の内通者から手に入れた。まずは事件の内容から。

2023年3月27日、テネシー州ナッシュビルのグリーン・ヒルズ地区にあるアメリカ長老教会の教区小学校「コヴェナント・スクール」で銃乱射事件が発生。トランスジェンダーの男性(生得的女性)で同校の元生徒である28歳のエイデン・ヘイル(生まれはオードリー・エリザベス・ヘイル)が、9歳の児童3人と大人3人を殺害した後、メトロポリタン・ナッシュビル警察の警官2人に射殺された。

アメリカで乱射事件が起きる度に犯人の動機はその日のうちに発表されるのが普通だ。特に犯人が白人で動機が異人種への差別である場合は大々的に報道され、何日にもわたってニュースサイクルで話題になる。犯人がトランプ支持者の保守派だったりすればなおさらである。反対に犯人が黒人や他の有色人種である場合で被害者が保守派の白人を狙ったものだったりすると一応報道はするものの、反対の場合と比べて数日後にはもう報道されなくなる。数年前に起きたアメリカ至上最高の犠牲者数をだした最悪の乱射事件であるラスベガス事件などは犠牲者のほとんどがカントリーウエスタンファンの白人だったことから、全く詳細が報道されないうちに銃規制の話に変わってしまった。

この事件に関しては何故か犯人の動機が全く報道されなかった。多々のメディアがそのマニュフェストを手に入れようとしたが、その度に法廷によって阻止されるなどしてずっと隠蔽されていた。ナッシュビル警察はこのマニュフェストを公表する気は全くない意思を明らかにしていた。

何故なのか?

それについては一体このマニュフェストに何が書かれているのかが問題となる。下記はその一部。原文は汚い言葉だらけだが、DeepLによる上品バージョンの翻訳はこちら。

「あのガキどもを殺せ!」。「私立の高級学校に通い、派手なカーキにスポーツリュックを背負い、マスタングやコンバーチブルに乗る父親を持つクソガキどもを。このクソガキどもめ。そのモップみたいな黄色い髪の弱虫どもを撃ち殺したい。このクソガキどもを皆殺しにしてやりたい!白人の特権を持ったクソガキどもめ。くたばれ、くたばれ。」

“Kill those kids!!!” one page reads. “Those crackers going to private fancy schools with those fancy khakis and sports backpacks, with their daddies [sic] Mustangs and convertibles. F*** you little sh**s. I wish to shoot you weaka** d***s w/ your mop yellow hair. Wanna kill all you little cr*ckers!!! Bunch of little f***ots with your white privileges. F*** you f***ots.”

ナッシュビル警察が犯人像について発表するのに消極的だった、というより積極的に隠ぺいした理由は犯人が男性自認の女性であったこと、そして彼女が白人差別主義者だったことにある。犯人本人も白人で同学校の元生徒なので、特権階級というなら彼女本人もそれに含まれる。

犯人は明らかに狂人だった。精神科治療も受けていたということは前々から解っていた事実だ。それで警察は単にこれが狂人による単発的な事件だったということで済ませようとしたのである。だから事件当初は彼女が男性を自認しているトランスジェンダーだと言っていたのに、すぐに犯人は気の狂った女だという報道に変わってしまった。超左翼の白人差別主義トランスジェンダーが犯人だなんてことになると左翼メディアとしては非常に都合が悪いからだ。

今後このような事件を未然に防ぎたいと思うのであれば、犯人の動機を知ることは非常に大事だ。すでに精神病を患っている女性が大量の男性ホルモンを摂取すればどんな悪影響があるのかということや、そんな精神的に無防備な人間がアメリカの教育現場で何かと白人がすべての悪の根源であり、白人は特権階級だという教育を受けていたことと彼女の動機とは関係があったのかどうか、こうした因果関係は十分に吟味されるべきである。そのためには彼女のマニュフェストは事件後即座に公表されるべきだった。彼女の動機を知ることは、今後このような犯罪を防ぐことに何かしらの役に立つかもしれないからである。

クラウダ―がこのマニュフェストを公開した直後、ユーチューブはすぐにこの動画を削除。動画を引用した他のユーチューバーのアカウントが凍結されたりした。フェイスブックやインスタグラムやレディットでも同じように動画は削除された。辛うじて残っているのは独立主義のRumbleとイーロン・マスクのXだけである。

とはいってもマニュフェストの内容はあらゆるメディアが再掲しており今更隠しようがない。ただ多くのメディアはマニュフェストの内容よりも、それを公式な発表ではなく漏洩という形で報道したクラウダ―批判に終治している。内容について語るより、そんな内容の声明文を発表することがあたかも犠牲者家族の傷を再び深めることになるかのような報道である。

今でも犯人が小学校に入って乱射する様子(犠牲者は映されていないが)や、犯人が警官に撃たれる動画など探せばいくらでも出て来るのに、犯人の声明文が発表されたら家族が余計傷つくとかおかしな話である。


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キャリア絶頂期にミーツ―でキャンセルされたケビン・スペーシー、アメリカとイギリス双方の法廷で無実!

