カカシのダイエット歴、プロもお手上げ苺畑夫婦の減らない体重

苺畑夫婦が十数年間、色々試して失敗した減量方法を書いて来たが、これまで紹介したやり方はテレビや雑誌で話題になっていたダイエットで、本やネット情報を参考にして自己流で試したものだ。しかし何年もこんなことを自分たちだけでやっていても全く効果が現れないので、我々夫婦はプロの力を借りることにした。
行きつけの内科のお医者さんの紹介で、プロの栄養士のカウンセリングを受けることにしたのだが、紹介された女性カウンセラーは、人にアドバイスが出来るほど立派な体格の持ち主ではなかった。中肉中背の標準体型という以外には、特に筋肉質でもなかったし特に健康そうにも見えなかった。別に栄養士がフィットネスモデルのようである必要はないが、どうも私が受けた彼女の印象は良いものとは言えなかった。
それでももらったアドバイスが役に立ったならカウンセラーの見かけなど問題ではないが、彼女のアドバイスと来たら、BMIを基準にして、ミスター苺は身長何センチだから何キロであるべきで、そのためには一日何キロカロリーを摂取すべきであるという、おざなりの、いくらも自分たちで調べられるような、ごく一般的な情報しか話してくれなかった。我々が得たかったのは、我々個人の食習慣の何が悪く、どう改善すべきなのか、我々の体質に合ったダイエット方法とはどんなものなのかという個人的なアドバイスだったのである。
ひとはそれぞれ体系も体質も違う。食品の好みもまちまちだ。ダイエットも単一サイズで誰にでも合うやり方というのはないはずなのである。例えばミスター苺は若い頃にかなり真剣に筋トレをやっていたので、太ってはいたが筋肉質でもあった。それに太っている割には運動が好きなので毎週一回は友達とラケットボールをやったりもしていた。そういう人に一日1700キロカロリーに減らしなさいとか、もっと運動しなさいとか言ってみても無駄な話だ。なにしろミスター苺は長年のダイエット生活で、すでに毎日1400キロカロリーくらいしか食べておらず、普通のひとより活発に運動もしていたのだから、そんなアドバイスはただのナンセンスでしかない。
結局、この栄養士のところへは4〜5週間通った末、行くのを止めた。時間とお金の無駄使いだったこともあるが、プロの栄養士でも我々の悩みを解決出来ないとなったら、我々はいったいどうしたらいいのだろうか?ミスター苺は「こうなったら、魔法の薬でも発明されるのを待つしかないな。」と半分諦めの口調だった。
栄養士が駄目なら、パーソナルトレーナーを雇ってみてはどうか?食事療法でどうにもならないなら、せめて運動量を増やすことに専念しよう。それにはプロのトレーナーに減量に効果的な運動を教えてもらうことが必要。と考えたミスター苺は、カカシが出張中に近所のジムで二人分のトレーニングセッション合計12回分を前払いしてしまった。
トレーナーのアーマンド君は背は低いが引き締まった体系の元陸軍兵。最初の数週間はカカシは出張中だったので、ミスター苺は一足さきに最初の6回分のトレーニングを始めた。アーマンド君はミスター苺に、毎日の食事内容を記録する日記帳をくれた。一週間ほどミスター苺は詳細に渡って記録を付けた。一週間後のレッスンでミスター苺の日記を読んだアーマンドはびっくり。「本当にこんなに少ししか食べてないの?」と首をかしげていたという。そこでミスター苺は「だから言っただろう。俺は痩せの大食いの反対で、デブの少食なんだよ。」と説明したそうだ。
それでアーマンド君はミスター苺に食事のアドバイスをするのはあきらめ、運動のみに集中することにした。しかし週に一回6週間せっせと通い、その他の日にも何かしらの運動をしたミスター苺だったが、結果はいつもと同じ。体重にはまるで変化がなかった。
次にカカシの番になったのだが、私はトレーニングなんかしたって無駄だと最初から諦めていたので、7月4日の独立記念日のバーベキューでも、全く自粛せず馬鹿食いした。それで最初の週の食事日記にはものすごいメニューが記入されてしまった。「ハンバーガー二個、ホットドッグ2本、ビール6本!ポテロサラダとマカロニサラダ各カップ1杯。バーベキューチキン胸肉ひときれ?これが一日分の食事????」と目をまんまるくしているアーマンド。すかさずカカシは「違うわよ、一日分じゃなくて一回分の食事よ。」と笑って返答。
いくらお金をもらっているとは言っても、まるでやる気のな生徒を相手にするのはアーマンド君も嫌だっただろう。でも結局思った通り、カカシもミスター苺と同じで6回のレッスンを受けたが、体重には何の変化もなかった。
というわけで、プロの栄養士もパーソナルトレーナーも、苺畑夫婦の頑固な肥満を緩和することはできなかったのである。涙、、、


