2023年の12月一杯で正式に引退し、ことし一月から年金生活が始まったのだが、色々と手続きに時間がかかり、来月からやっと年金をもらえることになった。そのほかペンション(引退後に雇用主から支払われる月収)や、ある程度の年齢になると引き出せる積立金など、色々と合わせると贅沢をしなければ、まあまあ暮らせるくらいの金額になることが解り一息ついている。

正直な話、私は仕事を辞めても生きていけるのだろうかとかなり心配だった。色々用意はしていたとはいうものの、他の人に比べたら投資も少ないし、財産と言ってもこの家くらいしかない。それにしたってまだかなりの住宅ローンが残っているし。とはいえ、就職した当初に勧められて入っていた積立・投資貯金がかなり貯まっていたので本当に助かっている。勧めてくれた人にお礼を言いたい。

いずれ家を売るつもりだったので三年前に五年計画で断捨離をやり始めたのだが、前倒しで引っ越しとなりそうだ。大きな荷物はかなり処分してしまったが、まだまだ細かいものが残っている。不動産屋さんからは早く売ってくれとせっつかれているので、来月中に引っ越し先に持って行かないものはすべて処分してしまわなければならない。まだまだ時間はあると思っていたのに、あっという間に今年も春分を過ぎてしまった。

お恥かしながら私たち夫婦はあまり老後のたくわえについて気を使って来なかった。主人も私も江戸っ子並みに宵越しの金は持たない悪い癖があり、出張手当や残業手当を高価な外食だのお芝居だの旅行だのにすべて使ってしまっていた。

しかし今考えてみれば、若い頃に好きなことをやってきたのは悪いことではなかった。確かにお金は使ったかもしれないが、もう二度とグランドキャニオンでハイキングとかナイアガラの滝とか行かれないし、ニューヨークのブロードウェイでミュージカル観たりなんてできないだろう。心残りはニュージーランドへ行かれなかったことだ。実は前々からニュージーランドへ行こうと夫婦で計画していたのだが、なんだかんだと延期しており、やっと重たい腰を上げて2020年に行こうということにして細かい計画を立て始めていた頃にコロナ!しょうがないコロナ禍が収まったら旅行しようといっているうちに私の心臓が悪いことが解り、主人の難病も発見され、もう二人とも海外旅行なんて絶対無理な身体になってしまった。まさかお互いたかだか60代でこんなことになるとは予想していなかった。

だから若い人たちに言いたい。身体が動くときにやりたいことはやっておくべき。引退したらどうのなんて呑気なことを言ってると、いつ何が起きるか解らないから。もちろん身の丈に合わない贅沢をすべきではないが、ちょっとくらい無理しても若ければ取り戻せるから。

さてさて引っ越しに備えて忙しい毎日が始まる。


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