イスラエル危機! ヒズボラ戦闘目指して新体制確立

さっき、イランからヒズボラに向けての武器輸送をイスラエル海軍が途中で阻止した記事を書いたばかりだったのだが、喜多龍之介さんが、ヒズボラが対イスラエル攻撃に備えて準備態勢を固めているという記事を紹介してくれているので、こちらに転載させてもらうことにした。

ヒズボラは、新たなイスラエルとの戦いに備えて急速に再武装を進めている。ベンジャミン・ネタニヤフ政権がイランの核施設攻撃の前に、再びレバノンを攻撃することを懸念しているのだ。

イスラエル軍特殊部隊は先週、400トン近いロケット弾や小火器を積載した船舶を、地中海で拿捕した。イスラエル側は、イランからヒズボラの仲間の所へ送られる途中だった、と主張した。緊張感が高まっている、との更に劇的な証拠として、オブザーバー紙は、ヒズボラ戦闘員がリタニ川の北側の防衛線を慌しく再強化している、と知るに至った。(略)
ヒズボラは先週、件の兵器は自分達の物ではないと否定したが、司令官等は再武装の規模を殆ど隠そうともしていない。「その通り、我々は再武装を進めている。2006年よりも遥かに沢山のロケット弾やミサイルを保有している、とまで発言した」とヒズボラの某司令官は匿名を条件に語った。(略)
「(2006年の闘いで)我々は一部のバンカーや戦闘ポジションを、破壊するか放置するかしなければならなかったが、未だ南部にも豊富な戦闘能力がある。間もなく、イスラエル軍はやってくるだろう。今冬に来なければ、春まで待つ。その頃には地面が柔らかくなり過ぎて、連中の戦車が使い物にならなくなる」(略)
イスラエルと米国は以前から、イランの核開発への軍事攻撃は仲間のヒズボラから激しい反撃をもたらすことになるだろう、と推測している。イスラエル軍と情報アナリストによれば、イランに攻撃する前に、先ずイスラエル北部にロケット弾攻撃を行うヒズボラの戦闘力を攻撃しなければならないだろう。

なんだかかなりきな臭くなって来たな。


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イスラエル、ネタニヤフ首相の怒り

まずは、この記事から読んでもらおう。
イスラエル:地中海で貨物船を拿捕 武器数百トンを積載

 

【エルサレム前田英司】イスラエル軍は4日、キプロス島近くの地中海で、ロケット弾など武器数百トンを積載した貨物船を拿捕(だほ)したと発表した。武器は、イランからレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに供与されたものとみられている。

 発表によると、3日深夜、イスラエルから約180キロ沖合の地中海で貨物船を発見、拿捕した。貨物船はドイツの船会社所有で、カリブ海の島国アンティグア・バーブーダの国旗を掲げていた。積んでいた約400個のコンテナのうち、36個からロケット弾や迫撃弾、対戦車砲などが見つかった。一般貨物を装っていたという。
 コンテナはエジプトで荷積みされたが、書類から出港元はイラン国内と判明。ロイター通信は運航関係者の話として、貨物船がエジプトからキプロス、レバノン、トルコに寄港して再びエジプトに戻る予定だったと伝えた。軍によると、乗組員は積荷の内容を知らなかったという。
 イスラエルのネタニヤフ首相は「イスラエル市民を標的にする武器の供与だ」と非難、摘発された事例はイランが支援する武器密輸の一部にすぎないと指摘した。イスラエル軍は02年、イランがパレスチナを支援しているとして、武器約50トンを積載した船を紅海沖で拿捕した。今回押収した武器の量はこの約10倍ともいわれている。

これについて、イスラエルのネタニヤフ首相は先日記者会見を行い声明を発表した。下記はその一部をカカシなりの意訳したものである。

我が海軍は大量の武器を運んでいる船を拿捕しました。これはイラン政権によってシリアのバンダー・アバスから送られた物です。そこからヘズボラに送られるはずでした。主な物品は戦争用の何十というロケット弾で、女子供年寄りといった民間人をより多く殺す目的のみのものです。

これは戦争犯罪です。これは国連が本日の集会で捜査し討論し糾弾すべき犯罪です。これは、国連の安全保障理事会が特別会議を開くべき犯罪です。特にこれは国連安保理の条約に頭から違反するものだからです。これはイラン政権が今後も繰り返すと誰もが知っている、すでに我が社会に何千と発砲してきたヒズボラをさらに武装させるという戦争犯罪です。
これこそ国際社会が常に神経を集中させるべき問題ですが、特に今日はそうです。しかし国連は、そのかわりにイスラエル軍を批判しイスラエル国を批判することを選びました。そしてイスラエルの存在を否定し、我々の正当防衛を邪魔しようとしました。
私はここではっきり申し上げておく。このような行為は我々がイスラエル市民を守り続けることを妨ぐことも阻止することもできない。なぜなら、イスラエル市民は真実を知っているからだ。イスラエル軍は質の上でも道徳の上で類い稀なる正義の軍隊であることをイスラエル市民は知っているからです。我々はイスラエル軍とイスラエル政府の警備隊がイスラエル市民に対して犯される犯罪と立ち向かうことをしっているからです。
私は国際社会が少なくとも、どの国に、より責任があるのか真実を認識する時が来たと考えます。いつまでも嘘を促進するかわりに。

なぜ国際社会は、イスラエルの存在だけを否定するのだろうか? ユダヤ民族があの土地に帰還する権利が聖書で保証されているという事実を信じないとしても、すでにイスラエルという国家は存在しているのだ。国の存在権利は常にその土地を守り通したものに所属すると私は考える。イスラエルほど国の存在権利を長年にわたり何回も証明した国はない。国際社会はイスラエルを好きになる必要はない。イスラエルと同盟を結ぶ必要もない。ただ、イスラエルの存在を認め、イスラエルを放っておいてくれればそれでいいのだ。
長年敵対関係にあったエジプトもヨルダンもイスラエルとはずっと停戦条約を守っている。彼らはいまでもイスラエルを心底嫌っているだろう。だが、お互いに永久に続く戦争は害あって益なしと悟っている。
なぜ、ヒズボラやパレスチナやイランにはそれが出来ないのだ? 何故イスラエルの滅亡にそれほどまでに熱を入れなければならないのだ?そしてそれをどうして国際社会は奨励するのだ?
ユダヤ人嫌いのオバマ王が大統領では、イスラエルはアメリカの援助も期待できない。イスラエルはひとりだ。だが、どうせ国際社会はイスラエルが何をやっても批判するのだから、この際イラン政府などイスラエルの手で崩壊してしまえばいい。イラン市民も内心ではそれを望んでいるかもしれない。
がんばれ、ネタニヤフ! 国際社会の人種差別に負けるな!


