離婚後に前妻に子供を連れ去られ、日本の家庭裁判所から面接権を与えられたにも関わらず、娘には三年以上も合わせてもらっていないというニューヨーク住まいのアメリカ人男性の話は以前にしたが、このたび、日本は国際結婚が破綻した場合の親権について採決するハーグ条約というものに加盟する意志を表明した。

政府は9日、国際結婚で生まれた子供の親権争いの解決ルールを定めた「ハーグ条約」加盟に向け、月内にも関係省庁による副大臣級会議を設置する方針を固めた。

(略)
同条約を巡っては、国際結婚が破綻した日本人の親が結婚相手に無断で子供を日本に連れ帰り、外国人の親が面会を求めても、日本は条約非加盟のために法的に対応できず、トラブルになる事例が相次いでいる。欧米諸国は日本の早期加盟を求め、とくに米国は昨年9月に下院が日本政府に加盟を求める決議を採択するなど圧力を強めていて、日米間の摩擦になっている。6日(日本時間7日)のワシントンでの日米外相会談でも、クリントン国務長官が前原外相に早期加盟を求め、前原氏は「真剣に検討する」と応じた。

これは、日本人の元配偶者に子供を奪われた外国人からしてみれば歓迎すべきニュースではあるが、私は日本がハーグ条約に加盟した程度のことではことの本随は解決しないと思う。
ハーグ条約は単に外国人の親から日本に住む子供の親権を求められた場合に、日本政府が協力しなければならないといった程度のもので、日本に連れ去られた子供をそう簡単に国につれて返れるかといえばそうはいかない。
欧米では離婚しても共同親権制度というものがあって、どちらか片方だけに親権が与えられるとは限らない。私の知り合いでも子供が一週おきに父親と母親の家を行ったり来たりしてる家族がいた。またどちらか片方に親権が行っても、親権のない親は子供に一週間おきの週末に泊まりにこさせるとか、夏休みはずっとそっちの家に行くとか、子供の養育には積極的に参加するのが普通だ。
しかし、日本の場合は親権はどちらか片方の親にしか与えられない。親権を持たなくなった親には、一応子供との面接権は与えられても、その頻度や時間は非常に限られていて、上記の米パパさんなどは一年に一回36時間だけとかいう信じられない判決がでた。しかもそんな限られた面接権ですらも、親権のある親が無視して邪魔しても、法廷には親権のある親に子供を強制的に元配偶者に会わせる施行力も意志もないから事実上はどうしようもない。
私がもっとも驚いたのは、日本では親権があろうとなかろうと、つまり離婚する前に別れ話がこじれて片親が連れ合いに無断で子供を連れて家を出て行った場合でも、子供を奪われた親のほうには法的に子供を連れ戻す権利がほとんどないということだ。
それは欧米では信じられないことなのだが、日本では片親が子供を連れ去る行為は誘拐という犯罪とは見なされないからなのだ。
子供を連れ去られた片親が、なんとか親権について法廷に訴えることが出来たとしても、法廷は現在子供が一緒に居住しているほうの親に親権を与えるのが普通だという。だとしたら、別れ話が出た時点で先に子供をひっさらって逃げた方が勝ちということになってしまう。これはとても公平な制度とは思えない。
私は最初、この問題は国際結婚における離婚問題なのだと考えていたが、実際にはそうではなく、日本で結婚して離婚したすべての夫婦に当てはまる親権の問題だということに気がついた。
この問題を解決するためには、日本はハーグ条約加盟云々ではなく、法廷は離婚した両親双方の権利を尊重し、きちんとした理由もなしに片親から子供を奪う行為は犯罪であると見なす必要がある。そのために先ずしなければならないことは、、

  1. 親権が決まっていない場合や、親権のない片親が、配偶者に無断で子供を連れ去ることを法律で禁じる。もし連れ去った場合には誘拐罪に問う。
  2. 親権ある親が面接権のある親の子供との面接を拒否することを法律で禁じ、拒否した場合には禁固刑などの罰を与える。それを何度も繰り返した場合には反対に親権を失う。
  3. 面接権のある親が子供に会いに行けない場所に相手に無断で引っ越すことも禁じる。子供が片親に会いたくないと主張した場合でも、面接権のある親が子供を虐待している証拠がない限りは施行されなければならない。
  4. 法廷は親権を考慮する際、現在子供がどちらと居住しているかではなく、どちらと住むことが子供にとって最も適切であるかを判断する。この際、相手に無断で勝手に子供を連れ去った行為は不利になるようにする。

この場合大事なのは、家庭裁判所で決められた取り決めはきちんと守られなければならないということで、今のように、判決は降りてもそれを無視した片親が何の咎めも受けず、判決で勝った側はお金と時間を使っただけ無駄で、何の解決にもなっていないというような状態を続けるべきではない。そのためには違反した片親に刑事責任を取らせるべきだ。また、子供を隠す事に協力した祖父母や家族なども同じように誘拐幇助罪に問うなど、こうした行為はれっきとした犯罪であるということをはっきりさせるべきである。
こうしたことができないのであれば、残念ながらハーグ条約に加盟しただけでは、子供を奪われた外国人の親達が子供達に会える日はまだ遠いと言わざる負えない。無論、子供を奪われた日本人の親達には、全く意味のないことだ。


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