Comment

職場での減量競争、ウエイトウォッチャー式

この間から、どうも職場の女性達がやたらとウエイトウォッチャーの話をしているので、何で急にみんなでウエイトウォッチャーに興味をもちはじめたんだろうと不思議に思っていた。
ウエイトウォッチャーというのは、体重減量相談所とでもいうのか、痩せたい人に痩せ方の指導をするセンター。かなりの大企業で全国あちこちに支店がある。相談者はこのセンターに登録して一週間に一度の集会に参加し、指導員から指導をうけたり、自分たちの減量の経過を報告しあったりする。このやり方は同じ悩みを持つ仲間と一緒に頑張りたい人には適しているといえるだろう。
アメリカには同じようなウエイトロスプログラムがたくさんあり、オーストラリアから来たジェニー・クレイグや、ニュートリシステムなどが有名だ。これらの会社はダイエット食品も製造販売しており、大抵の会社はメンバーにその食品の購入を半分義務づけている。
で、ウエイトウォッチャーには個人契約以外に企業に足を運び、肥満の従業員を対象に会社ぐるみの団体で減量を促進するプログラムがある。アメリカではこの間もお話したように、超肥満が単なる肥満を追い越し、肥満と超肥満、そして病的肥満を合わせると人口の2/3以上が太り過ぎなので、企業としても従業員の肥満問題は深刻な問題である。
肥満の人は病欠も多いうえに心臓病や糖尿病などの治療で医療費もかさみ仕事の能率も劣る。従業員の健康は企業の健康にも影響を与える。それでここ二〜三十年、敷地内に運動ジムを設けたり、マッサージ師を雇ったり、ウエイトロスプログラムを設けたりする企業が増えている。
太り過ぎの従業員が多いのはうちの会社も例外ではない。そこで会社がスポンサーとなり、近所のウエイトウォッチャーと契約を結んだというわけだ。このプログラムに参加すれば、わざわざ別の集会所へ行かなくても、会社内の会議室をつかわせてえもらえるし、集会のために時間をさいても上司から文句を言われずに済む。やる気のあるひとならこれを使わない手はないだろう。参加費用は個人持ちだと思うが、会社から多少の援助はあるのかもしれない。
しかし、このようなプログラムを使っての成功率はどのようなものなのかというと、きちんとした統計は出ていないようだ。ウエイトウォッチャーの減量効果について、2004年のサプルニュースにはこう書かれている。

ウォッチャ-ズを、アメリカで実行した人から、870人を任意に抽出して、調べた。彼らは、ほとんどが中年の既婚者で、裕福な女性が多かった。体重の平均が、始めは165ポンド(74キロ)だったが、各人がウエイトウォッチャ-ズを実行して、平均22ポンド(10キロ)、13.3%の減量に成功し、目標体重に到達した。その後、5年間追跡調査したところ、その時点で、全体の半数の人たちが、当初の体重の5%減、ないし、それ以下、を維持していた、という。

これまで発表された研究報告によると、通常、減量プログラムで目標体重に到達できた人は、その後1年以内で減らした体重の3分の1、ないし、2分の1を元に戻す。そして、5年経過した時点では、ほとんどのケ-スで、完全にもとに戻ってしまう、のが普通だという。