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自由を愛するイラン市民の抵抗をよそに独裁政権に迎合するオバマ王

ジョージ・W・ブッシュ前大統領がイランを悪の枢軸のひとつとして指摘した時、アメリカのリベラルはこぞってあざ笑った。あたかもイランの脅威がブッシュの妄想ででもあるかのように。だが、ブッシュ大統領はイランが1979年以来30年に渡りアメリカの宿敵である事実を常に忘れてず、イランに対して断固たる姿勢をとっていた。
30年前の1979年、当時学生だったアフメディネジャドを含む暴徒はテヘランのアメリカ大使館を襲撃。護衛の海兵隊員を殺害し、館内にいた軍人民間人を含む52人を拘束。以後444日間に渡って拷問監禁した。
その輝かしき日を祝うため、昨日4日、イラン政権は反アメリカ大ラリーを行った。しかし、政権の独裁に抵抗する自由を愛する市民たちは、このラリーに反対して大デモ抗議を行い、政府側の軍隊と激しく衝突した。

11月4日 AFP】イラン首都テヘラン(Tehran)中心部で4日、米大使館人質事件発生から30年を記念する反米デモ行進が行われるなか、数百人規模の反イラン政府抗議デモも行われ、機動隊と反政府デモ隊が衝突、機動隊は警棒や催涙ガスで反政府デモ隊を解散させた。
 目撃者によると、衝突はハフテ・ティール広場(Haft-e Tir Square)で起きた。デモ隊は「独裁者に死を!」とスローガンを叫び、解散を拒否したため、数十人が機動隊から暴行を受けて拘束されたという。

先のインチキ選挙に不満を抱いているイラン市民達は現政権にその不満をぶつけ、イラン政府も政府主催の反米ラリーが抵抗者たちによって邪魔されたことを認めざる負えなかった。興味深いのは、ニューヨークタイムスの記事によると、反政府抵抗側の市民からオバマ王に対する不満の声が多く聞かれたということである。

公営 IRNAニュースは、午後反政府を象徴する緑色のスカーフをつけた多くの「暴徒たち」がValiasr 通りにある政府ビルの前に集まり、「独裁者に死を」などと反政府スローガンを叫び始めた。

同時に、あたらしいテーマも現れた。抵抗者たちはオバマ大統領に対し「我々と一緒でないならば、敵側と一緒であると見なす。」と叫ぶ声も多く聞かれ、オバマ王のイラン政府との交渉政策に対する憤りをあらわにした。と目撃者は語っている。

このイラン市民の自由への闘いについて、オバマ王はホワイトハウスのウェッブページで公式声明を発表している。オバマは30年前に起きた大使館襲撃について、アメリカ人人質の犠牲について感謝していると述べた後、この事件をきっかけにアメリカとイランとの間で猜疑心と不審と対立の道が始まったのだと書いている。
イランは最初からアメリカに猜疑心と不審と対立の感情があったからアメリカ人を攻撃したのだ。一方被害者のアメリカ側が加害者に対して猜疑心と不審と対立心をもったとしてもそれは当たり前だ。アメリカとイランの対立はあの事件がきっかけだったというより、アメリカとイランの対立は、あの事件によって顕著になったと言った方がいい。

私は、アメリカ合衆国はこの過去を乗り越えイランイスラム共和国と共通する利益と敬意を持った関係を求めたいことを明確にしてきました。私たちはイランの内政干渉はしません。私たちはイランに対するテロ攻撃を糾弾してきました。 私たちはイランに平和的な核開発の権利を国際的な権利として認めて来ました。私たちは他の国際社会の面々と共に自信つくりに踏み出す意志を表して来ました。私たちは国際エネルギー庁(the International Atomic Energy Agency)のイランの人々に必要な医療援助のリクエストに応じる提案を受け入れました。私たちはイランが他の国々同様(国際社会における)責任を果たしさえすれば、イランも国際社会のなかで繁栄と生産的な道を歩む事が出来ると主張してきました。
イランは選ばなければなりません。私たちは30年に渡ってイラン政府が何に対抗しているのかを聞いて来ました。今問題なのは、イランにはどのような未来があるのかということです。アメリカの国民はイラン市民とその豊富な歴史に多大なる尊敬心をもっています。世界はイランの人々の正裁に対する強い呼びかけと普遍な権利への勇気ある追求を目撃しています。イラン政府は過去だけに注目するのか、それともより繁栄する機会と人々への正裁への扉をあけるのか、今や決断の時です。

なんじゃ、この意味のない声明は。過去は水に流して未来をもとめようなどとアメリカ市民は思っていない。イランがアメリカへの攻撃を反省もせず謝罪もしていないのに、どうしてアメリカ市民が過去を忘れて今後のイランとの関係を良くしたいなどと思うのだ?勝手なことをいうな。
だいたいイラン政府に対して、最初から内政干渉をしないなどと言ってしまったら、いくら国際社会が目撃してるとか、求めているとか、期待しているとか言ってみてもイラン政府には痛くも痒くもない。反対にイランの人々の勇気を讃えるとか言ってみても、イラン市民よ独裁に対抗してがんばれ、アメリカも応援するぞよとは一言もいってない。これではイラン市民は自分らの抵抗運動にオバマの支持があるとはとうてい思えない。
はっきり言って、どうしてイランから一方的な攻撃を受けているアメリカがイランに譲歩しなければならないのだ? イランが30年間横暴の限りをつくした結果が、アメリカによる歩み寄りなら、イラン政府はどうしてこれまでの政策を変更する必要があるのだ?今後も今まで通りアメリカを攻撃しつづければ、もっと譲歩してもらえると判断するのが普通ではないか。オバマの声明はイランの暴虐を阻止するどころか、これからもその調子でがんばれや、と応援しているようなものだ。
さて、これとほぼ時を同じくして、イスラエルはイランからのロケット弾がハマスに届けられるのを、途中で発見し押収した。これは明かにイランによる国際協定違反のはずである。それに対して国連は断固たる抗議をしたか、オバマ王は?
イスラエル嫌いの国連やオバマ王がイランのあからさまな違反に興味がないのはあたりまえ。それについてイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相のすばらしい声明があるので、それは次回に紹介する。


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人種差別とは人種で差別することを言うのではないのか?

