「冬の兵士」再び、米二等兵の軍隊バッシング

数日前、アメリカのニューリパブリック(TNR)という三流新聞にスコット・トーマスという仮名を使ったイラク駐留米兵によるものとされる「日記」が掲載された。三部に分けて掲載されたその日記に描かれた兵士らの行動は、路肩爆弾で顔に傷を負った女性を大声でからかった話や、大量埋葬地で見つかった子供の骸骨を頭に乗せて遊んでいる兵士、ブラッドリー戦車を乱暴に乗り回して野良犬を殺す悪趣味な兵士の話など、戦争犯罪に値するひどいものであった。(最後に日記の詳細を掲載するのでご参照のこと。)
このため現役や退役及び家族など軍関係の人々が書いているミルブログとよばれるブロガーたちの間で怒りが爆発。この話はねつ造だ、著者が本当はきっと偽兵士に違いない、TNRは真義を確かめもせず掲載したのか、本当にそんな事実があったのなら著者は仮名など使わず実名で正々堂々と名乗りを上げるべきだと、非難轟々の声があがった。そのなかでもあるブロガーは仲間のブロガーたちに、この著者の正体や日記の審議を確かめようとイラクに駐留したことのある軍人らに呼びかけた。
その結果、このスコット・トーマスSir Real Scott Thomasというブログを書いていたイラク駐留陸軍スコット・ビーチャム二等兵であることが判明した。間抜けなことにスコットは自分の本名のファーストネームのスコットとミドルネームのトーマスを仮名としてTNRの「日記」に使っていたのだからおかしい。しかも本人のブログに自分の連絡先まで明記されている。これについて陸軍の名簿を調べたある兵士によると、、

自分は現役の陸軍兵でイラク帰還兵であります。今スコット・トーマス・ビーチャムで陸軍名簿のウェッブサイトを検索してみました。それによると彼の階級は二等兵となっています。…

2006年9月のブログエントリーでは彼は自分の階級を一等兵と記述しています。ということはこの人間は軍隊規則の(Uniform Code of Military Jsutice)の15条に触れる罪を犯して少なくとも一階級格下げされたものと思われ、軍隊に恨みを持っていると考えられます。

格下げされたのか最初から嘘をついて階級を一つ上と偽っていたのかは解らないが、二等兵と言えば陸軍でも一番下っ端である。この男どうやらまったくうだつの上がらない陸軍兵のようだ。最初にビーチャムの日記が掲載された時、元陸軍特別部隊出身のミルブロガー,Black Fiveのジンボー親爺がこんなことを書いていた。

スコット・トーマスは嘘つきの糞野郎だ。どの部隊にもスコット・トーマスみてえな奴はいる。自分のすばらしい才能を誰も認めてくれない、自分は悪くないのにいつも上官から叱られていると文句ばかり言ってる奴だ。だから周りからは、ぐだぐだ文句ばっかいってないで黙って仕事しろと怒鳴られてばかりいるんだ。

ジンボー親爺は、こういう人間が軍隊をこき下ろすのは理解できるし、そういう話をメディアが鵜呑みしたとしても不思議でもなんでもないと語る。スコット・トーマスの正体が割れて、彼が2006年の9月に書いたこのエントリーを読んでみると、ジンボー親爺の分析がどれだけ正しかったかがわかる。(カカシ注:訳そうと思ったが句読点のない、ながったらしい文章なので、このまま訳したら訳が分からなくなる。仕方ないので意訳することにした。これで作家志望だというのだから驚くな。)

毎朝俺は起きる度に自分に言う。俺、スコット・ビーチャム、陸軍兵、ドイツ在住。これが俺の人生だ。俺は今日も糞みてえな扱いをされ、庭仕事や掃除だのをして、人殺しの訓練をする。この経験に耐えられなければ、俺がかつてもっていたもの、そして俺が外へ出てから持つだろう人生のありがたさが十分に理解できなかっただろう。俺が本当にしたいことは歴史を教えたり、寝転んだり、世界中飛び回って世界を修理することなんだ。…でもそれをするにはこの陸軍での経験を積んどかなきゃ出来ないんだ。俺が何をするにしても陸軍体験でハクをつけた後じゃなきゃだめなんだ。

ビーチャムは将来作家になりたいらしい。それでイラク帰還兵だということになれば、それなりにハクがつくからと陸軍に志願したらしいのだが、仕事が思った以上に辛くて毎日愚痴ばかり言ってるというわけだ。しかしビーチャムの所属隊も分かったことだし彼のこれまでの任務もすぐに明らかになることなので、彼のいうような体験を本当に彼がしているならば事実はそのうちハッキリするだろう。
ただ、ビーチャムの書いたようなことが本当に起きたのだとしたら、ビーチャムはその場にいた当事者であったにも関わらず同胞がこのような軍規約に触れる違法行為をしていたことを今まで黙っていたことになり、それ自体規約違反である。もし彼の話が本当ならこれらの事件に関わった人間はビーチャムも含めてすべて戦争犯罪者として罰せられるべきである。
だがもしこれがビーチャムによるただのでっちあげであったとしたら、現役兵隊が軍隊の活動を批判する政治意見を公の場で述べること自体が違法であるから、その罪で罰せられるべきである。とにかくこんな奴が大事なアメリカ軍のブラッドリーの修理に当たっているというのは非常に危険だ。早速最前線から取り除いて帰国させ、臭い飯でも食ってもらいたいものだ。
それにしても、自分の隊にこんな負け犬の非国民が混ざっていたことを知った所属隊の面々はいったいどんな気持ちだろうか?


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人気テレビ番組の反戦テーマで垣間みたアメリカの意外な素顔