これは目標体重に到達できたひとのみのアンケート調査なので、ウエイトウォッチャーを試した人の何割が目標に達したのかは不明。しかも目標にたっした人でも半数は五年も経つと元の体重にもどってしまったというのだから、あまり効果があるとは言えないようだ。
それに、こういうプログラムではみんながみんな目標体重に達し、それを半永久的に保つことが出来たら商売あがったりだ。いくらかの成功率があり、失敗もあるからこそ何年も企業は成り立って行くのである。五年前に痩せられたから、リバウンドした体重をまた減らそうと再びウエイトウォッチャーを始めるメンバーも多くいるだろう。
カカシが思うに、本気で痩せなければならないと考えている人は、高いお金をだしてこんなプログラムに参加しなくても、自己流できちんと痩せられるのではないだろうか。どういう食生活が健康かというアドバイスを栄養士や医師から受け、ジムなどでパーソナルトレーナーを雇って定期的に運動していれば、下手なプログラムへの参加は必要ないと思うのだが、どうだろうか?


Comment

カカシのダイエット歴、低糖質ダイエット

次にカカシが試したダイエットは1990年代の後半から2000年代前半に流行ったアトキンスダイエット。これはどんなものかというと、

アトキンスダイエット(Atkins Diet)とは、ロバート・アトキンス博士が考案したダイエット法である。低炭水化物ダイエット、ケトン式ダイエット、ローカーボダイエットとも呼ばれる。通常200~300g摂取している炭水化物の摂取量を20~40gと非常に少なく摂取し、糖分の代わりに脂肪がエネルギーとして使われる状態に誘導する。肥満のためインスリン抵抗性が高くなり、さらに肥満になりやすくなっている状態、このような糖尿病の発症のリスクが上がっているような状態を「炭水化物中毒」としてダイエット法の対象にしている。

数年前アトキンス博士が亡くなってからはかなり下火になったが、このアトキンスダイエットは一時アメリカで旋風を巻き起こした。
なにしろ炭水化物を取りさえしなければ、今までダイエットでは絶対禁止とされていたステーキとかフライドチキンとかいくらでも食べられるし、コーヒーに低脂肪ミルクの替わりにクリームを使っても問題ない。トーストを抜けば、朝からソーセージやベーコンも食べられる。おかげでアメリカでは朝食ではお決まりだったドーナッツやベーグルの売り上げががた落ち。ファーストフード店などでもサンドイッチ用のバンではなく、トルコやアルメニアあたりでよく食べられているラビッシュ という(Lavish Bread)薄めのパンをつかって、ラップと呼ばれるメニューを紹介するようになった。バーガーキングなどでレタスで肉を巻いただけという「ローカーブバーガー(低炭水化物ハンバーガー)」なるものが登場したのもこの時期である。
カカシ夫婦も流行にのっとってアトキンスダイエットに挑戦した。アトキンス銘柄のシェイクだのチョコレートバーだの買いまくって、毎日ステーキだのソーセージだの食べながら、アトキンスシェイクを飲んだものである。当時の私のお弁当はソーセージとチーズにアトキンスシェイクというのがお決まりだった。
しかし、〜抜きダイエットというのは長続きしないものだ。これはどこかのダイエットブログで読んでなるほどと思ったのだが、人間は必要な栄養が得られないと空腹を感じるそうだ。だから肉だけお腹一杯食べても、野菜や炭水化物が不足していると身体が足りない栄養素を欲するため満足感を得ることが出来ないのだという。たくさん食べているのになにか物足りないという気がするのはこのためだ。
それに、なんといってもカカシは炭水化物大好き人間。お米のご飯もさることながら、カカシの麺類への執着心は相当のものだ。お蕎麦なら一束半、スパゲティなら一回で1ポンド(440グラム)食べられると豪語したことがある。大げさな言い方だったが実は半分本気だった。
このアトキンスダイエットは数ヶ月続けたが、体重が減ったのは最初の数週間で4〜5キロ程度。その後は特に変化がなかった。またミスター苺はコレステロールが上がってしまった。彼はもともとコレステロール数値が高かったので、お医者さんからこのダイエットは止められた。ミスター苺の場合だけでなく、医学的にも低炭水化物で高タンパク質の食事法は肝臓結石が出来やすいうえ、骨をもろくする可能性があるという批判もあった。
それに大好きな食品が食べられないと、どうしても欲求不満が貯まってしまう。そんな時に誰かの誕生日だとか記念日だとか忘年会だ新年会だとかで好きなものが出てくれば、「今日は特別だから、、」「一回くらい食べたって大丈夫、、」と思ってそれまで禁止していたものを食べてしまう。そうすると、貯水湖の排水門が開けられたかのように、どっと抑制されていた食欲が流れ出し、まったくコントロールの効かない状態となってしまう。少なくともカカシの場合はそうだった。
それで元の食生活に戻ったら、減った体重もあっと言う間に元に戻ってしまい、反動で麺類やお菓子を馬鹿食いしたせいかさらにおつりが来た。
医学会から副作用についての批判が多く出たり、試してもあまり効果のなかった失敗例が多く出たせいなのか、単にアメリカ人が飽きただけなのか解らないが、アトキンス製品の売り上げはじょじょに低下し、2003年に元祖のアトキンス博士が亡くなってからは低迷状態となった。遂に二年後の2005年には博士が設立したアトキンスニュートリショナル社は倒産した。
カカシも再び恐怖のリバウンド!かくしてカカシもアメリカも抵糖質ダイエットには失敗した。