ケビン・スペーシーと言えばアメリカでは大御所映画俳優。その演技力の幅は広くブロードウェイの舞台でも活躍し、数々の映画に出演しアカデミー賞も受賞している。またテレビでもアメリカ版ハウスオブカードの主役も務め、ネットフリックス至上最高の視聴率だった。俳優としてのスペーシーのキャリアはまさに順風満帆といったところだったのだが、2017年、突然若い俳優からミーツ―攻撃を受けてしまう。そして彼のキャリアには急ブレーキがかかってしまったのだ。

2017年、アンソニー・ラップという男優から、ラップが未成年の頃にスペーシーに性的加害をされたと告発された。彼はスタートレックシリーズのディスカバリーでゲイのエンジニアを演じた男性だ。ラップは1986年に当時14歳だったラップをスペーシーが自宅のアパートで開かれたパーティーに招待し、ラップを寝室に連れ込んで性行為をしようとしたが、スペーシーが泥酔していたのでラップは逃げることができたというもの。

この告発があって以来、スペーシーは主演のドラマから降板させられ、撮影途中だった映画も中断。2017年以来スペーシーの姿を見ることはほとんどなくなった。その後無名の男性からもバーでスペーシーに股間を触られたとか、ハウスオブの撮影現場でスペーシーからセクハラを受けたなどという告発もあったが、それぞれ裁判にまではいかなかった。

しかし2022年10月、アンソニー・ラップはスペーシーを訴えていた民事裁判で自分の告発は嘘だったことを認めるという意外な展開があった。

そして三か月前、イギリスでもスペーシーが性加害をしたという刑事裁判で、陪審員たちはスペーシーの無罪判決を下した。この裁判を追っていたダグラス・マレーに言わせると、有罪の証拠はほとんどなく、裁判沙汰になるべきではない事件だったと怒りを隠せない様子だった。

さて、実は私はこの一連の事件をほとんど追っていなかった。私はケビン・スペーシーは好きだが、ドラマも観ていなかったし、ああ、また別の俳優がミーツ―の犠牲になったのかと思ったくらいだ。無論本当に有罪かどうかもわからないのに、単に誰かが告発すればそれで大人気スターのキャリアが崩壊するなんてことがあってもいいのだろうかと疑問だった。出来れば私は彼が無実であってほしいと思っていた。

ただ、当時私は彼は有罪だと思っていたのだ。その理由はラップの告発がバラエティー紙で発表された直後、スペーシーは謝罪文を出したからである。スペーシーはラップの言うようなことは記憶にないとしながら、「酔って不適切な行為をしたことについて心から謝罪する」 “I owe him the sincerest apology for what would have been deeply inappropriate drunken behavior.”という内容の謝罪をした。

私が思ったのはスペーシーがその事件を覚えていないのは本当だろうが、普段からそういうことをしょっちゅうやっているから、その事件そのものの記憶はないが、もしかしたらやったかも、と思ったのだろうということだ。しかしこの裁判の途中で、スペーシーは彼は周りからとにかく謝って置けとプレッシャーをかけられたという。スペーシーの事務所としては、大したことではないのでさっさと謝ってしまえば事は収まるという考えだったのだろうが、ミーツ―狂気のあの時代、これが罪を認めたと解釈され、スペーシーは完全に干されてしまったのだ。スペーシーは自分は子供に性愛を感じないので自分がそんな行為をしていないことは確信していたとし、自分のしていないことには決して謝罪していはいけないと学んだと話している。

ラップの裁判についての記事を読んでいたら、スペーシーは当時26歳でブロードウェイ舞台に出ており、当時ラップは同じ舞台俳優ジョン・バローマンとも友達で、スペーシーは二人を自分のアパートに招待したことがあった。バローマンは裁判中にスペーシーのアパートに行った時の話を証言している。バローマンの証言では三人でスペーシーの犬と遊んだとかありふれた話で、この事件とは無関係だった。ただ、ラップはスペーシーのアパートには事件があったとされる一度しか行ったことがないと言っていたことと矛盾している。

またラップの話がおかしいのはスペーシーのアパートは一間でラップが言うようなリビングと寝室と別れておらず、自宅でパーティーなど開いたことはなかったとスペーシーは証言している。

結局これはラップが昔からの知り合いであるスペーシーの成功に嫉妬して、彼を引きずりおろそうとでっち上げた話だったわけである。

で、このことでラップは罰を受けるのか?ラップはスペーシーと違ってさほど有名な俳優ではない。舞台では色々活躍していたようだが、2017年にスタートレックのレギュラーになるまで私は彼の名前をきいたことがなかった。やっと自分のキャリアにも芽が出始めた頃にスペーシーを告発というのも卑怯きわまりない。

私はハリウッドの掌返しには本当に呆れている。はっきり言ってラップの告発が100%本当だったとしてもその程度で一人の男のキャリアを潰していいのか?ハリウッドではそんなこと普通に起きていることではないのか?スペーシーをキャンセルした重役たちも身に覚えがあるだろう。しかも何の証拠もない、単にラップがそう言っているというだけなのに。

さて、スペーシーは二つの裁判で無罪となった。では中断されていた彼のキャリアはこれからどうなるのだろうか?彼の演技力やカリスマは誰もが認めることだ。しかしいったん傷物となってしまった彼に仕事の依頼は来るだろうか?

ダグラス・マレーはロンドンでの自分の講演の最後にサプライズでケビン・スペーシーを招待し、シェークスピアの一節をスペーシーに演じさせた。その場にいた観客からはスタンディングオベーションがあった。帰ってきてほしい。ケビン・スペイシー。

何も知らないうちに彼の有罪を決めつけた私も反省。


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