私とミスター苺が好きで見ている番組にSo You Think You Can Dance?というダンス番組がある。意訳すると「あなたは踊れるつもり?」というような意味になるが、番組の構成は全国からオーディションを受けて受かった男女合計20人のセミプロダンサーが、毎週いろいろなジャンルの踊りに挑戦。水曜日に踊りを披露し木曜日に視聴者の電話投票によって一番票の少なかった男子と女子が毎週一人づつ取り除かれていき、最後の週に残った4人からチャンピオンが選ばれるというもの。
この人気番組において、昨日、木曜日の結果ショーで不思議なことが起きた。先ず審査委員の一人でもあり振り付け師でもあるミア・マイケルが水曜日に着ていた上着が米海兵隊の制服にそっくりであっただけでなく、階級を示す喪章が逆さまに縫い付けられていたことに対して長々と謝罪をした。どうやら視聴者の間から海兵隊員でもない人間が制服を着ているというだけでも失礼なのに、喪章を逆さまにつけるとは海兵隊をばかにするにもほどがあると苦情が寄せられたらしいのだ。
ミア・マイケルはファッションのつもりできていただけで、それが海兵隊をばかにする意味になるとは全然気が付かなかっ、無神経なことをして申し訳ないと誠意を込めて謝った。
それに続いて審査員長でプロデューサーでもあるナイジェル・リスコーは、ウエイド・ローブソン振り付けの水曜日の課題ダンスのテーマが「反戦」だったことについて、決して軍隊を侮辱する意味ではなかったと釈明。価値のある戦争が存在することは認める、あのダンスは特定の戦争への反対意見ではなかったのだ、しかし戦争に反対でも軍隊は応援することは出来るはずだ、第一平和を求めない市民がどこにいるだろうか、と問いかけた。ナイジェルの口調から平和を訴えかけてクレームがつくなどとは思ってもみなかったという彼の気持ちは明白だった。しかしウエイドは番組中に「テーマは反戦だ」とはっきり断言していたのを私は聞いたし、戦争中に反戦だと言えば今の戦争に反対してると取られて当たり前だ。
頭の悪い芸能人がリベラルであることはよくあることなので、ナイジェルや、ウエイド、そしてミアが反戦派のリベラルだったとしても別に不思議でもなんでもない。ミアのようにコンテンポラリーの振り付けをするような芸術家は案外世情には疎いので制服の意味を知らなかったというのも多分本当だろう。それに芸能界が何かにつけてリベラル思想を観客に押し付ける傾向は何も今始まったことではないので、水曜日の課題ダンスを観た時もそのテーマには苛立ちはしたが驚きはしなかった。ただ私は振り付け師としてのウエイドを高く買っていたので多少失望したし、これからも彼の振り付けを偏向なしにみることは出来ないだろう。
しかし私が驚いたのはウエイドの反戦テーマやミアの制服ではなく、それに対する視聴者の反応である。普通リベラルが自分の政治思想を明かにした場合、彼等はそれが一般的な認識だと思っているから特に説明の必要があるなどとは考えない。それが番組の冒頭に視聴者に謝罪したり釈明したりしなければならないと判断したということは、テレビ局にかなり多くの苦情が寄せられたのだと判断すべきだろう。
無論競争率の高いテレビ番組ではほんの一部の人からのクレームでも神経質になるのは当たり前なので、これだけで視聴者の政治的見解を理解できるとは私は思っていない。ただ、番組が終わってすぐ、私は番組のファンが集まる掲示板を覗いてみたのだが聞き慣れた反戦派連中の「ブッシュの嘘で人が死んだ!」「ナイジェルが謝る必要はない!」「言論の自由を守ろう」というような投稿に混じって、「自分の夫は海兵隊員だ。ミアの上着には頭にきた」とか「軍隊のおかげで君たちが好き勝手なことがいえるのだ、感謝しろ」といったような投稿も案外あったことに私はまたまた驚いてしまった。
下記の二つの投稿は問題の水曜日の放映があった直後、掲示板で「海兵隊への侮辱」というスレッドで200以上寄せられた海兵隊員たちからの典型的な苦情である。

自分は海兵隊の曹長であります。私はこの下らない番組はこれまで見たことはなかったのでありますが、たまたま観ていたらミアが海兵隊の青い正装用上着をきているのに気が付きました。我々がこの制服を着るためにはその権限を取得しなければならないのであります。それをミアは全国放送のテレビで着ていただけでなく、ボタンもかけず喪章を逆さまにつけて着ていたのです。今は70年代ではありません。自分も自分の同胞も我々のする仕事をからかうような真似はしないでいただきたいと存じます。ウィリアム曹長、米軍海兵隊

私は元海軍将校であり光栄にも海兵隊基地で仕事をした経験のあるものです。私もミアの上着は制服をきる特権を得た勇敢な海兵隊員に対する侮辱だと思います。テレビ局は謝るべきです。シャーマン大尉、米海軍退役

正直言って私はミアの上着が軍隊関係のパターンだなとは気が付いたが、それが海兵隊の正装だったとか、喪章が逆さまだなどということには全く気が付かなかった。しかし海兵隊員にしてみれば自分が苦労してあの制服を着る特権を得たのに、脳天気な振り付け師などにファッション感覚などで着てもらいたくないというのは本当だろう。それ自体は分かるのだが、そういう人たちがこの番組を見ていたという事実が興味深い。
さてそれとは別にウエイド・ローブソン振り付けで10人のダンサーが全く同じ踊りをしたダンスのテーマは「反戦」。それぞれのダンサーがピースマークのついたシャツを着て、背中に「平和」「希望」「忍耐」といったスローガンが書かれていた。踊り自体もウエイドとしてはかなり質の低いつまらないものだったが、私はミスター苺に「どうして、『勝利』『勇気』『名誉』てな言葉は出てこないのかしらね。」と話していたほど反戦色の濃すぎる内容だった。これに対しても苦情が殺到した。

…私は本日の過激な反戦メッセージにはとても失望しました。この番組のプロデューサーは我々が楽しみのために戦争をしているとでも思っているのでしょうか? 私たちは私たちの命のために戦っているのです。どうしてこんなことが分からないのでしょうか。…私の娘はこの番組の大ファンで、去年はデトロイトでツアーも観にいきました。今年もツアーに参加する予定でしたが、この「平和」ダンスを見て、お金は反戦番組を支持するために使うよりましな使い道があるだろうと考え直しました。アメリカに神のご加護を! 匿名主婦

面白いのは反戦派の何気ない行動が愛国者たちの反感を買うと、彼等はこぞって我々の反論は彼等の言論の自由を脅かすものだと批判することだ。リベラルや反戦派はまるでそれが常識でもあるかのようにブッシュ政権の悪口や反戦の意見を平気でどこでも言い出す。彼等は自分達がダンスコンテスト娯楽番組という全く政治見解の表明には適切でない場所で自分達の偏向した意見を我々に押し付ける自由は主張しても、何の関係もないところでいちいち侮辱される我々が反論する「言論の自由」は認めない。我々がもし彼等のあまりのリベラルな意見に反論すれば、「娯楽番組の掲示板で政治の話など持ち込むな」とこうである。自分達が不適当な場所で政治見解を注入したことなどおかまいなしだ。
アメリカメディアは70%のアメリカ人がイラク戦争に反対しているといい続けている。戦争がそんなに不人気なら反戦をテーマにしたダンスくらいで視聴者がいきり立つほどのこともないと普通は思うだろう。だが、たった30%でも視聴者は視聴者。視聴者の30%を失ってもかまわないと考えるテレビプロデューサーなど存在しない。特定の観客を対象にした地方劇場じゃあるまいし、色々な考えの視聴者が観ているのだということを番組側は考慮にいれるべきだっただろう。
それにしてもダンス番組のファンにこれほど軍関係の人や保守派の視聴者が多いと知って私としてはうれしい出来事だった。今後番組のプロデューサーは視聴者の多くが保守派であることを念頭に置いて政治見解の注入は極力避けてもらいたい。視聴者は家族だんらんでダンス番組を見る時くらい戦争のことなど忘れたいのだから。


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韓国はアフガニスタンへ増兵せよ!

韓国在住(だと思う)のアメリカ人のブログ、the Marmot’s Holeのロバート(Robert Koehler)によると、韓国のメディアはもしアフガニスタンでタリバンに捕われの身となっている韓国人宣教師23人(一人殺されていまは22人、8人が解放されたというニュースはガセネタだったおようだ)が殺されたなら、これはすべてアメリカのせいにするつもりらしい。
韓国のメディアのいい分は、アフガニスタン政府がタリバンとの人質交換交渉に応じない理由は西側、、つまりアメリカとその忠犬イギリスから圧力がかかっているからだというものだ。なにしろアフガニスタンは外国からの資金援助を非常に必要としているため、ハミッド・カルザイ首相はアメリカや連合軍に遠慮しているというのである。つまり全てアメリカが悪いという結論だ。
しかしロバートはカルザイ首相が交渉に消極的な理由はほかにあると指摘する。それは韓国政府がアフガニスタン政府に影響を及ぼせるほど、アフガニスタン戦争に貢献してきていないということにある。

