この間から何週間にもわたってもめていた、スコット・ウォカー州知事が提案した州職員労働組合の団体交渉権の規制案がウォカー知事の機転で民主党議員なしの投票で州議会を通過。今後ウィスコンシン州では労働組合は無制限に有権者の血税を略奪することができなくなった。
共和党議員だけで通すことが出来るなら何故三週間も揉めていたのか、何故民主党が他州に逃げていたのかという疑問が生まれる。だが、ここにウォーカー知事のしたたかさが見える。
特定の予算に関する法案では議会の2/3の同意がなければ通らないことになっているのだが、その特定な項目さえ除けば単純多数決で通るのだそうだ。それで、ウォーカー知事は特定の予算関係の項目を削り、労働組合の交渉権に関する項目のみの法案に変えて、多数議席を持つ共和党議員たちだけで法案を通してしまったというわけだ。
怒った労働組合の暴力団員たちが州議事堂になだれ込み、共和党議員らを人質にとって抗議を行おうとした。それを自分らも労働組合の組員である警察官たちは見てみぬ振り。一時は共和党議員たちはかないり怖い思いをしたらしい。
これについて、保守派の攻撃的な言葉使いが暴力を扇動したと攻め立てられたサラ・ペイリンがここぞとばかりに労働組合の親玉たちが組合員たちの暴力を煽っているとして組合暴力団員たちを「無頼漢」と痛烈に批判した。

州職員たちは組合に参加するしないにかかわらず組合会費を強制的に給料から差し引かれていた。これまで組合の会費を集めていたのは州政府だったのである。つまりこれはていのいい税金だ。
だいたい何故労働者には組合が必要なのか。もともと組合が雇用主と交渉する必要があるのは、労働者と雇用主との間で労働条件に対する意見のくい違いがあるからだ。労働者が自分が受けている報酬以上の労働を強いられていると感じる時、労働者と経営側がお互い妥協できる条件にするため交渉するのが組み合いの役割だ。労働者と経営側が意気投合している状態なら組合は必要ない。
例えば私なんぞは一日18時間の勤務などザラだが、残業手当は四時間分しか出ない。だから後の六時間はただ働きということになる。そういう不当な扱いを受ければ、きちんと10時間分の残業手当を出してくれと経営者と交渉する意味はある。
だが、働こうと働くまいと労働組合と「雇用主」である民主党議会が残業手当を10時間分づつ支払うと州財政や州民の負担など完全無視して合意するのであれば、これはいかに納税者から金をぶんどるかという相談であり交渉ではない。しかも、その支払いをする納税者には何の相談もないどころか、納税者には発言権すら与えられていないのだ。これこそボストン茶会が抗議した「代表のない課税」である。
今回の法律によって、組合は組合に参加したくない州職員から自動的に会費を徴収することが出来なくなった。また、毎年一回州職員の間で組合の存在そのものについて投票を行い、もし職員が多数決で組合の存在を否決した場合には、その存在そのものが消滅することになったのだ。
アメリカの民間企業では労働組合の力は衰退している。唯一組合の力が強力なのが公務員組合だ。しかし今回のウィスコンシン州の例に励まされ、他州でも同じような法律が通る可能性が大きくなってきた。また今回の大騒ぎで国民の多くが公務員労働組合と民主党との癒着と腐敗について多いに学んだものと思われる。共和党はこれを利用して、民主党に政権を任すとこういうことになるのだと何度も市民に訴える必要がある。そして労働組合べったりのオバマ政権に対しても批判の声を緩めてはいけない。
共和党は州にしろ連邦政府にしろ、多数議席を握ったら、これまでどおりの民主党のやり方を継続するのではなく、どんどんと根本的な腐敗を撤廃し、共和党でしかできない無駄遣いの削減に真剣に取り組むべきである。
あれだけの圧力を受けながら、一歩も引かずに勝利に導いたスコット・ウォーカー知事に喝采をおくりたい。


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