Comment

カカシのダイエット歴、摂食ダイエット

今年は痩身について色々語ると最初にお約束したことでもあり、このへんでカカシとミスター苺が一年近くに渡って実行し効果を上げている痩身方法について、折々お話していきたいと思う。だが、その前に我々がこれまで試して完全に失敗してきたダイエット方法について振り返ってみたい。
これは常日頃の政治関係のエントリーとは全く無縁なので、ダイエット関係の記事に興味のある方々はこちらのカテゴリー優しい痩身法をブックマークして、時々ご訪問をお願いしたいと思う。それ以外の方々は、ま、適当にパスしてくださいな!
では本題。
カカシもミスター苺も肥満にはずっと悩まされた来たタイプ。言ってみれば我々は典型的なアメリカのSFファン。(何故かアメリカではSFファンはデブと相場は決まっている、、苦笑)。しかしながら、我々苺畑夫婦は決して過食ではなかったし、いわゆるカウチポテトと言われるような全く運動せずに家でじっとテレビを観ているタイプでもない。周りの人間は信じなかったが、我々夫婦はロッククライミングやカヤッキング、ハイキング、乗馬など、肥満人間とは思えないほどアウトドア主義。しかしどうみても太り過ぎの苺畑夫婦はこういう活動に参加する度に他の参加者から「何しに来たんじゃ?」という冷たい目で観られたものである。
カカシが太った直接のきっかけは30歳をちょっと超えた頃の転職。今思うとこれは、接客業でほぼ一日立ちっぱなしの仕事から、一日座ったままの事務に変わったことに問題があった。接客業では食事の時間は自由にならなかったが、事務の場合、おやつを食べながら仕事をしても問題がない。それに残業が増えて夜が遅くなったため外食が極端に増えたことも太った要因。
そんなこんなで私の体重は急激に増え、転職して一年後の忘年会で前の年まで普通に着ていたドレスを久しぶりに着たら、脇がめりめりと破れ、必死で安全ピンで止めたのを今でも鮮明に覚えている。それ以後もずっと太り続け、あれよあれよという間に14キロ増になっていた!
これではいけないと一大奮起してカカシが最初に取り組んだダイエットは極端に食べる量を減らす「摂食ダイエット」で、何を食べるにしても常に分量を量り、毎日のカロリー摂取量をエクセルシートに綿密に記録した。これでだいたい一日の摂取量は1400〜1500カロリーにとどめた。
当然のことながら、一日のカロリー摂取量を制限した場合、食欲はそれまで同様旺盛にあるわけだから、なるべく高カロリーのものは避け低カロリーのものを食べるようにしたほうが効率がいいと考える。それで大好きなトンカツ、天ぷら、カレー、といった脂っこいものや、ティラミスやチーズケーキといった甘い物はすべて御法度となる。うさぎのように野菜ばかり食べて、がまんにがまんを重ね一年半がんばった結果10キロ痩せることが出来た。
だが、痩せたぞ〜、と安心して「ちょっとくらいならいいか」と禁止していた食品を食べ始めたら、あの苦労はどこへやら、どんどん体重が元にもどっていった。その間私は必死で運動したり食べ物を調節しようとしたりしたが、この頃私の私生活は極端に忙しくなり、前回のように料理をする度に計量したり、食べたものを綿密に記録するだけの時間も気力も失くなっていた。そして気がついたら体重は完全に元にもどっていただけでなく、さらに太っていたのである。これが今で言うリバウンド
かくしてカカシの「摂食ダイエット」は大失敗に終わった。