先日、カカシがひょんなことから見つけた自称保守派のブログで、カカシは人種差別者であるという誹謗があったので、今回はこのブロガーに反論するというより、いったい人種差別とは何なのだろうかという定義について考えてみたい。
人種差別というからには、個人を個人として判断せず、その個人が所属する人種のみで差別するという意味であるはず。となると、もしもカカシがアラブ人に対して差別意識を持っているとするならば、そのアラブ人がどんなに善良な人であっても、アラブ人だというだけで差別しなければならないはずだ。
だが、カカシは一度でもアラブ人全体が悪者だと言った覚えはないし、そう考えた事すらない。
今回のイラク戦争が始まった頃から、私はイラクで「イラクザモデル」というブログを書いている三人兄弟のイラク人達と知り合いになった。イラク人はアラブ人種だ。彼らはイラクの民主主義を信じ、ブッシュアメリカの善意を評価していた。私は彼らを通じて勇気あるイラク人を何人も知った。アルカエダによる自爆テロに何度も脅かされながら民主主義のために立ち上がったイラク人たちに私は何度も尊敬の意を表した。
私がアラブ人に対して差別意識を持っているなら、明らかにイラク人である彼らに敬意など表すだろうか?
ではカカシがイスラモフォビアであるというのはどうか? 確かにカカシはこのブログで何度もイスラム教過激派の悪行を指摘し批判してきた。だが、私はイスラム教徒全体が悪いと書いたことはない。いや、それどころか、むしろイスラム教全体を敵にまわしてはいけないと何度も主張してきた。
イスラモフォビアというからには、どんなイスラム教徒であろうとも、イスラム教徒であるということだけで差別するというのがその定義のはずだ。イスラム教徒にも色々いるのだからイスラム教こそがテロの根源だなどという考えは建設的ではないと指摘しているカカシがどうしてイスラモフォビアということになるのだ?
はっきり言ってマキシムのような輩は言葉の意味も理解せず、単に他人を人種差別者と呼ぶ事によって特定の集団への批判を免れようとしているだけだ。そういう点でマキシムはアメリカで言うところの「リベラル」だ。彼がもし本当に日本の保守派の典型だとしたら、日本語でいう「保守」とは英語の”Conservative”とはかけ離れたものだと判断するしかない。
アメリカでConservativeといえば、個人の自由を尊重する思想であり、個人が個人として評価されるべきという思想だ。アメリカのConservativeに人種差別を許容する余裕はない。
悪を悪として認識することは人種差別ではない。
はっきり言って日本の保守はマキシムのような人種差別者を拒絶すべきである。あのような人間が本当に保守派を代表するとしたら、リベラル連中に人権擁護法を押し付けられても文句は言えない。
だが、私は信じない。日本にも個人の自由を愛する市民が存在すると確信する。日本の保守はマキシムのように自らを人種差別者と呼んではばからないような人間に保守派のラベルを乗っ取られないように頑張ってほしい。


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テキサス陸軍基地射殺事件、ガンマンに一人で立ち向かった婦人警官

昨日テキサスのフォート・フッド陸軍基地でおきた大量射殺事件において、イギリスの新聞ザ・サン紙によると、犯人のニダル・マリキ・ハサン少佐を射ってそれ以上の犯行を阻止したのは、交通違反取り締まりパトロール中の婦人警官のキンバリー・マンリー巡査だったという。
ひとりの人間が何故数分間に、しかも二人の民間人を除いて軍人ばかり40人以上も射てるのか不思議に思うかもしれない。だが、事件が起きたのは戦場ではなく国内の基地内で、ガンフリーゾーンという銃砲携帯禁止地区だった。これは以前にバージニア工科大学での乱射事件の時にも話たように、ガンフリーゾーンほど殺人犯に都合のよい場所はない。

事実小銃携帯許可の普及を唱えるフロリダ大学の統計学者、ジョン・ロット教授によると、いわゆる銃砲携帯禁止地区と呼ばれる地区とそうでない地区を比べた場合、前者のほうが断然殺人事件の割合が高いのだという


犯行現場に最初に駆けつけたのがマンリー巡査だった。変な話だが、アメリカの基地の警備は軍人ではなく民間の警察が行っている。基地の門に立っている門番も通常は民間の警備会社から雇われてる警備員であることが多い。軍基地内で武装しているのは特別な場所を守っている兵士以外は民間警察及び警備員だけということになる。
犯行現場に最初に駆けつけたキンバリーさんは、後方援護の他の警察官を待たず一人で犯人に立ち向かい、自分も脚を撃たれながら犯人に四発撃ち込んで犯行の継続を阻止した。
ハサンは銃を2丁もっていた。キンバリーさん、お手柄!
関連記事としてカカシの過去のエントリーを二つ張っておく。
銃が多いと犯罪が減る!え〜ほんとう?
銃が多いと犯罪が減る! その2


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プロファイリングは必要だ!