ヨンハップ紙は考慮にいれていないが、カブールがタリバンの要求を無視しているのは a) 誘拐を利益のある商売にしたくないということもあるが、それよりも b) 韓国の対タリバン戦争における貢献はゼロに近いということがある。たかが200人の非戦闘員、しかも今年末にはそれすら撤退することになっている。囚人たちは解放されればその足で学校や病院やその他のインフラを破壊し、アフガン市民を殺しやアフガン軍および同盟軍を攻撃しはじめるに違いない敵である。そんな危険な敵をアフガン政府が入国すべきでないのに無責任に入国して違法ともとれる好ましくない活動(キリスト教の布教)をしていた人たちを救うために解放する理由など全くない。今年のはじめアフガニスタン政府がイタリア人記者を救うために5人のタリバンテロリストを解放したのは、カルザイやブッシュの真心からの行動などではない。アフガニスタン政府がそうしたのはイタリアから2000人の兵を即撤退させると脅かされたからである。影響力とは稼ぐものだ。残念ながらソウルはそれを全くしていない。

では韓国はどうすればいいのだろうか?ロバートは韓国はアメリカを責める暇があったら、アフガニスタンから200足らずの非戦闘員を撤退させるなどといってないで、反対に数千人の兵を治安維持や警察官として派遣すべきだという。韓国がアフガン政府に多少でも幅をきかせたいとおもうのであれば、その権限は稼がねばならない。無論そのような行為はタリバンを怒らせ、人質は皆殺しにされてしまうかもしれない。だが、アフガン政府が交渉に応じない以上、何もしなくても人質の運命にはあまり希望は持てない。
しかし韓国が誘拐や脅迫に怯まず力で応答すれば、すくなくともタリバン及び全世界に韓国は馬鹿にできないと分からせることが出来る。なにしろアフガニスタンにはまだ150人からの韓国人宣教師やボランティアが活動しているのである。将来韓国人の拉致を防ぐ意味でも、韓国は今、断固たる姿勢をとり腰抜けではない姿をタリバンに見せつけておく必要がある。


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アメリカ公共放送から閉め出された穏健派イスラム教徒の訴え

アメリカにはPublic Broadcast System (PBS)という公共放送ネットワークがある。これは日本のNHKとは違って視聴料は見たい人だけが払うことになっているが、ケーブルなどと違って払っても払わなくても受信できるため、ただ観をしてる人が結構いる。私も昔はよく観ていたので一時期受信料を払っていたが、その政治的に左より偏向に嫌気がさして「協会を止めろ!」というカトリック教会バッシングのドキュメンタリーを最後にほとんど観なくなっていた。
さて、そのPBSがAmerica at the Crossroads(岐路を迎えたアメリカ)というドキュメンタリーシリーズで、イスラム教を特集する企画がありMoslims Aginst Jihad(聖戦に立ち向かうイスラム教徒たち)という二部作もその一部として制作された。ところがその編集段階に入ると、その内容がイスラム教に対して批判的過ぎるという理由で何度もPBSからクレームがつき編集につぐ編集がおこなわれた。しかしPBSはそれでも満足せず、もともとのメッセージがかわってしまうほどになったため、制作者はこれ以上の変更はできないと主張すると、PBSはシリーズの一部としての報道は拒否するという結果となった。私はクロスロードの一連のシリーズをみたわけではないのだが、どれもこれもイスラム教に同情的なものばかりだったという話である。
制作者のフランク・ギャフィー氏とマーティン・バーク氏(Frank Gaffney and Martyn Burke)はここ数カ月の間、右翼系のラジオ番組やブログなどを使っていかにPBSが不均衡な番組つくりをしているかを批判しながら、同時にこのドキュメンタリーを放映してくれる放送局を探していた。その努力の甲斐あって「公平で均衡」をうたい文句としているフォックスニュースチャンネル(FNC)が「PBSに閉め出された番組!」と完全に挑戦的な姿勢で先週の土曜日と日曜日に二部作の後編一時間を放映した。(前編のIslam vs Islamイスラム対イスラム、は当初予定されていた全国放映ではなくPBSオレゴン局のみで放映となった。)
このドキュメンタリーでは、欧米に移住したイスラム教移民たちの間で、地元の法律とは全く相容れない厳しいイスラム法が多くのイスラム教徒(特に女性)を虐待しているというもので、イスラム教えを守りながら欧米社会で生き抜こうとする穏健派イスラム教徒の苦労が描かれている。
ドキュメンタリーのなかでは、イスラム過激派が信者に強要する「名誉殺人」が取り上げられているが、デンマークでイスラム教徒でない男性とかけおちした若い女性が実の兄弟に殺された話や、夫との離婚を望む妹を実の父親から殺せと命じられ、それを拒んだ兄が父のやとったチンピラに半殺しの目にあった話などが描かれている。
またカナダやアメリカで発覚したテロ未遂事件なども、ヨーロッパの各地で聖廟やインタネットで聖戦主義の過激な教えに洗脳された若者たちの仕業だったことなどが暴露されている。完全に西洋化していたデンマークのイスラム系移民女性はデンマーク生まれの息子が過激派に感化されイラクへ行って戦いアメリカ軍に取り押さえられたことを「自分の息子とは信じられない」と嘆いている図は悲劇的である。
そんななか、このドキュメンタリーはフランス生まれのイスラム系ヒップホップ歌手が過激派イスラム教徒に聖戦のために警察署を爆破しろと命じられたりイスラム教のために音楽をあきらめろと言われて聖戦主義を見限ったという話をする。ドキュメンタリーはこの若者が音楽を通じてイスラム教が本来あるべき姿をフランスの若者たちに訴えているという希望的な旋律で終わる。
こういう番組を閉め出したアメリカの公共放送とはいったいどういうものなのだろうか?リベラルな思想を持つならこれだけ弾圧的な聖戦主義は真っ向から反対するのが道理というものではないだろうか。それがイスラム教過激派と一緒になって穏健派を黙らせようとするPBSとは自由の国アメリカの風上にもおけない放送局。
ハッキリ言ってアメリカのリベラルがいくらアメリカ保守派に対抗するためとはいえ、過激派イスラム教徒と手をくむということ自体どっかおかしい。回教の厳しい規制がもしアメリカで実施されたならば一番最初に苦しむのはリベラルだ。
リベラルが謳歌しているセックスと暴力に満ちたハリウッド映画や歌謡曲も、同性愛者が幅をきかすファッション界など、シャリア法の下ではすべて廃止されるのだ。これらに関わった人々はみな生き埋めだの投石の刑に処されるのだ。どうしてそんな宗派を支持しそれに立ち向かう人々を黙殺するのか?
私には不思議でしょうがない。


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米軍隊志願兵が減っているという嘘

先日アメリカ軍に志願する黒人の若者の数が減っているという記事を読んだ。(下記は24日付けのAPより)

WASHINGTON (AP) – 黒人のなかで軍隊に志願する人の数が最近極端にへり、アフガニスタン・イラク戦争が始まって以来三割以上の減少となった。他の仕事への可能性が急増しまた親戚などから志願を止められることが多いのが原因だ。
APが取得した統計によると志願者は四つすべての正規軍で減っており、州兵、予備軍になるとその数は劇的な落下をみせている。
この調査結果は(二つの)戦争への不人気が増えていることを反映しており、特に家族やほかの大人たちが軍隊志願を考えている高校生や大学生に(軍隊よりも)教養を高めるかキャリアを目指すべきという意見が影響を与えていると思われる。