Comment

超肥満が単なる肥満を上回ったアメリカ

去年の暮れ、会社のクリスマスパーティに参加した時、くじ引きで当たった何人かが前に出て椅子とリゲームをやったのだが、その時司会の男性が「皆さん走ったり押したりしないように、、ちょっと大きめの人は特に気をつけて」と冗談まじりに言っていた。その時私はハタっと気がついたのだが、200人くらい集まった会場では中肉中背の人よりやや太めから超肥満の人のほうが圧倒的に多かった。痩せた人など片手の指で数えるほどしかいなかった。かろうじて司会のアシスタントをやったミニスカートの若い女性二人が痩せていたので救われたが。
新年になってジムに行ってみると、トレッドミルに乗ってるのは通常のフィットした男女ではなく、かなり重めの新メンバー達であふれていた。この時期、運動ジムへの新規入会は多いだろうな。
というわけなので、本日のObese Americans now outweigh the merely overweight”(超肥満が単なる肥満を上回る)というのロイターの記事の見出しをみて、さもあらんと思った。
記事によると連邦政府の調査National Center for Health Statistics (NCHS) で、今やアメリカでは超肥満が単なる肥満の数を上回ったということで、なんとアメリカ人の34%以上がいわゆる「超肥満」で、「肥満」の32.7%を上回り、6%が「病的肥満」であるという結果が出た。つまりアメリカの大人の人口の1/3以上の7千2百万以上が超肥満だということになる。これは2005年から2006年にかけて集められたアンケート調査の結果だ。
超肥満の計算は身長と体重の比を使ったBMIの体重(kg)割る身長の二乗。『BMI=体重kg/(身長m)2』の法的式を基本にしており、BMIが25から29の人は肥満、30から40は超肥満、40以上は病的肥満と定義づけられている。この計算でいくと、身長165cmの人なら体重68キロでやや肥満、82キロでは超肥満となる。もっとも筋肉質で筋トレとかやっていれば脂肪分は少なくても体重は重いので誤って肥満と判断されるひとがいることは否めない。
ただ1988年から1994年にかけて行われたアンケート調査では33%が肥満、22.9%が超肥満、2.9%が病的肥満という数だったというから、年を追うごとに超肥満が増えたことは確か。
アメリカでは32%の児童がやや肥満のカテゴリーに入っており、16%が超肥満でなんと11%が病的肥満だという。最近は子供でも以前なら大人の間でしか見られなかった高血圧だの糖尿だの心臓病だのが見られるようになったというのも、子供達の太り過ぎが原因であることは間違いない。
アメリカの小学校や中学校では校内の自動販売機でソーダやジャンクフードの販売を止めるところも見られるようになったがあまり効果はないようだ。
本日の午後にカカシは美容院に行ったのだが、そこで母親のヘアーカットを待っている8〜9歳くらいの女の子のお腹が妊婦のようにぷっくり膨らんでいるのを見た。この子は顔、腕、足なども太っており、いくらなんでもこの年で妊娠しているはずはないので、どう見ても肥満児としか言いようがない。あの年であそこまで太るというのは親の責任だろう。
カカシは1960年代から70年代の日本で育ったので、現在のアメリカと比べてもしょうがないかもしれないが、カカシの母は子供達の虫歯を恐れて家に甘いお菓子をほとんど置いていなかった。たまの来客用の菓子はカカシや他の子供達が解らないようなところに隠してあり、我々には手がでなかったし、和菓子などはその時に使いに出されて買う程度で、来客の残り物をよだれをたらして待っていたことを覚えている。カカシがお菓子を自由に食べることが出来たのは遠足などの特別行事の時に母が持たせてくれた板チョコとかキャラメルなどがせいぜいだった。夏休みに特別なお小遣いをもらってアイスクリームを食べられた日は幸せだったなああ。
当時はビデオゲームもなかったし、狭い団地の部屋にカカシ用のテレビがあったわけでもないので、学校から帰ればランドセルを放り出して外で近所の子供達と鬼ごっこしたり自転車に乗って空き地で危険なアクロバットに専念したりするしかやることがなかった。でも考えてみれば高価なビデオゲームに明け暮れる今の子供達より幸せだったかもしれない。少なくとも健康的であったことは確かだろう。
同年代にアメリカはロサンゼルス近郊で育ったミスター苺も、学校から帰ったらすぐに自転車に乗って近所の空き地へ行き、スケートボードなどで友達と暗くなるまで遊んでいたというから、当時の子供の生活は日本でもアメリカでも大した差はなかったのかもしれない。
子供が太りすぎるのはどう考えても親の責任だが、自分が超肥満では子供の食生活を管理できないのは当たり前。子供は親の生活態度をお手本にしているのだから、先ずは親から生活態度を改める必要があるだろう。