アメリカ軍隊についてよく知らない人は、軍隊というところは非常に保守的で男尊女卑や人種差別が横行していると思うかもしれない。特にリベラルの反軍隊のアホどものなかには、いまだに米軍は黒人ばかりを戦場に出動させているなどと馬鹿なことをいう奴がいる。
だが、実際に軍隊ほど一般にポリティカルコレクトネス(PC)と言われる人権擁護に敏感な組織もない。末端の兵士たちの間で全く差別意識がないかといえばそんなことはないが、組織全体として、幹部の方で軍隊が少しでも差別的な組織であると思われたくない心配が行き過ぎて、差別しなければいけない人間でも差別出来ないという実態がある。
例えば今回テキサスのフォート・フッド陸軍基地で起きた大量殺人事件にしても、犯人は敬虔なイスラム教徒で普段から米軍のイラクやアフガニスタン政策に反感を持っていることを回りの人間は気がついていた。アメリカはイスラム過激派と戦争中である。そういうなかで敵に不自然な同情心を持ち味方の政策に批判的な人間を国家警備に携わる大事な職につかせたまま監視もしていなかったというのはおかしくないか? しかもこの男は近々アフガニスタンに出動することになっていた。
以前にも2003年にクエートでイスラム教徒の米軍兵がアメリカ兵のテントに手榴弾を投げ込んで数人の同胞を殺害する事件があった。あの時も犯人の米兵は普段からイスラム過激派に同情的な態度をとり、それで度々上官ともぶつかっていたという事実が後で明らかにされた。にも関わらず犯人はイラクに出動する部隊に含まれていたのだ。
アメリカには第二次世界大戦中に民主党のルーズベルト大統領の命令で敵国の日本と血縁関係があるというだけで、日系人が強制収容されるという歴史上の汚点があるため、このような人種差別的人権迫害を二度と繰り返すまいという反省心がある。
無論単に人種が同じだというだけで差別されるような行為は許されるべきではないが、あからさまに敵に同情しているような人間を人権迫害になるからとか人種差別になるからとかいって国家機密を扱う軍隊で身元調査もせず監視もしていないというのはどう考えてもおかしい。ポリティカルコレクトネスもここまで来たら行き過ぎだ。
カカシは仕事柄しょっちゅう飛行機に乗るが、その度に脇に引かれて特別な取り調べを受ける。せっかくプレミアメンバーになって搭乗順番が先のほうでも、こうやっていつも時間を無駄にされるので全く意味がない。「なんで私が調査されるんですか」と聞くと「ランダムサーチです。」と言われる。ランダムとは無作為という意味だが、なんで無作為捜査にカカシがいつも選ばれるのか不思議でしょうがない。
しかし、カカシのようなどうみてもテロリストに見えない人間をランダムに調査するのは正直言って時間の無駄遣いだ。この間など警備員が開けろといった箱にはカカシのハイヒールが三足はいっていただけ。こんな私が調査を受けている間にイスラム系の名前で変な目つきの若い男達が素通りするのはおかしくないか? 
だが、アメリカの空港で警備を担当するTSP職員には、特定のグループだけを捜査するというプロファイリングは人権迫害になるという理由で禁止されている。以前にも空港で不審な行為をしていたイスラム教のイマーム達を当局に通報した乗客が反対にイマーム達から人権迫害だかなんだかで訴えられた事件があったが、(最近あの訴訟は示談になった)明らかに怪しげな行為をしている人間ですらも、ポリティカルコレクトネスが邪魔をして通報もできない、捜査対象にもならないとなったら、アメリカは国家警備をどうやって施行するのだ?そしてそんなアメリカの馬鹿げたPC方針をテロリストが悪用しないなどと誰が信じる?
今回の事件が独立したものであったのかどうかまだ詳細は解らない。だが、アメリカ各地の基地で、テロリストたちにそそのかされた若者が次の大量殺人を目指してテロの機会を伺っていないと誰が言えるだろう?いや、敵がアメリカのPCをいいことに現役兵をリクルートしていないと考える方が不自然だ。
本来ならば、これを機に基地内に出入りするイスラム教徒や過激派思想に同情的な人員の調査や監視を厳しくすべきだ。だが、事なかれ主義のオバマ王が大統領ではそれも望めたものではない。
アメリカでテロを防ぎたいならば、プロファイリングは必要だ!


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苺畑カカシは人種差別者、という汚名を拭うために

昨日私は日本の保守派の間に存在する人種差別について書いたばっかりだった。それが偶然なことに、「苺畑より」のリファーラルを辿っていたら、リンクもつけずにカカシを「真性なレイシスト(人種差別者)」と批判しているブログを見つけてしまった。
Gaspard de la nuitというブログの著者maximam357(略してマキシムと呼ばせてもらう)は、カカシを無関係なところで、しかもカカシが書いてもいない内容を鍵括弧に入れて、あたかもカカシが生粋の人種差別者であるかのように書いている。ミスター苺は、リベラルの連中は保守派を人種差別者扱いするくらいしか能がないんだから放っておけというが、ちょっときになることがあるので書いておこう。
マキシムのエントリーでカカシが引き合いに出されたのは、オーストラリアでフィリピン人が日本人と間違われて白人のオーストラリア人に殴り殺されたという事件について、それに怒る日本の保守派は彼ら自身が人種差別者なのだから批判する権利などないだろうという主旨のもの。
そこで、マキシムはユアーストゥルーリー苺畑カカシが人種差別者でアンチ移民の保守派の典型的な例ということで引き合いに出している。

確かに酷いしあらゆる意味で「オージー馬鹿じゃないの?」と言う話に違いは無いが、此処で、我が国のネット雀連中が「それを言う資格」があったか・・・と言うと実は微妙な気もするんだよね。

…そのオージーの低脳な人種差別っぷりの代名詞とも言えるクロナラ暴動(ヨルダン系移民の人々を極右白人集団が襲撃して回った)はネットで紹介されて有名だけど、古森のオッサン御推奨ブロガーの苺畑カカシ姉さんなんかは、このクロナラ暴動全面支持で、「アラブ移民をブチ殺して清浄な白人のオーストラリアを取り戻そうとする愛国者」と言うトーンでオージーを礼賛してた訳なんだけどね(苦笑)
そして、移民・ガイコクジン参政権反対の絡みで、その苺畑女史のヒステリックな「反移民」論をさんざん援用してたのもネット雀の皆さんじゃあなかったのかいな?(苦笑)
そりゃまあ、確かに日本に「大量移民」とか「ガイコクジン参政権」が良いかっていやあ、「少なくとも現状の日本では時期尚早」と言う意見は解るし、内容に関しては納得する事も多い。
けど、苺畑さんみたいな真性レイシストを援用してどーするのよ、そこで(苦笑)