ペンタゴンの統計によると2001年には51,500人が正規軍に志願したとある。しかしその数は2006年には32,000人と38%の減少となった。

この記事を読んでいて先ず最初にわき起こる疑問は「黒人の志願兵が減っているというが、白人やその他の人種の志願兵も減っているのだろうか?」というものだろう。で、この記事には書かれていないが、いやこの記事には書かれていないからこそ、他の人種の志願数は減っていないとほぼ確信できる。反戦偏向丸出しのAPが米軍の志願兵の数が全体的に減っていたらその事実を記載しないはずがないからである。
イラク戦争が始まって以来、アメリカの主流メディアが何度も何度も繰り返してきた嘘に、アメリカ軍人の間で戦争は不人気であり士気が落ちているというものがある。だが実際に現役軍人たちに直接「イラク戦争について士気は高いか?」などというアンケートをとれば「高い」という答えが圧倒的にかえってくることが分かり切っているため、志願兵が減っているという二次的な現象を報道することで軍人の間で戦争は不人気という世論操作に余念がないのである。
さてそうなってくると実際にアメリカ軍の志願兵はどうなっているのかという話をせねば片手落ちだろう。 The Countervailing Force6月12日付けワシントンポストに載ったこの記事を紹介している。

陸軍五月の志願兵目標数に満たず。二年ぶりに最初の大幅減少。

昨日公開された統計によると海軍、海兵隊、空軍は五月の志願兵ゴールを超えたが、陸軍と空軍の州兵隊はゴールに満たなかったことが明らかになった。
陸軍は5,101 の志願兵を得た。これは目標数の5,500に満たない数であるが、2006年10月1日に始まり2007年9月30日に終わる今年度中の目標である8万人は満たせそうだとある。
「五月は歴史的にいって志願には難かしい月なんです。」と陸軍報道官のアン・エッジコム少佐は説明する。高校の卒業式や他の春のイベントが多いため志願兵の注意を引くのが難かしいという。
陸軍州兵隊は目標の88%を、空軍州兵隊はその77%を達成した。
海兵隊は五月2,225の志願兵が入隊しており、目標の1,665人を大幅に上回った。また海軍は目標ぴったりの2,709人、空軍は目標の 2,451人を獲得した。

ワシントンポストの記事によれば、正規軍の目標は陸軍が400人ほど満たなかったことを除けば、後は目標を達したか超えたかしている。ということは黒人志願兵が減った分、他の人種がその穴を埋めたことになる。軍隊には一般人口に比べると多少黒人の割合が多い。その原因は色々あるだろうが、経済的な理由がよく取り上げられている。APの記事にもあるように、最近のアメリカは経済状態が良いため、若者がつける職業も選択の余地が高い。ということは軍隊への人気が下がっているのは経済面の影響が大きく、戦争が不人気であるためだと断言することはできない。
APほどではないが、ワシントンポストの記事でも印象操作が行われていることに気付かれた読者は多いだろう。この記事で一番注目されるべきなのは陸軍の志願者が減ったことではなく、海兵隊への志願者が大幅に目標を超えたことにある。陸軍報道官のアン・エッジコム少佐も指摘しているように、5月と6月に軍隊志願兵の数が減るのは普通の状態である。それというのもアメリカの学校は6月に卒業式があるので、学校を卒業した高校生や大学生は若者として最後の自由な夏を楽しむため夏休みが終わる9月になってから志願しようと考えるからである。
また、陸軍への志願兵は多少減ったとはいえ、他の正規軍のほうは目標に達しており、減っているのは州兵である。もし上記にあげた二つの記事がいうように、イラク戦争が不人気なため志願者の数が減っているというのが本当だったとしたら、戦場へかり出される可能性が一番高い隊が一番不人気になるはずであるが、実際はその逆である。
戦争において一番危ない戦場へ送り込まれるのは誰かといえば、それは圧倒的に海兵隊だろう。その次が陸軍でむろん空軍は常に危険な空を飛ぶことになる。海軍は比較的安全だが、それでも中東で戦争が起きていれば長期にわたる出動が期待される。また正規軍と比べて予備軍や州兵隊は後方の援護が主な任務であり最前線にいく可能性は低い。それを考えると現在軍隊に志願した若者の傾向は実際に戦場へいく可能性の高い部署ほど人気があるということになる。
結論からいうならば、不人気な戦争とか不人気な軍隊というのはアメリカメディアが作り出した幻想であり、実際にはアメリカの若者はメディアが考えるほど腰抜けではないということだ。
私は仕事柄、軍人さんたちと会う機会が多いが、このあいだ何気なく女性の下士官らとテレビ番組の話をしていた。その時1980年代後半に人気のあったアニメの話が出て、ひとりの子が「あ、それ私が生まれる前」というので「え〜?何年生まれ?」と聞いたら「1989年」といわれて愕然となった(笑)。現在18歳の彼女は911当時まだ12歳。明らかにイラク戦争が始まってから志願したわけだが、そう思って回りを見ていたら一緒にいた軍人さんたちはみんなほとんどが18〜9歳。
頼もしいなあ、と改めて感じてしまったのであった。


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高まるイギリスの反ユダヤ思想 その2

さて、昨日に引き続きイギリスで起きているイスラエルボイコット運動についてお話しよう。今回はジャーナリストたちによるイスラエルボイコットである。これについて政治的にはかなりリベラルで左よりだが、ことイスラエルに関しては正当な意見を述べているユダヤ系アメリカ人弁護士のアラン・M・ダーシュウィッツ氏(Alan M. Dershowitz)のコメンタリーから読んでみよう。

最近投票されたイギリスの全国ジャーナリスト協会(NUJ)の偽善はベネズエラの独裁者ヒューゴ・チャベズの反左翼政府メディアを弾圧する方針に全く沈黙しながらイスラエルだけをボイコットするという提案によって完全に明かになった。 パキスタンのムシャラフも多大なるメディア弾圧をおこなっている。左翼が好むキューバ、中国、イラン、北朝鮮、そしてズィンバブエといった国々では日常的にメディアが弾圧されジャーナリストが拘束されるなど普通である。しかしこうした民主主義や自由主義を弾圧し独裁政権をもつ国々に関しては、崇拝するかのように、イギリスのジャーナリスト協会からは一言の苦情もでない。世界でも数少ない報道の自由を保証しているイスラエルだけが、処罰の標的になるのだ。アラブ人やイスラム教徒のジャーナリストでさえイスラエル国内では他のアラブ諸国よりもよっぽども自由である。パレスチナテロリストがジャーナリストを殺害したり誘拐したりして脅迫しているというのに、イギリスのジャーナリスト協会は言論の自由を弾圧するハマスに牛耳られているパレスチナ政権を(批判の対象から)除外する。その理由は明らかだ。イギリスのジャーナリスト協会はジャーナリストの報道の自由を保証することなどより、ユダヤ民族国家を盲目的に糾弾することしか興味がないのだ。

全く同じことがイスラエルの学識者をボイコットする投票をしたイギリスの大学短大協会(UCU)にも言える。(中略)イスラエルはアラブやイスラムのどの国よりも世界のほとんどの国よりもイスラム教徒やユダヤ教徒に同じように学問の自由が認められている国だ。 イスラエルの科学者が人口比率からいえばどこの国よりも多くの救命医学を開発している。にもかかわらずイギリスの学会はイスラエルだけをボイコットするというのだ。これも学問の自由や科学的研究を守るなどという建前とは全く関係がない。これはすべて反イスラエルという差別意識によるものだ。