Comment

今年こそ痩せるぞ! と誓ったのはいいけれど、、、

暮れにスーパーに行ったら、レジのスタンドに置いてある雑誌の新年号はどれもこれもダイエットの話題ばかり。どうしてこう新年というとダイエットの話題で埋め尽くされてしまうのだろう?
超肥満が多いアメリカでは、なんとか痩せたいと考えている人がどれほどいることか。日本でもダイエット産業は不況を知らないという感じがするが、日本人の太り方などアメリカ人のそれに比べたら足下にも及ばない。日本人の体系で体重100キロと言えばかなり大したものだが、アメリカ人は背が高いせいもあるが、100キロなんて太ってるうちに入らない。多少フックラ気味と言った程度だ。その分アメリカではダイエットに関する感心は日本よりも高いかもしれない。そういうわけだから、元旦の目標として体重大幅減量を誓う人が圧倒的に多いのは至極当たり前であろう。
CNNが紹介していたiReport.comというサイトがある。これは多くの人がビデオや写真をアップロードして自分の目標を語り、読者が感想を述べるという、言ってみれば掲示板のようなものなのだが、最も多いのは何と言ってもダイエットのトピック。そしてそのなかでもコメントが一番多く人気が高いのはトピ主が好きな物をすべて諦めて、この先体重が減るまで数ヶ月間、拷問されるような地獄の苦しみを味わうつもりだが一緒に頑張りたい人を探しています、というもの。これは日本の掲示板でもダイエットカテゴリーで一番人気のあるのは何と言っても禁欲ダイエットであるのと共通している。『楽して痩せよう』なんてトピックにはほとんど人は集まらない。
去年の8月にカカシは、とある掲示板の禁欲ダイエットトピで自分が成功した楽して痩せる方法を紹介して、レッドカードをもらってしまった話をしたが、どうも減量を目指す人々の間では、苦労なくして楽して痩せる方法など邪道であるという考えが通常なようで、これは洋の東西を問わない。
実を言うと、カカシは某掲示板で禁欲トピを追い出されてから自分でダイエットのトピを作ってみたのだが、まるで人気がなく今や私の独り言状態。それなら掲示板で時間を無駄にしているよりブログに新しいカテゴリーを作って話をしたほうがよっぽど良い。
というわけで今年の『苺畑より』は政治や映画だけでなく健康管理、特に肥満対策についても考えてみたいと思う。先ずはその第一弾として、ダイエットと自制心は関係あるのかないのかについて書いてみた。これは上記の掲示板に数ヶ月前に書いたのを多少書き直したものである。
ダイエットと自制心は無関係
よく太っている人を見ると、他人は太った人は自制心に欠けるから太ったのだという偏見でみがちである。いや、他人だけでなく本人ですら、自分が痩せないのは(ダイエットに成功しないのは)自制心が弱いからだと自責の念に狩られることが少なくない。
だが、太った人が必ずしも自制心がないなどとどうして決めつけられるのだろうか?太った人だってきちんと難しい大学を卒業してるし、太った人だってきちんと貯金して住宅ローン払ってるし、太った人だってわがままな子供のしつけに辛抱強くつきあってるではないか?ほかの面ではちゃんと自制心がきくのに、ダイエットの時だけきかないっていうのもおかしな話だ。
もしかしてダイエットと自制心とは関係ないのではないだろうか?
私のブログ仲間が書いていたのだが、ダイエットというのは息を止めて水のなかにもぐっているようなものだ。誰でも少しの間なら息を止めていられるけれど、いずれは息をつきに水面に上がらざる終えない。魚に変身でもしない限り誰でも息継ぎは必要だ。これは自制心の問題ではない。
痩せるためにはどうしても半永久的に水中にもぐっていなければならないのであれば、酸素ボンベなどのお世話になるしかない。
多くの人がダイエットに失敗するのは、酸素ボンベのお世話にならずに自力で水中にもぐっていようとするからだ。まずいことに我々は何もしなくても痩せているお魚さんにかこまれているし、時々お魚かと思うほど息を長く止めていられる超人から「あなたも頑張れば永久に息を止めていられる」と言われるため、失敗すると余計に自己嫌悪に陥いってしまう。
でもこんな超人は10人に1人もいない。そんな特別な人の真似をしようとしても時間と労力の無駄なだけでなく、心身の健康にも害あって益なしである。現に単なる禁欲ダイエットの成功率は10%以下だ。
この際、ダイエットは自制心とは無関係であると納得しよう。だから失敗したからと言って自分を責めるのは止めよう。それよりも過去の失敗から学び、自分に合った酸素ボンベを探し出し、半永久的に水中でくらせるよう工夫しよう。