他人をレイシスト呼ばわりする割には、マキシムのオーストラリア人に対する人種差別偏見が満ち満ちているこの文章は読んでてかなり気色悪い。
クロナラビーチでの暴動は「ヨルダン系移民の人々を極右白人集団が襲撃して回った」という説明は正しくない。当ブログでも何度となく紹介しているように、イスラム系移民(特にレバノンやヨルダン経由のパレスチナ人)による暴挙は他のヨーロッパ諸国でも深刻な問題になっている。オーストラリアでもイスラム系移民による犯罪は手の付けられない状態となっている。イスラム系移民に集団暴行を受けた女性に対し、悪名高いオーストラリアのイスラム師教がバーカを着ていない女は、布巾のかかっていない肉のようなもので強姦されても自業自得だなどと平気で言うような背景がすでにあった。
特にクロナラビーチではこの暴動が起きる以前にも何度も地元の人々がイスラム暴徒によって暴行を受けていた。浜辺には「ここは俺たちのビーチだ、オーストラリア人は来るな」というような看板まで張られていた。ついに度重なる暴挙に耐えきれなくなった地元白人達の怒りが爆発した形であのような暴動が起きたのだ。単に平和に浜辺で甲羅干しをしていた移民が白人崇拝主義の白人達に一方的に暴行を受けたというような単純な事件ではない。
カカシがクロナラビーチの暴動について書いたのは、2006年の12月、オーストラリアのクロナラビーチで行われるはずだったビキニマーチが、イスラム教過激派の脅迫にあって中止されてしまったという話をする際、その背景にあった一年前の暴動について説明する必要があったからである。

このビキニマーチの執行日はもともと12月9日に予定されていたが、これはシドニーのCronulla海岸でおきた暴動からちょうど一年目にあたる週末だったのである。一般にCronulla riot と呼ばれる暴動のきっかけとなったのは去年12月に浜辺を歩いていたカップルがイスラム系の十数人に襲われたことから始まる。その数日後、同じ砂浜でサッカーをしていたイスラム系青年数人に注意をした救命隊員がやはり十数人のイスラム系若者に襲われるという事件があった。それまでにも何度かイスラム系の若者によって海岸を訪れる人々が嫌がらせを受けていたようだが、この二つの事件で地元白人の堪忍袋の緒が切れたのかもしれない。

トークラジオのDJやブロガーなどが浜辺を取り戻そうと呼びかけたことから、12月11日、Cronulla海岸には5000人の白人の若者が集まった。 最初のうちは単にお祭り騒ぎをしていただけだった若者たちは、一人のアラブ系男性が数人の白人男性に追いかけられて近くのホテルに逃げこんだのを皮切りに浜辺にいたアラブ系と見られる人々を次々に襲った。若者たちは駆け付けた警察官や救急隊員などにもビールの空き缶を投げ付けるなどの暴行を行い、数人が逮捕された。
その晩から数日後の15日にいたるまで、今度はイスラム系の若者が復讐のため町にくり出し、商店を破損させたり行き交う人々に襲いかかったりした。キリスト教の小学校に銃弾が打ち込まれ、最後にはキリスト協会が4つも焼かれてしまった。

私は暴動という行為自体を正当化するつもりはない。そういうことを意識してこの話を書いたわけでもない。ただ、このような暴動が起きるまでにはそれなりの理由があった。オーストラリア政府がイスラム移民の犯罪をきちんと取り締まり、地元市民の安全を保証していれば、このような暴動は防げただろう。フランスで何週間も続いたイスラム系移民たちによる大暴動を考えると、クロナラビーチの地元民の不満が爆発した理由も理解できる。そういう面では私がこの暴動を正当化したといわれれば、それはそうかもしれない。
だが、犯罪を起こす移民の行為を批判し、政府がそれらの人々を厳しく取り締まるべきだという主張と、移民は全面的に排斥すべきだと言う主張は全く別だ。当ブログを長年ご愛読くださっている読者諸君ならご存知のことだが、カカシは移民に反対などころか、日本にしろアメリカにしろ移民は多いに受け入れるべきだと主張してきた。但し、移民の受け入れ態勢をしっかり整えた上でのことで、という条件付きで。国籍法改正についてのこのエントリーなどがそのいい例。

実を言うと移民問題はカカシにとっては他人ごとではない。何故ならば、カカシ自身が1980年代にアメリカに移住し、その10年後にアメリカ国籍を取得した移民だからである。カカシのアメリカにおける移民法に関する意見は以前移民問題を装う人種差別移民法改正案阻止が共和党の崩壊へとつながる可能性でも述べているが、カカシは移民に対して非常に同情的な立場にあるということを読者の皆様にご理解願いたい。(中略)
しかし私は、国籍法などという末端のことを議論する前に、日本社会は今後移民の受け入れをどのように行って行くつもりなのか、その方針をはっきりさせことの方が大切だと考える。
本人達が意識していなくても移民の受け入れを拒絶する保守派の間には、アメリカでも日本でも他人種迫害の差別意識が少なからず働いている。彼らが明らかな人種差別者であると言っているのではない。だがよそ者には近所に住んでほしくないという気持ちがあることは否定出来ない。
かといって、外国人が無制限に入ってくる事実は治安上も文化上も決して好ましい状態ではない。現に外国人による犯罪は日本でもアメリカでも地元民の犯す犯罪よりも凶悪で頻度は高い。また地元の文化を尊重せず外国の野蛮な文化を身勝手に持ち込む外国人移民による文化の粗悪化も決して無視できない事実である。
しかし、少子化の進む日本において、外国人労働者は必要不可欠。日本人だけでは日本社会はもう成り立たない状態である以上、外国人をやたらに閉め出すやり方では違法移民を増やすだけで何の解決にもならない。
大切なのは、日本の文化を保ちつつ外国人を受け入れる均衡の取れた移民法を作り出すことだ。それには、移住してくる外国人がなるべく早く日本社会に融合してもらえるような体制を日本は整える必要がある。
外人は嫌いだという阻害的な姿勢で、移民を一定地域に隔離して、一般市民とは異なった扱いをしたりすると、今、ヨーロッパ諸国で起きているモスレム移民問題のようなことが起きてしまう。ホストカントリーが自分たちの面倒を見てくれないから、自分たちで仲間を守るという気持ちから、かえって過激な思想が生まれてしまう。