これじゃあまるでナチスドイツが「ユダヤ科学」と言ってドイツからアインシュタインを初め多くのユダヤ人科学者を追い出したのと全く変わりがないではないか。
しかし、イギリスのこのあからさまなイスラエル差別は世界中の科学者から反感を買っている。何千というアメリカの科学者たちは自分達は名誉イスラエル人であるとして署名を集めイスラエルの学者がボイコットされる集会には参加しないと宣言した。
現にノーベル賞受賞者のテキサス大学のスティーブン・ウエインバーグ教授(名前からいって多分ユダヤ系)は7月に予定されていた帝国ロンドン大学への訪問をキャンセルした。その理由について教授は次のように語っている。

人によってはこうしたボイコットはユダヤ民族に向けられたものではなく、単にイスラエルに向けられたものだとおっしゃるでしょう。しかし歴史的にイスラエルに向けられてきた攻撃や、弾圧的な中東諸国のことを考えた場合、イスラエルをボイコットすることは道徳上の盲目を意味しアンティセメティズム以外のどんな理由も考えられません。(但一つ考えられる他の理由はイギリス国内のイスラム教徒に対する迎合くらいです。)私はこのような傾向はガーディアン紙や、インディペンデント紙やBBCの報道に反映しているのをこれまでにも度々見てきました。ですからNUJがこのような行動をとることには別に驚きません。

しかしイギリスによるこのようなボイコットはかえって世界からイギリスのジャーナリズムや学会がボイコットされる結果になるのではないだろうか? 少なくともユダヤ系科学者の多いアメリカの学会を怒らせることはイギリスの学会にとってはかなりの痛手となるはずだ。
そうなったら自業自得だ。


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あんぽんたんが語る安倍首相訪米の意義

1984年からずっと日本在住の日英語通訳、国籍不明のあんぽんたんことビル・サコビッチ(Bill Sakovich)君のブログで今回の安倍首相訪米が持つ意義が議論されているので紹介したい。
先ずビルは今回安倍さんのアメリカ訪問はこれまでとはかなり違うと言う。安倍首相は、これまで日本がとってきた柔な姿勢はもうとらない、戦後はもう終わったのだ、21世紀に向けて強き日本をみよ!とはっきり独立宣言をしたのだと言い切る。

言っておくがこの日本人は自分の主張をやんわりと遠まわしな言い方で表現した。しかしこの日本人はやんわりと遠まわしに「ほっとけ!」と言う達人でもある。

さすが日本に20年以上も在住しているだけあって解ってらっしゃる。先ずはビル君が引用しているのは安倍さんキャンプデイビッドの首脳会談でしたこの発言。 元の日本語発言の資料がないので英語からの逆翻訳になったことをご了承いただきたい。

「大統領にもご説明いたしましたが、我が内閣の使命として私は日本が戦後体制からの脱却を目指します。その目的のひとつとして、日本の周辺の安全環境が大幅に変化していることに対応し、私は訪米前夜、わが国の国防に利益あるよう合法的基盤を改正する目的でブルーリボン委員会設けました。」

これは具体的にはどういう意味を持つのか、あんぼんたんことビル君に説明してもらおう。

平たく言えばだ、「第二次世界大戦は終わったんだよ。俺達が戦後みてえな自虐的な行動をすると思ったら大間違いだぜ。おれたちがよ外国がなんだかんだ言う度に這いつくばっておべんちゃら使ってた時代は終わったんだよ。かつては二カ国間交渉で他国が帝国日本の所業を持ち出す度に後退したけどよ、そういう時代は終わったんだよ。俺たちゃ60年もおとなしくしてきたんだぜ、お前らの何倍も責任ある行動をとってきたんだよ。ほんでもってものすげえ額の血税を国際社会に貢献するため使ってきたんでえ。今後国際社会でまともに扱われねえなんてことは承知しねえ。おう、それからよ、戦後にピョンヤングとかから俺達が攻撃されても正当に防衛できねえように無理やり飲まされた憲法だがよ、改正すっからな、そのつもりで。」とまあこういう意味だ。

すごいなあ(笑)。本当に安倍さんはそんなこと言ったのか? さて、問題になってる慰安婦問題にしてもビル君は安倍さんが強気で反撃したと語っている。安倍さんの言葉はこれだが、

「人間として首相として心から同情し申し訳ない思いだ。21世紀を人権侵害のない世紀にするため努力する」

これについてもビル君の分析は鋭い。

この謝罪は戦争中に「女性たちを強制的に性奴隷にしたこと」にではないことに注目。事実首相は単にニューヨークタイムスが数ヶ月前間違って記述して問題になった、経済的な理由などで朝鮮の女性が強制されたと感じたような状況は悔やまれるべきである、という発言を言い換えただけに過ぎない。

言い換えれば安倍首相はキャンプデイビッドでみんなの前にたって(ニューヨークタイムスも含む)全く同じことをいっただけなのに、今度は賞賛されたってわけだ。

しかも笑っちゃうのは、慰安婦問題日本謝罪決議案の提案者であるマイク本田議員すら、ちゃっかり安倍さんの言い回しに騙されて納得してしまったと言う点だろう。実はカカシもさっき本田議員のホームページでこの声明を読んだばっかりだった。

「安倍首相の発言の理論的な延長として、首相の個人的な感情を通して日本政府が公式に間違いのない表現をしたと受け入れられます」

ビル君は本田議員はちゃっかり安倍首相に手玉にとられたのだと言う。本田議員の政治的な立場などこんな拘束力のない議決案を通してみても何の意味もない。だが、本田議員は韓国系アメリカ人の票は獲得できたし、中国政府の息のかかった市民団体からも多額の政治献金をもらったみたいだから笑いが止まらないといったところだろうか。(私は本田議員が日系人だから日本の味方をすべきだなどという人種主義的なことを言う気はないが、中共がコントロールする市民団体がその意味を無視したと思うならナイーブというものだ。)
ところで、昨日のPBSのインタビューでも出た、安倍氏は保守派の基盤からの支持を失うのを恐れて国粋主義的な発言を続けているのではないかという懸念についても、ビル君はそうではないといい切る。

安倍首相は自民党にとって一番重要な立場として過去15年間今日の日本の政策を形成してきた人物である。彼は他人に恩を着せられているような人ではない。…

これは日本の長い伝統だが与党は特定の任務を遂行するにふさわしい総理を任命することになっている。このやり方は真珠湾攻撃の前からのものだ。しかし当時は政権は短生命であり狭い任務が終わり次第解散していた。首相は国民からの人気によって選ばれたわけではない。
今日でも安倍内閣の役割を考えると昔と同じ方針が貫かれていると私は思う。自民党は特定の任務を果たす意思があり、その目的達成のために安倍氏を選んだのだ。そして彼こそがその目的を党のなかで推し進めていた人に他ならない。それには憲法改正、防衛庁を内閣の防衛省へと昇進させる、(すでに任務完了)そして第二次世界大戦の章を閉じる。彼らはこの任務完了までには数年かかると気がついている。

しかし、ビル君いわく、アメリカの主流メディアは安倍首相の主旨を完全に読み間違えたのだと言う。カカシが思うにアメリカのメディアが安倍氏の真意を理解できなかったというなら、かえってそのほうが日本にもブッシュ政権にも都合がいいと思う。だがすでにアメリカメディアは安倍首相を国粋主義の右翼と決め付けていることでもあり、今後日本が憲法改正だの核武装だの言い出したら、なかなか難しいことになるだろう。


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犯罪者の国籍、人種、宗教は公開すべきか?