Comment

楽して痩せる方法を説いたら嫌われた!

実は、ミスター苺とカカシはこの一年近く、かなり大幅な体重減量作戦に取り組んでいる。すでにかなり効果を上げているのだが、減量の話を興味のない人の前で長々とすると顰蹙を買うし、相手にも退屈で嫌な思いをさせるので、「カカシさん、最近痩せたわね、なにやってるの?」とでも直接聞かれない限りはこちらからこの話題は極力避けて来た。
それでも自分がやっていることは誰かと話たいと思うのが人情。そこで同じように減量と痩せた後の体重維持に努力している人たちが集まる某掲示板に日頃の経過を記入して、同じ気持ちの人々と話をしたいと考えた。それをここ二ヶ月ほどしていたのだが、本日掲示板のトピ主から「レッドカード」をもらい、退場を命令された。
その原因は、カカシは不覚にも、楽して痩せる方法をポロっと漏らしてしまったことにある。
減量には我慢しかないという誤解
妙薬口に苦しというが、我々は苦労しないで楽に目的を達成することに猜疑心を持っている。何かを得るためには何かを犠牲にしなければならなと考えるのは世界共通。だが自分たちの払う犠牲が必ずしも目的達成には関係がないという場合も少なくない。息子の大学受験のために母親がお茶断ちするなんてのがその典型だ。母親がお茶を諦めることと、息子の成績とどういう関係があるのかと問うのは野暮というもの。なぜならこれは理屈ではなく信心だからだ。
しかし、ダイエットの世界でも一緒に苦労している仲間とサポートグループを作ったりしているひとたちの間では、実際に痩せてそれを維持する効果的なやり方を見つけるという当初の目的が、いつの間にか我慢に我慢を重ねた禁欲ダイエットだけが正統だという信仰になってしまっている人が多い。大好きなカレーも丼物もトンカツもがまんして必死で痩せようとしているのに、楽して痩せられるなん説く人間が現れたら、それは邪道だ!非信心者め!と脊髄反射で拒絶したくなるようである。
だが私はその拒絶心がここまで暴力的な感情をもたらすとは想像していなかった。
信仰となった禁欲ダイエット
このブログはダイエットブログではないので、ミスター苺とカカシがどうやって大幅減量に成功したかという話を長々と詳細にわたってするつもりは毛頭ない。だが我々はお腹が空いた時に好きなものをお腹が張るまで食べてもいいという方法で大幅減量に成功した。我慢に我慢を重ねる禁欲ダイエットなどしなくても痩せる方法はあるのである。いや、むしろ、私はあえて、いわゆる禁欲ダイエットは先ず成功しないと断言しておこう。
これは私自身が過去10年以上も何度もやっては失敗した体験と、周りでダイエットをやっては10キロ〜20キロと一時的に痩せても数ヶ月するとまたもとに戻って前以上に太ってしまったなんてひとをいくらでも観て出した結論である。事実禁欲ダイエットは90%以上失敗するという統計が出ている。
そんな成功率の少ないやり方をいつまでも同じように繰り返していても意味がない。本当に痩せてそれを維持したいなら、これまでとは違ったやり方を見いだす必要がある。減量やダイエットに関する考え方を根本的に見直す必要があるのだ。