マキシムの口ぶりから言って、彼は私のブログを一度も読んだことはなく、他の人たちが私の書いたエントリーの一部を引用して意見を述べているものを、私の主張と勘違いしたものと思われる。私は人権擁護法には反対だし、外国人参政権にも反対だ。だからそういう意見の保守派の人が私のブログから引用したとしても不思議でもなんでもない。ただ、私の文章を引用した人の意見は必ずしも私の意見と全面的に一致するとは限らないので、その辺を間違えないでもらいたい。
マキシムの読者は多分リベラルだろうから、保守派の私が何を言おうと興味はないだろうが、ま、一応間違いはただしておきたかった。
アップデート:マキシムから返答があったので張っておく。

イラッシャイマセ(笑)御高名はかねがね(苦笑)
自覚なきことは恐ろしい、と言う教訓を改めて頂きました。
貴女ほど優れた反面教師を小生は他にそうは存じ上げません(平伏)
本当、勉強させて頂いてますよ(笑)コモリ氏と言い、貴女と言い…
レッテル貼りと言えば、小生をいきなりリベラル呼ぱわりもレッテル貼りといえばそうですよ?そこらの似非ホシュなんかよりずっと保守派のつもりなんですから(苦笑)
まあ、おきばりやす。ぶぶ漬けでもいかがどすか?(笑)
ま、「人種差別主義者が反移民とは限らず」「移民反対論者が人種差別主義者とも限らない」って事でしょう(苦笑)
カカシ女史は前者、と言う事でよろしいんじゃあないでしょうかしら(苦笑)
日本における『移民反対論』にレイシズム的面が存在することは確かですが、しかし「移民に反対する事」自体は別に人種差別でもなんでもないですよ。制度的・文化的にお互い敬意を払いたいけど国の実情にあわないからお互い「親しき仲にも礼儀あり」で「ホモじゃないんだし男(女)同士で同衾するのはやめましょうよ?」と言ってるだけ、って事もありますしね(苦笑)
小生も「今の日本に移民は時期尚早」と言う立場ですしね。
逆に、一方的にヨルダン移民の人々・モスリム移民に対するネガティブな印象操作に狂奔なさる人こそ、「移民賛成であろうが人種差別・イスラムフォビア」と言われてもシャー無いんじゃないっすかぁ?(苦笑)
大抵の人種差別主義者は「あいつらの方が悪いんだ!俺達は悪くない」って言いますしね。と言うより「汚名」だと言う認識がおありとは驚きですよ(嘲)それだけコテコテの民族憎悪にとりつかれてらっしゃるヒトがぁ(笑)
世界の驚異ですね(笑)
あ、小生は「移民反対論者でメールショーでレイシスト」ですよ?多分ね(笑)
そこ等のひ弱な根性の自称ホシュよりずっと日本保守!を自認してますし(苦笑)


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テキサス陸軍基地での大量殺人がテロだったらどうする?

本日テキサス州のフォート・フッド陸軍基地で乱射事件が発生。12人が死亡31人が怪我を負うという大事件が発生した。当初射殺されたと報道された犯人はどうやら生き残ったようで、その犯人像がはっきりしてくるにつれ、非常に戸惑う事件展開となっている。

11月6日10時12分配信 CNN.co.jp
捜査当局がCNNに語ったところによると、容疑者は精神科医の資格を持つニダル・マリク・ハサン少佐(39)と特定された。

軍報道官らによると、ハサン少佐は同日午後1時半(日本時間6日午前4時半)ごろ、イラク派遣兵士らの手続き、訓練センターとなっているスポーツ施設で、けん銃2丁を乱射した。施設内では、派遣予定の兵士らが書類記入などを行っていた。警察は共犯の疑いで兵士2人を拘束したが、その後釈放。さらに別の1人を拘束して事情を聴いているという。
ハサン少佐は同基地内の軍病院で精神科医を務めていた。地元CNN系列局が同州選出のハチソン上院議員の話として伝えたところによると、同少佐は近くイラクへ派遣されることが決まり、動揺していたとされる。
フォート・フッド基地は兵士4万人を擁する国内最大の陸軍基地。オバマ大統領は事件の知らせを受け、「恐ろしい悲劇だ」との声明を発表。犠牲者らに哀悼の意を表した。

少佐のハサンという名前からも察しがつくように、この兵士はイスラム教徒。しかもAPニュースによると、6ヶ月くらい前からインターネットのサイトに自爆テロ行為は自らを犠牲にして手榴弾の前に身を投げて同胞を救う兵士と同等だというような内容も含め、親イスラム反米的な意見を書き連ねていたらしく、捜査当局の注意を引いていたという。だが、まだ正式な捜査対象にはなっていなかったようだ。
ハサン少佐と一緒に働いたことのある退役軍人テリー・リー氏がフォックスニュースで語ったところに寄ると、ハサンはオバマ大統領がアフガニスタンとイラクから撤退することを望んでおり、よく戦争を支持する他の兵士達と口争いをしていたという。そして自分のアフガニスタンへの出動をなんとか阻止しようとしていたそうだ。
ハサンはまた陸軍制服のままで聖廟によく通っていたという。メリーランド州のシルバースプリングの聖廟のファイズル・カーン師によると、ハサンは昔からの敬虔なイスラム教徒だったが、兵士としての責務にも忠実だったという。
同聖廟において妻を求める書類には、ハサンは生まれはバージニア州アーリントン市としながらも、国籍はパレスチナと記入したという。
「なぜパレスチナ人と書いたのか解りません。彼はパレスチナ生まれではありません。」カーン師はハサンが過激派イスラム教という印象はなかったとし、聖廟でも問題になるような話はしなかったという。ハサンは2008年の4月に少佐に昇進する前、8年間下士官として陸軍で努めている。またバージニアテック大学時代にはROTCという陸軍学生予備軍にも所属しており、1997年に生物化学の学士を取得している。
この背景を聞いているだけでも、このハサンという男、かなり問題がある兵士だと言える。今現在アメリカはイスラム過激派と戦争状態にある。そういう時にイスラム国家に派遣される兵士のなかに敵に新派的な同情心を持っている人間を放置しておいていいはずがない。何故陸軍はもっと積極的にこの男の身元を調べなかったのだろう?
もっともアメリカではプロファイリングといって怪しげな人間の捜査などやたらに行うと、人権迫害だのなんだのといってイスラム市民団体や人権団体と称する左翼過激派から訴訟を起こされかねない。軍隊は結構保守的な場所だという印象があるかもしれないが、軍隊ほど回りからの批判に敏感に反応する組織もないのではないかと思う。だから軍ではハサン少佐の行動はおかしいと気がついていても何も出来なかったのかもしれない。
この事件の詳細がまだはっきりしていないなか、オバマ政権の高官はこれはテロ行為ではないと発表した。はっきり言ってこれがテロか単なる気違いの犯罪行為なのか今の段階で判断することなど出来ないはずだ。それをいちはやくテロではないと断言するところをみると、オバマ王はなんとしてもこの事件を国内に置けるテロ行為であるとは認めたくないとみえる。
それもそのはず、911以後、ブッシュ時代にアメリカ国内でテロ行為は一度も起きなかった。計画が途中で暴露され未遂に終わった事件はいくつもあったが、実際にアメリカ人の殺害に成功したこと事件は一度もなかったのである。それがオバマの代になったらテロ行為が起きたとなればこれは大問題。
だが、もし本当にこれがテロ行為だったとしたら、そしてこれが単にハサン単独の行為ではなく、アメリカ各地の基地で次々に計画されている大掛かりな陰謀だったとしたら、オバマ王はいったいどうするつもりなのだろうか?
カカシはちょっと前にアメリカの公共施設での警備が薄くなったように思えると書いた。今回の事件とあの施設での警備の薄さは、偶然ではないと感じるのはカカシの被害妄想だろうか?