この間のバージニア工科大学乱射事件の犯人が韓国系移民だったことから、AAJA(Asian American Journalists Assoication)というアメリカの東洋人ジャーナリストでなりたつ団体が犯人を「東洋人」と報道するのはやめるべきだと声明文をだした。要するに大量殺人鬼が東洋人だとなると東洋人のイメージダウンになるというわけである。
東洋人が何か社会的貢献をした場合にはやたらに「東洋系アメリカ人」と強調するくせにまったくのダブルスタンダードというものだ。だいたいチョーなんとかなんていうヨーロッパ系移民がいるか?名前だけで韓国人なのは一目瞭然ではないか、ばかばかしい。
主流メディアが犯人の国籍、人種、宗教を報道する場合に、その姿勢は全く一貫していない。例えば数カ月前にアメリカでおきたショッピングセンターでの乱射事件では犯人がイスラム教徒であったことがずいぶん長いこと明らかにならなかった。フランスでバス放火をして若い女性を大けがさせた犯人たちもイスラム系移民のギャングたちだったのに、「ヨーロッパ系でない移民の若者」とかいう遠回しな言い方をして地元イスラム教徒の神経を逆撫でしまいという気遣いがされていた。
しかしオーストラリアで白人が暴動を起こせば、「ケルテック系オーストラリア人」(注:celticとは英国のアイルランド、スコットランド、ウェールス系の人種をさす)と明記。ユダヤ教徒がモスクでも落書きした日には「ユダヤ人ユダヤ人」と大騒ぎになる。
私は、だいたいからして、ある犯罪をおかした人物の国籍だの人種だのでその人間の属する社会全体を白い目でみるような人種差別的な考えに問題があるのであり、報道すること自体に問題があるとは思わない。ある日本人がイギリス人女性を殺したら、日本人は皆猟奇的な殺人鬼だなどと思う人がいたらその人の神経がおかしいのだ。
ただ宗教の面においては、イスラム過激派によるテロリスト問題があるので、犯人の行為がテロなのか単なる個人の犯罪なのかを識別する意味でそれなりの判断はされなければならないが。また外国人暴力団による犯罪などがあった場合には犯人がどのような犯罪グループに所属しているのか突き止める必要もある。
私が長々と前置きを書いている理由は、「博士の独り言」さんが批判を受けている長崎市長殺害事件の話をある左翼ブログで読んだことにある。博士はある情報源から犯人が在日韓国人だったという情報を得てそれを発表した。左翼ブログによると博士は、犯人が在日韓国人だったとして、バージニアの件といいこの件といい韓国人は暴力的だというような書き方をしたとある。もし博士がそのような書き方をしたのなら問題はあるが、しかしこの反響はそういうものではないというのが私の印象だ。
博士を攻撃している人々は、犯人が「朝鮮系移民の子孫」だったという報道が気に食わないのである。これは非常に人種差別的な考え方だ。犯人の祖先がどこの国の人間であろうとどうでもいいことではないか。たとえ彼が在日でもほかの在日韓国人に関係はないはずだ。祖先が同じ民族だということと個人の犯罪と何の関係があるのだ?
この間のイギリス女性が殺された船橋は私の故郷であり、あのあたりの英語学校には私も父も通ったことがあるし、知り合いのアメリカ人が何人か英語講師をしていたこともあるので他人事という気がしない。正直こういう事件で故郷の名前が出てくるのは個人的に非常に気分が悪い。しかしだからといって殺人犯が船橋市民だからといって船橋出身のカカシになにかしら否定的な影響があるなどということは全くない。当たり前のことだが他の船橋市民全体についてもこの事件の責任は全くない、当たり前だ!
だから私は左翼系ブログは博士への批判を取り違えていると考える。犯人が実際に在日であったかどうかということなど、ハッキリ言ってどうでもいいことのはずだ。その情報源がなんであろうとそんなこともどうでもいいはずだ。もし彼等が博士のいったことに抗議したいのであれば、「たとえ犯人が在日だったとしても、そのことで在日全体を侮辱するのは人種差別だ」といえば済むことなのだから。
私は犯人の国籍・人種・宗教がある特定の人々の場合には報道してはならないという考えには全く賛成できない。ましてやそれが地元人権団体などの圧力に負けてのことならこれは言論や報道の自由の妨げになる。
大事なことは我々が個人の行いの責任は個人にあると認識することである。偶然我々と血液や出身地を共有した人間が個々になにをしようとグループ全体には何の責任もないし、他の個々とも全く無関係だ。そのことさえ理解できれば、犯罪者がどこ出身の何人であろうと我々が常に警戒心を持つ必要はないのである。


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古森義久慰安婦問題の裏にある諸外国の陰謀を説く

昨日アップデートでちょっと紹介した産經新聞ワシントン支部の編集員、古森義久氏のアメリカの公共放送PBSとのインタビューを今日じっくり見て、以前にミスター苺が言っていたのとほぼ同じようなことを古森さんも言っているのを聞いて感動してしまった。ともかくそのインタビューの一部をさっき書き写したので掲載しよう。
まず最初のほうは司会者のファリード・ザカリア(Fareed Zakaria)が安倍首相の慰安婦問題に帝国軍は直接関与していなかったという発言についてどう思うかという質問から始まった。古森氏は軍が契約を結んでいた業者らによる強制はあったかもしれないが、それは軍の公式な政策ではなく軍自体が女性らを強制連行したという事実はないとした。しかし売春宿などの施設を軍が提供していた事実はあるのではないかという質問に、古森氏は確かに軍はインフラを提供した。それはいけないことだったと語った。下記はその続きである。