だが、禁欲ダイエット信仰の信者達はそんな話に聞く耳は持たない。楽して痩せる方法があるなどと言っただけで、そんな邪道は説くな、不愉快だ!と言われてしまう。実際にこの人たちは本当に痩せたいのだろうか?本当に一旦痩せたらその体重を一生維持していきたいと考えているのだろうか?それとも単に「ダイエットしてるのよ〜」と言っている仲間達と自分がどれだけ食事制限しているかという自慢話を交わしたいだけなのだろうか?
前記の掲示板のトピ主は、私の「痩せてそれを維持していくという目的が達成できるなら、どんなやり方をしてもいいではないか」という質問に対して、それは断固違うと断言した。「痩せるだけが目的なのではない、生活習慣を変えることこそが目的なのだ」と。
だが、彼女のいう新しい生活習慣とはどんなものなのだろうか?明らかに今後太らないような健康的な生き方をするという意味ではない。何故ならそれが目的であるなら、一生続けられる楽な食事方法に興味を示すはずで、カカシの少量の食事で我慢できる方法を頭から拒絶する必要はないからである。
これはもうダイエットの問題からは離れてしまっている。私のしたことは彼女の教祖としての威厳に傷をつけることだったのだ。この掲示板トピでは彼女の教祖として権限が絶対であり、彼女の教えこそが正統なのだ。それ以外の方法を唱えることは不信心な行為であり、断固阻害されなければならないのである。
目的達成よりも過程が大事
ハインラインの小説に、理想の星を求めて巨大な宇宙船に乗って出かけた地球人たちが、何世代も宇宙を彷徨ううちに、目的の理想の星をみつけることよりも、宇宙船の中での勢力争いのほうが大事になってしまうという話があった。彼らにとっては目的の星にたどり付かないほうが都合がいいのである。そのうち人々は宇宙船以外の世界が存在することすら忘れてしまうという話だった。
こういう傾向はダイエットのみに限らない。環境保全にしろ、エイズ予防/治療法にしろ、生存危機の動物種を守る運動にしても、最終的な目的を達成することに意味があるのではなく、その目的のために作られた組織の権力を維持していくことのほうが大事になっていくという例はいくらでもある。
例えば環境保全だが、グリーンピースのような過激団体が本当に環境汚染を撲滅したいと考えるなら原子力発電を促進すべきである。だが、彼らは原発には真っ向から反対している。エイズにしてもそうだ。本気でエイズを予防したいなら、一番感染度の高いとされる特定の行為の危険性を説くのが先決。だがコンドーム使用以外の方法をとなえたりすれば、同性愛恐怖症と責め立てられかねない。動物保護法が行き過ぎて生存危機の動物が発見されると土地を奪われかねないので、地主達はそういう動物を発見し次第抹殺するという行為に追い込まれ、かえってその動物は絶滅の危機に瀕するなどという皮肉な実情もある。
自分たちが長年投資してきた時間と努力がすべて無駄な行為だったと指摘されて気分がいい人がいるはずはない。だが、無駄な行為をそのまま信じてこれからもずっと続けて行くほうがよっぽども不幸なことだと思う。
我々は或る行為が目的達成のために最適な行為なのか見直していく必要があるのではないだろうか。市民運動などでも、それが単に運動家の権力獲得のための手段になっていないか見極める必要があるのではないだろうか。
カカシの単なるダイエット論が思わぬ波紋を呼んでしまった最近である。


View comment