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ハローウィーン騒ぎ、ちょっと気になった日本保守派の人種差別

ハローウィーンといえば、アメリカでは子供達が仮装して近所の家を”Trick or treat”といいながら訪問し、お菓子をおねだりする習慣がある。お菓子をくれないケチな家にはトイレットペーパーを投げるなどしていたずらをするという暗黙の了解があるが、大抵の家ではお菓子を用意してあるので、まあそういういたずらはあまり見られない。
ハローウィーンとは、「諸聖人の祝日前夜」という意味で”All hallow’s Eve”が短縮されたものだというのが言語由来だ。ま、もともとは基督教のお祭りで、この日はご先祖様の霊やそれに混じって悪霊が舞い戻っていたずらをするという迷信があり、日本でいったらお盆のようなものだ。
しかしアメリカでは、そういう宗教的な意味合いはとっくの昔に失われており、今や大人達がどんちゃん騒ぎをするいい口実になっていて、あちこちで仮装パーティや仮装行列が行われたりしている。私もハワイのワイキキに泊まっていた同僚がカルカウア通りに繰り出した大勢の仮装した男女の写真を自分のフェイスブックサイトにアップしたのを見たばかり。
さて、ここ数年、この大人によるハローウィーンのお祭り騒ぎが日本にも輸出されたようで、日本では仮装パーティならぬ、仮装した男女による地下鉄乗車が流行っているらしい。多分最初は日本に住む外国人たちが余興で始めたことなのだろうが、最近では日本人も加わってかなりきわどい格好で地下鉄電車に乗り込んでいるようだ。
これを忌々しく思ったのが日本の保守派諸氏。なんとメガホンとプラカード持参でハローウィーン仮装乗客に抗議をしに出かけたというのだから極端。
その抗議の模様を掲載した、とある保守派サイトをみていて私はちょっと嫌な気がした。それは、抗議をしている人たちが持っている看板に「日本人にハローウィーンは必要ない」と英語と日本語で書かれているものの他に、「白人キリスト教徒による日本侵略を許すな」と書かれた看板が目についたからだ。
はっきり言ってカカシとしては、きわどい衣装を着て電車に乗ってる若い男女を見るよりも、駅の構内で中年のおっさん連中がメガホンで「ハローウィーン粉砕」などと野暮なことをガ鳴り立てている方がよっぽども迷惑。日本の法律を破っていない限り、どんな服装で電車に乗ろうと余計なお世話ではないか。それが電車の中で飲酒したり法律で禁じられている破廉恥行為に至るようなことがあれば、それはそれで警察が取り締まるべきではあるが、単におもしろい格好で電車に乗っているというだけなら、一年に一度のことだし、別にそれほど眉をひそめるほどのことではないと思う。
それよりも、そういうことを口実に他人種や異教徒を迫害するような行為をすることのほうがよっぽども問題ではないだろうか。
日本では宗教の自由は保証されているはずだ。地下鉄に乗り込む若者たちが宗教活動としてこのようなことをしているとは考えられないが、仮に抗議者が言うように、これがキリスト教の宗教活動の一部だと解釈するならば、それこそこの行為は保証されるべきで迫害されるべきではない。
抗議者たちの目的は、単に破廉恥な格好で電車に乗り込むお祭り騒ぎを止めさせたいだけなのか、それとも日本に住む「白人のキリスト教徒」を迫害したいのか、どっちなのだ?はっきり言ってこれなら、スカーフをしていない女性になぐりかかるイスラム過激派と全く変わりがない。
私はずっと、一部の日本の保守派の間にある人種差別的な要素には不信感を持っていた。アメリカの保守派の間でも違法移民を嫌う風潮があるが、単に国土安全の心配からくるものなのか、それとも外国人に対する人種差別からくるものなのか、混乱しているひとたちがかなり居る。
私のブログの読者の皆様は、私がやたらに人権を振り回すリベラルではないことは充分ご承知のはず。その私が「人種差別」や「人権擁護」という言葉を使う時は、けっして軽々しい意味で言うのではない。
リベラル連中が、やたらとこれらの言葉を振り回し、自分たちの都合のいい時に「人種差別だ!」「人権迫害だ!」とやるので、その意味が薄れてしまったことは非情に忌々しいばかりなのだが、一部の保守派の人々によるあからさまな人種差別や外国人排斥行為を見ていると、これらの人々は決して日本の保守派思想推進に役立っていない。
こういう人種差別行為が、「人権」という言葉を振り回すリベラルに、保守派を攻撃する格好の武器を与えてしまうのだと私は思う。
これは以前にも「人種差別の汚名を着ないために」というエントリーで書いたことなのだが、ここでもう一度強調しておきたい。一部抜粋するつもりだったが短いので全文掲載しておく。