古森:軍は施設を提供した。そしてそれが悪いことだったと認めた。

FZ:なぜそれらの謝罪は受け入れられなかったように見えるのでしょうか。韓国や中国からは真の謝罪のように受け入れられていないようですが。
古森:日本の周辺には謝罪を快く受け入れられない事情があることを分かって下さい。過去14〜15年、歴代の首相たちが個人的にも正式にも謝罪してきたが(彼等には)不十分でした。中国や韓国は米の決議案にたいして(日本は)謝罪しなければならないと言っている。ハードルは常に高くなっている。
しかも思い起こして下さい。これは戦争という結果でありすでに罰せられている。死刑になっている。我々は賠償金を支払い戦争犯罪人は裁判にかけられ死刑となった。国民全体が戦勝国に屈服させられた。第二次大戦の勝者に屈服するしかなかった。死刑、賠償金、サンフランシスコ講和条約、それはあなたがたもご存じのはずです。
それで私たちにはこれ以上何ができるのでしょうか?これは日本人へのあら探しです。彼等はネチネチと人のあら探しをやってるんです。
私が日本人の慰安婦問題を要約すればこれは二重訴訟であり、二重基準であり、人種偏見なのです。
なぜ我々は大戦中の出来事に対して永久に責任をおい続けなければならないのですか? 2〜3世代前の人たちがやったことに対して何故今の人たちが責任をおわなければならないのですか?我々はこれが悪いことだって認めてるんですよ。我々はそれに対して再三謝罪し、それがまだ十分ではないといわれている。金を払ったら払ったでそれが不十分だと言われている。
今の日本を見て下さい。本当に民主的な国家で民主主義を重んじ人権を重んじている。我々は国際援助やその他の形ですばらしい人道的な国際貢献をしてきている。何故その我々が攻撃されなければならないのか、道徳的に劣るとたしなめられなければならないのですか?
FZ:あなたは人種差別といいますが、それらの攻撃は韓国や中国からのものです。アメリカは公式的にはこの問題について静観してきたんじゃありませんか?
古森:あなたねえ、アメリカの下院で何がおきているのかよく見て下さいよ。
FZ:いや、しかし、ホワイトハウスは日本を責めたりしていませんよ。それは中国と韓国です。…
古森:いまその非難はアメリカからのものです。ニューヨークタイムス、ロサンゼルスタイムス、ボストングローブ、、、彼等は日本を叩き、日本の首脳陣を叩いています。まるで日本人の遺伝子のなかに生来ながらの邪悪なものでもあるかのように。それらの事件が起きた当時の人間は今は誰もいないんですよ。 …
FZ: …なぜ安倍首相はこの問題についてこのような発言をしなければならなかったのですか?彼の支持基盤からの支持率低下を懸念して、自分の支持率を引き上げるひつようがあった、右翼的な支持率基盤とか、、
古森:いいえそれは明確に違うといっておかなければなりません。安倍首相はただ単に日本人記者の質問に答えただけなのです。その質問とはアメリカ下院での慰安婦決議案に関してだったわけです。我々の疑問というのは、なぜ今この問題をアメリカが取り上げなければならないかということです。我々はこの問題になんら発言をしてこなかった。ただそれおがアメリカ下院の決議案があったがゆえに安倍首相は発言しなければならなかった。なぜならこの決議案はきわめて不公平であり何かしらの国家としての謝罪まで求めている。そして安倍首相がいったことは自分は謝罪をしてるんだと、だからもうこれ以上謝罪する必要なんかないんだと、、
(中略)
FZ: 日本はどうやってこの問題から抜け出すのですか?日本が常任理事国の席を獲得しようとしたとき、私は日本への支持の少なさにあぜんとしました。支持表明をしたのはアジア中でシンガポール一国でした。日本が何百億もの援助ををこれらすべての国々にしてきたにもかかわらずです。中国だけでも300億ドル(3兆6千万円)も援助してきているにも関わらずですね。日本は大戦中におこった出来事に縛られているようなイメージです。そうした呪縛からどうやって抜け出すんですか?…
古森:過去50年間、日本人の態度というものは政府と同様、ただ我々の民主的な性質や人道的な政策をみせること以外には非難に対して何の反論もしてこなかった。
しかしそれは何の役にも立たなかった。だから今後は日本の首脳陣や日本人がはっきりと発言するのを見ることになるでしょう。例えば軍による慰安婦にかんする軍の決定や政策は一切なかったこと、たとえ彼女たちが強制があったと言っても日本は強制していない、とか。しかし私が思うに人々はもっと堂々と発言する必要があるのだと、対話をし、議論をし、ディベートを戦わす、どんな攻撃にも静観するとか善行だけでは何もなし得ないと思います。
今、日本人の間にはとてつもない失望間と悲しみと反感が鬱積しています。あなた方は新しい日本をみているのかもしれない。なぜならばすでに日米関係に由々しき亀裂が生じはじめているのですから。プライドを持った人たちがそのプライドを傷つけられたと感じるとき、精力的に同盟関係を擁護してきた人々や、アメリカ的な民主主義に忠実な日本人に対しての絶え間なく向けられる非難…
マイク・ホンダ議員は中国人たちから莫大な政治献金を得ています。中国人活動家たちは中国の国家と連帯している。非常に面白いことに朝鮮の多大な協賛もある。だから私はこれが去勢、弱体化された日本を維持していこうとする特定の国による外交的な操作だと理解できるのです。
彼等は日本をまるでなにかしらの遺伝子学的に邪悪でありなにかしら劣悪な民族であるかの如く国と民族を描こうとしている。そう私は強く感じています。

私も古森氏の意見に全面的に賛成だ。これは慰安婦問題というより、慰安婦問題を梃子にして中国や朝鮮の共産主義者と韓国の左翼が一緒になって日本とアメリカとの友好関係に亀裂を生じさせようという陰謀だ。なぜならこれらの共産主義及び社会主義国家にっとて強い絆を持つ日米同盟は目の上のたんこぶだからである。
私は特に日本の反米右翼の人々に訴えたい。共和党の支配するアメリカは軍国強化を望む日本保守派にとって強い味方なのだ。今後対テロ戦争や北朝鮮核兵器開発阻止、中国の台湾問題など世界中の国際紛争のなかでアメリカにとって強い日本は必要不可欠な存在なのである。それをアメリカ左翼や中共や韓国などの策略によって日米関係に亀裂を生むなどまさに敵の策略にはまるも同然である。
アメリカのメディアや民主党がコントロールする議会などの日本叩きにだまされてはいけない。これらの人々はブッシュ政権の敵でもあるのだ。このインタビューの司会者もいっているように、ホワイトハウスは慰安婦問題で日本を責めるようなことは何もいっていない。先日の安倍氏の謝罪に対してもブッシュ大統領は誠意のこもったものだと評価して、その問題は解決済みという態度をとっている。
日本政府もそして日本国民も、今後は遠慮せずに慰安婦問題はもう解決済みであり、戦時中の罪は戦時中の人々がすでに償った、我々現代人には関係ない、これ以上謝罪するつもりはない、と声を大にして反論していくべきだろう。こちらの善意がわかってもらえるなどという受動的な考えは甘い。今後は能動的に積極的に日本の立場をはっきりさせ、米共和党政権ともこれまで以上に強い連帯の絆を結んでいくべきなのだ!


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安倍氏を国粋主義者と警戒するニュースウィーク誌

アップデートあり。後部参照
どういういきさつで私がきっこの部屋へ行き着いたのかよく覚えていないのだが、そこで日経BPネットのこんな記事を見つけてしまった。

米メディアが警戒する安倍首相初訪米の中身、立花隆著

今週の「Newsweek」英語版(4月30日号)を手に取った人は、ちょっとドキッとしたにちがいない。なにしろ表紙は安倍首相の大写しの顔で、そのわきに、“Face-Off”(対決)の大見出しが躍り、「アベは外交問題でも歴史問題でも強硬路線をとるようになった日本の立場を擁護する」というキャプションがついている。
“ナショナリスト”シンゾー・アベ
中をめくると、1ページ丸々使った大きな写真の安倍首相が登場するが、今度は安倍首相の顔は1円玉ほどの大きさしかなく、写真の大部分は、日章旗の赤い丸の部分を大きく引きのばして、安倍首相が体よりも大きな日の丸を背負ったような構図になっている。
防衛大学の卒業式で演説をしている姿を撮ったもので、「ナショナリスト」というタイトルがついている。
その反対側の面には、「日本の重荷(The Burden Of JAPAN)」という大見出しの記事が載り、朝鮮人従軍慰安婦十数人の写真がズラリとならべられた大きなパネル写真が記事の中央にかかげられている。…
しかし、今回の英語版と日本語版のちがいはあまりに大きい。…とにかく、記事全体から受ける印象がまるでちがう。
アメリカ版のシンゾー・アベ首相のイメージは、ちょっとイヤな感じのする、警戒すべき国粋主義者(ナショナリスト)である。…
先にあげた、大きな日の丸の写真と、従軍慰安婦の写真がならんだパネル以外に使われているもう一枚の写真は、昨年相模湾で行われた海上自衛隊の観艦式において、護衛艦の上でキラ星のごとく居ならんだ海上自衛隊の将官たちにかこまれて、大元帥さながらに黒いハットを胸にあてて堂々の自衛隊艦船の観閲式を行っている安倍首相の姿を映した写真である。
以上3点の写真と見出しなどから受ける印象は、一言でいうならミリタリスト・アベ(軍国主義者安倍)のイメージである。

Abe

大元帥さながらにポーズとる安倍晋三首相


慰安婦の写真を載せている「日本の重荷」と題した記事のほうでニュースウィークは安倍首相について、日本の戦争犯罪を過小評価する教科書を押す「愛国教育」グループの創設者で自身も歴史修正主義者であり、東京裁判の採決を拒否した過去もある、と国粋主義者としてのイメージを作り上げている。
しかし立花氏が感想を書いているのはニュースウィークが行った安倍首相との独占インタビューのほうである。
まず、立花氏が引用したニュースウィークのこの部分だが、

「アベは心の底では保守派のナショナリストであり、繰り返し日本独自の立場を主張しようとしている。しかし、周辺諸国はまだ日本のそのような主張を受け入れる心の準備ができていない」

「日本の戦争責任を否定する歴史修正主義者は、平和憲法の改正をめざしている。もっと攻撃的な外交政策を可能にし、国際社会での発言権を強めるためだ。こうした動きや、慰安婦問題をめぐる安倍晋三首相の言い逃れは、当然のことながら近隣諸国の神経を逆なでしている」(フィル・ディーンズ テンプル大学教授)

これに対して立花氏は「警戒心をもって日本を見守る近隣諸国」のなかにはアメリカも含まれていると言う。パールハーバーで始まった太平洋戦争の主要敵国が日本だったことをアメリカはいまでも忘れておらず、安倍氏の憲法改正発言などはかなりの警戒心を持たれているというのだ。
ではニュースウィークが警戒している安倍氏の発言とはどのようなものだったのだろうか?

質問:首相はもっと強健な軍隊を持ちたいとのことですが、それは軍事を防衛のみに規制する憲法9条を改正するという意味ですか?

安倍:憲法が設立されてからすでに60年がたっています。憲法のなかにはすでに現在に適さない項目がいくつもあります。ご存じのように現在の憲法は日本が占領下にあった時に考案されたものです。大事なのは21世紀においてわが国がどのようにあるべきかという我々の考えが反映した憲法を我々日本人が書くべきだと思います。
質問:ご存じのように首相の「慰安婦」に関する発言はアメリカでは抗議で大騒ぎになりました。首相は本当に帝国軍は朝鮮や中国の女性を強制的に兵士らのセックスのためにあてがったプログラムはなかったとお思いですか?
安倍:戦時中に慰安婦として連行された方々には心から同情の念を評させていただきます。私は一人の人間として同情の念をあらわしたい。また日本の首相としても彼女たちに謝罪する必要があります。 20世紀は人権が世界のあらゆる場所で迫害された世紀でした。そういう意味で日本もこの重荷を一緒に背負わなければならない責任があると思います。我々は自らの歴史を自省してみつめ自らの責任を常に考えなければならないと思います。

立花氏はニュースウィークによる安倍氏の批判的な記事の「社会的影響力は一流の新聞より上だ」とかたっている。だから安倍氏がニュースウィークで国粋主義者とレッテルを張られるような発言を繰り返したことで日本のPRになるどころかその正反対になったと氏は語る。

安倍首相とその閣僚たちがこれまでなにかというと弄してきた右翼ナショナリスト的言辞を今後とも吐きつづけているとどうなるか。安倍首相はじめ歴代の自民党首脳のすべてが言いつづけてきた「日本にとって何より大切な二国間関係」であるはずの日米関係をどんどん悪くする方向にいってしまう恐れが十分にあるのである。

さて、ここでちょっと明確にしておきたいことがある。確かにニュースウィーク誌は安倍首相を国粋主義者で軍事強化を願う軍国主義だという印象を与えるような記事を書いてはいるが、ニュースウィークの声はアメリカ人の意見を代表しているわけではない。
カカシが何度も指摘しているようにアメリカの主流メディアはかなりの左よりであり、ニュースウィークもその例外ではない。彼等が誰かを右翼だと批判する時には「左翼のメディアよりも」という注意書きを念頭に置いておいたほうがいい。
左翼のニュースウィークにしてみたら保守派の安倍首相が気に入らないのは当然である。それ自体は日本にとって悪いことではない。慰安婦問題にしたところで、ニュースウィークが騒ぎ立てるほどアメリカでは評判になっていない。以前にも書いたが私は日本の記事を読むまでアメリカの下院で慰安婦問題がとりあげられていたということさえ知らなかったくらいだ。ニュースジャンキーの私が知らなかったくらいだから、そのくらい慰安婦問題などアメリカでは関心がないのである。
ましてや北朝鮮の核開発で本物の国粋主義軍事独裁政権の脅威が取りざたされている時に強気の日本首相が多少勇ましいことをいったからといって警戒するアメリカ人などいない。
ではなぜニュースウィークはこのような記事を書くのか? それは立花氏がいうのとは反対にアメリカと日本の仲が悪いからではなく、安倍政権がブッシュ政権にとって非常に大切な味方だからなのである。
北朝鮮との交渉問題にしても今後の対テロ戦争にしても、日本はアメリカにとって非常に貴重な同盟国だ。安倍首相のような鷹派はブッシュ大統領にとっても頼もしいはず。そこが左翼のニュースウィークには気に入らないわけだ。ブッシュ政権を擁護すると思われる政権はすべて敵とみなす、それが左翼主流メディアのやり方なのである。
だから立花氏には悪いが、安倍首相はこれまでのレトリック変える必要などない。彼のそのような姿勢がアメリカとの仲を険悪にするなどということはない。慰安婦問題を持ち出されたら今回のように当時は世界各地で人権が迫害された、とか日本は過去の過ちを悔い改め民主主義国家として生まれ変わったが、中国や北朝鮮では未だにひどい人権迫害が行われていることを指摘し、そういうことで過去の日本を責めるなら現在の共産主義国家への責任も問うべきだと反対に逆手にとってしまえばいいのである。
今後も安倍首相はアメリカ左翼のメディアに叩かれ続けるだろう。だが、アメリカだろうが日本だろうが左翼に遠慮する必要などない。今後もがんばって日本を「美しい国」にするよう努力していただきたい。
アップデート:木走正水さんとこで、ブッシュ大統領と安倍首相の対談についての朝日新聞の報道を批判する記事があるのでご参照のこと。

まず、朝日新聞よ、記事のタイトルやリードで、安倍さんが慰安婦問題でブッシュさんにドケザして侘びを入れたみたいな、あざとい印象操作をするんじゃありません、読者が誤解するでしょ。
真実を忠実に伝えてください。(注:強調はカカシ)
次に、ブッシュさんよ、なんで従軍慰安婦問題と何も関係ないアメリカ大統領が安倍首相の謝罪を当事者みたいに「受け入れ」ちゃうんですか。

ブッシュ大統領は謝罪を受け入れたのではなくて、安倍氏の誠意を評価すると言っただけなのでは? これも朝日新聞のわい曲報道のなせる技だ。
アップデート2: 産經新聞の編集長小森良久氏がアメリカの公共放送局PBSで慰安婦問題についてインタビューを受けている。Occidentalismでビデオにリンクがつながる。日本語の字幕がついているので英語が駄目なひとでも大丈夫。
アップデート3: さっき近所の本屋さんでニュースウィークを立ち読みしたが、表紙はバージニア乱射事件を現す銃弾の跡の写真で、中も乱射事件の特集がほとんどを占め、安倍首相に関する記事はたった一ページのインタビューだけ。写真もここで載せた一枚だけで、慰安婦問題の記事は全く載っていなかった。これはアメリカ版だからなのかもしれないが、少なくとも安倍首相が国粋主義者だという記事は載ってなかった。乱射事件のせいで安倍氏に関する記事が大幅に削られたのかもしれない。国際版でも表紙は同じようだが、中身は違うのだろうか?


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