人権擁護法反対の勢いが日本の右翼ブログの増してきているが、それらのブログ及びコメント欄を読んでいてちょっと心配になることがある。人権擁護法は確かに悪法であり、差別意識の「サ」の字もないような善良な市民がこの法律によって迫害される可能性は多大にある。しかしながら、この法律を反対する人たちのなかにこのような法律を正当化してしまうようなあからさまな差別意識を持っている人々がいることも否めない。

我々人権擁護法反対派が本気でこの法律の阻止を望むのであれば、断固として人種(および性別年齢並びに国籍)差別者を拒絶すべきである。例えば中国及び東南アジア諸国からの違法移民や外国人暴力団員などへの批判は当然だが、何世代にも渡って日本に住み着いている在日合法外国人をこれらの違法移民や犯罪者と同等に扱うべきではない。また合法に就労許可を持っている外国人への差別も決して容認されてはならない。
我々が容認できないとする外国人は、日本国内に違法に滞在し日本の法律を犯している外国人のみにしぼられるべきである。そしてその批判の理由は彼等が犯罪者であるからであり、彼等が異人種であるとか外国人であるからという理由からではないことを明確にしなければならない。
であるから、日本にいる「支那人や半島人は国外追放せよ」とか、「ユダ公の陰謀に騙されるな」とかいう発言は「苺畑より」においては完全に拒絶することを明確にしておく。
このような発言は人権擁護法を悪用しようとする左翼連中の「右翼や保守派は人種差別者のあつまりである」というステレオタイプにきっちりはまってしまう。
人権擁護法を阻止したいのであれば、法支持者の立場を正当化するような差別意識は断固拒絶しなければならない。相手側に法律の必要性の大義を与えるような行動を反対派は絶対にとってはいけない。差別意識が存在しなければ擁護法など必要ないのだ。そのことを人権擁護法反対派の我々は肝に銘じておく必要がある。


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保守派が健闘した火曜日の米地方選挙

昨日の火曜日はアメリカ各地で選挙があった。そのなかでも特に注目を浴びていたのが、空席になったニューヨーク州23地区の下院議員特別選挙。久しぶりに共和党候補が優勢になったニュージャージー州とバージニア州の知事選。それからメイン州での同性結婚などである。
何故、ニューヨーク23地区の特別選挙が話題になったのかというと、前任の共和党のジョン・マックヒュー議員が陸軍長官に任命され空席になった席の後がまとして、地元の共和党委員会が共和党員とは言い難いほどリベラルなディーディ・スコズィファバを候補に上げた。このことに激怒した地元保守派共和党員たちは、党のお偉方に反旗を翻し、保守派無所属候補としてダグ・ホフマンという無名のビジネスマンを候補にあげていたからだ。
保守派運動家の勢力はすさまじく、選挙運動中からスコズィファバの人気は急落し、彼女は選挙前に候補から脱落。結局民主党候補のビル・オーウェンズと保守派候補のダグ・ホフマンの一騎打ちとなり、接戦の末残念ながらオーウェンズが勝ったようだ。
結果的に民主党が勝ったとはいえ、ニューヨークの共和党が圧倒的に保守派支持であることが顕著となったこの選挙。保守派の間で全国的な注目を浴びたという事実も否定できない。共和党上層部は今後リベラルな候補を上げる前に、共和党はかなり保守派になっているという事実をしっかり見極める必要がある。
ホフマン氏は今回は駄目だったが、全くの無名だったビジネスマンがほんの一ヶ月程度の間にここまで人気を得ることが出来たのだ。数ヶ月後に迫った次の通常選挙予選では公式に共和党の候補者となれるよう頑張っていただきたい。
負け戦はニューヨークだけで、バージニア州の知事戦は共和党ロバート・マクドネル氏の圧勝だった。なんとその差18%!カカシは8月9月とずっとバージニアに居たが、マクドネル氏の人気は大した物だった。また、もう十数年共和党を選んだことがないニュージャージー州で、もっとも腐敗した知事と言われていた現職のジョン・コーザイン知事を破って共和党のクリス・クリスティーがなんと5%差で当選。ミスター苺は昨日、3%以上の差で勝たないと、悪名高いニュージャージー民主党のいかさま勢力が働いて絶対に逆転負けすると言っていたのだが、さすがに5%の差となるといかさまも効かなかったらしい。
メイン州で同性結婚を認めるかどうかという投票では、53:47で認めないが圧勝した。これまでに31の州で同じような投票が行われたが、その度に州民に賛否を訪ねた場合には、州民から拒絶されるという結果となった。31回の選挙のうち31回とも拒絶。
メインといえば、ゲイの避暑地として有名なプロビンスタウンなどがあるくらいで、結構同性愛者には寛容な州。そんな州ですら同性結婚は拒否されたのだから、アメリカ人が同性結婚をどう思っているかを悟って、ゲイの方々も無駄な闘いは諦めてほしいものだ。
というわけで、今回の選挙は保守派がかなり健闘した。無論これは独裁者オバマ王にとっては良い結果とはいえない。ニューヨーク23区がかろうじて民主党に行ったとはいえ、大事なふたつの州を保守派共和党に取られたのはかなり痛いはず。来年の中間選挙が楽しみになってきた。
アップデート:産經新聞の古森さんもこのことについて書いているので、リンクを張っておきます。

ニュージャージー州での共和党の勝利はさらに大きな衝撃波を広げています。この州は元来、民主党が圧倒的に強い地域でした。しかも民主党の現職知事のジョン・コーザイン氏が共和党の新人クリス・クリスティ氏に負けたのです。

ニュージャージー州の知事選にはオバマ大統領自身が熱を入れ、最近だけでも5回もコーザイン知事応援の遊説に出かけていました。投票日の2日前の11月1日にもオバマ氏は州内各地を回っていました。しかし有権者はオバマ氏の支持する候補を拒否したのです。
この結果、オバマ政権は医療改革法案の希望どおりの推進がきわめて難しくなりました。民主党への批判の高まりに、民主党の連邦議員たちの多くが敏感に反応し、大統領の推すリベラル志向の法案には難色を示すようになるからです。


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